JP6023671B2 - クロストーク補償装置、及び、クロストーク補償方法 - Google Patents

クロストーク補償装置、及び、クロストーク補償方法 Download PDF

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Description

本発明は、クロストーク補償装置、及び、クロストーク補償方法に関する。
インターネットトラヒックは、国内外を問わず、ますます増加の一途をたどっている。その需要に応えるべく、光基幹網におけるさらなる大容量化及び経済化を目指し、様々な研究機関や企業が、革新的な研究開発を盛んに行っている。
光ファイバ伝送において通信容量を拡大させる有効な技術として、高密度波長多重伝送がある。高密度波長多重伝送は、一本の光ファイバ内で複数の光波長チャネルを高密度に並べて伝送する技術である。また、光ファイバ伝送において通信容量を拡大させるその他の有効な技術として、偏波多重伝送がある。偏波多重伝送は、例えば、シングルモードファイバを伝送媒体とした場合、シングルモードファイバ内で励起する二つの光導路モードを用いて、それぞれ異なるデータ系列を伝送するものである。
しかしながら、光パワーの大きな複数の光波長チャネルを高密度に多重した場合、光ファイバ内では、光パワーに比例した屈折率変化現象(光カー効果)が発生しやすくなる。この現象について、光信号品質の観点からの問題点は、屈折率変化により、自己位相変調や相互位相変調と呼ばれる位相変化を、光信号が被ることである。特に、位相変調光信号に対しては、位相変化は、光信号品質を著しく低下させてしまうことになる。
偏波多重及び高密度波長多重伝送を考えた場合、著しい信号劣化を引き起こす現象として、相互位相変調が起因となる非線形偏波間クロストーク(NPC:Nonlinear Polarization Crosstalk)が知られている。これは、相互位相変調の効果の一部であり、他チャネルの偏波状態に応じて信号チャネル偏波が散乱を受けるという現象である。特に、偏波多重光信号は、シンボル毎に偏波状態が変化するため、非線形偏波間クロストークもシンボルレートで変化する。これは、偏波多重光信号が、一般的には、X偏波及びY偏波に対して独立に位相変調されており、X偏波とY偏波との間の相対的位相状態に応じて、シンボル毎に偏波状態が変化するためである。
非線形偏波間クロストークは、二つの意味で、補償に困難が伴う。第1に、非線形偏波間クロストークは、相互位相変調が起因であるため、信号劣化量が統計的であって、基本的には、ブラインドすなわち受信信号のみから補償する必要があるので、補償に困難が伴う。第2に、非線形偏波間クロストークは、非常に高速に変化するので、補償に困難が伴う。
非線形に限定せずに偏波間クロストークを補償するブラインド技術として、CMA(Constant Modulus Algorithm)がある(非特許文献1参照)。CMAは、いわゆる勾配法により分離行列を求めるため、非線形偏波間クロストークのシンボルレートのオーダの変化には、追従することができない。
これは、CMAを用いた適応フィルタが、一般的に、複数シンボル(〜数千シンボル)を用いて、統計的に理論解(Wienerフィルタ)に近づけていくという手法を採り、ある解に接近している場合に解が時間変動してしまうと、CMAは追従することができず、正しい分離ができなくなるためである。
非線形偏波間クロストークに特化した補償技術としては、非線形偏波間クロストークキャンセラ(NPCC:Nonlinear Polarization Crosstalk Canceller)がある。非線形偏波間クロストークキャンセラは、相互位相変調による偏波多重信号が被る影響を、式(1)によりモデル化された混合行列Wを用いて推定する(非特許文献2参照)。
Figure 0006023671
ここで、sx/yは、送信側の二つの偏波状態信号をそれぞれ表す。rx/yは、受信側の二つの偏波状態信号をそれぞれ表す。その成分であるwxy/yxは、NPC成分である。Δφは、相互位相変調による位相シフトの二つの偏波状態信号間の差を表す。
なお、非特許文献2では、線形偏波間クロストークの除去については、従来の適応フィルタにより線形偏波間クロストークが除去された後、すなわち、「偏波分離+偏波モード分散(PMD:Polarization Mode Dispersion)補償」後の信号に対して、又は、偏波混合及びPMDが無視できる信号に対して、議論が進められている。
混合行列Wの具体的な推定方法としては、まず、「|wxy/yx<<1」を仮定し、式(2)のように混合行列Wを簡略化する。
Figure 0006023671
式(2)により、NPC成分wxy/yxは、式(3)のように求められる。
Figure 0006023671
ここで、送信側の二つの偏波状態信号sx/yは、受信信号を判定することにより仮に得たものを用いる。NPC成分wxy/yxを求めることができれば、式(2)より、送信側の二つの偏波状態信号(送信信号)sx/yをただちに推定することができる。
D. N. Godard, "Self-recovering equalization and carrier tracking in two-dimensional data communication systems", IEEE Trans. Commun., vol. COM-28, pp.1867 -1875 1980 Lei Li; Zhenning Tao; Ling Liu; Weizhen Yan; Oda, S.; Hoshida, T.; Rasmussen, J.C., "Nonlinear polarization crosstalk canceller for dual-polarization digital coherent receivers,"Optical Fiber Communication (OFC), collocated National Fiber Optic Engineers Conference, 2010 Conference on (OFC/NFOEC), 2010.
