JP6025807B2 - 組立構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、接合のための単なる結合要素や可変要素等の組立要素を用いずに、製造コストを低減するだけでなく、視認性及び強度を高め得る組立構造体に関し、特に、円形状部材を連結、積み重ね等により組み合わせ、人の自由な発想に基づいて動的に変化しうる多様な形態の立体構造物の作成を可能とする組立玩具用基本構造体に好適なものである。
様々な形状の組立構造体を相互に接続して任意の形態を作り出すことが可能な組立玩具は、思考力、情緒等を育む玩具として子供のみならず大人にも広く親しまれている。例えば、直方体を基本形状とする組立構造体としては、凸凹部を嵌合させて直方体状の各組立要素を相互に固定する構造のレゴブロック(登録商標)がよく知られる。但し、その基本特許は1988年に失効しており、類似形状の組立構造体として、「メガブロック」、「ダイヤブロック」、「ナノブロック」、「COKO bricks」等も現在知られている。
他方、直方体を基本形状としない組立構造体に関しては、準正多面体形状のジョイントパーツとロッドから成る「Zomeツール」が知られており、この「Zomeツール」によれば、ジョイントパーツにロッドを差し込むことで、フレーム状の多様な三次元物体を作ることができる。この他、直方体を基本形状としない組立構造体には、正三角形および正方形状の基本パーツと五種類のジョイントパーツを基本構造体とする組立玩具として「LaQ」が知られており、パーツの種類の多さとそれらの形状の特徴から、この「LaQ」は球面等曲面も表現し易いものであった。
また、円形状を利用した組立構造体としては、円形の歯車形状の「ロンディ」が知られており、この「ロンディ」は歯車部分を直交させて差し込むことで、組立構造体同士の連結がされる構造とされている。
この一方、このような組立構造体を用いた組立玩具の先行技術文献としては、凸凹部を有する直方体状のブロック等を相互に結合させて固定することが下記特許文献1に開示されている。また、下記特許文献2、3には、複数の孔が設けられた組立構造体をピンやナット等の結合組立要素で接続するものが開示されている。
特表2003−508138 特開2004−65401 特開2005−58432
しかしながら、従来の組立玩具のうちの上記レゴブロックは、直方体状の組立要素の凸凹部を他の組立要素に嵌合させて固定する構造であるため、動物の骨格を模したような有機的な形態を作成することが困難である他、組み立てて特定の形態の構造体を作った後に、この構造体を回転させるような、可変的な構造を有する形態を作成することが困難であった。
これに対して、この可変的な構造を有する形態を作成する手段として、ピンやナット等の結合要素やヒンジ部等の特殊な可変機構を有する可変要素等の組立要素を用いることが考えられる。しかし、組立要素の種類が増えるにしたがい、保管の煩わしさが増したり、幼児にとって扱いづらいものになったりする。また、シンプルな組立要素の組合せにより多様な形態を作り出すという組立玩具特有の創造性も失われていくこととなる。
さらに、これらの組立玩具の組立手段としては様々なものがあるが、各組立玩具の結合手段は多くの場合一種類に限られている。例えば、特許文献2に記載の組立構造体の結合手段は、組立要素の穴に結合組立要素を挿入し固定する方法のみである。このため、組立要素の結合パターンが画一的となり、その結果幾何学的な形状の作り方に制約が生じるため、数学的思考と空間認識能力の向上の手助けの効果が限定的となる。とりわけ、近年、組立玩具が図形学習や図形の応用方法探求のための教具として教育の現場にも取り入れられていることを鑑みると、1つの結合手段に限られない組立玩具に対する要望は高いといえる。
上記の要望に対応するものとして、貫通した構造の円筒部であって一方は雄部とされ、他方は雌部とされる2タイプの構造体を造り、これら雄部と雌部とを相互に嵌合させて接合する構造の組立玩具が考えられる。しかし、この構造の場合には、雌雄2タイプの構造体が必要で有り、これに伴い、構造体の種類が必要以上に増えてしまうだけでなく、金型等の製造コストが増大する。また、貫通した構造の円筒部を採用した場合には表側と裏側との判断が容易ではなく、いずれの側かの視認性が悪くなる。さらに、貫通した構造の円筒部では構造体が圧縮されたときの強度が不十分であった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、接合のための単なる結合要素や可変要素等の組立要素を用いずに、製造コストを低減するだけでなく、視認性及び強度を高め得る組立構造体を提供することを目的とする。
上記課題を解決した請求項1記載の発明は、一端側の端部が塞がれた円筒形状にそれぞれ形成されるとともに、この端部に凸状部をそれぞれ設けた2つの円筒部と、
前記2つの円筒部との接続部分が前記円筒部との間で滑らかにそれぞれ接続され且つ2つの円筒部を相互に連結する連結部と、
を含む組立構造体であって、
前記円筒部の他端側の内周部分に環状のボスを突出させ、
前記円筒部の内周面とボスとの間及びボス内で、前記円筒部の一端側の凸状部を嵌合可能とする組立構造体である。
