JP6024270B2 - エンジン始動装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、エンジン正回転中の始動とエンジン逆回転中の始動とでは、エンジン逆回転中からの始動の場合の方がピニオン噛み合い時の衝撃が大きいことに着目し、エンジン逆回転中の始動の場合の遅れ時間をエンジン正回転中の始動の場合の遅れ時間よりも大きく設定する技術が開示されている。
また、正回転中からの始動に限らず、逆回転中からの始動、エンジン停止中からの始動においても、ギヤ磨耗が進むに従って、ピニオンを押し出してからリングギヤに噛み合うまでに時間が長くなる。
このため、ギヤ磨耗が進むと、ピニオンがリングギヤに噛み合う前にモータが回転してしまい、結果として噛み合い不良を生じる虞がある。
また、バッテリの経時劣化やスタータ温度によってもピニオンを押し出してからリングギヤに噛み合うまでに時間が変化する。
遅れ時間設定手段は、累積回数算出手段により算出された累積回数もしくは累積時間に基づいて遅れ時間を設定する。
始動応答時間は、ピニオンの噛み合いに時間を要する場合に長くなる。このため、始動応答時間は、噛み合い時間に影響するギヤ磨耗やバッテリ劣化等に関係するパラメータといえる。
したがって、前回の始動時における始動応答時間に基づいて遅れ時間を設定することにより、ギヤ磨耗やバッテリ劣化の度合いに応じて最適な遅れ時間を設定することができるため、ギヤ磨耗やバッテリ劣化が生じても、噛み合い不良を回避することができる。
また、本発明4のエンジン始動装置は、前回の始動時における始動応答時間、及び、スタータの温度に応じて、遅れ時間を設定する。
これによれば、バッテリ劣化度合いやスタータ温度に応じて最適な遅れ時間を設定することができ、噛み合い不良を回避することができる。
〔実施例1の構成〕
実施例1の構成を図1〜5を用いて説明する。
この実施例1に示すエンジン始動装置は、エンジンの停止および再始動を自動制御するアイドルストップ装置に適用され、エンジンの始動を行うスタータ1と、エンジンの再始動時にスタータ1の作動を制御する電子制御装置であるECU2(制御手段)とを備えている。
出力軸4は、減速装置(図示せず)を介して電機子軸と同一軸線上に配置され、電機子11の回転が減速装置で減速されて伝達される。
減速装置は、例えば、周知の遊星歯車減速機であり、遊星歯車の公転運動を拾う遊星キャリアが出力軸4と一体に設けられている。
クラッチ13は、図1に示す様に、出力軸4の外周にヘリカルスプライン嵌合するアウタ13aと、このアウタ13aの内周に相対回転自在に配置されるインナ13bと、アウタ13aとインナ13bとの間で回転力の伝達を断続するローラ13cと、このローラ13cを付勢するスプリング(図示せず)等を有し、ローラ13cを介してアウタ13aからインナ13bへ一方向のみ回転力を伝達する一方向クラッチとして構成されている。
ピニオン6は、クラッチ13のインナ13bと一体に構成され、出力軸4の外周に軸受14を介して相対回転自在に支持されている。
第1の駆動リレー23は、ECU2より出力されるオン信号によって励磁されるリレーコイル23aを有し、このリレーコイル23aに通電されてリレー接点23bが閉じることにより、バッテリ25から第1の駆動リレー23を通じてソレノイドコイル15に通電される。
スイッチコイル16は、図2に示す様に、一方の端部が第2のスイッチ端子34に接続され、他方の端部が、例えば、固定鉄心17の表面に溶接等により固定されてアースされている。第2のスイッチ端子34には、第2の駆動リレー35に繋がる電気配線が接続される。
2本の端子ボルト30、31は、モータ回路の高電位側(バッテリ側)に接続されるB端子ボルト30と、モータ回路の低電位側(モータ側)に接続されるM端子ボルト31である。一組の固定接点32は、2本の端子ボルト30、31と別体(一体でも可能)に設けられ、接点カバー29の内側で2本の端子ボルト30、31と電気的に接触して機械的に固定されている。
メイン接点は、一組の固定接点32と可動接点33とで形成され、可動接点33が接点圧スプリング39に付勢されて所定の押圧力で一組の固定接点32に当接し、可動接点33を介して両固定接点32間が導通することによりメイン接点が閉成された状態となり、可動接点33が一組の固定接点32から離れて両固定接点32間の導通が遮断されることによりメイン接点が開成された状態となる。
