JP6032126B2 - スピーカ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステレオなど複数チャンネルの音声を放音するスピーカ装置に関する。
一般的なステレオスピーカシステムは、左右チャンネル用のスピーカボックスを備え、これらが左右に配列される構成である(たとえば、特許文献1参照)。このため、設置面積が大きくなり、部屋の隅に設置することが難しいうえ、デザイン的に自由度が低い。
そこで、四角柱状の細長い筐体の四側面すべてに複数のスピーカユニットが設けられ、筐体を直立させて設置するスピーカ装置の発明が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。このスピーカ装置は、各スピーカユニットがオーディオ信号を出力するタイミングを遅延・調整して、指向性を持たせた音波である音声ビームを出力する。このスピーカ装置は、音声ビームを部屋の床や天井の方向に出力して複数回反射させるので、間接音が多くの方向から聴取者に到達することになる。これにより、聴取者にスピーカ装置の明確な位置を感じさせないという効果が得られる。
特開平09−098495号公報
特開2007−037058号公報
特許文献2に記載のスピーカ装置であっても、左右チャンネルのスピーカ列が別々に設けられているため、筐体をスリムにすることは限界があった。また、特許文献2に記載のスピーカ装置は、前記のように筐体の四側面すべてに複数のスピーカユニットが設けられているので装飾などを施すことができず、そのデザインが制限されてしまうという問題がある。
そこで、本発明は、スリムな外観でステレオ放音を可能にしたスピーカ装置を提供することを目的とする。
この発明のスピーカ装置は、それぞれ異なるチャンネルの信号が入力される複数のスピーカユニットを、それぞれ異なる方向に向けて、鉛直方向に配列したことを特徴とする。
てなるスピーカ装置。
上記発明において、複数のスピーカユニットは、共通のスピーカボックスに収容されており、このスピーカボックスはバスレフポートを有する。バスレフポートは、複数のスピーカユニットに対して更に鉛直方向に配列され、複数のスピーカユニットの向きの中間の向きに開口している。
このスピーカ装置は、聴取者と音声を反射する壁面との間に、前記複数のスピーカユニットが壁面側に位置するように設置されてもよい。
この発明によれば、スリムな筐体で広がりのあるステレオ音声を放音することが可能になる。
この発明の実施形態に係るスピーカ装置の外観図 スピーカ装置の内部構成図 スピーカ装置のスピーカグリルを取り外した状態の背面図 スピーカ装置の設置形態の例を示す平面図 スピーカ装置の電子回路のブロック図
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係るスピーカ装置について説明する。図1は、この発明の実施形態に係るスピーカ装置の外観図であり、図1(A)が正面図、図1(B)が右側面図、図1(C)が背面図である。図2は、スピーカ装置の内部構成図である。図3は、スピーカグリルを取り外したスピーカ装置の背面図である。
本発明の実施形態に係るスピーカ装置1は、複数のスピーカが収容される筐体11、筺体11を床面から支持する円板状のベース14、および、筺体11とベース14とを接続する棒状のピロー13を備えている。筐体11は、ピロー13およびベース14によって支持されて鉛直方向に立設される。
筐体11は、略四角柱の形状をなしており、上方向に向けて若干幅が狭まっている。すなわち、正確には四角錐台形状(四角錐の頂点側(頭部)を底面に平行な面で水平に切削した形状)である。筐体11の側面は、鉛直線に対して2パーセント傾斜している。
スピーカグリル12は、図1(C)に示すように筺体の稜線部18を跨いで設けられる。以下の説明では、図1(C)に示す稜線部18の方向を背面方向とし、図1(A)に示す反対側の稜線部19の方向を正面方向として説明する。ただし、どちらを前面(ユーザ方向)にして設置するかは自由である。以下の説明では、仮に、正面方向を前方、背面方向を後方と呼んで説明する。また、左右の方向は、正面方向のユーザからスピーカ装置1を見たときの方向を用いる。
