JP6024379B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置に関する。
従来、エンジンの排気中に含まれるパティキュレート(Particulate Matter,PM)をパティキュレートフィルター(以下フィルターと呼ぶ)で捕集し、フィルター上で焼却,除去するという排気浄化装置の再生制御が知られている。この再生制御では、フィルターに捕集されたパティキュレートの量が多いほど、燃焼に伴う発熱量が増大し、フィルターの溶損や熱劣化が発生しやすくなる。一方、パティキュレートが十分に焼却されなければ、フィルター細孔の目詰まりによって排気圧が増大しやすくなる。したがって、フィルターの再生制御では、パティキュレートの燃焼状態を精度よく把握することが望まれている。
上記の課題に対し、フィルターの上流側及び下流側に配置された酸素濃度センサーでの検出値に基づいて、燃焼状態を判定する制御技術が提案されている。すなわち、フィルターで消費された酸素量を基準として、燃焼状態が適正であるか否かを判断するものである。このような制御により、フィルター内での過昇温を検出することができ、溶損の発生や熱劣化の進行を抑制することができる(例えば、特許文献1参照)。
特許第3646635号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の技術では、フィルター内で過昇温が発生した位置を特定することができない。例えば、フィルターで消費された酸素量が過剰であることが検出されたときに、酸素が多量に消費されている部位がフィルターの中心部であるのか、それともフィルターの外周部であるのかを特定できない。つまり、フィルター内での燃焼状態が適正でないことが把握できたとしても、フィルター内部で燃焼反応が活発な位置は不明のままである。したがって、フィルター内での温度分布に応じた再生制御を実施することができず、局所的な溶損や触媒劣化を回避できない場合がある。
なお、たとえフィルター内部で燃焼反応が活発な位置を把握できなくても、再生制御時におけるフィルターの目標温度を低下させ、あるいは再生制御の実施時間を短縮することによって、溶損や熱劣化を回避するという対策も考えられる。しかしこの場合、焼却されずに残るパティキュレート量が増大し、排気抵抗を増大させるおそれが生じる。
このように、従来の技術では、フィルター内での燃焼状態を巨視的に捉えることしかできない。このことから、詳細な燃焼位置に関する情報を取得することが困難であり、再生制御の精度を向上させることが難しいという課題がある。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、フィルター内での燃焼反応が活発な位置を判定することができるようにした排気浄化装置を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示する排気浄化装置は、エンジンの排気通路に設けられ、排気中のパティキュレートを捕集するフィルターと、前記フィルターの下流側端面に近接して設けられ、排気温度を検出する温度センサーと、前記フィルターの中心部及び外周部のそれぞれを通過した排気が混合された混合気の酸素濃度を検出する濃度センサーとを備える。
また、前記温度センサーで検出された前記排気温度と前記濃度センサーで検出された前記酸素濃度とに基づき、前記フィルター内で前記パティキュレートの燃焼が相対的に活発な位置を判定する判定手段を備える。
上記の排気浄化装置は、前記温度センサーで検出された前記排気温度に基づき、前記フィルターの上流側及び下流側の排気温度差を算出する温度差算出手段と、前記濃度センサーで検出された前記酸素濃度に基づき、前記フィルターの上流側及び下流側の酸素濃度差を算出する濃度差算出手段とを備える。前記判定手段が、前記温度差算出手段で算出された前記排気温度差と前記濃度差算出手段で算出された前記酸素濃度差とに基づき、前記位置を判定する。
また、上記の排気浄化装置は、前記判定手段で判定された前記位置に基づき、前記外周部の燃焼状態が前記酸素濃度差に与える影響の度合いに相当する分配係数を算出する分配係数算出手段と、前記分配係数算出手段で算出された前記分配係数と、前記濃度差算出手段で算出された前記酸素濃度差とに基づき、前記フィルターの中心温度に対する前記フィルターの外周温度の上昇量を算出する上昇量算出手段とを備える。
ここでいう「燃焼が相対的に活発な位置」は、前記フィルターの内部で相対的に温度が高温である箇所の位置(例えば、過昇温が発生している位置)に対応する。
前記温度センサーは、前記フィルターの下流側端面に近接して設けられることから、おもに前記フィルターの一部を通過した排気についての温度を検出する。つまり、この温度には、前記フィルターの一部の燃焼状態が強く反映される。これに対し、前記濃度センサーは、おもに前記フィルターを通過した排気が混合された混合気全体についての酸素濃度を検出する。つまり、この酸素濃度には、前記フィルターの全体についての燃焼状態が反映される。このようなパラメーター間の特性の相違に基づき、前記判定手段では、フィルター内でパティキュレートの燃焼反応が活発な位置(例えば、局所的な燃焼が生じている箇所)が判定される。
(2)また、ここで開示する排気浄化装置は、エンジンの排気通路に設けられ、排気中のパティキュレートを捕集するフィルターと、前記フィルターの下流側端面に近接して設けられ、排気温度を検出する温度センサーと、前記フィルターの中心部及び外周部のそれぞれを通過した排気が混合された混合気の酸素濃度を検出する濃度センサーとを備える。
また、前記温度センサーで検出された前記排気温度と前記濃度センサーで検出された前記酸素濃度とに基づき、前記フィルター内で前記パティキュレートの燃焼が相対的に活発な位置を判定する判定手段を備える。
上記の排気浄化装置は、前記温度センサーで検出された前記排気温度に基づき、前記フィルターの上流側及び下流側の排気温度差を算出する温度差算出手段と、前記濃度センサーで検出された前記酸素濃度に基づき、前記フィルターの上流側及び下流側の酸素濃度差を算出する濃度差算出手段とを備える。前記判定手段が、前記温度差算出手段で算出された前記排気温度差と前記濃度差算出手段で算出された前記酸素濃度差とに基づき、前記位置を判定する。
また、上記の前記判定手段は、前記排気温度差についての第一ピーク値と前記第一ピーク値が検出されたときの前記酸素濃度差とに基づき、又は、前記酸素濃度差についての第二ピーク値と前記第二ピーク値が検出されたときの前記排気温度差とに基づき、前記位置を判定する。
(3)また、前記判定手段が、前記酸素濃度差と前記排気温度差との比に基づき、前記位置を判定することが好ましい。
例えば、前記酸素濃度差に対する前記排気温度差の比が大きいほど、前記フィルターの中心部側により偏った燃焼状態であると判断し、前記酸素濃度差に対する前記排気温度差の比が小さいほど、前記フィルターの外周部側により偏った燃焼状態であると判断することが好ましい。
あるいは、前記酸素濃度差に対する前記排気温度差の比が所定比であるときに、局所的でない均等な燃焼状態であると判断することが好ましい。なお、「前記酸素濃度差に対する前記排気温度差の比」の代わりに、「前記排気温度差に対する前記酸素濃度差の比(すなわち、前記酸素濃度差に対する前記排気温度差の比の逆数)」を用いてもよい。
