JP6040899B2 - 電子機器および給電システム - Google Patents

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Description

本開示は、電子機器等の給電対象機器に対して非接触に電力供給(給電,送電,電力伝送)を行う給電システム、ならびにそのような給電システムに適用される電子機器に関する。
近年、例えば携帯電話機や携帯音楽プレーヤー等のCE機器(Consumer Electronics Device:民生用電子機器)に対し、非接触に電力供給を行う給電システム(非接触給電システム、ワイヤレス充電システム)が注目を集めている。これにより、ACアダプタのような電源装置のコネクタを機器に挿す(接続する)ことによって充電を開始するのはなく、電子機器(2次側機器)を充電トレー(1次側機器)上に置くだけで充電を開始することができる。すなわち、電子機器と充電トレーと間での端子接続が不要となる。
このようにして非接触で電力供給を行う方式は、2種類の手法に大別される。1つ目の手法は、既に広く知られている電磁誘導方式であり、送電側(1次側)と受電側(2次側)との結合度が非常に高いため、高効率での給電が可能である。2つ目の手法は、磁界共鳴方式と呼ばれる手法であり、積極的に共振現象を利用することによって送電側と受電側とで共有する磁束が少なくても良いという特徴がある。
ここで、以上のような非接触による給電システムは、例えば特許文献1〜6等に開示されている。
特開2001−102974号公報 WO00−27531号公報 特開2008−206233号公報 特開2002−34169号公報 特開2005−110399号公報 特開2010−63245号公報
ところで、上記のような非接触による給電システムでは一般に、給電や充電の状況に応じて、給電対象である電子機器内での負荷が変動する。したがって、磁界を用いて給電を行う際に、負荷の変動に対応して、適切な制御を行うことが可能な手法の提案が望まれる。
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、磁界を用いて給電を行う際に適切な制御を行うことが可能な電子機器および給電システムを提供することにある。
本開示の電子機器は、給電装置から磁界を用いて給電された電力を受け取る受電部と、制御部とを備えたものである。この制御部は、軽負荷時において、受電部から供給される受電電流が所定の閾値電流未満である場合には、その受電電流が上記閾値電流以上に増加するように電流増加制御を行う。
本開示の給電システムは、1または複数の上記本開示の電子機器と、この電子機器に対して磁界を用いた給電を行う給電装置とを備えたものである。
本開示の電子機器よび給電システムでは、軽負荷時における受電電流が所定の閾値電流未満である場合には、その受電電流が閾値電流以上に増加するように電流増加制御が行われる。これにより、軽負荷時においても、受電電圧が適切に制御し易くなる。
本開示の電子機器および給電システムによれば、軽負荷時における受電電流が所定の閾値電流未満である場合には、その受電電流が閾値電流以上に増加するように電流増加制御を行うようにしたので、軽負荷時においても、受電電圧を適切に制御し易くすることができる。よって、磁界を用いて給電を行う際に適切な制御を行うことが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。
本開示の一実施の形態に係る給電システムの外観構成例を表す斜視図である。 図1に示した給電システムの詳細構成例を表す図である。 図2に示した交流信号発生回路の詳細構成例を表す回路図である。 交流信号発生回路に対する制御信号の一例を表すタイミング波形図である。 図3に示した交流信号発生回路の動作例を模式的に表す回路図である。 図3に示した交流信号発生回路の他の動作例を模式的に表す回路図である。 図2に示したダミー負荷回路の詳細構成例を表す回路図である。 図6に示したダミー負荷回路の状態例を模式的に表す回路図である。 交流信号発生回路における位相差と受電電圧および負荷抵抗との関係の一例を表す特性図である。 高調波の影響について説明するための特性図である。 実施の形態に係る給電・充電動作の一例を表す流れ図である。 図10に続く給電・充電動作の一例を表す流れ図である。 予備給電の際の動作状態の一例を表す図である。 受電電流とダミー負荷の接続状態との関係の一例を表す図である。 図6に示したダミー負荷回路の他の状態例を模式的に表す回路図である。 図6に示したダミー負荷回路の他の状態例を模式的に表す回路図である。 図6に示したダミー負荷回路の他の状態例を模式的に表す回路図である。 変形例1に係るダミー負荷の切り離し処理の一例を表す流れ図である。 変形例2に係る受電電流とダミー負荷の接続状態との関係の一例を表す図である。 変形例3に係る給電システムの構成例を表す図である。 図18に示した電流増加制御部の構成例を表すブロック図である。 図19に示した電流増加制御部の構成例を表す回路図である。 図20に示した電流増加制御部の詳細構成例を表す回路図である。 図20に示した電流増加制御部の他の詳細構成例を表す回路図である。 図19に示した電流増加制御部の状態例を表すブロック図である。 図19に示した電流増加制御部の他の状態例を表すブロック図である。 変形例3に係る実測結果の一例を表す特性図である。 変形例3に係る実測結果の他の例を表す特性図である。 変形例3に係る基準電圧と各パラメータとの関係の一例を表す図である。 変形例4に係る電増加制御部の構成例を表す回路図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(ダミー負荷を利用して受電電流を増加させる場合の例)
2.変形例
変形例1(受電電流の大きさに応じてダミー負荷の切り離しを判断する場合の例)
変形例2(受電電流の大きさに応じて複数種類のダミー負荷を選択利用する例)
変形例3,4(比較器および積分器等を用いて受電電流を増加させる場合の例)
3.その他の変形例
<実施の形態>
[給電システム4の全体構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る給電システム(給電システム4)の外観構成例を表したものであり、図2は、この給電システム4の詳細構成例をブロック図および回路図で表したものである。給電システム4は、磁界を用いて(磁界共鳴や電磁誘導等を利用して;以下同様)、非接触に電力伝送(電力供給,給電,送電)を行うシステム(非接触型の給電システム)である。この給電システム4は、給電装置1(1次側機器)と、給電対象機器としての1または複数の電子機器(ここでは1つの電子機器2;2次側機器)とを備えている。
この給電システム4では、例えば図1に示したように、給電装置1における給電面(送電面)S1上に電子機器2が置かれる(または近接する)ことにより、給電装置1から電子機器2に対して電力伝送が行われるようになっている。ここでは一例として、給電装置1は、給電面S1の面積が給電対象の電子機器2等よりも大きなマット形状(トレー状)となっている。
(給電装置1)
給電装置1は、上記したように、磁界を用いて電子機器2に対して給電を行うもの(充電トレー)である。この給電装置1は、例えば図2に示したように、送電部10、交流信号発生回路(交流信号発生部,高周波電力発生回路)11、通信部12および制御部13を有している。
送電部10は、送電コイル(1次側コイル)L1およびコンデンサC1(共振用のコンデンサ)等を含んで構成されている。これらの送電コイルL1とコンデンサC1とは、互いに電気的に直列接続されている。具体的には、送電コイルL1の一端はコンデンサC1の一端に接続され、送電コイルL1の他端は接地され、コンデンサC1の他端は交流信号発生回路11の出力端子に接続されている。送電部10は、これらの送電コイルL1およびコンデンサC1を利用して、電子機器2(詳細には、後述する受電部20)に対して交流磁界を用いた給電を行うものである(図2中の矢印P1参照)。具体的には、送電部10は、給電面S1から電子機器2へ向けて磁界(磁束)を放射する機能を有している。
また、送電部10内では、送電コイルL1およびコンデンサC1を用いて、LC共振回路が構成されている。そして、この送電部10内に形成されるLC共振回路と、後述する受電部20内に形成されるLC共振回路とは、互いに磁気結合するようになっている(相互誘導)。
交流信号発生回路11は、例えば給電装置1の外部電源9(親電源)から供給される電力(直流信号Sdc)を用いて、給電を行うための所定の交流信号Sac(高周波電力)を発生する回路である。この交流信号Sacは、送電部10へ向けて供給されるようになっている。なお、外部電源9としては、例えば、通常のACアダプタや、PC(Personal Computer)などに設けられているUSB(Universal Serial Bus)2.0の電源(電力供給能力:500mA,電源電圧:5V程度)等が挙げられる。
このような交流信号発生回路11は、例えば後述するように、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等からなる1または複数のスイッチング素子SW1を含んだ、スイッチングアンプ(いわゆるE級アンプや差動アンプ等)を用いて構成されている。また、このスイッチング素子SW1には、制御部13から給電用の制御信号CTL1が供給されるようになっている。なお、この交流信号発生回路11の詳細構成については、後述する。