しかしながら、非線形偏波間クロストークキャンセラ(NPCC)は、変調フォーマットに従い受信信号を硬判定することにより仮に得た判定信号(仮判定信号)の情報を、補償アルゴリズムの中で用いる。信号劣化が著しく誤り率が大きい場合、仮判定信号と真の信号とが合致している確率が低くなり、式(3)で用いる偏波状態信号sx/yがそもそも誤っていることとなるため、非線形偏波間クロストークキャンセラは、正しくないNPC成分wxy/yxを推定してしまうことになる。このため、信号劣化が著しく誤り率が大きな条件下では、非線形偏波間クロストークキャンセラは、補償能力が劣化して脆弱になってしまう、という問題がある。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、信号劣化が著しく誤り率が大きな条件下でも、補償能力が脆弱にならないクロストーク補償装置、及び、クロストーク補償方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、伝送路を介して受信された光信号に基づくデジタル信号に対し、前記伝送路での波長分散による波形歪みを補償する波長分散補償部と、前記波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に対し、独立成分分析に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償する偏波チャネル間クロストーク補償部と、を備え、前記偏波チャネル間クロストーク補償部は、前記独立成分分析に基づいて推定された分離行列の1列分を更新することを特徴とするクロストーク補償装置である。
本発明の一態様は、前記波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に対し、前記伝送路での線形偏波クロストーク、偏波モード分散、残留波長分散、周波数オフセット及び位相雑音の少なくとも一つによる信号歪みを補償する信号歪み補償部を備えることを特徴とするクロストーク補償装置である。
本発明の一態様は、前記偏波チャネル間クロストーク補償部が、前記信号歪み補償部が信号歪みを補償する前に、又は、前記信号歪み補償部が信号歪みを補償する際に、偏波チャネル間クロストークを補償することを特徴とするクロストーク補償装置である。
本発明の一態様は、前記偏波チャネル間クロストーク補償部が、前記独立成分分析における不動点法に基づいて推定された複数の分離行列の2点間で成分を補完し、成分を補完した分離行列に基づいて、第1の信号ブロックの中心シンボルと第2の信号ブロックの中心シンボルとに挟まれたシンボルに対して分離行列を演算し、分離された信号を分離信号として出力することによって、偏波チャネル間クロストークを補償することを特徴とするクロストーク補償装置である。
本発明の一態様は、前記偏波チャネル間クロストーク補償部が、前記波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に含まれるシンボルを、予め定められた比率に応じて、時間順の前後でオーバーラップさせ、オーバーラップされたシンボルに対し、前記独立成分分析に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償することを特徴とするクロストーク補償装置である。
本発明の一態様は、前記偏波チャネル間クロストーク補償部が、自己相関関数とシンボル番号の相対値との関係に基づいて推定された分離行列の時間的相関長に基づいて、前記波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に含まれるシンボルのブロック長を前記自己相関関数のピークの幅に基づく長さとなるよう調整し、ブロック長を調整したシンボルに応じて推定された分離行列に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償することを特徴とするクロストーク補償装置である。
本発明の一態様は、前記偏波チャネル間クロストーク補償部が、二次の特殊ユニタリ群である分離行列に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償することを特徴とするクロストーク補償装置である。
本発明の一態様は、クロストーク補償装置におけるクロストーク補償方法であって、波長分散補償部が、伝送路を介して受信された光信号に基づくデジタル信号に対し、前記伝送路での波長分散による波形歪みを補償するステップと、偏波チャネル間クロストーク補償部が、前記波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に対し、独立成分分析に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償するステップと、を有し、前記偏波チャネル間クロストーク補償部は、前記独立成分分析に基づいて推定された分離行列の1列分を更新することを特徴とするクロストーク補償方法である。
本発明によれば、偏波チャネル間クロストーク補償部は、波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に対し、独立成分分析に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償する。これにより、クロストーク補償装置、及び、クロストーク補償方法は、信号劣化が著しく誤り率が大きな条件下でも、補償能力が脆弱にならない。