(4)また、前記判定手段が、前記フィルターを通過する排気の流量と前記排気温度差と前記酸素濃度差とに基づき、前記位置を判定することが好ましい。
なお、前記流量が多いほど、前記温度センサーで検出される前記排気温度が低下する。したがって、「前記酸素濃度差に対する前記排気温度差の比」を用いた判定を実施する場合には、前記流量が多いほど、局所的でない均等な燃焼状態であると判断するための前記所定比を小さく設定することが好ましい。
(5)また、前記温度センサーで検出された前記排気温度に基づき、前記フィルターの中心温度を算出する中心温度算出手段を備えることが好ましい。さらに、前記中心温度算出手段で算出された前記中心温度と、前記濃度差算出手段で算出された前記酸素濃度差とに基づき、前記フィルターの外周温度を算出する外周温度算出手段を備えることが好ましい。
)また、前記温度センサーで検出された前記排気温度の単位時間あたりの変化量を排気温度変化量として算出する温度変化量算出手段と、前記濃度センサーで検出された前記酸素濃度の単位時間あたりの変化量を酸素濃度変化量として算出する濃度変化量算出手段とを備えることが好ましい。
この場合、前記判定手段が、前記温度変化量算出手段で算出された前記排気温度変化量と、前記濃度変化量算出手段で算出された前記酸素濃度変化量とに基づき、前記位置を判定することが好ましい。
)また、前記温度センサーが、前記フィルターの中心部の下流側端面に近接して設けられることが好ましい。
)また、前記フィルターを内蔵するケーシングの下流側端部に設けられ、下流側ほど流路断面積が縮小する錘形状に形成されたコーン部と、前記コーン部に接続された下流排気通路とを備えることが好ましい。この場合、前記濃度センサーが、前記コーン部及び前記下流排気通路の接続部近傍における前記下流排気通路の径方向断面の中心に設けられることが好ましい。
)また、前記判定手段で判定された前記位置に応じて、前記フィルターを再生させる制御を実施する再生制御手段を備えることが好ましい。
開示の排気浄化装置によれば、フィルターの下流側端面に近接した位置での排気温度と、排気全体の酸素濃度とのそれぞれに反映されるパティキュレートの燃焼状態の相違に着目することで、パティキュレートの燃焼状態が活発な位置を精度よく判定することができ、フィルター内での局所的な昇温を把握することができる。これにより、フィルターの再生制御の適正化が可能となり、例えば再生時の目標フィルター温度や再生時間,再生インターバル時間等を適正化することができる。
一実施形態に係る排気浄化装置の構成を例示するブロック図である。 本排気浄化装置のセンサーの配置を例示する図であり、(a)はフィルターの断面図、(b)はフィルターの正面図である。 (a)〜(c)は、本排気浄化装置での判定手法を説明するためのマップである。 本排気浄化装置で用いられる排気温度差,酸素濃度差の変化を例示するグラフであり、(a)は排気温度差のピークを示し、(b)は酸素濃度差のピークを示す。 本排気浄化装置で算出される分配係数Koutと距離Xとの関係を例示するグラフである。 本排気浄化装置で算出される外周温度Toutの上昇量ΔToutと酸素濃度差影響量ΔO2outとの関係を例示するグラフである。 本排気浄化装置による強制再生制御のインターバル時間の補正量ΔLと温度Tとの関係を例示するグラフである。 本排気浄化装置の制御作用を説明するためのグラフであり、(a)は局所的な過昇温が生じていない場合の温度分布例、(b)はフィルター外周部に局所的な過昇温が生じた場合の温度分布例である。
以下、図面を参照して、エンジン10に適用された排気浄化装置の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.装置構成]
本実施形態の排気浄化装置は、図1に示す車載のエンジン10に適用される。ここでは、多気筒四サイクル型のエンジン10に設けられた複数のシリンダのうち、一つのシリンダを示す。シリンダの頂部には、空気を燃焼室内に導入するための吸気通路11と、燃焼後の排気を車両の外部に排出するための排気通路14とが接続される。
吸気通路11には、エアフローセンサー12及びスロットルバルブ13が設けられる。スロットルバルブ13はその開度を変更することでシリンダ内に導入される空気の吸気量を変更するための弁である。また、エアフローセンサー12はシリンダ内への吸気量を検出するセンサーであり、ここではスロットルバルブ13を通過する吸気流量Vinが検出される。ここで検出された吸気流量Vinの値は、後述する電子制御装置1に伝達される。
排気通路14にはDPF装置6が設けられ、その下流側に下流排気通路15が接続される。DPF装置6は、ケーシング(容器)内に排気中のパティキュレートを捕集するフィルター7が固定された濾過装置である。フィルター7は、排気中のパティキュレートを捕集する機能と、捕集したパティキュレートを焼却して除去する機能とを併せ持つ多孔質体(例えば、炭化ケイ素製やコージェライト製のセラミックフィルター等)である。フィルター7の内部は多孔質の壁体によって排気の流通方向に沿って複数に分割され、この壁体にパティキュレートの粒径に見合った大きさの多数の細孔が形成される。パティキュレートは、排気が壁体の近傍や内部を通過する際に壁体内,壁体表面に捕集され、排気中から濾過される。
図2(a)はDPF装置6の下流側の内部構造を示し、図2(b)は下流排気通路15側からDPF装置6を見たときの端面(ケーシング等を部分的に除去した状態の端面)を模式的に示す。DPF装置6のケーシングには、中空円筒状に形成された円筒部61と、円筒部61の端面に固定された中空円錐台状のコーン部62とが設けられる。円筒部61は、その内周面にサポート材63を介して円筒状のフィルター7を保持する部位である。フィルター7は、その筒軸が円筒部61の筒軸に一致する位置で固定される。なお、フィルター7の断面積(フィルター7を排気の流通方向に対して垂直に切断したときにフィルター7の外周面によって囲まれる部位の面積)は、排気通路14の通路断面積や下流排気通路15の通路断面積よりも大きい。
以下、フィルター7の径方向断面の中心に近い部位のことをフィルター中心部71と呼び、外縁に近い部位のことをフィルター外周部72と呼ぶ。フィルター中心部71とフィルター外周部72との境界は、図2(a),(b)中に二点鎖線で示すように、フィルター7よりも半径が小さい円筒を、その筒軸がフィルター7の筒軸に一致するように配置したときの筒面として表現される。
コーン部62は、少なくとも円筒部61の下流側の端面に設けられ、好ましくは図1に示すように、円筒部61の上流側及び下流側の両端面に設けられる。円筒部61は、排気通路14や下流排気通路15よりも拡径した形状を持ち、コーン部62がこれらの通路径の異なる部位間を接続している。なお、排気の流路抵抗を減少させるべく、コーン部62をベルマウス形状(円筒の筒面を曲成して滑らかに拡径又は縮径させた中空回転体形状であって、排気流の剥離が発生しにくい流線形状)に形成してもよい。
