JP6040682B2 - 不良要因判定装置、不良要因判定システム、不良要因判定方法およびプログラム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載の射出成形過程の解析方法では、射出成形品を射出成形機によって射出成形した際に得られた所定部位における物理量の時間的変化の2以上の特徴的時刻と、射出成形品の射出成形過程の数値解析によって得られた所定部位における物理量の時間的変化の2以上の特徴的時刻とを対応付ける。そして、対応付けた結果得られた対応関係と数値解析の結果得られた所定の成形現象の発生時刻とに基づいて、射出成形機によって射出成形する際に発生する所定の成形現象の発生時刻を予測する。
これにより、特許文献1に記載の射出成形過程の解析方法では、実射出成形機で得られた試作結果を用いて、よりよい射出成形条件を正確に、かつ短時間に得る、とされている。
これにより、特許文献2に記載の金型設計方法では、適切な成形条件の設定を、熟練者を必要とせず、短時間に行うことができる、とされている。
これにより、特許文献3に記載の射出成形機用製品判別装置では、射出成形機における製品の良否判定を高い精度で実行できるとされている。
この特許文献4に記載の射出成形機の管理方法では、ばらつきの大きな箇所(特定時間)の度数分布の生成に際して人間が介在することにより、成形品の良否判定と射出成形機の工程管理を単純化し、効率良く実現することができる、とされている。
例えば、特許文献1に記載の技術は、射出成形条件の変更を行う時刻を決定するためのものであり、決定した時刻においてどのような射出成形条件の変更を行うかはオペレータに委ねられる。すなわち、特許文献1に記載の技術を用いても、不良発生時に不良要因を特定することはできない。
また、特許文献3に記載の技術は、データを監視する時間の設定を受け付け、設定された時間におけるデータの評価値としてデータの積分値を求めるものである。かかるデータの積分値に基づいて不良要因を特定する技術は、特許文献3には示されていない。
また、特許文献4に記載の技術は、データを監視する時間のユーザ指定や、良品判定を行う基準としてのデータ幅のユーザ指定を受け付けるためのものである。この特許文献4に記載の技術を用いても、不良発生時に不良要因を特定することはできない。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における不良要因判定システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、不良要因判定システム1は、射出成形機100と、不良要因判定装置200とを具備する。不良要因判定装置200は、表示部210と、操作入力部220と、記憶部230と、データ取得部240と、制御部290とを具備する。制御部290は、表示制御部291と、入力処理部292と、データ蓄積部293と、被射出物到達時間取得部294と、プロセス値取得部295と、不良要因判定部296とを具備する。
表示部210は、例えば液晶パネルまたは有機EL(Organic Electroluminescence)パネルなどの表示画面を有し、表示制御部291の制御に従って各種画像を表示する。
操作入力部220は、例えばキーボードやマウスなどの入力デバイスを有して、不良要因判定装置200のユーザ(以下、単に「ユーザ」と称する)の行うユーザ操作を受け付ける。
ここでいうプロセス値とは、射出成形機100が射出成形を行う過程で観察される値であり、射出成形機100の状態または射出成形機100における制御状況を示す。具体的には、射出成形機100に設けられたセンサが出力するセンサ値や、射出成形機100に予め設定された制御設定値や、射出成形機100動作における制御量などが、プロセス値の例に該当する。
ここでいう不良発生箇所とは、成形品(射出成形の結果物)において例えばヤケまたはシルバーなど何らかの不良が発生した箇所に相当する、金型における位置である。また、不良分類とは、成形品に発生した不良の分類であり、例えば、ヤケやシルバーやショート(ショートショット)やヒケなどが不良分類の例に該当する。
入力処理部292は、操作入力部220が受け付けたユーザ操作を検出する。特に、入力処理部292は、本発明における不良情報取得部の一例に該当し、後述するように、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する。
データ蓄積部293は、記憶部230への各種データの書込や、記憶部230の記憶するデータの検索や、記憶部230からのデータの読出など、記憶部230の制御を行う。
不良要因判定部296は、操作入力部220が取得した不良分類情報の示す不良分類と、プロセス値取得部295が取得した不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する。
図2は、不良発生箇所情報および不良分類情報の入力画面の例を示す説明図である。同図において、表示部210は、不良発生箇所情報の入力を受け付ける領域A21に、溶融樹脂の移動範囲B21と、ゲート位置(金型における空洞部分への流入口の位置)を示す点P22とを表示している。具体的には、移動範囲B21は、金型内における成形品を上から見た外形図に対応しており、金型内における溶融樹脂が移動可能な空間の範囲を示している。例えば、記憶部230が、成形品の外形のデータを予め記憶しており、表示制御部291が、データ蓄積部293を介して当該データを取得して、表示部210に移動範囲B21を表示させる。