通信部12は、電子機器2内の後述する通信部26との間で、所定の通信動作を相互に行うものである(図2中の矢印C1参照)。
制御部13は、給電装置1全体(給電システム4全体)における種々の制御動作を行うものである。具体的には、送電部10による送電動作や通信部12による通信動作の制御を行うことの他、例えば、給電電力の最適化制御や給電対象機器を認証する機能、給電対象機器が近傍にあることを検知する機能、異種金属等の混入を検知する機能などを有している。ここで、上記した給電動作の制御の際には、前述した制御信号CTL1を用いて、交流信号発生回路11の動作を制御するようになっている。このような制御部13は、例えば、マイクロコンピュータやパルスジェネレータ等を用いて構成されている。なお、制御部13による交流信号発生回路11の制御動作の詳細については、後述する。
(電子機器2)
電子機器2は、例えば、テレビ受像機に代表される据え置き型電子機器や、携帯電話やデジタルカメラに代表される、充電池(バッテリー)を含む携帯型の電子機器等からなる。この電子機器2は、例えば図2に示したように、受電部20、整流回路21、電流検出部22、ダミー負荷回路23、充電部24、バッテリー25、通信部26、制御部27およびメモリ部28を有している。なお、ダミー負荷回路23が、本開示における「電流増加部」の一具体例に対応している。
受電部20は、受電コイル(2次側コイル)L2およびコンデンサC2s,C2p(共振用のコンデンサ)等を含んで構成されている。受電コイルL2とコンデンサC2sとは互いに電気的に直列接続されており、受電コイルL2とコンデンサC2pとは互いに電気的に並列接続されている。具体的には、コンデンサC2sの一端は、整流回路21における一方の入力端子およびコンデンサC2pの一端に接続され、コンデンサC2sの他端は受電コイルL2の一端に接続されている。また、受電コイルL2の他端は、整流回路21における他方の入力端子およびコンデンサC2pの他端に接続されている。受電部20は、これらの受電コイルL2およびコンデンサC2s,C2p等を利用して、給電装置1内の送電部10から伝送された電力(給電電力)を受け取る機能を有している。
また、受電部20内では、受電コイルL2およびコンデンサC2s,C2pを用いて、LC共振回路が構成されている。そして、この受電部20内に形成されるLC共振回路と、前述した送電部10内に形成されるLC共振回路とは、前述したように互いに磁気結合する。これにより、交流信号発生回路11により生成された高周波電力(交流信号Sac)と略同一の共振周波数によるLC共振動作がなされるようになっている。
整流回路21は、受電部20から供給される受電電圧(交流電圧)を整流し、直流電圧を生成する回路である。換言すると、整流回路21は、受電部20から供給される交流の受電電流(交流受電電流Iac)および受電電圧(交流受電電圧Vac)を整流し、直流の受電電流(直流受電電流Idc)および受電電圧(直流受電電圧Vdc)を生成する。この整流回路21は、例えば、複数の整流素子(ダイオード)を用いたブリッジ構成の回路となっている。なお、この整流回路21が、例えばトランジスタを用いた同期整流回路であってもよい。
電流検出部22は、受電部20から供給される受電電流を検出するものである。特にこの例では、電流検出部22は、電力供給ラインLp上における整流回路21の後段側において、この整流回路21による整流後の受電電流(直流受電電流Idc)を検出するようになっている。このようにして検出された直流受電電流Idcは、制御部27へ出力される。なお、このような電流検出部22は、例えば、抵抗器やカレントトランス等を用いて構成されている。
ダミー負荷回路23は、電力供給ラインLp上において整流回路21と充電部24との間に配置されており、1または複数のダミー負荷(ダミー抵抗等)を含んで構成されている。このダミー負荷回路23は、後述する所定の条件を満たす場合には、制御部27からの制御(制御信号CTL2)に従って、受電電流(この例では直流受電電流Idc)を増加させる動作(電流増加動作)を行うようになっている。なお、このダミー負荷回路23の詳細構成および電流増加動作の詳細については、後述する。
充電部24は、整流回路21から出力される直流電力に基づいて、本負荷としてのバッテリー25への充電動作を行うものである。
バッテリー25は、充電部24による充電動作に従って電力を貯蔵するものであり、例えばリチウムイオン電池等の充電池(2次電池)を用いて構成されている。
通信部26は、給電装置1内の通信部12との間で、前述した所定の通信動作を相互に行うものである(図2中の矢印C1参照)。
制御部27は、電子機器2の全体(給電システム4全体)における種々の制御動作を行うものである。具体的には、受電部20による受電動作や通信部26による通信動作の制御を行うことの他、例えば、受電電力の最適化制御を行ったり、充電部24の充電動作を制御したりする機能等を有している。
ここで本実施の形態では、この制御部27は、後述する軽負荷時において、電流検出部22により検出された受電電流(直流受電電流Idc)が所定の閾値電流Ith未満である場合(Idc<Ith)には、以下のような電流増加制御を行う。具体的には、そのような場合、制御部27は、その直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上(Idc≧Ith)に増加するように電流増加制御を行う。より具体的には、制御部27は、例えば、前述したダミー負荷回路23内におけるダミー負荷のうちの少なくとも1つを利用して、そのような電流増加制御を行うようになっている。このような制御部27は、例えば、マイクロコンピュータ等を用いて構成されている。なお、この制御部27による電流増加制御動作の詳細については、後述する。
メモリ部28は、制御部27において用いられる各種の情報を記憶しておくためのものである。具体的には、例えば上記した閾値電流Ithの情報等を記憶しておくようになっている。
[交流信号発生回路11の詳細構成例]
次に、図3,図4,図5A,図5Bを参照して、前述した交流信号発生回路11の詳細構成例について説明する。図3は、この交流信号発生回路11の回路構成例を、外部電源9、送電部10および制御部13とともに表したものである。
交流信号発生回路11は、この例では、前述したスイッチング素子SW1としての4つのスイッチング素子SW1a,SW1b,SW1c,SW1dを用いたブリッジ回路構成となっている。また、これらのスイッチング素子SW1a,SW1b,SW1c,SW1dはそれぞれ、この例ではMOSトランジスタからなる。この交流信号発生回路11では、スイッチング素子SW1a,SW1b,SW1c,SW1dのゲートにはそれぞれ、前述した制御信号CTL1としての制御信号CTL1a,CTL1b,CTL1c,CTL1dがそれぞれ個別に入力されるようになっている。スイッチング素子SW1a,SW1cのソースにはそれぞれ、外部電源9からの接続ラインが接続されている。スイッチング素子SW1aのドレインはスイッチング素子SW1bのドレインに接続され、スイッチング素子SW1cのドレインはスイッチング素子SW1dのドレインに接続されている。スイッチング素子SW1b,SW1dのソースはそれぞれ、グランド(接地)に接続されている。また、スイッチング素子SW1a,SW1bのドレインはそれぞれ、送電部10内のコンデンサC1の一端に接続され、スイッチング素子SW1c,SW1dのドレインはそれぞれ、送電部10内の送電コイルL1の一端に接続されている。
ここで、例えば図4に示したように、上記した制御信号CTL1(CTL1a,CTL1b,CTL1c,CTL1d)は、所定の周波数f(CTL1(f)=f1)およびデューティ比Duty(CTL1(Duty)=10%,50%等)を示すパルス信号からなる。また、図4に示したように、この制御信号CTL1におけるデューティ比Dutyを制御することにより、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)がなされるようになっている。
このような構成により交流信号発生回路11では、制御信号CTL1a,CTL1b,CTL1c,CTL1dに従って、スイッチング素子SW1a,SW1b,SW1c,SW1dがそれぞれ、オン・オフ動作(周波数fおよびデューティ比Dutyからなるスイッチング動作)を行う。すなわち、制御部13から供給される制御信号CTL1を用いて、スイッチング素子SW1のオン・オフ動作が制御される。これにより、例えば外部電源9側から入力される直流信号Sdcに基づいて交流信号Sacが生成され、送電部10へ供給されるようになっている。
また、この交流信号発生回路11では、制御信号CTL1a,CTL1b,CTL1c,CTL1dに従って、以下のようにしてフルブリッジ回路とハーフブリッジ回路との回路構成の切り替えが可能となっている。これにより、ハードウェア構成を変化させることなく、スイッチング動作の制御に応じて給電の際の電圧を変化させることが可能となる。
具体的には、例えば図5Aに示したように、4つのスイッチング素子SW1a,SW1b,SW1c,SW1dがそれぞれオン・オフ動作を行う場合、フルブリッジ回路の構成となる。