筐体11の内部は、2枚の仕切り板によって仕切られており、上下方向に3つの空間を有する構造になっている。上部の空間がスピーカユニット20を収容する中音域用スピーカボックス30、中央部の空間がスピーカユニット21、22を収容するステレオスピーカボックス31、下部の空間が電子回路15を収容する回路ボックス32として用いられる。
図2は、正面側の筺体11を切り欠いた状態の内部構造図である。図3はスピーカグリル12を取り外した状態の背面図である。これら図2および図3に示すように、ステレオスピーカボックス31は、背面側に開口しており、この開口部にバッフル板24が設けられている。このバッフル板24は、平面ではなく、四角柱の筺体11の形状に合わせて左右に湾曲している。このバッフル板24に、スピーカユニット21、22が取り付けられているとともに、バスレフポート23が設けられている。スピーカユニット21は、右チャンネルのスピーカユニットであり、斜め右後方に向けて取り付けられている。スピーカユニット22は、左チャンネルのスピーカユニットであり、斜め左後方に向けて取り付けられている。スピーカユニット21,22はそれぞれ背面方向に対して、左右約45度斜め方向に向けて取り付けられている。バスレフポート23は、背面向きに設けられており、ダクト25を介してステレオスピーカボックス31内部に開口している。バスレフポート23は、主として低音を強調するためのものであるため、チャンネルおよび指向性を考慮する必要性が低い。このため、左右チャンネル共通に、その中間の向きに開口している。バッフル板24は、スピーカグリル12に覆われている。スピーカグリル12は金属メッシュからなり、図1(B)に示すようにほぼ筺体11と面一に形成されている。
また、中音域用スピーカボックス30は上面に開口しており、この開口部にスピーカユニット20が上向きに取り付けられている。スピーカユニット20のさらに上には、スピーカユニット20から放音された音声を前方に反射するヘッドピース10が設けられている。
図4は、スピーカ装置1の設置形態を示す平面図である。同図(A)は、スピーカ装置1の背面、すなわちスピーカユニット21、22を前方(ユーザ方向)に向けて設置した状態を示す図である。また、同図(B)は、スピーカ装置の正面を前方に向け、スピーカユニット21,22を後方である壁300に向けて設置した状態を示す図である。いずれの場合でもスピーカユニット21,22には、それぞれ別々のチャンネル(この実施形態では左右チャンネル)の音声信号が入力される。
図4(A)の設置形態では、スピーカユニット21,22から放音された音声は、それぞれ斜め左前方および斜め右前方に向けて伝搬する。左右に音声が伝搬することにより音に広がり感が与えられるとともに、左右に伝搬する音声がそれぞれ別チャンネルの音声であるため、ユーザに対して立体的なステレオの聴感を与えることができる。
また、図4(B)のように、スピーカユニット21,22が壁300に向くように設置された場合、スピーカユニット21,22から放音された音声は、左右後方に広がりながら伝搬して壁面300のエリア301,302付近で反射する。反射した音声は前方に伝搬してユーザに到達する。これにより、鉛直方向に配置され、横方向に配置幅を持たないスピーカユニット21、22から放音された左右チャンネルの音声は、あたかも壁面300上に横方向の幅を有するエリア301,302から放音された音声のようにユーザに伝搬し、ユーザに対して広がりのあるステレオ音声を聴かせることができる。
図1において、筺体11の回路ボックス32には電子回路15が内蔵されている。図5は、電子回路15の主要部のブロック図である。電子回路15は、コントローラ50、信号処理部51、オーディオアンプ52、入力選択部53、Bluetooth(登録商標)通信回路54、ケーブルコネクタ55などを有している。
