JP6031088B2 - 移動通信システム、無線基地局及び移動通信方法 - Google Patents

移動通信システム、無線基地局及び移動通信方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の無線基地局が設けられた移動通信システム、無線基地局、及び移動通信システムで用いる移動通信方法に関する。
従来、複数の無線基地局が設けられた移動通信システムが知られている。例えば、このような移動通信システムとして、LTE(Long Term Evolution)が知られている。
ここで、複数の無線基地局が連携して行う処理として、ハンドオーバ、協調受信処理、協調送信処理などが考えられる。協調受信処理及び協調送信処理は、CoMP(Coordinated Multi−Point Operation)などと称される。
このように、複数の無線基地局が連携して行う処理では、複数の無線基地局のそれぞれと無線端末との間の同期が取れている必要がある。従って、複数の無線基地局が連携して行う処理においては、複数の無線基地局のそれぞれと無線端末との間の同期を取る手順が規定されている。
しかしながら、複数の無線基地局の間で既に同期が取れているケースも想定され、このようなケースでは、複数の無線基地局のそれぞれと無線端末との間の同期を取る手順が冗長である。
3GPP TR36.819 V11.1.0 (2011−12−22)
一実施形態に係る移動通信システムは、第1無線基地局及び第2無線基地局を含む複数の無線基地局を有するシステムである。前記複数の無線基地局のそれぞれは、前記無線基地局と無線端末との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して他の無線基地局に通知する通知部を備える。前記他の無線基地局は、前記同期情報に基づいて、前記無線端末との同期処理を省略可能であるか否かを判断する。前記第1無線基地局は、前記無線端末と同期が確立されている前記第1無線基地局から前記無線端末と同期が確立されていない前記第2無線基地局に対するハンドオーバ手順を行う場合に、前記無線端末に対して、識別子を通知する通知部を備える。前記識別子は、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局が協調して上りリンク信号を受信することが可能であるか否かを示す識別子と、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局が協調して下りリンク信号を送信することが可能であるか否かを示す識別子とのうちの少なくともいずれか一つを含む。
前記無線端末は、前記ハンドオーバ手順を行う場合に、前記無線端末と前記第2無線基地局との間の同期処理を省略する。
一実施形態に係る移動通信システムは、第1無線基地局及び第2無線基地局を有するシステムである。前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局は、自無線基地局と無線端末との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して他の無線基地局に通知する通知部を備える。前記第1無線基地局は、前記無線端末と同期が確立されている前記第1無線基地局から前記無線端末と同期が確立されていない前記第2無線基地局に対するハンドオーバ手順が行われた場合に、前記無線端末と前記第2無線基地局との間の同期処理を省略することが可能であるか否かを前記同期情報に基づいて判断する制御部を備える。
一実施形態に係る移動通信システムは、無線端末と通信を行う複数の無線基地局を有するシステムである。前記複数の無線基地局のそれぞれは、前記無線基地局と前記無線端末との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して他の無線基地局に通知する通知部と、2以上の無線基地局が協調して上りリンク信号を受信することが可能であるか否かを前記同期情報に基づいて判断する制御部と、を備える。
一実施形態に係る移動通信システムは、無線端末と通信を行う複数の無線基地局を有するシステムである。前記複数の無線基地局のそれぞれは、前記無線基地局と前記無線端末との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して他の無線基地局に通知する通知部と、2以上の無線基地局が協調して下りリンク信号を送信することが可能であるか否かを前記同期情報に基づいて判断する制御部と、を備える。
前記同期情報は、前記無線端末が上りリンク信号を送信するタイミングと前記無線基地局が上りリンク信号を受信するタイミングとの差異を示す情報、前記複数の無線基地局から前記無線端末が下りリンク信号を受信するタイミングの誤差を示す情報、前記複数の無線基地局に共通の絶対時間軸上の基準点と前記無線基地局に固有の固有時間軸上の基準点との差異を示す情報、前記無線基地局と前記無線端末との間の同期を取るための手順を示す情報のうち、少なくともいずれか1つを含む。
一実施形態に係る無線基地局は、他の無線基地局から、前記他の無線基地局と無線端末との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して受信する受信部と、前記同期情報に基づいて、前記無線端末との同期処理を省略可能であるか否かを判断する判断部と、自無線基地局から他の無線基地局に対するハンドオーバ手順を行う場合に、無線端末に対して、識別子を通知する通知部と、を備える。前記識別子は、自無線基地局及び前記他の無線基地局が協調して上りリンク信号を受信することが可能であるか否かを示す識別子と、自無線基地局及び前記他の無線基地局が協調して下りリンク信号を送信することが可能であるか否かを示す識別子との少なくともいずれか一つを含む。一実施形態に係る無線基地局は、他の無線基地局からバックホール・ネットワークを介して同期情報を受信する受信部と、無線端末と同期が確立されている自無線基地局から前記無線端末と同期が確立されていない前記他の無線基地局に対するハンドオーバ手順が行われた場合に、前記無線端末と前記他の無線基地局との間の同期処理を省略することが可能であるか否かを前記同期情報に基づいて判断する制御部と、を備える。前記同期情報は、前記他の無線基地局と前記無線端末との間の同期状態を特定するための情報である。一実施形態に係る無線基地局は、他の無線基地局からバックホール・ネットワークを介して同期情報を受信する受信部と、2以上の無線基地局が協調して上りリンク信号を受信することが可能であるか否かを前記同期情報に基づいて判断する制御部と、を備える。前記同期情報は、前記他の無線基地局と無線端末との間の同期状態を特定するための情報である。一実施形態に係る無線基地局は、他の無線基地局からバックホール・ネットワークを介して同期情報を受信する受信部と、2以上の無線基地局が協調して下りリンク信号を送信することが可能であるか否かを前記同期情報に基づいて判断する制御部と、を備える。前記同期情報は、前記他の無線基地局と無線端末との間の同期状態を特定するための情報である。
