JP6028977B2 - エッチング溶液の成分濃度測定方法およびエッチング溶液の管理方法 - Google Patents
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Description
金属を含む薄膜をエッチングするリン酸と硝酸を含むエッチング溶液の成分濃度測定方法であって、
前記エッチング溶液中のリン酸濃度をIR(赤外分光分析)を用いて測定し、
前記エッチング溶液中の金属イオン濃度を前記エッチング溶液中の硝酸濃度をIRを用いて測定した結果で代用することを特徴とする。
エッチング溶液として、水と、リン酸3.5wt%と、硝酸0.50wt%を作製した。以後このエッチング溶液を「混酸」とも呼ぶ。この組成は新液の組成であり、繰り返しの使用によって、リン酸、硝酸の濃度はこの値からずれる。またエッチングレート(以後「E/R」とも記載する。)を回復させるために、リン酸若しくは硝酸を追加すると、やはりこの組成からずれることもある。このエッチング溶液に表1に示すInとGaとZnを溶解させたエッチング溶液サンプル1〜3を作成した。
上記の現象は、リン酸と硝酸のエッチング溶液に亜鉛が含まれる場合にも再現される。上記のエッチング溶液(混酸)50mlに、亜鉛(Zn)の粉末を所定量溶解させ、試験サンプル4乃至7を作製した。亜鉛の溶解量を増やすのは、エッチング溶液が繰り返し使用されたことを再現するものである。それぞれのサンプル(エッチング溶液)のZn濃度は、サンプル4から7までそれぞれ、0ppm、3020ppm、5030ppm、10000ppmとした。
エッチングとは、エッチング溶液中で対象物質が溶解する現象であるので、エッチングを行えば、エッチング溶液の成分濃度が変化することが容易に予想される。エッチングレートの経時変化は、成分濃度の変化が原因と考えられるからである。そこで、エッチング溶液中のリン酸濃度と硝酸濃度を別々に測定する必要がある。濃度測定の基本は中和滴定である。そこで、成分単独での中和滴定を確認することから始めた。
図3には、硝酸の中和滴定曲線L10と、硝酸中にZnO粉末を溶解させた場合の中和滴定曲線L12を示す。中和に用いたのは水酸化ナトリウム(NaOH)である。ZnO粉末を溶解させた場合は、滴定曲線は2つの変曲点を持った。ZnO粉末を溶解させた場合の最初の変曲点をA1とし、硝酸だけの中和滴定曲線の変曲点をA2とする。それぞれのサンプル(8および9)の組成と変曲点の位置について表3に示す。
図5には、リン酸の中和滴定曲線L14と、リン酸中にZnO粉末を溶解させた場合の中和滴定曲線L16を示す。中和に用いたのは、NaOHである。リン酸は、H2PO4 −、HPO4 2−、PO4 3−とイオン化するので、そもそも変曲点を2ヶ所有する中和滴定曲線となる。それぞれの変曲点をA1、A2とする。リン酸の場合は、ZnO粉末を溶解させると、中和滴定曲線が左方向にシフトした。さらに、Znの濃度が高くなると、A2−A1の値は、大きくなった。それぞれのサンプルの組成と変曲点の位置について表4に示す。
図8には、硝酸とリン酸の混合溶液に異なるZnO粉末量を溶解させた場合の中和滴定曲線を示す。それぞれのサンプルの組成比と、変曲点A1、A2の値を表5に示す。
中和滴定だけを用いたのでは、これ以上の分析はできない。0からA1までの区間の硝酸濃度若しくはリン酸濃度の少なくともいずれかを独立して検出する方法が必要である。そこで、リン酸と硝酸が含まれた混酸状態の吸光度を調べた。
図10には、水単体(図10(a))、リン酸単体(図10(b))、硝酸単体(図10(c))、混酸(図10(d))の場合の吸光度を示す。それぞれのグラフで、縦軸は吸光度を示し、横軸は光の波長を示す。測定した光の波長は200nmから2000nmの範囲である。図10(a)と(b)を参照して、この波長範囲では水とリン酸は吸光度は同じであり、区別はつかない。
図11(a)には、波長300nm近辺だけを拡大した吸収スペクトルを示す。縦軸は吸光度であり、横軸は波長である。それぞれ硝酸の濃度を変化させた場合の吸収ピークを表している。硝酸濃度を0.22wt%(2点鎖線)、0.42wt%(1点鎖線)、0.78wt%(点線)、1.09wt%(実線)と変化させた場合の吸光度を示す。硝酸濃度の増加に伴い、300nmの吸光度は増加した。図11(b)には、図11(a)の関係をより明確に示すために、吸光度と硝酸の調合値(wt%)の関係をプロットした。縦軸は調合値(wt%)であり、横軸は吸光度である。なお、脱イオン化水の吸光度をゼロと設定した。図11(b)から、300nmの吸光度と硝酸の調合値は大変よい線形性を示した。これは硝酸の検量線として用いることができる。