本発明の第1実施形態における、クロストーク補償装置の構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態における、偏波チャネル間クロストーク補償部の処理例を示す図である。 本発明の第1実施形態における、偏波チャネル間クロストーク補償部の独立成分分析の処理例を示す図である。 本発明の第1実施形態における、位相不定性解消部の構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態における、偏波チャネル間クロストーク補償部による分離行列間の補完法例を示す図である。 本発明の第3実施形態における、偏波チャネル間クロストーク補償部によるオーバーラップ処理後の分離行列間の補完法例を示すである。 本発明の第4実施形態における、偏波チャネル間クロストーク補償部のブロック長更新部の構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の第4実施形態における、自己相関関数の例を示す図である。 本発明の第5実施形態における、偏波チャネル間クロストーク補償部の独立成分分析の処理例を示す図である。 本発明の第6実施形態における、クロストーク補償装置の構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の第7実施形態における、クロストーク補償装置の構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の第8実施形態における、クロストーク補償装置の構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態における、光伝送シミュレーションデータの取得に用いた伝送路を示す図である。 光伝送シミュレーションにおける、クロストーク補償装置による効果を、実施形態毎に示す図である。
以下では、デジタルコヒーレント光通信システム(光伝送システム)に係るものであって、光信号伝送特性を向上させる技術に関し、非線形偏波間クロストーク(NPC)補償方法を説明する。以下、実施形態に係るNPC補償方法を、「偏波チャネル間クロストーク補償」という。以下、偏波チャネル間クロストーク補償において、線形偏波間クロストークが除去されたとは、非線形偏波間クロストークのみならず、線形偏波間クロストークも適応フィルタにより除去されたことを意味する。
実施形態に係るクロストーク補償装置、及び、偏波チャネル間クロストーク補償(クロストーク補償方法)は、適応フィルタの手法を用いて、偏波チャネルの分離を高速に実行することにより、非線形偏波間クロストークを補償する。一般的に、適応フィルタの手法では、目標からのずれを定量的に表すコスト関数を定義し、その定義されたコスト関数が目標となる極値に近づく方向に、フィルタ係数を更新していく。ここで、コスト関数の値には、仮判定信号を用いるものだけでなく、例えば、信号のパワー又は統計量が用いられてもよい。以下では、一例として、コスト関数の値に仮判定信号を用いない偏波チャネル間クロストーク補償について説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1には、クロストーク補償装置の構成例が、機能ブロック図により示されている。ここで、図1に示す構成例は、デジタル信号処理部における、デジタル信号処理フローの例を表すものである。つまり、図1では、デジタル信号処理フローは、上段から下段へと順に処理されるフローである。
なお、このデジタル信号処理フロー及び順序は、多岐に亘るものである。つまり、以下で説明するデジタル信号処理フロー及び順序は、絶対的なものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更されてもよい。
クロストーク補償装置100aは、波長分散補償部110と、自己位相変調補償部120と、適応等化部130と、周波数オフセット補償部140と、搬送波位相補償部150と、偏波チャネル間クロストーク補償部160と、誤り訂正・判定部170と、クライアントインタフェース部180とを備える。
以下、第1実施形態で説明するクロストーク補償装置100aと、後述する実施形態で説明するクロストーク補償装置100b〜100dとに共通する事項については、「クロストーク補償装置100」と表記する。
波長分散補償部110には、入力デジタル信号が入力される。この入力デジタル信号は、光信号を受信した受信装置(不図示)においてコヒーレント検波を受け、検波された光信号から電気信号に変換され、この変換された電気信号からデジタル信号に変換された信号である。波長分散補償部110は、伝送路での波長分散による波形歪みを補償する。
自己位相変調補償部120は、伝送路で付加された自己位相変調が起因となる位相雑音を、デジタル後方伝搬法等を用いて補償する。
適応等化部130は、例えば、伝送路での線形偏波クロストークにより生じた信号歪みを補償するため、波長分散による波形歪みが補償されたシンボルに対して、偏波分離を実行する。また、適応等化部130は、例えば、伝送路でのPMDにより生じた信号歪みを補償するため、波長分散による波形歪みが補償されたシンボルに対して、偏波モード分散等化を実行する。また、適応等化部130は、例えば、伝送路での波長分散による波形歪みが補償されたシンボルに対して、残留波長分散により生じた信号歪みを補償する。
なお、以下に示す全ての実施形態において、適応等化部130の内部構成(例えば、バタフライ構造の適応FIRフィルタ)は同一でもよいが、適応等化部130が実行する処理は、実施形態毎に異なっていてもよい。例えば、適応等化部130(偏波分離部)の直前で、偏波チャネル間クロストーク補償を実行する場合(第6実施形態において後述する)、適応等化部130は、偏波分離と、偏波モード分散等化と、残留波長分散などにより生じた信号歪みの補償とを実行してもよい。また、例えば、自己位相変調補償部120と、適応等化部130と、周波数オフセット補償部140と、搬送波位相補償部150とを含む信号歪み補償部よりも前段で、偏波チャネル間クロストーク補償を実行する場合(第7実施形態において後述する)、適応等化部130は、偏波分離を実行せず、偏波モード分散等化と、残留波長分散などにより生じた信号歪みの補償とを実行してもよい。