一実施形態に係る移動通信方法は、第1無線基地局及び第2無線基地局を含む複数の無線基地局を有する移動通信システムで用いる方法である。前記複数の無線基地局のそれぞれは、前記無線基地局と無線端末との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して他の無線基地局に通知する。前記他の無線基地局は、前記同期情報に基づいて、前記無線端末との同期処理を省略可能であるか否かを判断する。前記第1無線基地局は、前記無線端末と同期が確立されている前記第1無線基地局から前記無線端末と同期が確立されていない前記第2無線基地局に対するハンドオーバ手順を行う場合に、前記無線端末に対して、識別子を通知する。前記識別子は、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局が協調して上りリンク信号を受信することが可能であるか否かを示す識別子と、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局が協調して下りリンク信号を送信することが可能であるか否かを示す識別子とのうちの少なくともいずれか一つを含む。
図1は、第1実施形態に係る移動通信システム100を示す図である。 図2は、第1実施形態に係る無線フレームを示す図である。 図3は、第1実施形態に係る無線リソースを示す図である。 図4は、第1実施形態に係る適用ケースを示す図である。 図5は、第1実施形態に係る無線基地局410を示すブロック図である。 図6は、第1実施形態に係る同期情報を示す図である。 図7は、第1実施形態に係る移動通信システム100の動作を示すフロー図である。 図8は、第1実施形態に係る移動通信システム100の動作を示すフロー図である。 図9は、第1実施形態に係る移動通信システム100の動作を示すフロー図である。 図10は、第1実施形態に係る移動通信システム100の動作を示すシーケンス図である。 図11は、第1実施形態に係る移動通信システム100の動作を示すフロー図である。 図12は、変更例1に係る移動通信システム100の動作を示すフロー図である。 図13は、変更例1に係る同期情報のメッセージフォーマットを示す図である。 図14は、変更例2に係る移動通信システム100の動作を示すシーケンス図である。 図15は、変更例2に係る移動通信システム100の動作を示すシーケンス図である。 図16は、変更例2に係る識別子のメッセージフォーマット例を示す図である。 図17は、変更例2に係る判断基準のメッセージフォーマット例を示す図である。
発明の実施の形態
以下において、本発明の実施形態に係る移動通信システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[実施形態の概要]
実施形態に係る移動通信システムは、無線端末と通信を行う複数の無線基地局が設けられたシステムである。前記複数の無線基地局のそれぞれは、前記無線基地局と前記無線端末との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して他の無線基地局に通知する通知部を備える。
実施形態では、複数の無線基地局は、バックホール・ネットワークを介して同期情報を互いに通知することによって同期情報を共有する。従って、複数の無線基地局のそれぞれと無線端末との間の同期を取る手順を必要に応じて省略することができる。
[第1実施形態]
(移動通信システム)
以下において、第1実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係る移動通信システム100を示す図である。
図1に示すように、移動通信システム100は、無線端末10(以下、UE10)と、コアネットワーク50とを含む。また、移動通信システム100は、第1通信システムと第2通信システムとを含む。
第1通信システムは、例えば、LTE(Long Term Evolution)に対応する通信システムである。第1通信システムは、例えば、基地局110A(以下、MeNB110A)と、ホーム基地局110B(以下、HeNB110B)と、ホーム基地局ゲートウェイ120B(以下、HeNB−GW120B)と、MME130とを有する。
なお、第1通信システムに対応する無線アクセスネットワーク(E−UTRAN;Evoled Universal Terrestrial Radio Access Network)は、MeNB110A、HeNB110B及びHeNB−GW120Bによって構成される。
第2通信システムは、例えば、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)に対応する通信システムである。第2通信システムは、基地局210A(以下、MNB210A)と、ホーム基地局210B(以下、HNB210B)と、RNC220Aと、ホーム基地局ゲートウェイ220B(以下、HNB−GW220B)と、SGSN230とを有する。
なお、第2通信システムに対応する無線アクセスネットワーク(UTRAN;Universal Terrestrial Radio Access Network)は、MNB210A、HNB210B、RNC220A、HNB−GW220Bによって構成される。
UE10は、第2通信システム或いは第1通信システムと通信を行うように構成された装置(User Equipment)である。例えば、UE10は、MeNB110A及びHeNB110Bと無線通信を行う機能を有する。或いは、UE10は、MNB210A及びHNB210Bと無線通信を行う機能を有する。
MeNB110Aは、一般セル111Aを管理しており、一般セル111Aに存在するUE10と無線通信を行う装置(evolved NodeB)である。
HeNB110Bは、特定セル111Bを管理しており、特定セル111Bに存在するUE10と無線通信を行う装置(Home evolved NodeB)である。
HeNB−GW120Bは、HeNB110Bに接続されており、HeNB110Bを管理する装置(Home evolved NodeB Gateway)である。
MME130は、MeNB110Aと接続されており、MeNB110Aと無線接続を設定しているUE10の移動性を管理する装置(Mobility Management Entity)である。また、MME130は、HeNB−GW120Bを介してHeNB110Bと接続されており、HeNB110Bと無線接続を設定しているUE10の移動性を管理する装置である。
MNB210Aは、一般セル211Aを管理しており、一般セル211Aに存在するUE10と無線通信を行う装置(NodeB)である。
HNB210Bは、特定セル211Bを管理しており、特定セル211Bに存在するUE10と無線通信を行う装置(Home NodeB)である。
RNC220Aは、MNB210Aに接続されており、一般セル211Aに存在するUE10と無線接続(RRC Connection)を設定する装置(Radio Network Controller)である。
HNB−GW220Bは、HNB210Bに接続されており、特定セル211Bに存在するUE10と無線接続(RRC Connection)を設定する装置(Home NodeB Gateway)である。
SGSN230は、パケット交換ドメインにおいてパケット交換を行う装置(Serving GPRS Support Node)である。SGSN230は、コアネットワーク50に設けられる。図1では省略しているが、回線交換ドメインにおいて回線交換を行う装置(MSC;Mobile Switching Center)がコアネットワーク50に設けられていてもよい。
なお、一般セル及び特定セルは、UE10と無線通信を行う機能として理解すべきである。但し、一般セル及び特定セルは、セルのカバーエリアを示す用語としても用いられる。また、一般セル及び特定セルなどのセルは、セルで用いられる周波数、拡散コード又はタイムスロットなどによって識別される。
