JP6037426B2 - イオナイザー電極 - Google Patents

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Description

本発明は、電極の放電によりクリーンルーム内の空気をイオン化させ、このイオンにより物体表面の静電気を中和させる、イオナイザー電極に関する。
集積回路の製造工程においては、埃などの浮遊微粒子がウェハやガラス基板上に付着し、回路パターン作成時に回路の断線や短絡が発生する原因となっていた。このような浮遊微粒子を減少させるべく、クリーンルームが導入されているが、クリーンルーム内は低湿度に保たれているため静電気が発生しやすい。さらに、ウェハやガラス基板のハンドリングに絶縁体であるプラスチック等が多数使用されているため、さらに静電気が発生しやすくなる。
製造工程において静電気が発生すると、それにより帯電したウェハやガラス基板が、クリーンルーム内に僅かに残った微粒子を集めることによる、品質の劣化、静電気放電による回路の破壊、電磁波等の発生という不具合が生じる。このような静電気による障害を防ぐために、従来、クリーンルーム内の空気をイオン化し、それにより静電気を中和する方法が行われている。
空気をイオン化する方法としては、イオナイザーを用いる方法がある。これは、イオナイザー電極に高電圧を印加したときに生じるコロナ放電によってイオンを発生させ、このイオンによって静電気を中和させる方法である。しかし、このようなイオナイザーを長期間運転すると、イオナイザー電極にSiOを主成分とする物質が析出し、この析出物が電極から飛散してクリーンルーム内を汚染してしまう。
そこで、このコロナ放電で空気をイオン化するイオナイザー電極において、イオナイザー電極の先端への析出物を減少させるために、イオナイザー電極端部に加熱装置を備えてイオナイザー電極を加熱することで発生する、熱泳動力により、イオナイザー電極への析出を防止していた(特許文献1)。
特開平6−325894号公報
しかしながら、加熱装置を備えたイオナイザー電極を用いるには、コロナ放電発生用の高圧電源および電極加熱用の電源の2つが必要であった。従来の電極は、電極周面に抵抗体が巻かれることにより加熱されていたため、この抵抗体に電流を供給する電源が必要であったからである。さらに、2つの電源を用いることで、加熱用の電源に高電圧が印加されてその電気回路が破損してしまうこと、または電灯線に高電圧が流れることを防ぐため、加熱用の電源を絶縁トランスのような高電圧耐圧電源とする必要があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するために提案されたものである。本発明の目的は、加熱用の電源を必要とせず、放電用の電源のみで電極を加熱する、独立加熱型のイオナイザー電極を提供することである。
本発明のイオナイザー電極は、次の構成を有することを特徴とする。
(1)熱泳動力によりイオナイザー電極への不純物の析出を防止するために加熱されるイオナイザー電極において、前記イオナイザー電極は、先端部と根元部とに分割され、分割された前記先端部と前記根元部との間に、μAオーダーの微小な交流の放電電流で発熱し前記先端部を加熱する抵抗体が介在し、前記先端部、前記根元部、および前記抵抗体が電気的に直列に接続される。
(2)前記先端部に接触し、熱伝導性を有する絶縁部材を有し、前記絶縁部材は、前記抵抗体の熱を、前記絶縁部材を通じて前記先端部に伝熱していても良い。
(3)前記抵抗体が、線状の抵抗体であり、前記線状の抵抗体は、前記先端部の一部に巻回されるとともに、前記先端部と前記根元部とを直列に接続し、前記先端部の前記線状の抵抗体が巻回される部分は、高熱伝導性の絶縁膜により覆われていても良い。
(4)前記絶縁体が、筒状の部材であり、前記筒状の絶縁体により、前記先端部および前記根元部が連結され、内部に空間が設けられていても良い。
(5)前記抵抗体が、線状の抵抗体であり、前記線状の抵抗体は、前記熱伝導性を有する絶縁部材に巻回されるとともに、前記先端部と前記根元部とを電気的に直列に接続しても良い。