具体的には、まず、操作入力部220は、入力デバイスとしてマウスを有しており、当該マウスにて表示部210の表示画面上のある位置を選択(例えば左クリック)するユーザ操作を受けると、選択された位置を示す信号を入力処理部292へ出力する。なお、図2には、操作入力部220が有するマウスのカーソルCSRが示されている。
例えば、ユーザが点P21をマウスにて選択した場合、入力処理部292は、当該点P21の座標X2Y3を不良発生箇所情報として取得する。
ユーザがいずれかの選択ボタンをマウスにて選択すると、入力処理部292は、いずれの選択ボタンが選択されたかを判定し、当該選択ボタンに応じた不良分類を不良分類情報として取得する。
なお、操作入力部220が有する入力デバイスはマウスに限らない。例えば、操作入力部220が、表示部210の表示画面に設けられたタッチパネルを構成するタッチセンサを有するなど、マウス以外のポインティングデバイスを有するようにしてもよい。さらには、操作入力部220が、ポインティングデバイス以外の入力デバイスを有して不良発生箇所情報や不良分類情報の入力操作を受け付けるようにしてもよい。例えば、操作入力部220がキーボードを有し、不良発生箇所や不良分類の指定を、数字キーを用いた番号の入力や、不良の名称の文字入力にて受け付けるようにしてもよい。
図3は、表示部210がプロセス値をグラフ表示した表示画面例を示す説明図である。同図において、線L31は、1ショットにおける射出圧力を示し、線L32は、1ショットにおけるスクリュー位置を示している。また、線L32は、点P32において、最終充填時のスクリュー位置を示している。また、時間T31〜T34は、それぞれ、射出工程の開始タイミング、射出工程から保圧工程への切り替わりタイミング、保圧工程から計量工程への切り替わりタイミング、計量工程の終了タイミングを示している。
このように、表示部210がプロセス値をグラフ表示することで、ユーザは、射出成形機100の状態や制御状況をより容易に把握し得る。
図4は、表示部210が不良発生状況を表示した表示画面例を示す説明図である。同図において、表示部210は、溶融樹脂の移動範囲B41と、ゲート位置を示す点P41とを表示している。
また、表示部210は、領域A42に不良要因の推定結果を表示している。例えば、表示部210は、最後に発生した不良、または、ユーザが指定した不良について、不良要因判定部296が行った不良判定の結果を領域A42に表示する。
また、表示部210が不良要因の推定結果を表示することで、ユーザは、不良の要因解析や成形品の品質改善を行なうことができる。例えば、表示部210が不良に対する対応策を表示している場合、ユーザは、当該表示に応じて、射出圧力の変更または計量に関する回転数など、射出成形機100の成形条件の調整、あるいは、金型の清掃などの対応策を実施できる。あるいは、表示部210が対応策を表示していない場合でも、ユーザは、表示部210の示す情報に基づいて不良要因を推定し、推定した要因に基づいて対応策を講じることができる。
なお、図4に示すような不良発生状況情報をネットワーク上で閲覧可能としてもよい。これにより、不良発生情報を公開して情報の共有化を図ることができる。
図5は、不良要因判定装置200が不良要因判定を行う処理手順を示すフローチャートである。同図の処理において、まず、データ蓄積部293が、ユーザの指定する成形品の図面データを記憶部230から取得して、図2を参照して説明したように表示部210に表示させる(ステップS101)。
以下、射出成形機100の動作中において、データ取得部240はサンプリング時間毎に射出成形機100のプロセス値を取得し、データ蓄積部293が当該プロセス値を当該プロセス値の時間やショットの識別情報と対応付けて記憶部230に記憶させる。
一方、不良発生箇所や不良分類が入力されたと判定した場合(ステップS103:YES)、入力処理部292は、入力された不良発生箇所情報や不良分類情報をデータ蓄積部293へ出力し、データ蓄積部293は、当該不良発生箇所情報および不良分類情報を、ショットの識別情報と対応付けて記憶部230に記憶させる(ステップS111)。
例えば、図2の例のように座標X2Y3のマス目の部分にヤケの不良が発生した場合、記憶部230は、アドレス「X2Y3」と、不良分類「ヤケ」と、不良の発生時間とを対応付けて記憶する。
記憶部230が記憶しているアドレス「X2Y3」は、不良が発生した箇所を示すと共に、ゲートから充填された溶融樹脂が当該地点に到達したときに不良が発生している点で、不良発生タイミングを算出する基となる。
ここで、図6は、図2に示す座標X2Y3の位置にヤケ不良が発生した場合の例を示しており、領域A61は、座標X2Y3の位置に溶融樹脂が到達した時間を示している。線L62の示すスクリュー位置が前進するにつれて溶融樹脂が押し出され、スクリュー位置がプロセス値V61にて示されている時刻T61の前後において、座標X2Y3のマス目の部分に溶融樹脂が到達している。
そこで、プロセス値取得部295は、不良分類に基づいてプロセス値の種類として圧力推移を選択し、領域A61に示される時間帯における圧力推移を、データ蓄積部293を介して記憶部230から読み出す。
当該判定により、例えば図6の領域A61における圧力値のうち、特にプロセス値が突出している点P61近辺のデータを抽出するなど、データの絞込みを行うことができる。
但し、このような1ショットの判定だけでは、射出成形の安定性を判定することはできない。射出成形は複数ショット繰り返して行われることが一般的であり、単一成形サイクル内におけるプロセス値のみならず、複数成形サイクル間でプロセス値が時系列的にどのように変化しているかを観察、判別できることが望ましい。更には、不良要因判定部296が、複数項目のプロセス値を抽出することで、より精度良く不良要因を推定できる。