上流側のコーン部62は排気通路14と円筒部61とを接続し、下流側のコーン部62は円筒部61と下流排気通路15とを接続する。下流側のコーン部62における流路中心軸は、下流排気通路15の流路中心軸及び円筒部61の筒軸に一致する位置で固定されている。以下、下流側のコーン部62における流路中心軸のことを単に中心軸と呼ぶ。なお、コーン部62の中心軸,下流排気通路15の流路中心軸,円筒部61の筒軸は、必ずしも一致させる必要はない。
図2(a)に示すように、下流側のコーン部62の内側には、近接温度センサー8及び全域濃度センサー9が配置される。近接温度センサー8は、フィルター中心部71の下流側端面に近接して設けられた熱電対センサーであり、その先端8aでフィルター中心部71を通過した排気の温度を検出する。近接温度センサー8の測定点(すなわち、近接温度センサー8の先端8aの位置)はフィルター7の直下流であって、フィルター中心部71の中央である。つまり、図2(b)に示すように、近接温度センサー8は、先端8aがコーン部62の中心軸に接するように配置される。以下、近接温度センサー8で検出される排気温度のことを近接温度Tsと呼ぶ。近接温度Tsの値は後述する電子制御装置1に伝達される。
全域濃度センサー9は、フィルター中心部71を通過した排気とフィルター外周部72を通過した排気とが混合された混合気の酸素濃度を検出するセンサーであり、その先端9aで排気全体の酸素濃度を検出する。全域濃度センサー9の測定点(すなわち、全域濃度センサー9の先端9aの位置)は、コーン部62と下流排気通路15との接続部又はその近傍であって、下流排気通路15の流路中心軸付近とされる。つまり、図2(b)に示すように、全域濃度センサー9も、その先端9aがコーン部62の中心軸に接するように配置される。以下、全域濃度センサー9で検出される酸素濃度のことを全域濃度O2sと呼ぶ。全域濃度O2sの値も、近接温度Tsと同様に電子制御装置1に伝達される。
近接温度センサー8の先端8aの位置は、フィルター外周部72側の排気温度の影響を受けない程度にフィルター7に近い位置とすることが好ましい。一方、全域濃度センサー9は、フィルター中心部71を通過した排気とフィルター外周部72を通過した排気とが程よくミキシングされる位置よりも下流側にあればよく、フィルター7から離れた位置に設けてもよい。なお、下流排気通路15上に排気中の酸素濃度を変化させるような装置が存在しない場合には、全域濃度センサー9を下流排気通路15の任意の位置に設けてよい。
本実施形態のDPF装置6では、車両走行時に定期的にフィルター7の温度を上昇させることによってパティキュレートを強制的に燃焼させる強制再生制御が実施される。フィルター7の温度を上昇させるための具体的な手法は任意であり、例えば、フィルター7の上流側に酸化触媒を介装させるとともにその酸化触媒に炭化水素(未燃燃料,HC)等の酸化剤を供給して酸化熱を発生させることで昇温させる手法や、フィルター7をヒーター等で加熱する手法等を採用することができる。フィルター7の強制再生制御は、電子制御装置1によって制御される。
本実施形態の強制再生制御では、フィルター7内でのパティキュレートの燃焼状態に応じて、実施時間やインターバル時間(フィルターを再生させる時間間隔)が制御される。パティキュレートの燃焼状態は、電子制御装置1において、少なくとも上記の近接温度Ts及び全域濃度O2sに基づき、好ましくはエンジン10の運転状態に基づいて判定される。以下、燃焼状態の判定手法及び強制再生制御について詳述する。
[2.制御構成]
電子制御装置1は、エンジン10を含む吸排気システムを統括管理するコンピュータであり、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成される。この電子制御装置1では、上記の強制再生制御のほか、フィルター中心部71のフィルター温度やフィルター外周部72のフィルター温度の推定演算や、パティキュレートの燃焼が活発な位置の判定演算が実施され、これらに基づいて強制再生制御のインターバル時間やフィルター7の目標温度等が調整される。
上記の制御を実施すべく、電子制御装置1には、算出部2,判定部3,温度推定部4及び再生制御部5が設けられる。これらの各要素の機能は、電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、あるいはソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
[2−1.算出部]
算出部2は、少なくとも近接温度センサー8及び全域濃度センサー9の各々で検出されたセンサー値に基づき、上記の推定演算や判定演算に関するパラメーターを算出するものである。この算出部2には、温度差算出部21,濃度差算出部22,温度変化量算出部23,濃度変化量算出部24及び排気流量算出部25が設けられる。
温度差算出部21(温度差算出手段)は、近接温度センサー8で検出された近接温度Tsに基づき、フィルター7の前後(上流側及び下流側)での排気温度差ΔTを算出するものである。排気温度差ΔTは、フィルター7での発熱量に対応するパラメーターであり、例えば近接温度Tsからフィルター7に流入する直前の排気温度である入口温度Tinを減じた値とされる。なお、入口温度Tinは、図示しない温度センサーをフィルター7の上流側に設け、このセンサーでの検出値から求めてもよいし、エンジン10の運転状態に基づく推定演算で求めてもよい。例えば、エンジン回転数,燃料噴射量,燃料噴射時期,燃料噴射圧,吸気温度,吸気管内圧力,吸気流量Vin,EGR量,点火時期,バルブリフト量,バルブタイミング等に応じた入口温度Tinの値をマップ,数式として予め設定しておいてもよい。ここで算出された排気温度差ΔTの値は、判定部3に伝達される。
濃度差算出部22(濃度差算出手段)は、全域濃度センサー9で検出された全域濃度O2sに基づき、フィルター7の前後での酸素濃度差ΔO2を算出するものである。酸素濃度差ΔO2は、フィルター7でのパティキュレートの燃焼反応で消費された酸素量に対応するパラメーターであり、例えばフィルター7に流入する直前の排気の酸素濃度である入口濃度O2inから全域濃度O2sを減じた値とされる。入口濃度O2inは、入口温度Tinと同様に、エンジン10の運転状態に基づいて推定可能である。あるいは、フィルター7の上流側に図示しない酸素濃度センサーを設け、このセンサーでの検出値から求めてもよい。ここで算出された酸素濃度差ΔO2の値は、判定部3に伝達される。
温度変化量算出部23(温度変化量算出手段)は、近接温度センサー8の測定点における近接温度Tsについて、単位時間あたりの変化量を温度変化量δTとして算出するものである。温度変化量δTは、所定時間(例えば、数ミリ秒〜数秒単位)の間に近接温度Tsがどの程度変化したかを表すパラメーターである。ここで算出された温度変化量δTの値は、判定部3に伝達される。
濃度変化量算出部24(濃度変化量算出手段)は、全域濃度センサー9の測定点における全域濃度O2sについて、単位時間あたりの変化量を濃度変化量δO2として算出するものである。濃度変化量δO2は、所定時間の間に全域濃度O2sがどの程度変化したかを表すパラメーターである。ここで算出された濃度変化量δO2の値は、判定部3に伝達される。
