JP6040682B2 - 不良要因判定装置、不良要因判定システム、不良要因判定方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、不良要因判定装置、不良要因判定システム、不良要因判定方法およびプログラムに関する。
射出成形に際して、射出成形条件を決定するための技術や、成形品の不良発生を検出するための技術が幾つか提案されている。
例えば、特許文献1に記載の射出成形過程の解析方法では、射出成形品を射出成形機によって射出成形した際に得られた所定部位における物理量の時間的変化の2以上の特徴的時刻と、射出成形品の射出成形過程の数値解析によって得られた所定部位における物理量の時間的変化の2以上の特徴的時刻とを対応付ける。そして、対応付けた結果得られた対応関係と数値解析の結果得られた所定の成形現象の発生時刻とに基づいて、射出成形機によって射出成形する際に発生する所定の成形現象の発生時刻を予測する。
これにより、特許文献1に記載の射出成形過程の解析方法では、実射出成形機で得られた試作結果を用いて、よりよい射出成形条件を正確に、かつ短時間に得る、とされている。
また、特許文献2に記載の金型設計方法は、以下の工程を有する。(1)成形条件を設計変数として用いて充填工程解析を行い、キャビティ内の各点に樹脂が到達する時間である充填時間を求める工程。(2)キャビティの中の樹脂流動末端を含むような複数の点を選択し、それらの点における充填時間の分散値を求める工程。(3)分散値を評価関数としてこれを小さくするように設計変数を変更する工程。(4)(1)〜(3)の工程を評価関数が十分小さくなるまで繰り返すことによって最適な設計変数を決定する工程。
これにより、特許文献2に記載の金型設計方法では、適切な成形条件の設定を、熟練者を必要とせず、短時間に行うことができる、とされている。
また、特許文献3に記載の射出成形機用製品判別装置では、制御部は、射出成形機に設けられている検出器からの検出出力を受けて、検出データを生成して記憶する。この検出データは、設定器からの設定に応じて表示器に波形表示される。表示器に波形表示を行っているとき、設定器からグラフ上の任意の区間を指定すると、制御部は、表示されているグラフについて指定された区間の積分値を求め、求めた積分値を前記製品の良否判定に用いられる評価項目として採用する。
これにより、特許文献3に記載の射出成形機用製品判別装置では、射出成形機における製品の良否判定を高い精度で実行できるとされている。
また、特許文献4に記載の射出成形機の管理方法は、以下のステップを備える。ステップ1と:データを成形時の所定時間間隔で記憶する。ステップ2:データ記憶をショット回数だけ繰り返す。ステップ3:全データを成形時の所定時間間隔で同一画面に表示する。ステップ4:データのばらつきが大きな成形時の所定時間間隔の特定時間を選定する。ステップ5:度数分布を演算し、記憶する。ステップ6:管理幅を含めた度数分布を記憶するとともに、同一画面に表示する。ステップ7:度数分布が管理幅以内ならば成形品を良品と判定し、度数分布が管理幅外ならば成形品を不良品と判定する。
この特許文献4に記載の射出成形機の管理方法では、ばらつきの大きな箇所(特定時間)の度数分布の生成に際して人間が介在することにより、成形品の良否判定と射出成形機の工程管理を単純化し、効率良く実現することができる、とされている。
特開2006−110878号公報 特開2005−161628号公報 特開2004−106187号公報 特開2001−9888号公報
上述した特許文献1〜4に記載の技術では、不良発生時に不良要因を特定することができないという問題があった。
例えば、特許文献1に記載の技術は、射出成形条件の変更を行う時刻を決定するためのものであり、決定した時刻においてどのような射出成形条件の変更を行うかはオペレータに委ねられる。すなわち、特許文献1に記載の技術を用いても、不良発生時に不良要因を特定することはできない。
また、特許文献2に記載の技術は、キャビティ内の各点に樹脂が到達する時間である充填時間をなるべく均一にするためのものである。この特許文献2に記載の技術を用いても、不良発生時に不良要因を特定することはできない。
また、特許文献3に記載の技術は、データを監視する時間の設定を受け付け、設定された時間におけるデータの評価値としてデータの積分値を求めるものである。かかるデータの積分値に基づいて不良要因を特定する技術は、特許文献3には示されていない。
また、特許文献4に記載の技術は、データを監視する時間のユーザ指定や、良品判定を行う基準としてのデータ幅のユーザ指定を受け付けるためのものである。この特許文献4に記載の技術を用いても、不良発生時に不良要因を特定することはできない。
本発明は、上述の課題を解決することのできる不良要因判定装置、不良要因判定システム、不良要因判定方法およびプログラムを提供することを目的としている。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による不良要因判定装置は、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得部と、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得部と、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を、前記不良分類情報の示す不良分類に応じたプロセス値について取得するプロセス値取得部と、前記不良発生箇所到達時プロセス値と、予め得られている良品ショット時のプロセス値のうち前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間に対応する時間のプロセス値とを比較して異常の有無を判定し、判定結果に基づいて不良要因を判定する不良要因判定部と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様による不良要因判定システムは、射出成形機と、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得部と、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得部と、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における前記射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を、前記不良分類情報の示す不良分類に応じたプロセス値について取得するプロセス値取得部と、前記不良発生箇所到達時プロセス値と、予め得られている良品ショット時のプロセス値のうち前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間に対応する時間のプロセス値とを比較して異常の有無を判定し、判定結果に基づいて不良要因を判定する不良要因判定部と、前記不良要因判定部の判定結果を表示する表示部と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様による不良要因判定方法は、不良要因判定装置の不良要因判定方法であって、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を、前記不良分類情報の示す不良分類に応じたプロセス値について取得するプロセス値取得ステップと、前記不良発生箇所到達時プロセス値と、予め得られている良品ショット時のプロセス値のうち前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間に対応する時間のプロセス値とを比較して異常の有無を判定し、判定結果に基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様によるプログラムは、不良要因判定装置としてのコンピュータに、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を、前記不良分類情報の示す不良分類に応じたプロセス値について取得するプロセス値取得ステップと、前記不良発生箇所到達時プロセス値と、予め得られている良品ショット時のプロセス値のうち前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間に対応する時間のプロセス値とを比較して異常の有無を判定し、判定結果に基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、と実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、射出成形における不良発生時に不良要因を特定することができる。
