JP6028521B2 - ブロー成形装置及びブロー成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂による生産性の高い二軸延伸ブロー成形によって形成されるボトルのブロー成形装置及びブロー成形方法に関する。
近年のペットボトルの形状は、胴部が細く背の高いスリムな製品が増加傾向にある。また、経済性や環境問題対応の観点から軽量化が進み、プリフォーム自体の肉厚が薄く、または小さくなる(小径化、短小化)傾向にある。
これらのプリフォームをブロー成形する場合、特に耐熱用途ではストレッチロッドのクーリングエアの効率の観点から、細いロッド径を利用することは生産速度が遅くなるためコスト高に影響する。また耐熱用途以外でも、鶴首形状のボトルにおいては同様の問題を内在している。
ペットボトルなどの二軸延伸ブロー成形においては、ストレッチロッドによるプリフォームの延伸開始に引き続いて低圧エアーによるプレブロー(第1のガス供給)を行い、ストレッチロッドによる延伸完了に前後して高圧エアーによるメインブロー(第2のガス供給)を行っている。
プレブローの導入のタイミングはボトル肉厚分布の制御に重要であるが、導入タイミングが遅いと、ストレッチロッドによって、プリフォームを軸方向に延伸させる際に、プリフォーム内に減圧が生じ、プリフォームの内周面が縮径し、ストレッチロッドの外周面に抱き付きが生じることがある。抱き付きが生じると、プリフォームの内面がロッドに触れた部分に、傷付き、白化、延伸不足による胴部だぶり(厚肉部分の残留)などの問題が生じ、成形不良やバーストの原因となる。
近年のボトル形状、プリフォーム形状の変化に伴って、プリフォーム内径とストレッチロッド外径のクリアランスが小さくなったり、縦延伸の比率が大きくなってくると、上記問題はこれまで以上に起こりやすくなっている。
これらの問題に関し、特許文献1では、ストレッチロッドによる延伸のごく初期段階からプレブローのエアーをプリフォームに流入し、ストレッチロッドの先端以外の表面やブロー成形金型に触れないように、ブローエアの流量を制御し、上記問題を解決している。
WO 2007/083396
しかしながら、上記特許文献1の技術はボトルを均一に薄肉化するのに適した手法であって、底部を厚肉に残したい場合などには適用困難で、またストレッチロッドの延伸速度は遅い方が好ましいとされており、高速生産性には未だ改良の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高速生産性に優れ、また所望の肉厚分布を得るのにも優れると共に、ブロー成形時において、ストレッチロッドとプリフォームの内周面との接触を防止するブロー成形装置及びブロー成形方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のブロー成形装置は、プリフォームが配設されるブロー成形型と、プリフォームの開口部へのガス供給路の気密を形成するシール機構と、プリフォームを軸方向に延伸させるストレッチロッドと、該ストレッチロッドによるプリフォームの延伸開始に伴ってプリフォームに第1のガスを供給する第1のガス供給手段と、 前記ストレッチロッドのプリフォームの延伸完了に前後して、前記第1のガスよりも高圧の第2のガスをプリフォームに供給する第2のガス供給手段とを備え、前記プリフォームを二軸延伸させるブロー成形によって容器を形成するブロー成形装置において、前記ストレッチロッドによるプリフォームの延伸前で、且つ前記第1のガスの供給前に、前記プリフォーム内に前記第1のガスよりも小さなガス圧力によって補助ガスを供給する補助ガス供給手段を備えている。
上記ブロー成形装置の前記シール機構は、前記ガス供給路をシールさせるためのシール部材を進退させるためのシールピストンを有し、前記補助ガスが、前記シールピストンを作動させるシールピストン配管から引き出すことができる。
上記ブロー成形装置の前記ストレッチロッドには、該ストレッチロッドの進退位置を検出するセンサーを設け、該ストレッチロードが所定位置まで前進したときに、前記センサーに検出させて、前記プリフォーム内に前記補助ガスを供給することが好ましい。
上記ブロー成形装置は、前記ストレッチロッドの外径がプリフォームの胴部内径よりも大きいものを用い、前記補助ガスによって、ストレッチロッドの外周面とプリフォームの内周面との接触を防止した後、順次、前記第1のガスと前記第2のガスを供給し、プリフォームをブロー成形することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明のブロー成形方法は、ブロー成形型にプリフォームを配設させる配設工程と、ストレッチロッドによってプリフォームを延伸させるストレッチ工程と、前記ストレッチロッドのプリフォームの延伸開始に伴ってプリフォームに第1のガスを供給する第1のガス供給工程と、前記ストレッチロッドのプリフォームの延伸完了に前後して、前記第1のガスよりも高圧の第2のガスを供給する第2のガス供給工程とを含む、ブロー成形方法において、前記ストレッチ工程及び第1のガス供給工程が開始される前に前記プリフォームに前記第1のガスよりも低圧の補助ガスを供給する補助ガス供給工程を有している。
該補助ガスの圧力を0.05〜0.15MPaの範囲として、前記ストレッチ工程中に前記プリフォームの内ストレッチロッドの外周面との接触を防止することが好ましい。
