JP2011184728A - 無電解めっき前処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】スルーホールへのめっき性に優れる無電解めっき前処理剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)及び(2)で表されるイミダゾールアルコール化合物の1種又は2種以上と、パラジウム化合物とを含有する無電解めっき前処理剤。
Figure 2011184728

【選択図】なし

Description

本発明は無電解めっき前処理剤に関する。
無電解金属めっき法は導電性のない下地に金属被膜を形成する方法の一つであり、樹脂基板にプリント配線を形成する場合などに利用されている。無電解めっきの前処理としてパラジウムなどの貴金属を触媒としてあらかじめ下地に付着させておく活性化と呼ばれる方法が一般的である。これまで、SnCl2 の塩酸酸性水溶液で処理した後PdCl2 水溶液に浸漬処理してPdを吸着させたり、SnとPdを含んだコロイド溶液によりPdを表面に担持させる方法が使われてきた。これらの方法は毒性が高いSnを使用することや処理工程が複雑であるなど問題が多い。また、上記従来の方法は溶液が強酸性であるため、酸により損傷を受ける基材に関しては用いることができなかった。さらに、液の安定性を保つため高いパラシウム濃度を保っていなければならず、結果的に基材上にパラジウムが多く吸着し、無電解金属めっき後にも基材上に多量のパラジウム(触媒残渣)が残ることになる。この無電解金属めっき後の触媒残渣が後の工程における回路パターン形成において金属の異常析出を引き起こし、回路にリーク電流が流れたり、回路がショートするという問題を有していた。また、SnとPdを含んだコロイド溶液を用いた場合、スルーホールの内壁のめっきにおいては、パラシウムが侵入しにくく特にアスペクト比が高い場合は、無めっきを発生することが多かった。
そこで最近、無電解めっきの触媒であるPdなどの貴金属を表面に担持させる方法として、これらの貴金属類と錯体を形成できる官能基を有するシランカップリング剤を使った方法がいろいろ提案されている(例えば特許文献1参照)。しかし、シランカップリング剤を添加した系では、シランカップリング剤が水溶液中で分解し浴の安定性に欠けるという問題点を有していた。また、スルーホールの内壁のめっきにおいては、パラシウムが侵入しにくく特にアスペクト比が高い場合は、無めっきを発生することが多かった。
特許第3670238号
本発明は、安定性に優れ、酸により損傷を受ける基材にも用いることができ、更にスルーホールへのめっき性に優れる無電解めっき前処理剤を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定のイミダゾールアルコール化合物とパラジウム化合物とを含有する無電解めっき前処理剤で前処理を行うことにより上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
(1)下記一般式(1)及び(2)で表されるイミダゾールアルコール化合物の1種又は2種以上と、パラジウム化合物とを含有することを特徴とする無電解めっき前処理剤。
Figure 2011184728
(一般式(1)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、ビニル基、又は炭素数1〜20のアルキル基であって、R2とR3とで芳香環を形成していてもよく、R4は水素、ビニル基、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、あるいは−(CH2CH(R5)O)kH(R5は水素又は炭素数1〜20のアルキル基、kは1〜20の整数を表す)を表し、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、又はN、Oを含んでいてもよい置換基を表し、mは0〜20の整数を表し、n、lは1〜3の整数を表す。)
Figure 2011184728
(一般式(2)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、ビニル基、又は炭素数1〜20のアルキル基であって、R2とR3とで芳香環を形成していてもよく、R6は低級アルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
(2)前記一般式(1)で表されるイミダゾールアルコール化合物が、下記一般式(3)で表されるイミダゾール化合物と下記一般式(4)で表されるグリシドール化合物を反応させて得られたイミダゾールアルコール化合物であることを特徴とする前記(1)記載の無電解めっき前処理剤。
Figure 2011184728