排気流量算出部25は、フィルター7を通過する排気の流量(例えば、体積流量や質量流量)を排気流量Vexとして算出するものである。排気流量Vexは、吸気流量Vinやエンジン10の運転状態,排気温度等に基づいて算出される。ここで算出された排気流量Vexの値は、判定部3に伝達される。
[2−2.判定部]
判定部3(判定手段)は、算出部2での算出された各パラメーターに基づき、フィルター7内での過昇温の有無と、その過昇温が発生した位置とを判定するものである。ここでいう「過昇温が発生した位置」とは、例えばフィルター7内におけるパティキュレートや触媒貴金属の不均一な分布によって、パティキュレートの燃焼反応が局所的に活発となった位置のことを意味し、必ずしもDPF装置6の性能が損なわれる程度に過剰に高温となった位置のことを意味するわけではない。
この判定部3では、二通りの判定手法が併用される。第一の判定手法は、排気温度差ΔT及び酸素濃度差ΔO2に基づく判定手法であり、第二の判定手法は、温度変化量δT及び濃度変化量δO2に基づく判定手法である。
前者の手法で用いられる排気温度差ΔT,酸素濃度差ΔO2はそれぞれ、フィルター7の前後(すなわち、排気流の上流側及び下流側)での温度差,濃度差に関するものであって、エンジン10の運転状態に大きく左右されないパラメーターである。したがって、前者の手法による判定は、エンジン10の運転状態に関わらず、常に実施することができる。一方、後者の手法で用いられる温度変化量δT,濃度変化量δO2は、エンジン10の運転状態に応じて大きく変化しうるパラメーターであって、フィルター7での燃焼状態のみが強く反映されるパラメーターとはいえない。したがって、後者の手法による判定は、エンジン10の排気温度や排気中の酸素濃度が急変しない、定常的な運転状態で実施することが好ましい。例えば、エンジン10のアイドリング運転中や定速度走行中に実施することが考えられる。
まず、前者の手法に関して説明する。判定部3は、酸素濃度差ΔO2に対する排気温度差ΔTの比R(又は、排気温度差ΔTに対する酸素濃度差ΔO2の比)に基づき、過昇温の有無とその発生位置とを判定する。フィルター7内での燃焼状態が均一であるとき、排気温度差ΔTは酸素濃度差ΔO2にほぼ比例し、比Rはほぼ一定となる。これに対し、フィルター7内のうちフィルター中心部71で過昇温が生じたとき、その影響は近接温度センサー8で検出される近接温度Tsに強く反映される。これにより、排気温度差ΔTが増加して、比Rが増大する。またこの場合、比Rの値は、過昇温の発生位置がフィルター7の径方向断面の中心に近いほど大きな値となる。
一方、フィルター7内のうちフィルター外周部72で過昇温が生じたとしても、近接温度センサー8で検出される近接温度Tsに与えられる影響は小さく、むしろ全域濃度センサー9で検出される全域濃度O2sに強く反映されるため、酸素濃度差ΔO2が増加して比Rが減少する。この場合、比Rの値は、過昇温の発生位置がフィルター7の外縁に近いほど小さな値となる。判定部3は、このような排気温度差ΔTと酸素濃度差ΔO2との関係から、過昇温の発生を判定するとともに、フィルター7の径方向断面の中心から過昇温が発生した位置までの距離X(半径)を算出する。
本実施形態の判定部3は、例えば図3(a)に示すようなマップを用いて、過昇温の有無を判定する。このマップ中の直線Jは、排気流量Vexを固定した状態で、酸素濃度差ΔO2に対する排気温度差ΔTの比Rが所定値となるときの酸素濃度差ΔO2と排気温度差ΔTとの対応関係を示すグラフである。また、直線Hは、直線Jとの距離が基準値X0であって、直線Jよりも上方に位置する平行直線である。同様に、直線Lは、直線Jとの距離が基準値X0であって、直線Jよりも下方に位置する平行直線である。
判定部3は、算出部2で算出された排気温度差ΔT及び酸素濃度差ΔO2に対応する点をこのマップ上にプロットし、その点が直線Lと直線Hとの間に挟まれた領域に位置する場合に「過昇温が発生していない」と判定する。ここで、排気温度差ΔT及び酸素濃度差ΔO2に対応する点のことを「状態点」と呼ぶ。判定部3は、状態点が直線Hよりも上方の領域に位置する場合には「フィルター中心部71で過昇温が発生した」と判定し、状態点が直線Lよりも下方の領域に位置する場合には「フィルター外周部72で過昇温が発生した」と判定する。
また、判定部3は、マップ上の直線Jと状態点との距離Xを算出する。ここで算出される距離Xは、直線Jへの法線の距離である。距離Xの符号は、状態点が直線Jよりも下方の領域に位置するときの値を正とし、状態点が直線Jよりも上方の領域に位置するときの値を負とする。
図3(a)に示すマップについて、マップ上の直線Mは、フィルター7の特性やパティキュレートの堆積量の最大値等に応じた排気温度差ΔTの上限に相当する直線である。酸素濃度差ΔO2を一定としたときの排気温度差ΔTの値は、少なくとも直線Mよりも下方の領域に位置するものと考えられるため、ここでは直線Mよりも下方の領域のみで過昇温の有無を判定することとしている。また、縦軸上,横軸上の値A,Cはそれぞれ、通常の燃焼状態での排気温度差ΔT,酸素濃度差ΔO2に相当する値である。排気温度差ΔT,酸素濃度差ΔO2がともに通常の燃焼状態での値以下であるときには、「過昇温が発生していない」と判定することとしている。
酸素濃度差ΔO2に対する排気温度差ΔTの比Rの値は、排気流量Vexに応じて変化する。例えば、排気流量Vexが増大するほど、排気流に持ち去られる熱量が増加してフィルター7の温度が上昇しにくくなり、排気温度差ΔTが小さくなることから、比Rが減少する。つまり、排気流量Vexが増大するほど、図3(a)に示すマップ上の直線Jの傾きが小さくなる。したがって、排気流量Vexに応じた形状のマップを複数個用意しておくことが好ましい。
図3(b)は、図3(a)よりも直線J,H,L,Mの勾配を小さくしたマップであり、図3(a)のマップを使用するときよりも排気流量Vexが大きい場合に使用される。このように、排気流量Vexが大きいほど、直線J,H,L,Mの勾配が小さくなるような特性を持つ複数のマップを用意すればよい。あるいは、図3(a)に示すようなマップの代わりに、酸素濃度差ΔO2,排気温度差ΔT及び排気流量Vexを引数として、フィルター7の中心から過昇温が発生した位置までの距離Xを与えるような三次元のマップ,関数,数式等を用いてもよい。
上記のようなマップを用いた判定及び距離Xの算出は、算出部2で算出された酸素濃度差ΔO2及び排気温度差ΔTに基づき、常時実施される。一方、エンジン10の排気温度や排気中の酸素濃度が急変しない定常的な運転状態であるときには、上記の判定に加えて、第二の判定手法が併用される。
第二の判定手法では、濃度変化量δO2に対する温度変化量δTの比(又は、温度変化量δTに対する濃度変化量δO2の比)に基づいて、過昇温の発生の有無とその発生位置とが判定される。この判定では、例えば図3(c)に示すように、排気流量Vexを固定した状態で、濃度変化量δO2に対する温度変化量δTの比が所定値となるときの濃度変化量δO2と温度変化量δTとの対応関係が規定されたマップに基づく判定が実施される。第一の判定手法,第二の判定手法の何れにおいても、フィルター7での過昇温の有無が判定される。また、過昇温が発生していると判定された場合には、その過昇温が発生した位置に対応する距離Xが算出される。ここでの判定,算出結果は、温度推定部4に伝達される。