コントローラ50は、マイコンで構成される。コントローラ50には、赤外線リモコン(不図示)によって送信される赤外線信号を受光する受光回路40が接続されている。受光回路40は、筐体11の上部および下部に設けられた受光素子42を含み、受光した赤外線信号を電子信号に変換してコントローラ50に入力する。コントローラ50は、受光回路40から入力された信号に基づいて、入力選択部53における入力信号の選択、信号処理部51における音質の調整、オーディオアンプ52の音量の調整、Bluetooth通信回路54のオン/オフなどを行う。
信号処理部51は、入力選択部53から入力された(2チャンネルステレオ)のオーディオ信号の音質を調整するとともに、左右チャンネルの信号から中音域の成分を取り出してこれを合成し、第3チャンネルのオーディオ信号として出力する。すなわち、信号処理部51は、機能的にバンドパスフィルタ66,67、および、ミキサ68を内蔵している。また、オーディオアンプ52は、機能的に、3チャンネルの増幅回路64,65,69を有しており、それぞれ左チャンネル、右チャンネルおよび中音域のオーディオ信号を増幅する。増幅回路64は、左チャンネルの音声信号を増幅し、その信号をスピーカ22に出力する。増幅回路65は、右チャンネルの音声信号を増幅し、その信号をスピーカ212に出力する。
この電子回路15では、スピーカユニット21に右チャンネルの音声信号を入力し、スピーカユニット22に左チャンネルの音声信号を入力するようにしている、すなわち、図4(B)のように、スピーカユニット21,22が壁300向き(ユーザと逆向き)になるように設置される場合の左右チャンネルの振り分けにしているが、図4(A)のように配置する場合は、これを逆にしてもよい。また、リバーススイッチを設けて、入力選択部53から増幅回路64,65およびバンドパスフィルタ66,67に入力される音声信号のチャンネルを入れ換え可能にしてもよい。
上述したように、筐体11の上面に設けられたスピーカユニット20は、中音域の音声を補強する。バンドパスフィルタ66は、左チャンネルの音声信号のうち、中音域(一例として、100Hz〜7kHz)を抽出してミキサ68に出力する。バンドパスフィルタ67も同様に、右チャンネルの音声信号のうち、中音域を抽出してミキサ68に出力する。ミキサ68は、入力された左チャンネルの中音域の音声信号と右チャンネルの中音域の音声信号を合成し、この合成信号をアンプ69に出力する。アンプ69は、中音域の合成信号を増幅してスピーカユニット20に出力する。したがって、スピーカユニット20からは、左右チャンネルの中音域の合成された音声が放音される。また、バンドパスフィルタ66、67が抽出する帯域は、中音域に限定されない。中音域以外の帯域の音声をスピーカユニット20から放音するようにしても、それぞれの帯域に応じた効果を得ることが可能である。
また、上記実施形態では、バッフル板24に2つのスピーカユニット21,22を縦に配列して設けているが、個数は2個に限定されない。また、複数のスピーカユニットに入力する音声のチャンネル数も2チャンネルに限定されない。
なお、スピーカ装置1の筐体11の形状は四角錐台形状に限るものではなく、円錐台形状、円柱状、多角柱状など概ね柱状であればよい。この実施形態のいずれの構成部も、本発明の趣旨を損なわない範囲で変形は自由である。
1 スピーカ装置
10 ヘッドピース
11 筐体
12 スピーカグリル
15 電子回路
20、21、22 スピーカユニット
23 バスレフポート
24 バッフル板
25 (バスレフ)ダクト
31 ステレオスピーカボックス
32 回路ボックス

Claims (3)

  1. それぞれ異なるチャンネルの信号が入力される複数のスピーカユニットを、それぞれ異なる方向に向けて、鉛直方向に配列してなるスピーカ装置。
  2. 前記複数のスピーカユニットは、共通のスピーカボックスに収容され、
    該スピーカボックスは、前記複数のスピーカユニットに対して更に鉛直方向に配列され、前記複数のスピーカユニットの向きの中間の向きに開口するバスレフポートを有する請求項1に記載のスピーカ装置。
  3. 聴取者と音声を反射する壁面との間に、前記複数のスピーカユニットが壁面側に位置するように設置される請求項1または請求項2に記載のスピーカ装置。
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