(6)前記抵抗体が、膜状の抵抗体であり、前記膜状の抵抗体は、前記熱伝導性を有する絶縁部材の側面を超えて、前記根元部の側面の一部および前記先端部の側面の一部を覆うように設けられ、前記膜状の抵抗体が、前記根元部および前記先端部を電気的に直列に接続しても良い。
(7)前記抵抗体が、棒状の抵抗体であり、前記絶縁部材が、熱伝導性を有する筒状の絶縁体であり、前記棒状の抵抗体は、前記絶縁体の中空に前記絶縁体の内壁と当接するように設けられ、前記棒状の抵抗体が、前記根元部および前記先端部を電気的に直列に接続しても良い。
(8)前記熱伝導性を有する絶縁部材、前記熱伝導性を有する絶縁膜又は前記熱伝導性を有する絶縁体が、炭化珪素、アルミナ、石英から選ばれた絶縁物からなるものでも良い。
(9)前記絶縁部材又は前記絶縁体が、断熱材を介して前記根元部に接続されていても良い。
(10)前記イオナイザー電極の前記抵抗体が設けられた部分が、断熱材で覆われていても良い。
本発明によれば、放電用の電源の電流を使用して、放電するとともに電極を加熱できるため、加熱用の電源を必要とせず、電流が数μAの放電用の電源のみで電極を加熱することが可能となる。さらに、電極自体が加熱機能を有するため、既存のイオナイザーの電極と交換するだけで、本発明と同様の効果を得ることができる。
本発明に係るイオナイザー電極の設置状況を表す模式図である。 本発明の第1の実施形態にかかるイオナイザー電極の断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例であるイオナイザー電極の断面図である。 本発明の第2の実施形態にかかるイオナイザー電極の断面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例であるイオナイザー電極の断面図である。 本発明の第3の実施形態にかかるイオナイザー電極の断面図である。
以下、本発明に係るイオナイザー電極の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本実施形態のイオナイザー電極の設置状況を示す図である。すなわち、クリーンルームの天井には、本体ケース1が設けられている。この本体ケース1内には、交流高圧電源2が内蔵されている。この交流高圧電源2は、イオナイザー用電源2aを介して図示しない交流100V電源に接続されている。
この本体ケース1には、複数のイオナイザー電極3が着脱可能に設けられている。イオナイザー電極3は円柱状であり、その先端が円錐形に加工されている。また、その根元は交流高圧電源2に接続されている。以下、このイオナイザー電極3の構成を説明する。
[第1の実施形態]
[1.構成]
第1の実施形態に係るイオナイザー電極の断面図を図2に示す。なお、図2に示すイオナイザー電極3の径と長さは、一例として概略寸法を記載したものである。本実施形態のイオナイザー電極3は、図2に示すように、先端側に位置する先端部4と根元側に位置する根元部5に分割され、この先端部4および根元部5の間に介在する抵抗体6と、先端部4および根元部5を連結して一体化する絶縁体7により構成されている。
すなわち、先端部4は先端に向かって円錐形に加工されているものであり、その円錐の根元側の上面中央には、円柱状の凸部8が形成されている。従って、円錐の根元側の上面としては、リング状の面が残る。さらにこの凸部8の根元側の上面には、凸部8よりも細い根元方向に向かって延びる円柱棒9が形成されている。先端部4の材質としては、トリウムタングステンがあげられる。
先端部4の円柱棒9は、その周面を絶縁膜10により覆われている。絶縁膜10としては、エポシキ、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の樹脂を用いることができるが、石英等のガラスや、炭化珪素やアルミナ等のセラミックスを用いることがより好ましい。より熱伝導性のある物質を用いることで、効率良く電極を加熱するためである。なお、絶縁膜10は、円柱棒9を覆うように設けても良い。
