JP6033739B2 - 乗物用シート - Google Patents
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Description
このような問題に鑑み本発明の課題は、乗員の生体情報を検出可能とされた乗物用シートにおいて、生体センサを支持するための平面部を予め用意することにより、シートフレーム(シートバック部におけるバックフレーム)に対する生体センサの位置関係に関わらず、乗員の生体情報を精度良く検出可能とすることにある。
第1発明によれば、生体センサは、着座乗員の生体情報の変化に伴う体の動きを受けると、体の動きに伴う押圧力を、バックパッドを介して支持体によって支持される。そのため、生体センサの取付位置がバックフレームの線状体に対応する位置にあっても、生体センサがその影響を受けることが抑制される。即ち、生体センサは、生体センサの裏面側の全領域に対応する面積を持った支持体によって支持されて、乗員の生体情報を精度良く検出することができる。
第2発明によれば、バックパッドを支持するサポートワイヤに板体を固定することにより容易に支持体を構成することができる。また、バックパッドを支持するためにサポートワイヤに固定されたコンタマットのような板体を既に備えるシートでは、その板体を支持体とすることにより、新たな支持体を設ける必要をなくすことができる。
第3発明によれば、バックパッドの裏面に一体に硬質フェルトを付着することにより容易に支持体を構成することができる。また、バックパッドの裏面に一体に付着された硬質フェルトを既に備えるシートでは、その硬質フェルトを支持体とすることにより、新たな支持体を設ける必要をなくすことができる。
第4発明によれば、上記パネルをバックフレームに設けることにより容易に支持体を構成することができる。また、後突時の着座乗員の腰部支持用等のため、生体センサの裏面側の全領域に対応する面積より大きい面積を持ったパネルをバックフレームに既に備えるシートでは、そのパネルを支持体とすることにより、新たな支持体を設ける必要をなくすことができる。
第5発明によれば、サポートワイヤの生体センサに与える影響、即ち生体センサの中でサポートワイヤに対応する部分への着座乗員からの押圧力の集中を抑えるのに硬質フェルトの剛性が充分でない場合でも、生体センサは、サポートワイヤと重ならない位置に配置されているため、サポートワイヤが生体センサに影響を与えるのを抑制して、乗員の生体情報を精度良く検出することができる。
第6発明によれば、生体センサは、吊り溝と重ならない位置に配置されているため、吊り溝からの制約を受けずに設けることができる。また、生体センサの検出精度が、吊り溝により影響を受けることを抑制することができる。更に、吊り溝に生体センサが影響を与えないので、シート表皮のテンションが、生体センサの影響によりシート表皮の乗員着座表面上の場所において均一でなくなることを抑制することができる。
図1〜4は、本発明の第1実施形態を示し、第1実施形態は、本発明を自動車用フロントシートに適用した場合を示している。各図では、矢印によりシートを車両に搭載した際の各方向を示している。以下の説明において、方向に関する記述は、この方向を基準として行うものとする。
図1に示されるように、自動車用フロントシートは、乗員が腰を下ろすシートクッション部2と、乗員が背中を凭せ掛けるシートバック部1とを備え、図2、3に示されるように、シートバック部1は、骨格を成すバックフレーム10と、バックフレーム10における乗員着座側の面を覆う弾性変形可能なバックパッド20と、バックパッド20における乗員着座側の面を覆うシート表皮30とを備える。図1中、3はヘッドレスト部、4はスライド機構であり、以上の自動車用フロントシートの構成は公知である。
上記生体センサ40は、吊り溝21に対して離して配置されている。即ち、生体センサ40は、生体センサ40に対して着座乗員から押圧力が入る方向で吊り溝21と重ならない位置に配置されている。
また、生体センサ40は、生体センサ40に対して着座乗員から押圧力が入る方向で吊り溝21と重ならない位置に配置されているため、吊り溝21からの制約を受けずに設けることができる。また、生体センサ40の検出精度が、吊り溝21により影響を受けることを抑制することができる。更に、吊り溝21に生体センサ40が影響を与えないので、シート表皮30のテンションが、生体センサ40の影響によりシート表皮の乗員着座表面上の場所において均一でなくなることを抑制することができる。