上記ブロー成形方法は、前記プリフォームを配設させる配設工程では、シール部材を進退させて前記プリフォームの開口部へのガス供給路をシールさせるシール工程を含み、前記補助ガスを、前記シール部材を前記シール工程の駆動ガスで兼用することができる。
上記ブロー成形方法は、前記ストレッチロッドの外径がプリフォームの胴部内径よりも大きいものを用い、前記補助ガスによって、ストレッチロッドの外周面とプリフォームの内周面との接触を防止した後、順次前記第1のガスと前記第2のガスを供給し、プリフォームをブロー成形することができる。
プリフォームをブロー成形するにあたり、ストレッチロッドがプリフォームの延伸を開始する前にプリフォームに補助エアーを供給するので、プリフォームの延伸中にプリフォームの内面がストレッチロッドに接触することを防止できる。
特に、プリフォームが抱き付かない程度の最小限の補助エアーをプリフォームに供給することで、低圧エアーを供給するタイミングをより遅くして、ブロー成形する容器の肉厚を調整したり、底厚を調整することができる。
延伸速度を速くすればするほど抱き付きによる不良率が高くなるが、高速生産の場合でも抱き付き防止することができる。詳しくは、ストレッチロッドの延伸速度が1200mm/secでも、補助エアーの圧力を調整することによって、プリフォームのストレッチロッドへの抱き付きが防止できるので、ブロー成形の時間を短縮することができる。
ロータリ式のブロー成形装置の概略平面図である、 本発明の第1の実施形態によるブロー成形装置を正面方向から見た概略断面図である。 本発明の第1の実施形態によるブロー成形装置がブロー成形をしている状態を示し、(A)はブロー金型にプリフォームがセットされた状態の断面図、(B)はプリフォームにストレッチロッドが挿入され補助エアーが供給されている状態の断面図、(C)はストレッチロッドがプリフォームの延伸を始め低圧エアーを供給している状態の断面図、(D)はストレッチロッドの延伸が停止され、高圧エアー供給している状態の断面図である、 本発明の第2の実施形態によるブロー成形装置を正面方向から見た概略断面図である。 本発明の第3の実施形態によるブロー成形装置であって、(A)はプリフォームを射出成形している状態を正面方向から見た概略断面図、(B)はブロー金型を装着した状態を正面方向から見た断面図、(C)はプリフォームを延伸している状態を正面方向から見た概略断面図である。 ブロー成形装置の補助エアーをピストンシリンダ配管から引き出している状態の概略断面図である。 本発明の実施形態によって、ストレッチロッドの外径が太いものを使用してブロー成形されるプリフォームの正面図である。
以下、本発明の実施形態によるブロー成形装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、ロータリ式のブロー成形装置の概略平面図であり、図2は本発明の第1の実施形態によるブロー成形装置であり、図1のロータリ式成形装置に複数設けられているうちの1つのブロー成形装置の概略図である。
ロータリ式成形装置1は複数のブロー成形装置2を備え、該ブロー成形装置2は回転円軌道を一定の周期で回転するようにしている。前工程で加熱されたプリフォーム8は、供給ホイール3によってロータリ式成形装置1に搬入され、ブロー成形装置2によってブロー成形された後に、取出ホイール4によって成形されたボトルが取り出される。
図1には、ブロー成形装置2が回転円軌道上を移動する間の、ブロー成形工程におけるノズルシール、アシスト供給、プレブロー供給、メインブロー供給、ブローエア排気、シールダウン、の各タイミングが例示されている。
図2に示すように、ロータリ式成形装置1のブロー成形装置2はブロー成形金型20及びシール機構10を有し、ブロー成形金型20内にプリフォーム8が配設されている。
シール機構10には空圧系統11が接続され、空圧系統11のメイン配管12には、3つのサブ配管14a〜14cを介して、ピストンバルブ15が接続されている。ピストンバルブ15には、第1〜第3バルブ15a〜15cの3つのバルブが設けられ、それらのうちの第1バルブ15aの一端が上述したサブ配管14a、他端が第2のガスとしての高圧エアー(メインブローエア)の供給源に接続された高圧管16aに連結されている。また、第2バルブ15bの一端がサブ配管14b、他端が第1のガスとしての低圧エアー(プレブローエア)の供給源に接続された低圧管16bに連結され、第3バルブ15cの一端が上述したサブ配管14c、他端が補助ガスとしての低圧エアーよりも圧力の低い補助エアー(アシストエアー)の供給源に接続された補助配管16cに連結されている。メイン配管12には、ブロー成形後のエアー抜きをする排気管が図示しない排気バルブを介して接続されている。
シール機構10は、空圧系統11から供給される各種ガス(エアー)をプリフォームの開口部へ導入するためのガス供給路の気密を形成し、供給されたプリフォーム8がブロー成形金型20内に配設され、ブロー成形の準備が完了した段階でガス供給路の気密を確立(ノズルシール)し、ブロー成形が終了するブローエアの排気後、あるいは排気の開始と同時に気密を開放(シールダウン)する。
そのためシール機構10は、空圧系統11が接続されガス供給路のシールを行うブローノズルと、ブローノズルをシール位置と開放位置に進退させるシールピストンを備え、シールピストンを作動させるための駆動ガス(駆動エアー)が供給されるシールピストン配管が接続されている。