周波数オフセット補償部140は、適応等化部130において歪みが補償されたシンボルに対して、光信号を送信する送信装置と、その光信号を受信する受信装置との間で発生しうる周波数オフセットによる影響を補償する。周波数オフセット補償部140は、例えば、局部発振レーザ装置の周波数ずれにより生じる周波数オフセットを補償する。ここで、局部発振レーザ装置は、送信装置及び受信装置のそれぞれで用いられる。
搬送波位相補償部150は、周波数オフセット補償部140において周波数オフセットが補償されたシンボルに対して、送信装置及び受信装置のそれぞれの局部発振レーザ装置による光位相雑音、又は、伝送路での非線形効果による位相雑音を補償する。
第1の実施形態では、偏波チャネル間クロストーク補償は、搬送波位相補償部150よりも後段で実行されるものとする。つまり、第1の実施形態では、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、搬送波位相補償部150の直後に挿入されるものとする。伝送路での相互位相変調により、非線形偏波間クロストークを受けた受信信号は、式(1)で表される。
分離行列Mを高速に推定するための高速チャネル分離の手法として、適応フィルタを用いる手法がある。高速チャネル分離の手法は、独立成分分析(ICA:independent component analysis)に限定されなくてよいが、以下では、一例として、独立成分分析を利用して分離行列Mが推定されるものとして説明を続ける。
また、以下では、独立成分分析(ICA)の手法の例として、分離行列Mを高速に求めることができるFastICA(Fast ICA)を説明する。独立成分分析を用いた偏波チャネル間クロストーク補償は、FastICAに限定されなくてよい。例えば、独立成分分析を用いた偏波チャネル間クロストーク補償は、自然勾配法を用いて分離行列Mを求める手法でもよい。以下では、分離行列Mのタップ長は1以上の任意の整数でよいが、特に指定のない限り、分離行列Mのタップ長は1であるものとする。
なお、勾配法を用いたCMAでは解決できない課題が、自然勾配法を用いた独立成分分析では解決できるのは、自然勾配法を用いた独立成分分析では、1更新あたりの更新量を、リーマン幾何に基づくフィルタ係数の微分値に基づき1〜数十シンボル程度で求めることで、CMAよりも高速に解へ近づくためである。
図2には、偏波チャネル間クロストーク補償部の処理例が示されている。図2では、横軸は、時間(入力信号の入力順)を表す。まず、入力信号系列は、K個のシンボル(Kシンボル)毎のブロック(以下、「信号ブロック」という。)に分割される。これらの信号ブロックには、1、2、3、…、のように順に番号(シンボル番号)が付与される。偏波チャネル間クロストーク補償は、各信号ブロックを入力信号とした独立成分分析により実行される。出力信号は、順列の通りに並べられ、出力信号系列として、誤り訂正・判定部170に出力される。
偏波チャネル間クロストーク補償部160は、偏波チャネル間クロストーク補償部160を有しないデジタルコヒーレント受信装置(クロストーク補償装置)において、基本的には、どの機能ブロックの直前又は直後に挿入されてもよい。ここで、独立成分分析では、分離前の信号がすべて正規分布でないことが仮定されている。一方、波長分散補償部110よりも前段の信号は、正規分布のように分布している。これらのことから、独立成分分析を用いる場合には、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、波長分散補償部110よりも後段に挿入される。
非線形偏波間クロストークのシンボルレートのオーダの変化に追従するための入力シンボル数の範囲は、ノイズ、シンボルレート等の条件に依存し、一般には、数十シンボルでも、相関値が0ではないので、ある程度の補償効果が発揮される。数シンボルでは統計的な情報量不足により効果が低減することから、入力シンボル数の範囲は、1〜数十シンボル程度となり、あるシミュレーション条件下では、OSNR18[dB]程度で20シンボル程度となる。
図3には、偏波チャネル間クロストーク補償部の独立成分分析(ICA)の処理例が示されている。
(ステップS1)偏波チャネル間クロストーク補償部160には、入力信号が入力される。第1実施形態では、偏波チャネル間クロストーク補償部160には、入力信号が搬送波位相補償部150から入力される。偏波チャネル間クロストーク補償部160は、入力信号と分離行列Mとを掛け合わせる分離行列演算を実行する。
(ステップS2)偏波チャネル間クロストーク補償部160は、仮の分離信号としての入力信号について、コスト関数値を演算する。ここで、コスト関数値とは、信号間の独立性を測るためのコスト関数の値である。コスト関数は、例えば、デジタルコヒーレント受信において利用可能な信号包絡線電界振幅から導くことのできる高次統計量(4次キュムラント)を算出する関数である。なお、コスト関数は、独立成分分析の枠組みの中で多数提案されており、高次統計量(4次キュムラント)に限定されなくてもよい。
(ステップS3)偏波チャネル間クロストーク補償部160は、コスト関数が収束したか否かを判定する。この判定時間と入力信号の入力間隔とは、「判定処理のループ時間<入力信号の入力間隔」の関係となることが望ましい。コスト関数が収束したか否かは、例えば、以下のように判定される。以下、L回目の更新後のコスト関数を「C」と表記する。また、「ΔC=|(CL+1−C)/C|」を定義する。
偏波チャネル間クロストーク補償部160は、(L+1)回目の更新後、「ΔC>0.01」であれば、コスト関数が収束していないと判定する。コスト関数が収束していない場合(ステップS3:No)、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、ステップS5に処理を進める。