ここで、一般セルのカバーエリアは、特定セルのカバーエリアよりも広い。一般セルは、例えば、通信事業者によって提供されるマクロセルである。特定セルは、例えば、通信事業者以外の第三者によって提供されるフェムトセル又はホームセルである。但し、特定セルは、通信事業者によって提供されるCSG(Closed Subscriber Group)セル又はピコセルであってもよい。
なお、以下においては、第1通信システムについて主として説明する。但し、以下の記載が第2通信システムに適用されてもよい。
ここで、第1通信システムでは、下りリンクの多重方式として、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式が用いられており、上りリンクの多重方式として、SC−FDMA(Single−Carrier Frequency Division Multiple Access)方式が用いられる。
また、第1通信システムでは、上りリンクのチャネルとして、上りリンク制御チャネル(PUCCH;Physical Uplink Control Channel)及び上りリンク共有チャネル(PUSCH;Physical Uplink Shared Channel)などが存在する。また、下りリンクのチャネルとして、下りリンク制御チャネル(PDCCH;Physical Downlink Control Channel)及び下りリンク共有チャネル(PDSCH;Physical Downlink Shared Channel)などが存在する。
上りリンク制御チャネルは、制御信号を搬送するチャネルである。制御信号は、例えば、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indicator)、SR(Scheduling Request)、ACK/NACKなどである。
CQIは、下りリンクの伝送に使用すべき推奨変調方式と符号化速度を通知する信号である。PMIは、下りリンクの伝送の為に使用することが望ましいプリコーダマトリックスを示す信号である。RIは、下りリンクの伝送に使用すべきレイヤ数(ストリーム数)を示す信号である。SRは、上りリンク無線リソース(後述するリソースブロック)の割当てを要求する信号である。ACK/NACKは、下りリンクのチャネル(例えば、PDSCH)を介して送信される信号を受信できたか否かを示す信号である。
上りリンク共有チャネルは、制御信号(上述した制御信号を含む)又は/及びデータ信号を搬送するチャネルである。例えば、上りリンク無線リソースは、データ信号にのみ割当てられてもよく、データ信号及び制御信号が多重されるように割当てられてもよい。
下りリンク制御チャネルは、制御信号を搬送するチャネルである。制御信号は、例えば、Uplink SI(Scheduling Information)、Downlink SI(Scheduling Information)、TPCビットである。
Uplink SIは、上りリンク無線リソースの割当てを示す信号である。Downlink SIは、下りリンク無線リソースの割当てを示す信号である。TPCビットは、上りリンクのチャネルを介して送信される信号の電力の増減を指示する信号である。
下りリンク共有チャネルは、制御信号又は/及びデータ信号を搬送するチャネルである。例えば、下りリンク無線リソースは、データ信号にのみ割当てられてもよく、データ信号及び制御信号が多重されるように割当てられてもよい。
なお、下りリンク共有チャネルを介して送信される制御信号としては、TA(Timing Advance)が挙げられる。TAは、UE10とMeNB110Aとの間の送信タイミング補正情報であり、UE10から送信される上りリンク信号に基づいてMeNB110Aによって測定される。
また、下りリンク制御チャネル(PDCCH)、下りリンク共有チャネル(PDSCH)以外のチャネルを介して送信される制御信号としては、ACK/NACKが挙げられる。ACK/NACKは、上りリンクのチャネル(例えば、PUSCH)を介して送信される信号を受信できたか否かを示す信号である。
なお、一般セル及び特定セルは、報知チャネル(BCCH;Broadcast Control Channel)を介して報知情報を報知する。報知情報は、例えば、MIB(Master Information Block)やSIB(System Information Block)などの情報である。
(無線フレーム)
以下において、第1通信システムにおける無線フレームについて説明する。図2は、第1通信システムにおける無線フレームを示す図である。
図2に示すように、1つの無線フレームは、10のサブフレームによって構成されており、1つのサブフレームは、2つのスロットによって構成される。1つのスロットの時間長は、0.5msecであり、1つのサブフレームの時間長は、1msecであり、1つの無線フレームの時間長は、10msecである。
なお、1つのスロットは、下りリンクにおいて、複数のOFDMシンボル(例えば、6つのOFDMシンボル或いは7つのOFDMシンボル)によって構成される。同様に、1つのスロットは、上りリンクにおいて、複数のSC−FDMAシンボル(例えば、6つのSC−FDMAシンボル或いは7つのSC−FDMAシンボル)によって構成される。
(無線リソース)
以下において、第1通信システムにおける無線リソースについて説明する。図3は、第1通信システムにおける無線リソースを示す図である。
図3に示すように、無線リソースは、周波数軸及び時間軸によって定義される。周波数は、複数のサブキャリアによって構成されており、所定数のサブキャリア(12のサブキャリア)を纏めてリソースブロック(RB:Resource Block)と称する。時間は、上述したように、OFDMシンボル(又は、SC−FDMAシンボル)、スロット、サブフレーム、無線フレームなどの単位を有する。
ここで、無線リソースは、1リソースブロック毎に割当て可能である。また、周波数軸及び時間軸上において、複数のユーザ(例えば、ユーザ#1〜ユーザ#5)に対して分割して無線リソースを割当てることが可能である。
また、無線リソースは、MeNB110Aによって割当てられる。無線リソースは、CQI、PMI、RIなどに基づいて、各UE10に割当てられる。
(適用シーン)
以下において、第1実施形態に係る適用シーンについて説明する。図4は、第1実施形態に係る適用シーンを説明するための図である。図4では、無線基地局の一例として、MeNB110A及びリレーノード310Aを例示する。リレーノード310Aは、MeNB110Aに接続されており、無線基地局の機能を有する。但し、無線基地局は、MNB210Aであってもよく、HNB210Bであってもよい。
図4に示すように、各無線基地局は、バックホール・ネットワーク経由を経由して、互いに接続されている。ここでは、MeNB110Aと上位ノード(ここでは、MME130)との間のインタフェースをS1インタフェースと称する。複数のMeNB110Aを直接的に接続するインタフェースをX2インタフェースと称する。MeNB110Aとリレーノード310Aとを接続するインタフェースをUnインタフェースと称する。ここでは、S1インタフェース、X2インタフェース及びUnインタフェースを総称して、バックホール・ネットワークと称する。
このようなケースにおいて、複数の無線基地局は、互いに連携して処理を行う。複数の無線基地局が連携して行う処理としては、ハンドオーバ、協調受信処理、協調送信処理などが考えられる。協調受信処理及び協調送信処理は、CoMP(Coordinated Multi−Point Operation)などと称される。