本発明の第1の実施形態における不良要因判定システムの機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態における不良発生箇所情報および不良分類情報の入力画面の例を示す説明図である。 同実施形態における表示部がプロセス値をグラフ表示した表示画面例を示す説明図である。 同実施形態における表示部が不良発生状況を表示した表示画面例を示す説明図である。 同実施形態における不良要因判定装置が不良要因判定を行う処理手順を示すフローチャートである。 同実施形態におけるプロセス値取得部が取得するプロセス値の例を示す説明図である。 同実施形態の射出成形機におけるプロセス値の、複数ショットにおける時系列推移の第1の例を示す説明図である。 同実施形態の射出成形機におけるプロセス値の時系列推移の第2の例を示す説明図である。 同実施形態の射出成形機におけるプロセス値の差分の、複数ショットにおける時系列推移の第1の例を示す説明図である。 同実施形態の射出成形機におけるプロセス値の差分の、複数ショットにおける時系列推移の第2の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態における不良要因判定システムの機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態における表示部が成形品を図示する例を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態における不良発生予測システムの機能構成を示す概略ブロック図である。 本発明における不良要因判定装置の最小構成を示す概略ブロック図である。 本発明における不良要因判定システムの最小構成を示す概略ブロック図である。 本発明における不良発生予測装置の最小構成を示す概略ブロック図である。
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における不良要因判定システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、不良要因判定システム1は、射出成形機100と、不良要因判定装置200とを具備する。不良要因判定装置200は、表示部210と、操作入力部220と、記憶部230と、データ取得部240と、制御部290とを具備する。制御部290は、表示制御部291と、入力処理部292と、データ蓄積部293と、被射出物到達時間取得部294と、プロセス値取得部295と、不良要因判定部296とを具備する。
射出成形機100は、プラスチックなどの被射出物を射出して成形物に成形する装置である。本実施形態では、射出成形機100として、シリンダ内に供給されたプラスチックを溶融しながらスクリューで混練し、得られた溶融樹脂を金型に充填して成形する一般的な射出成形装置を用いた場合について説明する。ただし、射出成形機100として、かかる一般的な射出成形装置に限らず、射出条件を調整可能な様々な射出成形機を用いることができる。また、射出成形機100が成形する被射出物はプラスチックに限らず、射出成形可能な様々な素材を用いることができる。
不良要因判定装置200は、射出成形機100が行った射出成形にて不良が発生した際に不良要因を判定して、対応策を提示する。不良要因判定装置200は、例えばコンピュータにて構成される。あるいは、不良要因判定装置200を専用のハードウェアにて構成するようにしてもよい。
表示部210は、例えば液晶パネルまたは有機EL(Organic Electroluminescence)パネルなどの表示画面を有し、表示制御部291の制御に従って各種画像を表示する。
操作入力部220は、例えばキーボードやマウスなどの入力デバイスを有して、不良要因判定装置200のユーザ(以下、単に「ユーザ」と称する)の行うユーザ操作を受け付ける。
データ取得部240は、射出成形機100に設けられた制御部やセンサと通信を行って射出成形機100のプロセス値を取得する。
ここでいうプロセス値とは、射出成形機100が射出成形を行う過程で観察される値であり、射出成形機100の状態または射出成形機100における制御状況を示す。具体的には、射出成形機100に設けられたセンサが出力するセンサ値や、射出成形機100に予め設定された制御設定値や、射出成形機100動作における制御量などが、プロセス値の例に該当する。
記憶部230は、例えば半導体メモリまたはハードディスクなどの記憶デバイスを有し、データ蓄積部293の制御に従って各種データを記憶する。特に、記憶部230は、データ取得部240が取得するプロセス値や、操作入力部220が取得する不良発生箇所情報および不良分類情報を記憶する。
ここでいう不良発生箇所とは、成形品(射出成形の結果物)において例えばヤケまたはシルバーなど何らかの不良が発生した箇所に相当する、金型における位置である。また、不良分類とは、成形品に発生した不良の分類であり、例えば、ヤケやシルバーやショート(ショートショット)やヒケなどが不良分類の例に該当する。
制御部290は、不良要因判定装置200の各部を制御して各種処理を実行する。制御部290は、例えば不良要因判定装置200の具備するCPU(Central Processing Unit)が制御部290の具備する記憶デバイスからプログラムを読み出して実行することで構成される。あるいは、制御部290を専用のハードウェアにて構成するようにしてもよい。
表示制御部291は、表示部210を制御して各種画像を表示させる。
入力処理部292は、操作入力部220が受け付けたユーザ操作を検出する。特に、入力処理部292は、本発明における不良情報取得部の一例に該当し、後述するように、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する。
データ蓄積部293は、記憶部230への各種データの書込や、記憶部230の記憶するデータの検索や、記憶部230からのデータの読出など、記憶部230の制御を行う。
被射出物到達時間取得部294は、データ取得部240が取得するプロセス値に基づいて流動解析を行い、被射出部としての溶融樹脂状のプラスチック(以下、単に「溶融樹脂」と称する)の、金型内における流動状況を演算する。特に、被射出物到達時間取得部294は、不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を流動解析にて求める。
プロセス値取得部295は、操作入力部220が取得した不良発生箇所情報の示す不良発生箇所に基づいて、不良発生箇所到達時プロセス値を取得する。具体的には、プロセス値取得部295は、データ蓄積部293に不良発生箇所情報を提示して不良発生箇所到達時プロセス値を要求し、データ蓄積部293が記憶部230から読み出す不良発生箇所到達時プロセス値を取得する。
ここでいう不良発生箇所到達時プロセス値とは、不良の発生したショットにおいて不良発生箇所に溶融樹脂が初めて到達した時間におけるプロセス値である。また、ここでいう時間とは、例えば射出工程開始など所定の事象からの経過時間である。不良要因判定装置200は、射出成形におけるタイミングを示す情報として、当該時間の情報を用いる。また、ここでいうショットとは、射出成形の1サイクル(すなわち、射出成形機100がプラスチックの供給を受けて成形品を生成する処理の1回分)である。
不良要因判定部296は、操作入力部220が取得した不良分類情報の示す不良分類と、プロセス値取得部295が取得した不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する。
次に、図2を参照して、不良発生箇所情報および不良分類情報の入力について説明する。
図2は、不良発生箇所情報および不良分類情報の入力画面の例を示す説明図である。同図において、表示部210は、不良発生箇所情報の入力を受け付ける領域A21に、溶融樹脂の移動範囲B21と、ゲート位置(金型における空洞部分への流入口の位置)を示す点P22とを表示している。具体的には、移動範囲B21は、金型内における成形品を上から見た外形図に対応しており、金型内における溶融樹脂が移動可能な空間の範囲を示している。例えば、記憶部230が、成形品の外形のデータを予め記憶しており、表示制御部291が、データ蓄積部293を介して当該データを取得して、表示部210に移動範囲B21を表示させる。