このような組立構造体によれば、一端側の端部が塞がれた円筒形状に2つの円筒部がそれぞれ形成され、これら2つの端部の外面側に凸状部がそれぞれ設けられている。また、2つの円筒部との連結部の接続部分が滑らかにそれぞれ接続されつつ、連結部が2つの円筒部と相互に連結している。このことで凸状部が、本請求項の組立構造体と同一構造とされる他の組立構造体の円筒部の他端側に嵌まり込み、これら円筒形状に形成された円筒部相互間が相対回転可能に接合できるようになる。
そして、他の組立構造体の円筒部の凸状部が、本請求項の組立構造体と同一構造とされるのに伴って、さらに別の本請求項の組立構造体の円筒部の他端側にこの凸状部が嵌まり込むことで、組立構造体を連続的に接合可能となる。
また、本請求項によれば、円筒部の他端側の内周部分に突出した環状のボスの存在により単に安定的に組立構造体相互間を回転可能に嵌合して接合できるだけでなく、種々の位置関係での嵌合が可能となる。
この一方、2つの円筒部との連結部との間の接続部分が滑らかにそれぞれ接続されていることで、円筒部に対して連結部が凹状に形成されることになる。このため、本請求項の組立構造体と同一構造とされる他の組立構造体の円筒部が、この連結部に隣り合う形で安定的に配置可能となる。
以上より、本請求項の組立構造体によれば、接合のための単なる結合要素や可変要素等の組立要素を用いずに、同一構造の組立構造体を連続的に接合可能になるため、単一の金型のみで良くなるのに伴い、組立構造体の製造コストが低減できると共に、2つの円筒部の一端側の端部がそれぞれ塞がれているので、視認性及び強度を高めた組立構造体が得られる。
したがって、本請求項の組立構造体を複数組み合わせて組立玩具とできる。これに伴って遊具として娯楽目的で使用されるだけでなく、子供の思考力、図形・空間認識能力、情緒等を育む知育玩具、教具としての意義をも有している。
さらに、「ナノブロック」や「レゴブロック」等は大人の使用者も多いことが知られるが、本請求項の組立構造体も、組立により多様な形状の作成が可能となると共に、関節部となる円筒部間の嵌合が回転可能となるのに伴って関節部の運動が可能なため、大人が創造性を発揮する玩具やモデル製作の部材としても利用できる。
請求項2の発明は、前記2つの円筒部の大きさを相互に異ならせると共に、前記連結部の内径面側が小さい円筒部の半径と同じ径の円弧とされ、前記連結部の両端で2つの円筒部と接するように滑らかにそれぞれ接続される請求項1に記載の組立構造体である。
つまり、本請求項によれば、2つの円筒部の大きさを相互に異ならせ、連結部の内径面側が小さい円筒部の半径と同じ径の円弧とされていることから、本請求項の組立構造体と同一構造とされる他の組立構造体の小さい円筒部をこの連結部に隣り合って隙間無く安定的に積み重ね可能となる。
請求項3の発明は、前記2つの円筒部の大きさを相互に異ならせると共に、前記連結部の内径面側が大きい円筒部の半径と同じ径の円弧とされ、前記連結部の両端で2つの円筒部と接するように滑らかにそれぞれ接続される請求項1に記載の組立構造体である。
つまり、本請求項によれば、2つの円筒部の大きさを相互に異ならせ、連結部の内径面側が大きい円筒部の半径と同じ径の円弧とされていることから、本請求項の組立構造体と同一構造とされる他の組立構造体の大きい円筒部をこの連結部に隣り合って隙間無く安定的に積み重ね可能となる。
請求項4の発明は、前記連結部が曲線状に形成され、前記連結部の両端で2つの円筒部と接するように滑らかにそれぞれ接続される請求項1に記載の組立構造体である。
つまり、本請求項によれば、連結部が単に曲線状に形成されていることで、他の組立構造体の種々の大きさの円筒部が、この連結部に隣り合って安定的に積み重ね可能となる。
本発明の組立構造体によれば、接合のための単なる結合要素や可変要素等の組立要素を用いずに、製造コストを低減するだけでなく、視認性及び強度を高めることができるという優れた効果を有する。
これに合わせて、各組立構造体同士の円筒部を嵌合して相互に繋いで形態を作っていくため、有機的な形態が作りやすい。また、組立後も結合部を回転させることができるため、補助的な結合組立要素を用いることなく、変形を許す動的な物体を作成することができる。さらに、連結部の部分同士を結合することができるため、より多様な組み合わせを模索して多様な形態を作成することができる。
本発明の第1の実施形態のタイプ1に係る組立構造体の斜視図である。 本発明の第1の実施形態のタイプ1に係る組立構造体の下から見た斜視図である。 本発明の第1の実施の形態のタイプ1に係る組立構造体を説明する図であり、(A)は平面図であり、(B)は正面図である。 本発明の第1の実施形態のタイプ2に係る組立構造体の斜視図である。 本発明の第1の実施形態のタイプ3に係る組立構造体の斜視図である。 本発明の第1の実施形態のタイプ4に係る組立構造体の斜視図である。 本発明の第1の実施形態のタイプ5に係る組立構造体の斜視図である。 本発明の第1の実施形態のタイプ1に係る組立構造体を2つ用いて円筒部同士を嵌合させた組立状態を表す斜視図である。 本発明の第1の実施形態のタイプ1に係る組立構造体を2つ用いて連結部同士を重ね合わせて嵌合した組立状態を表す斜視図である。 本発明の第1の実施形態のタイプ1に係る組立構造体を外接させて積み重ねた組立状態を表す斜視図である。 