一方、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、「ΔC<0.01」であれば、コスト関数が収束したと判定する。コスト関数が収束した場合(ステップS3:Yes)、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、ステップS4に処理を進める。
(ステップS4)偏波チャネル間クロストーク補償部160は、仮の分離信号を分離信号として出力し、処理を終了する。
(ステップS5)偏波チャネル間クロストーク補償部160は、分離行列Mを更新し、ステップS1に処理を戻す。
図2に戻り、偏波チャネル間クロストーク補償部の処理例の説明を続ける。独立成分分析の一手法であるFastICAでは、不動点法と呼ばれる方法に基づいて、繰り返し処理により高速かつ適応的に、分離行列Mが算出される。また、FastICAでは、受信信号がまとめて入力される、いわゆるバッチ処理が実行される。
式(4)及び式(5)は、信号分離をそれぞれ表す式である。ここで、Aは、任意の実数である。θは、任意の角度(回転角)であり、0度以上360度未満である。また、Hは、エルミート転置を表す。
Figure 0006023671
Figure 0006023671
FastICAからの出力信号は、大きさ、独立信号の順序及び回転角が、不定のまま残っている。これは、式(4)及び式(5)が、信号間の独立性という観点では同一、ということを意味する。ここで、信号間の独立性とは、確率変数Xの確率密度P(X)と、確率変数Yの確率密度P(Y)と、確率変数X及びYの同時確率密度P(X,Y)との間で、「P(X,Y)=P(X)P(Y)」が成り立つことである。したがって、信号間の独立性という観点では同一とは、式(4)及び式(5)の偏波状態信号sx/yについて、「P(X,Y)=P(X)P(Y)」が成り立つことである。
光通信システムの場合、信号の大きさ、独立信号の順列はいずれも問題とならないが、回転角θが不定のままでは、信号の判定に影響が残る。これは、偏波チャネル間クロストーク補償が、搬送波位相補償部150よりも後段に挿入された偏波チャネル間クロストーク補償部160(位相不定性解消部)で実行されるという、第1の実施形態ならではの問題である。
図4には、位相不定性解消部の構成例が、機能ブロック図により示されている。搬送波位相補償部150よりも後段で偏波チャネル間クロストーク補償が実行される第1の実施形態では、位相不定性解消部200は、偏波チャネル間クロストーク補償部160に含まれる。なお、搬送波位相補償部150よりも前段で偏波チャネル間クロストーク補償が実行される他の実施形態(例えば、後述する第6実施形態及び第7実施形態)では、位相不定性解消部200は、搬送波位相補償部150に含まれてもよい。
ここでは、変調フォーマットとして四位相偏移変調(QPSK)を用いて回転角θの不定性を消去する場合について説明する。入力信号(受信信号)は、FastICAのバッチ処理に用いたK個のシンボルであるものとする。K個のシンボルをバッチ処理した場合でも、非線形偏波間クロストークのシンボルレートのオーダの変化に追従可能であるのは、偏波状態がシンボルレートのオーダで変化しても、数シンボル程度であれば、分離行列Mは一定とみなせるためである。
位相不定性解消部200は、四乗演算部201と、総和演算部202と、偏角算出演算部203と、底数演算部204と、シンボル遅延部205と、乗算部206とを有する。
四乗演算部201は、入力信号として入力されたK個のシンボルを4乗する。これにより、データ依存性(1,1)、(1,−1)、(−1,1)、(−1,−1)は消去される。
総和演算部202は、データ依存性が消去されたK個のシンボルの平均値を、平均化回路により算出する。これにより、複素平面上での偏角argが算出される。
偏角算出演算部203は、偏角argを4分の1倍する。4分の1倍された偏角argは、回転角θの推定値とされる。
底数演算部204は、4分の1倍された偏角arg(=回転角θの推定値)に基づいて、exp(−jθ)を算出する。
シンボル遅延部205は、入力信号として入力されたK個のシンボルを遅延させる。
乗算部206は、遅延されたK個のシンボルに、exp(−jθ)を乗算して、乗算結果を出力信号として出力する。遅延されたK個のシンボルにexp(−jθ)が乗算されることにより、回転角θの不定性は消去される。
このようにして、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、回転角θの不定性が消去された受信信号から、非線形偏波間クロストークを適切に除去することにより、信号品質を改善することができる。
誤り訂正・判定部170には、出力信号系列(例えば、図2を参照)が、偏波チャネル間クロストーク補償部160から入力される。誤り訂正・判定部170は、出力信号系列に対して、誤り訂正及び判定を施す。
クライアントインタフェース部180は、誤り訂正及び判定が施された出力信号系列を、所定のフォーマットで出力する。
以上のように、クロストーク補償装置100は、伝送路を介して受信された光信号に基づくデジタル信号(入力デジタル信号)に対し、伝送路での波長分散による波形歪みを補償する波長分散補償部110と、波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に対し、独立成分分析に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償する偏波チャネル間クロストーク補償部160と、を備える。
