JP6033354B1 - レンジ切替装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動機によるレンジ切り替えが困難な場合であっても、Pレンジ入れを実行できるとともに、装置を小型化できるレンジ切替装置を提供する。【解決手段】レンジ切替装置は、モータ14の回転をシフトレンジの切替えを行うシフトシャフトに伝達する出力軸20を有する第一のレバー33と、出力軸20の回転軸と同じ回転中心軸を有するとともに、第一のレバー33に対して回転可能に嵌合された第二のレバー34と、第一のレバー33と第二のレバー34とが互いに離反する方向に力が作用するように配設された弾性部材と、先端部が、第二のレバー34に設けられた貫通孔37と出力軸20に設けられた孔36とに挿脱可能に挿入され、第一のレバー33と第二のレバー34間の互いの回転を阻止するシャフト38と、で構成されている。【選択図】図3
Description
本発明は、車両の自動変速機のシフトレンジを電気信号を介して操作するシフトバイワイヤシステムにおけるレンジ切替装置に関するものである。
近年、車両制御において、車両操縦者の指令により車両の自動変速機のシフトレンジを電気信号で切り替えるシフトバイワイヤシステムが採用されている。車両に対しては、何らかの要因により、異常が生じた場合であっても、確実に停車させることができ、牽引可能であることが要求される。シフトバイワイヤシステムを使用しない、従来の車両の場合には、自動変速機のシフトレンジをPレンジに切り替える、またはパーキングブレーキを使用することにより、車両の停車が可能である。また、自動変速機のシフトレンジをPレンジから他のレンジへ切り替えることで、車両を容易に牽引することも可能である。
これに対して、シフトバイワイヤシステムが適用された車両においては、自動変速機のシフトレンジが電気的に切り替えられるため、例えば、バッテリ上がりや断線など、電源または電力供給系統に異常が生じると、自動変速機のシフトレンジの切り替えが困難になる。このため、シフトバイワイヤシステムを備えた車両においても、何らかの要因で、車両に異常が生じた場合に、自動変速機のシフトレンジを切り替えることができるレンジ切替装置が求められている。
例えば、電力供給系統に異常が生じた場合の自動変速機のシフトレンジを切り替える方法として、特許文献1のシフトバイワイヤ装置(SBW装置)では、レンジ制御手段に供給する電力を蓄えるキャパシタを備えており、そのため、バッテリや電力供給系統に異常が生じたときでも、SBW装置のアクチュエータはキャパシタに蓄えられている電力によって少なくとも一回は自動変速機を「Pレンジ」に切り替えることができる。これにより、車両は安全かつ確実に停車される。また、自動変速機のシフトレンジは、レバーを操作することにより手動で「Pレンジ」から解除される。これにより、駐車された車両を、例えば牽引などにより容易に移動することができる。
従来のSBW装置は、電力供給系統の異常等で電力が供給されない場合に、キャパシタに蓄えられている電力によって、アクチュエータによりシフトレンジをPレンジに切り替えることを想定した対策であるが、電源電圧低下による異常に対しては、アクチュエータが正常に動作せず、シフトレンジを切り替えることができないという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電圧低下などの状態において、電動機により通常動作をさせることが困難な場合であっても、Pレンジ入れを実行できると共に、短時間でのレンジの切り替えを可能とし、また、装置を大型化させることのないレンジ切替装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係るレンジ切替装置は、モータの回転をシフトレンジの切替えを行うシフトシャフトに伝達する出力軸を有する第一のレバーと、前記出力軸の回転軸と同じ回転中心軸を有するとともに、前記第一のレバーに対して回転可能に嵌合された第二のレバーと、前記第一のレバーと前記第二のレバーとが互いに離反する方向に力が作用するように配設された弾性部材と、先端部が、前記第二のレバーに設けられた貫通孔と前記出力軸に設けられた孔とに挿脱可能に挿入され、前記第一のレバーと前記第二のレバー間の互いの回転を阻止するシャフトと、前記第一のレバー及び前記第二のレバーのそれぞれに対して、回転角度を規制するストッパと、を備えたことを特徴とするものである。