本発明の第1の実施形態のタイプ1に係る組立構造体を4つ用いて円筒部同士を嵌合させた組立状態を表す斜視図である。 本発明の第1の実施形態のタイプ1に係る組立構造体を4つ用いて円筒部同士を嵌合させた組立状態を表す平面図である。 本発明の第1の実施形態のタイプ3を説明する平面図であって、(A)は連結部の2つの内径面の半径が共に小さい円筒部の半径と同じ組立構造体を示し(B)は連結部の2つの内径面の半径が相互に異なるものを示す。 本発明の第1の実施形態のタイプ3を説明する平面図であって、(A)は図13(A)のタイプ3を用いて積み重ねた状態を示し、(B)は図13(B)のタイプ3を用いて積み重ねた状態を示す。 本発明の第1の実施形態のタイプ3を説明する平面図であって、小さい円筒部同士を共有して凸状部により繋いだ状態を示す図である。 本発明の第1の実施形態のタイプ3を説明する平面図であって、(A)は図13(A)のタイプ3を2つ用いて十字連結した状態を示し、(B)は図13(B)のタイプ3を用いて十字連結した状態を示す。 本発明の第1の実施形態のタイプ3に係る組立構造体を外接させて積み重ねた組立状態を表す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る組立構造体を示す斜視図であって、(A)はタイプ1を示し、(B)はタイプ2を示し、(C)はタイプ3を示し、(D)はタイプ4を示し、(E)はタイプ5を示す。 本発明の第3の実施形態に係る組立構造体を示す図であって、(A)はタイプ1を示し、(B)はタイプ2を示し、(C)はタイプ3を示し、(D)はタイプ4を示し、(E)はタイプ5を示す。 本発明の第2の実施形態の変形例に係る組立構造体を示す斜視図であって、(A)はタイプ1を示し、(B)はタイプ3を示し、(C)はタイプ4を示す。 本発明の第1の実施形態のタイプ3の変形例に係る組立構造体を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る雌型円筒部を有した組立構造体の斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る雄型円筒部を有した組立構造体の斜視図である。 本発明の第1から第3の実施形態に係る組立構造体を複数用いて生物のうちのあひるを模した形態を表す斜視図である。 本発明の第1から第3の実施形態に係る組立構造体を複数用いて生物のうちの犬を模した形態を表す斜視図である。 本発明の第1から第3の実施形態に係る組立構造体を複数用いて生物のうちの人を模した形態を表す斜視図である。 本発明の第1から第3の実施形態に係る組立構造体を複数用いて生物のうちのきりんを模した形態を表す斜視図である。 本発明の第1から第3の実施形態に係る組立構造体を複数用いたもので、龍、人、雲を模した形態を表す斜視図である。
以下、本発明に係る組立構造体の第1の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態の組立構造体10の最初のタイプであるタイプ1は、図1に示すようにそれぞれ内外周面が相互に同一の径とされる円筒形状の2つの円筒部11、12を有した構造とされている。また、本タイプの組立構造体10の2つの円筒部11、12は、一端側の端部である上端部が滑らかな平面状の頂面11A、12Aで覆われてこの部分が塞がれている一方、図2に示すように下端部が開放された円筒形状に形成された構造とそれぞれされている。
これら2つの円筒部11、12の頂面11A、12A上には、それぞれ円柱状に形成された3つの凸状部25が設けられている。但し、3つの凸状部25は、各円筒部11、12の中心廻りに等間隔(角度120度毎の間隔)の位置で配置され、かつ、3つの凸状部25を繋ぐ外接円の径をこの円筒部11、12の内周面の径と同一としている。
さらに、これら2つの円筒部11、12の間には、これら2つの円筒部11、12を相互に連結する一対の連結部15、16が配置されていて、この組立構造体10は図1に示す上面視において略瓢箪型になっている。各連結部15、16の外側に露出している内径面15A、16Aの両端は、円筒部11、12の上部寄りに対して2つの円筒部11、12の外周面に沿うように、滑らかに2つの円筒部11、12の外周面とそれぞれ接続されている。この際、一対の連結部15、16の内径面15A、16Aの円弧の径が、円筒部11、12の外周面の半径と同じ径の円弧とされている。そして、一対の連結部15、16の上側の面を上覆面19が構成し、この上覆面19は円筒部11、12の頂面11A、12Aと滑らかに繋がっている。
他方、図2に示すように円筒部11、12の他端側の内周部分の中央部分には、円筒部11、12の内周面の下端部と同じ高さとなる円環ボス18が、頂面11A、12Aから下側に円環状に突出している。この円筒部11、12の内周面と円環ボス18との間の隙間K1の大きさ及び、円環ボス18の内周面内の空間K2の大きさは、円筒部11、12の一端側の凸状部25がそれぞれ嵌合可能な寸法になっている。つまり、3つの凸状部25の内接円の直径と同一の直径を有する円環ボス18が、円筒部11、12の内周面と同心円上に立設されている。