図5は、本発明の第2実施形態を示す。第2実施形態が上述の第1実施形態に対して特徴とする点は、支持板50をバックパッド20の裏面の硬質フェルト52によって構成した点にある。その他は両者同一であり、同一部分については同一符号を付して再度の図示及び説明を省略する。
図5において、バックパッド20の裏面(後面)は、硬質フェルト52によって全面が覆われている。硬質フェルト52は、不織布を熱プレスによって成形したものであり、バックパッド20を発泡成形する際に成形型内で、バックパッド20の裏面に接着させている。硬質フェルト52は、バックパッド20を成す発泡ウレタンに比べて高い剛性を備えている。
図5では図示を省略されているが、バックパッド20の表面上側にはシート表皮(30)が被せられている。
バックパッド20は、硬質フェルト52によって被われた背面側がバックフレーム(10)によって支持されている。具体的には、バックパッド20の左右両側がサイドフレーム11Bによって支持され、左右方向の中央部がサポートワイヤ16Bによって支持されている。このとき、サポートワイヤ16Bは、生体センサ40に対して着座乗員から入る押圧力の方向に関して生体センサ40と重ならない位置に配置されている。
第2実施形態のように、バックパッド20の裏面に硬質フェルト52を備えたシートでは、その硬質フェルト52をバックパッド20を介して生体センサ40を支持する支持体50とすることができ、新たな支持体50を設ける必要をなくすことができる。一方、バックパッド20の裏面に硬質フェルト52を備えないシートの場合でも、バックパッド20の裏面に硬質フェルト52を設けることにより容易に支持体50を構成することができる。
また、サポートワイヤ16Bの生体センサ40に与える影響、即ち生体センサ40の中でサポートワイヤ16Bに対応する部分への着座乗員からの押圧力の集中を抑えるのに硬質フェルト52の剛性が充分でない場合でも、生体センサ40は、サポートワイヤ16Bと重ならない位置に配置されているため、サポートワイヤ16Bが生体センサ40に影響を与えるのを抑制して、乗員の生体情報を精度良く検出することができる。
図6、7は、本発明の第3実施形態を示す。第3実施形態が上述の第1実施形態に対して特徴とする点は、支持板50をバックフレーム10Aに設けられたパネル53によって構成した点にある。その他は両者同一であり、同一部分については同一符号を付して再度の図示及び説明を省略する。
図6、7において、バックフレーム10Aは、第1実施形態におけるバックフレーム10に比べて、アッパパイプ12Aの形状が違うのみで基本的には同一である。バックフレーム10Aでは、バックフレーム10に対応する部分の符号に「A」を追記して示している。
バックフレーム10Aでは、アッパサブフレーム13Aがワイヤによって構成されており、サポートワイヤ16Aは、2本のワイヤ16A、16Aがアッパパイプ12Aとロアサブフレーム15Aとに溶接固定されて設けられている。2本のワイヤ16A、16Aは、アッパサブフレーム13Aにも溶接固定されている。
パネル本体531の平坦面に対応するバックパッド(20)の前面(乗員着座側)には、図示を省略したが第1及び第2実施形態と同様の生体センサ(40)が設けられており、パネル本体531の平坦面は、生体センサ(40)の裏面側の全領域に対応する面積を持つように形成されている。
第3実施形態のように、バックパッド(20)の裏面にパネル53を備えたシートでは、そのパネル53をバックパッド(20)を介して生体センサ(40)を支持する支持体50とすることができ、新たな支持体50を設ける必要をなくすことができる。一方、バックパッド(20)の裏面にパネル53を備えないシートの場合でも、バックパッド(20)の裏面にパネル53を設けることにより容易に支持体50を構成することができる。
図8は、本発明の第4実施形態を示す。第4実施形態が上述の第1実施形態に対して特徴とする点は、バックパッド20内での生体センサ40の配置の仕方にある。その他は両者同一であり、同一部分については同一符号を付して再度の図示及び説明を省略する。
図8において、生体センサ40は、上下方向に長く形成されたものがバックパッド20の前面(着座乗員側)に2個並べて設けられている。換言すると、図8の生体センサ40は、上記第1実施形態における生体センサ40をバックパッド20の前面上で90度回転して配置したものである。