本発明のレンジ切替装置によれば、供給電圧低下などにより、電動機による正常なレンジ切り替え操作ができない状態となった場合においても、第一のレバーと第二のレバーを弾性部材により離反する方向に回転させることで、強制的にPレンジにシフトレンジの切り替えを行うことができ、また、供給電圧が復帰した場合には、モータによる通常作動状態のシフトレンジの切り替えに戻すことができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態に係るレンジ切替装置の詳細について、図1から図11を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るレンジ切替装置を備えたシフトレンジ切替システムの全体構成を示す斜視図であり、図2は、レンジ切替装置の外観を示す平面図である。
図1は、実施の形態1に係るレンジ切替装置を備えたシフトレンジ切替システムの全体構成を示す斜視図であり、図2は、レンジ切替装置の外観を示す平面図である。
まず、図1を用いて、実施の形態1に係るレンジ切替装置を備えたシフトレンジ切替システムの全体構成について説明する。シフトレンジ切替システム1は、レンジ切替装置2と、ディテント機構3と、パーキング機構4およびバルブボディ5とで構成されている。
ここで、レンジ切替装置2は、例えば、車両に搭載される自動変速機に取り付けられるように構成されており、車両操縦者によって選択されるシフトレバー(レンジ選択手段)からのシフト信号(電気信号)が供給されるコネクタ2aを備えている。このシフト信号に基づいてレンジ切替装置2は、その出力軸20(後述する。)に連結された駆動対象となるシフトシャフト6を回転駆動させ、このシフトシャフト6に取り付けられた略扇形状のディテントプレート7を正逆に回転させる。このディテントプレート7には、スプール弁8が連動するように取り付けられており、シフトシャフト6の回転によりディテントプレート7が回転すると、連動するスプール弁8がバルブボディ5内で往復移動し、これによってバルブボディ5内の油路を切り替えて、所定のシフトレンジ(P、R、N、D)に設定するように構成されている。
また、ディテントプレート7には、略扇形状の先端部に複数の凹部7aが設けられており、この凹部7aは、スプール弁8の各レンジ位置(P、R、N、D)に対応している。さらに、バルブボディ5に固定されたディテントスプリング9が板バネとして作用し、その先端を凹部7aに押圧することによって、ディテントプレート7を位置決め保持するように構成されている。
一方、パーキング機構4は、ディテントプレート7に連結されたパーキングロッド10と、パーキングロッド10の先端に設けられた円錐部11と、パーキングポール12と、パーキングギヤ13とを有している。パーキングロッド10は、ディテントプレート7の正逆の回転運動に伴い、パーキングロッド10の位置が変わることによって、その先端に設けられた円錐部11を介してパーキングポール12が、軸12aを中心に上下にシーソー運動する。この運動に伴い、パーキングポール12の凸部12bが、パーキングギヤ13の凹部13aに嵌合あるいは凹部13aから離脱することによってパーキング機構4のロックとアンロックが達成され、自動変速機におけるパーキングギヤ13の中心出力軸の回転を阻止または可能とすることになる。
以上のように、このシフトレンジ切替システム1においては、ディテントプレート7を介してシフトシャフト6とスプール弁8とが連動していることから、シフトシャフト6の回転角度を制御することによって、スプール弁8の位置を制御し、所定のシフトレンジに設定することが可能となるものである。
次に、この発明に係るレンジ切替装置2の構成および動作について、図2から図5に基づいて詳細に説明する。図3は、図2のA−A線に沿った切断面から見た断面図であり、図4は、図3のB−B線に沿った切断面から見た断面図であり、また、図5は、図3のC−C線に沿った切断面から見た要部断面図である。
図2および図3において、レンジ切替装置2は、モータ14の回転位置を検出するセンサ15とリアボディ16に設けられたコネクタ2aとモータ14間を通電可能に接続する回路基板17と、外部コントロールユニットからの制御信号に基づいて制御されるモータ14と、モータ14に連結された減速機構部18と、減速機構部18に連結されたシフトシャフト6を回転させることによってシフトレンジの切り替えを行うレンジ切替部19と、で構成されている。
レンジ切替部19の出力軸20は、図3に示すように、レンジ切替装置2のハウジングを構成するフロントボディ21の支持筒部21aにその内側に設けられた滑り軸受け22を介して回転可能に保持されている。また、出力軸20のフロント側外周部には、凹部20aが設けられており、凹部20aとフロントボディ21間に挟み込まれたシール部材24によって外部とは気密または液密に保持されている。