また、領域A21は、縦m列×横n行(m、nは、いずれも正整数)のマス目状に分割されており、入力処理部292は、いずれかのマス目を入力デバイスにて選択するユーザ操作に基づいて、不良発生箇所情報を取得する。
具体的には、まず、操作入力部220は、入力デバイスとしてマウスを有しており、当該マウスにて表示部210の表示画面上のある位置を選択(例えば左クリック)するユーザ操作を受けると、選択された位置を示す信号を入力処理部292へ出力する。なお、図2には、操作入力部220が有するマウスのカーソルCSRが示されている。
操作入力部220からの信号を取得した入力処理部292は、当該信号に基づいて、ユーザ操作にて選択された位置が移動範囲B21の表示領域に含まれるか否かを判定し、含まれると判定した場合は、さらに、選択された位置の座標をマス目単位にて検出して不良発生箇所情報とする。
例えば、ユーザが点P21をマウスにて選択した場合、入力処理部292は、当該点P21の座標Xを不良発生箇所情報として取得する。
また、図2において、表示部210は、不良分類情報の入力を受け付ける領域A22に、ヤケやシルバーなど不良分類の選択ボタンを表示している。
ユーザがいずれかの選択ボタンをマウスにて選択すると、入力処理部292は、いずれの選択ボタンが選択されたかを判定し、当該選択ボタンに応じた不良分類を不良分類情報として取得する。
このように、表示部210が、溶融樹脂の移動範囲を示す図と不良分類の選択ボタンとを表示することで、ユーザは、不良発生箇所や不良分類を容易に入力することができる。例えば、成形品の点P21に相当する箇所にヤケが発生した場合、ユーザは、点P21をマウスで選択するという簡単な操作にて不良発生箇所を入力することができ、ヤケの選択ボタンをマウスで選択するという簡単な操作にて不良分類を入力することができる。
入力処理部292は、取得した不良発生箇所情報および不良分類情報を、プロセス値取得部295と不良要因判定部296とに出力する。また、入力処理部292は、取得した不良発生箇所情報および不良分類情報ショットの識別情報と対応付けてデータ蓄積部293に出力し、記憶部230に記憶させる。ここで、ショットの識別情報としては、ショット毎に付された通し番号、あるいは、各ショットの開始時刻を示す情報など、様々な情報を用いることができる。
なお、本発明において、領域A21を分割する列数mや行数nは、特定の列数や行数に限定されない。列数mや行数nが多いほど、入力処理部292は、より高精度な不良発生箇所情報を取得し得る。
なお、操作入力部220が有する入力デバイスはマウスに限らない。例えば、操作入力部220が、表示部210の表示画面に設けられたタッチパネルを構成するタッチセンサを有するなど、マウス以外のポインティングデバイスを有するようにしてもよい。さらには、操作入力部220が、ポインティングデバイス以外の入力デバイスを有して不良発生箇所情報や不良分類情報の入力操作を受け付けるようにしてもよい。例えば、操作入力部220がキーボードを有し、不良発生箇所や不良分類の指定を、数字キーを用いた番号の入力や、不良の名称の文字入力にて受け付けるようにしてもよい。
さらには、不良要因判定装置200が不良発生箇所情報や不良分類情報を取得する方法は、ユーザ操作を受ける方法に限らない。例えば、不良要因判定装置200がカメラを有して成形品を撮像し、画像マッチング処理にて不良の有無や不良発生箇所や不良分類を検出するようにしてもよい。
なお、表示部210が、プロセス値をグラフ表示するようにしてもよい。
図3は、表示部210がプロセス値をグラフ表示した表示画面例を示す説明図である。同図において、線L31は、1ショットにおける射出圧力を示し、線L32は、1ショットにおけるスクリュー位置を示している。また、線L32は、点P32において、最終充填時のスクリュー位置を示している。また、時間T31〜T34は、それぞれ、射出工程の開始タイミング、射出工程から保圧工程への切り替わりタイミング、保圧工程から計量工程への切り替わりタイミング、計量工程の終了タイミングを示している。
このように、表示部210がプロセス値をグラフ表示することで、ユーザは、射出成形機100の状態や制御状況をより容易に把握し得る。
また、表示部210が、溶融樹脂の移動範囲を図示し、当該移動範囲の図において不良発生箇所毎に不良発生状況を表示するようにしてもよい。
図4は、表示部210が不良発生状況を表示した表示画面例を示す説明図である。同図において、表示部210は、溶融樹脂の移動範囲B41と、ゲート位置を示す点P41とを表示している。
また、表示部210は、領域A41に不良分類の選択ボタンを表示し、選択された不良分類について、移動範囲B41における位置毎(具体的には、図2を参照して説明したマス目毎)に、不良発生件数を示す棒グラフB42を表示している。図4の例では、ユーザは、不良分類として「すべて」を選択しており、表示部210は、記憶部230が記憶している不良の全件について、不良発生箇所毎の発生件数を棒グラフB42にて表示している。
また、表示部210は、領域A42に不良要因の推定結果を表示している。例えば、表示部210は、最後に発生した不良、または、ユーザが指定した不良について、不良要因判定部296が行った不良判定の結果を領域A42に表示する。
このように、表示部210が不良発生状況をグラフ表示することで、ユーザ(例えば現場管理者)は、不良発生状況を視覚的に容易に確認できる。
また、表示部210が不良要因の推定結果を表示することで、ユーザは、不良の要因解析や成形品の品質改善を行なうことができる。例えば、表示部210が不良に対する対応策を表示している場合、ユーザは、当該表示に応じて、射出圧力の変更または計量に関する回転数など、射出成形機100の成形条件の調整、あるいは、金型の清掃などの対応策を実施できる。あるいは、表示部210が対応策を表示していない場合でも、ユーザは、表示部210の示す情報に基づいて不良要因を推定し、推定した要因に基づいて対応策を講じることができる。
なお、図4に示すような不良発生状況情報をネットワーク上で閲覧可能としてもよい。これにより、不良発生情報を公開して情報の共有化を図ることができる。
次に、図5を参照して不良要因判定システム1の動作について説明する。
図5は、不良要因判定装置200が不良要因判定を行う処理手順を示すフローチャートである。同図の処理において、まず、データ蓄積部293が、ユーザの指定する成形品の図面データを記憶部230から取得して、図2を参照して説明したように表示部210に表示させる(ステップS101)。
次に、射出成形機100が射出成形を開始すると、データ取得部240は、射出成形機100のプロセス値を取得してデータ蓄積部293へ出力し、データ蓄積部293は、当該プロセス値を当該プロセス値の時間やショットの識別情報と対応付けて記憶部230に記憶させる(ステップS102)。なお、プロセス値の時間とは、プロセス値の発生した時間である。例えばセンサデータであれば、センサがプロセス値を測定した時間であり、制御情報であれば、当該制御の行われた時間である。
以下、射出成形機100の動作中において、データ取得部240はサンプリング時間毎に射出成形機100のプロセス値を取得し、データ蓄積部293が当該プロセス値を当該プロセス値の時間やショットの識別情報と対応付けて記憶部230に記憶させる。
そして、入力処理部292は、ユーザ操作にて不良発生箇所や不良分類が入力されたか否かを判定する(ステップS103)。不良発生箇所や不良分類が入力されていないと判定した場合(ステップS103:NO)、ステップS103へ戻る。すなわち、入力処理部292は、不良発生箇所や不良分類の入力を待ち受ける。
一方、不良発生箇所や不良分類が入力されたと判定した場合(ステップS103:YES)、入力処理部292は、入力された不良発生箇所情報や不良分類情報をデータ蓄積部293へ出力し、データ蓄積部293は、当該不良発生箇所情報および不良分類情報を、ショットの識別情報と対応付けて記憶部230に記憶させる(ステップS111)。
例えば、図2の例のように座標Xのマス目の部分にヤケの不良が発生した場合、記憶部230は、アドレス「X」と、不良分類「ヤケ」と、不良の発生時間とを対応付けて記憶する。
次に、被射出物到達時間取得部294は、記憶部230の記憶している不良発生箇所情報や不良分類情報やプロセス値に基づいて、流動解析にて不良発生箇所に溶融樹脂が到達した時間を算出し、データ蓄積部293を介して記憶部230に記憶させる(ステップS112)。
