JP6033710B2 - セラミックヒータの検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、円柱状の基体の先端部に発熱抵抗体を有するセラミックヒータの検査方法に関する。
グロープラグに用いられるヒータ素子として、円柱状の基体の先端部に発熱抵抗体を有するセラミックヒータが知られている。グロープラグの製造過程では、製品の品質検査の一環として、セラミックヒータの昇温検査が行われる。
昇温検査としては、セラミックヒータに通電を行い、セラミックヒータの近傍に配置した温度計によって発熱状態における温度を測定することが知られている。具体的な1つの手法としては、セラミックヒータの外周方向で120度の角度間隔を隔てて、その外周面の温度を3ヶ所で測定し、3ヶ所の測定温度の平均値をセラミックヒータの温度とする技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2008−39587号公報
ところで、セラミックヒータの昇温検査を行うにあたっては、セラミックヒータの周方向において発熱温度が最も高い部位である最高発熱部における温度を測定しなければ、本来のセラミックヒータの品質(昇温特性)を検査したことにならず、良品であっても不良品と判断してしまうおそれがある。特許文献1の手法では、セラミックヒータの外周の3箇所の温度は測っているものの、セラミックヒータの周方向における最高発熱部を特定した上で3箇所の温度を測定している訳ではない。このため、同じセラミックヒータであっても温度計に対するセラミックヒータの配置位置によって測定される温度にばらつきが生じてしまうので、安定した精度を有した検査手法とはいえない。また、特許文献1の手法では、温度計を複数用意するための設備投資に費用がかかるという問題もある。
そこで、セラミックヒータの温度を測定する前に、セラミックヒータの外周に位置する発熱抵抗体につながる電極取出部の位置等から最高発熱部の位置を特定し、セラミックヒータに当該位置が認識できるようマーキングを施して、昇温検査を行うことが考えられる。しかし、マーキング自体容易とはいえず、また、検査後にマーキングを除去する処理も必要となるため、手間や工数が増える問題がある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、最高発熱部を容易に特定することができ、セラミックヒータの温度測定を簡易に行うことができるセラミックヒータの検査方法を提供することを目的とする。
第1態様によれば、円柱状の基体の先端部に通電によって発熱する発熱抵抗体を有し、当該発熱抵抗体が後端部側から並行して延びる2本のリード体と接続するセラミックヒータの検査方法であって、磁界の向きおよび強度を検出可能な複数の磁気センサが前記基体の周方向に配置される配置工程と、前記発熱抵抗体への通電が行われる通電工程と、通電によって前記基体の周囲に生ずる磁界の向きおよび強度を複数の前記磁気センサがそれぞれ検出する検出工程と、前記検出工程において検出された磁界の向きおよび強度に基づいて、前記発熱抵抗体の発する熱量が前記基体の周方向において最大となる部位である最高発熱部を特定する特定工程と、を備えたセラミックヒータの検査方法が提供される。
セラミックヒータの周方向における最高発熱部は、基体内における発熱素子の周方向の向きに応じて一義的に決まる。ゆえに、発熱抵抗体の基体に対する周方向の向き(配置位置)がわかれば、最高発熱部の位置を特定することができる。発熱抵抗体の両端から延びるリード体は並行するので、通電によって生ずる磁界の向きが一方のリード体側と他方のリード体側とで反対方向となる。そこで、第1態様は、通電時に基体の周囲に生ずる磁界の強さと向きを検出することで、発熱素子の周方向の向き、ひいては最高発熱部の位置を特定することができる。セラミックヒータの温度特性を検査する上で、最高発熱部の発熱温度を測定すれば、最高発熱部を特定せずに無作為に選んだ部位の発熱温度を測定した場合よりも、信頼性の高い検査結果を得ることができる。また、セラミックヒータの周方向における最高発熱部の特定にあたり、最高発熱部の位置を示すマーキングを施す必要もなく、セラミックヒータの温度特性の検査を簡易に行うことができる。
なお、発熱抵抗体とリード体とは、別体で構成された構造体同士が接続される形態であっても良く、また、発熱抵抗体とリード体とが一体で構成された形態であっても良い。さらに、通電工程にて発熱抵抗体への通電を行っている期間を利用して、検出工程を実施するだけでなく、発熱抵抗体およびリード体の短絡検査を実施するようにしても良い。