減速機構部18は、図3から図5に示すように、遊星歯車減速機構と平歯車減速機構によって構成されており、モータ14のモータシャフト26に一体に形成された太陽歯車27と、この太陽歯車27に噛み合う遊星歯車28と、この遊星歯車28に噛み合う内歯が形成された環状歯車29と、遊星歯車28を自転及び公転可能に支持するキャリア30と、遊星歯車28と反対面側のキャリア30に取付けられた小歯車31と、出力軸20に固定され、小歯車31に噛み合う大歯車32を有している。なお、小歯車31と一体に形成されたキャリア30は、遊星歯車28側に延出したモータシャフト26の外周上で滑り軸受23を介して回転可能に摺動するように保持されている。
非常用作動機構部48は、図4及び図5に示すように、第一のレバー33、第二のレバー34、弾性部材35及びシャフト38により構成されている。扇状の大歯車32を有する第一のレバー33は、出力軸20に固定され、さらに、第一のレバー33には、第二のレバー34が第一のレバー33に対して回転可能に嵌合されている。また、弾性部材35が、第一のレバー33と第二のレバー34とが、回転方向に対して、互いに離反する方向に力が作用するように配設されている。ここで、例えば、弾性部材35に板ばねを用い、圧縮した状態で保持することで、非常用作動機構部48をより簡素かつ低コストで構成することが可能となる。
また、出力軸20の第一のレバー33が固定された側の端部の中心位置には、回り止め嵌合部20b(Hカット形状)を有する孔36が設けられていると共に、第二のレバー34の中心位置には同じ形状を持つ回り止め嵌合部34aを有する貫通孔37が設けられている。また、シャフト38の先端部38aには、孔36及び貫通孔37と楔合するように形成されており、シャフト38が孔36及び貫通孔37に対して、挿脱可能に嵌合されている。シャフト38は、その先端部38aが出力軸20の端部の孔36の底面部20cに接した状態で取付けられ、さらに、シャフト38を第一のレバー33及び第二のレバー34側に押し付ける方向に力が作用するよう、シャフト38とリアボディ16間にはコイルばね39が設けられている。
さらに、出力軸20及び第二のレバー34と接するシャフト38の先端部38a側とは反対側の端部38b側は、リアボディ16に設けられた軸受け40を介して、レンジ切替装置2の外部に露出されており、通常作動時には非常用作動機構部48の誤作動を防止する目的で保護キャップ41が取り付けられている。また、シャフト38と軸受け40との間には、出力軸20の凹部20aにシール部材25が取り付けられ、外部とは気密または液密に保持されている。
モータ14は、永久磁石を用いたブラシレスモータであり、回転可能に支持されたロータ43と、このロータ43の回転中心と同軸上に配置されたステータ44とで構成されている。なお、ロータ43は、モータシャフト26に圧入固定されており、磁石45は、ロータ43内に接着等の手段により固定されている。また、モータシャフト26は、第1の転がり軸受46と第2の転がり軸受47によって、リアボディ16に回転可能に保持されている。さらに、リアボディ16は、フロントボディ21とともにレンジ切替装置2のハウジングを構成し、レンジ切替部19の出力軸20とモータシャフト26の軸中心は、離間して配置され、小歯車31と大歯車32の配置を可能としている。
回路基板17は、リアボディ16に固定され、その一方の面がモータ14のロータ43に対向する位置に配置されており、回路基板17のロータ43の近傍には磁気センサ15が取り付けられている。磁気センサ15は、ロータ43の回転に伴う磁石45の磁束変化によりロータ43の回転位置を検出するものである。
また、ステータ44は、ステータコア46及びコイル47から構成されている。ステータコア46は、径内方向に向けて突出する複数のステータティースを形成する。コイル47は、各ステータティースに巻回されているU相、V相、及びW相のコイルからなる三相結線を構成している。
以上のように構成された本実施の形態のレンジ切替装置において、モータ14で発生したトルクは、太陽歯車27、遊星歯車28、環状歯車29およびキャリア30によって減速され、小歯車31に伝達される。小歯車31に伝達されたトルクは、小歯車31と噛み合う大歯車32によって減速され、出力軸20に伝達される。
次に、非常用作動機構部48の動作について、図6及び図7に基づいて詳細に説明する。図6は、非常作動時における図2でのA−A線に沿った断面を示す要部断面図、図7は、非常作動時における図3でのC−C線に沿った断面を示す要部断面図である。