この絶縁膜10で覆われた円柱棒9には、抵抗体6がコイル状に巻きつけられている。この抵抗体6は線状の部材であり、その先端側の端部は先端部4に接続され、根元側の端部は後述する根元部5に接続されている。先端部4への接続位置としては、例えば先端部4の凸部8の上面がある。抵抗体6としては、ニクロムやカンタル等の金属を用いることができる。なお、抵抗体6として、円柱棒9の周面に樹脂を塗布して抵抗膜を形成することもできる。
数μAの電流で電極を加熱できるように、抵抗体6の断面積や巻回する長さを調整しておく。電極は、周囲温度(常温)より20〜100℃高く加熱されることが好ましい。
絶縁体7は、円筒状の部材であり、先端部4の凸部8、円柱棒9、および後述する根元部5の凸部11の長さを足した長さよりも長くなるように加工されている。その外径は先端部4の円錐の根元側の上面の直径と同一である。また、絶縁体7の内径は、先端部4の凸部8の外径と略一致する。すなわち、絶縁体7を先端部4の凸部8にはめ込むことで固定できるように加工されている。
従って、先端部4は、先端部4のリング状面と凸部8の側面において絶縁体7と連結されて一体化される。このとき円柱棒9は凸部8よりも細く加工されているため、円柱棒9と絶縁体7との間には空間が生じることとなる。絶縁体7としては、石英等のガラスや、炭化珪素やアルミナ等のセラミックスを用いることができるが、エポシキ、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の樹脂を用いることがより好ましい。より熱伝導率が低い物質を用いることで、放熱等を防止するためである。
根元部5は円柱状の部材であり、その外径は絶縁体7の外径と同一である。また、根元部5の先端側には、先端部の凸部8と同軸上で、先端部の凸部8と直径を同一とする円柱状の凸部11が形成されている。従って、根元部5の先端側の面としては、リング状の面が残る。
また、根元部5の凸部11の外径は、絶縁体7の内径と略一致する。すなわち、根元部5の凸部11に絶縁体7を固定できるように加工されている。従って、根元部5は、根元部5のリング状面と凸部11の側面において絶縁体7と連結されて一体化される。このとき、円柱棒9によって先端部4と根元部5が短絡することはない。根元部5の材質としては、トリウムタングステンがあげられる。
また、円柱棒9にコイル状に巻かれた抵抗体6の根元側の端部は、根元部5に接続される。接続位置としては、例えば根元部5の凸部11の下面がある。このように接続することにより、先端部4と根元部5の間に抵抗体6が介在することとなり、先端部4、根元部5、および抵抗体6が電気的に直列に接続されることとなる。
[2.作用]
以上のような構成を有する本実施形態の作用を、電流の流れに沿って以下に説明する。図1に示すように、交流100V電源からの電流は、イオナイザー電源2aおよび交流高圧電源2を介して数μAの交流高圧電流に変換され、イオナイザー電極3に流される。
図2に示すように、イオナイザー電極3に到達した電流は、根元部5を通り、抵抗体6を伝って先端部4へと流れる。ここで、絶縁体7に電流が伝うことは無いため、電流は必ず抵抗体6を通る事となる。また、絶縁膜10により、抵抗体6の途中で電流が先端部4の円柱棒9に伝うこともない。このようにして根元部5および抵抗体6を直に伝って先端部4に流れた電流により、イオナイザー電極3の先端部4からコロナ放電が発生し、先端部4の先端の周囲の空気がイオン化される。このイオン化された空気Aが帯電した物体Bにクリーンルームの下降整流C(0.3m/s)により供給されることによって、イオンと逆極性の帯電物体Bの上の静電荷Dが中和される。
また、コロナ放電用の電流はイオナイザー電極3を加熱するための電流ともなる。すなわち、根元部5に到達した電流は、必ず抵抗体6を通ることとなる。抵抗体6は、数μAの電流でも抵抗体6を発熱させることができ、その熱は絶縁膜10を伝って円柱棒9を加熱し、さらに凸部8を介して先端部4を加熱する。また、絶縁体7と円柱棒9との間に生じた空間がもたらす断熱作用により、抵抗体6の放熱が防止されている。
すると、先端部4の周囲には熱泳動力の作用が生じる。すなわち、温度勾配のある環境に微粒子が存在する場合には、粒子は低温側に向かう力を受け移動することとなる。従って、先端部4の周囲に生じた熱泳動力の作用によって、イオナイザー電極3の先端における微粒子の析出が軽減される。