(一般式(3)および(4)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、ビニル基、又は炭素数1〜20のアルキル基であって、R2とR3とで芳香環を形成していてもよく、R4は水素、ビニル基、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、あるいは−(CH2CH(R5)O)kH(R5は水素又は炭素数1〜20のアルキル基、kは1〜20の整数を表す)を表し、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、又はN、Oを含んでいてもよい置換基を表し、mは0〜20の整数を表し、n、lは1〜3の整数を表す。)
(3)前記一般式(2)で表されるイミダゾールアルコール化合物が、下記一般式(3)で表されるイミダゾール化合物と下記一般式(5)で表されるグリシジルエーテル化合物とを反応させて得られたイミダゾールアルコール化合物であることを特徴とする前記(1)記載の無電解めっき前処理剤
Figure 2011184728
(一般式(3)および(5)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、ビニル基、又は炭素数1〜20のアルキル基であって、R2とR3とで芳香環を形成していてもよく、R6は低級アルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のめっき前処理剤を用いて被めっき物を前処理し、次いで無電解めっきすることを特徴とする無電解めっき方法。
(5)無電解めっきが銅又はニッケルめっきであることを特徴とする前記(4)記載の無電解めっき方法。
(6)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のめっき前処理剤を用いて、径0.15mm〜0.45mmφ、アスペクト比10〜30のスルーホールを有し、厚さが2mm〜5mmの被めっき物を前処理し、次いで無電解めっきしてなることを特徴とするめっき物。
本発明の無電解めっき前処理剤は、pHが中性に近いため酸に侵され易い基材に対しても用いることができる。また本発明に用いるイミダゾールアルコール化合物は水溶液中で安定であり、本発明の無電解めっき前処理剤は安定性にも優れている。
また、本発明に用いるイミダゾールアルコール化合物は分子内に水酸基を有しており、塗布面の濡れ性が良好であるため、該イミダゾールアルコールに担持させたパラジウム触媒は、基板に対する濡れ性が高く、パラジウムを基板に均一に付着させることが可能なため、めっき膜の密着力を向上させることができる。また、本発明の無電解めっき処理剤を用いて、特に高多層プリント基板等のアスペクト比が高いスルーホールを有する被めっき物を前処理し、次いで無電解めっきする場合のめっき性に優れている。従って、本発明の無電解めっき前処理剤を用いて被めっき物を処理することにより、均一で密着性に優れ、スルーホールのめっき性に優れるめっき物を得ることができる。
本発明の無電解めっき前処理剤は、下記一般式(1)及び(2)で表されるイミダゾールアルコール化合物の1種又は2種以上と、パラジウム化合物とを含有する。
Figure 2011184728
(一般式(1)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、ビニル基、又は炭素数1〜20のアルキル基であって、R2とR3とで芳香環を形成していてもよく、R4は水素、ビニル基、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、あるいは−(CH2CH(R5)O)kH(R5は水素又は炭素数1〜20のアルキル基、kは1〜20の整数を表す)を表し、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、又はN、Oを含んでいてもよい置換基を表し、mは0〜20の整数を表し、n、lは1〜3の整数を表す。)
Figure 2011184728
(一般式(2)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、ビニル基、又は炭素数1〜20のアルキル基であって、R2とR3とで芳香環を形成していてもよく、R6は低級アルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
上記一般式(1)、及び上記一般式(2)で表されるイミダゾールアルコール化合物は、分子内に水酸基を有しており、塗布面の濡れ性が良好である。従って、該イミダゾールアルコール化合物に担持させたパラジウム触媒は、基板に対する濡れ性が高く、パラジウムを基板に均一に付着させることが可能となる。また、従来のSn−Pdコロイドと違い分子触媒であるため、狭い領域にも侵入し易いという利点を有している。そのため、本発明の無電解めっき前処理剤は、特に高アスペクト比のスルーホールを有する高多層プリント基板のスルーホールへのめっき性に優れる。
上記一般式(1)で表されるイミダゾールアルコール化合物は、下記一般式(3)で表されるイミダゾール化合物と下記一般式(4)で表されるグリシドール化合物との下記反応式で表される反応により合成される。
Figure 2011184728