ブローノズルの具体的形態は特に図示しないが、プリフォーム8の開口部に対して(開口部に挿入されたマンドレルを介して)シールする形態、ブロー成形金型20内に配設されたプリフォーム8の開口部を覆ってブロー成形金型20の端面に対してシールする形態(いわゆるベルノズル)など、公知の各種形態から採用できる。
シール機構10には、シール機構10を貫通するストレッチロッド17が設けられ、プリフォーム8内へ供給される各種エアは、通常、プリフォーム8の開口部とストレッチロッド17の間から供給される。
ストレッチロッド17は、エアシリンダ、サーボモータ、カムなどによるロッド進退機構18と連結されており、昇降が可能である。また、ストレッチロッド17には、位置検出センサー19が併設されている。
位置検出センサー19はストレッチロッド17の進退位置を検出するものであり、例えば、位置検出センサー19を構成する4つの第1〜第4センサー19a〜19dは、光センサーで、ストレッチロッド17の後端部17aに反射板を取付けたものが使用できるが、方式は問わない。
詳しくは、ストレッチロッド17が最も上方に位置する前進位置を検出する第1センサー19a、低圧エアーの供給位置を検出する第2センサー19b、補助エアーの供給位置を検出する第3センサー19c、ストレッチロッド17が最も下方に位置する後退位置を検出する第4センサー19dを、適宜の間隔を空けて備えている。
そして、第1〜第4センサー19a〜19dは、ロッド進退機構18の図示しない制御回路や空圧回路と接続され、本実施形態では、ストレッチロッド17が後退位置に戻ったときに、第4センサー19dが検出し、ストレッチロッド17の作動を停止し、再度ストレッチロッド17を前進させるタイミングを図る。このタイミングとしては、例えば図1に示したロータリ式成形装置1の回転円軌道のノズルシールのタイミングから取り込むことができる。また、第3センサー19cは、ストレッチロッド17が所定位置まで前進したのを検出すると、第3バルブ15cを開き、補助配管16cを介してプリフォーム8に補助エアーを供給する。ただし第3センサー19cは、ストレッチロッド17の先端がプリフォーム8の底部内面に到達しない位置に設定する。さらにストレッチロッド17が前進すると、第2センサー19bがストレッチロッド17の後端位置を検出し、第2バルブ15bを開いて低圧エアーを低圧管16bを介してプリフォーム8に供給する。
ストレッチロッド17が最前進位置に達したときは、第1センサー19aがストレッチロッド17の後端部17aを検出し、(所定時間経過後に、)第1バルブ15aを開いて高圧エアーを高圧配管16aを介してプリフォーム8に供給する。
本発明に用いるプリフォームの材質は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)など、二軸延伸ブロー成形が可能な熱可塑性樹脂全般に適用することができ、従来公知の製法、例えば射出成形或いは圧縮成形等により成形されたプリフォームは、単層構造のものであってもよいし、中間層として、例えばガスバリア性、酸素吸収性等の機能を有する他の熱可塑性樹脂を配した多層構造であってもよい。また、ホットパリソン法(プリフォームの成形後直ちにブロー成形に付される製造形態)、コールドパリソン法(プリフォーム成形とブロー成形とが時間的に独立した製造形態)のいずれにも適用が可能である。
プリフォームの形状は、胴部、底部、注口部の形状、フランジの有無や頸部のネジの有無に関係なく適用が可能である。
(プリフォームの加熱工程)
成形されたプリフォーム8は、延伸ブロー成形に付される前に、延伸温度に加熱される。例えばPETであれば、プリフォームの外面の温度が100乃至130℃の範囲にあり、且つプリフォーム外面と内面の温度差が2℃以内にあるように、プリフォームを加熱することが好ましい。
プリフォームの加熱方法は、従来公知の方法によって行うことができ、一般的には、常温のプリフォームを赤外線ヒータや内面加熱ヒータなどにより本加熱を行い、プリフォームの搬送に伴う冷却を考慮してブロー成形時に上記温度範囲となるように加熱する。
(二軸延伸ブロー成形工程)
次に延伸ブロー成形について、図3に示す工程図にしたがってその概略を説明する。
なお、図3は、見易くするため図2のプリフォームの上下を逆にし、また、プリフォームのシール構造は省略し、プリフォーム8、ストレッチロッド17、ブロー成形金型20のみ示す。
図3(A)に示すように、上述した加熱条件により加熱されたプリフォーム8がブロー成形金型20内の所定位置に配設、固定され、図示しないシール機構10はガス供給路の気密を確立している。この状態では、ストレッチロッド17は、図2に示すように後退位置にあり、その先端はプリフォーム8に達していない。この状態からストレッチロッド17の作動をオンしてストレッチロッド17を前進させる。この状態では、補助エアー、低圧エアー、高圧エアーのいずれも作動していない。そして、ストレッチロッド17の後端が第3センサー19cの位置まで到達すると、第3センサー19cがそれを検知し、第3バルブ15cが開き、補助配管16cを介して補助エアーが供給される。
補助エアーの圧力は、ストレッチロッドの延伸速度、縦延伸量、プリフォームの温度、胴部肉厚で変化するが、大凡0.05〜0.15MPaの範囲で選択される。このとき、ストレッチロッド17の先端は、プリフォーム8の底部には達していない。また、プリフォーム8も延伸されていない状態であり減圧減縮も生じないので、プリフォーム8がストレッチロッド17に接触するおそれはない。