第1実施形態において、複数の無線基地局のそれぞれは、無線基地局とUE10との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して他の無線基地局に通知する。
第1実施形態において、同期情報は、“Sync Method”、“Sub−frame Time Offset”、“Sub−frame No. Offset”、“Timing Advance Offset”である。同期情報の詳細については後述する(図6を参照)。
(無線基地局)
以下において、第1実施形態に係る無線基地局について説明する。図5は、第1実施形態に係る無線基地局410を示すブロック図である。無線基地局410は、MeNB110Aであってもよく、HeNB110Bであってもよい。或いは、無線基地局410は、リレーノード310Aであってもよい。或いは、無線基地局410は、MNB210Aであってもよく、HNB210Bであってもよい。
図5に示すように、無線基地局410は、受信部413と、送信部414と、インタフェース415と、制御部416とを有する。
受信部413は、無線基地局410によって管理されるセルと接続されたUE10から上りリンク信号を受信する。受信部413は、例えば、上りリンク共有チャネル(PUSCH)を介して上りリンク信号を受信する。
送信部414は、無線基地局410によって管理されるセルと接続されたUE10に下りリンク信号を送信する。送信部414は、例えば、無線基地局410によって割当てられた無線リソース(スケジューリング情報)を送信する。
インタフェース415は、バックホール・ネットワーク経由で他の無線基地局と通信を行うインタフェースである。インタフェース415は、無線基地局同士を直接的に接続するX2インタフェースである。或いは、インタフェース415は、無線基地局同士を上位ノード(例えば、MME130)経由で接続するS1インタフェースである。
第1実施形態において、インタフェース415は、無線基地局とUE10との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して他の無線基地局に通知する通知部を構成する。
インタフェース415は、複数の無線基地局間で共有している同期情報が更新された場合に、他の無線基地局に同期情報を通知してもよい。或いは、インタフェース415は、所定周期で他の無線基地局に同期情報を通知してもよい。
第1実施形態において、同期情報は、図6に示すように、“Sync Method”、“Sub−frame Time Offset”、“Sub−frame No. Offset”、“Timing Advance Offset”である。
“Sync Method”は、無線基地局とUE10との間の同期を取るための手順を示す値である。例えば、“Sync Method”は、複数の無線基地局に共通の絶対時間の同期方法の種別を示している。このような同期方法としては、GPSを利用する方法、IEEE1588を利用する方法などが考えられる。
“Sub−frame Time Offset”は、複数の無線基地局に共通の絶対時間軸上の基準点(以下、絶対時間基準点)と無線基地局410に固有の固有時間軸上の基準点(サブフレーム基準点)との補正値である。“Sub−frame Time Offset”は、例えば、絶対基準点“0”とサブフレーム基準点“0”との差異(相対値)を示しており、マイクロ秒単位で設定される値である。
“Sub−frame No. Offset”は、複数の無線基地局に共通の絶対時間軸上の基準点(絶対時間基準点)と無線基地局410に固有の固有時間軸上の基準点(サブフレーム番号基準点)との補正値である。“Sub−frame Time Offset”は、例えば、絶対基準点“0”とサブフレーム番号基準点“0”との差異(相対値)を示しており、マイクロ秒単位で設定される値である。
“Timing Advance Offset”は、UE10が上りリンク信号を送信するタイミングと無線基地局410が上りリンク信号を受信するタイミングとの差異を示す情報(TA;Timing Advance)である。“Timing Advance Offset”は、例えば、マイクロ秒単位で設定される値である。
制御部416は、無線基地局410の動作を制御する。制御部416は、例えば、複数の無線基地局のそれぞれとUE10との間の同期を取る手順を省略可能であるか否かを判断する。
第1実施形態において、制御部416は、他の無線基地局から通知された同期情報に基づいて、無線基地局410(自局)と他の無線基地局との間で、UE10に対する同期誤差がどの程度であるかを判断する。
例えば、制御部416は、無線基地局410(自局)の“Sub−frame No. Offset”と他の無線基地局の“Sub−frame No. Offset”との誤差(以下、下りリンクサブフレーム番号誤差)が閾値Tdsnを超えているか否かを判断する。閾値Tdsnは、下りリンクサブフレーム番号誤差について許容可能な閾値である。
或いは、制御部416は、無線基地局410(自局)の“Sub−frame Time Offset”と他の無線基地局の“Sub−frame Time Offset”との誤差(以下、下りリンクサブフレーム時間誤差)が閾値Tdstを超えているか否かを判断する。閾値Tdstは、下りリンクサブフレーム時間誤差について許容可能な閾値である。
或いは、制御部416は、無線基地局410(自局)の“Timing Advance Offset”と他の無線基地局の“Timing Advance Offset”との誤差(上りリンクタイミング誤差)が閾値Tutを超えているか否かを判断する。閾値Tutは、上りリンクタイミング誤差について許容可能な閾値である。
具体的には、制御部416は、下りリンクサブフレーム番号誤差が閾値Tdsnを超えている場合には、無線基地局とUE10との間の同期を取る手順を通常通りに行うことが必要であると判断する(通常制御モード)。
制御部416は、下りリンクサブフレーム番号誤差が閾値Tdsn未満であり、下りリンクサブフレーム時間誤差が閾値Tdstを超えている場合には、無線基地局とUE10との間の同期を取る手順のうち、サブフレーム同期手順を省略可能であると判断する(制御モードA)。制御モードAでは、例えば、UE10と同期が確立されている無線基地局(ソース無線基地局)からUE10と同期が確立されていない無線基地局(ターゲット無線基地局)に対するハンドオーバ手順において、ターゲット無線基地局とUE10との間のサブフレーム同期手順(Primary−Synchronization Signal、Secondary−Synchronization Signalを用いる同期手順)が省略される。或いは、制御モードAでは、例えば、協調送信処理(送信CoMP)において、DPS(Dynamic Point selection)、CS/CB(Coordinated Scheduling/Coordinated Beamforming)を行うためのサブフレーム同期手順が省略される。