(式(3)、(4)中、R1、R2、R3、R4、X、l、mおよびnは前記定義と同じである。)
前記一般式(1)、(3)、(4)においてR1、R2、R3、R4は、水素、ビニル基、又は炭素数1〜20のアルキル基であれば本発明の効果を十分に発揮する。アルキル基としては、炭素数1〜20であるが、炭素数1〜9が好ましい。また、R2とR3とで芳香環を形成する場合は、形成する芳香環は、ベンゼン環が好ましい。Xは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、又はN、Oを含んでいてもよい置換基であって、炭素数1〜6のアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、N、Oを含む置換基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。また、R4は前記の他、フェニル基、−(CH2CH(R5)O)kH(R5は水素又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、kは1〜20の整数を示す)も好ましい。
上記一般式(3)で表されるイミダゾール化合物として好ましいものは、イミダゾール、2−アルキルイミダゾール、2,4−ジアルキルイミダゾール、4−ビニルイミダゾール等である。イミダゾール基に結合したR1〜R3がアルキル基の場合、炭素数10以上になると、疎水性が強まるため却って被めっき物のぬれ性が低下し特性が低下する場合があるので、これらの場合好ましい炭素数は1〜9である。これらのうち、特に好ましいのはイミダゾール、2−メチルイミダゾールを例示することができる。
上記一般式(4)で表されるグリシドール化合物としては、2,3−エポキシプロパノール(グリシドール)、3,4−エポキシブタノール、4,5−エポキシペンタノール、5,6−エポキシヘキサノ−ル、メトキシグリシドール、n−ブトキシグリシドール、tert−ブトキシグリシドール、フェノキシグリシドール、例えばグリシドールのエチレンオキサイド付加物などのアルキレンオキサイドを有するグリシドール化合物を列挙することができる。これらのうち、特に好ましいのはグリシドールを例示することができる。
前記反応は、80〜200℃の温度に加熱したイミダゾール化合物に0.1〜10モル倍量のグリシドール化合物を滴下させながら行うとよく、反応時間は5分〜3時間程度で十分である。この反応は特には溶媒を必要としないが、クロロホルム、ジオキサン、メタノール、エタノール等の有機溶剤を反応溶媒として用いても良い。なお、この反応は水分を嫌うので、水分が混入しないように、乾燥した窒素、アルゴン等の水分を含まない気体の雰囲気下で行うことが好ましい。
上記一般式(2)で表されるイミダゾールアルコール化合物は、下記一般式(3)で表されるイミダゾール化合物と下記一般式(5)で表されるグリシジルエーテル化合物との下記反応式で表される反応により合成される。
Figure 2011184728
(一般式(2)、(3)、(5)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、ビニル基、又は炭素数1〜20のアルキル基であって、R2とR3とで芳香環を形成していてもよく、R6は低級アルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
前記一般式(3)で表される化合物としては、一般式(1)で表されるイミダゾールアルコール化合物の合成に用いる一般式(3)で表される化合物と同じであり、好ましい化合物も同じである。
前記一般式(2)、(5)において、R6の低級アルキル基としては、メチル基。ブチル基、プロピル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基、エチル基が好ましい。nは1〜3の整数であり、2又は3が好ましい。
また、上記一般式(5)で表されるグリシジルエーテル化合物の好ましい例としては、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが挙げられる。トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルとしては、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテルとトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルが挙げられるが、これらは混合物として用いていもよい。
前記反応は、80〜200℃の温度に加熱したイミダゾール化合物に0.1〜10モル倍量のグリシジルエーテル化合物を滴下させながら行うとよく、反応時間は5分〜3時間程度で十分である。この反応は特には溶媒を必要としないが、クロロホルム、ジオキサン、メタノール、エタノール等の有機溶剤を反応溶媒として用いても良い。なお、この反応は水分を嫌うので、水分が混入しないように、乾燥した窒素、アルゴン等の水分を含まない気体の雰囲気下で行うことが好ましい。