レンジ切替装置2への供給電圧の低下などにより、モータ14によるシフトレンジの切り替えが行えないと判断された場合、モータ14への給電は停止され、車室内インジケータ等により車両操縦者に対して異常を知らせる。その際に、シフトレンジがDやRの状態である場合には、パーキングブレーキだけでは、車両の停止状態が確立されず危険が生じる為、強制的にPレンジへシフトさせる必要がある。そこで、車両操縦者が、レンジ切替装置2の外表面に取り付けられた保護キャップ41を取り外し、リアボディ16から露出しているシャフト38の端部38bを引くことにより、シャフト38の回り止め嵌合部である先端部38aが、第一のレバー33の回り止め嵌合部20b及び第二のレバー34の回り止め嵌合部34aから外れ、第一のレバー33と第二のレバー34間に圧縮した状態で保持されていた弾性部材35の圧縮力が解放されて、第一のレバー33と第二のレバー34は、互いに離反する方向に回転し、第二のレバー34は、そのストッパ部34bが、フロントボディ21内に設けられたストッパ21bに当接して、その回転角度が規制されて止まり、また、第一のレバー33は、出力軸20及びシフトシャフト6を介してトランスミッション内のディテントプレート7のPレンジストッパにて、その回転角度が規制されて止まる。
これにより、供給電圧低下等の非常時において、車両操縦者の操作により強制的にPレンジへシフトさせることが可能となる。
また、供給電圧が正常状態に復帰した後、モータ14によるレンジ切り替えが実施可能と判断された場合には、モータ14への電源供給が行われ、通常作動状態へと移行するが、復帰後初回のDレンジへのシフト時に、出力軸20を介してシフトシャフト6に嵌合している第一のレバー33は、モータトルクにより弾性部材35を圧縮させながら、第一のレバー33の回り止め嵌合部20bと、第二のレバー34の回り止め嵌合部34aの形状が一致したところで、シャフト38に設けられた第一のレバー33及び第二のレバー34側に押し付けるコイルばねの付勢力により、自動的にシャフト38が第一のレバー33の回り止め嵌合部20bと、第二のレバー34の回り止め嵌合部34aに差し込まれ、嵌合されることで通常作動状態への復帰させることが可能である。
このように、実施の形態1に係るレンジ切替装置によれば、供給電圧が低下し、モータによるシフトレンジの切り替えを行うことが困難になった非常作動状態において、第一のレバーと第二のレバーを弾性部材により離反する方向に回転させることで、Pレンジに強制的にシフトレンジの切り替えを行うことができ、また、供給電圧が復帰した場合には、モータによる通常作動状態のシフトレンジの切り替えに戻すことができるという効果がある。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係るレンジ切替装置の図3に相当する断面図であり、図9は、図8のD−D線に沿った切断面から見た要部断面図である。実施の形態1との違いは、実施の形態1では、弾性部材35として板ばねを用いていたが、実施の形態2では、弾性部材49がコイルばねに変更されている点である。実施の形態2のレンジ切替装置の他の構成については、実施の形態1と同じであるので説明を省略する。
図8は、実施の形態2に係るレンジ切替装置の図3に相当する断面図であり、図9は、図8のD−D線に沿った切断面から見た要部断面図である。実施の形態1との違いは、実施の形態1では、弾性部材35として板ばねを用いていたが、実施の形態2では、弾性部材49がコイルばねに変更されている点である。実施の形態2のレンジ切替装置の他の構成については、実施の形態1と同じであるので説明を省略する。
図8及び図9に示すように、実施の形態2における非常用作動機構部48は、第一のレバー33、第二のレバー34、弾性部材49及びシャフト38により構成されている。扇状の大歯車32を有する第一のレバー33は、出力軸20に固定され、さらに、第一のレバー33には、第二のレバー34が第一のレバー33に対して回転可能に嵌合されている。また、弾性部材49が、第一のレバー33と第二のレバー34とが、回転方向に対して、互いに離反する方向に力が作用するように配設されている。ここで、例えば、弾性部材49にコイルばねを用い、圧縮した状態で保持することで、非常用作動機構部48をより簡素かつ低コストで構成することが可能となる。
これにより、車両の仕様により、レンジ切り替えに大きいトルクが必要とされる場合において、弾性部材を板ばねで構成するには、レンジ切替装置の限られたサイズ内での発生可能な荷重に限界があるが、弾性部材をコイルばねにて構成することで省スペース化が可能となる。
このように、実施の形態2に係るレンジ切替装置によれば、弾性部材をコイルばねにて構成することで、実施の形態1と同様の効果を有するとともに、発生可能な荷重を大きくすることができ、レンジ切替装置の省スペース化が可能となる効果がある。
なお、上述の実施の形態1及び実施の形態2では、弾性部材として板ばねあるいはコイルばねを用いる場合について説明したが、これらに限定されるものではなく、弾性力が利用可能な構成であればよく、本発明の効果を得ることが可能である。
実施の形態3.