これら一対の連結部15、16は、図3に示すようにその内径面15A、16Aの半径rcが2つの円筒部11、12の半径rと同一とされると共に2つの円筒部11、12の高さdの半分程度の幅寸法dcを有する円弧状にそれぞれ形成されている。また、各連結部15、16の内径面15A、16Aを形成する円弧が中心角θを90°とした扇形ともされている。そして、これら一対の連結部15、16は湾曲した凸側が互いに対向するように形成されているものの、一対の連結部15、16の内径面15A、16A間の最短距離MSは、2つの円筒部11、12間の距離Sと同一とされている。
タイプ2の組立構造体10として、図4に示すものがある。このタイプ2の円筒部21、22の上端部を形成する頂面21A、22Aの中心部分には、それぞれ1つの凸状部25がそれぞれ設けられていて、タイプ1と比較して円筒部21、22は全体に小さくなっている。具体的には、タイプ1の円筒部11、12の半径の大きさを√2としたときに、タイプ2の円筒部21、22の大きさは1の割合になる。そして、一対の連結部15、16の構造等は、タイプ1の組立構造体10と同様であるが、円筒部21、22が小さいのに対応して、一対の連結部15、16の内径面15A、16Aの円弧の径が、円筒部21、22の半径と同じ径の円弧とされていて、一対の連結部15、16も小さくなっている。
タイプ3の組立構造体10として、タイプ1とタイプ2とを組み合わせた構造のものが考えられる。具体的には、図5に示すように2つの円筒部の大きさを相互に異ならせ、一方の円筒部11に3つの凸状部25が設けられているのに対して、他方の円筒部22に1つの凸状部25が設けられて、一方の円筒部11より小さくされた構造とされている。なお、本タイプにおいても、大きい円筒部11の大きさを√2としたときに、小さい円筒部22の大きさは1の割合にされている。
そして、一対の連結部15、16の内径面15A、16Aを小さい円筒部22の外周面の半径と同じ径の円弧とし、或いは一対の連結部15、16の内径面15A、16Aを大きい円筒部11の外周面の半径と同じ径の円弧として、連結部15、16の両端で2つの円筒部11、22の外周面が形成する円と接するように滑らかにそれぞれ接続される構造となっている。但し、上記と異なり、一対の連結部15、16の内の一方の連結部16の内径面16Aを小さい円筒部22の半径と同じ径の円弧とし、他方の連結部15の内径面15Aを大きい円筒部11の半径と同じ径の円弧としていて、それぞれ連結部15、16の両端で2つの円筒部11、22が形成する円と接するように滑らかにそれぞれ接続するようにしても良い。
タイプ4の組立構造体10として、図6に示すものがある。図示のように相互に同一の3つの円筒部11、12、13の上端部を形成する頂面11A、12A、13A上には、3つの凸状部25がそれぞれ設けられているが、これら円筒部11、12、13は等間隔(角度120度毎の間隔)で3つ存在する構造とされている。そして、これらの間を3つの連結部15、16、17でそれぞれ繋いで、3つの連結部15、16、17の内径面15A、16A、17Aを円筒部11、12、13の外周面の半径と同じ径の円弧とし、連結部15、16、17の両端で3つの円筒部11、12、13が形成する円と接するように滑らかにそれぞれ接続された構造としている。
タイプ5の組立構造体10として、図7に示すものがある。図示のように相互に同一の3つの円筒部21、22、23の上端部を形成する頂面21A、22A、23A上には、1つの凸状部25がそれぞれ設けられているが、これら円筒部21、22、23は同じく等間隔(角度120度毎の間隔)で3つ存在する構造とされている。そして、これらの間を3つの連結部15、16、17でそれぞれ繋いで、3つの連結部15、16、17の内径面15A、16A、17Aを円筒部21、22、23の半径と同じ径の円弧とし、連結部15、16、17の両端で3つの円筒部21、22、23が形成する円と接するように滑らかにそれぞれ接続された構造としている。
なお、これらタイプ2からタイプ5の組立構造体10においても、タイプ1と同様に、円筒部の他端側の内周部分の中央部分には、円筒部の内周面の下端部と同じ高さとなる円環ボス18が、頂面から下側に円環状に突出している。同様に、この円筒部の内周面と円環ボス18との間の隙間K1の大きさ及び、円環ボス18の内周面内の空間K2の大きさは、円筒部の一端側の凸状部25がそれぞれ嵌合可能な寸法になっている。
従って、本実施形態の組立構造体10の各タイプによれば、タイプ1を例として他の組立構造体10の円筒部11、12の他端側にこれら複数の凸状部25を挿入して、他の組立構造体10の円筒部11、12の内周面に、これら複数の凸状部25を嵌合することができる。これに伴い、複数の凸状部25及び円環ボス18により、円筒部11、12同士が回転可能に嵌合されて、組立構造体10同士が連結されることになる。そして、各タイプ間の同様となる。
以上より、各タイプ同士或いは各タイプ間の組立構造体10の円筒部11、12、13、21、22、23の内周面に、他の組立構造体10の凸状部25が嵌合することで、これら組立構造体10同士を接合することができる。この際、凸状部25及び円筒部11、12、13、21、22、23の内周面はそれぞれ円形に形成されているので、結合後も嵌合部分を軸として回転し得るように嵌合可能とされ、これに伴って各組立構造体10を相対的に回転できる。