そして、プロセス値取得部295は取得したnショット分のデータを不良要因判定部296へ出力し、不良要因判定部296は、当該データについてショット間の差分を算出する(ステップS116)。
図7は、射出成形機100におけるプロセス値の、複数ショットにおける時系列推移の第1の例を示す説明図である。同図において、線L71はプロセス値を示す。また、線L72は、プロセス値の管理上限値を示し、線L73は、プロセス値の管理下限値を示す。
図7の例では、プロセス値が管理上限値と管理下限値との範囲内に収まっており、かかる管理上限値および管理下限値に基づく判定において正常と判定される。
図7の場合と同様、図8の例でも、プロセス値が管理上限値と管理下限値との範囲内に収まっており、かかる管理上限値および管理下限値に基づく判定において正常と判定される。また、図7と図8とでは、ばらつきの大きさも同程度となっている。
また、線L92は、プロセス値の差分の管理上限値を示し、線L93は、プロセス値の差分の管理下限値を示す。
図9の例では、プロセス値の差分が管理上限値と管理下限値との範囲内に収まっており、かかる管理上限値および管理下限値に基づく判定において正常と判定される。
また、線L102は、プロセス値の差分の管理上限値を示し、線L103は、プロセス値の差分の管理下限値を示す。
このように、時系列的にショット間の差を取ることで、個々のショットにおけるプロセス値のばらつきに加えて、ショット間におけるプロセス値の変化の大きさを評価することができる。ショット間におけるプロセス値の変化が小さいほど、プロセス値が急変する可能性が低く、この点において状態が安定していると評価できる。
そして、不良要因判定部296は、ばらつきの評価と不良分類とに基づいて不良要因および対億作を特定し(ステップS118)、特定した不良要因および対応策を表示制御部291に出力して表示部210に表示させる(ステップS119)。
例えば、最終充填位置のバラツキが小さいときは、樹脂の溶融状態は安定していると考えられ、「ガスの逃げ場がない」ことが要因として考えられる。この場合、対応策として「ガスベントの清掃及び該当箇所の速度を遅くする」ことが考えられる。一方、最終充填位置のバラツキが大きいときは、「樹脂の溶融状態が変化してガスが発生している」ことが要因として考えられる。この場合、対応策として「スクリュー回転速度等の調整を行う」ことが考えられる。
ステップS119の後、ステップS103へ戻る。
これにより、不良要因判定部296は、射出成形における不良発生時に、不良発生要因をよく示していると期待される不良発生時のプロセス値に基づいて不良要因を特定することができる。
これにより、不良要因判定部296は、射出成形機100の状態の安定性を複数ショットにわたっての時系列的に評価することができる。
これにより、不良要因判定部296は、個々のショットにおけるプロセス値のばらつきに加えて、ショット間におけるプロセス値の変化の大きさを評価することができる。
これにより、ユーザは、不良発生状況を視覚的に容易に確認できる。
この場合、不良要因判定部296は、最終充填位置到達時プロセス値に基づいて不良要因を判定する。
例えば、上述した圧力異常の場合、最終充填位置のバラツキが小さいときは、樹脂の溶融状態が安定していると考えられる。この場合、不良要因判定部296は、要因としてガスの逃げ場がないこと、および、対応策としてガスベントの清掃及び該当箇所の速度を遅くすることを、記憶部230から読み出し、表示制御部291を介して表示部210に表示させる。これにより、ユーザは、当該表示に従って条件調整やメンテナンスを実施し得る。
例えば、シルバーのように樹脂の溶融状態に大きく起因する不良に関しては、不良要因判定部296が、最終充填位置の推移にて要因を特定するようにしてもよい。また、ヒケなどは圧力に起因することが大きく、不良要因判定部296が、圧力推移で要因を推定するようにしてもよい。
このように、不良要因判定部296が、不良発生箇所と不良分類及び当該箇所の成形工程のプロセスのばらつきを演算し、ばらつきから不良推定を行なうことで、不良発生の要因をより精度良く把握することができる。
図11は、本発明の第2の実施形態における不良要因判定システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、不良要因判定システム3は、射出成形機100と、不良要因判定装置300と、端末装置400とを具備する。不良要因判定装置300は、記憶部230と、データ取得部240と、通信部350と、制御部390とを具備する。制御部390は、データ蓄積部293と、被射出物到達時間取得部294と、プロセス値取得部295と、不良要因判定部296と、通信制御部391とを具備する。端末装置400は、表示部410と、操作入力部420と、通信部450と、制御部490とを具備する。
同図において、図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(100、230、240、293〜296)を付して説明を省略する。
なお、不良要因判定システム3が備える端末装置400の数は、図11に示す1つに限らず、複数であってもよい。例えば、端末装置400が、不良要因判定装置300の近傍と遠隔地とに、それぞれ設けられていてもよい。
通信制御部391は、通信部350を制御して端末装置との通信を行わせる。
