JP6040516B2 - 酸化亜鉛皮膜の形成方法および、酸化亜鉛皮膜形成体 - Google Patents

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本発明は、基材上に酸化亜鉛皮膜を形成する方法に係わり、特には無電解めっきがされる前の被めっき基材に対する前処理方法に関する。
酸化亜鉛は、禁制帯幅が約3.3eVの化合物半導体であり、その光学的透明性、圧電性、導電性、発光性、蛍光性、光触媒性等に優れている。また資源的にも豊富であり、タッチパネルや、太陽電池用の透明導電膜、半導体レーザー、光導波路、ガス乃至湿度検知用センサー、表面弾性波素子、発光素子、各種音響素子、薄膜バリスタ、有機系太陽電池の導電パス等のエレクトロニクス分野、光触媒等の化学工業分野等の広い分野で幅広く応用されている。
従来、酸化亜鉛皮膜の形成方法としては、CVD法、蒸着法、スパッタリング法、MBE法などの乾式法、スプレーピロリシス法、ゾルーゲル法、液相成長法などの湿式法などにより、基材上に成膜する方法が試みられている。しかしながら、スパッタリング法、CVD法、蒸着法、MBE法等の乾式法では、成膜の際に、成膜室の減圧若しくはガス混入、基材の加熱などの処理が必要となり、真空排気装置、基材加熱装置、高周波電源などを含む大規模な作製装置が必要である。さらにこれらの方法では、成膜速度が遅く、組成や膜厚の制御が難しいという欠点がある。
また、スプレーパイロリシス法やゾルーゲル法においても、酸化亜鉛皮膜を得るためには、基材に成膜後、300〜900℃で加熱しなければならないため、加熱炉が必要であり、プラスチックなどの低融点材料を基材材料として使用することができないという問題点がある。
その他の酸化亜鉛皮膜の製造方法として、例えば、色素増感太陽電池の半導体層として、亜鉛イオンを含有する水溶液から電解めっきにより導電性基材上にスポンジ状の酸化亜鉛皮膜を析出する技術が開示されている(特許文献1)。しかしながら、この方法は電気めっきであるために、酸化亜鉛皮膜を形成すべき基材が良好な導電性を有することが必要であり、プラスチック、ガラス等の非導電性基材上に酸化亜鉛皮膜を形成することはできない。
一方、非導電性基材上に酸化亜鉛皮膜を作成する方法として無電解めっきがある。このめっき方法では、非導電性の基材に対して塩化錫を含む溶液を用いたセンシタイジングにより錫を基板上に吸着させ、塩化パラジウムを含む溶液を用いたアクチベーションによりパラジウム触媒を基材表面に付与させる。その後、硝酸亜鉛にジメチルアミンボラン(DMAB)を添加した浴に、基材を浸すことで、酸化亜鉛皮膜が得られることが知られている(特許文献2)。また特許文献3,4にも酸化亜鉛皮膜を無電解めっきにより作成する技術が開示されているが、これらも浴中にDMABを含んでいる。
しかしながら、この浴にはDMAB金属塩の他に還元剤が含まれている。そのため、浴の安定性に乏しく、浴の組成、温度等の条件を適切に管理できない場合には、めっき浴が分解する可能性がある。
また、センシタイジング工程で用いる塩化錫が溶液中で酸化すると触媒として失活するためにその取扱が難しいこと、また工数が増大することから、結果として高コストとなるという問題がある。
一方、有機薄膜太陽電池の分野で酸化亜鉛を水溶液中で針状に析出させることが検討されている。この場合における針状の酸化亜鉛を得る方法としては硝酸亜鉛に対して、等モル量のヘキサメチレンテトラアミン(HMTA)を加えた溶液を準備し、そこに種結晶となる酸化亜鉛が付着した基材を浸漬することにより、針状の酸化亜鉛を成長させることが出来る。
この場合において、HMTAは、酸化亜鉛を析出させるためのめっき界面近傍でのpHを増大する役割、もしくは亜鉛イオンを錯形成するための働きを有するものと解されている(非特許文献1)。しかし、HMTAを用いた浴については、基板上で酸化亜鉛が析出するものの、溶液を加温した時点で酸化亜鉛の粒子が析出してしまう。つまり浴の分解が発生するためにめっき浴として用いることが難しいという問題がある。
特開2004−6235号公報 特許第3256776号公報 特開2005−235242号公報 WO2008/126729号公報
L.E.Greene,et.al.,Inorg.Chem.,2006,45 ,7536-7543.