偏波チャネル間クロストーク補償(クロストーク補償方法)は、クロストーク補償装置におけるクロストーク補償方法であって、波長分散補償部110が、伝送路を介して受信された光信号に基づくデジタル信号(入力デジタル信号)に対し、伝送路での波長分散による波形歪みを補償するステップと、偏波チャネル間クロストーク補償部160が、波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に対し、独立成分分析に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償するステップと、を有する。
この構成により、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に対し、独立成分分析(ICA)に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償する。これにより、クロストーク補償装置100、及び、偏波チャネル間クロストーク補償(クロストーク補償方法)は、信号劣化が著しく誤り率が大きな条件下でも、補償能力が脆弱にならない。
すなわち、クロストーク補償装置100は、独立成分分析を利用して、偏波チャネル分離を高速に実行する。クロストーク補償装置100は、信号誤り率が悪い条件下でも、偏波チャネル間クロストークを低減させ、補償効果が頑健である。ここで、補償効果が頑健とは、補償効果が信号誤り率の影響を受けにくく、ダイナミックレンジが広いことである。
クロストーク補償装置100は、偏波多重及び高密度波長多重光伝送システムにおいて、顕著に光信号を劣化させる非線形偏波間クロストークを生じさせる混合行列Wを高速に推定し、偏波多重チャネルを適切に分離することができる。
また、クロストーク補償装置100は、デジタル信号処理内部において、偏波チャネル間クロストーク補償以外のアルゴリズムを実行する機能ブロックよりも前段に適用されることにより、補償効果を向上させ、補償処理を簡易化させることができる。また、クロストーク補償装置100は、デジタル信号処理回路の規模、及び、レイテンシの低減を実現することができる。
つまり、非線形偏波間クロストーク補償が、ブラインド信号源分離(BSS:Blind Source Separation)問題の枠組みで得られ、適用フィルタの手法により解決される。これにより、クロストーク補償装置100は、仮判定信号のような近似を用いる必要がなく、高速に変動する偏波チャネル間クロストークに追従でき、例えば、Q値6[dB]以下でも適用することができる。ここで、Q値は、伝送後の光信号品質を表す。
クロストーク補償装置100の前段では、位相変調、直交振幅変調又は振幅変調を用いて変調された電気信号から生成される光信号が、伝送路を介して受信され、受信された光信号は、コヒーレント検波を用いて電気信号に変換される。クロストーク補償装置100は、この変換された電気信号に基づくデジタル信号(入力デジタル信号)に対して補償を実行するデジタル信号処理回路内において、変換されたデジタル信号に対して、偏波チャネル分離を高速に実行する。
クロストーク補償装置100は、波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に対し、伝送路での線形偏波クロストーク、PMD、残留波長分散、周波数オフセット及び位相雑音の少なくとも一つによる信号歪みを補償する信号歪み補償部を備えてもよい。つまり、信号歪み補償部は、自己位相変調補償部120と、適応等化部130と、周波数オフセット補償部140と、搬送波位相補償部150とのうち、少なくとも一つを含んでもよい。
非線形偏波間クロストークキャンセラ(NPCC)は、仮判定信号をアルゴリズム中で使用する必要がある。このため、非線形偏波間クロストークキャンセラは、一連のデジタル信号処理フローの中で適用できる箇所が、信号判定直前の最終段の機能ブロックに限られる。したがって、非線形偏波間クロストークキャンセラは、偏波チャネル間クロストーク補償以外の機能ブロックの補償能力等に非線形偏波間クロストークが悪い影響を及ぼす前に取り除くことができないという意味で、システムパフォーマンス向上への貢献は限定的である、という問題がある。これに対し、クロストーク補償装置100は、適用箇所がデジタル信号処理フローの中での最終段の機能ブロックに限定されない。
[第2実施形態]
第2実施形態では、分離行列の変動に対する追従性がより高い点が、第1実施形態と相違する。第2実施形態では、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
図5には、偏波チャネル間クロストーク補償部による分離行列間の補完法例が示されている。偏波チャネル間クロストーク補償では、FastICAのようなバッチ処理を用いた場合、高速に時間変動する非線形偏波間クロストークに対しては、信号ブロックの始めのシンボルと、信号ブロックの終わりのシンボルとの間で、適切な分離行列Mが変動していることがある。第2の実施形態では、この変動に対する追従性をより高める。
以下、p番目の信号ブロックに対応する入力信号1に対して、独立成分分析を用いて求めた分離行列Mを、「M」と表記する。同様に、(p+1)番目の信号ブロックに対応する入力信号2に対して、独立成分分析を用いて求めた分離行列Mを、「Mp+1」と表記する。なお、補完に用いられる複数の分離行列Mは、三つ以上でもよいが、図5では、M及びMp+1の二つの分離行列Mを用いて分離行列の各成分を補完するものとして、説明を続ける。
ステップSa1−n(符号nは、入力信号を示す符号であって、1又は2)〜Sa5−nは、図3に示すステップS1〜ステップS5と同様である。
(ステップSa6)偏波チャネル間クロストーク補償部160は、p番目の信号ブロックの中心のシンボルに対する分離行列Mとして、Mを扱う。また、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、p番目の信号ブロックの中心シンボルと、(p+1)番目の信号ブロックの中心シンボルとに挟まれたシンボルに対する分離行列Mとして、M及びMp+1の各成分を補完した分離行列を扱う。ここで、補完とは、線形補完、キューブリック補完、又は、多項式補完など、2点間の補完を行ういずれの補完でもよい。