[3.効果]
以上のような本実施形態の効果は以下の通りである。
(1)先端部4および根元部5を分割して、その間に抵抗体6を介在させることで、先端部4、根元部5、および抵抗体6を直列に接続しているため、コロナ放電用の電源を用いて抵抗体6を発熱させることができる。従って、電極加熱用の電源を設けずとも、放電用の電源で、放電および加熱が可能となるため、システムの煩雑化を防ぐことができる。
(2)外部の加熱機能を必要とせず、イオナイザー電極3自体が加熱機能を有している。この独立加熱型のイオナイザー電極3であれば、既存のイオナイザーの電極を、本実施形態のイオナイザー電極3に交換するだけで、電極加熱機能を有するイオナイザーとすることができる。
(3)昨今ではイオナイザー電極は40本以上使用されることが多い。従来では電極を加熱するために40A以上の電流が必要だったが、本実施形態のイオナイザー電極3なら、電極1本あたり数μAで放電も加熱も行うことができるため、実用性に富んでいる。
(4)また、電極を先端部4と根元部5とに分割して、これらを絶縁体7により連結しているため、電流は必ず抵抗体6を通ることとなる。従って、放電用の電流を効率よく発熱に用いることができる。
(5)抵抗体6は、その断面積や長さが調整されて巻回されているため、数μAの放電用の電流を用いて、抵抗体6を発熱させることができる。
(6)先端部4の円柱棒9を絶縁膜10で覆っているため、抵抗体6を通る電流が円柱棒9を伝って短絡することがない。すなわち、電流を先端部4に逃すこと無く抵抗体6に通させるため、電流を無駄なく発熱に供させることができる。また、熱伝導性を有する絶縁膜を採用することで、抵抗体6の発熱で効率良く先端部4を加熱することができる。
(7)先端部4の円柱棒9と絶縁体7との間に空間を設けているため、当該空間に熱を貯めることができ、熱を逃さず発熱を促すことができる。
[第1の実施形態の変形例]
[1.構成]
第1の実施形態の変形例であるイオナイザー電極の断面図を図3に示す。第1の実施形態の変形例は、先端部の変形にかかるものである。第1の実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明は省略する。
第1の実施形態の変形例における先端部4は、先端に向かって円錐形に加工されているものであり、その円錐の根元側から続くように、上面の直径と同径である円柱棒9が形成されている。この円柱棒9の根元側の上面中央には、円柱状の凸部8が形成されている。
この先端部4の円柱棒9は、その周面を絶縁膜10により覆われ、抵抗体6がコイル状に巻きつけられる。先端部4への接続位置としては、例えば円柱棒9の先端側の周面がある。また、根元部5への接続位置としては、例えば根元部5の根元側の周面がある。さらに、抵抗体6が巻かれた円柱棒9の周面は、断熱材12により覆われる。断熱材12としては、断熱用ガラスコーティング、フェノールフォームやポリスチレンフォーム等を用いることができる。なお、抵抗体6として、円柱棒9の周面に樹脂を塗布して抵抗膜を形成することもできる。
また、絶縁体7は、先端部4の凸部8と根元部5の凸部11を足した長さよりも長く形成された円筒状の部材である。従って、絶縁体7、先端部4、および根元部5を連結すると、先端部4の凸部8と根元部5の凸部11の間に空間が生じることとなり、先端部4と根元部5とが短絡することはない。
[2.作用・効果]
以上のような第1の実施形態の変形例によると、上述した第1の実施形態の作用および効果の(1)〜(6)に加えて、以下のような効果を得ることが可能となる。
(1)円柱棒9を第一の実施形態よりも太く構成することで、抵抗体6を長く巻くことが可能となるため、必要に応じた抵抗の調整を行いやすくなる。
(2)抵抗体6の周囲は断熱材12で覆われているため、抵抗体6の発熱が放熱されることがない。従って、抵抗体6の発熱をより多く先端部4に伝えることができる。
[第2の実施形態]
[1.構成]
第2の実施形態のイオナイザー電極の断面図を図4に示す。第2の実施形態は、熱伝導性のある絶縁体を用いて電極の先端部を加熱するものである。第1の実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明は省略する。