記憶部230が記憶しているアドレス「X」は、不良が発生した箇所を示すと共に、ゲートから充填された溶融樹脂が当該地点に到達したときに不良が発生している点で、不良発生タイミングを算出する基となる。
すなわち、成形品のある位置まで樹脂が到達したということは、その位置に相当する量の樹脂がスクリューによって押し出されたことを示している。そこで、被射出物到達時間取得部294は、流動解析にて溶融樹脂の動きを算出し、不良発生箇所に溶融樹脂が到達した時間を不良発生時間として検出し、データ蓄積部293を介して記憶部230に記憶させる。
また、被射出物到達時間取得部294は、不良発生箇所に溶融樹脂が到達した時間をプロセス値取得部295へ出力し、プロセス値取得部295は、該当する時間におけるプロセス値を、データ蓄積部293を介して記憶部230から取得する(ステップS113)。この、不良発生箇所に溶融樹脂が到達した時間におけるプロセス値は、不良発生の現象をよく示して特徴点と見ることができる。例えば、圧力推移において、不良発生箇所に溶融樹脂が到達した時間における圧力値を参照することで、成形品において不良が発生した位置と、その位置に樹脂が到達したときの成形プロセスの因子を抽出し得る。
図6は、プロセス値取得部295が取得するプロセス値の例を示す説明図である。同図において、線L61は、1ショットにおける射出圧力を示し、線L62は、1ショットにおけるスクリュー位置を示している。また、線L62のうち、プロセス値がV62となっている線L63の部分は、最終充填時のスクリュー位置を示している。
ここで、図6は、図2に示す座標Xの位置にヤケ不良が発生した場合の例を示しており、領域A61は、座標Xの位置に溶融樹脂が到達した時間を示している。線L62の示すスクリュー位置が前進するにつれて溶融樹脂が押し出され、スクリュー位置がプロセス値V61にて示されている時刻T61の前後において、座標Xのマス目の部分に溶融樹脂が到達している。
ここで、「ヤケ」とは射出における発生ガスや空気の逃げ場がなく高温高圧となり、表面が焼けて黒色に炭化する現象である。
そこで、プロセス値取得部295は、不良分類に基づいてプロセス値の種類として圧力推移を選択し、領域A61に示される時間帯における圧力推移を、データ蓄積部293を介して記憶部230から読み出す。
プロセス値取得部295は、取得したプロセス値を不良要因判定部296へ出力し、不良要因判定部296は、当該プロセス値と基準値とを比較して、圧力異常などの異常を検出する(ステップS114)。ここで、基準値として、例えば良品ショット時のデータを用いることができる。
具体的には、まず、記憶部230が良品ショット時のデータを基準値として記憶しておく。そして、プロセス値取得部295が、ステップS113で得られたプロセス値に相当するデータを基準値の中から取得して不良要因判定部296へ出力する。ここで、プロセス値に相当するデータとは、同一のセンサまたは制御部等が、同様のタイミングで生成したデータである。例えばセンシングデータであれば、同一のセンサが同一の時間または近い時間に測定したデータが該当する。
不良要因判定部296は、ステップS113で得られたプロセス値が、基準値の中から取得したデータを中心とする所定範囲内にあれば異常なしと判定し、所定範囲内に無ければ異常ありと判定する。
当該判定により、例えば図6の領域A61における圧力値のうち、特にプロセス値が突出している点P61近辺のデータを抽出するなど、データの絞込みを行うことができる。
この判定で不良要因判定部296が圧力異常を検出した場合、樹脂の溶融状態のばらつきや、金型における不具合などを不良要因として推定し得る。
但し、このような1ショットの判定だけでは、射出成形の安定性を判定することはできない。射出成形は複数ショット繰り返して行われることが一般的であり、単一成形サイクル内におけるプロセス値のみならず、複数成形サイクル間でプロセス値が時系列的にどのように変化しているかを観察、判別できることが望ましい。更には、不良要因判定部296が、複数項目のプロセス値を抽出することで、より精度良く不良要因を推定できる。
そこで、不良要因判定部296は、ステップS114で異常ありと判定したプロセス値をプロセス値取得部295へ出力し、プロセス値取得部295は、当該プロセス値に相当するデータを不良発生ショットから過去nショット分(nは正整数であり、例えば20ショット)さかのぼって、データ蓄積部293を介して記憶部230から取得する(ステップS115)。このように、プロセス値取得部295は、複数のショットについて不良発生箇所到達時プロセス値を取得する。
そして、プロセス値取得部295は取得したnショット分のデータを不良要因判定部296へ出力し、不良要因判定部296は、当該データについてショット間の差分を算出する(ステップS116)。
このショット間の差分を算出する点について、図7〜図10を参照して説明する。
図7は、射出成形機100におけるプロセス値の、複数ショットにおける時系列推移の第1の例を示す説明図である。同図において、線L71はプロセス値を示す。また、線L72は、プロセス値の管理上限値を示し、線L73は、プロセス値の管理下限値を示す。
図7の例では、プロセス値が管理上限値と管理下限値との範囲内に収まっており、かかる管理上限値および管理下限値に基づく判定において正常と判定される。
図8は、射出成形機100におけるプロセス値の時系列推移の第2の例を示す説明図である。同図において、線L81はプロセス値を示す。また、線L82は、プロセス値の管理上限値を示し、線L83は、プロセス値の管理下限値を示す。
図7の場合と同様、図8の例でも、プロセス値が管理上限値と管理下限値との範囲内に収まっており、かかる管理上限値および管理下限値に基づく判定において正常と判定される。また、図7と図8とでは、ばらつきの大きさも同程度となっている。
一方、図9は、射出成形機100におけるプロセス値の差分の、複数ショットにおける時系列推移の第1の例を示す説明図である。同図は、図7の線L71が示すプロセス値について、前のショットとの差を取った例を示しており、線L91は、前のショットとのプロセス値の差分を示す。
また、線L92は、プロセス値の差分の管理上限値を示し、線L93は、プロセス値の差分の管理下限値を示す。
図9の例では、プロセス値の差分が管理上限値と管理下限値との範囲内に収まっており、かかる管理上限値および管理下限値に基づく判定において正常と判定される。
図10は、射出成形機100におけるプロセス値の差分の、複数ショットにおける時系列推移の第2の例を示す説明図である。同図は、図8の線L81が示すプロセス値について、前のショットとの差を取った例を示しており、線L101は、前のショットとのプロセス値の差分を示す。
また、線L102は、プロセス値の差分の管理上限値を示し、線L103は、プロセス値の差分の管理下限値を示す。
図10の例では、点P101のように、プロセス値の差分が管理上限値と管理下限値との範囲からはみ出しており、かかる管理上限値および管理下限値に基づく判定において異常と判定される。
このように、時系列的にショット間の差を取ることで、個々のショットにおけるプロセス値のばらつきに加えて、ショット間におけるプロセス値の変化の大きさを評価することができる。ショット間におけるプロセス値の変化が小さいほど、プロセス値が急変する可能性が低く、この点において状態が安定していると評価できる。
例えば、図7および図9の示す状態のほうが、図8および図10の示す状態よりも安定していると評価できる。図7および図8のように個々のショットにおけるプロセス値のばらつきを評価するよりも、図9および図10のようにショット間におけるプロセス値の差を取るほうがかかる評価を行いやすい。そこで、不良要因判定部296は、ショット間のプロセス値の差分を算出する。
次に、不良要因判定部296は、算出した差分のばらつきの大きさを評価する(ステップS117)。例えば、不良要因判定部296は、ばらつきとして標準偏差を算出し、得られた標準偏差が所定の閾値より大きいか否かを判定することで、ばらつき大とばらつき小とに分類する。
そして、不良要因判定部296は、ばらつきの評価と不良分類とに基づいて不良要因および対億作を特定し(ステップS118)、特定した不良要因および対応策を表示制御部291に出力して表示部210に表示させる(ステップS119)。
具体的には、ばらつきの程度および不良分類をインデックスとして不良要因および対応策を示すデータを記憶部230が記憶しており、不良要因判定部296は、当該データのうち、ばらつきの評価および不良分類の当てはまるデータを取得する。