上記性質を利用すれば、相互に同一形状に形成された複数の組立構造体10を図8及び図9に示すように嵌合させつつ積み重ねていくことができる。例えば、図8に示すように、タイプ1同士の2つの組立構造体10の円筒部11、12と円筒部11、12とを各1つずつ嵌合させて直線状に繋ぐことができる。ただし点線で示すように、角度をつけて繋ぐことも可能となる。このように2つの組立構造体10同士の接触部分が円形状であるため、接続後も接触部分で組立構造体10を回転させることができる。
また、図示しないものの、複数の組立構造体10の2つの円筒部をそれぞれ相互に連結して、組立構造体10を順次積み重ねる形で組み合わせることにより、複数の組立構造体10を結合することもできる。
他方、図3に示すように各タイプは、一対の連結部15、16の内径面15A、16A間の最短距離MSが2つの円筒部11、12間の距離Sと同一とされ、連結部15、16の周辺は、円筒部11、12の一部をも含め、中心角θが90度の4つの円弧から成るのに伴い、90度の回転対称性を持っている。
従って、図9に示すように、2つの組立構造体10を90度の角度だけ相互に回転して、連結部15、16同士を重ね合わせつつ上方の組立構造体10を下降することで、点線のように配置できる。このことで、一方の組立構造体10の円筒部11、12及び連結部15、16と、他方の組立構造体10の連結部16、15及び円筒部12、11とが、それぞれ計4組で接合する形にできる。そして、組立構造体10同士を図9に示す実線の組立構造体10と点線の組立構造体10の組み合わせのように結合することで、4つの円が正方形状に配置された図形ともなる。
なお、タイプ2の組立構造体10も上記と同様に接合することができる。また、タイプ4及びタイプ5の組立構造体10は、60度の角度だけ相互に回転して上記と同様に接合することで、6つの円が六角形状に配置された図形にできる。さらに、タイプ3の組立構造体10は、一方の連結部16の内径面16Aが小さい円筒部22の半径と同じ径の円弧とされ、他方の連結部15の内径面15Aが大きい円筒部11の半径と同じ径の円弧とされた場合であれば、上記と同様に接合することができる。
次に、本実施形態の組立構造体10の具体的な寸法の例を図1から図3に示すタイプ1の2つの円筒部11、12を有した組立構造体10を例として、以下に説明する。
下記は、円筒部11、12、凸状部25、円環ボス18及び組立構造体自体がそれぞれ有する寸法の一例である。但し、寸法の単位はmmである。
円筒部11、12について
半径r=10、厚みT=0.6、高さd=10、高さdc=5
凸状部25について
高さA=5、直径D=6.3
円環ボス18について
直径F=6.3、厚みG=0.4
組立構造体10自体について
横最長部の長さL=48.2(=20+20√2)
次に、本実施形態の組立構造体10の作用を説明する。
上記のような組立構造体10の例えばタイプ1によれば、一端側の端部が塞がれた円筒形状に2つの円筒部11、12がそれぞれ形成され、これら2つの端部の外面側に凸状部25がそれぞれ3つ設けられている。また、2つの円筒部11、12との連結部15、16の接続部分が滑らかにそれぞれ接続されつつ、連結部15、16が2つの円筒部11、12と相互に連結した構造とされている。さらに、円筒部11、12の他端側の内周部分に環状の円環ボス18が突出していて、円筒部11、12の内周面と円環ボス18との間及び円環ボス18内で、円筒部11、12の一端側の凸状部25と嵌合可能になっている。
このことで凸状部25が、本実施形態の組立構造体10と少なくとも同一構造とされる同一タイプの他の組立構造体10の円筒部11、12の他端側に嵌まり込み、これら円筒形状に形成された円筒部11、12相互間が相対回転可能に接合できるようになる。そして、他の組立構造体10の円筒部11、12の凸状部25が、本実施形態の組立構造体10と同一構造とされるのに伴って、さらに別の組立構造体10の円筒部11、12の他端側にこの凸状部25が嵌まり込むことで、組立構造体10を連続的に接合可能となる。
この一方、2つの円筒部11、12と連結部15、16との間の接続部分が滑らかにそれぞれ接続されていることで、円筒部11、12に対して連結部15、16が凹状に形成されることになる。このため、本実施形態の組立構造体10と同一構造とされる少なくとも同一タイプの他の組立構造体10の円筒部11、12が、この連結部15、16に隣り合う形で安定的に配置可能となる。
他方、例えばタイプ1では、一対の連結部15、16の内径面15A、16Aの半径rcが2つの円筒部11、12の半径rと同一とされると共に、2つの円筒部11、12の高さdより幅dcが狭い円弧状にこれら連結部15、16が形成されている。さらに、2つの円筒部11、12間の距離Sと一対の連結部15、16の内径面15A、16A間の最短距離MSとが同一とされている。このことから、図9に示すように他の組立構造体10の連結部15、16とこの連結部15、16との間を交差させる形で重ね合わせることにより、相互に異なる組立構造体10同士が円筒部11、12と連結部15、16との間の相互の接合によって、連結される。