図10は、実施の形態3に係るレンジ切替装置の図3に相当する断面図である。実施の形態1の図3におけるレンジ切替装置との違いは、実施の形態3では、シャフト38に金属ワイヤ50が取り付けられ、さらに、金属ワイヤ50に操作レバー51が設けられている点である。実施の形態3のレンジ切替装置の他の構成については、実施の形態1と同じであるので説明を省略する。
図10は、実施の形態3に係るレンジ切替装置の図3に相当する断面図である。実施の形態1の図3におけるレンジ切替装置との違いは、実施の形態3では、シャフト38に金属ワイヤ50が取り付けられ、さらに、金属ワイヤ50に操作レバー51が設けられている点である。実施の形態3のレンジ切替装置の他の構成については、実施の形態1と同じであるので説明を省略する。
シャフト38は、第一のレバー33が固定されている出力軸20の端部の中心位置に設けられた回り止め嵌合部20b及び第二のレバー34の中心位置に設けられた回り止め嵌合部34aに対して、挿脱可能に嵌合されている。また、シャフト38の先端部38aが、出力軸20の端部の孔36の底面20cに接した状態で挿入され、シャフト38を出力軸20の孔36の底面20c側に押し付ける方向に力が作用するように、シャフト38とリアボディ16間には、コイルばね39が設けられている。さらに、出力軸20の孔36の底面20cとは反対側のシャフト38の端部38bは、リアボディ16に設けられた軸受け40を介して、レンジ切替装置2の外部に露出されており、この露出された端部38bには、金属ワイヤ50が接続、固定されており、金属ワイヤ50の他端には操作レバー51が設けられている。
この操作レバー51を引くことにより、シャフト38は、第一のレバー33の回り止め嵌合部20b及び第二のレバー34の回り止め嵌合部34aから外れ、第一のレバー33と第二のレバー34間に圧縮した状態で保持されていた弾性部材35の圧縮力が解放されて、第一のレバー33と第二のレバー34は、互いに離反する方向に回転し、第二のレバー34は、そのストッパ部34bが、フロントボディ21内に設けられたストッパ21bに当接して止まり、第一のレバー33は、出力軸20及びシフトシャフト6を介してトランスミッション内のディテントプレート7のPレンジストッパにて止まる(図7参照。)。
これにより、レンジ切替装置2への供給電圧の低下などにより、非常用作動機構部48を作動させる必要が生じた場合には、例えば、操作レバー51を車両室内に設置すること
で、車両操縦者は、車両室外に移動することなく、レンジ切替装置2の非常用作動機構部48を作動させることが可能になり、より安全に非常時にPレンジ入れを行うことが可能である。
で、車両操縦者は、車両室外に移動することなく、レンジ切替装置2の非常用作動機構部48を作動させることが可能になり、より安全に非常時にPレンジ入れを行うことが可能である。
また、供給電圧が正常状態に復帰した後、モータ14によるレンジ切り替えが実施可能と判断された場合には、モータ14への電源供給が行われ、通常作動状態へと移行するが、復帰後初回のDレンジへのシフト時に、出力軸20を介してシフトシャフト6に嵌合している第一のレバー33は、モータトルクにより弾性部材35を圧縮させながら、第一のレバー33の回り止め嵌合部20bと、第二のレバー34の回り止め嵌合部34aの形状が一致したところで、シャフト38に設けられた第一のレバー33及び第二のレバー34側に押し付けるコイルばねの付勢力により、自動的にシャフト38が第一のレバー33の回り止め嵌合部20bと、第二のレバー34の回り止め嵌合部34aに差し込まれ、嵌合されることで通常作動状態への復帰させることが可能である。
このように、実施の形態3に係るレンジ切替装置によれば、シャフトを嵌合部から引き抜く操作レバーを車両室内に設けることで、実施の形態1と同様の効果を有するとともに、車両室外に移動することなく、レンジ切替装置の非常用作動機構部を作動させることが可能になり、より安全に非常時にPレンジ入れを行うことが可能となる効果がある。
実施の形態4.