例えば、最終充填位置のバラツキが小さいときは、樹脂の溶融状態は安定していると考えられ、「ガスの逃げ場がない」ことが要因として考えられる。この場合、対応策として「ガスベントの清掃及び該当箇所の速度を遅くする」ことが考えられる。一方、最終充填位置のバラツキが大きいときは、「樹脂の溶融状態が変化してガスが発生している」ことが要因として考えられる。この場合、対応策として「スクリュー回転速度等の調整を行う」ことが考えられる。
そこで、このようにばらつきの程度および不良分類をインデックスとして不良要因および対応策を示すデータを記憶部230が記憶しておき、不良要因判定部296は、データ蓄積部293を介して不良要因および対応策を読み出す。不良要因判定部296が読み出した不良要因および対応策を表示部210が表示することで、ユーザは該当する対応策を実施できる。
このように、不良要因判定部296は、不良発生箇所到達時プロセス値のショット毎のばらつきに基づいて不良要因を判定する。特に、不良要因判定部296は、複数のショットについて、当該ショットにおける不良発生箇所到達時プロセス値と直後のショットにおける不良発生箇所到達時プロセス値との差分を求め、得られた差分に基づいて不良要因を判定する。
ステップS119の後、ステップS103へ戻る。
以上のように、被射出物到達時間取得部294は、不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求め、プロセス値取得部295は、不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機100のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を取得する。そして、不良要因判定部296は、不良分類情報の示す不良分類と、不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する。
これにより、不良要因判定部296は、射出成形における不良発生時に、不良発生要因をよく示していると期待される不良発生時のプロセス値に基づいて不良要因を特定することができる。
また、プロセス値取得部295複数のショットについて不良発生箇所到達時プロセス値を取得し、不良要因判定部296は、不良発生箇所到達時プロセス値のショット毎のばらつきに基づいて不良要因を判定する。
これにより、不良要因判定部296は、射出成形機100の状態の安定性を複数ショットにわたっての時系列的に評価することができる。
また、不良要因判定部296は、複数のショットについて、当該ショットにおける不良発生箇所到達時プロセス値と直後のショットにおける不良発生箇所到達時プロセス値との差分を求め、得られた差分に基づいて不良要因を判定する。
これにより、不良要因判定部296は、個々のショットにおけるプロセス値のばらつきに加えて、ショット間におけるプロセス値の変化の大きさを評価することができる。
また、表示部210は、被射出物の移動範囲を図示し、当該移動範囲の図において不良発生箇所毎に不良発生状況を表示する。
これにより、ユーザは、不良発生状況を視覚的に容易に確認できる。
なお、プロセス値取得部295が、最終充填位置到達時プロセス値を取得するようにしてもよい。ここでいう最終充填位置到達時プロセス値とは、射出成形機100が最終充填位置到達状態となった最終充填位置到達時間における射出成形機のプロセス値である。また、ここでいう最終充填位置状態とは、射出成形機100のスクリューが最終充填位置(溶融樹脂を押し出す際の再前進位置)に到達した状態である。
この場合、不良要因判定部296は、最終充填位置到達時プロセス値に基づいて不良要因を判定する。
例えば、溶融樹脂が過剰に加熱されて粘度低下しガスが発生しやすい状態にある場合、最終充填位置は前進する。逆に、樹脂が充分に溶融されない状態では、最終充填位置は後退する。この点において、最終充填位置は樹脂の溶融状態を示す因子である。
例えば、上述した圧力異常の場合、最終充填位置のバラツキが小さいときは、樹脂の溶融状態が安定していると考えられる。この場合、不良要因判定部296は、要因としてガスの逃げ場がないこと、および、対応策としてガスベントの清掃及び該当箇所の速度を遅くすることを、記憶部230から読み出し、表示制御部291を介して表示部210に表示させる。これにより、ユーザは、当該表示に従って条件調整やメンテナンスを実施し得る。
一方、最終充填位置のバラツキが大きいときは、不良要因判定部296は、要因として樹脂の溶融状態が変化しガスが発生している恐れがあること、および、対応策としてスクリュー回転速度等の調整を行うことを、記憶部230から読み出し、表示制御部291を介しては表示部210に表示させる。
なお、以上では、不良要因判定部296が、圧力推移と最終充填位置に基づいて不良要因を推定する場合について説明したが、不良要因判定部296が、不良要因を判定する因子はこれに限らない。不良要因判定部296が、他の因子に基づいて不良要因判定を行うようにしてもよいし、3つ以上の因子に基づいて不良要因判定を行うようにしてもよい。
例えば、シルバーのように樹脂の溶融状態に大きく起因する不良に関しては、不良要因判定部296が、最終充填位置の推移にて要因を特定するようにしてもよい。また、ヒケなどは圧力に起因することが大きく、不良要因判定部296が、圧力推移で要因を推定するようにしてもよい。
このように、不良要因判定部296が、不良発生箇所と不良分類及び当該箇所の成形工程のプロセスのばらつきを演算し、ばらつきから不良推定を行なうことで、不良発生の要因をより精度良く把握することができる。
<第2の実施形態>
図11は、本発明の第2の実施形態における不良要因判定システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、不良要因判定システム3は、射出成形機100と、不良要因判定装置300と、端末装置400とを具備する。不良要因判定装置300は、記憶部230と、データ取得部240と、通信部350と、制御部390とを具備する。制御部390は、データ蓄積部293と、被射出物到達時間取得部294と、プロセス値取得部295と、不良要因判定部296と、通信制御部391とを具備する。端末装置400は、表示部410と、操作入力部420と、通信部450と、制御部490とを具備する。
同図において、図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(100、230、240、293〜296)を付して説明を省略する。
不良要因判定システム3では、不良要因判定システム1と異なり、表示部410を具備する端末装置400が不良要因判定装置300と別構成となっている。端末装置400を射出成形機100と離れた場所に設置することができ、遠隔地にて射出成形の状況を確認することができる。
なお、不良要因判定システム3が備える端末装置400の数は、図11に示す1つに限らず、複数であってもよい。例えば、端末装置400が、不良要因判定装置300の近傍と遠隔地とに、それぞれ設けられていてもよい。
通信部350は、端末装置400(通信部450)と通信を行う。特に、通信部350は、不良要因判定部390の判定結果等を送信し、また、不良発生時における不良分類情報や不良発生箇所情報を受信する。
通信制御部391は、通信部350を制御して端末装置との通信を行わせる。
端末装置400は、不良要因判定装置300のユーザインタフェースとして各種情報の表示やユーザ操作の受付を行う。端末装置400は、例えばコンピュータにて構成される。あるいは、端末装置400を専用のハードウェアにて構成するようにしてもよい。
表示部410は、例えば液晶パネルまたは有機EL(Organic Electroluminescence)パネルなどの表示画面を有し、表示制御部291の制御に従って各種画像を表示する。特に、表示部410は、表示部210(図1)と同様、不良要因判定部の判定結果を表示する。
操作入力部420は、例えばキーボードやマウスなどの入力デバイスを有して、不良要因判定装置200のユーザ(以下、単に「ユーザ」と称する)の行うユーザ操作を受け付ける。特に、操作入力部420は、操作入力部220(図1)と同様、不良分類や不良発生箇所の入力を受け付ける。
通信部450は、不良要因判定装置300(通信部350)と通信を行う。特に、通信部450は、不良要因判定装置300(不良要因判定部390)の不良判定結果等を受信し、また、不良発生時にユーザが入力する不良分類情報や不良発生箇所情報を送信する。