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであって、本発明の主な目的は、真空排気装置や加熱炉などの大規模設備を要することなく、導電性基材にも非導電性基材にも酸化亜鉛皮膜を形成できる簡便な方法を提供することである。
上記の課題を達成するための請求項1に記載の発明は、基基材上に、ポリシラザンを含有する溶液を塗布し乾燥させてポリシラザン層を形成した後、前記基材を、硝酸イオンを還元する際に水酸基イオン(OH )を生成する還元剤を含まない、亜鉛イオン濃度0.01mol/l〜0.1mol/lの範囲、pH4.0〜6.0の範囲、液温30℃〜90℃の範囲の硝酸亜鉛水溶液に浸漬させ、ポリシラザンが水と反応したSiO 、Si 、及び両方の中間固溶体SiO を含む層上に酸化亜鉛を析出させることを特徴とする酸化亜鉛被膜の形成方法としたものである。
請求項2に記載の発明は、基材上に、ポリシラザンを含有する溶液を塗布し乾燥させてポリシラザン層を形成した後、前記基材を、硝酸イオンを還元する際に水酸基イオン(OH )を生成する還元剤を含まない、亜鉛イオン濃度0.01mol/l〜0.1mol/lの範囲、pH4.0〜6.0の範囲、液温30℃〜90℃の硝酸亜鉛水溶液のみからなる水溶液に浸漬させ、ポリシラザンが水と反応したSiO 、Si 、及び両方の中間固溶体SiO を含む層上に酸化亜鉛を析出させることを特徴とする酸化亜鉛皮膜の形成方法としたものである。
請求項3に記載の発明は、基材上に、ポリシラザンが水と反応したSiO 、Si 、及び両方の中間固溶体SiO を含む層を含み、その層上に、酸化亜鉛皮膜を有する酸化亜鉛皮膜形成体である。
本発明によれば、めっき浴が還元剤を浴中に含まない組成となるため、被めっき物の表面近傍以外で還元剤が作用することによる浴の分解を避けることが出来る。
また、酸化亜鉛をめっき被膜としてその上に析出させる中間層としてポリシラザンを用いることで、基材との密着性に優れた酸化亜鉛皮膜を得ることが可能となる。
さらには、触媒付与工程として、ンシタイジング−アクチベーション法、キャタリスト−アクセレレーター法、アルカリキャタリスト法等の触媒を付与する工程がなくなり、ポリ
シラザンを含む溶液を塗工するのみでよい。
従って、低コストで非導電性基材上にも導電性基材上にも酸化亜鉛被膜を容易に形成することが可能となった。
本発明の実施例により作成された皮膜の紫外可視透過率測定結果の一例を示したものである。 (a)〜(e)本発明になる酸化亜鉛皮膜の製造方法を説明する工程図である。
本発明は、被めっき物近傍からアンモニアを発生させ、被めっき物近傍のみpHを周囲より増大させると、pH増大領域で酸化亜鉛が析出するという知見に基づく。
以下、それを実現するための工程と無電解めっき浴組成、めっき条件を図2を用いて説明する。
本発明に使用する組成物は、被めっき物に塗布するポリシラザン溶液と亜鉛イオンを含有する水溶液である。
亜鉛イオンの供給源となる化合物としては、水溶性の亜鉛塩を用いればよく、その具体例として、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、リン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、炭酸亜鉛等を挙げることができる。前記化合物は、それぞれ、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。なお、水にこれら亜鉛塩を溶かした時にpHが6.0以上に大きくなる場合には、めっき浴中に析出物が発生するため、硫酸、塩酸などを用いてpHを下げてから用いることが望ましい。硝酸亜鉛を単独で用いると、水に溶かした場合にpHも6以下であるため、pHを調整する必要もなく従って、浴中に不要な成分が少なく、純度の高い酸化亜鉛皮膜を形成することが可能となる。