なお、本実施形態では、補助エアーのプリフォーム8内への供給位置について、ストレッチロッド17を前進中に設定したが、第4センサー19dがストレッチロッド17の移動を検出したときに供給してもよいし、ノズルシール時、あるいは、第3バルブ15cを常時開放し、連続供給してもよい。ただし、少なくとも、ストレッチロッド17の先端がプリフォーム8の底部に到達して延伸する前に、補助エアーを供給する必要がある。
ストレッチロッド17がさらに前進し、その先端部が図3(B)に示すように、プリフォーム8の底部に接触する。すると、そこからプリフォーム8のストレッチロッド17による延伸が開始する。ストレッチロッド17によるプリフォーム8の延伸では、エアーの供給がなければ延伸による減圧減縮が生じるが、補助エアーの供給によりプリフォーム8の内面が半径方向外側への圧力を受け、プリフォーム8がストレッチロッド17の先端部以外に接触することを防止する。補助エアーは、好ましくは、プリフォーム8がストレッチロッド17に接触しない圧力で、プリフォームが加圧膨張しない程度の圧力が好ましい。
そして、ストレッチロッド17が延伸を始めた後に第2センサー19bが、ストレッチロッド17の後端部17aを検知すると第2バルブ15bが開き、低圧配管16bを介してプリフォーム8内に低圧エアーが供給される。低圧エアーの圧力は、大凡0.5〜1.7MPaである。この低圧エアーの圧力は、先に供給している補助エアーの圧力より大きくする。このように、低圧エアーをプリフォーム8の内部に流入してプレブローをしながら、ストレッチロッド17によってプリフォーム8をその軸方向に延伸するとともに周方向への延伸が開始される(図3(C)参照)。さらには、低圧エアーを供給するタイミングを変更することによって、ボトルの肉厚分布を調整することも可能である。低圧エアーも、プリフォーム8がストレッチロッド17の先端以外の部分及びブロー成形金型20の表面(キャビティ表面)と接触することのない流量に調整するのが好ましい。
図3(D)に示すように、ストレッチロッドによる延伸を終了した時点で、すなわち、ストレッチロッド17の後端を第1センサー19aで検出した時に、第1バルブ15aが開き、高圧配管16aを介して高圧エアーがプリフォーム8に供給され、低圧エアーの圧力よりも大きい圧力でメインブローが行われ、これにより周方向への延伸の大部分が行われ、プリフォーム8は金型表面に接触して最終成形品の形状に形成される。このタイミングは一例であり、ストレッチロッドによる延伸終了の直前から高圧エアーを供給したり、延伸終了の所定時間後に、低圧エアーによる周方向の延伸がある程度進行してから供給してもよい。
上述したストレッチロッド17による延伸では、最終成形品の肩部に相当する部分が延伸されると共に、これに続く胴部23の上部に相当する部分が延伸される。
なお、低圧エアーの供給タイミングを早くして、ストレッチロッド17とプリフォーム8の接触を防止することも考えられる。しかしながらこの方法では、プリフォーム(容器)の肉厚分布について、上側が厚くなり、下側が薄くなってしまい、肉厚分布を調整できない結果となった。本実施形態では、補助エアーと低圧エアーに切り分け、低圧エアーの供給タイミングを任意に選択できるようにしたことによって、肉厚分布についても殆ど影響を及ぼさない。
なお、本実施形態の補助エアーの効果として、プリフォームの内径よりも大きなストレッチロッドであっても、補助エアーを供給することによってプリフォームの接触を防止できることが確認できている。
なお、この場合は、図7に示すように、プリフォーム8の口頸部21の内径D1は、ストレッチロッド17が挿入できるように、ストレッチロッド17の外径D2よりも大きく、胴部23の内径が徐々に絞り込まれて、底部寄りの部分ではストレッチロッドの外径D2よりも小さい内径D3となっている。ここでは、半径差0.2mmほど、ストレッチロッドの外径が大きいものを使用した。そして、補助エアーの圧力によってプリフォームの胴部23をわずかに膨張させてストレッチロッドの外周接触しないようにする。この場合の補助圧力は、ストレッチロッドがプリフォームの内周接触しない程度に膨張するが、延伸には到らない程度の圧力にすることが好ましく、供給タイミングはノズルシールと同時か、ストレッチロッド17の先端が胴部23の絞り込み部分に達しない時期とする。
ストレッチロッドの径の大きなものを使用することによって、プリフォーム内径の大きいプリフォームとストレッチロッドを共用でき、金型交換作業の一部を簡略化できる。また耐熱用途の場合は、ストレッチロッドを介して冷却エアーが供給されるため、太いストレッチロッドを採用するとエアーの流量が増えて冷却効率が高まり、冷却時間を短縮することができる。
ストレッチロッド17による高圧エアーによる延伸が終了、すなわち容器が成形された後は、第1〜第3のバルブ15a〜15cが閉じられ、排気バルブが開放されてメイン配管12の排気管からエアーが排出される。
補助エアーの供給源は専用に用意してもよく、低圧エアー供給源あるいは高圧エアー供給源からの配管を分岐、補助圧力まで減圧して使用してもよい。
より好適な例として、図6に示すように、シール機構のシールピストンを作動させるための駆動エアーが供給されるシールピストン配管から引き出すことができる。