制御部416は、下りリンクサブフレーム番号誤差が閾値Tdsn未満であり、かつ、下りリンクサブフレーム時間誤差が閾値Tdst未満である場合には、無線基地局とUE10との間の同期を取る手順のうち、シンボル同期手順を省略可能であると判断する(制御モードB)。制御モードBでは、例えば、UE10と同期が確立されている無線基地局(ソース無線基地局)からUE10と同期が確立されていない無線基地局(ターゲット無線基地局)に対するハンドオーバ手順において、ターゲット無線基地局とUE10との間のシンボル同期手順(Reference Signalを用いる同期手順)が省略される。或いは、制御モードBでは、協調送信処理(送信CoMP)において、JT(Joint Transmission)を行うためのシンボル同期手順が省略される。
制御部416は、上りリンクタイミング誤差が閾値Tut未満である場合には、無線基地局とUE10との間の同期を取る手順のうち、上りリンクの同期手順を省略可能であると判断する(制御モードC)。制御モードCでは、例えば、UE10と同期が確立されている無線基地局(ソース無線基地局)からUE10と同期が確立されていない無線基地局(ターゲット無線基地局)に対するハンドオーバ手順において、ターゲット無線基地局とUE10との間の上りリンクの同期手順(PRACHを用いるTAの設定手順)が省略される。或いは、制御モードCでは、例えば、協調受信処理(受信CoMP)において、多地点協調受信を行うための上りリンクの同期手順が省略される。
(移動通信システムの動作)
以下において、第1実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。図7〜図11は、第1実施形態に係る移動通信システム100の動作を示す図である。
第1に、下りリンクサブフレーム番号誤差の算出について、図7を参照しながら説明する。
図7に示すように、ステップ11において、無線基地局410は、無線基地局410(自局)の同期情報(ここでは、“Sub−frame No. Offset”及び“Sync Method”)を読み出す。
ステップ12において、無線基地局410は、他の無線基地局の同期情報(ここでは、“Sub−frame No. Offset”及び“Sync Method”)を読み出す。
ステップ13において、無線基地局410は、無線基地局410(自局)の“Sync Method”及び他の無線基地局の“Sync Method”との比較によって、絶対時間軸上の基準点の誤差を算出する。
ステップ14において、無線基地局410は、無線基地局410(自局)の“Sub−frame No. Offset”及び他の無線基地局の“Sub−frame No. Offset”を絶対時間軸上の基準点の誤差によって補正して、補正された値の比較によって、下りリンクサブフレーム番号誤差を算出する。
第2に、下りリンクサブフレーム時間誤差の算出について、図8を参照しながら説明する。
図8に示すように、ステップ21において、無線基地局410は、下りリンクサブフレーム番号誤差を算出済みであるか否かを判断する。無線基地局410は、判断結果が”YES”である場合には、ステップ22の処理に移る。一方で、無線基地局410は、判断結果が”NO”である場合には、一連の処理を終了する。
ステップ22において、無線基地局410は、下りリンクサブフレーム番号誤差を読み出す。
ステップ23において、無線基地局410は、無線基地局410(自局)の同期情報(ここでは、“Sub−frame Time Offset”)を読み出す。
ステップ24において、無線基地局410は、他の無線基地局の同期情報(ここでは、“Sub−frame Time Offset”)を読み出す。
ステップ25において、無線基地局410は、無線基地局410(自局)の“Sub−frame Time Offset”及び他の無線基地局の“Sub−frame Time Offset”をステップ13で算出された絶対時間軸上の基準点の誤差によって補正して、補正された値の比較によって、下りリンクサブフレーム時間誤差を算出する。
第3に、上りリンクタイミング誤差の算出について、図9を参照しながら説明する。
図9に示すように、ステップ31において、無線基地局410は、下りリンクサブフレーム番号誤差を算出済みであるか否かを判断する。無線基地局410は、判断結果が”YES”である場合には、ステップ32の処理に移る。一方で、無線基地局410は、判断結果が”NO”である場合には、一連の処理を終了する。
ステップ32において、無線基地局410は、下りリンクサブフレーム番号誤差を読み出す。
ステップ33において、無線基地局410は、無線基地局410(自局)の同期情報(ここでは、“Timing Advance Offset”)を読み出す。
ステップ34において、無線基地局410は、他の無線基地局の同期情報(ここでは、“Timing Advance Offset”)を読み出す。
ステップ35において、無線基地局410は、無線基地局410(自局)の“Timing Advance Offset”及び他の無線基地局の“Timing Advance Offset”をステップ13で算出された絶対時間軸上の基準点の誤差によって補正して、補正された値の比較によって、上りリンクタイミング誤差を算出する。
第4に、同期情報の通知について、図10を参照しながら説明する。図10では、無線基地局として、eNB1〜eNBnが設けられており、eNB1が同期情報を取得するケースについて例示する。
図10に示すように、ステップ41において、eNB1は、eNB2〜eNBnに対して、同期情報の通知を要求する信号(同期情報要求)を送信する。ステップ42において、eNB2〜eNBnは、同期情報をeNB1に通知する。
ここで、同期情報は、上述したように、例えば、“Sync Method”、“Sub−frame Time Offset”、“Sub−frame No. Offset”、“Timing Advance Offset”である。
第5に、同期情報を用いた制御モードの選択について、図11を参照しながら説明する。
図11に示すように、ステップ51において、無線基地局410は、無線基地局410(自局)と他の無線基地局との間の誤差情報を読み出す。誤差情報は、下りリンクサブフレーム番号誤差、下りリンクサブフレーム時間誤差、上りリンクタイミング誤差である。
ステップ52において、無線基地局410は、下りリンクサブフレーム番号誤差が閾値Tdsn以下であるか否かを判断する。無線基地局410は、下りリンクサブフレーム番号誤差が閾値Tdsnを超えている場合に、すなわち、判断結果が”NO”である場合には、ステップ55の処理に移る。一方で、無線基地局410は、下りリンクサブフレーム番号誤差が閾値Tdsn以下である場合に、すなわち、判断結果が”YES”である場合には、ステップ53の処理に移る。
ステップ53において、無線基地局410は、下りリンクサブフレーム時間誤差が閾値Tdst以下であるか否かを判断する。無線基地局410は、下りリンクサブフレーム時間誤差が閾値Tdstを超えている場合に、すなわち、判断結果が”NO”である場合には、ステップ56の処理に移る。一方で、無線基地局410は、下りリンクサブフレーム時間誤差が閾値Tdst以下である場合に、すなわち、判断結果が”YES”である場合には、ステップ54の処理に移る。
ステップ54において、無線基地局410は、上りリンクタイミング誤差が閾値Tut以下であるか否かを判断する。無線基地局410は、上りリンクタイミング誤差が閾値Tutを超えている場合に、すなわち、判断結果が”NO”である場合には、ステップ57の処理に移る。一方で、無線基地局410は、上りリンクタイミング誤差が閾値Tut以下である場合に、すなわち、判断結果が”YES”である場合には、ステップ58の処理に移る。
ステップ55において、無線基地局410は、下りリンクサブフレーム番号誤差が閾値Tdsnを超えているため、無線基地局とUE10との間の同期を取る手順を通常通りに行うことが必要であると判断する(通常制御モード)。