パラジウム化合物としては、パラジウムの塩化物、水酸化物、酸化物、硫酸塩、アンモニウム塩などのアンミン錯体などが挙げられが、特に塩化パラジウムが好ましい。パラジウム化合物は、水溶液として用いることが好ましい。
本発明の無電解めっき前処理剤は、水溶液であることが好ましい。前記イミダゾールアルコール化合物の含有量としては、0.01g/L〜0.5g/Lが好ましい。また、パラジウム化合物の濃度は、パラジウムとして10mg/L以上100mg/L未満が好ましく、40〜80mg/Lがより好ましい。
イミダゾールアルコール化合物の含有量が少な過ぎると、浴安定性の低下、めっき析出性の低下をきたし、多すぎると、触媒活性が低下し、めっき析出不良が発生する。
一方、パラジウム濃度が少な過ぎると、めっき析出性が低下し、多すぎると基板上に余分にパラジウムが吸着し、回路パターン形成においてパターン外析出の可能性が高くなる。Sn−Pdコロイド触媒の場合は、コロイドを安定化させるため、Pd濃度を100mg/L以上と高くする必要があり、結果的に基材上に余分なパラジウムが吸着したが、本発明の前処理剤においてはPdの濃度を100mg/L未満としてもPdを安定化でき、Pdの基材上への吸着量を適切な量に制御することができる。
上記イミダゾールアルコール化合物と、パラジウム化合物とを溶解させた本発明の無電解めっき前処理剤は、pHを3〜5とすることができる。従って、本発明の無電解めっき前処理剤は、酸により損傷を受けやすい基材上へのPd触媒付与に有効である。また、被めっき基材に銅が存在する場合、pHが低いとPdとCuの置換反応が起こり、銅上にPdが付着し表面を変色させるが、本発明の前処理剤のpHでは変色の問題はない。pHはpH調整剤を用いて調整しても良く、pH調整剤としては硫酸水溶液、アンモニアを用いることが好ましい。
本発明の無電解めっき前処理剤は、上記イミダゾールアルコール化合物とパラジウム化合物の他に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じてシランカップリング剤を含有しても良い。該シランカップリング剤としては、例えば特許第3670238号公報に記載のシランカップリング剤を用いることができる。
本発明の無電解めっき方法は、本発明の無電解めっき前処理剤により、被めっき物を前処理した後、Pd(II)を無電解めっき活性を有するPd(0)へ還元させて活性化する。次いで無電解めっきを行う。
本発明の無電解めっき前処理剤で処理される被めっき物はその性状に制限されない。例えばガラス、セラミックなどの無機材料、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、フッ素樹脂などのプラスチック材料、そのフィルム、シート、繊維、必要によりガラス布基材などで補強されたエポキシ樹脂などの絶縁板などの絶縁物やSiウェハーなどの半導体などの導電性の低い被めっき物に適用されるが、被めっき物は透明ガラス板、Siウェハー、その他半導体基板のような鏡面物であっても、また粉体であっても本発明の方法を好ましく適用することができる。このような粉体としては、例えばガラスビーズ、二硫化モリブデン粉末、酸化マグネシウム粉末、黒鉛粉末、SiC粉末、酸化ジルコニウム粉末、アルミナ粉末、酸化ケイ素粉末、マイカフレーク、ガラス繊維、窒化ケイ素、テフロン(登録商標)粉末などがあげられる。
前処理剤のpHが低いと、例えば、被めっき物としてガラスフィラーなどで補強されたエポキシ樹脂を用いた場合、フィラーもしくはフィラーのサイズ剤が侵され、フィラー周辺部等にめっきが深く入り込む。フィラー周辺部にめっき膜が深く入り込むと、微細配線の場合、隣接する回路がショートしやすくなる。また、前処理剤のpHが低いと、多層基板のブラックオキサイド(酸化銅)処理が侵され、ハローイング現象を起こしやすいという問題があった。
本発明の無電解めっき前処理剤はpHを3〜5とすることができるので、これらの酸により損傷を受けやすい基材に対しても有効であり、上記の問題点を解決することができる。
また、本発明の無電解めっき前処理剤は濡れ性に優れるので、特に高アスペクト比のスルーホールを有する高多層配線基板において有効である。例えば、本発明の無電解めっき前処理剤を、径0.15mmφ〜0.45mmφ、アスペクト比が10〜30である高アスペクト比のスルーホールを有し、厚さ2mm〜5mmの高多層配線基板に用いた場合においても、スルーホールへのめっき性に優れるので、無電解金属めっきを行った際にスルーホール中に無めっきを発生することは無い。
本発明の無電解めっき前処理剤を用いた前処理方法としては、浸漬処理、刷毛塗り、スピンコート等が挙げられる。
浸漬処理の場合、温度40〜70℃の無電解めっき前処理剤に、3〜10分浸漬するのが好ましい。
こうして表面処理された被めっき面には、PdがPd(II)の状態で存在するが、Pd(II)は無電解めっき活性がない。そのため、Pd(II)を無電解めっき活性を有するPd(0)へと還元する。
この活性化法は、ジメチルアミンボランや次亜リン酸ナトリウムなどの還元剤による方法、或いは単に150℃以上に加熱する方法がある。加熱によりPd(0)から更に酸化される可能性もあるが、PdOもめっき活性を有する。