なお、上記のマップ検索に係る引数の選択方法に関して、第一の判定手法で使用される排気温度差ΔT,酸素濃度差ΔO2は、常時算出されるパラメーターであることから、これらのパラメーターをリアルタイムに使用してマップ検索を実施することが可能である。一方、これらのパラメーターの積算値ΣΔT,ΣΔO2を用いてマップ検索をかけてもよいし、あるいはピーク値を用いてもよい。
例えば、図4(a)に示すように、排気温度差ΔTのピーク値に対応する時刻をt1として、時刻t1における排気温度差ΔT及び酸素濃度差ΔO2を用いて判定や距離Xの算出を行ってもよい。同様に、図4(b)に示すように、酸素濃度差ΔO2のピーク値に対応する時刻t2における排気温度差ΔT及び酸素濃度差ΔO2を用いて、判定や距離Xの算出を実施してもよい。排気温度差ΔTのピーク値に対応する時刻t1と酸素濃度差ΔO2のピーク値に対応する時刻t2とは、必ずしも一致しないため、双方のピーク値を用いることが好ましい。また、第二の判定手法の場合も同様であり、エンジン10が定常的な運転状態である限り、温度変化量δT,濃度変化量δO2をそのまま用いてもよいし、各々のピーク値や積算値ΣδT,ΣδO2を用いてもよい。
[2−3.温度推定部]
温度推定部4は、判定部3での判定,算出結果に基づき、フィルター7の内部の温度を推定するものである。ここでは、第一の判定手法,第二の判定手法のそれぞれで算出された距離Xのうち絶対値|X|の大きい一方に基づいて、フィルター7内部の温度が推定される。温度推定部4には、中心温度算出部41,分配係数算出部42,上昇量算出部43及び外周温度算出部44が設けられる。
中心温度算出部41(中心温度算出手段)は、近接温度センサー8で検出された近接温度Tsに基づき、フィルター中心部71の温度を中心温度Tcenとして算出するものである。中心温度算出部41は、例えば近接温度Tsと中心温度Tcenとの対応関係が規定されたマップに基づいて、中心温度Tcenを算出する。あるいは、前述の入口温度Tinや排気温度差ΔT,排気流量Vex等を併用して中心温度Tcenを算出してもよい。ここで算出された中心温度Tcenの値は、外周温度算出部44に伝達される。
分配係数算出部42(分配係数算出手段)は、判定部3で算出された距離Xに基づき、分配係数Koutを算出するものである。分配係数Koutとは、フィルター中心部71での燃焼状態とフィルター外周部72での燃焼状態とを比較したときに、後者の燃焼状態によって酸素濃度差ΔO2に与えられた影響の度合いに相当するパラメーターである。例えば、分配係数Koutが0の状態は、フィルター中心部71のみでパティキュレートが燃焼した状態に相当する。また、分配係数Koutが1.0の状態は、フィルター外周部72のみでパティキュレートが燃焼した状態に相当する。
距離Xは、燃焼状態に偏りがない状態では0であり、過昇温の発生箇所がフィルター7の外縁寄りであるほど正の値で大きい値となり、過昇温の発生箇所がフィルター7の中心寄りであるほど負の値でその絶対値が大きい値となる。したがって、分配係数算出部42は、距離Xが0のときの分配係数Koutの値を例えば0.5として、距離Xが大きいほど分配係数Koutの値を1.0に近づけるように、また、距離Xが小さい(負の値であってその絶対値が大きい)ほど分配係数Koutの値を0に近づけるような演算を行う。ただし、燃焼状態がフィルター中心部71のみで発生する可能性や、フィルター外周部72のみで発生する可能性は極めて低いため、分配係数Koutが取り得る値域の最小値K1や最大値K2を設定してもよい。
上記の演算を実施するためのマップを図5に例示する。図5中の破線は、距離Xと分配係数Koutとの関係を例示するグラフであり、実線は破線の関係を離散化した制御用マップである。このマップでは、距離Xが-X0≦X≦X0の範囲内にあるときに分配係数Koutの値がKout=0.5に設定される。また、X<-X0のときにはKout=K1とされ、X0<XのときにはKout=K2とされる。このような関係を分配係数算出部42に予め記憶させておき、距離Xに応じた大きさの分配係数Koutを算出させればよい。ここで算出された分配係数Koutの値は、上昇量算出部43に伝達される。
上昇量算出部43(上昇量算出手段)は、分配係数Koutと酸素濃度差ΔO2とに基づき、フィルター7の中心温度Tcenに対する外周温度Toutの上昇量ΔToutに対応する酸素濃度差影響量ΔO2outを算出するとともに、酸素濃度差影響量ΔO2outに基づいて上昇量ΔToutを算出するものである。ここでは、分配係数Koutと酸素濃度差ΔO2とを乗じたものが酸素濃度差影響量ΔO2outとして算出される。また、酸素濃度差影響量ΔO2outが大きいほど上昇量ΔToutも増大するように、上昇量ΔToutの値が算出される。ただし、フィルター7内での通常の温度分布は、中心に近いほど高温であり、外縁に近いほど低温である。したがって、分配係数Koutが所定値よりも小さい場合や、酸素濃度差ΔO2が所定濃度差よりも小さい場合には、上昇量ΔToutの値を0又は負の値としてもよい。
図6は、酸素濃度差影響量ΔO2outから上昇量ΔToutを算出するための制御用マップの例である。このマップでは、酸素濃度差影響量ΔO2outが所定値N未満の場合に上昇量ΔToutを0とし、酸素濃度差影響量ΔO2outが所定値N以上の場合に、酸素濃度差影響量ΔO2outが大きいほど上昇量ΔToutも増大させるような特性が設定されている。このような関係を上昇量算出部43に予め記憶させておき、上昇量ΔToutを算出させればよい。
外周温度算出部44(外周温度算出手段)は、中心温度Tcenと上昇量ΔToutとに基づき、外周温度Toutを推定するものである。ここでは、中心温度Tcenと上昇量ΔToutとの加算値が外周温度Toutとして算出される。ここで算出された外周温度Toutの値は、再生制御部5に伝達される。
[2−4.再生制御部]
再生制御部5は、DPF装置6の強制再生制御を実施するものである。この再生制御部5は、例えばフィルター7に堆積したパティキュレート量を演算し、その量が所定量を超えた場合に強制再生制御を実施する。あるいは、車両の走行距離を累積的に算出し、前回の強制再生時からの累積走行距離が所定距離を超えた場合に強制再生制御を実施する。強制再生制御の終了条件は、フィルター7でのパティキュレートの燃焼量が所定量以上となった(例えば、ほぼ全てのパティキュレートが焼却されたと判断された)ことや、フィルター7の温度が所定温度以上の状態が所定時間継続したこと等である。
また、再生制御部5は、判定部3での判定結果,距離X,温度推定部4で推定された中心温度Tcen及び外周温度Toutに基づき、次回の強制再生制御までのインターバル時間(すなわち、前回の強制再生制御から次回の強制再生制御までの間隔)や、次回の強制再生制御の実施時間を設定する機能を持つ。
例えば、距離Xの絶対値|X|が基準値X0よりも大きい所定値X1以上であるときには、局所的な燃焼が発生しているものと判断し、絶対値|X|が大きいほどインターバル時間や実施時間を短縮する。一方、絶対値|X|がX0<|X|≦X1であるときには、次回の強制再生制御までのインターバル時間や実施時間をそれまでのインターバル時間と同一とする。また、絶対値|X|が基準値X0以下のときには、燃焼状態が非常に安定しているものと判断し、インターバル時間や実施時間を延長する。