(ステップSa7)偏波チャネル間クロストーク補償部160は、p番目の信号ブロックの中心シンボルと、(p+1)番目の信号ブロックの中心シンボルとに挟まれたシンボルに対して、分離行列を演算する。
(ステップSa8)偏波チャネル間クロストーク補償部160は、分離された信号を分離信号として出力し、処理を終了する。
以上のように、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、独立成分分析に基づいて推定された複数の分離行列Mの間で成分を補完し(図5を参照)、成分を補完した分離行列Mに基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償してもよい。クロストーク補償装置100は、求められた分離行列Mを補完することにより、分離行列Mの高速追従性を向上させることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、分離行列の変動に対する追従性がさらに高い点が、第1実施形態及び第2実施形態と相違する。第3実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態との相違点についてのみ説明する。
図6には、偏波チャネル間クロストーク補償部によるオーバーラップ処理後の分離行列間の補完法例が示されている。図6では、横軸は、時間(入力信号の入力順)を表す。偏波チャネル間クロストーク補償部160は、p番目の信号ブロックと、(p+1)番目の信号ブロックとを、予め定められた比率t(tは、0以上1以下の実数)で、オーバーラップ処理させる。
ここで、信号ブロックの長さをK個のシンボルとした場合、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、「K×t」個のシンボルが時間順の前後の信号ブロックで多重的となるよう、オーバーラップ処理を実行する。例えば、信号ブロックの長さをK(=30)個のシンボルとした場合、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、比率t=0.5であれば、「K×t」(=15)個のシンボルが時間順の前後の信号ブロックで多重的となるよう、オーバーラップ処理を実行する。
偏波チャネル間クロストーク補償部160は、オーバーラップ処理により生成した入力信号1を、図5に示す入力信号1として使用する。同様に、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、オーバーラップ処理により生成した入力信号2を、図5に示す入力信号2として使用する。ここで、二つの信号ブロックの中心シンボルに挟まれたシンボルに対する分離行列Mは、第2の実施形態と同様に、補完により与えられる。
以上のように、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に含まれるシンボルを、時間順の前後でオーバーラップさせ(図6を参照)、オーバーラップされたシンボルに対し、独立成分分析に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償してもよい(図5を参照)。
つまり、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、分離行列Mを求めるために用いる信号ブロック(データブロック)を、オーバーラップさせて使用することにより、分離行列Mの高速追従性を向上させる。
[第4実施形態]
第4実施形態では、偏波チャネル間クロストーク補償に用いる適切な信号ブロックのデータ長(以下、「信号ブロック長」という。)をフィードバック構造により得る点が、第1〜第3実施形態と相違する。第4実施形態では、第1〜第3実施形態との相違点についてのみ説明する。
図7には、偏波チャネル間クロストーク補償部の信号ブロック長更新部の構成例が、機能ブロック図により示されている。ブロック長更新部161は、偏波チャネル間クロストーク補償に用いる適切な信号ブロック長を、フィードバック構造により得る。
偏波チャネル間クロストーク補償に用いられる信号ブロック長は、非線形偏波間クロストークの高速変動性に追従する観点では、可能な限り短いほうがよい。一方、統計処理の観点では、信号ブロック長が可能な限り長い、すなわち、標本数が可能な限り多いほうがよい。
バッファ162は、信号ブロック長に分割された入力信号を記憶する。この信号ブロック長は、自己相関関数算出部164によりフィードバックされて更新される。
ICA部163(独立成分分析部)は、図3又は図5に示された動作手順を実行し、実行結果に応じて、分離信号を出力する。
自己相関関数算出部164は、自己相関関数τを算出する。自己相関関数算出部164は、自己相関関数τに基づいて推定(算出)された分離行列Mの時間的相関長を、バッファ162にフィードバックする(フィードバック構造)。これにより、分離行列Mを求めるために用いられる信号ブロック長は、調整されて適切になる。
以下、分離行列Mの(1,2)成分を、「M12」と表記する。また、分離行列M12の自己相関関数を、「τ12」と表記する。なお、自己相関関数τは、分離行列Mの(1,2)成分以外でもよい。つまり、M12以外(=M11、M22、M21)のいずれの成分の自己相関関数τが用いられてもよい。
図8には、自己相関関数の例が示されている。より具体的には、図8には、自己相関関数τ12の例が、グラフにより示されている。横軸は、シンボル番号の相対値(相対シンボル番号)を示す。縦軸は、自己相関値を示す。自己相関関数τ12は、シンボル番号の相対値0にピークを有する。適切な信号ブロック長Kは、例えば、自己相関関数τ12の半値幅FWHM(Full width at half maximum)に基づいて、定められてもよい。なお、適切な信号ブロック長Kの定め方は、これに限定されなくてよい。例えば、適切な信号ブロック長Kは、ネイピア数eを用いて、自己相関関数τ12のピークが「1/e」となる幅に基づいて、定められてもよい。