ICRリレー42は、ECU2より出力されるオン信号によって励磁されるリレーコイル42aを有し、このリレーコイル42aに通電されていない状態ではリレー接点42bが開いており、バッテリ25から抵抗43を介した第1通電経路を通じてスイッチコイル16に通電される。そして、リレーコイル42aに通電されてリレー接点42bが閉じることにより、バッテリ25から抵抗43を介さない第2通電経路を通じてスイッチコイル16に通電される。
このICRリレー42を用いて、モータ始動直後第1通電経路を介して通電し、突入電流のピーク値を低減する。
制御手段は、リレー制御部49、遅れ時間設定部50、累積回数算出部51、及び始動モード判別部52を有する。
なお、以下では、第1の駆動リレー23の駆動信号をSL1信号、第2の駆動リレー35の駆動信号をSL2信号と呼ぶ。
本実施例では、例えば、第1の駆動リレー23の通電タイミングに対して、第2の駆動リレー35の通電タイミングを遅らせることにより、ピニオン6を押し出す押出タイミングに対して、モータ3の回転を開始するモータ始動タイミングを遅らせる。
そのため、第1の駆動リレー23の通電タイミングと第2の駆動リレー35の通電タイミングとの差を遅れ時間Δtとして設定する。
具体的には、スタータ1によるエンジンの始動の回数の累積である累積始動回数N(すなわち、スタータ1の使用回数の累積)と遅れ時間Δtとの相関をMAPを用いて累積始動回数Nに応じた遅れ時間Δtを設定する。
スタータ1の始動モードとは、エンジンの運転状況に応じて複数の種類に区別されており、例えば、本実施例では、エンジン回転数降下中からの始動(以下、降下中始動モードと呼ぶ)、エンジン逆回転中からの始動(以下、逆回転中始動モードと呼ぶ)、エンジン完全停止からの始動(以下、停止中始動モードと呼ぶ)の3種類を区別している。
重み付けについては後に詳述する。
実施例1の遅れ時間設定の流れを図4及び図5を用いて説明する。
まず、スタータ1を駆動する駆動指令があったか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、スタータ1の始動信号がONされたか否かを判断する(図5参照)。この判定結果がNOの場合には、図4の制御ルーチンを終了する。
まず、ステップS2で、降下中始動モードか否かを判定し、判定結果がNOの場合は、ステップS3で、逆回転中始動モードか否かを判定する。そして、ステップS3での判定結果がNOの場合は、ステップS4で、停止中始動モードか否かを判定する。この判定結果がNOの場合には、図4の制御ルーチンを終了する。
ステップS5では、降下中始動モードでの始動回数NDをカウントし、カウント数を1つ増やす。このカウントされた始動回数NDは累積回数算出部51の算出に利用するため記憶される。
ステップS6では、逆回転中始動モードでの始動回数NRをカウントし、カウント数を1つ増やす。このカウントされた始動回数NRは累積回数算出部51の算出に利用するため記憶される。
ステップS7では、停止中始動モードでの始動回数NSをカウントし、カウント数を1つ増やす。このカウントされた始動回数NSは累積回数算出部51の算出に利用するため記憶される。
このとき、スタータ1の始動モードが、リングギヤ5の磨耗への影響度が高いモードであるほど重み係数が大きくなるように重み付けをして累積始動回数Nを算出する。
すなわち、以下の式(1)に示すように、始動回数ND、始動回数NR、始動回数NSにそれぞれ異なる係数を重み係数として乗じた上で、合計する。
N=aNS+bNR+cND・・・式(1)
停止中始動モードでは、リングギヤ5が停止しているため、ピニオン6と噛み合いにくく、噛み合い時に衝突した場合にはモータトルクがかかるため磨耗しやすい。また、逆回転中始動モードでは、クラッチ13が働かない方向であるため、噛み合い時にピニオン6とリングギヤ5が衝突した場合の衝突力が大きく、リングギヤが磨耗しやすい。一方、降下中始動モードでは、リングギヤが正回転しているためピニオン6と噛み合いやすいため、逆回転中始動モード及び停止中始動モードと比較するとギヤ磨耗への影響は少ない。
このため、a及びbをcよりも大きくし、重み付けをする。
すなわち、遅れ時間設定部50で、累積回数算出部51から出力される累積始動回数NとMAPとを用いて遅れ時間Δtを設定する。
本実施例の始動装置では、遅れ時間Δtを累積始動回数Nに基づいて設定している。累積始動回数Nは大きいほど、ギヤ磨耗量が大きいと推定できるパラメータであるため、累積始動回数Nに基づいて遅れ時間Δtを設定することにより、ギヤ磨耗の度合いに応じて最適な遅れ時間を設定することができる。これにより、ギヤ磨耗が生じても、噛み合い不良を回避することができる。