また、再生制御部5は、距離Xに応じて次回の強制再生制御でのフィルター7の目標温度を調整する。例えば、距離Xが小さい(負の値である)ときには、過昇温の発生位置がフィルター7の中心に近く、熱量がフィルター7の外部に逃げにくいため、次回の強制再生制御での目標温度をやや低めに設定する。一方、距離Xが大きい(正の値である)ときには、過昇温の発生位置がフィルター7の外縁に近く、熱量がフィルター7の外部に逃げやすいため、次回の強制再生制御での目標温度をやや高め(例えば、距離Xがゼロのときの目標温度以下の範囲内でやや高め)に設定する。このような設定により、次回の強制再生制御時の過昇温が抑制されるとともに、パティキュレートが十分に焼却,除去される。
さらに、再生制御部5は、中心温度Tcen及び外周温度Toutのうち高温である一方の温度Tに基づき、インターバル時間や実施時間を設定する。この場合、例えば図7に示すように、温度Tとインターバル時間,実施時間の補正量ΔLとの対応関係を規定したマップを再生制御部5に記憶させておく。図7に示す例では、温度Tが第一温度TA未満である場合に、温度Tが低いほど補正量ΔLが増大する特性となっている。また、温度Tが第二温度TB(ただし、TA<TB)以上である場合には、温度Tが高いほど補正量ΔLが減少し、温度Tが第一温度TA以上かつ第二温度TB未満である場合に補正量ΔLが0となる特性となっている。つまり、温度Tが高いほど、フィルター7の径方向断面のどこかでパティキュレートの過堆積やこれによる過昇温が生じた可能性が高いため、補正量ΔLを減少させてインターバル時間や実施時間を短縮し、早めに強制再生制御を実施するとともに、強制再生制御の実施時間を短めにすることにより、次回の強制再生制御時の過昇温を抑制する。
なお、具体的なインターバルの調整手法は、強制再生制御の具体的な手法に依存する。例えば、フィルター7に堆積したパティキュレート量が所定量を超えた場合に強制再生制御を実施するものにあっては、強制再生制御の開始条件に含まれる所定量を補正量ΔL分だけ増加又は減少させることにより、インターバル時間が延長又は短縮されることになる。また、前回の強制再生時からの累積走行距離が所定距離を超えた場合に強制再生制御を実施するものであれば、条件判定に係る所定距離を補正量ΔLに対応する距離分だけ増大又は減少させることにより、インターバル時間が延長又は短縮される。
上記の第一温度TA及び第二温度TBは、図7中に表示するように、フィルター7の強制再生時の標準的なフィルター温度TTARGETを挟むようにその大小関係を設定してもよい。例えば、フィルター7の強制再生時に良好な燃焼効率が得られるフィルター温度TTARGETが800[℃]前後である場合、第一温度TAを600〜750 [℃]程度の範囲内に設定し、第二温度TBを820〜900 [℃]程度の範囲内に設定する。これにより、次回の強制再生時のフィルター温度が標準的なフィルター温度TTARGETの近傍に収束しやすくなる。
[3.作用,効果]
上記の排気浄化装置では、近接温度センサー8がフィルター中心部71の下流側端面に近接して設けられる。つまり、近接温度センサー8は、フィルター中心部71を通過した排気についての近接温度Tsを検出する。これに対し、全域濃度センサー9は、フィルター7の各所を通過した排気流が混合された混合気についての全域濃度O2sを検出する。つまり、この全域濃度O2sには、フィルター中心部71のみならず、フィルター外周部72を含むフィルター7全体についての燃焼状態が反映される。また、判定部3では、このような近接温度Ts及び全域濃度O2s間の特性の相違に基づき、フィルター7内で燃焼反応が活発な位置(局所的な燃焼が生じている箇所)が判定される。
(1)このように、上記の排気浄化装置によれば、フィルター7の下流側端面に近接した位置での近接温度Tsと、混合気全体の酸素濃度である全域濃度O2sとのそれぞれに反映されるパティキュレートの燃焼状態の相違に着目することで、パティキュレートの燃焼状態が活発な位置を精度よく判定することができ、フィルター7内での局所的な昇温を把握することができる。これにより、フィルター7の再生頻度や再生時間を適正化することができる。
(2)また、上記の排気浄化装置には、フィルター7の前後での排気温度差ΔTを算出する温度差算出部21と、フィルター7の前後での酸素濃度差ΔO2を算出する濃度差算出部22とが設けられる。これらの排気温度差ΔT及び酸素濃度差ΔO2を用いることで、エンジン10から排出される排気の温度や酸素濃度が一定でない場合であっても、センサー値に反映された燃焼状態を精度よく把握することができる。
例えば、エンジン10の運転状態や環境条件,負荷等が変化したとしても、その影響は排気温度差ΔT及び酸素濃度差ΔO2の値にほとんど反映されない。したがって、フィルター7での燃焼状態の判定精度を向上させることができる。また、排気温度差ΔTや酸素濃度差ΔO2は時間に依存しないパラメーターであることから、エンジン10の運転状態や走行条件に左右されることなく、任意のタイミングでフィルター7でのパティキュレートの燃焼状態を判定することができる。
(3)また、上記の排気浄化装置では、酸素濃度差ΔO2に対する排気温度差ΔTの比Rに基づいて、過昇温の発生位置に対応する距離Xを算出している。このように、酸素濃度差ΔO2に対する排気温度差ΔTの比Rという定量的な指標値を用いることで、燃焼状態が活発な位置を高精度に特定することができ、フィルター7内での局所的な昇温を精度よく把握することができる。
なお、酸素濃度差ΔO2に対する排気温度差ΔTの比Rの代わりに、排気温度差ΔTに対する酸素濃度差ΔO2の比を用いた場合であっても、同様の効果を奏するものとなる。
(4)また、上記の排気浄化装置では、酸素濃度差ΔO2に対する排気温度差ΔTの比Rだけでなく、排気流量Vexを考慮して距離Xを算出している。これにより、排気温度差ΔTに反映されるフィルター7の燃焼状態を精度よく評価することができ、燃焼状態が活発な位置を高精度に特定することができ、フィルター7内での局所的な昇温を精度よく把握することができる。
(5)また、上記の排気浄化装置では、近接温度センサー8で検出された近接温度Tsに基づいてフィルター中心部71の中心温度Tcenを算出しており、精度の高い中心温度Tcenを求めることができる。一方、外周温度Toutについては、酸素濃度差ΔO2に基づいて算出される酸素濃度差影響量ΔO2outから上昇量ΔToutを算出した上で、中心温度Tcenと上昇量ΔToutとに基づいて算出される。このように、酸素濃度差ΔO2に基づいて、中心温度Tcenとの温度差を推定することにより、外周温度Toutを精度よく算出することができる。
なお、フィルター外周部72での燃焼が活発であるときの温度分布グラフ形状は、一般的なフィルター7内での温度分布グラフ形状と大きく相違するため、外周温度Toutの算出が難しい。しかしながら、上記の排気浄化装置によれば、フィルター外周部72に過昇温が発生したような場合であっても、外周温度Toutを精度よく算出することができる。