また、例えば図5Bに示したように、2つのスイッチング素子SW1a,SW1bがそれぞれオン・オフ動作を行う一方、スイッチング素子SW1cが常にオフ状態となると共にスイッチング素子SW1dが常にオン状態となる場合、以下のようになる。すなわち、この場合、2つのスイッチング素子SW1a,SW1bからなるハーフブリッジ回路の構成と等価となる。したがって、この場合には、図5Aに示したフルブリッジ回路の場合と比べ、給電の際に交流信号発生回路11により生成される電圧(給電電圧)が、約1/2となる。なお、これらの図5A,図5Bおよびこれ以降の同様の図面上では、それらの動作状態を分かり易くするため、各スイッチング素子をスイッチの形状で模式的に示している。
[ダミー負荷回路23の詳細構成例]
次に、図6および図7を参照して、前述したダミー負荷回路23の詳細構成例について説明する。図6は、このダミー負荷回路23の回路構成例を、制御部27とともに表したものである。
ダミー負荷回路23は、この例では、抵抗素子(ダミー抵抗)からなる2つのダミー負荷Ra,Rbと、MOSトランジスタからなる2つのスイッチング素子SW2a,SW2bとを有している。ダミー負荷Raとスイッチング素子SW2aとは、電力供給ラインLpとグランドラインとの間で互いに直列接続され、ダミー負荷Rbとスイッチング素子SW2bとは、電力供給ラインLpとグランドラインとの間で互いに直列接続されている。具体的には、ダミー負荷Raの一端は電力供給ラインLpに接続され、ダミー負荷Raの他端はスイッチング素子SWaのドレインに接続され、スイッチング素子SWaのソースはグランドラインに接続されている。同様に、ダミー負荷Rbの一端は電力供給ラインLpに接続され、ダミー負荷Rbの他端はスイッチング素子SWbのドレインに接続され、スイッチング素子SWbのソースはグランドラインに接続されている。また、これらダミー負荷Raとスイッチング素子SWaとの素子対と、ダミー負荷Rbとスイッチング素子SWbとの素子対とは、互いに並列配置されている。そして、スイッチング素子SW2a,SW2bのゲートには、前述した制御信号CTL2としての制御信号CTL2a,CTL2bがそれぞれ個別に入力されている。
このような構成によりダミー負荷回路23では、制御部27から供給される制御信号CTL2a,CTLbに従って、2つのスイッチング素子SW2a,SW2bが個別にオン状態またはオフ状態となるように設定される。その結果、このダミー負荷回路23では、2つのダミー負荷Ra,Rbが、直流受電電流Idcの供給経路間(電力供給ラインLpとグランドラインとの間)に対して個別に接続あるいは非接続となるようになっている。
なお、例えば図7に示したように、前述した軽負荷時以外(後述する(Idc<Ith)を満たす場合以外)では、スイッチング素子SW2a,SW2bがいずれもオフ状態となるように設定される。つまり、ダミー負荷Ra,Rbがいずれも、直流受電電流Idcの供給経路間に対して非接続となるように設定されている。
[給電システム4の作用・効果]
(1.全体動作の概要)
この給電システム4では、給電装置1内の交流信号発生回路11が、外部電源9から供給される電力に基づいて、送電部10内の送電コイルL1およびコンデンサC1に対して、送電を行うための所定の高周波電力(交流信号Sac)を供給する。これにより、送電部10内の送電コイルL1において磁界(磁束)が発生する。このとき、給電装置1の上面(給電面S1)に、給電対象機器としての電子機器2が置かれる(または近接する)と、給電装置1内の送電コイルL1と電子機器2内の受電コイルL2とが、給電面S1付近にて近接する。
このように、磁界を発生している送電コイルL1に近接して受電コイルL2が配置されると、送電コイルL1から発生されている磁束に誘起されて、受電コイルL2に起電力(誘導起電力)が生じる。換言すると、電磁誘導または磁界共鳴により、送電コイルL1および受電コイルL2のそれぞれに鎖交して磁界が発生する。これにより、送電コイルL1側(1次側、給電装置1側、送電部10側)から受電コイルL2側(2次側、電子機器2側、受電部20側)に対して、電力伝送がなされる(図2中の矢印P1参照)。このとき、給電装置1側の送電コイルL1と電子機器2側の受電コイルL2とが電磁誘導等により互いに磁気結合し、LC共振動作が行われる。
すると、電子機器2では、受電コイルL2において受け取った交流電力が、整流回路21を介して充電部24へ供給され、例えば以下の充電動作がなされる。すなわち、交流電圧(交流電流)が整流回路21によって所定の直流電圧(直流電流)に変換された後、充電部24によって、この直流電圧に基づくバッテリー25への充電がなされる。このようにして、電子機器2において、受電部20において受け取った電力に基づく充電動作が行われる。
すなわち、本実施の形態では、電子機器2の充電に際し、例えばACアダプタ等への端子接続が不要であり、給電装置1の給電面S1上に置く(近接させる)だけで、容易に充電を開始させることができる(非接触給電がなされる)。これは、ユーザにおける負担軽減に繋がる。
また、このような動作の際に、給電装置1内の通信部12と電子機器2内の通信部26との間で、相互の通信動作が行われる(図2中の矢印C1参照)。これにより、例えば互いの機器間認証や給電効率制御等がなされる。
(2.軽負荷時の受電電流について)
ところで、本実施の形態の給電装置1では、交流信号発生回路11において、前述したようなPWM制御を用いた給電電力の制御が行われる(図4参照)。ところが、このようなPWM制御による給電電力制御を行う場合、以下説明するように、軽負荷時に、電子機器2において受電電力が適切に制御できなくなってしまうおそれがある。
なお、PWM制御では一般に、スイッチング素子への入力の位相差を変化させることが、デューティ比を変化させることと等価となる。一例として、入力の位相差=90°は、デューティ比=25%に相当する。
ここで図8は、交流信号発生回路11における、スイッチング素子SW1a〜SW1dへの入力の位相差と、電子機器2における直流受電電圧Vdcおよび負荷抵抗との関係の一例を表したものである。この図8により、電子機器2においてある程度の電流(直流受電電流Idc)が流れているとき(負荷抵抗の値がある程度小さいとき)には、位相差が小さくなるのに従って直流受電電圧Vdcも小さくなっている。つまり、そのような場合には、位相差と直流受電電圧Vdcとが単調減少の関係にある。ところが、電子機器2において流れる電流が少なくなってくると(負荷抵抗の値が増加すると)、これらが単調減少の関係ではなくなってしまう。
これは、直流受電電流Idcが小さくなると(負荷が軽くなると)、電子機器2において複共振の周波数成分が見え易くなり、高調波の影響が大きくなることが原因である。具体的には、例えば図9に示したように、基本波成分と高調波成分との割合(比率)がデューティ比によって大きく異なっており、基本波成分についてはデューティが50%まで増加するのに従って単調増加する一方、高調波成分については単調増加とはなっていない。したがって、例えば、基本波に占める特定の高調波成分の割合が高くなる場合が生じ得る。このように、電子機器2において複共振が発生する場合、負荷が軽くなる(直流受電電流Idcの値が小さくなる)と、高調波の影響が大きくなり、PWM制御による給電電力の際に受電電圧(直流受電電圧Vdc等)の調整が困難となるおそれがある。換言すると、電子機器2における軽負荷に起因して、直流受電電圧Vdcの制御不能状態へ陥るおそれや、直流受電電圧Vdcが過電圧となるおそれがある。
ここで、本実施の形態の給電システム4では、後述するように、給電や充電の状況に応じて、給電対象である電子機器2内での負荷が変動する。したがって、磁界を用いて給電を行う際に、負荷の変動に対応して適切な制御を行うことが求められる。なお、これまで説明したようなPWM制御を利用した給電電力制御以外の場合でも、電子機器2における負荷が軽くなりすぎると、給電装置1における電圧制御範囲が狭いことが要因で、やはり、受電電圧(直流受電電圧Vdc等)の調整が困難となるおそれがある。
(3.受電電流の増加動作)
そこで本実施の形態では、2次側機器である電子機器2において、以下のようにして上記した問題を解決している。
すなわち、電子機器2内の制御部27が、軽負荷時において電流検出部22により検出された直流受電電流Idcが所定の閾値電流Ith未満である場合(Idc<Ith)には、以下のような電流増加制御を行う。具体的には、そのような場合、制御部27は、その直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上(Idc≧Ith)に増加するように電流増加制御を行う。より具体的には、制御部27は、ダミー負荷回路23内におけるダミー負荷のうちの少なくとも1つを利用して、そのような電流増加制御を行う。以下、このような電流増加制御を含んだ一連の給電・充電動作について、詳細に説明する。
ここで、上記した「軽負荷時」としては、例えば以下の2つの期間が想定される。すなわち、まず、本負荷としてのバッテリー25の接続前の期間(後述する起動時の予備給電の期間:第1期間)が挙げられる。また、そのようなバッテリー25の接続後における、後述する本給電に基づくバッテリー25への充電動作の期間(例えば満充電付近の期間:第2期間)が挙げられる。