本発明の無電解めっき方法は、これまで述べてきた前処理を施した被めっき物に対して常法の無電解めっき法を適用することができる。無電解めっきとしては、例えば銅、ニッケル、スズ、銀等のめっきが挙げられ、銅、ニッケルが好ましい。
こうして、本発明により、均一で密着性に優れ、更にスルーホールのめっき性に優れた例えば銅、ニッケル、スズ、銀等の無電解めっき被膜を有する無電解めっき物を得ることができる。
以下に実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1
イミダゾールとグリシドールとの等モル反応生成物の水溶液と塩化パラジウム水溶液を混合し、該反応生成物の濃度が200mg/L、塩化パラジウム濃度が80mg/Lになるように溶液の濃度を調整した。pHは3.9であった。この溶液を60℃に加熱し、エポキシ樹脂基板を5分間浸漬し水洗した。その後、活性化液として60℃に加熱した次亜リン酸ナトリウム50g/Lの水溶液に10分間浸漬し、水洗後無電解銅めっき液(日鉱商事製NKM−554)を用い、30℃で20分間浸漬し無電解銅めっきを行った。エポキシ基板は全面に無電解銅めっきされた。
次に無電解銅めっき上に更に電気銅めっきにより30μmの銅を成膜し、90度ピール強度を測定した結果、密着強度は1.0kgf/cmであった。
実施例2
基板として厚さ3.2mm、スルーホール径0.15mmφ(アスペクト比が21)のガラスフィラー入りエポキシ基板を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い無電解銅めっきを行った。めっき後、スルーホールの断面観察を行ったところ、スルーホール内は無めっきの箇所は無く、全体にきれいにめっきされていた。また、フィラーの周辺部を観察したところ、めっき膜が深く入り込んでいる箇所も無かった。
実施例3
イミダゾールの代わりに2−メチルイミダゾールを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、無電解銅めっきを行った。エポキシ基板は全面に無電解めっきされた。
無電解銅めっき上に更に電気銅めっきにより30μmの銅を成膜し、90度ピール強度を測定した結果、密着強度は1.1kgf/cmであった。
実施例4
基板として厚さ3.2mm、スルーホール径0.15mmφ(アスペクト比が21)のガラスフィラー入りエポキシ基板を用いたこと以外は実施例3と同様の操作を行い無電解銅めっきを行った。めっき後、スルーホールの断面観察を行ったところ、スルーホール内は無めっきの箇所は無く、全体にきれいにめっきされていた。また、フィラーの周辺部を観察したところ、めっき膜が深く入り込んでいる箇所も無かった。
実施例5
イミダゾールとトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(トリメチロールプロパンジグリシジルエーテルとトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルの混合物)(デナコールEX−321L、ナガセケムテックス(株)製)とをモル比3:1で反応させて得られたイミダゾールアルコール化合物(一般式(2)において、R1、R2、R3は水素、R6はエチル基、n=2と3の混合物)と塩化パラジウム水溶液を混合し、該反応生成物の濃度が150mg/L、塩化パラジウム濃度が70mg/Lになるように溶液の濃度を調整した。その際、pHは3.0に調整した。この溶液を60℃に加熱し、エポキシ樹脂基板を8分間浸漬し水洗した。その後、活性化液として60℃に加熱したジメチルアミンボラン水溶液10g/Lの水溶液に10分間浸漬し、水洗後実施例1と同様に無電解銅めっき液を行った。エポキシ基板は全面に無電解銅めっきされた。
次に無電解銅めっき上に更に電気銅めっきにより30μmの銅を成膜し、90度ピール強度を測定した結果、密着強度は0.9kgf/cmであった。
実施例6
基板として厚さ3.2mm、スルーホール径0.15mmφ(アスペクト比が21)のガラスフィラー入りエポキシ基板を用いたこと以外は実施例5と同様の操作を行い無電解銅めっきを行った。めっき後、スルーホールの断面観察を行ったところ、スルーホール内は無めっきの箇所は無く、全体にきれいにめっきされていた。また、フィラーの周辺部を観察したところ、めっき膜が深く入り込んでいる箇所も無かった。
比較例1
触媒としてパラジウム濃度200mg/LのSn−Pdコロイド触媒を用い、30℃で5分間浸漬処理後、塩酸水溶液に2分間浸漬後実施例1と同様の操作を行い、無電解銅めっきを行った。エポキシ基板は全面に無電解めっきされた。
無電解銅めっき上に更に電気銅めっきにより30μmの銅を成膜し、90度ピール強度を測定した結果、密着強度は0.7kgf/cmであった。
比較例2
実施例2において、前処理として比較例1と同様の操作により、Sn−Pdコロイド触媒を用いた無電解めっきの触媒付与を行った以外は実施例2と同様の操作を行った。めっき後、スルーホールの断面観察を行ったところ、スルーホールの中心部(内層部)に無めっきの箇所が観察された。また、フィラーの周辺部を観察したところ、大きく侵食されめっき膜が深く入り込んでいる箇所があった。