図11は、実施の形態4に係るレンジ切替装置の図3に相当する断面図である。実施の形態1の図3におけるレンジ切替装置との違いは、実施の形態4では、シャフト38を操作する電磁ソレノイドが設けられている点である。実施の形態4のレンジ切替装置の他の構成については、実施の形態1と同じであるので説明を省略する。
図11は、実施の形態4に係るレンジ切替装置の図3に相当する断面図である。実施の形態1の図3におけるレンジ切替装置との違いは、実施の形態4では、シャフト38を操作する電磁ソレノイドが設けられている点である。実施の形態4のレンジ切替装置の他の構成については、実施の形態1と同じであるので説明を省略する。
シャフト38は、第一のレバー33が固定されている出力軸20の端面部の中心位置に設けられた回り止め嵌合部20b及び第二のレバー34の中心位置に設けられた回り止め嵌合部34aに対して、挿脱可能に嵌合されている。また、シャフト38の先端部38aが、出力軸20の端部の孔36の底面20cに接した状態で挿入され、シャフト38を出力軸20の孔36の底面20c側に押し付ける方向に力が作用するように、シャフト38とリアボディ16間には、コイルばね39が設けられている。さらに、シャフト38の端部38b側には、電磁ソレノイド52が設けられている。
車両コントロールユニット(ECU)が、供給電圧の低下などによる異常有無を判断し、非常用作動機構部48を作動する必要があると判定された場合に、この電磁ソレノイド52に通電する。これにより、発生した磁力によって、シャフト38の端部38bが引き上げられ、シャフト38の回り止め嵌合部である先端部38aが、第一のレバー33の回り止め嵌合部20b及び第二のレバー34の回り止め嵌合部34aから外れ、第一のレバー33と第二のレバー34間に圧縮した状態で保持されていた弾性部材35の圧縮力が解放されて、第一のレバー33と第二のレバー34は、互いに離反する方向に回転し、第二のレバー34は、そのストッパ部34bが、フロントボディ21内に設けられたストッパ21bに当接して止まり、第一のレバー33は、出力軸20及びシフトシャフト6を介してトランスミッション内のディテントプレート7のPレンジストッパにて止まる。
なお、Pレンジに入った後は、電磁ソレノイド52への通電を停止することで、シャフト38に取り付けられたコイルばね39により、シャフト38は、第一のレバー33及び第二のレバー34側に押し付けられる方向へ戻るが、第一のレバー33の回り止め嵌合部20bと第二のレバー34の回り止め嵌合部34aの嵌合位置がずれており、シャフト38の先端部38aの回り止め部は、第一のレバー33の回り止め嵌合部20bと、第二のレバー34の回り止め嵌合部34aとは嵌合することはなく問題無い。
これにより、レンジ切替装置2への供給電圧の低下などにより、非常用作動機構部を作動させる必要が生じた場合には、車両コントロールユニットにて異常有無を判定して、非常用作動機構部を作動させることで、Pレンジ入れを行うことが可能であり、車両操縦者の判断に頼ることなく、より安全に非常用作動機構部を作動させることができる。
また、供給電圧が正常状態に復帰した後、モータ14によるレンジ切り替えが実施可能と判断された場合には、モータ14への電源供給が行われ、通常作動状態へと移行するが、復帰後初回のDレンジへのシフト時に、出力軸20を介してシフトシャフト6に嵌合している第一のレバー33は、モータトルクにより弾性部材35を圧縮させながら、第一のレバー33の回り止め嵌合部20bと、第二のレバー34の回り止め嵌合部34aの形状が一致したところで、シャフト38に設けられた第一のレバー33及び第二のレバー34側に押し付けるコイルばねの付勢力により、自動的にシャフト38が第一のレバー33の回り止め嵌合部20bと、第二のレバー34の回り止め嵌合部34aに差し込まれ、嵌合されることで通常作動状態への復帰させることが可能である。
なお、電磁ソレノイド52への電源供給は、低下した車両の供給電圧を利用してもよく、別途コンデンサなどにより蓄えられた供給電圧を利用してもよい。