シールピストン配管55は、駆動エアー供給源から図示しない制御弁を介して、シール機構60のシールピストンに接続されている。シールピストン配管55から分岐した補助配管56は、低圧レギュレータ57により補助圧力まで減圧される。
この補助配管56を、空圧系統11の補助配管16cとして接続することもできるが、図6の形態では、補助配管56は、駆動エア供給源側に向かう流れを閉止する逆止弁58を介して、空圧系統11のメイン配管12に直接接続され、すなわちシール機構60内のガス供給路に直接接続されている。
この形態では、ノズルシールのために制御弁が開かれると、同時に補助エアーの供給も開始され、シールダウンのために制御弁が閉じられると、同時に補助エアーの供給も止まる。
補助エアーの開/閉のための専用の制御系やバルブが不要となるため、装置を簡略化することができる。プレブロー、メインブローがメイン配管12に供給されても、逆止弁58によりシールピストン配管55側に影響することはない。
図6では、後述する試験例のために、逆止弁58の下流にレバーバルブ59を接続してある。レバーバルブ59を開放すれば本発明のブロー成形方法を実施でき、閉じると補助エアーは供給されなくなるので、従来と同様のブロー成形方法を行うことができる。
次に、本発明のブロー成形装置による第2の実施形態について図4を参照にして説明する。なお第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、図1のようなロータリ式成形装置に複数設けることができる。
図4に示すブロー成形装置30は、ピストンバルブ31と上下方向に昇降可能なシール機構32を備え、これらのピストンバルブ31及びシール機構32には、ストレッチロッド33が上下方向に貫通している。ピストンバルブ31には、高圧エアーの供給源に接続された高圧管34、低圧エアーの供給源に接続された低圧管35、低圧エアーよりも圧力の低い補助エアーの供給源に接続された補助配管36が連結されている。ピストンバルブ31には、高圧エアー、低圧エアー、補助エアーを遮蔽する図示しないバルブが設けられている(図2のピストンバルブ15を参照)。
また、ピストンバルブ31には、ブロー成形で使用されたエアーを排気する排気管37が連結されている。本実施形態では、ストレッチロッド33の進退方向である上下方向の位置を検出する位置検出センサー38が上下に間隔を空けて2箇所に設けられ、上方のセンサー38aは、ストレッチロッド33の上端(基端)の位置を検出し、下方のセンサー38bはシール機構32の所定の高さ位置を検出する。
このようなブロー成形装置30は、プリフォーム8がブロー成形金型に配設されると、シール機構32がプリフォーム8と接触し、シールがされる。この時、センサー38bはシール機構32の所定高さ、詳しくはシール機構32がプリフォーム8のシールを完了する高さになった時を検出し、補助配管36からプリフォーム8の内部に補助エアーを供給する。シール完了を検出するセンサー38bの形式は位置検出に限らず、接触式や感圧式でもよい。
補助エアーは、プリフォーム8がストレッチロッド33に接触しないように、また、ブロー成形金型のキャビティの内周面に接触せず、プリフォーム8が実質的に延伸されない程度の圧力で供給される。
そして、さらにストレッチロッド33が下降し、ストレッチロッド33の下方に位置する先端部がプリフォーム8の底面に接触した後、低圧管35から低圧エアーを供給し、ストレッチロッド33が最先端位置に前進すると、高圧管34から高圧エアーを供給し、プリフォーム8のブロー成形が行われる。これらの供給タイミングは第1の実施形態と同様に、ストレッチロッド33の位置を検出して取得することができる。
ストレッチロッド33の先端位置から後退位置に戻されると、センサー38aがストレッチロッド33の後退位置を検出して、ストレッチロッド33の後退が停止される。
このように、本実施形態では、シール機構32がプリフォーム8をシールした時点のタイミングを図って、補助エアーをプリフォーム8内に供給している。
本実施形態では、上記第1の実施形態と同様の効果を奏する。
各種エアーの供給タイミングについては、上述した各実施形態に限らず、図1に示したようなロータリ式成形装置上の回転円軌道位置から取得したり、タイマーにより制御することもできる。
次に、本発明のブロー成形装置による第3の実施形態について図5を参照にして説明する。
本実施形態では射出成形によって、プリフォームを形成し、その余熱でブロー成形を行うタイプで、いわゆる射出ブロー成形機である。
射出成形工程では、図5の(A)に示すように、主としてプリフォーム8の胴部の外周面を形成する雌金型42、プリフォーム8の内周面を形成するコア金型43、プリフォーム8のネック部を形成する左右の分割型であるインサートスライド金型44、ストレッチロッド45を用いてプリフォーム8の成形がなされる。
このタイプの射出成形では、ストレッチロッド45がコアの一部として用いられ、ストレッチロッド45は、コア金型43の中心部に形成された孔を上下動できるように構成されている。
成形時においては、雌金型42に形成された溶融樹脂の噴出口42aから溶融樹脂が供給され、プリフォーム8が形成される。