第1態様の前記配置工程において、前記磁気センサは2つ配置され、前記特定工程では、前記検出工程において2つの前記磁気センサがそれぞれ検出した磁界の強度の比に基づいて、前記最高発熱部が特定されてもよい。これにより、磁気センサが2つであっても、十分に、発熱抵抗体の周方向の向きを決定することができるので、設備にかかる費用を削減できる。
第1態様の前記配置工程において、前記磁気センサは、検出可能な磁界の向きが水平方向において互いに直交する向きに配置されてもよい。検出可能な磁界の向きが互いに直交する向きであれば、磁界の向きが第一の方向である場合の磁界の大きさ(強度)と、それに直交する第二の方向である場合の磁界の大きさとをそれぞれ最大値(他の方向成分が含まれない状態)で測定することができる。ゆえに、磁界の強度比を求める上での数値の採りうる範囲が広くなり、より精度よく、セラミックヒータの周方向における最高発熱部の位置を特定することができる。
第1態様の前記配置工程において、前記磁気センサは少なくとも4つ配置され、前記特定工程では、前記検出工程において少なくとも4つの前記磁気センサがそれぞれ検出した磁界の強度に基づいて、前記最高発熱部が特定されてもよい。磁気センサが少なくとも4つあれば、2つずつ組をなす、2以上の組の磁気センサを配置することができる。1つの組において、2つの磁気センサを同じ検出方向に設定することで、セラミックヒータが位置ずれした状態で配置された場合に生じうるオフセットを相殺することができ、より精度よく、セラミックヒータの周方向における最高発熱部の位置を特定することができる。
第1態様のセラミックヒータの検査方法では、前記特定工程後に、前記発熱抵抗体への通電を行い、前記最高発熱部の温度を測定する計測工程を含み、前記通電工程は、前記計測工程にて前記発熱抵抗体に印加する通電電圧よりも高い電圧を、前記発熱抵抗体に印加してもよい。通電工程の際に前記セラミックヒータに印加する通電電圧を、計測工程の際にセラミックヒータに印加する通電電圧よりも高くすることで、検出工程にて磁気センサにて検出される磁界の大きさを大きくすることができ、より精度良く、セラミックヒータの周方向における最高発熱部の位置を特定することができる。
グロープラグ1の断面図である。 セラミックヒータ2を軸線Oに直交する断面で見たときに、発熱素子24への通電時に生ずる磁界を模式的に示す図である。 セラミックヒータ2の周囲に6つの磁気センサ111〜116が配置された様子を示す斜視図である。 セラミックヒータ2の周囲に6つの磁気センサ111〜116が配置された様子を平面視した図である。 セラミックヒータ2の周囲に4つの磁気センサ121〜124が配置された様子を平面視した図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いるものであり、記載している装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
まず、本発明の検査方法により検査されるセラミックヒータ2を備えるグロープラグ1の概略的な構造について、図1を参照して説明する。なお、軸線O方向において、セラミックヒータ2の配置された側(図1の下側)をグロープラグ1の先端側として説明する。また、グロープラグ1を構成する各部品について方向を説明する場合、グロープラグ1の組み立て時における軸線O方向の説明を準用するものとする。
図1に示すグロープラグ1は、例えば直噴式ディーゼルエンジン(図示外)の始動時の点火を補助する熱源として利用される。グロープラグ1は、内部に発熱抵抗体27を有するセラミックヒータ2を保持部材8で径方向に保持し、この保持部材8を主体金具4に接合することでエンジンへの取り付けが可能な構造を有する。
セラミックヒータ2は、絶縁性セラミックからなり、先端部22が半球状に曲面加工された丸棒状の基体21を有する。基体21は、内部に、導電性セラミックからなる発熱素子24を有する。発熱素子24は、断面略U字状の発熱抵抗体27とリード体28,29を有する。発熱抵抗体27は、セラミックヒータ2の先端部22に配置され、両端が先端部22の曲面にあわせて略U字状に折り返した形状を有する。リード体28,29は、発熱抵抗体27の両端にそれぞれ接続し、セラミックヒータ2の後端部23に向け、軸線Oに沿って並行して延びる。
発熱抵抗体27は、断面積がリード体28,29の断面積よりも小さく成形されており、通電時、主に発熱抵抗体27において発熱が行われる。グロープラグ1をエンジンに取り付けた場合、燃焼室(図示外)内にはセラミックヒータ2の先端部22が露出される。また、セラミックヒータ2の中央より後端側の外周面に、リード体28,29からそれぞれ突出する電極取出部25,26が露出する。電極取出部25,26は、軸線O方向において互いにずれた位置に露出する。