本発明においては、水溶液中の亜鉛イオンの濃度は広い範囲で調整できるが、亜鉛濃度が低すぎる場合には亜鉛が析出しなくなる。また、亜鉛濃度が高すぎる場合には亜鉛を含む塩が飽和となり一定量以上溶解しなくなることから、亜鉛イオンの濃度は、0.001mol/l〜0.5mol/l(亜鉛分換算で0.065〜32.7g/l)程度の範囲内にあることが好ましく、0.01mol/l〜0.2mol/l(亜鉛分換算で0.65〜13g/l)程度の範囲内にあることがより好ましい。
被めっき物となる基材1としては、銅、鉄、アルミニウム等の金属材料、NESAガラス、ITOガラス等の導電性ガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラスなどの非導電性ガラス材料、セラミックス材料、プラスチック材料などを挙げることができる。
なお、プラスチック材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)、ポリエチレンナフタレート(PEN樹脂)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
上述の樹脂の中でも、高い耐熱性、強度、耐候性、耐久性、水蒸気バリア性等をバランス良く有したものとして、ポリエステル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂が挙げられ、これらを使用することが好ましい。
上記被めっき物となる基材1は、表面をポリシラザン3で被覆する必要がある。
また上記基材1上には、ポリシラザンとの密着性を向上させるために、易接着層が設けられていても良い。
被めっき物となる基材1に対してのポリシラザン含有溶液2の塗工方式としては、基材に応じた適切な方法を用いてよい。具体例としては、グラビア印刷、マイクログラビア印刷、リバースグラビア印刷、コンマコート、バーコート、スピンコート、ロールコート、フローコート、インクジェット、スプレーコート、ディップコート、フレキソ印刷などにより塗工を行なうことが可能である(図2(b))。
また、グラビア印刷やフレキソ印刷、インクジェット印刷を用いた場合には幾何学模様など所望のパターンを作成することが可能となる。なお、乾燥方法としては、溶剤が乾燥する温度に一定時間保持する加熱乾燥でも良いが、気中放置でもよい。
被めっき物となる基材1を被覆するポリシラザン3とは、珪素−窒素結合を持つポリマーで、Si−N、Si−H、N−H等からなり、SiO、Si、及び両方の中間固溶体SiO等のセラミックの前駆体となる無機ポリマーである。
そのポリシラザンとは、下記化学式1で示される化合物である。
ここで、式中のR1、R2、R3のそれぞれは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基などであって、本発明では得られるガスバリア膜としての緻密性からはR1、R2及びR3のすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザンが特に好ましい。
パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と6及び8員環を中心とする環構造が存在した構造と推定されている。その分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)であり、液体または固体の物質であり、分子量により異なる。これらは有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン含有塗布液として使用することができる。
なお、ポリシラザンを含有させる溶媒としては、ポリシラザンと容易に反応してしまうようなアルコール系や水分を含有するものを用いることは好ましくない。具体的には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。