第2の実施形態における先端部4は、先端に向かって円錐形に加工されているものであり、円錐の根元側の上面中央には、円柱状の凸部8が形成される。従って、円錐の根元側の上面としては、リング状の面が残る。
絶縁体13は、円柱状の部材であり、その外径は先端部4の円錐の根元側の上面の直径と同一である。また、絶縁体13の先端側の下面には、先端部4の凸部8と同軸で、円柱状の凹部14が形成されている。この凹部14の直径は、先端部4の凸部8の外径と略一致する。すなわち、絶縁体13を先端部4の凸部8にはめ込むことで固定できるように加工されている。従って、先端部4は、先端部4のリング状面と、凸部8の側面および上面において絶縁体13と連結されて一体化される。
絶縁体13としては、エポシキ、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の樹脂を用いることができるが、石英等のガラスや、炭化珪素やアルミナ等のセラミックスを用いることがより好ましい。より熱伝導性のある物質を用いることで、効率良く電極を加熱するためである。
また、絶縁体13の根元側の上面には、根元部5の凸部11と同軸で、円柱状の凹部15が形成されている。従って、絶縁体13の根元側の上面は、リング状に形成されることとなる。
断熱材16は、リング状の部材であり、その内径と外径は絶縁体13の上面である、リング状面と一致する。この断熱材16は、絶縁体13の根元側の上面に設けられる。従って、絶縁体13の凹部15の深さは、断熱材16の厚み分だけ延長されることとなる。断熱材16としては、フェノールフォームやポリスチレンフォーム等を用いることができる。なお、断熱材16は絶縁体13の上面および凹部15を覆うように設けても良い。
そして、断熱材16の厚み分だけ延長された絶縁体13の凸部15の深さと、根元部5の凸部11の長さは一致する。また、絶縁体13の凹部15の直径、および断熱材16の内径は、根元部5の凸部11の外径と略一致する。すなわち、絶縁体13を根元部5の凸部11に固定できるように加工されている。従って、絶縁体13は、断熱材16を介して根元部5と連結されて一体化されることとなる。
この絶縁体13には、抵抗体6がコイル状に巻きつけられ、その端部は先端部4と根元部5に接続される。このように接続することにより、先端部4と根元部5の間に抵抗体6が介在することとなり、先端部4、根元部5、および抵抗体6が電気的に直列に接続されることとなる。さらに、線状の抵抗体6が巻かれた絶縁体13の周面は、断熱材12により覆われる。
[2.作用]
以上のような第2の実施形態特有の作用を以下に説明する。根元部5に到達した電流は、絶縁体13を通ることはできないため、必ず抵抗体6を通ることとなる。数μAの電流で発熱された抵抗体6は、絶縁体13を加熱する。そして、絶縁体13の熱が先端部4に伝わることで、先端部4は加熱される。
[3.効果]
以上のような第2の実施形態によると、第1の実施形態の効果の(1)〜(5)および第一の実施形態の変形例の効果の(1)および(2)に加えて、以下のような作用・効果を得ることが可能となる。
(1)先端部4に連結される絶縁体13に熱伝導性を有する絶縁物を採用することで、抵抗体6の発熱により加熱されやすくなる。そして、加熱された絶縁体13が先端部4に熱を伝えることで、効率良く先端部4を加熱することができる。また、抵抗体6を通る電流が先端部4に伝って短絡することがない。すなわち、電流を先端部4に逃すこと無く抵抗体6を通させるため、電流を無駄なく発熱に供させることができる。
(2)絶縁体13と根元部5の間に断熱材16を介在させることで、抵抗体6により加熱された絶縁体13の熱が、根元部5に伝わるのを防ぐことができる。これにより、加熱された絶縁体13の熱が、より多く先端部4の加熱に供されることとなる。
[第2の実施形態の変形例]
[1.構成]
第2の実施形態の変形例であるイオナイザー電極の断面図を図5に示す。第2の実施形態の変形例は、線状の抵抗体の変形にかかるものである。第2の実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明は省略する。