図5(B)に示すように、形成されたプリフォーム8は、取り出し可能な程度に冷却されると雌金型42が外され、コア金型43及びインサートスライド金型44にピストンバルブ組立体46が連結される。本形態のピストンバルブ組立体46はシール機構の機能も有していて、連結と同時にシールが確立される。
ピストンバルブ組立体46には、高圧エアーの供給源に接続された高圧管48、低圧エアーの供給源に接続された低圧管49、低圧エアーよりも圧力の低い補助エアーの供給源に接続された補助配管50が連結されている。ピストンバルブ組立体46には、高圧エアー、低圧エアー、補助エアーを遮蔽する図示しないバルブが設けられている(図2のピストンバルブ15を参照)。また、ピストンバルブ組立体46には、ブロー成形で使用されたエアーを排気する排気管51が連結されている。
また、インサートスライド金型44の下部及びコア金型43の下端部の周囲には、ブロー成形金型47が連結されている。
各種エアーは、プリフォーム8の開口部とコア型43の間から、あるいは、コア型43とストレッチロッド45の間から、プリフォーム8内へ供給される。
なお、図5(A)の射出成形工程から(B)のブロー成形工程に移行する間に、プリフォーム8の温度を制御するための加熱・冷却工程を加えてもよい。
このような構成によりブロー成形時においては、補助配管50から補助エアーの供給が可能になり、プリフォームがシールされた状態から補助エアーをプリフォーム8内に供給する。すなわち、ストレッチロッド45を下方へ前進させる前に補助エアーを供給する。補助エアーは、プリフォーム8がブロー成形金型のキャビティの内周面に接触しない程度の圧力で供給される。ただし、補助エアーは、ブロー成形時において、エアーの排気時を除いて、常時、連続的に流し続けても良い。エアーを常時流し続ける無駄はあるが、補助エアーの共給時におけるタイミングの取り方を考慮する必要がないので、装置を簡易とする利点がある(これについては、上記第1及び第2の実施形態についても同様である)。
そして、図5(C)に示すように、ストレッチロッド45を前進させた後に、低圧管49から低圧ガスをプリフォーム8に供給しながらストレッチロッド45を前進させる。そして、ストレッチロッド45が最前進位置に達したとき若しくは後に、高圧管48から高圧エアーをプリフォーム8内に供給し、プリフォーム8のブロー成形がなされる。
このように、本実施形態では、プリフォーム8をシールした時点のタイミングを図って、プリフォーム8内に補助エアーを供給している。
[試験例1]
図6に示すように、既存のブロー成形機に補助エアーの配管系を接続し、実施例においてはレバーバルブ59を開放して補助配管56を介して、ブロー成形機のプリフォーム8内に補助ガスを供給し、次の条件で補助エアーをプリフォーム8に供給して試験を行った。比較例においてはレバーバルブ59を閉じて補助エアーが供給されないようにし、従来どおりのブロー成形機として試験を行った。
[プリフォームの種類]
条件は、500ml容器用で延伸倍率が異なる5種類のプリフォームを用意した。プリフォームの重量は22〜24gの範囲である。なお、一般にプリフォームの形状が細いほどストレッチロッドに接触し易く、短いほどストレッチロッドに接触し易い。
[ストレッチロッドの延伸速度]
ストレッチロッドの縦延伸速度は、400〜1200mm/secまで変化させた。なお、一般に縦延伸速度が早いほどストレッチロッドに接触し易い。
[プリフォームの成形温度]
プリフォームのブロー成形時の成形温度PF温度は、95〜125℃まで変化させた。
なお、プリフォームの成形温度が高いほどロッドに抱き付き易い。
[補助エアーの圧力]
補助エアーの空気圧は、0.01〜0.20MPaまで変化させた。
[第1のエアー供給(プレブロー)のタイミング]
ストレッチロッドの抱き付き、首下ダブり条件を再現しやすくするため、プレブローのタイミングはプリフォームの底部の重量分布で測定し、底部重量2〜5gになるように1g刻みでタイミングを設定した。
なお、一般に、プレブロータイミングが早い(ストレッチロッドによる縦延伸の初期寄り)と、プリフォームが膨らみ始めることにより比較的均一に延伸されて、底部重量は軽くなる傾向にあり、タイミングが遅い(縦延伸の終末寄り)と、底部重量は重くなる傾向にある。底部が重くなると、ストレッチロッドに抱き付きが生じ易くなる。
なお、底部を重くしたい状況としては、例えば、ボトルの容器安定性を高めたい場合や落下強度を高めたい場合などがある。
[比較例1の試験結果]
[ストレッチロッドの延伸速度]
ストレッチロッドの延伸速度が遅い場合は不良率が低いが、ストレッチ速度が速い場合では800mm/s以上で不良率が増加した。
[プリフォームの成形温度]
プリフォームのブロー成形時の成形温度PF温度は、95〜125℃の範囲では、肉厚分布に影響するが、成形は可能であった。
[第1のエアー供給(プレブロー)のタイミング]
底部重量が2g条件ではほとんどのプリフォームで問題なかったが、底部重量が3g条件では成形条件幅が狭くなり始め、ブロー成形を行った容器の10%に不良が発生した。底部重量が4g以上では、容器の50%以上に不良が発生した。
[実施例1の試験結果]
補助装置を取り付け同様の条件にてプリフォームのブロー成形試験を行った結果、補助装置の圧力は、プリフォームの温度が110℃近辺では0.1±0.05MPaの範囲で不良率は0%であり、補助エアーの供給が有効であることが確認できた。