したがって、本実施の形態では以下詳述するように、そのような予備給電の期間と充電動作の期間との双方において、軽負荷であるのか否か(直流受電電流Idcが閾値電流Ith未満であるのか否か)が判定される。また、後述するように、充電動作の期間では、そのような軽負荷であるのか否かが定期的に判定される。そして、軽負荷であると判定された場合には、上記した電流増加制御が行われる。
図10および図11は、本実施の形態の給電・充電動作を流れ図で表わしたものである。この給電・充電動作では、まず、給電装置1から電子機器2に対し、本給電と比べて低電力である予備給電が開始され(図10のステップS101)、この予備給電により得られた受電電力を利用して、電子機器2が起動する(ステップS102)。
次いで、給電装置1と電子機器2との間での通信により、電子機器2(制御部27)において、本給電の際の受電電力が決定される(ステップS103)。なお、この予備給電の際には、必要な給電電力が本給電と比べて低いため、給電装置1内の交流信号発生回路11はハーフブリッジ回路に設定されている。
ここで、このような予備給電の際には、例えば図12に示したように、制御部27が充電部24を非動作状態に制御することにより、本負荷(この例ではバッテリー25)が電力供給ラインLpから非接続状態となるように設定される。
次に、電子機器2では、ステップS103において決定された受電電力による本給電の開始要求を給電装置1側へ通知する(後述するステップS106)前に、電流検出部22において、この予備給電の際の直流受電電流Idcを検出する(ステップS104)。そして、制御部27は、検出された直流受電電流Idcが所定の閾値電流Ith未満(Idc<Ith)であるのか否かを判定する(ステップS105)。なお、この予備給電の際の直流受電電流Idcは、後述する充電動作時とは異なり、IC(Integrated Circuit)における消費電流として事前に推定して見積もっておくことが可能である。したがって、上記したステップS104,S105においては、電流検出部22において検出された電流の代わりに、そのようにして事前に見積もって設定しておいた値を例えばメモリ部28から読み出して用いるようにしてもよい。
この閾値電流Ithは、例えば図8において説明したような、軽負荷に起因して受電電圧の制御不能状態へ陥るおそれや、受電電圧が過電圧となるおそれが回避されるような電流値に設定される。一例としては、閾値電流Ith=100mA程度に設定することが考えられる。また、この閾値電流Ithの値は固定値には限られず、例えば以下のような可変値(値が変更可能な構成)であってもよい。具体的には、例えば図13中の矢印P2で示したように、閾値電流Ithの値を、受電部20から供給されて整流された後の受電電圧(直流受電電圧Vdc)の大きさに応じて変化させる(例えば、電子機器2における負荷抵抗値を一定値以下に制御する)ように設定してもよい。
ここで、検出された直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上(Idc≧Ith)であると判定された場合(ステップS105:N)、例えば図8において説明したような、軽負荷に起因して受電電圧の制御不能状態へ陥るおそれや、受電電圧が過電圧となるおそれがないと言える。したがって、この場合には以下説明する電流増加制御はなされず、電子機器2から給電装置1に対し、通信を利用して本給電の開始要求が通知される(ステップS106)。つまり、この場合には前述した図7に示したように、ダミー負荷回路23内では、ダミー負荷Ra,Rbがいずれも直流受電電流Idcの供給経路間に対して非接続状態に設定されたままとなる(図13中に示した電流範囲A2参照)。
一方、検出された直流受電電流Idcが閾値電流Ith未満(Idc<Ith)であると判定された場合(ステップS105:Y)、電子機器2内では以下のようにして電流増加制御がなされる。
すなわち、まず制御部27が、例えば図14に示したように、ダミー負荷回路23内のダミー負荷Ra,Rbのうちの少なくとも1つ(この例では、ダミー負荷Raのみ)を、直流受電電流Idcの供給経路間に接続させる(ステップS107,図13中に示した電流範囲A1参照)。具体的には、制御部27は、スイッチング素子SW2aがオン状態になると共にスイッチング素子SW2bがオフ状態となるように制御する。これにより図14中に示したように、そのダミー負荷Raに対して、直流受電電流Idcの供給経路(電力供給ラインLp)から電流Iaが流れるようになり、直流受電電流Idcが増加する。このようにして、直流受電電流Idcの増加制御(電流増加制御)がなされる。
そのような電流増加制御がなされた後、制御部27は、再度検出された直流受電電流Idcが閾値電流Ith未満(Idc<Ith)であるのか否かを判定する(ステップS108)。ここで、再度検出された直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上(Idc≧Ith)であると判定された場合(ステップS108:N)、すなわち、電流増加制御によって直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上に増加した場合には、前述したステップS106へと移行する。つまり、電子機器2から給電装置1に対し、通信を利用して本給電の開始要求が通知される。この場合も、軽負荷に起因して受電電圧の制御不能状態へ陥るおそれや、受電電圧が過電圧となるおそれがなくなったと言えるためである。
一方、再度検出された直流受電電流Idcもが閾値電流Ith未満(Idc<Ith)であると判定された場合(ステップS108:Y)、すなわち、電流増加制御がなされても依然として直流受電電流Idcが閾値電流Ith未満である場合には、以下のようにして再度の電流増加制御が行われる。つまり、制御部27は、ダミー負荷回路23内でダミー負荷を追加的に直流受電電流Idcの供給経路間に接続させるか、または、ダミー負荷をより負荷(例えば抵抗値)の大きいものに切り替える(ステップS109)。なお、このような再度の電流増加制御の後は、再びステップS108に戻ることになる。
ここで、ダミー負荷を追加的に接続させる場合、具体的には例えば図15Aに示したようになる。すなわち、この例では、制御部27は、ダミー負荷Raに加えてダミー負荷Rbをも、直流受電電流Idcの供給経路間に接続させる。より具体的には、制御部27は、スイッチング素子SW2a,SW2bがいずれもオン状態となるように制御する。これにより図15A中に示したように、ダミー負荷Ra,Rbに対して、直流受電電流Idcの供給経路から電流Ia,Ibがそれぞれ流れるようになり、直流受電電流Idcが更に増加する。このようにして、直流受電電流Idcの更なる増加制御がなされる。
一方、ダミー負荷をより負荷の大きいものに切り替える場合、具体的には例えば図15Bに示したようになる。すなわち、この例において、ダミー負荷Raと比べてダミー負荷Rbのほうがその負荷が大きい場合、制御部27は、ダミー負荷Raの代わりにダミー負荷Rbを直流受電電流Idcの供給経路間に接続させる。より具体的には、制御部27は、スイッチング素子SW2aがオフ状態になると共にスイッチング素子SW2bがオン状態となるように制御する。これにより図15B中に示したように、より負荷の大きいダミー負荷Rbに対して、直流受電電流Idcの供給経路から電流Ibが流れるようになり、直流受電電流Idcが更に増加する。このようにして、直流受電電流Idcの更なる増加制御がなされる。
ここで、前述した、給電装置1側への本給電の開始要求の通知(ステップS106)の後は、次に、給電装置1から電子機器2に対し、予備給電と比べて高電力である本給電が開始される(ステップS110)。換言すると、この本給電では、給電装置1内の交流信号発生回路11がハーフブリッジ回路からフルブリッジ回路に切り替えられる。
このようにして本給電が開始されると、制御部27は充電部24を動作状態に切り替えることにより、電子機器2内で本負荷としてのバッテリー25が電力供給ラインLpに接続されるように設定する(ステップS111)。また、このステップS111では、そのようにしてバッテリー25が接続状態に設定される際に、制御部27が、ダミー負荷Ra,Rbの双方を直流受電電流Idcの供給経路間から切り離す。具体的には、制御部27は、前述した図7に示したように、スイッチング素子SW2a,SW2bがいずれもオフ状態となるように制御する。これにより、ダミー負荷Ra,Rbに対して電流Ia,Ibがいずれも流れなくなり、直流受電電流Idcの増加制御が停止される。
次に、電子機器2において、充電部24によって受電電力(本給電)に基づくバッテリー25への充電動作が行われる(図11のステップS112)。続いて、制御部27は、この充電動作によりバッテリー25が満充電状態となったか否かを判定する(ステップS113)。ここで、満充電状態であると判定された場合には(ステップS113:Y)、図10および図11に示した給電・充電動作が終了となる。
一方、満充電状態ではないと判定された場合には(ステップS113:N)、続いて制御部27は、この充電動作時において再度検出された直流受電電流Idcが、閾値電流Ith未満(Idc<Ith)であるのか否かを判定する(ステップS114)。ここで、再度検出された直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上(Idc≧Ith)であると判定された場合(ステップS114:N)、前述した電流増加制御はなされず、ステップS112へと戻ることになる。