これによれば、累積始動回数Nによるギヤ磨耗量の推定がより正確になるため、ギヤ磨耗の度合いに応じたより最適な遅れ時間Δtを設定することができる。
実施例2を、実施例1とは異なる点を中心に、図6〜7を用いて説明する。
なお、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
本実施例では、スタータ1への駆動開始指令があった場合に、始動モードを判別して、始動モード毎に異なる遅れ時間を設定する。
そのため、スタータ1への駆動開始指令があったら、始動モードの判別結果を遅れ時間設定部50における遅れ時間Δtの算出にも使用できるようにする。
そして、遅れ時間設定部50は、累積始動回数Nと遅れ時間Δtとの相関を始動モード毎に異なるMAPを用いて累積始動回数Nに応じた遅れ時間Δtを設定する。すなわち、降下中始動モードの場合にはMAPDを、逆回転中始動モードの場合にはMAPR、停止中モードの場合にはMAPSを用いて、遅れ時間Δtを設定する。
まず、ステップ1と同様に、スタータ1を駆動する駆動指令があったか否かを判定する(ステップS101)。
ステップS106では、累積始動回数NとMAPDとを用いて遅れ時間Δtを設定する。
その後、ステップS107で、降下中始動モードでの始動回数NDのカウント数を1つ増やす。このカウントされた始動回数NDは累積回数算出部51の算出に利用するため記憶される。
ステップS108では、累積始動回数NとMAPRとを用いて遅れ時間Δtを設定する。
その後ステップS109で、降下中始動モードでの始動回数NRのカウント数を1つ増やす。このカウントされた始動回数NRは累積回数算出部51の算出に利用するため記憶される。
ステップS110では、累積始動回数NとMAPSとを用いて遅れ時間Δtを設定する。
その後ステップS111で、降下中始動モードでの始動回数NSのカウント数を1つ増やす。このカウントされた始動回数NSは累積回数算出部51の算出に利用するため記憶される。
本実施例によれば、スタータ1への駆動開始指令があった場合に、始動モードを判別して、始動モード毎に異なる遅れ時間を設定する。これによれば、始動モードに応じて最適な遅れ時間Δtを設定することができる。
例えば、遅れ時間Δtを長くする必要のない始動モード(降下中始動)の場合には、遅れ時間Δtを短く設定することができ、始動応答時間を短縮することができる。
実施例3を、実施例1とは異なる点を中心に、図8、9を用いて説明する。
なお、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
本実施例では、制御手段が、累積回数算出部51に替わって、始動応答時間記憶部53を有する。
始動応答時間記憶部53は、スタータ1の使用毎に始動応答時間を記憶する。
そして、遅れ時間設定部50は、始動応答時間記憶部53に記憶された前回の始動時における始動応答時間(以下、前回始動応答時間と呼ぶ)に基づいて、遅れ時間Δtを設定する。
なお、始動応答時間TDは降下中始動モードにおける前回始動応答時間であり、始動応答時間TRは逆回転中始動モードにおける前回始動応答時間であり、始動応答時間TSは停止中始動モードにおける前回始動応答時間である。
また、MAPTDは始動応答時間TDと遅れ時間Δtとの相関マップであり、MAPTRは始動応答時間TRと遅れ時間Δtとの相関マップであり、MAPTSは始動応答時間TSと遅れ時間Δtとの相関マップである。
まず、ステップ1と同様に、スタータ1を駆動する駆動指令があったか否かを判定する(ステップS201)。
ステップS205では、始動応答時間TDとMAPTDとを用いて遅れ時間Δtを設定する。
その後ステップS206で、降下中始動モードでの今回の始動応答時間をカウントし、始動応答時間TDとして記憶される。
ステップS207では、始動応答時間TRとMAPTRとを用いて遅れ時間Δtを設定する。
その後ステップS208で、逆回転中始動モードでの今回の始動応答時間をカウントし、始動応答時間TRとして記憶される。
ステップS209では、始動応答時間TSとMAPTSとを用いて遅れ時間Δtを設定する。
その後ステップS210で、停止中始動モードでの今回の始動応答時間をカウントし、始動応答時間TSとして記憶される。
本実施例によれば、各始動モード毎に、始動応答時間に基づいて遅れ時間Δtを設定している。
始動応答時間は、ピニオン6の噛み合いに時間を要する場合に長くなる。このため、始動応答時間は、噛み合い時間に影響するギヤ磨耗やバッテリ劣化等に関係するパラメータといえる。