以下の試験例では、補助圧力の設定に影響する種々の成形条件を検討するため、延伸状態を外部から観察できるように、ブロー成形金型を使用することなくプリフォームをシールし、プリフォームには補助エアーのみ供給し、第1のエアーは供給しないで、ストレッチロッドへの抱き付きをビデオカメラで観察した。
これらの試験では第1のエアー(プレブロー、低圧エアー)及び第2のエアー(メインブロー、高圧エアー)を供給しないので、試験結果が不良であっても容器の成形ができないことを指すのではなく、第1のエアーの供給タイミングの設定幅が制限されることを意味するだけである。その場合でも、補助エアーなしに第1のエアーのみで供給タイミングを設定する場合よりは、設定幅が広がることは理解されるべきである。
[試験例2]
プリフォームのブロー成形における補助圧力とストレッチロッドの縦延伸量との関係で試験を試みた。
ブロー成形の条件は以下の通りである。
ブロー成形されるプリフォームは容量500mlの容器用である。
プリフォームの温度110℃
プリフォームの重さ:23g
プリフォームの胴部厚み:3.84mm
延伸速度:700mm/sec
ストレッチロッドの縦延伸量:2.0倍、2.3倍、2.5倍
これらの条件によって、プリフォームのストレッチロッドの抱き付きを観察した。
結果を表1に示す
Figure 0006028521
この表1の結果から、補助エアーが0.07〜0.1MPaの範囲内では、全く抱き付きが発生せず、ほぼ任意のタイミングで第1のエアーを供給できることが分かる。
試験結果から補助圧力が0.05MPa以下では、抱き付きが生じるが、ストレッチロッドの縦延伸量が2倍よりも小さい範囲から第1のエアーの供給を開始する場合には、抱き付きの生じない条件を設定しうる。
なお、縦延伸量が2倍では、補助エアーの圧力が0.13MPa以上であると、必要以上にプリフォームが膨張し、周方向への延伸が始まるのが観察され、縦延伸量が2.3倍及び2.5倍では、補助エアーの圧力が0.15MPa以上であると、プリフォームが必要以上に膨張するのが観察された。これらの場合も、膨張が始まるよりも第1のエアーの供給タイミングが先であれば、問題とはならない。
[試験例3]
次に縦延伸量を2.8倍と大きくし、プリフォームのブロー成形における補助圧力と延伸速度との関係で試験を試みた。なお、縦延伸量の2.8倍は、高延伸のため、全体的にストレッチロッドに抱き付きやすく、非常に厳しい条件である。
ブロー成形の条件は以下の通りである。
ブロー成形されるプリフォームは容量500mlの容器用である。
プリフォームの温度110℃
プリフォームの重さ:24g
プリフォームの胴部厚み:3mm
縦延伸量:2.8倍
ストレッチロッドの縦延伸速度:400、700、900、1000mm/sec
これらの条件によって、プリフォームのストレッチロッドの抱き付きを観察した。
結果を表2に示す
Figure 0006028521
試験結果から、延伸速度が400〜900mm/secでは、補助圧力が0.07MPa以上であれば、ストレッチロッドへの抱き付きが生じないことが分かった。また、延伸速度が1200mm/secでは、0.1MPa以上で抱き付きが生じないことが分かり、延伸速度が速くなると、補助エアーの圧力を大きくすることによって抱き付きを防止できることが確認できた。言い換えれば、900〜1200mm/secでは、0.1MPa以上で抱き付きを防止できる。
なお、延伸速度が400〜900mm/secでは、補助エアーの圧力が0.13MPa以上であると、プリフォームが必要以上に膨張し、延伸速度が1200mm/secでは、補助エアーの圧力が0.15MPa以上であると、プリフォームが必要以上に膨張するのが観察された。
[試験例4]
次に、厚さが4.5mmの大型プリフォームにおけるブロー成形による試験を試みた。
ブロー成形の条件は以下の通りである。
ブロー成形されるプリフォームは容量2000mlの容器用である。
プリフォームの温度110℃
プリフォームの重さ:59g
プリフォームの胴部厚み:4.5mm
縦延伸量:2.3倍
ストレッチロッドの縦延伸速度:700mm/sec
これらの条件によって、プリフォームのストレッチロッドの抱き付きを観察した。
結果を表3に示す
Figure 0006028521
試験結果から、延伸速度が700mm/secでは、補助圧力が0.07MPa以上であれば、ストレッチロッドへの抱き付きが生じないことが分かった。このような大型のペットボトルで肉厚の厚いものにも、補助エアーが適用できることが確認された。
なお、補助エアーの圧力が0.2MPa以上であると、プリフォームが必要以上に膨張するのが観察された。
[試験例5]
次に、厚さが2.4mmの小型プリフォームにおけるブロー成形による試験を試みた。
ブロー成形の条件は以下の通りである。
ブロー成形されるプリフォームは容量500mlの容器用である。
プリフォームの温度110℃
プリフォームの重さ:22g
プリフォームの胴部厚み:2.4mm
縦延伸量:2.8倍
ストレッチロッドの縦延伸速度:700mm/sec
これらの条件によって、プリフォームのストレッチロッドの抱き付きを観察した。
結果を表4に示す
Figure 0006028521
試験結果から、延伸速度が700mm/secでは、補助圧力が0.05MPa以上であれば、ストレッチロッドへの抱き付きが生じないことが分かった。このようなプリフォームの肉厚が薄いものでも、補助エアーの圧力が0.05MPaでも、抱き付きが防止されることが確認できた。