一方、再度検出された直流受電電流Idcが閾値電流Ith未満(Idc<Ith)であると判定された場合(ステップS114:Y)、制御部27は、前述した手法(ダミー負荷を接続する手法)にて電流増加制御を行う(ステップS115)。そして、そのような電流増加制御がなされた後、制御部27は、直流受電電流Idcが閾値電流Ith未満(Idc<Ith)であるのか否かを再度判定する(ステップS116)。
ここで、直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上(Idc≧Ith)であると判定された場合(ステップS116:N)、すなわち、電流増加制御によって直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上に増加した場合には、前述したステップS112へと戻ることになる。
一方、直流受電電流Idcが閾値電流Ith未満(Idc<Ith)であると判定された場合(ステップS116:Y)、すなわち、電流増加制御がなされても依然として直流受電電流Idcが閾値電流Ith未満である場合には、以下のようになる。つまり、制御部27は、前述した手法(例えば図15Aまたは図15Bに示した手法)にて、再度の電流増加制御を行う。具体的には、制御部27は、ダミー負荷回路23内でダミー負荷を追加的に直流受電電流Idcの供給経路間に接続させるか、または、ダミー負荷をより負荷の大きいものに切り替える(ステップS117)。なお、このような再度の電流増加制御の後は、再びステップS116に戻ることになる。
以上のように本実施の形態では、軽負荷時における直流受電電流Idcが所定の閾値電流Ith未満である場合には、その直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上に増加するように電流増加制御を行う。これにより、そのような軽負荷時においても、電子機器2内の受電電圧(直流受電電圧Vdc等)を適切に制御し易くすることができる。具体的には、例えば図8において説明したような、軽負荷に起因して受電電圧の制御不能状態へ陥るおそれや、受電電圧が過電圧となるおそれを回避することができる。よって、磁界を用いて給電を行う際に、適切な制御を行うことが可能となる。
<変形例>
続いて、上記実施の形態の変形例(変形例1〜4)について説明する。なお、実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
[変形例1]
図16は、変形例1に係るダミー負荷の切り離し処理の一例を流れ図で表したものである。本変形例では上記実施の形態とは異なり、制御部27は、バッテリー25が接続状態に設定された後において、直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上(Idc≧Ith)である場合に、ダミー負荷を直流受電電流Idcの供給経路間から切り離すようにする。つまり、バッテリー25が接続状態に設定された後に、直流受電電流Idcの大きさを再度確認してから、ダミー負荷の切り離しを行うようにしている。
なお、図16に示した処理は、例えば、実施の形態において説明したステップS111,S112の処理を置き換えたものに対応しており、本変形に係る一連の給電・充電動作におけるその他の処理は、基本的には実施の形態と同様となっている。
本変形例のダミー負荷の切り離し処理では、まず、実施の形態の場合と同様に、電子機器2内で本負荷としてのバッテリー25が接続されると(図16のステップS201)、次にバッテリー25への充電動作が行われる(ステップS202)。ただし、本変形例では実施の形態とは異なり、この段階では、ダミー負荷の切り離しがまだ実行されない。
続いて、電子機器2では、この段階で検出された直流受電電流Idcが、閾値電流Ith未満(Idc<Ith)であるのか否かを再度判定する(ステップS203)。ここで、検出された直流受電電流Idcが閾値電流Ith未満(Idc<Ith)であると判定された場合(ステップS203:Y)、依然として軽負荷であることから、この段階ではまだダミー負荷の切り離しが実行されず、ステップS202へと戻ることになる。
一方、検出された直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上(Idc≧Ith)であると判定された場合(ステップS203:N)には、次に制御部27は、ダミー負荷の切り離しが実行されるように制御する(ステップS204)。以上で、図16に示したダミー負荷の切り離し処理が終了となる。
このようにして本変形例では、バッテリー25が接続状態に設定された後に、直流受電電流Idcの大きさを再度確認してからダミー負荷の切り離しを行うようにしたので、上記実施の形態における効果に加え、例えば以下の効果も得ることが可能となる。すなわち、まず、本負荷としてのバッテリー25を接続状態に設定したときには、この本負荷が重い負荷となるため、実施の形態のように、この時点でダミー負荷を切り離したほうが望ましいと言える。ただし、状況によっては、本負荷の接続後においても軽負荷状態であることも想定される。したがって、上記した本変形例の手法を採用することにより、状況に応じてダミー負荷の切り離しタイミングを適切に制御できるようになる。よって、磁界を用いて給電を行う際に、より適切な制御を行うことが可能となる。
[変形例2]
図17は、変形例2に係る受電電流(直流受電電流Idc)とダミー負荷の接続状態との関係の一例を表したものである。本変形例では、ダミー負荷回路23は、負荷の大きさ(抵抗値等)が異なる複数種類(この例では3種類)のダミー負荷を有している。そして、制御部27は、直流受電電流Idcが閾値電流Ith未満であると判定された場合には、その直流受電電流Idcの大きさに応じて複数種類のダミー負荷のうちから選択された種類のダミー負荷を直流受電電流Idcの供給経路間に接続させることで、電流増加制御を行う。
具体的には、制御部27は、直流受電電流Idcが小さくなるのに従って、相対的に負荷の大きいダミー負荷を接続させるようにしている。つまり、図17に示した例では、直流受電電流Idcの値が閾値電流Ith未満で小さくなるのに従って(電流範囲A11→電流範囲A12→電流範囲A13と移行するのに従って)、(負荷:小)→(負荷:中)→(負荷:大)の順にダミー負荷の種類を切り替えて接続させている。
このようにして本変形例では、検出された直流受電電流Idcの大きさに応じて、負荷の大きさが異なる複数種類のダミー負荷のうちから選択された種類のダミー負荷を接続させるようにしたので、より細やかな電流増加制御を行うことが可能となる。
なお、図17に示した例では、負荷の大きさが異なる3種類のダミー負荷を用いているが、これには限られず、負荷の大きさが異なる2種類あるいは4種類以上のダミー負荷を用いるようにしてもよい。
[変形例3]
(構成)
図18は、変形例3に係る給電システム(給電システム4A)の構成例を、ブロック図および回路図で表したものである。本変形例の給電システム4Aは、給電装置1および電子機器2Aを備えている。つまり、給電システム4において、電子機器2の代わりに電子機器2Aを設けたものであり、他の構成は基本的には同様となっている。
電子機器2Aは、図18に示したように、電子機器2において、ダミー負荷回路23の代わりに電流増加制御部23Aを設けると共に、制御部27の代わりに制御部27Aを設けたものに対応しており、他の構成は基本的には同様となっている。制御部27Aは、制御部27において前述した電流増加制御を行わないようにしたものに対応しており、他の機能は基本的には同様となっている。また、電流増加制御部23Aは、制御部27の代わりに以下説明する電流増加制御を行うものであり、本開示における「制御部」の一具体例に対応している。
図19は、この電流増加制御部23Aの構成例をブロック図で表したものであり、図20は、図19に示した電流増加制御部23Aの構成例を回路図で表したものである。また、図21Aおよび図21Bはそれぞれ、図20に示した電流増加制御部23Aの詳細構成例を、電流検出部22の回路構成例とともに回路図で表したものである。
電流増加制御部23Aは、後述するように、直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上(Idc≧Ith)に増加するように、換言すると、直流受電電流Idcが閾値電流Ith未満(Idc<Ith)とならないように、電流増加制御を能動的に行う回路(自動負荷制御部)である。この電流増加制御部23Aは、図19に示したように、基準電圧出力部231、比較器(コンパレータ)232、積分器233およびトランジスタ234を有している。
ここで、電流増加制御部23Aにおけるこれらの構成について説明する前に、図20および図21A,図21Bを参照して、本変形例における電流検出部22の回路構成例について説明する。本変形例では、電流検出部22は、電流(直流受電電流Idc)を電圧(直流受電電圧Vdc)として検出するようになっており、例えば抵抗器22Rおよび増幅器(アンプ)22Aを有している。抵抗器22Rは、直流受電電流Idcの供給経路(電力供給ラインLp)上に挿入配置されている。増幅器22Aの正(+)側入力端子には、抵抗器22Rの一端側に接続された配線が接続され、負(−)側入力端子には、抵抗器22Rの他端側に接続された配線が接続されている。また、増幅器22Aの出力端子からは、検出された直流受電電流Idcが直流受電電圧Vdcとして出力されるようになっている。