第2の実施形態の変形例における抵抗体6は、イオナイザー電極3の周面に塗布される、樹脂からなる膜状の部材である。抵抗体6は、絶縁体13の周面を超えて、先端部4の周面の一部および根元部5の周面の一部を覆うように設けられる。従って、先端部4と根元部5の間に、この抵抗体6が介在することとなり、先端部4、根元部5、および抵抗体6が電気的に直列に接続されることとなる。
抵抗体6としては、エポキシ、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂に、導電性のカーボンや界面活性剤を練り混んで作成した樹脂を用いることができる。数μAの放電用の電流を用いて発熱できるように、抵抗体6の抵抗率や体積を調整しておく。
[2.作用・効果]
以上のような第2の実施形態の変形例によると、第1の実施形態の効果の(1)〜(4)および第一の実施形態の変形例の効果の(2)、さらに第2の実施形態の効果の(1)および(2)に加えて、以下のような作用・効果を得ることが可能となる。
(1)抵抗体6はイオナイザー電極3の周面に樹脂を塗布することで形成されるため、数μAの放電用の電流を用いて発熱できるように抵抗率や体積を調整しやすく、必要に応じた加熱効率を得やすくなる。また、電極の加工もより容易になる。
[第3の実施形態]
[1.構成]
第3の実施形態のイオナイザー電極の断面図を図6に示す。第3の実施形態は、棒状の抵抗体および熱伝導性のある絶縁体を用いて電極3の先端部4を加熱するものである。第1および2の実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明は省略する。
第3の実施形態における抵抗体6は、円柱棒状の部材であり、その直径は先端部4の凸部8と一致する。すなわち、根元部5の凸部11の直径とも一致することとなる。抵抗体6としては、エポキシ、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂に、導電性のカーボンや界面活性剤を練り混んで作成した樹脂を用いることができる。数μAの放電用の電流を用いて発熱できるように、抵抗体6の抵抗率や体積を調整しておく。
絶縁体13は、円筒状の部材であり、先端部4の凸部8、抵抗体6、および根元部5の凸部11の長さを足した長さと一致する。絶縁体13の外径は先端部4の円錐の根元側の上面の直径と同一である。また、絶縁体13の内径は、先端部4の凸部8の外径と略一致する。すなわち、絶縁体13を先端部4の凸部8にはめ込むことで固定できるように加工されている。
また、絶縁体13の内径は、抵抗体6の外径とも略一致する。すなわち、絶縁体13の中空部分に棒状の抵抗体6を挿通できるように加工されている。
そして、先端部4は、先端部4のリング状面と凸部8の側面において絶縁体13と連結されて一体化される。このとき抵抗体6の周面は、絶縁体13と接することとなる。絶縁体13としては、エポシキ、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の樹脂を用いることができるが、石英等のガラスや、炭化珪素やアルミナ等のセラミックスを用いることがより好ましい。より熱伝導性のある物質を用いることで、効率良く電極を加熱するためである。
さらに根元部5が絶縁体13と連結されて一体化されると、先端部4と根元部5の間に、抵抗体6が介在することとなり、先端部4、根元部5、および抵抗体6が電気的に直列に接続されることとなる。
[2.作用]
以上のような第3の実施形態特有の作用を以下に説明する。根元部5に到達した電流は、絶縁体13を通ることはできないため、必ず抵抗体6を通ることとなる。数μAの電流で発熱された抵抗体6は、その底面で先端部4を加熱するとともに、その側面で絶縁体13を加熱する。すなわち、先端部4は抵抗体6により直接加熱されるとともに、加熱された絶縁体13によっても加熱される。
[3.効果]
以上のような第3の実施形態によると、第1の実施形態の効果の(1)〜(4)および第2の実施形態の変形例の効果の(1)に加えて、以下のような作用・効果を得ることが可能となる。