ステップ56において、無線基地局410は、下りリンクサブフレーム番号誤差が閾値Tdsn未満であり、下りリンクサブフレーム時間誤差が閾値Tdstを超えているため、制御モードAを行う。制御モードAでは、例えば、ハンドオーバ手順において、ターゲット無線基地局とUE10との間のサブフレーム同期手順(Primary−Synchronization Signal、Secondary−Synchronization Signalを用いる同期手順)が省略される。或いは、制御モードAでは、例えば、協調送信処理(送信CoMP)において、DPS(Dynamic Point selection)、CS/CB(Coordinated Scheduling/Coordinated Beamforming)を行うためのサブフレーム同期手順が省略される。
ステップ57において、無線基地局410は、下りリンクサブフレーム番号誤差が閾値Tdsn未満であり、かつ、下りリンクサブフレーム時間誤差が閾値Tdst未満であるため、制御モードBを行う。制御モードBでは、例えば、ハンドオーバ手順において、ターゲット無線基地局とUE10との間のシンボル同期手順(Reference Signalを用いる同期手順)が省略される。或いは、制御モードBでは、協調送信処理(送信CoMP)において、JT(Joint Transmission)を行うためのシンボル同期手順が省略される。
ステップ58において、無線基地局410は、上りリンクタイミング誤差が閾値Tut未満であるため、制御モードCを行う。制御モードCでは、例えば、ハンドオーバ手順において、ターゲット無線基地局とUE10との間の上りリンクの同期手順(PRACHを用いるTAの設定手順)が省略される。或いは、制御モードCでは、例えば、協調受信処理(受信CoMP)において、多地点協調受信を行うための上りリンクの同期手順が省略される。
図11では、ステップ52〜ステップ53の順で判断を行ったが、これに限定されるものではない。具体的には、上りリンクの同期手順を省略するか否かは、下りリンクの同期手順を省略するか否かとは独立して判断されてもよい。
(作用及び効果)
第1実施形態では、複数の無線基地局は、バックホール・ネットワークを介して同期情報を互いに通知することによって同期情報を共有する。従って、複数の無線基地局のそれぞれと無線端末との間の同期を取る手順を必要に応じて省略することができる。
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する差異について主として説明する。
具体的には、第1実施形態では、同期情報は、“Sync Method”、“Sub−frame Time Offset”、“Sub−frame No. Offset”、“Timing Advance Offset”である。
これに対して、変更例1では、同期情報は、“DL Timing Offset”である。“DL Timing Offset”は、複数の無線基地局からUE10が下りリンク信号を受信するタイミングの誤差(以下、下りリンクタイミング誤差)を示す情報である。
具体的には、複数の無線基地局としてeNB1及びeNB2が設けられているケースについて、図12を参照しながら説明する。
図12に示すように、ステップ61において、UE10は、eNB1から受信する同期信号及び参照信号に基づいて、eNB1と同期を検出/確立する。同様に、ステップ62において、UE10は、eNB2から受信する同期信号及び参照信号に基づいて、eNB2と同期を検出/確立する。続いて、ステップ63において、UE10は、UE10のクロック信号に基づいて、eNB1から下りリンク信号を受信するタイミングとeNB2から下りリンク信号を受信するタイミングとの誤差(下りリンクタイミング誤差)を算出する。
ここで、UE10は、eNB1及びeNB2に下りリンクタイミング誤差を報告する。例えば、UE10は、図13に示すフォーマットによって、下りリンクタイミング誤差を“DL Timing Offset”として、eNB1及びeNB2に報告する。例えば、UE10は、受信品質を報告するメッセージ(Measurement Report)に“DL Timing Offset”を含めてもよい。
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する差異について主として説明する。
具体的には、第1実施形態では、同期情報は、“Sync Method”、“Sub−frame Time Offset”、“Sub−frame No. Offset”、“Timing Advance Offset”である。
これに対して、変更例2では、同期情報は、下りリンクタイミング誤差、上りリンクタイミング誤差、CoMPを実施しているか否かを示す情報である。
具体的には、変更例2では、UE10と同期が確立されている無線基地局(以下、第1無線基地局又はソース無線基地局)からUE10と同期が確立されていない無線基地局(以下、第2無線基地局又はターゲット無線基地局)に対するハンドオーバ手順について主として説明する。
下りリンクタイミング誤差は、第1無線基地局から送信される下りリンク信号をUE10が受信するタイミングと第2無線基地局から送信される下りリンク信号をUE10が受信するタイミングとの誤差である。下りタイミング誤差は、例えば、変更例1に記載した手順によって取得可能である。
上りリンクタイミング誤差は、UE10から送信される上りリンク信号を第1無線基地局が受信するタイミングとUE10から送信される上りリンク信号を第2無線基地局が受信するタイミングとの誤差である。上りリンクタイミング誤差は、例えば、第1実施形態に記載した手順で取得可能である。
CoMPを実施しているか否かを示す情報は、第1無線基地局及び第2無線基地局が協調送信処理又は協調受信処理を行っているか否かを示す情報である。
変更例2において、第1無線基地局は、下りリンクタイミング誤差が許容範囲内であり、かつ、上りリンクタイミング誤差が許容範囲内である場合には、ハンドオーバ手順において、UE10と第2無線基地局との間の同期処理を省略する。具体的には、第1無線基地局は、UE10に対して、UE10と第2無線基地局との間の同期処理を省略すべきことを示す識別子を送信する。このような識別子は、例えば、第1無線基地局からUE10に送信されるハンドオーバコマンドに含まれることが好ましい。
第1無線基地局は、第1無線基地局及び第2無線基地局が協調送信処理及び協調受信処理を行っている場合に、ハンドオーバ手順において、UE10と第2無線基地局との間の同期処理を省略するとともに、ソフトハンドオーバを許可する。具体的には、第1無線基地局は、UE10に対して、UE10と第2無線基地局との間の同期処理を省略して、ソフトハンドオーバを許可することを示す識別子を送信する。このような識別子は、例えば、第1無線基地局からUE10に送信されるハンドオーバコマンドに含まれることが好ましい。
なお、協調送信処理及び協調受信処理を利用するソフトハンドオーバについては、従来のソフトハンドオーバと区別するために、CoMPソフトハンドオーバと称する。特に、無線基地局が非同期である場合には、従来のソフトハンドオーバを行うことができないことに留意すべきである。
(移動通信システムの動作)
以下において、変更例2に係る移動通信システムの動作について説明する。図14〜図15は、変更例2に係る移動通信システム100の動作を示す図である。