基準電圧出力部231は、閾値電流Ithに対応する基準電圧Vrefを出力する回路であり、例えば図20に示したように、2つの抵抗器231R1,231R2を有している。抵抗器231R1の一端には後述する入力電圧Vin1が入力され、抵抗器231R1の他端は、抵抗器231R2の一端および後述する比較器232の負側入力端子に接続されている。抵抗器231R2の他端は接地されている。このような構成により基準電圧出力部231では、入力電圧Vin1が抵抗器231R1,231R2の抵抗比に応じて分圧され、基準電圧Vrefとして出力されるようになっている。具体的には、抵抗器231R1,231R2の抵抗値をそれぞれR11,R12とすると、基準電圧Vrefは以下の(1)式で表される。
Vref=Vin1×{R12/(R11+R12)} ……(1)
ここで、この入力電圧Vin1としては、例えば図21Aに示したように、所定の固定電圧Vcnstを用いる(Vin1=Vcnst)場合と、例えば図21Bに示したように、可変電圧である直流受電電圧Vdcを用いる(Vin1=Vdc)場合とが挙げられる。
図21Aの例では、基準電圧出力部231において、固定電圧Vcnstが上記した抵抗比に応じて分圧されることで、定電圧である基準電圧Vrefが生成されるようになっている。一方、図21Bの例では、基準電圧出力部231において、直流受電電圧Vdcが上記した抵抗比に応じて分圧されることで、この直流受電電圧Vdcの変化に連動して変化する可変電圧である基準電圧Vrefが生成されるようになっている。
比較器232は、図19に示したように、直流受電電流Idcに対応する直流受電電圧Vdcと、閾値電流Ithに対応する基準電圧Vrefとの電圧(電位)の大小を比較し、その比較結果を示す出力信号(出力電圧Vout)を出力する回路である。この比較器232では、図19〜図21Bに示したように、正側入力端子に直流受電電圧Vdcが入力され、負側入力端子に基準電圧Vrefが入力され、出力端子から出力電圧Voutが出力されるようになっている。
積分器233は、比較器232から供給される出力電圧Voutに基づいて、トランジスタ234の制御信号CTL3を生成および出力することにより、後述する電流増加制御を行う回路(アクティブLPF(Low Pass Filter),PI(Proportional Integral)制御回路)である。具体的には、積分器233は、比較器232からの出力電圧Voutを積算することで、そのような制御信号CTL3を生成するようになっている。
この積分器233は、例えば図20,図21A,図21Bに示したように、4つの抵抗器233R1,233R2,233R3,233R4と、1つのコンデンサ233Cと、1つの増幅器233Aとを有している。抵抗器233R1の一端には入力電圧Vin3が入力され、抵抗器233R1の他端は、抵抗器233R2の一端および増幅器233Aの正側入力端子に接続され、抵抗器233R2の他端は接地されている。また、抵抗器233R3の一端は比較器232の出力端子に接続され、抵抗器233R3の他端は、増幅器233Aの負側入力端子と、コンデンサ233Cおよび抵抗器233R4の各一端とにそれぞれ接続されている。コンデンサ233Cおよび抵抗器233R4の各他端は、増幅器233Aの出力端子および後述するトランジスタ234のゲートに接続されている。
トランジスタ234は、積分器233から供給される制御信号CTL3による制御に従って動作するものであり、この例ではMOSトランジスタからなる。ただし、このトランジスタ234が、例えばバイポーラトランジスタ等であってもよい。図19〜図21Bに示したように、トランジスタ234のゲートには制御信号CTL3が入力され、ソースおよびドレインのうちの一方は直流受電電流Idcの供給経路(電力供給ラインLp)に接続され、他方は接地されている。このような構成によりトランジスタ234では、詳細は後述するが、制御信号CTL3によるゲート電圧の制御に応じて、電力供給ラインLpと接地との間に電流を流すことが可能となっている。
(作用・効果)
本変形例の給電システム4Aでは、電流増加制御部23Aにおいて、以下のような動作(電流増加制御)が行われる。
まず、電流増加制御部23A内の比較器233は、比較器232からの出力信号(出力電圧Vout)に基づいて、前述した軽負荷時における直流受電電圧Vdcが基準電圧Vref未満であるのか否か(Vdc<Vrefを満たすのか否か)を判定する。換言すると、積分器233は、軽負荷時における直流受電電流Idcが閾値電流Ith未満であるのか否か(Idc<Ithを満たすのか否か)を判定する。
ここで、Vdc≧Vref(Idc≧Ith)であると判定された場合には、前述したような、軽負荷に起因して受電電圧の制御不能状態へ陥るおそれや、受電電圧が過電圧となるおそれがないと言える。したがって、この場合には、電流増加制御部23Aにおいて以下説明する電流増加制御はなされない。つまり、この場合には例えば図22Aに示したように、積分器233から出力される制御信号CT3に従ってトランジスタ234がオフ状態に設定され、このトランジスタ234に電流は流れないことになる。
一方、Vdc<Vref(Idc<Ith)であると判定された場合には、前述したような、軽負荷に起因して受電電圧の制御不能状態へ陥るおそれや、受電電圧が過電圧となるおそれがあると言える。したがって、この場合には、電流増加制御部23Aにおいて、以下のような電流増加制御がなされる。具体的には、そのような場合、積分器233は、例えば図22Bに示したように、制御信号CT3によってトランジスタ234をオン状態に設定し、このトランジスタ234を直流受電電流Idcの供給経路(電力供給ラインLp)に接続させる。これにより図22B中に示したように、トランジスタ234に対して電流Icが流れるようになり、直流受電電流Idcが増加する。このようにして、直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上(Idc≧Ith)に増加するように、電流増加制御がなされる。
ここで、図23および図24はそれぞれ、変形例3に係る実測結果例を、電流増加制御部23が有る場合(実施例)と無い場合(比較例)との双方について表したものである。具体的には、図23は、直流受電電流Idcと直流受電電圧Vdcとの関係を示す実測結果例を、図24は、交流受電電圧Vacの時間変化を示す実測結果例を、それぞれ表している。なお、これらの実測結果例はそれぞれ、シミュレーションの場合と同様の結果が得られた。
図23により、電流増加制御部23Aを設けることで、直流受電電流Idcが小さい場合における直流受電電圧Vdcの急激な上昇が回避されていることが分かる。また、図24により、電流増加制御部23Aを設けることで、高調波の起因した交流受電電圧Vacでのリンギングが抑えられ、電圧上昇が抑制されていることが分かる。
また、図25は、図21Bに示した回路構成(入力電圧Vin1として可変電圧である直流受電電圧Vdcを用いた構成)の場合における、基準電圧Vrefと各パラメータ(直流受電電圧Vdc,閾値電流Ith,負荷抵抗値)との関係を示す実測結果例を表したものである。この図25により、直流受電電圧Vdcが変化した場合であっても、この回路構成の場合には、前述したようにそれに伴って基準電圧Vref(閾値電流Ith)も変化するため、結果として負荷抵抗の値が一定に保たれていることが分かる。具体的には、この場合、直流受電電圧Vdcが高くなるのに応じて、基準電圧Vref(閾値電流Ith)も増加し、より多くの電流(直流受電電流Idc)が流れることにより、負荷抵抗値が一定に保たれることになる。
以上のように本変形例では、電流増加制御部23Aにおいて、軽負荷時における直流受電電流Idcが閾値電流Ith未満である場合には、その直流受電電流Idcが閾値電流Ith以上に増加するように電流増加制御を行う。これにより、そのような軽負荷時においても、電子機器2A内の受電電圧(直流受電電圧Vdc等)を適切に制御し易くすることができる。具体的には、例えば図8において説明したような、軽負荷に起因して受電電圧の制御不能状態へ陥るおそれや、受電電圧が過電圧となるおそれを回避することができる。よって、上記実施の形態と同様に、磁界を用いて給電を行う際に、適切な制御を行うことが可能となる。
また、特に本変形例では、上記実施の形態で説明した、ダミー負荷回路23を利用した電流増加制御の場合とは異なり、自律的(能動的)な電流増加制御が可能となると共に、ステップ的(非連続的)ではなく連続的な電流増加制御が可能となる。
更に、例えば図21Bに示したように、直流受電電圧Vdcが分圧されることによって、この直流受電電圧Vdcの変化に連動して変化する可変電圧である基準電圧Vrefが生成されるようにした場合には、例えば以下のような効果も得ることが可能である。すなわち、例えば、直流受電電圧Vdcの電圧変動が大きい場合などには、このような回路構成を用いて負荷抵抗値を一定に保持するほうが、直流受電電流Idcを一定に保持する場合よりも効果が大きくなり得る。
[変形例4]