したがって、始動応答時間に基づいて遅れ時間を設定することにより、ギヤ磨耗やバッテリ劣化の度合いに応じて最適な遅れ時間を設定することができるため、ギヤ磨耗やバッテリ劣化が生じても、噛み合い不良を回避することができる。
なお、本実施例では、前回始動応答時間を用いて遅れ時間Δtを算出したが、前回以前の数回の始動応答時間を記憶しておき、その平均値を用いて遅れ時間Δtを設定してもよい。
実施例4を、実施例1とは異なる点を中心に、図10〜12を用いて説明する。
なお、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
本実施例では、制御手段が、始動応答時間が所定時間以上の場合に、スタータ1が異常であると判断する異常判定部54を有する。
異常判定部54は始動モード判別部52からの信号を受け、始動モード毎に異常判定を行う。
まず、ステップ1と同様に、スタータ1を駆動する駆動指令があったか否かを判定する(ステップS301)。
ステップS307では、今回の始動にかかった始動応答時間TD1をカウントする。
その後ステップS308で、始動応答時間TDが所定値Dよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果がYESの場合には、スタータに異常が生じていると判断し、アイドルストップを禁止する(ステップS303)。
ステップS309では、今回の始動にかかった始動応答時間TR1をカウントする。
その後ステップS310で、始動応答時間TR1が所定値Rよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果がYESの場合には、スタータに異常が生じていると判断し、アイドルストップを禁止する(ステップS303)。
ステップS311では、今回の始動にかかった始動応答時間TS1をカウントする。
その後ステップS312で、始動応答時間TS1が所定値Dよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果がYESの場合には、スタータに異常が生じていると判断し、アイドルストップを禁止する(ステップS303)。
本実施例では、始動応答時間が所定値より長い場合には、スタータ1に異常が生じているとしてアイドルストップを禁止する。
ギヤ磨耗によって、噛み合いに時間が長く要するようになると、最終的には、噛み合いできず始動できないという噛み合い不良を招く。そのため、噛み合い時間が長い場合には始動応答時間も長くなるため、始動応答時間が所定値より大きくなった場合には、ギヤ磨耗の程度大きいと判断して、アイドルストップを禁止する。
これによれば、噛み合い不良を招く前に、ギヤ磨耗の度合いを判断してアイドルストップを禁止できる。
実施例5を、実施例1とは異なる点を中心に、図13を用いて説明する。
なお、実施例1〜3と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
本実施例では、制御手段が、累積回数算出部51に加えて、実施例3に記載の始動応答時間記憶手段53を有する。
そして、遅れ時間設定部50は、始動応答時間TD、TR、TSに基づく第1の遅れ時間Δt1と、累積始動回数Nに基づく第2の遅れ時間Δt2とを算出し、第1の遅れ時間Δt1と第2の遅れ時間Δt2とのいずれか一方を遅れ時間Δtとして設定する。
まず、ステップ1と同様に、スタータ1を駆動する駆動指令があったか否かを判定する(ステップS401)。
ステップS406では、始動応答時間TDとMAPTDとを用いて第1遅れ時間Δt1を算出する。
その後、ステップS407では、累積始動回数NとMAPDとを用いて第2遅れ時間Δt2を算出する。
そして、ステップS408では、第1遅れ時間Δt1と第2遅れ時間Δt2とで大きい方を遅れ時間Δtとして設定する。
ステップS411では、始動応答時間TRとMAPTRとを用いて第1遅れ時間Δt1を算出する。
その後、ステップS412では、累積始動回数NとMAPRとを用いて第2遅れ時間Δt2を算出する。
そして、ステップS413では、第1遅れ時間Δt1と第2遅れ時間Δt2とで大きい方を遅れ時間Δtとして設定する。
ステップS416では、始動応答時間TSとMAPTSとを用いて第1遅れ時間Δt1を算出する。
その後、ステップS417では、累積始動回数NとMAPSとを用いて第2遅れ時間Δt2を算出する。
そして、ステップS418では、第1遅れ時間Δt1と第2遅れ時間Δt2とで大きい方を遅れ時間Δtとして設定する。