表示部410は、例えば液晶パネルまたは有機EL(Organic Electroluminescence)パネルなどの表示画面を有し、表示制御部291の制御に従って各種画像を表示する。特に、表示部410は、表示部210(図1)と同様、不良要因判定部の判定結果を表示する。
通信部450は、不良要因判定装置300(通信部350)と通信を行う。特に、通信部450は、不良要因判定装置300(不良要因判定部390)の不良判定結果等を受信し、また、不良発生時にユーザが入力する不良分類情報や不良発生箇所情報を送信する。
制御部490は、端末装置400の各部を制御して各種機能を実行する。特に、制御部400は、本発明における不良情報取得部の一例に該当し、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する。すなわち、制御部490は、操作入力部420が受け付ける、不良発生箇所情報および不良分類情報の操作入力を検出する。
例えば、試作時には製品構造から発生ガスやエアが滞留しやすく、ヤケ等の外観不良が発生することがある。これに対しては製品構造を変更する、もしくは金型にエアベント(ガス抜け)を追加していく必要がある。しかしこれらは実際の成形品を確認し、どこにどのような不良が発生しているかを確認していく必要があり、上述の通り、成形現場が離れている場合、頻繁な移動が負担となる。
ユーザは、試作時に試作する成形品の図面を呼び出し、試作時に発生した不良の分類と不良発生箇所とを入力する。また、不良要因判定システム1(図1)の場合と同様、記憶部230は、射出成形機100のプロセス値を記憶する。これらのデータを用いて、不良要因判定システム3は、遠隔地に位置するユーザに対して、不良要因判定システム1の場合と同様の情報を提供することができる。
そこで、表示部410は、成形品を三次元的に図示し、当該成形品の図において不良発生箇所毎に不良発生状況を表示する
図12は、表示部410が成形品を図示する例を示す説明図である。同図において、表示物B123は、成形品の3次元表示であり、ボスB121およびリブB122が示されている。また、領域A121には不良分類セレクトボタンが表示されており、棒グラフB124は、不良発生箇所毎の発生度数を示している。また、点P121はゲート位置を示す。
図13は、本発明の第3の実施形態における不良発生予測システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、不良発生予測システム5は、射出成形機100と、不良発生予測装置500とを具備する。不良発生予測装置500は、表示部210と、操作入力部220と、記憶部230と、データ取得部240と、制御部590とを具備する。制御部590は、表示制御部291と、入力処理部292と、データ蓄積部293と、監視対象時間設定部591と、過去プロセス値取得部592と、実機プロセス値取得部593と、不良発生予測部594とを具備する。
同図において、図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(100、210、220、230、240、291〜293)を付して説明を省略する。
制御部590は、不良発生予測装置500の各部を制御して、各種機能を実行する。
データ蓄積部293は、本発明における不良情報取得部の一例に該当し、記憶部230が記憶している、過去の射出成形における射出成形機100のプロセス値および不良発生状況を示す履歴情報から、不良の発生したショットにおける不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する。
過去プロセス値取得部592は、不良の発生したショットよりも過去の少なくとも1ショットについて、監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、履歴情報から取得する。
実機プロセス値取得部593は、監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、射出成形機実機から取得する。
不良発生予測部594は、過去プロセス値取得部が取得したプロセス値と、実機プロセス値取得部が取得したプロセス値とに基づいて、不良の発生を予測する。
不良発生予測装置500においても、不良要因判定装置200(図1)の場合と同様、不良分類と不良発生箇所とがユーザ入力によって記憶部230に蓄積される。そして、ある機種の成形を行うときに、不良発生予想部594が、過去の同一機種の不良発生箇所と分類のデータを参照することによりその機種での不良発生時のばらつき傾向と現在のばらつき推移を比較し、過去のデータと同様のばらつき推移と同じであれば同様の不良が発生する恐れがあると判断する。
また、不良発生予想部594は、記憶部230が記憶している不良発生時のプロセス値(の差分)のばらつきと、現在生産している機種におけるデータ監視箇所に該当する成形機のプロセス値(の差分)のばらつきとを比較する。そして、不良発生時のばらつき以上のばらつきが発生すると表示部210が、不良の発生しやすい状況にある旨の警告を表示する。これにより、未然に不良発生を防ぐことができる。
また、図4の例と同様に、表示部210が不良の発生状況を表示し、ユーザが、不良分類での絞り込みをし、監視対象に選択したい場所を例えばマウスでクリックするようにしてもよい。これにより、ユーザは視覚的に分かり易く、楽に作業を行うことができ、また、複数の項目を容易に選択し得る。
図14は、本発明における不良要因判定装置の最小構成を示す概略ブロック図である。