(構成)
図26は、変形例4に係る電増加制御部(電流増加制御部23B)の回路構成例を表したものである。本変形例の電流増加制御部23Bは、変形例3において説明した電流増加制御部23(図21Bの構成)において、基準電圧出力部231の代わりに基準電圧出力部231Bを設けると共に、制御部27Aによってこの基準電圧出力部231Bの動作を制御するようにしたものに対応しており、他の構成は基本的には同様となっている。
基準電圧出力部231Bは、図21Bに示した基準電圧出力部231において、直流受電電圧Vdcを分圧する際の分圧比を変化させることが可能な構成となっている。具体的には、この基準電圧出力部231Bでは、図21Bに示した抵抗器231R1の代わりに、互いに並列接続された2つの抵抗器231R1a,231R1bが設けられると共に、MOSトランジスタ等からなる1つのスイッチング素子SW31が、抵抗器231R1bに対して直列接続されている。同様に、図21Bに示した抵抗器231R2の代わりに、互いに並列接続された2つの抵抗器231R2a,231R2bが設けられると共に、MOSトランジスタ等からなる1つのスイッチング素子SW32が、抵抗器231R2bに対して直列接続されている。そして、これらのスイッチング素子SW31,SW32はそれぞれ、制御部27Aから供給される制御信号CTL31,CTL32に従って、それらのオン状態とオフ状態とが個別に制御されるようになっている(図26中の破線の矢印参照)。
基準電圧出力部231Bでは、このようにしてスイッチング素子SW31,SW32のオン・オフ状態が個別に制御されることで、上記したように、直流受電電圧Vdcを分圧する際の分圧比(抵抗比)が変化する。これにより本変形例の電流増加制御部23Bでは、制御部27Aによる制御に従って基準電圧Vrefの値が変更可能となり、上記変形例3における効果に加えて例えば以下のような効果も得ることが可能となる。
すなわち、変形例3において説明した電流増加制御部23Aでは、基本的には制御部27Aによる動的な制御が不要であり、スタンドアローン動作が可能であるのが大きな利点である。一方で、非接触給電を行う際には、例えば初期動作フェーズや通信フェーズ、給電フェーズなど、複数のフェーズが存在することが多い。また、電力に応じてトポロジーを変化させることも考えられるため、そのような複数のフェーズごとに、制御する電流値や負荷抵抗値を変化させることも想定される。そこで、本変形例の電流増加制御部23Bを用いることで、制御部27Aによる動的な制御は不要のまま、初期パラメータで能動的に負荷制御を行い、特定のフェーズにおける制御値(電流値や負荷抵抗値)を変更することが可能となる。
また、負荷抵抗値が一定以上とならないように制御することで、電流値を制御する場合と同様に、直流受電電圧Vdcが過電圧となるおそれ等を回避することが可能となる。
なお、本変形例では、スイッチング素子SW31,SW32のオン・オフ状態を利用して分圧比を変化させる構成としたが、これには限られない。例えば、図21Bに示した抵抗器231R1,231R2をそれぞれ可変抵抗器とすることで、分圧比を変化させるようにしてもよい。
<その他の変形例>
以上、実施の形態および変形例を挙げて本開示の技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態等では各種のコイル(送電コイル,受電コイル)を挙げて説明しているが、これらのコイルの構成(形状)としては種々のものを用いることが可能である。すなわち、例えばスパイラル形状やループ形状、磁性体を用いたバー形状、スパイラルコイルを2層で折り返すように配置するα巻き形状、更なる多層のスパイラル形状、厚み方向に巻線が巻回しているヘリカル形状などによって、各コイルを構成することが可能である。また、各コイルは、導電性を有する線材により構成された巻き線コイルだけではなく、プリント基板やフレキシブルプリント基板などにより構成された、導電性を有するパターンコイルであってもよい。
また、上記実施の形態等では、給電対象機器の一例として電子機器を挙げて説明したが、これには限られず、電子機器以外の給電対象機器(例えば、電気自動車等の車両など)であってもよい。
更に、上記実施の形態等では、給電装置および電子機器の各構成要素を具体的に挙げて説明したが、全ての構成要素を備える必要はなく、また、他の構成要素を更に備えていてもよい。例えば、給電装置や電子機器内に、通信機能や何かしらの制御機能、表示機能、2次側機器を認証する機能、異種金属などの混入を検知する機能などを搭載するようにしてもよい。また、電流増加部(ダミー負荷回路)や電流増加制御部の構成、および電流増加の手法についても、上記実施の形態等で説明したものには限られず、他の構成や手法であってもよい。具体的には、例えば、ダミー負荷回路内でのダミー負荷の個数は、上記実施の形態等で説明したもの(2つ)には限られず、1つあるいは3つ以上であってもよい。また、例えば、電流増加制御部内において、PI制御を行う代わりに、PID(Proportional Integral Derivative)制御を行うようにしてもよい。更に、上記実施の形態等では、電流増加制御の対象となる「軽負荷時」の一例として、予備給電の期間(第1期間)と、本給電に基づく2次電池への充電動作の期間(第2期間)との双方を挙げて説明したが、これには限られない。例えば、これら第1期間および第2期間のうちの一方のみを「軽負荷時」とし、その期間を電流増加制御の対象としてもよい。
加えて、上記実施の形態等では、電流検出部22において整流回路21による整流後の受電電流(直流受電電流Idc)を検出する場合を例に挙げて説明したが、これには限られない。すなわち、例えば、整流回路21による整流前の受電電流(交流受電電流Iac)を検出し、これを電流増加制御に利用するようにしてもよい。あるいは、バッテリー25へ流れる電流(負荷電流)を受電電流として検出するようにしてもよい。ただし、直流受電電流Idcのほうが交流受電電流Iacと比べて検出し易いため、直流受電電流Idcを検出するようにするのが望ましいと言える。なお、ダミー負荷回路23や電流増加制御部23A,23Bの位置についても、上記実施の形態等のように整流回路21の後段側には限られず、例えば整流回路21の前段側に配置されているようにしてもよい。
また、上記実施の形態等では、主に、給電システム内に1つの電子機器のみが設けられている場合を例に挙げて説明したが、この場合には限られず、給電システム内に複数(2つ以上)の電子機器が設けられているようにしてもよい。
更に、上記実施の形態等では、給電装置の一例として、携帯電話機等の小型の電子機器(CE機器)向けの充電トレーを挙げて説明したが、給電装置としてはそのような家庭用の充電トレーには限定されず、様々な電子機器等の充電器として適用可能である。また、必ずしもトレーである必要はなく、例えば、いわゆるクレードル等の電子機器用のスタンドであってもよい。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
給電装置から磁界を用いて給電された電力を受け取る受電部と、
制御部と
を備え、
前記制御部は、軽負荷時において、前記受電部から供給される受電電流が所定の閾値電流未満である場合には、その受電電流が前記閾値電流以上に増加するように電流増加制御を行う
電子機器。
(2)
1または複数のダミー負荷を有する電流増加部を備え、
前記制御部は、前記ダミー負荷のうちの少なくとも1つを利用して前記電流増加制御を行う
上記(1)に記載の電子機器。
(3)
前記制御部は、
前記受電電流が前記閾値電流未満である場合には、
前記ダミー負荷のうちの少なくとも1つを前記受電電流の供給経路間に接続させ、そのダミー負荷に電流が流れるように制御することにより、前記電流増加制御を行う
上記(2)に記載の電子機器。
(4)
前記制御部は、本負荷が接続状態に設定される際に、前記ダミー負荷を前記供給経路間から切り離す
上記(3)に記載の電子機器。
(5)
前記制御部は、本負荷が接続状態に設定された後において、前記受電電流が前記閾値電流以上である場合には、前記ダミー負荷を前記供給経路間から切り離す
上記(3)に記載の電子機器。
(6)
前記電流増加部は、負荷の大きさが異なる複数種類の前記ダミー負荷を有し、
前記制御部は、
前記受電電流が前記閾値電流未満である場合には、
その受電電流の大きさに応じて前記複数種類のダミー負荷のうちから選択された種類のダミー負荷を、前記供給経路間に接続させる
上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の電子機器。
(7)
前記制御部は、
前記受電電流が小さくなるのに従って、相対的に負荷の大きいダミー負荷を前記供給経路間に接続させる
上記(6)に記載の電子機器。
(8)
前記ダミー負荷のうちの少なくとも1つが前記供給経路間に接続された後に、依然として前記受電電流が前記閾値電流未満である場合には、
前記制御部は、前記ダミー負荷を追加的に前記供給経路間に接続させるか、または、前記ダミー負荷をより負荷の大きいものに切り替える
上記(3)ないし(7)のいずれかに記載の電子機器。
(9)
前記制御部は、
前記受電電流に対応する受電電圧と、前記閾値電流に対応する基準電圧との電圧の大小を比較する比較器と、
前記比較器からの出力信号を入力する積分器と、