保持部材8は軸線O方向に延びる円筒状の金属部材であり、筒孔84内にセラミックヒータ2の胴部分を径方向に保持する。保持部材8がセラミックヒータ2を保持した状態で、セラミックヒータ2の先端部22および後端部23は、保持部材8の両端からそれぞれ露出する。保持部材8は、胴部81の後端側に肉厚の鍔部82を有する。鍔部82は、胴部81との間に有するテーパ面で、グロープラグ1をエンジンに取り付けた場合の気密漏れを防止する。保持部材8は、鍔部82の後端に、後述する主体金具4の先端部41が係合する係合部83を有する。セラミックヒータ2の電極取出部25,26のうち先端側に形成された電極取出部25は、保持部材8の筒孔84の内周面に接触し、保持部材8と電気的に接続する。
セラミックヒータ2の後端部23には、金属製で筒状の接続リング75が嵌合されている。セラミックヒータ2の電極取出部26は、接続リング75の内周面に接触し、接続リング75と電気的に接続する。
主体金具4は、軸線O方向に貫通する軸孔43を有する筒状の金属部材である。主体金具4は、金具胴部44の後端側の外周面に、エンジンへの取り付けに使用するねじ山を有する。主体金具4は、金具胴部44の後端に、軸線Oと直交する断面が例えば六角形状で、エンジンへの取り付け時に使用する工具が係合する工具係合部46を有する。主体金具4の軸孔43は、工具係合部46内で内径が拡大し、主体金具4の後端側の開口に繋がる。主体金具4の先端部41は、保持部材8の係合部83に外嵌めされる。主体金具4は、保持部材8との合わせ部位にレーザ溶接が施され、保持部材8と一体に接合する。主体金具4は、保持部材8を介し、セラミックヒータ2の電極取出部25と電気的に接続する。
中軸3は、軸線O方向に延び、主体金具4の軸線O方向の長さよりも長い金属棒である。中軸3は、主体金具4の軸孔43内を挿通する。中軸3は、先端部31に、接続リング75に係合する小径のリング係合部34を有する。中軸3の先端部31は、接続リング75との合わせ部位にレーザ溶接が施され、接続リング75と一体に接合する。中軸3は、接続リング75を介し、軸線O方向に沿ってセラミックヒータ2と一体に連結する。中軸3は、接続リング75を介し、セラミックヒータ2の電極取出部26と電気的に接続する。
中軸3は、後端部32の一部が、主体金具4の後端よりも後方へ突出する。後端部32には、環状のOリング7と、円筒状で後端部61が鍔状に形成された絶縁性の支持リング6が嵌め込まれる。Oリング7は、例えばフッ素ゴム、アクリルゴム、シリコンゴム等、絶縁性を有する弾性部材である。支持リング6は、主体金具4の軸孔43の内径が拡大する部位に配置され、後端部61が工具係合部46の後端に当接する。支持リング6は、中軸3の後端部32を軸孔43内で位置決めし、且つ、中軸3と主体金具4とを絶縁する。Oリング7は、支持リング6の先端面に押圧され、主体金具4の軸孔43と中軸3の後端部32に密着し、主体金具4内を封止する。
端子金具5は、円筒状で後端部が閉じ、且つ後端部において後方へ延びる円柱状の突出部53を有する金属部材である。端子金具5は、中軸3の後端部32で主体金具4の後端よりも後方へ突出する端子接続部33に嵌合し、中軸3と電気的に接続する。端子金具5の先端部51は鍔状に形成され、支持リング6の後端部61に当接する。グロープラグ1をエンジンに取り付けた場合に、端子金具5にプラグキャップ(図示外)が嵌められ、外部回路から電力(通電電圧)が供給される。
このような構造のグロープラグ1が備えるセラミックヒータ2は、発熱素子24を基体21のもととなる絶縁セラミックの圧粉体に埋設し、焼成後に外周を研削して、先端部22が半球状の丸棒状に成形される。セラミックヒータ2は、周方向の向きを特定しない状態で保持部材8に保持され、保持部材8に主体金具4、中軸3等が組み付けられて、グロープラグ1が作製される。
ところで、セラミックヒータ2の周方向において発熱温度が最も高い部位である最高発熱部は、基体21内における発熱素子24(発熱抵抗体27)の周方向の向きに応じて一義的に決まることが、予め実験等により分かっている。基体21内における発熱素子24(発熱抵抗体27)の周方向の向きとは、すなわち基体21内でリード体28,29がそれぞれ配置される位置によって1つに決まる、周方向における発熱素子24(発熱抵抗体27)の配置向きである。通電時に、発熱素子24には、通常、中軸3に接続するリード体29側から主体金具4に接続するリード体28側へ電流が流される。ゆえに、グロープラグ1を組み立てた状態において、セラミックヒータ2の基体21内における発熱素子24(発熱抵抗体27)の配置向きが分かれば、セラミックヒータ2の周方向における最高発熱部の位置を特定することができる。