以上の結果から、延伸速度400〜900mm/secの範囲内では、補助圧力が0.07〜0.1MPaであれば、抱き付き、膨張とも不良率0であり、ほぼ任意のタイミングで第1のエアーを供給できることが分かった。
また、延伸速度が900mm/secを越えて1200mm/sec(現行で使用されているものでは最高速の部類)であっても、補助圧力が0.1〜0.13MPaであれば、ストレッチロッドへの抱き付きがなくなり、ほぼ任意のタイミングで第1のエアーを供給できることが分かった。
プリフォームの胴部厚みが薄く、プリフォームの重さが小さなものについて、補助圧力が0.05MPaでも有効であり、胴部厚みが厚いものについては、0.17MPaでも必要以上の膨張が生じなかった。
なお前述のとおり、補助圧力が上記範囲外であっても、第1のエアーの供給タイミングの設定幅は制限されるものの、補助エアーなしに第1のエアーのみで供給タイミングを設定する場合よりも設定の自由度を高めることは可能である。
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の変形あるいは変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、補助エアー、低圧エアー、高圧エアーを用いたが、エアーの代わりに不活性ガスなどの他のガスを用いても良い。
1 ロータリ式成形装置
2,30 ブロー成形装置
8 プリフォーム
10、32、60 シール機構
15,31 ピストンバルブ
16a,34,48 高圧管(第2のガス供給手段)
16b,35,49 低圧管(第1のガス供給手段)
16c,49,50,56 補助配管(補助ガス供給手段)
17、33、45 ストレッチロッド
19、38 位置検出センサー
20,47 ブロー成形金型
46 ピストンバルブ組立体
55 シールピストン配管

Claims (8)

  1. プリフォームが配設されるブロー成形型と、
    プリフォームの開口部へのガス供給路の気密を形成するシール機構と、
    プリフォームを軸方向に延伸させるストレッチロッドと、
    該ストレッチロッドによるプリフォームの延伸開始に伴ってプリフォームに第1のガスを供給する第1のガス供給手段と、
    前記ストレッチロッドのプリフォームの延伸完了に前後して、前記第1のガスよりも高圧の第2のガスをプリフォームに供給する第2のガス供給手段とを備え、
    前記プリフォームを二軸延伸させるブロー成形によって容器を形成するブロー成形装置において、
    前記ストレッチロッドによるプリフォームの延伸前で、且つ前記第1のガスの供給前に、前記プリフォーム内に前記第1のガスよりも小さなガス圧力によって補助ガスを供給する補助ガス供給手段を備えたことを特徴とするブロー成形装置。
  2. 前記シール機構は、前記ガス供給路をシールするシール部材を進退させるためのシールピストンを有し、前記補助ガスが、前記シールピストンを作動させるシールピストン配管から引き出されるようした請求項1に記載のブロー成形装置。
  3. 前記ストレッチロッドには、該ストレッチロッドの進退位置を検出するセンサーを設け、該ストレッチロッドが所定位置まで前進したときに、前記センサーに検出させて、前記プリフォーム内に前記補助ガスを供給するようにした請求項1又は2に記載のブロー成形装置。
  4. 前記ストレッチロッドの外径がプリフォームの胴部内径よりも大きいものを用い、前記補助ガスの圧力によって、ストレッチロッドの外周面とプリフォームの内周面との接触を防止した後、順次、前記第1のガスと前記第2のガスを供給し、プリフォームをブロー成形するようにした請求項1〜3のいずれかに記載のブロー成形装置。
  5. ブロー成形型にプリフォームを配設させる配設工程と、
    ストレッチロッドによってプリフォームを延伸させるストレッチ工程と、
    前記ストレッチロッドのプリフォームの延伸開始に伴ってプリフォームに第1のガスを供給する第1のガス供給工程と、
    前記ストレッチロッドのプリフォームの延伸完了に前後して、前記第1のガスよりも高圧の第2のガスを供給する第2のガス供給工程とを含む、ブロー成形方法において、
    前記ストレッチ工程及び第1のガス供給工程が開始される前に前記プリフォームに前記第1のガスよりも低圧の補助ガスを供給する補助ガス供給工程を有することを特徴とするブロー成形方法。
  6. 前記補助ガスの圧力を0.05〜0.15MPaの範囲として、前記ストレッチ工程中に前記プリフォームの内ストレッチロッドの外周面との接触を防止するようにしたことを特徴とする請求項5に記載のブロー成形方法。
  7. 前記プリフォームを配設させる配設工程では、シール部材を進退させて前記プリフォームの開口部へのガス供給路をシールさせるシール工程を含み、前記補助ガスを、前記シール工程の駆動ガスで兼用した請求項5または6に記載のブロー成形方法。
  8. 前記ストレッチロッドの外径がプリフォームの胴部内径よりも大きいものを用い、前記補助ガスの圧力によって、ストレッチロッドの外周面とプリフォームの内周面との接触を防止した後、順次、前記第1のガスと前記第2のガスを供給し、プリフォームをブロー成形するようにした請求項5〜7のいずれかに記載のブロー成形方法。
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