例えば、車両に搭載されたDPF装置6のフィルター7内部での温度分布例を、図8(a),(b)に示す。図8(a)中の破線グラフはフィルター7の径方向断面における温度分布であって、パティキュレートの過堆積,偏堆積がない場合の典型的な温度分布であり、実線グラフは同フィルター7にパティキュレートを均等に過堆積させた場合の温度分布である。ここでは、実線のグラフが破線グラフを温度軸方向に伸縮変形させたような形状となっている。つまり、パティキュレートの堆積分布に偏りが生じなければ、フィルター7の径方向断面の温度分布形状が保存されていることがわかる。
一方、図8(b)中の実線グラフはパティキュレートをフィルター外周部72に偏堆積させた場合の温度分布例を示すものである。何らかの理由によりフィルター7内のパティキュレートの堆積分布に偏りが生じると、フィルター7の径方向断面の温度分布形状が変形し、フィルター中心部71よりもフィルター外周部72が著しく高温となることがわかる。
このようなフィルター外周部72の過昇温は、例えば近接温度センサー8のみを用いた手法では検出することができない。また、全域濃度センサー9のみを用いた手法を用いたとしても、図8(a)のような温度分布と図8(b)のような温度分布とを区別することができない。
これに対し、上記の排気浄化装置では、フィルター7内での最高温度が何度であるのか、また、その最高温度が径方向断面のどの領域で生じたのかを正確に推定することができ、上記の温度分布を区別することができる。したがって、フィルター外周部72での部分的な温度上昇をその位置に関わらず把握することができ、排気浄化システムの信頼性を向上させることができる。
(6)また、上記の排気浄化装置では、距離Xに基づいて分配係数Koutが算出される。分配係数Koutは、フィルター外周部72での燃焼反応が酸素濃度差ΔO2に与えた影響の度合いに相当する。この分配係数Koutを用いて酸素濃度差影響量ΔO2outを算出することで、中心温度Tcenに対する外周温度Toutの上昇量ΔToutを精度よく算出することができる。これにより、フィルター7内部の半径方向の温度分布を精度よく把握することができ、フィルター7の制御性を向上させることができる。
(7)また、排気温度差ΔTのピーク値や、酸素濃度差ΔO2のピーク値を用いて上記の判定や距離Xの算出を実施することで、過昇温が発生した可能性が高い状況を選別することができ、電子制御装置1での演算負荷を軽減することができる。また、図4(a),(b)に示すように、通常の強制再生制御時の排気温度差ΔT,酸素濃度差ΔO2は、比較的安定している場合が多いことから、これらのパラメーター間の相関に変化が生じたことを容易に把握することができ、燃焼状態の変動を精度よく把握することができる。これにより、過昇温の有無についての判定精度を向上させることができるとともに、パティキュレートの燃焼状態が活発な位置を精度よく判定することができ、フィルター7内での局所的な昇温を把握することができる。
(8)また、温度変化量δT及び濃度変化量δO2に基づく判定手法を用いた場合には、エンジン10の排気温度や排気中の酸素濃度が急変しない定常的な運転状態で判定を実施することにより、排気温度差ΔT及び酸素濃度差ΔO2に基づく判定手法と同様に、燃焼状態が活発な位置を高精度に特定することができ、フィルター7内での局所的な昇温を精度よく把握することができる。
また、排気温度差ΔT及び酸素濃度差ΔO2に基づく判定手法と比較して、入口温度Tinや入口濃度O2inの検出,推定が不要であり、演算構成を簡素化することができる。
(9)また、上記の排気浄化装置では、中心温度Tcenを基準として外周温度Toutを演算している。ここで、近接温度センサー8はフィルター中心部71の下流側端面に近接して設けられているため、極めて正確な中心温度Tcenが演算される。このような正確な値を基準として外周温度Toutを演算することにより、演算精度を向上させることができる。
(10)また、上記の排気浄化装置では、全域濃度センサー9がコーン部62と下流排気通路15との接続部の近傍に設けられるため、程よく混合された排気の酸素濃度を全域濃度O2sとして検出することができ、全域濃度O2sの検出精度を向上させることができる。
(11)また、上記の排気浄化装置では、精度よく判定された過昇温の発生位置に応じてフィルター7の強制再生制御が実施される。これにより、フィルター7内での温度分布に応じた再生制御を実施することができ、強制再生制御の精度を向上させることができる。
さらに、上記の排気浄化装置では、正確に把握した中心温度Tcenと外周温度Toutとの双方を用いてフィルター7の再生インターバル時間を調整している。これにより、単にフィルター7内での過昇温を検出,判定するだけでなく、その過昇温の発生を抑制することができる。例えば、フィルター7内の最高温度が一回目の強制再生時に第二温度TB以上の場合には、二回目の強制再生までのインターバル時間が短縮される。これにより、たとえパティキュレートがフィルター7内に偏堆積していたとしても、パティキュレートが過剰に堆積される前に(パティキュレートの堆積量が少なめである状態で)強制再生制御が実施されることになり、確実に過昇温が防止される。したがって、フィルター7の劣化を防止することができる。
[4.変形例等]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
例えば、全域濃度センサー9の設置位置を図2(a)に図示された位置よりも排気上流側又は排気下流側とすることも考えられる。全域濃度センサー9は、フィルター中心部71を通過した排気とフィルター外周部72を通過した排気とが混合した位置で酸素濃度を検出するものであればよく、具体的な配置は上述の実施形態のものに限定されない。
また、上述の実施形態では、再生制御部5が次回の強制再生制御までのインターバル時間や実施時間を設定しているが、これらを設定する時期は任意である。すなわち、強制再生制御の実施中に過昇温の有無等を判定して、判定結果を次回の強制再生制御に反映させるような制御構成としてもよいし、強制再生制御時以外(例えば、車両の通常走行時や連続再生制御時など)にフィルター7の中心温度Tcenと外周温度Toutとを随時演算し、これらの温度の高低に応じてインターバル時間を短縮又は延長させてもよい。これにより、フィルター7の過昇温をより確実に防止することができる。
また、コーン部62の形状(DPF装置6のケーシングの形状)に関しては多様な変形例が考えられる。すなわち、フィルター7を通過した後の排気の混合性を高めるべく、排気の流通を規制又は誘導するような形状に流路形状,壁体形状を形成することが考えられる。このような構造を上述の実施形態に適用することにより、外周温度Toutの演算精度をさらに向上させることができ、フィルター7の劣化をより確実に防止することができる。