以上より、本実施形態の組立構造体10の各タイプによれば、接合のための単なる結合要素や可変要素等の組立要素を用いずに、同一構造の組立構造体10を連続的に接合が可能になるので、単一の金型のみで良くなるのに伴い、組立構造体10の製造コストが低減できる。また、2つの円筒部11、12、13、21、22、23の一端側の端部がそれぞれ塞がれているので、視認性及び強度を高め得る組立構造体10が得られる。さらに、可変的な接合を可能とするだけでなく相互の結合パターンを2通とできるため、有機的な形態や可変的な構造を有する形態を簡易に作成可能となると共に、多数の幾何学的な形状をも容易に作成可能ともなる。
そして、タイプ3のように2つの円筒部の大きさを相互に異ならせた場合には、連結部15、16の内径面15A、16Aを小さい円筒部22の半径と同じ径の円弧としたり、或いは連結部15、16の内径面15A、16Aを大きい円筒部11の半径と同じ径の円弧としたりしつつ、連結部15、16の両端で2つの円筒部11、22と接するように滑らかにそれぞれ接続する構造としても良い。
つまり、連結部15、16の内径面15A、16Aが小さい円筒部22の半径と同じ径の円弧とされれば、同一構造とされる他の組立構造体10の小さい円筒部22をこの連結部15、16に隣り合って隙間無く安定的に積み重ね可能となる。また、連結部15、16の内径面15A、16Aが大きい円筒部11の半径と同じ径の円弧とされれば、同一構造とされる他の組立構造体10の大きい円筒部11をこの連結部15、16に隣り合って隙間無く安定的に積み重ね可能となる。
次に、本実施の形態の組立構造体10のタイプ1及びタイプ3による組立例を説明する。
まず、図10に示すように、複数のタイプ1の組立構造体10を外接させて積み重ねていくことができる。また、図11及び図12のように、円筒部11、12を有したタイプ1の組立構造体10を四つ順次連結し、最後に両端の円筒部同士を嵌合させて一致させると、図12に示すように、正方形状に配置された四つの円に加え、中央に元々なかった同一径の円孔Qが現れる図形となる。
この円孔Qは、それぞれの組立構造体10の連結部15、16の円弧から形成されるため、円筒部11、12と同一径を持ち、新たな組立構造体10の円筒部を嵌め込んで固定することが可能である。これらのことから、組立構造体10が実体を持った物体として実現されると、それを複数連結して行くことで多様な形状を作成できることを示唆している。
以下に、第1の実施形態に係る組立構造体10のタイプ3について説明する。
本タイプ3では、一対の連結部15、16の内径面15A、16Aを小さい円筒部22の外周面の半径と同じ径の円弧、或いは一対の連結部15、16の内径面15A、16Aを大きい円筒部11の外周面の半径と同じ径の円弧としたが、以下のようなものも考えられる。
具体的には、大きい円筒部11の外周面の半径をsとし、小さい円筒部22の外周面の半径をrとしたとき、図13(A)には、一対の連結部15、16の内径面15A、16Aの半径が共に小さい円筒部22の外周面の半径と同一の半径rとしたひょうたん型の組立構造体10を示している。但し、これら内径面15A、16Aの半径を共に半径sとしても良い。
この一方、図13(B)には、連結部15の内径面15Aを半径rとし、連結部16の内径面16Aを半径sとして相互に異なる半径のひょうたん型の組立構造体10を示している。つまり、図13(B)の組立構造体10では、左側の連結部15の円弧は小さい円筒部22と同径であり、右側の連結部16の円弧は大きい円筒部11と同径となっている。
これら図13(A)、(B)のいずれのタイプの三次元の構造体としての組立構造体10であっても、それ自身と同形を含むひょうたん型の組立構造体10と円弧状のくびれ部分とされる連結部と円筒部との間で互いに密着させつつ外接させて積み重ねたり、組立構造体10同士を凸状部25で積み重ねたりすることができる。具体的には、図14(A)に示すように、図13(A)の二つの組立構造体10をくびれ部分とされる連結部15、16と円筒部22との間で密着させることができる。また、図14(B)に示すように、図13(B)の二つの組立構造体10をくびれ部分とされる連結部15と円筒部22との間や連結部16と円筒部11との間で密着させることができる。
次に、二つ以上の組立構造体10のタイプ3に適した連結方法を以下に説明する。
まず、二つの組立構造体10の連結部15、16の内径面15A、16Aの半径が同径とされた場合には、図15に示すように小さい円筒部22同士を共有して凸状部25の嵌合により繋ぐことができる。尚、図15では直線上に二つの組立構造体10が連結しているが、相互に角度を付けて連結することも可能となる。そして、この連結方法を「逐次連結」と呼ぶことにする。
他の連結方法として、円弧状の連結部15、16と円筒部との間の嵌合を介して、二つの組立構造体10を十字にクロスさせて連結して繋ぐ方法が挙げられる。この連結方法を「十字連結」と呼ぶことにする。具体的には、図16(A)に示すように、図13(A)の組立構造体10に第1の実施形態のタイプ2の組立構造体10を十字にクロスさせて連結することが考えられる。つまり、小さい二つの円筒部21、22を有したタイプ2の組立構造体10と、大小二つの円筒部11、22を同径の円弧からなる2つの連結部15、16で繋いだ図13(A)のタイプ3の組立構造体10とを十字にクロスさせて連結して繋ぐことができる。但し、小さい二つの円筒部21、22を有するものの、連結部の2つの内径面の円弧の一方は小さい円筒部21、22と同径とされ、他方は大きい円筒部11と同径とされた組立構造体10で合っても、十字にクロスさせて連結して繋ぐことができる。また、図16(B)に示すように、図13(B)に示す2つのタイプ3の組立構造体10を十字にクロスさせて連結して繋ぐこともできる。