同図の不良要因判定装置600において、不良情報取得部610は、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する。また、被射出物到達時間取得部294と、プロセス値取得部295と、不良要因判定部296とは、不良要因判定装置200(図1)の場合と同様である。
かかる構成にて、不良要因判定装置200(図1)の場合と同様、不良要因判定装置600(不良要因判定部296)は、射出成形における不良発生時に、不良発生要因をよく示していると期待される不良発生時のプロセス値に基づいて不良要因を特定することができる。
かかる構成にて、不良要因判定システム3(図11)の場合と同様、遠隔地に位置するユーザに対して、不良要因判定システム1の場合と同様の情報を提供することができる。
かかる構成にて、不良発生予測装置800は、不良発生予測装置500(図13)の場合と同様、成形品の品質予想を行うことができ、不良の発生しやすい状況にある旨の警告を表示して、未然に不良発生を防ぐことができる。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得部と、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得部と、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を取得するプロセス値取得部と、前記不良分類情報の示す不良分類と、前記不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する不良要因判定部と、を具備することを特徴とする不良要因判定装置。
前記プロセス値取得部は、複数のショットについて前記不良発生箇所到達時プロセス値を取得し、前記不良要因判定部は、前記不良発生箇所到達時プロセス値のショット毎のばらつきに基づいて不良要因を判定することを特徴とする付記1に記載の不良要因判定装置。
前記不良要因判定部は、複数のショットについて、当該ショットにおける不良発生箇所到達時プロセス値と直後のショットにおける不良発生箇所到達時プロセス値との差分を求め、得られた差分に基づいて不良要因を判定することを特徴とする付記2に記載の不良要因判定装置。
前記プロセス値取得部は、射出成形機が最終充填位置到達状態となった最終充填位置到達時間における射出成形機のプロセス値である最終充填位置到達時プロセス値を取得し、前記不良要因判定部は、前記最終充填位置到達時プロセス値に基づいて不良要因を判定することを特徴とする付記1から3のいずれか一項に記載の不良要因判定装置。
前記被射出物の移動範囲を図示し、当該移動範囲の図において不良発生箇所毎に不良発生状況を表示する表示部を具備することを特徴とする付記1から4のいずれか一項に記載の不良要因判定装置。
過去の射出成形における射出成形機のプロセス値および不良発生状況を示す履歴情報から、不良の発生したショットにおける不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得部と、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に基づいて監視対象時間を設定する監視対象時間設定部と、前記不良の発生したショットよりも過去の少なくとも1ショットについて、前記監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、前記履歴情報から取得する過去プロセス値取得部と、前記監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、射出成形機実機から取得する実機プロセス値取得部と、前記過去プロセス値取得部が取得した前記プロセス値と、前記実機プロセス値取得部が取得した前記プロセス値とに基づいて、不良の発生を予測する不良発生予測部と、を具備することを特徴とする不良発生予測装置。
射出成形機と、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得部と、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得部と、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における前記射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を取得するプロセス値取得部と、前記不良情報取得部が取得した前記不良発生箇所情報および前記不良分類情報と、前記プロセス値取得部が取得した前記不良発生箇所到達時プロセス値とをショット毎に記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶する前記不良分類情報の示す不良分類と、前記記憶部が記憶する前記不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する不良要因判定部と、前記不良要因判定部の判定結果を表示する表示部と、を具備することを特徴とする不良要因判定システム。
前記表示部は、成形品を図示し、当該成形品の図において不良発生箇所毎に不良発生状況を表示することを特徴とする付記7に記載の不良要因判定システム。
不良要因判定装置の不良要因判定方法であって、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を取得するプロセス値取得ステップと、前記不良分類情報の示す不良分類と、前記不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、を具備することを特徴とする不良要因判定方法。