前述したように、発熱抵抗体27はU字状を有し、発熱抵抗体27の両端に接続されるリード体28,29が軸線O方向に沿って並行して延びる。すなわち、リード体28を流れる電流の向きと、リード体29を流れる電流の向きとが逆方向となる。リード体28,29は、通電時に電流が流れると、いわゆる右ねじの法則に従って、電流の進む方向に対して右回りに回る磁力線によって表される磁界を生ずる。このため、図2に示すように、セラミックヒータ2を軸線Oに直交する断面でみたときに、通電によって基体21(セラミックヒータ2)の周囲に生ずる磁界101の向きが、リード体28側とリード体29側とで反対方向となる(換言すれば、軸線Oを含む仮想平面を境にして対称となる)。したがって、基体21の周囲に生ずる磁界101の向きおよび強度を検出することができれば、基体21内で発熱素子24(発熱抵抗体27)が向く向きを特定することが可能である。
そこで、本実施の形態では、図3、図4に示す、磁界検出装置100を用い、6つの磁気センサ111〜116を用い、基体21の周囲に生ずる磁界の向きおよび強度の検出を行う。磁気センサ111〜116は、磁界の検出が可能なホール素子である。ホール素子は、直流の定電流を通電すると磁束密度に比例した電圧を得ることができる板状の素子である。より具体的に、ホール素子に通電して得られる電圧の正負によって磁界の向きを検出することができ、得られる電圧の大きさによって磁界の強度を検出することができる。
磁気センサ111〜116は、セラミックヒータ2の基体21の外周を、水平方向に位置揃えした状態で、周方向に均等に取り囲むようにして6カ所に配置される。言い換えると、磁気センサ111〜116は、セラミックヒータ2の配置位置を中心とする径方向外側において、周方向に60度ずつずれた位置にそれぞれ配置される。ホール素子は板体の厚み方向を磁界の検出方向とする。磁気センサ111〜116は、それぞれホール素子の板面(検出面)をセラミックヒータ2が配置される中央側へ向ける。したがって、磁気センサ111と磁気センサ114は、ホール素子の厚み方向が同じ方向である。同様に、磁気センサ112と磁気センサ115は厚み方向を同一方向として配置され、磁気センサ113と磁気センサ116も、厚み方向を同一方向に配置されている。なお、図示しないが、磁界検出装置100は、ホール素子の検出値(電圧値)をA/D変換する回路部と、公知のCPU、ROM、RAMを備えたICチップを有し、出力信号に基づき基体21内での発熱抵抗体27の周方向の向きを演算する。
磁界の検出時に、セラミックヒータ2が磁気センサ111〜116の中央の位置からずれて配置(オフセット)される場合がある。オフセットによってセラミックヒータ2に近づいた磁気センサは、磁界の検出値がオフセット分大きくなり、セラミックヒータ2から遠ざかった磁気センサは、磁界の検出値がオフセット分小さくなる。こうした場合において、同じ検出方向を向く一対の磁気センサの検出値を組として足し合わせれば、検出値のオフセット分の増減を相殺することが可能である。よって、磁気センサ111〜116の各組の検出値(合計値)である磁界強度の比率を求めれば、基体21内での発熱抵抗体27の周方向の向きを、1方向における正方向と負方向との2つの向きに絞ることができる。さらに、各磁気センサ111〜116が検出した磁界の向きに基づけば、基体21内での発熱素子24の周方向の向きを、上記の1方向における正方向または負方向の一方の向きに決定することができる。なお、磁気センサ111〜116の各組の磁界強度の比率と、基体21内での発熱素子24の周方向の向きとの関係は、予め実験等により求めればよい。
このように、磁気センサ111〜116を用いてセラミックヒータ2の基体21の周囲に生ずる磁界を検出して、基体21内における発熱抵抗体27の周方向の向きを決定(特定)することで、セラミックヒータ2の周方向における最高発熱部の位置を特定することができる。したがって、グロープラグ1の品質を確保するため、品質検査の一環としてセラミックヒータ2に対して行う昇温検査では、最高発熱部に限定して最高発熱部の過渡的な温度変化を放射温度計で測定することができ、効率的に検査を行うことができる。