制御部490は、端末装置400の各部を制御して各種機能を実行する。特に、制御部400は、本発明における不良情報取得部の一例に該当し、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する。すなわち、制御部490は、操作入力部420が受け付ける、不良発生箇所情報および不良分類情報の操作入力を検出する。
このような構成により、不良要因判定システム3は、成形品試作時の成形品の構造確認にも適用できる。成形品試作においては成形品の構造や成形条件を変更しながら進めていくことが多い。一方、成形品の設計場所と、射出成形機100の設置されている製造現場とが物理的に離れていることが多く、試作時の成形品を容易に確認できないことや、大量の試作品の運搬を余儀なくされることがある。
成形品の試作時は不良発生の要因が成形品の構造に起因することも多く、それが修正されることなく量産が開始された場合、大きな損失が生じてしまうおそれがある。また、実際に成形しないと確認できない事象も多く、試作時には実際に成形作業を行なうことにより、完全に問題点を解決していく必要がある。
例えば、試作時には製品構造から発生ガスやエアが滞留しやすく、ヤケ等の外観不良が発生することがある。これに対しては製品構造を変更する、もしくは金型にエアベント(ガス抜け)を追加していく必要がある。しかしこれらは実際の成形品を確認し、どこにどのような不良が発生しているかを確認していく必要があり、上述の通り、成形現場が離れている場合、頻繁な移動が負担となる。
そこで、不良要因判定システム3を用いて、遠隔地で要因をより詳細に解析することができる。
ユーザは、試作時に試作する成形品の図面を呼び出し、試作時に発生した不良の分類と不良発生箇所とを入力する。また、不良要因判定システム1(図1)の場合と同様、記憶部230は、射出成形機100のプロセス値を記憶する。これらのデータを用いて、不良要因判定システム3は、遠隔地に位置するユーザに対して、不良要因判定システム1の場合と同様の情報を提供することができる。
また、上記のように、試作時には不良要因が製品の構造に起因することも多いので、不良発生箇所と製品構造を容易に視認できることが望ましい。
そこで、表示部410は、成形品を三次元的に図示し、当該成形品の図において不良発生箇所毎に不良発生状況を表示する
図12は、表示部410が成形品を図示する例を示す説明図である。同図において、表示物B123は、成形品の3次元表示であり、ボスB121およびリブB122が示されている。また、領域A121には不良分類セレクトボタンが表示されており、棒グラフB124は、不良発生箇所毎の発生度数を示している。また、点P121はゲート位置を示す。
図12に示すように、不良位置の入力及び実績の確認を、三次元データを活用して行うことで、ユーザは、例えば不良発生裏面のボス形状や、肉厚変化点での不良発生との相関などを視覚的に把握できる。また流動解析データと発生不良位置及び不良発生数の情報を重ね合わせて表示することで、流れのどの部分に問題点があるかを正確に把握することが可能になり、問題点のより正確な把握が可能になる。
<第3の実施形態>
図13は、本発明の第3の実施形態における不良発生予測システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、不良発生予測システム5は、射出成形機100と、不良発生予測装置500とを具備する。不良発生予測装置500は、表示部210と、操作入力部220と、記憶部230と、データ取得部240と、制御部590とを具備する。制御部590は、表示制御部291と、入力処理部292と、データ蓄積部293と、監視対象時間設定部591と、過去プロセス値取得部592と、実機プロセス値取得部593と、不良発生予測部594とを具備する。
同図において、図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(100、210、220、230、240、291〜293)を付して説明を省略する。
不良発生予測装置500は、射出成形における不良発生履歴に基づいて、不良発生の予想を行う。不良発生予想装置500は、例えばコンピュータにて構成される。あるいは、不良発生予想装置500を専用のハードウェアにて構成するようにしてもよい。
制御部590は、不良発生予測装置500の各部を制御して、各種機能を実行する。
データ蓄積部293は、本発明における不良情報取得部の一例に該当し、記憶部230が記憶している、過去の射出成形における射出成形機100のプロセス値および不良発生状況を示す履歴情報から、不良の発生したショットにおける不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する。
監視対象時間設定部591は、不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に基づいて監視対象時間を設定する。
過去プロセス値取得部592は、不良の発生したショットよりも過去の少なくとも1ショットについて、監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、履歴情報から取得する。
実機プロセス値取得部593は、監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、射出成形機実機から取得する。
不良発生予測部594は、過去プロセス値取得部が取得したプロセス値と、実機プロセス値取得部が取得したプロセス値とに基づいて、不良の発生を予測する。
以上の構成により、不良発生予測システム5を成形品の品質予想に適用することができる。
不良発生予測装置500においても、不良要因判定装置200(図1)の場合と同様、不良分類と不良発生箇所とがユーザ入力によって記憶部230に蓄積される。そして、ある機種の成形を行うときに、不良発生予想部594が、過去の同一機種の不良発生箇所と分類のデータを参照することによりその機種での不良発生時のばらつき傾向と現在のばらつき推移を比較し、過去のデータと同様のばらつき推移と同じであれば同様の不良が発生する恐れがあると判断する。
ここで、ある機種の不良発生実績を分析すると、発生不良には機種によって傾向がある場合が多い。そこで、例えばある機種の生産を開始する際、データ蓄積部293が、その機種の過去の不良実績データを記憶部230から呼び出し、一番多く発生している不良分類と不良箇所をデータ監視箇所として特定する。
また、不良発生予想部594は、記憶部230が記憶している不良発生時のプロセス値(の差分)のばらつきと、現在生産している機種におけるデータ監視箇所に該当する成形機のプロセス値(の差分)のばらつきとを比較する。そして、不良発生時のばらつき以上のばらつきが発生すると表示部210が、不良の発生しやすい状況にある旨の警告を表示する。これにより、未然に不良発生を防ぐことができる。
なお、ユーザが、過去の不良発生データのうち発生不良を任意の数だけ選択できるようにしてもよい。これにより、不良発生予想部594は、複数の不良とその該当場所のばらつきを判断基準とし不良発生を予測することができる。
また、図4の例と同様に、表示部210が不良の発生状況を表示し、ユーザが、不良分類での絞り込みをし、監視対象に選択したい場所を例えばマウスでクリックするようにしてもよい。これにより、ユーザは視覚的に分かり易く、楽に作業を行うことができ、また、複数の項目を容易に選択し得る。
次に、図14〜図16を参照して本発明における最小構成について説明する。
図14は、本発明における不良要因判定装置の最小構成を示す概略ブロック図である。
同図の不良要因判定装置600において、不良情報取得部610は、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する。また、被射出物到達時間取得部294と、プロセス値取得部295と、不良要因判定部296とは、不良要因判定装置200(図1)の場合と同様である。
かかる構成にて、不良要因判定装置200(図1)の場合と同様、不良要因判定装置600(不良要因判定部296)は、射出成形における不良発生時に、不良発生要因をよく示していると期待される不良発生時のプロセス値に基づいて不良要因を特定することができる。
図15は、本発明における不良要因判定システムの最小構成を示す概略ブロック図である。同図の不良要因判定システム7において、不良情報取得部610は、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する。また、射出成形機100と、記憶部230と、被射出物到達時間取得部294と、プロセス値取得部295と、不良要因判定部296と、表示部410とは、不良要因判定システム3(図11)の場合と同様である。