第1に、UE10と第2無線基地局との間の同期処理を省略する手順について、図14を参照しながら説明する。
図14に示すように、ステップ81において、UE10は、第1無線基地局(Source eNB)に対して、受信品質を報告するメッセージ(Measurement Report)を送信する。
ステップ82において、第1無線基地局(Source eNB)は、ハンドオーバを行うか否かを判断する。また、第1無線基地局(Source eNB)は、下りリンクタイミング誤差が許容範囲内であり、かつ、上りリンクタイミング誤差が許容範囲内である場合には、ハンドオーバ手順において、UE10と第2無線基地局との間の同期処理を省略すると判断する。
ここでは、ハンドオーバを行うと判断するとともに、同期処理を省略すると第1無線基地局(Source eNB)が判断したものとして説明を続ける。
ステップ83において、第1無線基地局(Source eNB)は、第2無線基地局(Target eNB)に対して、ハンドオーバリクエストとともに、UE10と第2無線基地局との間の同期処理を省略すべきことを示す識別子(図16に示す”HO Synchronization Disable”)を送信する。
ステップ84において、第2無線基地局(Target eNB)は、第1無線基地局(Source eNB)に対して、ハンドオーバリクエスト応答を送信する。
ステップ85において、第1無線基地局(Source eNB)は、UE10に対して、ハンドオーバコマンドとともに、UE10と第2無線基地局との間の同期処理を省略すべきことを示す識別子(図16に示す”HO Synchronization Disable”)を送信する。
ステップ86において、UE10は、第1無線基地局(Source eNB)と接続されたコネクティッド状態からアイドル状態に遷移する。
ステップ87において、UE10は、第2無線基地局(Target eNB)とUE10との間の同期処理を省略する。
ステップ88において、第2無線基地局(Target eNB)は、UE10に対して、上りリンクの割り当て情報(UL Allocation)とともに、TA(Timing Advance)を送信する。但し、第2無線基地局(Target eNB)は、UE10に対して、TAを送信しなくてもよい。
ステップ89において、UE10は、ハンドオーバ確認を第2無線基地局(Target eNB)に送信する。
ステップ90において、UE10は、アイドル状態から第2無線基地局(Target eNB)と接続されたコネクティッド状態に遷移する。
ステップ91において、UE10は、ユーザデータを第2無線基地局(Target eNB)に送信し、ユーザデータを第2無線基地局(Target eNB)から受信する。
第2に、UE10と第2無線基地局との間の同期処理を省略するとともに、CoMPソフトハンドオーバを許可する手順について、図15を参照しながら説明する。ここで、図15においては、図14と同様の処理について、同様のステップ番号を付している。図14と同様の処理の説明については省略する。
図15に示すように、ステップ82Xにおいて、第1無線基地局(Source eNB)は、ハンドオーバを行うか否かを判断する。また、第1無線基地局(Source eNB)は、第1無線基地局及び第2無線基地局が協調送信処理及び協調受信処理を行っている場合には、ハンドオーバ手順において、UE10と第2無線基地局との間の同期処理を省略するとともに、CoMPソフトハンドオーバを許可すると判断する。
ここでは、ハンドオーバを行うと判断するとともに、同期処理を省略し、CoMPソフトハンドオーバを許可すると第1無線基地局(Source eNB)が判断したものとして説明を続ける。
ステップ83Xにおいて、第1無線基地局(Source eNB)は、第2無線基地局(Target eNB)に対して、ハンドオーバリクエストとともに、UE10と第2無線基地局との間の同期処理を省略して、CoMPソフトハンドオーバを許可すべきことを示す識別子(図16に示す”Soft Handover Enable”)を送信する。
ステップ85Xにおいて、第1無線基地局(Source eNB)は、UE10に対して、ハンドオーバコマンドとともに、UE10と第2無線基地局との間の同期処理を省略して、CoMPソフトハンドオーバを許可すべきことを示す識別子(図16に示す”Soft Handover Enable”)を送信する。
ステップ86Xにおいて、UE10は、アイドル状態に遷移せずに、第1無線基地局(Source eNB)と接続されたコネクティッド状態を維持する。
ステップ89Xにおいて、第1無線基地局(Source eNB)は、ハンドオーバ確認を第2無線基地局(Target eNB)に送信する。図14に示す例では、ハンドオーバ確認をUE10が送信することに留意すべきである。また、UE10は、ハンドオーバ確認を第2無線基地局(Target eNB)に送信してもよい。
上述した説明では特に触れていないが、同期処理を省略するか否かを判断するための許容範囲を示す閾値は、第2無線基地局(Target eNB)から第1無線基地局(Source eNB)に送信される。また、CoMPソフトハンドオーバを許可するか否かを示すポリシーは、第2無線基地局(Target eNB)から第1無線基地局(Source eNB)に通知される。
例えば、同期処理を省略するか否かを判断するための許容範囲を示す閾値は、図17に示すように、“DL Timing Offset Threshold”及び“UL Timing Offset Threshold”のフォーマットにて、第2無線基地局(Target eNB)から第1無線基地局(Source eNB)に通知される。同様に、CoMPソフトハンドオーバを許可するか否かを示すポリシーは、図17に示すように、”CoMP HO Criterion”のフォーマットにて、第2無線基地局(Target eNB)から第1無線基地局(Source eNB)に通知される。
変更例2では、同期処理を省略するか否かを判断する主体が第1無線基地局(Source eNB)であるが、実施形態はこれに限定されるものではない。具体的には、同期処理を省略するか否かを判断する主体は、UE10であってもよい。
同様に、変更例2では、CoMPソフトハンドオーバを許可するか否かを判断する主体が第1無線基地局(Source eNB)であるが、実施形態はこれに限定されるものではない。具体的には、CoMPソフトハンドオーバを許可するか否かを判断する主体は、UE10であってもよい。
このようなケースでは、図17に示すフォーマットは、第1無線基地局(Source eNB)からUE10に通知されることが好ましい。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
なお、米国仮出願第61/612546号(2012年3月19日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
以上のように、本発明に係る移動通信システム、無線基地局及び移動通信方法によれば、複数の無線基地局のそれぞれと無線端末との間の同期を取る手順を必要に応じて省略することができるため、移動通信分野において有用である。

Claims (11)

  1. 第1無線基地局及び第2無線基地局を含む複数の無線基地局を有する移動通信システムであって、
    前記複数の無線基地局のそれぞれは、前記無線基地局と無線端末との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して他の無線基地局に通知する通知部を備え、