以下、グロープラグ1の品質検査のうち、セラミックヒータ2に対して行う昇温検査の過程を説明する。なお、グロープラグ1の品質検査では、セラミックヒータ2に対して短絡検査も行われるが、本実施形態では、短絡検査の際の通電を利用して、最高発熱部を特定する。よって、以下の説明において、昇温検査の過程には、短絡検査も含まれることとする。
昇温検査では、まず、検査対象のグロープラグ1のセラミックヒータ2を、磁界検出装置100(図3参照)にセットし、セラミックヒータ2を6つの磁気センサ111〜116の中央に配置する[配置工程]。中軸3(端子金具5)と主体金具4とをそれぞれ通電装置(図示外)の端子に繋ぎ、発熱素子24への通電を行う[通電工程]。通電工程では、通電経路において通電抵抗を測定し、発熱素子24に短絡や絶縁不良がないかについての通電検査を同時に行う。なお、この通電工程において発熱素子24に印加する通電電圧の大きさは、後述する計測工程にて発熱素子24に印加する通電電圧よりも高い電圧(例えば、20〜100V)に設定している。これにより、磁気センサ111〜116にて検出される磁界の大きさを大きくすることができ、より精度良く、セラミックヒータ2の周方向における最高発熱部の位置を特定することが可能となる。
通電工程における発熱素子24への通電によって、基体21の周囲に発生した磁界の向きおよび大きさ(強度)を、6つの磁気センサ111〜116でそれぞれ検出する[検出工程]。上記したように、磁気センサ111〜116がそれぞれの配置位置において検出した磁界の向きおよび大きさを電圧値として出力し、磁界検出装置100のCPUが、電圧値に対応する対応値を取得する。
磁界検出装置100のCPUは、取得した磁気センサ111〜116の検出値(対応値)に基づいて、セラミックヒータ2の周方向における最高発熱部の位置を特定するための演算を行う[演算工程]。上記したように、磁気センサ111〜116の検出値から、セラミックヒータ2が位置ずれした状態で配置された場合に生じうるオフセットが相殺するため、CPUは、同じ検出方向を向く一対の磁気センサの検出値を組とし、各組の磁界強度の比率を求める。CPUは、予め実験等により求めたテーブル等を参照し、磁界強度の比率に対応する発熱抵抗体27の周方向の向きを1方向における正方向と負方向との2つの向きに絞る。さらに、CPUは、磁気センサ111〜116の検出値の正負に基づき、発熱抵抗体27の周方向の向きを、1方向における正方向または負方向の一方の向きに決定する。そして、CPUは、予め実験等により求めたテーブル等を参照し、発熱抵抗体27の周方向の向きから、基体21の周方向における最高発熱部の位置を特定する。
CPUは、図示しないロボットアームに、上記特定したセラミックヒータ2の周方向における最高発熱部の位置を伝達する。ロボットアームは、グロープラグ1を、磁界検出装置100から取り出し、温度測定装置(図示外)に移動して配置するとともに、温度測定装置に設けられた放射温度計に対し最高発熱部を向ける[転回工程]。温度測定装置では、発熱素子24に対し所定の電圧(例えば、5〜11V)の印加を供給することによる通電が行われ、放射温度計で、最高発熱部の温度(過渡的な温度変化)が計測される[計測工程]。計測された温度から温度カーブを示すグラフが作成され、飽和温度が求められる。このように得られたセラミックヒータ2の温度特性が所定の特性値の範囲内であれば、検査対象のグロープラグ1は昇温検査に合格する。
以上説明したように、セラミックヒータ2の周方向における最高発熱部は、基体21内における発熱抵抗体27の周方向の向きに応じて一義的に決まる。ゆえに、発熱抵抗体27の周方向の向きがわかれば、最高発熱部の位置を特定することができる。発熱素子24を構成する発熱抵抗体27の両端から延びるリード体28,29は並行するので、通電によって生ずる磁界の向きが一方のリード体28側と他方のリード体29側とで反対方向となる。そこで、通電時に基体21の周囲に生ずる磁界の強さと向きを検出することで、発熱抵抗体27の周方向の向き、ひいては最高発熱部の位置を特定することができる。セラミックヒータ2の温度特性を検査する上で、最高発熱部の発熱温度を測定すれば、最高発熱部を特定せずに無作為に選んだ部位の発熱温度を測定した場合よりも、信頼性の高い検査結果を得ることができる。