なお、図14から図16に示す組立構造体10同士の積み重ね、逐次連結、十字連結等を可能とする組立構造体10の組み合わせには、円筒部の半径および連結部の内径面の半径の大きさに制約が当然に存在する。但し、制約を満たす様々な半径の大きさ或いは半径比が候補として考えられる中で、図13(A)、(B)に示した二つの円筒部22、11の半径比が1:√2とされる。
このような組立構造体10は、図17に示すように、例えば4つのタイプ3の組立構造体10を外接させて並列に美しく積み重ねていくことができる。この際、円筒部11と円筒部22との間の一対の連結部15、16の内径面15A、16Aを小さい円筒部22の外周面の半径と同じ径の円弧としたことで、小さい円筒部22がこれら連結部15、16に接しつつ組立構造体10を積み重ねていくことになる。
したがって、組立玩具等での応用において第1の実施形態の組立構造体10は有望と考えられる。但し、別のサイズ比でも有望なものがさらに見つかる可能性はある。以上のように三次元の構造体とされるひょうたん型をした組立構造体10を複数連結していくことで多様な形状を作成できることを示唆している。
次に、本発明に係る組立構造体の第2の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態の組立構造体10は、図18に示すように第1の実施形態と似た構造とされている。但し、第1の実施形態のタイプ1からタイプ5まででは、連結部15、16、17が2つ或いは3つの円筒部11、12、13、21、22、23の上端側でこれら円筒部11、12、13、21、22、23を連結しているのに対して、本実施形態ではこれら円筒部の下部寄りで連結部15、16、17がこれら円筒部を連結しているという相違を有している。
このため、本実施形態も第1の実施形態と同様に作用することになる。但し、円筒部11、12、13、21、22、23の下端側で連結部15、16、17がこれら円筒部11、12、13、21、22、23を連結しているので、2つの組立構造体10を90度の角度だけ相互に回転して、連結部15、16同士を重ね合わせつつ接合する際には、第1の実施形態と逆向きで接合される。
次に、本発明に係る組立構造体の第3の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態の組立構造体10は、図19に示すように第1の実施形態と似た構造とされている。但し、第1の実施形態のタイプ1からタイプ5まででは、連結部15、16、17が2つ或いは3つの円筒部11、12、13、21、22、23の上部寄りでこれら円筒部11、12、13、21、22、23を連結しているのに対して、本実施形態では連結部15、16、17がこれら円筒部の全体でこれら円筒部を連結しているという相違を有している。
このため、本実施形態も第1の実施形態と同様に作用することになる。但し、円筒部11、12、13、21、22、23の全体で連結部15、16、17がこれら円筒部11、12、13、21、22、23を連結しているので、2つの組立構造体10を90度の角度だけ相互に回転して、連結部15、16、17同士を重ね合わせつつ接合することはできない。 また、本実施形態のタイプ4では連結部15、16間に3つの凸状部25が設けられ、タイプ5では連結部15、16間に1つの凸状部25が設けられている。このため、これらのタイプでは、この連結部15、16間の凸状部25でも他の組立構造体10に接合が可能となる。
他方、円筒部11、12、13の上面の凸状部25の位置や数もさまざま考えられる。具体的には、図18に示す第2の実施形態のタイプ1、3、4の組立構造体10とは異なる位置に、3つの凸状部25が存在する変形例のタイプ1、3、4を図20に図示する。これらは円筒部の中心に対して60度程度の角度だけ回転して3つの凸状部25を配置した例であるが、凸状部25の位置はこれらの回転角度に限定されるものではない。
また、第1の実施形態のタイプ3の変形例として、図21に示すように連結部15、16を曲線状に形成し、この連結部15、16の両端で2つの円筒部11、12の外周面と接するように滑らかにそれぞれ接続しても良い。このように連結部15、16が曲線状に形成されれば、他の組立構造体の種々の大きさの円筒部11、12が、この連結部15、16に隣り合って安定的に積み重ね可能ともなる。
次に、本発明に係る組立構造体の第4の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態の組立構造体30は、図22及び図23に示すように第1から第3の実施形態のタイプ3と似た構造とされている。
但し、それぞれのタイプ3の組立構造体10の2つの円筒部11、12は、頂面11A、12Aで覆われて塞がれているが、本実施形態の組立構造体30では、2つの円筒部がそれぞれ貫通した構造とされているという相違を有する。このため、円筒部の頂面がなく、これに伴い頂面上に凸状部も存在していないという相違を第1から第3の実施形態に対して有している。