具体的には、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン炭化水素、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等がある。これらの溶剤は、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度等、目的に会わせて選択し、複数の溶剤を混合してもよい。
ポリシラザン含有溶液2中のポリシラザン濃度は、目的とするシリカ膜厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、0.2〜35質量%程度である。
ポリシラザンを塗布して、亜鉛水溶液に浸漬した際にポリシラザンが水と反応して、SiO、Si、及び両方の中間固溶体SiO等のセラミックになる。この酸化珪素化合物への転化を促進するために、アミンや金属の触媒を添加することもできる。これらについては、市販品として入手することが可能であり、具体的にはAZエレクトロニックマテリアルズ(株)製 アクアミカ NAX120、NN110、NN120、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NP110、NP140、NP344、SP140などが挙げられる。
上記の組成を有するポリシラザン組成物を使用して、先ず、基材1に対しポリシラザン含有溶液2を塗布し、次いで亜鉛水溶液4に浸漬するだけで目的とする酸化亜鉛皮膜を形成することができる。
めっき浴6の液温は、めっき浴の液温を低い条件に設定場合には水酸化亜鉛が析出し、めっき浴の液温を高く設定してめっきを行なった場合には、ポリシラザンと水による珪素化合物への転化反応が加速され転化反応後の化合物と基材との密着が低下してしまう結果、酸化亜鉛皮膜と基材の密着が弱くなる。そのため、40〜90℃程度とすることが好ましい。特に、酸化亜鉛を有するということと、密着性を有するという点で、50〜80℃程度とすることがより好ましい。
一方、めっき浴6のpHは、特に限定されるものではないが、pHが低い場合には浴の安定性は向上するものの成膜速度が低下し、一方、pHが高い場合には、成膜速度は向上するが浴の安定性が低下して沈殿が生成し易くなり、酸化亜鉛皮膜を得ることが困難となる。
めっき浴6に基材1を浸漬する際には、めっき浴は、無撹拌及び撹拌状態のいずれでも良く、撹拌法としては、公知の攪拌方法を適宜採用できる。なお、本発明においては、めっき時において被めっき物からアンモニア及び水素ガスが発生するため、シリンダーショックや、超音波などを用いた脱泡処理を行うとより好ましい(図2(d))。
酸化亜鉛皮膜を形成した後は、水洗、乾燥等の通常の無電解めっきで行なわれる後処理の操作を行なうことができる(図2(e))。
本発明で酸化亜鉛の被膜が生じる理由としては以下と推定している。
まず、DMABを用いる無電解めっきで生成する酸化亜鉛の反応式としては化2〜化5に示す反応機構が知られている。
化2から化5において、DMABが化3で硝酸イオンを還元させ、このときにOHが生じる。このOHが被めっき物近傍のpHを上昇させた結果、水酸化亜鉛が形成され(化4)、その後溶液の雰囲気である中性付近に戻る時に安定な酸化亜鉛(化5)が得られる。
一方、本発明になるポリシラザンは水分と反応する際アンモニアを放出する(化6)。
この結果、被めっき物近傍のpHが上昇し、水酸化亜鉛が形成され、その後同様に中性付近で安定な酸化亜鉛が得られると考えている。
これらの点から、めっき浴のpHは1.0〜6.0が好ましく、特に4.0〜6.0が好ましい。
以下に実施例および比較例を示す。
(実施例1〜12)
まず、被めっき物となる基材1として、易接着層を有するPETフィルム(A4300、東洋紡(株)製)を用いた。次いで、被めっき物処理を行った。被めっき物処理としては、先に準備したPETフィルム上にポリシラザン溶液2(アクアミカNL120A−20、AZエレクトロニクス(株)製)をシンナー(アクアミカシンナー01、AZエレクトロニクス(株)製)で2倍希釈した液を用いてディップコーティング(引き上げ速度 0.5m/min)により膜厚が0.2μmとなるように塗布した後、室温で10分間気中にて乾燥させる処理を行った(図2(b))。