また、セラミックヒータ2の品質検査を行う場合に短絡検査を含めれば、短絡検査時に発熱素子24への通電が行われる。短絡検査における通電時においても、基体21の周囲に磁界は発生するため、短絡検査の通電を利用して磁界の向きおよび大きさを測定し、最高発熱部を特定すれば、効率的に検査を行うことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。磁気センサ111〜116は、6つ設けたが、2つとしてもよい。この場合、2つの磁気センサは、磁界の検出方向(ホール素子の厚み方向)を互いに直交する向きに配置するとよい。磁界は場所によって強度(磁束密度)が異なるので、少なくとも2カ所において磁界の強度が測定でき、その比が求まれば、最高発熱部の位置を特定することができる。すなわち、磁気センサが2つであっても、十分に、発熱抵抗体27の周方向の向きを決定することができるので、設備にかかる費用を削減できる。さらに、磁界の検出方向が互いに直交する向きであれば、磁界の向きが第一の方向である場合の磁界の大きさ(強度)と、それに直交する第二の方向のである場合の磁界の大きさとをそれぞれ最大値(他の方向成分が含まれない状態)で測定することができる。ゆえに、磁界の強度比を求める上での数値の採りうる範囲が広くなり、より精度よく、発熱抵抗体27の周方向の向きを決定することができる。よって、セラミックヒータ2の周方向における最高発熱部の位置を特定することができる。
磁気センサの数は、4つ以上であってもよい。磁気センサが少なくとも4つあれば、2つずつ組をなす、2以上の組の磁気センサを配置することができる。本実施形態において説明したように、1つの組において、同じ検出方向を向く一対の磁気センサを設けることで、セラミックヒータ2が位置ずれした状態で配置された場合に生じうるオフセットを相殺することができる。したがって、より精度よく、発熱抵抗体の周方向の向きを決定することができ、ひいてはセラミックヒータの周方向における最高発熱部の位置を特定することができる。
なお、磁気センサの数が4つである場合、図5に示すように、2つの磁気センサを組とし、一方の組の磁気センサ123,124は、セラミックヒータ2を挟んで同じ検出方向を向くように配置するとよい。また、他方の組の磁気センサ121,122は、上記同様、共に同じ検出方向を向くようにするが、セラミックヒータ2は挟まずに配置してもよい。
また、磁気センサ111〜116は、ホール素子を用いたが、磁界の向きおよび大きさ(強度)を測定できるセンサであれば、他のセンサを用いてもよい。
2 セラミックヒータ
21 基体
22 先端部
23 後端部
27 発熱抵抗体
28 リード体
29 リード体
111〜116 磁気センサ
121〜124 磁気センサ

Claims (5)

  1. 円柱状の基体の先端部に通電によって発熱する発熱抵抗体を有し、当該発熱抵抗体が後端部側から並行して延びる2本のリード体と接続するセラミックヒータの検査方法であって、
    磁界の向きおよび強度を検出可能な複数の磁気センサが前記基体の周方向に配置される配置工程と、
    前記発熱抵抗体への通電が行われる通電工程と、
    通電によって前記基体の周囲に生ずる磁界の向きおよび強度を複数の前記磁気センサがそれぞれ検出する検出工程と、
    前記検出工程において検出された磁界の向きおよび強度に基づいて、前記発熱抵抗体の発する熱量が前記基体の周方向において最大となる部位である最高発熱部を特定する特定工程と、
    を備えたことを特徴とするセラミックヒータの検査方法。
  2. 前記配置工程において、前記磁気センサは2つ配置され、
    前記特定工程では、前記検出工程において2つの前記磁気センサがそれぞれ検出した磁界の強度の比に基づいて、前記最高発熱部が特定されることを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータの検査方法。
  3. 前記配置工程において、前記磁気センサは、検出可能な磁界の向きが水平方向において互いに直交する向きに配置されることを特徴とする請求項2に記載のセラミックヒータの検査方法。
  4. 前記配置工程において、前記磁気センサは少なくとも4つ配置され、
    前記特定工程では、前記検出工程において少なくとも4つの前記磁気センサがそれぞれ検出した磁界の強度に基づいて、前記最高発熱部が特定されることを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータの検査方法。
  5. 前記特定工程後に、前記発熱抵抗体への通電を行い、前記最高発熱部の温度を測定する計測工程を含み、前記通電工程は、前記計測工程にて前記発熱抵抗体に印加する通電電圧よりも高い電圧を、前記発熱抵抗体に印加することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のセラミックヒータの検査方法。
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