不良発生予測装置の不良発生予測方法であって、過去の射出成形における射出成形機のプロセス値および不良発生状況を示す履歴情報から、不良の発生したショットにおける不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に基づいて監視対象時間を設定する監視対象時間設定ステップと、前記不良の発生したショットよりも過去の少なくとも1ショットについて、前記監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、前記履歴情報から取得する過去プロセス値取得ステップと、前記監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、射出成形機実機から取得する実機プロセス値取得ステップと、前記過去プロセス値取得ステップにて取得した前記プロセス値と、前記実機プロセス値取得ステップにて取得した前記プロセス値とに基づいて、不良の発生を予測する不良発生予測ステップと、を具備することを特徴とする不良発生予測方法。
射出成形機と記憶部とを具備する不良要因判定システムの不良要因判定方法であって、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における前記射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を取得するプロセス値取得ステップと、前記記憶部が、前記不良情報取得ステップにて取得した前記不良発生箇所情報および前記不良分類情報と、前記プロセス値取得ステップにて取得した前記不良発生箇所到達時プロセス値とをショット毎に記憶する記憶ステップと、前記記憶部が記憶する前記不良分類情報の示す不良分類と、前記記憶部が記憶する前記不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、前記不良要因判定ステップでの判定結果を表示する表示ステップと、を具備することを特徴とする不良要因判定方法。
不良要因判定装置としてのコンピュータに、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を取得するプロセス値取得ステップと、前記不良分類情報の示す不良分類と、前記不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、と実行させるためのプログラム。
不良発生予測装置としてのコンピュータに、過去の射出成形における射出成形機のプロセス値および不良発生状況を示す履歴情報から、不良の発生したショットにおける不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に基づいて監視対象時間を設定する監視対象時間設定ステップと、前記不良の発生したショットよりも過去の少なくとも1ショットについて、前記監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、前記履歴情報から取得する過去プロセス値取得ステップと、前記監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、射出成形機実機から取得する実機プロセス値取得ステップと、前記過去プロセス値取得ステップにて取得した前記プロセス値と、前記実機プロセス値取得ステップにて取得した前記プロセス値とに基づいて、不良の発生を予測する不良発生予測ステップと、を実行させるためのプログラム。
射出成形機と記憶部とを具備する不良要因判定システムを制御するコンピュータに、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における前記射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を取得するプロセス値取得ステップと、前記記憶部が、前記不良情報取得ステップにて取得した前記不良発生箇所情報および前記不良分類情報と、前記プロセス値取得ステップにて取得した前記不良発生箇所到達時プロセス値とをショット毎に記憶する記憶ステップと、前記記憶部が記憶する前記不良分類情報の示す不良分類と、前記記憶部が記憶する前記不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、前記不良要因判定ステップでの判定結果を表示する表示ステップと、を実行させるためのプログラム。
5 不良発生予測システム
100 射出成形機
200、300、500 不良要因判定装置
210、410 表示部
220、420 操作入力部
230 記憶部
240 データ取得部
290、390、490、590 制御部
291 表示制御部
292 入力処理部
293 データ蓄積部
294 被射出物到達時間取得部
295 プロセス値取得部
296 不良要因判定部
350、450 通信部
391 通信制御部
400 端末装置
500 不良発生予測装置
591 監視対象時間設定部
592 過去プロセス値取得部
593 実機プロセス値取得部
594 不良発生予測部
Claims (9)
- 射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得部と、
前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得部と、