この場合の生体センサ40は、シート表皮30に吊込線31を形成するためのバックパッド20の前面上の吊り溝21と重ならないように配置されている。第4実施形態の場合、第1実施形態の場合と違い、上下方向の吊り溝21同士の間に左右方向の吊り溝は設けられていない。なお、図示していないが、上記各実施形態と同様に、バックパッド20の裏面側で、生体センサ40の裏面側の全領域に対応する面積を持った支持体(50)が設けられている。
第4実施形態によれば、シートバック部1の前面の面積や吊り溝の配置の関係で、第1実施形態の図4ような配置で生体センサ40が配置できない場合に、比較的小さなスペースで生体センサ40を配置することができる。
1.上記実施形態では、生体センサを圧力センサとしたが、他のタイプのセンサとしても良い。
2.上記第2実施形態では、支持体50となる硬質フェルト52をバックパッド20の裏面の全面に設けたが、第2実施形態の場合、硬質フェルト52は、生体センサ40の裏面側の全領域に対応する領域にあれば良く、バックパッド20の裏面に部分的に設けるようにしても良い。
3.上記実施形態では、本発明を自動車用フロントシートに適用したが、自動車用リヤシートに適用しても良い。また、飛行機用、船用、電車用等のシートに適用しても良い。
2 シートクッション部
3 ヘッドレスト部
4 スライド機構
10、10A バックフレーム
11、11A、11B サイドフレーム
12、12A アッパパイプ
13、13A アッパサブフレーム
14、14A ロアパイプ
15、15A ロアサブフレーム
16、16A、16B サポートワイヤ
20 バックパッド
21 吊り溝
22 センサ取付溝
30 シート表皮
31 吊込線
40 生体センサ
41 硬質ウレタンパッド
50 支持体
51 コンタマット(板体)
52 硬質フェルト
53 パネル
531 パネル本体
532 取付孔
533 ナット
534 ボルト
Claims (4)
- 乗員が腰を下ろすシートクッション部と、乗員が背中を凭せ掛けるシートバック部とを備え、前記シートバック部は、骨格を成すバックフレームと、該バックフレームにおける乗員着座側の面を覆うバックパッドと、該バックパッドにおける乗員着座側の面を覆うシート表皮とを備える乗物用シートにおいて、
前記シートバック部における乗員着座側の前記バックパッドと前記シート表皮との間には、着座乗員の生体情報を検出可能な生体センサが設けられており、
前記バックパッドの裏面側には、前記生体センサが着座乗員から押圧力を受けたとき、その押圧力を前記生体センサの裏面側の全領域に対応する面積を持って支持する支持体を備え、
該支持体は、前記バックパッドより高剛性に形成されており、
前記バックフレームは、前記バックパッドを支持するサポートワイヤを備え、
前記支持体は、前記サポートワイヤに固定された板体であることを特徴とする乗物用シート。 - 乗員が腰を下ろすシートクッション部と、乗員が背中を凭せ掛けるシートバック部とを備え、前記シートバック部は、骨格を成すバックフレームと、該バックフレームにおける乗員着座側の面を覆うバックパッドと、該バックパッドにおける乗員着座側の面を覆うシート表皮とを備える乗物用シートにおいて、
前記シートバック部における乗員着座側の前記バックパッドと前記シート表皮との間には、着座乗員の生体情報を検出可能な生体センサが設けられており、
前記バックパッドの裏面側には、前記生体センサが着座乗員から押圧力を受けたとき、その押圧力を前記生体センサの裏面側の全領域に対応する面積を持って支持する支持体を備え、
該支持体は、前記バックパッドより高剛性に形成されており、
前記支持体は、前記バックパッドの裏面に一体に付着された硬質フェルトであることを特徴とする乗物用シート。 - 請求項2において、
前記バックフレームは、前記バックパッドを支持するサポートワイヤを備え、
前記生体センサは、該生体センサに対して着座乗員から押圧力が入る方向で前記サポートワイヤと重ならない位置に配置されていることを特徴とする乗物用シート。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記シート表皮は、その一部が前記バックパッドにおける乗員着座側に設けられた吊り溝に収容されているインサートワイヤに引き込まれてテンションが付与されて前記バックパッドを覆うように構成されており、
前記生体センサは、該生体センサに対して着座乗員から押圧力が入る方向で前記吊り溝と重ならない位置に配置されていることを特徴とする乗物用シート。
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