かかる構成にて、不良要因判定システム3(図11)の場合と同様、遠隔地に位置するユーザに対して、不良要因判定システム1の場合と同様の情報を提供することができる。
図16は、本発明における不良発生予測装置の最小構成を示す概略ブロック図である。同図の不良発生予測装置800において、不良情報取得部610は、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する。また、監視対象時間設定部591と、過去プロセス値取得部592と、実記プロセス値取得部593と、不良発生予測部594とは、不良発生予測装置500(図13)の場合と同様である。
かかる構成にて、不良発生予測装置800は、不良発生予測装置500(図13)の場合と同様、成形品の品質予想を行うことができ、不良の発生しやすい状況にある旨の警告を表示して、未然に不良発生を防ぐことができる。
なお、不良要因判定装置200、300または600や、端末装置400や、不良発生予測装置500または800の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得部と、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得部と、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を取得するプロセス値取得部と、前記不良分類情報の示す不良分類と、前記不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する不良要因判定部と、を具備することを特徴とする不良要因判定装置。
(付記2)
前記プロセス値取得部は、複数のショットについて前記不良発生箇所到達時プロセス値を取得し、前記不良要因判定部は、前記不良発生箇所到達時プロセス値のショット毎のばらつきに基づいて不良要因を判定することを特徴とする付記1に記載の不良要因判定装置。
(付記3)
前記不良要因判定部は、複数のショットについて、当該ショットにおける不良発生箇所到達時プロセス値と直後のショットにおける不良発生箇所到達時プロセス値との差分を求め、得られた差分に基づいて不良要因を判定することを特徴とする付記2に記載の不良要因判定装置。
(付記4)
前記プロセス値取得部は、射出成形機が最終充填位置到達状態となった最終充填位置到達時間における射出成形機のプロセス値である最終充填位置到達時プロセス値を取得し、前記不良要因判定部は、前記最終充填位置到達時プロセス値に基づいて不良要因を判定することを特徴とする付記1から3のいずれか一項に記載の不良要因判定装置。
(付記5)
前記被射出物の移動範囲を図示し、当該移動範囲の図において不良発生箇所毎に不良発生状況を表示する表示部を具備することを特徴とする付記1から4のいずれか一項に記載の不良要因判定装置。
(付記6)
過去の射出成形における射出成形機のプロセス値および不良発生状況を示す履歴情報から、不良の発生したショットにおける不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得部と、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に基づいて監視対象時間を設定する監視対象時間設定部と、前記不良の発生したショットよりも過去の少なくとも1ショットについて、前記監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、前記履歴情報から取得する過去プロセス値取得部と、前記監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、射出成形機実機から取得する実機プロセス値取得部と、前記過去プロセス値取得部が取得した前記プロセス値と、前記実機プロセス値取得部が取得した前記プロセス値とに基づいて、不良の発生を予測する不良発生予測部と、を具備することを特徴とする不良発生予測装置。
(付記7)
射出成形機と、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得部と、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得部と、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における前記射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を取得するプロセス値取得部と、前記不良情報取得部が取得した前記不良発生箇所情報および前記不良分類情報と、前記プロセス値取得部が取得した前記不良発生箇所到達時プロセス値とをショット毎に記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶する前記不良分類情報の示す不良分類と、前記記憶部が記憶する前記不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する不良要因判定部と、前記不良要因判定部の判定結果を表示する表示部と、を具備することを特徴とする不良要因判定システム。
(付記8)
前記表示部は、成形品を図示し、当該成形品の図において不良発生箇所毎に不良発生状況を表示することを特徴とする付記7に記載の不良要因判定システム。
(付記9)
不良要因判定装置の不良要因判定方法であって、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を取得するプロセス値取得ステップと、前記不良分類情報の示す不良分類と、前記不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、を具備することを特徴とする不良要因判定方法。
(付記10)
不良発生予測装置の不良発生予測方法であって、過去の射出成形における射出成形機のプロセス値および不良発生状況を示す履歴情報から、不良の発生したショットにおける不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に基づいて監視対象時間を設定する監視対象時間設定ステップと、前記不良の発生したショットよりも過去の少なくとも1ショットについて、前記監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、前記履歴情報から取得する過去プロセス値取得ステップと、前記監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、射出成形機実機から取得する実機プロセス値取得ステップと、前記過去プロセス値取得ステップにて取得した前記プロセス値と、前記実機プロセス値取得ステップにて取得した前記プロセス値とに基づいて、不良の発生を予測する不良発生予測ステップと、を具備することを特徴とする不良発生予測方法。
(付記11)
射出成形機と記憶部とを具備する不良要因判定システムの不良要因判定方法であって、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における前記射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を取得するプロセス値取得ステップと、前記記憶部が、前記不良情報取得ステップにて取得した前記不良発生箇所情報および前記不良分類情報と、前記プロセス値取得ステップにて取得した前記不良発生箇所到達時プロセス値とをショット毎に記憶する記憶ステップと、前記記憶部が記憶する前記不良分類情報の示す不良分類と、前記記憶部が記憶する前記不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、前記不良要因判定ステップでの判定結果を表示する表示ステップと、を具備することを特徴とする不良要因判定方法。
(付記12)
不良要因判定装置としてのコンピュータに、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を取得するプロセス値取得ステップと、前記不良分類情報の示す不良分類と、前記不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、と実行させるためのプログラム。
(付記13)