実施例1では、遅れ時間Δtを累積始動回数Nに基づいて設定していたが、スタータ1の始動時間の累積を用いてもよい。
また、実施例2において、始動モードが、停止中始動モードの場合のみ、モータ始動タイミングを遅れ時間Δtの分だけ遅らせてもよい。すなわち、ギヤ磨耗による噛み合い時間の経時変化が大きい停止中始動モードの場合のみ、ギヤ磨耗を考慮した遅れ時間Δtを設定する。
これらによれば、バッテリ劣化度合いやスタータ温度に応じて最適な遅れ時間を設定することができ、噛み合い不良を回避することができる。なお、スタータ温度とは、スタータ1自体の温度もしくはスタータ1が配される周辺の雰囲気温度を指す。
ICRリレー42はモータ始動時の突入電流を抑制するものであるが、突入電流のピーク値を下げることによりモータ3の回り出しを遅らせることができる。このため、ICRリレー42の切り替えタイミングを操作することで、押出タイミングに対してモータ始動タイミングを遅らせることが可能である。
Claims (11)
- 回転力を発生するモータ(3)、エンジンのリングギヤ(5)に前記モータ(3)の回転力を伝達するピニオン(6)、第1のコイル(15)への通電により発生する磁力を利用して前記リングギヤ(5)へ向けて前記ピニオン(6)を押し出す第1のソレノイド(8)、および、第2のコイル(16)への通電により発生する磁力を利用して前記モータ(3)への通電電流を断続するメイン接点を開閉する第2のソレノイド(9)を有するスタータ(1)と、
前記スタータ(1)の駆動を制御する制御手段(2)とを備えるエンジン始動装置であって、
前記制御手段(2)は、
前記ピニオン(6)を押し出す押出タイミングに対して、前記モータ(3)の回転を開始するモータ始動タイミングを所定の時間遅らせる遅れ時間を設定する遅れ時間設定手段(50)と、
前記スタータ(1)による前記エンジンの始動の累積回数もしくは累積時間を算出する累積回数算出手段(51)とを有し、
前記遅れ時間設定手段(50)は、前記累積回数算出手段(51)により算出された前記累積回数もしくは累積時間に基づいて前記遅れ時間を設定することを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項1に記載のエンジン始動装置において、
前記累積回数算出手段(51)は、前記エンジンの運転状況に応じて複数の種類に区別される前記スタータ(1)の始動モードが、前記リングギヤ(5)の磨耗への影響度が高いモードであるほど重み係数が大きくなるように重み付けをして累積始動回数または累積始動時間を算出することを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項1または2に記載のエンジン始動装置において、
前記スタータ(1)への駆動開始指令があった場合に、前記エンジンの運転状況に応じて複数の種類に区別される前記スタータ(1)の始動モードを判別する始動モード判別手段(52)を有し、
前記始動モード判別手段(52)により判別された始動モードが、前記エンジンが完全停止した状態からの始動の場合のみ、前記モータ始動タイミングを前記遅れ時間の分だけ遅らせることを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項1または2に記載のエンジン始動装置において、
前記スタータ(1)への駆動開始指令があった場合に、前記エンジンの運転状況に応じて複数の種類に区別される前記スタータ(1)による始動モードを判別する始動モード判別手段(52)を有し、
前記遅れ時間設定手段(50)は、前記始動モード判別手段(52)によって判断された始動モード毎に、異なる前記遅れ時間を設定することを特徴とするエンジン始動装置。 - 回転力を発生するモータ(3)、エンジンのリングギヤ(5)に前記モータ(3)の回転力を伝達するピニオン(6)、第1のコイル(15)への通電により発生する磁力を利用して前記リングギヤ(5)へ向けて前記ピニオン(6)を押し出す第1のソレノイド(8)、および、第2のコイル(16)への通電により発生する磁力を利用して前記モータ(3)への通電電流を断続するメイン接点を開閉する第2のソレノイド(9)を有するスタータ(1)と、
前記スタータ(1)の駆動を制御する制御手段(2)とを備えるエンジン始動装置であって、
前記制御手段(2)は、
前記ピニオン(6)を押し出す押出タイミングに対して、前記モータ(3)の回転を開始するモータ始動タイミングを所定の時間遅らせる遅れ時間を設定する遅れ時間設定手段(50)と、