図12には、エッチング溶液中に存在する他の成分が300nmの波長に与える影響を調べた結果を示す。300nmでの吸光度が硝酸の濃度検出に利用できるとしても、他の成分が同じように300nmの吸光度に影響を与えるとすると、検量線としては利用することができない。特に、300nm付近には、NOxの吸収ピークが現われることが知られている。
以上のように中和滴定と300nmの吸光度を使って、エッチングレートと、各エッチング溶液の成分の関係を調べた。図14(a)には、図2を再掲した。図14(b)、(c)には、エッチング溶液中のリン酸(図14(b))と硝酸(図14(c))の濃度をそれぞれ調べた結果を示す。Zn濃度が増加するに従い、リン酸濃度も硝酸濃度も低下していくことがわかる。しかし、Zn濃度が10,000ppmの場合と0ppmの場合を比較すると、リン酸は約90%低下しているのに対して、硝酸は約70%しか低下していなかった。
図15には、IGZO膜を混酸中に溶解させた場合の結果を示す。図15(a)は、図1を再掲したもので、In濃度とエッチングレートの関係を示す。縦軸はエッチングレート、横軸はIn濃度である。図15(b)は、In濃度とリン酸濃度の関係を示す。縦軸はリン酸濃度(wt%)であり、横軸はIn濃度である。図15(c)は、In濃度と硝酸濃度の関係を示す。縦軸は硝酸濃度であり、横軸はIn濃度である。
以上のように、中和滴定と300nmの吸光度を組み合わせることで、エッチング溶液中のリン酸と硝酸の濃度を計測することができる。ところで、中和滴定は、現在では自動測定の装置があるとはいえ、滴定には時間がかかる。そこで、リン酸をより容易に測定できる方法を検討した。IRは、近赤外から遠赤外までの範囲で吸光度を計測し、特徴的な複数のピークを参照することで、混合溶液中の成分の濃度分析が可能である。
以上のように、リン酸と硝酸と水から構成されるエッチング溶液でIGZOをエッチングする場合、エッチング溶液中の硝酸濃度はUV(300nm)吸光度で、またリン酸濃度はIR吸光度で測定することができる。そこで、IGZOを同一エッチング溶液でエッチングする際の、エッチングレートを維持する手段について検討を行った。図1又は図14(a)で示したようにIGZOを同一エッチング溶液でエッチングするとエッチングレートは減少する。
L12 硝酸中にZnO粉末を溶解させた場合の中和滴定曲線
L14 リン酸の中和滴定曲線
L16 リン酸中にZnO粉末を溶解させた場合の中和滴定曲線
A1、A2 変曲点
L13 リン酸の中和滴定曲線
L132 L13の2次微分曲線
P1、P2 L132のピーク値
L20 リン酸にZnを0ppm含有させた時の中和滴定曲線
L22 リン酸にZnを1230ppm含有させた時の中和滴定曲線
L24 リン酸にZnを2970ppm含有させた時の中和滴定曲線
P+ エッチングレートを回復させるために補填したリン酸濃度
PP リン酸濃度がP+になるまで補填した時のエッチングレート
Claims (5)
- 金属を含む薄膜をエッチングするリン酸と硝酸を含むエッチング溶液の成分濃度測定方法であって、
前記エッチング溶液中のリン酸濃度をIR(赤外分光分析)を用いて測定し、
前記エッチング溶液中の金属イオン濃度を前記エッチング溶液中の硝酸濃度をIRを用いて測定した結果で代用することを特徴とする成分濃度測定方法。 - 前記エッチング溶液中の硝酸濃度をUV(紫外光)吸光度を用いて測定することを特徴とする請求項1に記載された成分濃度測定方法。
- 前記UVの吸光度は、280〜320nmの波長帯から選ばれた波長の吸光度であることを特徴とする請求項2に記載された成分濃度測定方法。
- 前記金属がインジウムとガリウムと亜鉛と酸素からなる酸化物半導体であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載された成分濃度測定方法。
- 金属を含む薄膜をエッチングするリン酸と硝酸を含むエッチング溶液の硝酸濃度をIRを用いて測定した結果に基づいて、前記エッチング溶液中の金属イオン濃度を算出し、前記金属イオン濃度が所定濃度以上になったら、前記エッチング溶液を新液と交換することを特徴とするエッチング溶液の管理方法。
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