比較例3
イミダゾールとエポキシシランとの等モル反応生成物水溶液と塩化パラジウム水溶液を混合し、該反応生成物濃度が150mg/L、塩化パラジウム濃度が70mg/Lの溶液を調整し、更にpHは3.0に調整した。この溶液を用い実施例4と同様の操作を行い、銅めっき後の90度ピール強度を測定した結果、密着強度は0.9kgf/cmであった。
しかしながら、実施例2と同様のスルーホール基板を用いてめっき後スルーホールを観察したところ、ピンホール程度の無めっき部分が観察された。本発明の前処理剤に変えてシランカップリング剤を添加した系では、スルーホールへパラジウムが侵入しにくく濡れ性が悪いため無めっき部分が生じたと考えられる。
フィラーの周辺にはめっき膜が深く入り込んでいる箇所はなかった。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)及び(2)で表されるイミダゾールアルコール化合物の1種又は2種以上と、パラジウム化合物とを含有することを特徴とする無電解めっき前処理剤。
    Figure 2011184728
    (一般式(1)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、ビニル基、又は炭素数1〜20のアルキル基であって、R2とR3とで芳香環を形成していてもよく、R4は水素、ビニル基、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、あるいは−(CH2CH(R5)O)kH(R5は水素又は炭素数1〜20のアルキル基、kは1〜20の整数を表す)を表し、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、又はN、Oを含んでいてもよい置換基を表し、mは0〜20の整数を表し、n、lは1〜3の整数を表す。)
    Figure 2011184728
    (一般式(2)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、ビニル基、又は炭素数1〜20のアルキル基であって、R2とR3とで芳香環を形成していてもよく、R6は低級アルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表されるイミダゾールアルコール化合物が、下記一般式(3)で表されるイミダゾール化合物と下記一般式(4)で表されるグリシドール化合物とを反応させて得られたイミダゾールアルコール化合物であることを特徴とする請求項1記載の無電解めっき前処理剤。
    Figure 2011184728
    (一般式(3)および(4)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、ビニル基、又は炭素数1〜20のアルキル基であって、R2とR3とで芳香環を形成していてもよく、R4は水素、ビニル基、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、あるいは−(CH2CH(R5)O)kH(R5は水素又は炭素数1〜20のアルキル基、kは1〜20の整数を表す)を表し、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、又はN、Oを含んでいてもよい置換基を表し、mは0〜20の整数を表し、n、lは1〜3の整数を表す。)
  3. 前記一般式(2)で表されるイミダゾールアルコール化合物が、下記一般式(3)で表されるイミダゾール化合物と下記一般式(5)で表されるグリシジルエーテル化合物とを反応させて得られたイミダゾールアルコール化合物であることを特徴とする請求項1記載の無電解めっき前処理剤
    Figure 2011184728
    (一般式(3)および(5)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、ビニル基、又は炭素数1〜20のアルキル基であって、R2とR3とで芳香環を形成していてもよく、R6は低級アルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のめっき前処理剤を用いて被めっき物を前処理し、次いで無電解めっきすることを特徴とする無電解めっき方法。
  5. 無電解めっきが銅又はニッケルめっきであることを特徴とする請求項4記載の無電解めっき方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載のめっき前処理剤を用いて、径0.15mm〜0.45mmφ、アスペクト比10〜30のスルーホールを有し、厚さが2mm〜5mmの被めっき物を前処理し、次いで無電解めっきしてなることを特徴とするめっき物。
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