前記スタータ(1)の駆動開始指令があってから前記スタータ(1)の駆動によって前記エンジンが所定回転数まで回転するまでの時間を始動応答時間として記憶する始動応答時間記憶手段(53)とを有し、
前記遅れ時間設定手段(50)は、前記始動応答時間記憶手段(53)に記憶された前回の始動時における始動応答時間に基づいて、前記遅れ時間を設定することを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項5に記載のエンジン始動装置において、
前記スタータ(1)への駆動開始指令があった場合に、前記エンジンの運転状況に応じて複数の種類に区別される前記スタータ(1)による始動モードを判別する始動モード判別手段(52)を有し、
前記始動応答時間記憶手段(53)は、前記スタータ(1)による始動モードを前記エンジンの運転状況に応じて複数の種類に区別し、始動モード毎に始動応答時間を記憶し、
前記遅れ時間設定手段(50)は、前記始動モード判別手段(52)により判別された前記始動モードに対応した前回の始動時における前記始動応答時間に基づいて、前記遅れ時間を設定することを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項5または6に記載のエンジン始動装置において、
前記遅れ時間設定手段(50)は、前記前回の始動時における始動応答時間、及び、前記第1のソレノイド(8)への電力供給をするバッテリ(25)の劣化度合に応じて、前記遅れ時間を設定することを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項5または6に記載のエンジン始動装置において、
前記遅れ時間設定手段(50)は、前記前回の始動時における始動応答時間、及び、前記スタータ(1)の温度に応じて、前記遅れ時間を設定することを特徴とするエンジン始動装置。 - 回転力を発生するモータ(3)、エンジンのリングギヤ(5)に前記モータ(3)の回転力を伝達するピニオン(6)、第1のコイル(15)への通電により発生する磁力を利用して前記リングギヤ(5)へ向けて前記ピニオン(6)を押し出す第1のソレノイド(8)、および、第2のコイル(16)への通電により発生する磁力を利用して前記モータ(3)への通電電流を断続するメイン接点を開閉する第2のソレノイド(9)を有するスタータ(1)と、
前記スタータ(1)の駆動を制御する制御手段(2)とを備えるエンジン始動装置であって、
前記制御手段(2)は、
前記ピニオン(6)を押し出す押出タイミングに対して、前記モータ(3)の回転を開始するモータ始動タイミングを所定の時間遅らせる遅れ時間を設定する遅れ時間設定手段(50)と、
前記スタータ(1)によるエンジンの始動の累積回数もしくは累積時間を算出する累積回数算出手段(51)と、
前記スタータ(1)の駆動開始指令があってから前記スタータ(1)の駆動によって前記エンジンが所定回転数まで回転するまでの時間を始動応答時間として記憶する始動応答時間記憶手段(53)とを有し、
前記遅れ時間設定手段(50)は、前回の始動時における始動応答時間に基づく第1の遅れ時間と、前記累積回数もしくは累積時間に基づく第2の遅れ時間とを算出し、前記第1の遅れ時間と前記第2の遅れ時間とのいずれか一方を前記遅れ時間として設定することを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項1〜9のいずれか1つに記載のエンジン始動装置において、
前記スタータ(1)の駆動開始指令があってから前記スタータ(1)の駆動によって前記エンジンが所定回転数まで回転するまでの時間を始動応答時間とすると、
前記始動応答時間が所定時間以上の場合に、前記スタータ(1)が異常であると判断する異常判定手段(54)を有することを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項1〜10のいずれか1つに記載のエンジン始動装置において、
前記スタータ(1)は、バッテリ(25)から前記モータ(3)への通電経路において、抵抗を介して突入電流を小さくして前記モータへ通電する第1通電経路と、抵抗を介さないで前記モータへ通電する第2通電経路とを切替える突入電流抑制手段(42)を備え、
前記制御装置(2)は、前記突入電流抑制手段(42)の切替えタイミングを変えることで、前記ピニオン(6)を押し出す押出タイミングに対して、前記モータ(3)の回転を開始するモータ始動タイミングを遅らせることを特徴とするエンジン始動装置。
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