また、シャフト38を電磁ソレノイド52により駆動する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、モータの回転動作を直動に変換する場合であってもよく、通電により同等の動作ができるものであれば、その動力源、方法は問わない。
このように、実施の形態4に係るレンジ切替装置によれば、ECUにより非常用作動機構部の作動の必要性の有無を判定して、電磁ソレノイドによりシャフトを嵌合部から引き抜くことで、実施の形態1と同様の効果を有するとともに、自動的に非常用作動機構部を作動させることが可能になり、より安全に非常時にPレンジ入れを行うことが可能となる効果がある。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
また、図中、同一符号は、同一または相当部分を示す。
1 シフトレンジ切替システム、2 レンジ切替装置、6 シフトシャフト、14 モータ、17 回路基板、18 減速機構部、20 出力軸、20b 回り止め嵌合部、21b ストッパ、27 太陽歯車、28 遊星歯車、29 環状歯車、30 キャリア、31 小歯車、32 大歯車、33 第一のレバー、34 第二のレバー、34a 回り止め嵌合部、34b ストッパ部、35,49 弾性部材、36 孔、37 貫通孔、38 シャフト、38a 先端部、39 コイルばね、41 保護キャップ、48 非常用作動機構部、50 金属ワイヤ、51 操作レバー、52 電磁ソレノイド
Claims (8)
- モータの回転をシフトレンジの切替えを行うシフトシャフトに伝達する出力軸を有する第一のレバーと、
前記出力軸の回転軸と同じ回転中心軸を有するとともに、前記第一のレバーに対して回転可能に嵌合された第二のレバーと、
前記第一のレバーと前記第二のレバーとが互いに離反する方向に力が作用するように配設された弾性部材と、
先端部が、前記第二のレバーに設けられた貫通孔と前記出力軸に設けられた孔とに挿脱可能に挿入され、前記第一のレバーと前記第二のレバー間の互いの回転を阻止するシャフトと、
前記第一のレバー及び前記第二のレバーのそれぞれに対して、回転角度を規制するストッパと、
を備えたことを特徴とするレンジ切替装置。 - 前記孔と前記貫通孔とは、同じ孔形状を有し、前記シャフトの先端部の形状が前記孔及び前記貫通孔に楔合するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレンジ切替装置。
- 前記シャフトには、前記第一のレバー及び前記第二のレバーに押し付ける方向に力が作用するコイルスプリングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のレンジ切替装置。
- 前記弾性部材が、板ばねであることを特徴とする請求項1に記載のレンジ切替装置。
- 前記弾性部材が、コイルスプリングであることを特徴とする請求項1に記載のレンジ切替装置。
- 前記シャフトは、前記第一のレバー及び前記第二のレバーと楔合する端部側とは反対側の端部が、挿脱可能なように外部に露出されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のレンジ切替装置。
- 前記シャフトは、前記第一のレバー及び前記第二のレバーと楔合する端部側とは反対側の端部が、挿脱可能なように外部に露出されると共に、前記反対側の端部に金属ワイヤが取り付けられており、前記金属ワイヤを操作することにより、離れた箇所から前記シャフトの挿脱を可能としたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のレンジ切替装置。
- 前記シャフトは、前記第一のレバー及び前記第二のレバーと楔合する端部側とは反対側の端部には、電磁アクチュエータが設けられており、前記電磁アクチュエータへの通電あるいは非通電により挿脱可能にされていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のレンジ切替装置。
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