また、上述の実施形態では、図3(a),(b)に示すような対応関係を用いて、過昇温が発生した位置を判定するものを例示したが、具体的な演算手法は多様に考えられる。例えば、上記の判定部3では、均一な燃焼状態での排気温度差ΔT及び酸素濃度差ΔO2の比例関係を利用して過昇温の発生位置を判定しているが、フィルター中心部71とフィルター外周部72との間の伝熱量やケーシング表面からの放熱量を考慮すると、排気温度差ΔTと酸素濃度差ΔO2とが必ずしも完全には比例しない。したがって、実車試験やシミュレーションを通して得られる排気温度差ΔT,酸素濃度差ΔO2,排気流量Vex及び距離Xの対応関係を多次元マップ化し、これを用いて過昇温の発生の有無や発生位置を判定してもよい。また、図5,図6に示すような特性に関しても同様である。例えば、図6に示す上昇量ΔToutと酸素濃度差影響量ΔO2outとの対応関係は、ワーストケースを想定した試験やシミュレーションに基づいて設定してもよい。
また、上述の実施形態では、エアフローセンサー12での検出結果を用いて排気流量Vexを演算しているが、排気通路14に流量センサーを設けて排気流量Vexを直接的に検出する構成としてもよい。
なお、上述のエンジン10の燃焼形式は任意であり、上記の排気浄化装置はディーゼルエンジンの排気系にもガソリンエンジンの排気系にも適用可能である。
1 電子制御装置
2 算出部
21 温度差算出部(温度差算出手段)
22 濃度差算出部(濃度差算出手段)
23 温度変化量算出部(温度変化量算出手段)
24 濃度変化量算出部(濃度変化量算出手段)
25 排気流量算出部
3 判定部(判定手段)
4 温度推定部
41 中心温度算出部(中心温度算出手段)
42 分配係数算出部(分配係数算出手段)
43 上昇量算出部(上昇量算出手段)
44 外周温度算出部(外周温度算出手段)
5 再生制御部
6 DPF装置
61 円筒部(ケーシング)
62 コーン部
7 フィルター
8 近接温度センサー(温度センサー)
9 全域濃度センサー(濃度センサー)

Claims (9)

  1. エンジンの排気通路に設けられ、排気中のパティキュレートを捕集するフィルターと、
    前記フィルターの下流側端面に近接して設けられ、排気温度を検出する温度センサーと、
    前記フィルターの中心部及び外周部のそれぞれを通過した排気が混合された混合気の酸素濃度を検出する濃度センサーと、
    前記温度センサーで検出された前記排気温度と前記濃度センサーで検出された前記酸素濃度とに基づき、前記フィルター内で前記パティキュレートの燃焼が相対的に活発な位置を判定する判定手段と
    前記温度センサーで検出された前記排気温度に基づき、前記フィルターの上流側及び下流側の排気温度差を算出する温度差算出手段と、
    前記濃度センサーで検出された前記酸素濃度に基づき、前記フィルターの上流側及び下流側の酸素濃度差を算出する濃度差算出手段とを備え、
    前記判定手段が、前記温度差算出手段で算出された前記排気温度差と前記濃度差算出手段で算出された前記酸素濃度差とに基づき、前記位置を判定するとともに、
    前記判定手段で判定された前記位置に基づき、前記外周部の燃焼状態が前記酸素濃度差に与える影響の度合いに相当する分配係数を算出する分配係数算出手段と、
    前記分配係数算出手段で算出された前記分配係数と、前記濃度差算出手段で算出された前記酸素濃度差とに基づき、前記フィルターの中心温度に対する前記フィルターの外周温度の上昇量を算出する上昇量算出手段とを備える
    ことを特徴とする、排気浄化装置。
  2. エンジンの排気通路に設けられ、排気中のパティキュレートを捕集するフィルターと、
    前記フィルターの下流側端面に近接して設けられ、排気温度を検出する温度センサーと、
    前記フィルターの中心部及び外周部のそれぞれを通過した排気が混合された混合気の酸素濃度を検出する濃度センサーと、
    前記温度センサーで検出された前記排気温度と前記濃度センサーで検出された前記酸素濃度とに基づき、前記フィルター内で前記パティキュレートの燃焼が相対的に活発な位置を判定する判定手段と
    前記温度センサーで検出された前記排気温度に基づき、前記フィルターの上流側及び下流側の排気温度差を算出する温度差算出手段と、
    前記濃度センサーで検出された前記酸素濃度に基づき、前記フィルターの上流側及び下流側の酸素濃度差を算出する濃度差算出手段とを備え、
    前記判定手段が、前記温度差算出手段で算出された前記排気温度差と前記濃度差算出手段で算出された前記酸素濃度差とに基づき、前記位置を判定するとともに、
    前記判定手段が、前記排気温度差についての第一ピーク値と前記第一ピーク値が検出されたときの前記酸素濃度差とに基づき、又は、前記酸素濃度差についての第二ピーク値と前記第二ピーク値が検出されたときの前記排気温度差とに基づき、前記位置を判定する
    ことを特徴とする、排気浄化装置。
  3. 前記判定手段が、前記酸素濃度差と前記排気温度差との比に基づき、前記位置を判定する
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の排気浄化装置。
  4. 前記判定手段が、前記フィルターを通過する排気の流量と前記排気温度差と前記酸素濃度差とに基づき、前記位置を判定する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の排気浄化装置。
  5. 前記温度センサーで検出された前記排気温度に基づき、前記フィルターの中心温度を算出する中心温度算出手段と、
    前記中心温度算出手段で算出された前記中心温度と、前記濃度差算出手段で算出された前記酸素濃度差とに基づき、前記フィルターの外周温度を算出する外周温度算出手段とを備える
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の排気浄化装置。
  6. 前記温度センサーで検出された前記排気温度の単位時間あたりの変化量を排気温度変化量として算出する温度変化量算出手段と、
    前記濃度センサーで検出された前記酸素濃度の単位時間あたりの変化量を酸素濃度変化量として算出する濃度変化量算出手段とを備え、
    前記判定手段が、前記温度変化量算出手段で算出された前記排気温度変化量と前記濃度変化量算出手段で算出された前記酸素濃度変化量とに基づき、前記位置を判定する
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の排気浄化装置。
  7. 前記温度センサーが、前記フィルターの中心部の下流側端面に近接して設けられる
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の排気浄化装置。
  8. 前記フィルターを内蔵するケーシングの下流側端部に設けられ、下流側ほど流路断面積が縮小する錘形状に形成されたコーン部と、
    前記コーン部に接続された下流排気通路とを備え、
    前記濃度センサーが、前記コーン部及び前記下流排気通路の接続部近傍における前記下流排気通路の径方向断面の中心に設けられる
    ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の排気浄化装置。
  9. 前記判定手段で判定された前記位置に応じて、前記フィルターを再生させる制御を実施する再生制御手段を備える
    ことを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の排気浄化装置。
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