つまり、本実施形態の組立構造体30の円筒部には、図22に示す上記雌型円筒部31、32の他に、図23に示す雄型円筒部33、34が他のタイプとして存在する。そして、本実施形態においても、大きい円筒部31、33の大きさを√2としたときに、小さい円筒部32、34の大きさは1の割合にされている。
また、これら雌型円筒部31、32は、相互に同軸状の内外周面がそれぞれストレートに形成されている。これに対して、雄型円筒部33、34は、相互に同軸状の内外周面がその中程で細く形成されている。すなわち、雄型円筒部33、34の一端側である上側には、細径とされた嵌合雄部33B、34Bが形成されており、この嵌合雄部33B、34Bの外径は、雌型円筒部31、32の内径及びこの雄型円筒部33、34の下側寄りの基本径部33A、34Aの内径と同一とされている。
このため、他の組立構造体30の雌型円筒部31、32及び雄型円筒部33、34の内周面に、この嵌合雄部33B、34Bが嵌合可能となる。この際、嵌合雄部33B、34B及びこれらの内周面はそれぞれ円形に形成されているので、結合後も嵌合部分を軸として回転し得るように嵌合可能とされ、これに伴って各組立構造体30を相対的に回転できる。 このような性質を利用すれば、相互に同一形状に形成された複数の組立構造体30を積み重ねていくことができる。
最後に、第1の実施形態の組立構造体10により生物を模した形態の例を以下に説明する。
例えば、第1の実施形態の組立構造体10により生物を模した形態の作成例のうちの「アヒル」を模した組立玩具の組立例の斜視図を図24に示す。この「アヒル」を模した組立玩具の組立例は、組立構造体相互間を回転させることで、姿勢の変化が可能である。また、図25に示す斜視図は、生物のうちの「犬」を模した組立玩具の形態を表し、図26に示す斜視図は、生物のうちの「人」を模した組立玩具の形態を表し、この例では、脚部及び腕部を構成する組立構造体をそれぞれ回転させることで、直立体勢のみならず様々な体勢を取ることが可能である。
この他、図27に示す斜視図は、「きりん」を模した組立玩具の形態を表し、図28に示す斜視図は、「龍、人、雲」を模した組立玩具の形態を表す。
以上より、これら図24から図28の斜視図に示す組立玩具の組立例においても、接合部分を構成する組立構造体をそれぞれ回転させることで、様々な変形が可能である。
以上のように、本発明の組立構造体には2つの円筒部を用いたものだけでなく、3つの円筒部を三つ又状に配置して円弧状の連結部で繋いだタイプのバリエーションもあるが、この際、連結部の高さは円筒部の高さ以下であればよい。このため、本発明の組立構造体を複数組み合わせ連結することで、幾何学的形状、有機的形状を含む多様な形態の作成が可能である。これらの特徴より本発明の組立構造体は、図形学習や図形の応用方法探究のための教具や、人の自由な発想に基づく形態作成のための玩具として、効果的に使用できる。
他方、上記した組立構造体のサイズは一例で有り、本発明の組立構造体は手に取って使用するため、幼児、小児、十代、大人等の使用対象の相違により、組立構造体の厚みや円筒部の半径のサイズを相異させて各使用対象に合わせたサイズを決定することが考えられる。さらに、組立構造体の材質としてはABS樹脂やPLA樹脂が考えられるが、強度、耐久性、製造のコスト等様々な観点から、他の最適な素材を用いても良い。
以上、本発明に係る実施の形態を説明したが、本発明は係る実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明は、組立玩具の他にさまざまな理工学あるいは産業分野に適用可能となる。
10 組立構造体
11、12、13 円筒部
15、16、17 連結部
15A、16A、17A 内径面
18 円環ボス(ボス)
21、22、23 円筒部
25 凸状部
30 組立構造体
31、32 雌型円筒部
33、34 雄型円筒部
S 距離
MS 最短距離

Claims (4)

  1. 一端側の端部が塞がれた円筒形状にそれぞれ形成されるとともに、この端部に凸状部をそれぞれ設けた2つの円筒部と、
    前記2つの円筒部との接続部分が前記円筒部との間で滑らかにそれぞれ接続され且つ2つの円筒部を相互に連結する連結部と、
    を含む組立構造体であって、
    前記円筒部の他端側の内周部分に環状のボスを突出させ、
    前記円筒部の内周面とボスとの間及びボス内で、前記円筒部の一端側の凸状部を嵌合可能とする組立構造体。
  2. 前記2つの円筒部の大きさを相互に異ならせると共に、前記連結部の内径面側が小さい円筒部の半径と同じ径の円弧とされ、前記連結部の両端で2つの円筒部と接するように滑らかにそれぞれ接続される請求項1に記載の組立構造体。
  3. 前記2つの円筒部の大きさを相互に異ならせると共に、前記連結部の内径面側が大きい円筒部の半径と同じ径の円弧とされ、前記連結部の両端で2つの円筒部と接するように滑らかにそれぞれ接続される請求項1に記載の組立構造体。
  4. 前記連結部が曲線状に形成され、前記連結部の両端で2つの円筒部と接するように滑らかにそれぞれ接続される請求項1に記載の組立構造体。
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