前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を、前記不良分類情報の示す不良分類に応じたプロセス値について取得するプロセス値取得部と、
前記不良発生箇所到達時プロセス値と、予め得られている良品ショット時のプロセス値のうち前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間に対応する時間のプロセス値とを比較して異常の有無を判定し、判定結果に基づいて不良要因を判定する不良要因判定部と、
を具備することを特徴とする不良要因判定装置。 - 前記プロセス値取得部は、複数のショットについて前記不良発生箇所到達時プロセス値を取得し、
前記不良要因判定部は、前記不良発生箇所到達時プロセス値のショット毎のばらつきに基づいて不良要因を判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の不良要因判定装置。 - 前記不良要因判定部は、複数のショットについて、当該ショットにおける不良発生箇所到達時プロセス値と直後のショットにおける不良発生箇所到達時プロセス値との差分を求め、得られた差分に基づいて不良要因を判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の不良要因判定装置。 - 前記プロセス値取得部は、射出成形機が最終充填位置到達状態となった最終充填位置到達時間における射出成形機のプロセス値である最終充填位置到達時プロセス値を取得し、
前記不良要因判定部は、前記最終充填位置到達時プロセス値に基づいて不良要因を判定する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の不良要因判定装置。 - 前記被射出物の移動範囲を図示し、当該移動範囲の図において不良発生箇所毎に不良発生件数を棒グラフにて表示する表示部を具備することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の不良要因判定装置。
- 射出成形機と、
射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得部と、
前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得部と、
前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における前記射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を、前記不良分類情報の示す不良分類に応じたプロセス値について取得するプロセス値取得部と、
前記不良発生箇所到達時プロセス値と、予め得られている良品ショット時のプロセス値のうち前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間に対応する時間のプロセス値とを比較して異常の有無を判定し、判定結果に基づいて不良要因を判定する不良要因判定部と、
前記不良要因判定部の判定結果を表示する表示部と、
を具備することを特徴とする不良要因判定システム。 - 前記表示部は、成形品を図示し、当該成形品の図において不良発生箇所毎に不良発生件数を棒グラフにて表示することを特徴とする請求項6に記載の不良要因判定システム。
- 不良要因判定装置の不良要因判定方法であって、
射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、
前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、
前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を、前記不良分類情報の示す不良分類に応じたプロセス値について取得するプロセス値取得ステップと、
前記不良発生箇所到達時プロセス値と、予め得られている良品ショット時のプロセス値のうち前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間に対応する時間のプロセス値とを比較して異常の有無を判定し、判定結果に基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、
を具備することを特徴とする不良要因判定方法。 - 不良要因判定装置としてのコンピュータに、
射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、
前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、
前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を、前記不良分類情報の示す不良分類に応じたプロセス値について取得するプロセス値取得ステップと、
前記不良発生箇所到達時プロセス値と、予め得られている良品ショット時のプロセス値のうち前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間に対応する時間のプロセス値とを比較して異常の有無を判定し、判定結果に基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、
と実行させるためのプログラム。
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