ついで、表1.のめっき浴条件において20分間めっきを行った(図2(d))。なお、浴組成中の配合量はmol/lで示した。この表1には処理条件以外に結果についても記載した。
(比較例1〜5)
比較例1〜3については実施例と同様にして被めっき物処理を行った後、浴組成、もしくは浴条件を変更してめっきを行なった。
また比較例4、5については、被めっき物処理を実施例とは異なる処理もしくは処理自体を行わなかったものについてめっきを行なった。なお、比較例4のHMTA塗布とは、0.1Mol/lのHMTA水溶液をPETフィルム上にディップコーティングにより塗工したものである。処理条件及び結果の一覧は表2に記載した。
評価については、浴安定性として、めっき後の浴に沈殿物が生成しているかどうかを目視で観察し、沈殿物が生成していない場合を○、沈殿が生じた場合を×とした。また、製膜有無については光学顕微鏡を用いて観察し、製膜が一様に出来ている状態を○、製膜が出来ていない状態を×、製膜しているものの、酸化亜鉛と基材の間に剥がれ、膨れがあるものについては△で示した。また、酸化亜鉛の生成を確認するために200〜900nmの範囲で紫外可視分光光度計を用い測定を行った(UV−2550、株式会社島津製作所製)。
表1よりポリシラザン塗布を行なった後に、浴組成及び浴条件を1〜12とすることで酸化亜鉛皮膜を製膜することが出来た。図1に酸化亜鉛皮膜を有する皮膜の紫外可視透過率測定結果の一例を示す。
一方、めっき温度が25℃の場合(比較例1)には、白色の皮膜は析出するものの、酸化亜鉛は析出しなかった。また、めっき温度が95℃の場合(比較例2)には、一部に酸化亜鉛被膜が得られるものの、基材と酸化亜鉛皮膜との密着が弱く、酸化亜鉛皮膜の大部分に膨れが発生しており、指でこすった程度で簡単に脱落してしまうものであった。
一方、めっき浴組成にHMTAを含有させた浴(比較例3)では浴の分解が発生した。
また、HMTA水溶液に浸す前処理を行った比較例4、被めっき物処理を行わなかった比較5についてはめっき皮膜が生じなかった。
本発明では被めっき物処理としてポリシラザンを含む溶液を塗工すること、めっき浴としては亜鉛を含む水溶性の塩を用いること、めっき温度を適切に選択することで、基板上に一様に酸化亜鉛を製膜することが出来る(図2(e))。
1、基材
2、ポリシラザン含有溶液
3、ポリシラザン
4、亜鉛イオン含有めっき液
5、酸化亜鉛皮膜
6、めっき浴

Claims (3)

  1. 基材上に、ポリシラザンを含有する溶液を塗布し乾燥させてポリシラザン層を形成した後、前記基材を、硝酸イオンを還元する際に水酸基イオン(OH )を生成する還元剤を含まない、亜鉛イオン濃度0.01mol/l〜0.1mol/lの範囲、pH4.0〜6.0の範囲、液温30℃〜90℃の範囲の硝酸亜鉛水溶液に浸漬させ、ポリシラザンが水と反応したSiO 、Si 、及び両方の中間固溶体SiO を含む層上に酸化亜鉛を析出させることを特徴とする酸化亜鉛皮膜の形成方法。
  2. 基材上に、ポリシラザンを含有する溶液を塗布し乾燥させてポリシラザン層を形成した後、前記基材を、硝酸イオンを還元する際に水酸基イオン(OH )を生成する還元剤を含まない、亜鉛イオン濃度0.01mol/l〜0.1mol/lの範囲、pH4.0〜6.0の範囲、液温30℃〜90℃の硝酸亜鉛水溶液のみからなる水溶液に浸漬させ、ポリシラザンが水と反応したSiO 、Si 、及び両方の中間固溶体SiO を含む層上に酸化亜鉛を析出させることを特徴とする酸化亜鉛皮膜の形成方法。
  3. 基材上に、ポリシラザンが水と反応したSiO 、Si 、及び両方の中間固溶体SiO を含む層を含み、その層上に、酸化亜鉛皮膜を有する酸化亜鉛皮膜形成体。
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