不良発生予測装置としてのコンピュータに、過去の射出成形における射出成形機のプロセス値および不良発生状況を示す履歴情報から、不良の発生したショットにおける不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に基づいて監視対象時間を設定する監視対象時間設定ステップと、前記不良の発生したショットよりも過去の少なくとも1ショットについて、前記監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、前記履歴情報から取得する過去プロセス値取得ステップと、前記監視対象時間における射出成形機のプロセス値を、射出成形機実機から取得する実機プロセス値取得ステップと、前記過去プロセス値取得ステップにて取得した前記プロセス値と、前記実機プロセス値取得ステップにて取得した前記プロセス値とに基づいて、不良の発生を予測する不良発生予測ステップと、を実行させるためのプログラム。
(付記14)
射出成形機と記憶部とを具備する不良要因判定システムを制御するコンピュータに、射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における前記射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を取得するプロセス値取得ステップと、前記記憶部が、前記不良情報取得ステップにて取得した前記不良発生箇所情報および前記不良分類情報と、前記プロセス値取得ステップにて取得した前記不良発生箇所到達時プロセス値とをショット毎に記憶する記憶ステップと、前記記憶部が記憶する前記不良分類情報の示す不良分類と、前記記憶部が記憶する前記不良発生箇所到達時プロセス値とに基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、前記不良要因判定ステップでの判定結果を表示する表示ステップと、を実行させるためのプログラム。
1、3、7 不良要因判定システム
5 不良発生予測システム
100 射出成形機
200、300、500 不良要因判定装置
210、410 表示部
220、420 操作入力部
230 記憶部
240 データ取得部
290、390、490、590 制御部
291 表示制御部
292 入力処理部
293 データ蓄積部
294 被射出物到達時間取得部
295 プロセス値取得部
296 不良要因判定部
350、450 通信部
391 通信制御部
400 端末装置
500 不良発生予測装置
591 監視対象時間設定部
592 過去プロセス値取得部
593 実機プロセス値取得部
594 不良発生予測部

Claims (9)

  1. 射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得部と、
    前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得部と、
    前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を、前記不良分類情報の示す不良分類に応じたプロセス値について取得するプロセス値取得部と、
    記不良発生箇所到達時プロセス値と、予め得られている良品ショット時のプロセス値のうち前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間に対応する時間のプロセス値とを比較して異常の有無を判定し、判定結果に基づいて不良要因を判定する不良要因判定部と、
    を具備することを特徴とする不良要因判定装置。
  2. 前記プロセス値取得部は、複数のショットについて前記不良発生箇所到達時プロセス値を取得し、
    前記不良要因判定部は、前記不良発生箇所到達時プロセス値のショット毎のばらつきに基づいて不良要因を判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の不良要因判定装置。
  3. 前記不良要因判定部は、複数のショットについて、当該ショットにおける不良発生箇所到達時プロセス値と直後のショットにおける不良発生箇所到達時プロセス値との差分を求め、得られた差分に基づいて不良要因を判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の不良要因判定装置。
  4. 前記プロセス値取得部は、射出成形機が最終充填位置到達状態となった最終充填位置到達時間における射出成形機のプロセス値である最終充填位置到達時プロセス値を取得し、
    前記不良要因判定部は、前記最終充填位置到達時プロセス値に基づいて不良要因を判定する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の不良要因判定装置。
  5. 前記被射出物の移動範囲を図示し、当該移動範囲の図において不良発生箇所毎に不良発生件数棒グラフにて表示する表示部を具備することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の不良要因判定装置。
  6. 射出成形機と、
    射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得部と、
    前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得部と、
    前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における前記射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を、前記不良分類情報の示す不良分類に応じたプロセス値について取得するプロセス値取得部と、
    記不良発生箇所到達時プロセス値と、予め得られている良品ショット時のプロセス値のうち前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間に対応する時間のプロセス値とを比較して異常の有無を判定し、判定結果に基づいて不良要因を判定する不良要因判定部と、
    前記不良要因判定部の判定結果を表示する表示部と、
    を具備することを特徴とする不良要因判定システム。
  7. 前記表示部は、成形品を図示し、当該成形品の図において不良発生箇所毎に不良発生件数棒グラフにて表示することを特徴とする請求項に記載の不良要因判定システム。
  8. 不良要因判定装置の不良要因判定方法であって、
    射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、
    前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、
    前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を、前記不良分類情報の示す不良分類に応じたプロセス値について取得するプロセス値取得ステップと、
    記不良発生箇所到達時プロセス値と、予め得られている良品ショット時のプロセス値のうち前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間に対応する時間のプロセス値とを比較して異常の有無を判定し、判定結果に基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、
    を具備することを特徴とする不良要因判定方法。
  9. 不良要因判定装置としてのコンピュータに、
    射出成形における不良発生箇所情報および不良分類情報を取得する不良情報取得ステップと、
    前記不良発生箇所情報が示す不良発生箇所に被射出物が到達する時間を求める被射出物到達時間取得ステップと、
    前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間における射出成形機のプロセス値である不良発生箇所到達時プロセス値を、前記不良分類情報の示す不良分類に応じたプロセス値について取得するプロセス値取得ステップと、
    記不良発生箇所到達時プロセス値と、予め得られている良品ショット時のプロセス値のうち前記不良発生箇所に被射出物が到達する時間に対応する時間のプロセス値とを比較して異常の有無を判定し、判定結果に基づいて不良要因を判定する不良要因判定ステップと、
    と実行させるためのプログラム。
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