前記積分器による制御に従って動作するトランジスタとを含む
上記(1)に記載の電子機器。
(10)
前記積分器は、
前記出力信号に基づいて前記受電電圧が前記基準電圧未満であると判定された場合には、
前記トランジスタを前記受電電流の供給経路間に接続させて、前記トランジスタに電流が流れるように制御することにより、前記電流増加制御を行う
上記(9)に記載の電子機器。
(11)
前記基準電圧が定電圧である
上記(9)または(10)に記載の電子機器。
(12)
前記基準電圧が、前記受電電圧の変化に連動して変化する可変電圧である
上記(9)または(10)に記載の電子機器。
(13)
前記基準電圧が、所定の固定電圧または前記受電電圧を分圧することにより生成されており、
前記分圧する際の分圧比を変化させることで前記基準電圧の値が変更可能となるように構成されている
上記(9)ないし(12)のいずれかに記載の電子機器。
(14)
前記軽負荷時が、
前記給電装置から本給電よりも低電力である予備給電が行われる第1期間と、
前記第1期間後において、本負荷としての2次電池が接続状態に設定されて前記本給電に基づく前記2次電池への充電動作が行われる第2期間と
のうちの少なくとも一方である
上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の電子機器。
(15)
前記第2期間において前記充電動作が行われている間、
前記受電電流が前記閾値電流未満であるのか否かが、定期的に判定される
上記(14)に記載の電子機器。
(16)
前記制御部は、
前記第1期間において前記受電電流が前記閾値電流以上に増加した後、
前記本給電の開始要求を前記給電装置に対して通知する
上記(14)または(15)に記載の電子機器。
(17)
前記閾値電流の値が、変更可能に構成されている
上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の電子機器。
(18)
前記受電電流を検出する電流検出部を備え、
前記制御部は、前記電流検出部により検出された受電電流を用いて前記電流増加制御を行う
上記(1)ないし(17)のいずれかに記載の電子機器。
(19)
前記受電電流を整流する整流回路を備え、
前記電流検出部は、前記整流回路による整流後の受電電流を検出する
上記(18)に記載の電子機器。
(20)
1または複数の電子機器と、
前記電子機器に対して磁界を用いた給電を行う給電装置と
を備え、
前記電子機器は、
前記給電装置から給電された電力を受け取る受電部と、
制御部と
を有し、
前記制御部は、軽負荷時において、前記受電部から供給される受電電流が所定の閾値電流未満である場合には、その受電電流が前記閾値電流以上に増加するように電流増加制御を行う
給電システム。
1…給電装置、10…送電部、11…交流信号発生回路、12…通信部、13…制御部、2,2A…電子機器、20…受電部、21…整流回路、22…電流検出部、23…ダミー負荷回路、23A,23B…電流増加制御部、231,231B…基準電圧出力部、232…比較器、233…積分器、234…トランジスタ、24…充電部、25…バッテリー、26…通信部、27,27A…制御部、28…メモリ部、4,4A…給電システム、9…外部電源、S1…送電面、L1…送電コイル、L2…受電コイル、C1,C2s,C2p…コンデンサ、SW1,SW2,SW31,SW32…スイッチング素子、Ra,Rb…ダミー負荷(ダミー抵抗)、Sdc…直流信号、Sac…交流信号、CTL1,CTL2,CTL3,CTL31,CTL32…制御信号、Lp…電力供給ライン、Vac…交流受電電圧、Vdc…直流受電電圧、Vref…基準電圧、Vin1,Vin3…入力電圧、Vout…出力電圧、Vcnst…固定電圧、Iac…交流受電電流、Idc…直流受電電流、Ith…閾値電流、Ia,Ib,Ic…電流、A1,A11,A12,A13,A2…電流範囲。

Claims (20)

  1. 給電装置から磁界を用いて給電された電力を受け取る受電部と、
    制御部と
    を備え、
    前記制御部は、軽負荷時において、前記受電部から供給される受電電流が所定の閾値電流未満である場合には、その受電電流が前記閾値電流以上に増加するように電流増加制御を行う
    電子機器。
  2. 1または複数のダミー負荷を有する電流増加部を備え、
    前記制御部は、前記ダミー負荷のうちの少なくとも1つを利用して前記電流増加制御を行う
    請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記制御部は、
    前記受電電流が前記閾値電流未満である場合には、
    前記ダミー負荷のうちの少なくとも1つを前記受電電流の供給経路間に接続させ、そのダミー負荷に電流が流れるように制御することにより、前記電流増加制御を行う
    請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記制御部は、本負荷が接続状態に設定される際に、前記ダミー負荷を前記供給経路間から切り離す
    請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記制御部は、本負荷が接続状態に設定された後において、前記受電電流が前記閾値電流以上である場合には、前記ダミー負荷を前記供給経路間から切り離す
    請求項3に記載の電子機器。
  6. 前記電流増加部は、負荷の大きさが異なる複数種類の前記ダミー負荷を有し、
    前記制御部は、
    前記受電電流が前記閾値電流未満である場合には、
    その受電電流の大きさに応じて前記複数種類のダミー負荷のうちから選択された種類のダミー負荷を、前記供給経路間に接続させる
    請求項3に記載の電子機器。
  7. 前記制御部は、
    前記受電電流が小さくなるのに従って、相対的に負荷の大きいダミー負荷を前記供給経路間に接続させる
    請求項6に記載の電子機器。
  8. 前記ダミー負荷のうちの少なくとも1つが前記供給経路間に接続された後に、依然として前記受電電流が前記閾値電流未満である場合には、
    前記制御部は、前記ダミー負荷を追加的に前記供給経路間に接続させるか、または、前記ダミー負荷をより負荷の大きいものに切り替える
    請求項3に記載の電子機器。
  9. 前記制御部は、
    前記受電電流に対応する受電電圧と、前記閾値電流に対応する基準電圧との電圧の大小を比較する比較器と、
    前記比較器からの出力信号を入力する積分器と、
    前記積分器による制御に従って動作するトランジスタとを含む
    請求項1に記載の電子機器。
  10. 前記積分器は、
    前記出力信号に基づいて前記受電電圧が前記基準電圧未満であると判定された場合には、
    前記トランジスタを前記受電電流の供給経路間に接続させて、前記トランジスタに電流が流れるように制御することにより、前記電流増加制御を行う
    請求項9に記載の電子機器。
  11. 前記基準電圧が定電圧である
    請求項9に記載の電子機器。
  12. 前記基準電圧が、前記受電電圧の変化に連動して変化する可変電圧である
    請求項9に記載の電子機器。
  13. 前記基準電圧が、所定の固定電圧または前記受電電圧を分圧することにより生成されており、
    前記分圧する際の分圧比を変化させることで前記基準電圧の値が変更可能となるように構成されている
    請求項9に記載の電子機器。
  14. 前記軽負荷時が、
    前記給電装置から本給電よりも低電力である予備給電が行われる第1期間と、
    前記第1期間後において、本負荷としての2次電池が接続状態に設定されて前記本給電に基づく前記2次電池への充電動作が行われる第2期間と
    のうちの少なくとも一方である
    請求項1に記載の電子機器。
  15. 前記第2期間において前記充電動作が行われている間、
    前記受電電流が前記閾値電流未満であるのか否かが、定期的に判定される
    請求項14に記載の電子機器。
  16. 前記制御部は、
    前記第1期間において前記受電電流が前記閾値電流以上に増加した後、
    前記本給電の開始要求を前記給電装置に対して通知する
    請求項14に記載の電子機器。
  17. 前記閾値電流の値が、変更可能に構成されている
    請求項1に記載の電子機器。
  18. 前記受電電流を検出する電流検出部を備え、
    前記制御部は、前記電流検出部により検出された受電電流を用いて前記電流増加制御を行う
    請求項1に記載の電子機器。
  19. 前記受電電流を整流する整流回路を備え、
    前記電流検出部は、前記整流回路による整流後の受電電流を検出する
    請求項18に記載の電子機器。
  20. 1または複数の電子機器と、
    前記電子機器に対して磁界を用いた給電を行う給電装置と
    を備え、
    前記電子機器は、
    前記給電装置から給電された電力を受け取る受電部と、
    制御部と
    を有し、
    前記制御部は、軽負荷時において、前記受電部から供給される受電電流が所定の閾値電流未満である場合には、その受電電流が前記閾値電流以上に増加するように電流増加制御を行う
    給電システム。
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