(1)先端部4、根元部5、および絶縁体13は連結するだけで接続される構成であるため、電極の加工が容易となる。
(2)抵抗体で直接加熱するとともに、抵抗体の周面における発熱を絶縁体を介して先端部に伝えることができるため、加熱効率を向上させることができる。
[その他の実施の形態]
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものである。イオナイザー電極3の各部材の形状および材質は適宜変更することができる。本実施形態は、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができ、様々な形態で実施されることが可能である。そして、それらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 本体ケース
2 交流高圧電源
2a イオナイザー用電源
3 イオナイザー電極
4 先端部
5 根元部
6 抵抗体
7、13 絶縁体
8、11 凸部
9 円柱棒
10 絶縁膜
12、16 断熱材
14、15 凹部

Claims (10)

  1. イオナイザー電極への微粒子の析出を熱泳動力により防止するために加熱されるイオナイザー電極において、
    前記イオナイザー電極は、先端部と根元部とに分割され、
    分割された前記先端部と前記根元部との間に、μAオーダーの微小な交流の放電電流で発熱し前記先端部を加熱する抵抗体が介在し、前記先端部、前記根元部、および前記抵抗体が電気的に直列に接続されることを特徴とするイオナイザー電極。
  2. 前記先端部に接触し、熱伝導性を有する絶縁部材を有し、
    前記絶縁部材は、前記抵抗体の熱を、前記絶縁部材を通じて前記先端部に伝熱することを特徴とする請求項1記載のイオナイザー電極。
  3. 前記抵抗体が、線状の抵抗体であり、
    前記線状の抵抗体は、前記先端部の一部に巻回されるとともに、前記先端部と前記根元部とを電気的に直列に接続し、
    前記先端部の前記線状の抵抗体が巻回される部分は、熱伝導性を有する絶縁膜により覆われていることを特徴とする請求項1又は2いずれか記載のイオナイザー電極。
  4. 筒状の絶縁体により、前記先端部および前記根元部が連結され、内部に空間が設けられることを特徴とする請求項2又は3記載のイオナイザー電極。
  5. 前記抵抗体が、線状の抵抗体であり、
    前記線状の抵抗体は、前記熱伝導性を有する絶縁部材に巻回されるとともに、前記先端部と前記根元部とを電気的に直列に接続することを特徴とする請求項2に記載のイオナイザー電極。
  6. 前記抵抗体が、膜状の抵抗体であり、
    前記膜状の抵抗体は、前記熱伝導性を有する絶縁部材の周面を超えて、前記先端部の周面の一部および前記根元部の周面の一部を覆うように設けられ、
    前記膜状の抵抗体が、前記根元部および前記先端部を電気的に直列に接続することを特徴とする請求項2に記載のイオナイザー電極。
  7. 前記抵抗体が、棒状の抵抗体であり、
    前記絶縁部材が、熱伝導性を有する筒状の絶縁体であり、
    前記棒状の抵抗体は、前記絶縁体の中空に前記絶縁体の内壁と当接するように設けられ、
    前記棒状の抵抗体が、前記根元部および前記先端部を電気的に直列に接続することを特徴とする請求項2に記載のイオナイザー電極。
  8. 前記熱伝導性を有する絶縁部材、前記熱伝導性を有する絶縁膜又は前記熱伝導性を有する絶縁体が、炭化珪素、アルミナ、石英から選ばれた絶縁物からなることを特徴とする請求項2から7いずれか一項記載のイオナイザー電極。
  9. 前記絶縁部材又は前記絶縁体が、断熱材を介して前記根元部に接続されていることを特徴とする請求項4から8いずれか一項記載のイオナイザー電極。
  10. 前記イオナイザー電極の前記抵抗体が設けられた部分が、断熱材で覆われていることを特徴とする請求項1から9いずれか一項記載のイオナイザー電極。
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