    前記他の無線基地局は、前記同期情報に基づいて、前記無線端末との同期処理を省略可能であるか否かを判断し、
    前記第1無線基地局は、前記無線端末と同期が確立されている前記第1無線基地局から前記無線端末と同期が確立されていない前記第2無線基地局に対するハンドオーバ手順を行う場合に、前記無線端末に対して、識別子を通知する通知部を備え、
    前記識別子は、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局が協調して上りリンク信号を受信することが可能であるか否かを示す識別子と、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局が協調して下りリンク信号を送信することが可能であるか否かを示す識別子とのうちの少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする移動通信システム。
  2. 前記無線端末は、前記ハンドオーバ手順を行う場合に、前記無線端末と前記第2無線基地局との間の同期処理を省略することを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  3. 第1無線基地局及び第2無線基地局を有する移動通信システムであって、
    前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局は、自無線基地局と無線端末との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して他の無線基地局に通知する通知部を備え、
    前記第1無線基地局は、前記無線端末と同期が確立されている前記第1無線基地局から前記無線端末と同期が確立されていない前記第2無線基地局に対するハンドオーバ手順が行われた場合に、前記無線端末と前記第2無線基地局との間の同期処理を省略することが可能であるか否かを前記同期情報に基づいて判断する制御部を備えることを特徴とする移動通信システム。
  4. 無線端末と通信を行う複数の無線基地局を有する移動通信システムであって、
    前記複数の無線基地局のそれぞれは、
    前記無線基地局と前記無線端末との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して他の無線基地局に通知する通知部と、
    2以上の無線基地局が協調して上りリンク信号を受信することが可能であるか否かを
    前記同期情報に基づいて判断する制御部と、を備えることを特徴とする移動通信システム。
  5. 無線端末と通信を行う複数の無線基地局を有する移動通信システムであって、
    前記複数の無線基地局のそれぞれは、
    前記無線基地局と前記無線端末との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して他の無線基地局に通知する通知部と、
    2以上の無線基地局が協調して下りリンク信号を送信することが可能であるか否かを前記同期情報に基づいて判断する制御部と、を備えることを特徴とする移動通信システム。
  6. 前記同期情報は、前記無線端末が上りリンク信号を送信するタイミングと前記無線基地局が上りリンク信号を受信するタイミングとの差異を示す情報、前記複数の無線基地局から前記無線端末が下りリンク信号を受信するタイミングの誤差を示す情報、前記複数の無線基地局に共通の絶対時間軸上の基準点と前記無線基地局に固有の固有時間軸上の基準点との差異を示す情報、前記無線基地局と前記無線端末との間の同期を取るための手順を示す情報のうち、少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  7. 他の無線基地局から、前記他の無線基地局と無線端末との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して受信する受信部と、
    前記同期情報に基づいて、前記無線端末との同期処理を省略可能であるか否かを判断する判断部と、
    自無線基地局から他の無線基地局に対するハンドオーバ手順を行う場合に、前記無線端末に対して、識別子を通知する通知部と、を備え、
    前記識別子は、自無線基地局及び前記他の無線基地局が協調して上りリンク信号を受信することが可能であるか否かを示す識別子と、自無線基地局及び前記他の無線基地局が協調して下りリンク信号を送信することが可能であるか否かを示す識別子とのうちの少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする無線基地局。
  8. 第1無線基地局及び第2無線基地局を含む複数の無線基地局を有する移動通信システムで用いる移動通信方法であって、
    前記複数の無線基地局のそれぞれは、前記無線基地局と無線端末との間の同期状態を特定するための同期情報を、バックホール・ネットワークを介して他の無線基地局に通知し、
    前記他の無線基地局は、前記同期情報に基づいて、前記無線端末との同期処理を省略可能であるか否かを判断し、
    前記第1無線基地局は、前記無線端末と同期が確立されている前記第1無線基地局から前記無線端末と同期が確立されていない前記第2無線基地局に対するハンドオーバ手順を行う場合に、前記無線端末に対して、識別子を通知し、
    前記識別子は、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局が協調して上りリンク信号を受信することが可能であるか否かを示す識別子と、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局が協調して下りリンク信号を送信することが可能であるか否かを示す識別子とのうちの少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする移動通信方法。
  9. 他の無線基地局からバックホール・ネットワークを介して同期情報を受信する受信部と、
    無線端末と同期が確立されている自無線基地局から前記無線端末と同期が確立されていない前記他の無線基地局に対するハンドオーバ手順が行われた場合に、前記無線端末と前記他の無線基地局との間の同期処理を省略することが可能であるか否かを前記同期情報に基づいて判断する制御部と、を備え、
    前記同期情報は、前記他の無線基地局と前記無線端末との間の同期状態を特定するための情報であることを特徴とする無線基地局。
  10. 他の無線基地局からバックホール・ネットワークを介して同期情報を受信する受信部と、
    2以上の無線基地局が協調して上りリンク信号を受信することが可能であるか否かを前記同期情報に基づいて判断する制御部と、を備え、
    前記同期情報は、前記他の無線基地局と無線端末との間の同期状態を特定するための情報であることを特徴とする無線基地局。
  11. 他の無線基地局からバックホール・ネットワークを介して同期情報を受信する受信部と、
    2以上の無線基地局が協調して下りリンク信号を送信することが可能であるか否かを前記同期情報に基づいて判断する制御部と、を備え、
    前記同期情報は、前記他の無線基地局と無線端末との間の同期状態を特定するための情報であることを特徴とする無線基地局。
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