また、非線形偏波間クロストークの変動性がどれほど高速であるかは、例えば、ICA部163(図7を参照)から得られた分離行列M12の自己相関関数τ12に基づいて、算出することが可能である。
以上のように、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、自己相関関数τに基づいて推定された分離行列Mの時間的相関長に基づいて、波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に含まれるシンボルの信号ブロック長を調整し(図7を参照)、信号ブロック長を調整したシンボルに応じて推定された分離行列Mに基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償してもよい。
つまり、クロストーク補償装置100は、求められた分離行列Mの時間的相関長をフィードバックすることにより、分離行列Mを求めるために用いられる信号ブロック長を調整する。
[第5実施形態]
第5実施形態では、偏波チャネル間クロストーク補償部の独立成分分析の処理例が、第1〜第4実施形態と相違する。第5実施形態では、第1〜第4実施形態との相違点についてのみ説明する。
図9には、偏波チャネル間クロストーク補償部の独立成分分析の処理例が示されている。ステップSb1〜S4は、図3に示すステップS1〜ステップS4と同様である。
式(1)で表される混合行列Wの(1,2)成分wyxと、(2,1)成分wxy間には、非特許文献3によれば、理論的に「wyx=−wxy 」の関係がある。
<非特許文献3>Zhenning Tao ; Fujitsu R & D Center Co., Ltd., Beijing, China ; Weizhen Yan ; Ling Liu ; Lei Li , Simple Fiber Model for Determination of XPM Effects, JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, VOL. 29, NO. 7, pp.974-986, 2011
これより、混合行列Wは、二次の特殊ユニタリ群SU(2)となることが判る。したがって、偏波チャネル間クロストーク補償の際に、適当なスケーリングを行えば、分離行列Mも二次の特殊ユニタリ群SU(2)とすることができる。ここで、適当なスケーリングとは、「|α|+|β|=1」の拘束条件を満たすスケーリングである。
つまり、分離行列MがFastICAにより高速に推定されるのは、分離行列Mは、4成分の複素数値から構成され、自由度8(=4×2)であっても、特殊ユニタリ群SU(2)であるために、2成分の複素数値から構成され、さらに「|α|+|β|=1」の拘束条件により、自由度3(=4−1)となるからである。ここで、混合行列Wが特殊ユニタリ群SU(2)である場合に、分離行列Mも特殊ユニタリ群SU(2)であるのは、上述のように、混合行列Wと分離行列Mとが、互いに逆行列の関係にあるからである。
第5の実施形態では、分離行列Mが特殊ユニタリ群SU(2)であることを用いて、偏波チャネル間クロストーク補償部160の演算規模を低減させる。特殊ユニタリ群SU(2)であることを用いて、偏波チャネル間クロストーク補償の演算規模を減らす方法としては、例えば、特殊ユニタリ群SU(2)が、式(6)、すなわち、ケーリー・クラインの関係で表されることを利用する。
Figure 0006023671
ここで、αとβは、「|α|+|β|=1」の拘束条件を満たす任意の複素数である。偏波チャネル間クロストーク補償の中で用いられている独立成分分析の手法は、分離行列Mの全ての列を一度に更新する手法のほかに、分離行列Mを列ごとに更新する手法がある。
(ステップSb5)偏波チャネル間クロストーク補償部160は、1列分(単一列)について、分離行列Mを更新する。偏波多重信号を対象とした例では、分離行列Mは、偏波成分毎すなわち2列分毎に更新される必要がない。分離行列Mが特殊ユニタリ群SU(2)であることが既知であるためである。これにより、偏波チャネル間クロストーク補償部160における演算規模の低減が実現される。
(ステップSb6)分離行列Mの2列を、それぞれm及びmとする。得られた推定列ベクトルが「m=[α β]」(Tは転置を表す)である場合、このmは、「m1=[−β α]」で表される。偏波チャネル間クロストーク補償部160は、得られたm及びmを、一つの行列「M」として算出する(係数算出)。
以上のように、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、二次の特殊ユニタリ群SU(2)である分離行列Mに基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償してもよい。
つまり、クロストーク補償装置100は、偏波クロストークを引き起こす混合行列Wが特殊ユニタリ群SU(2)である場合に、分離行列Mも特殊ユニタリ群SU(2)であることを用いて、分離行列Mの推定を高速に実行する。
[第6実施形態]
第6実施形態では、偏波分離部よりも前段で偏波チャネル間クロストーク補償を実行する点が、第1〜第5実施形態と相違する。第6実施形態では、第1〜第5実施形態との相違点についてのみ説明する。
図10には、クロストーク補償装置の構成例が、機能ブロック図により示されている。 クロストーク補償装置100bは、波長分散補償部110と、自己位相変調補償部120と、適応等化部130と、周波数オフセット補償部140と、搬送波位相補償部150と、偏波チャネル間クロストーク補償部160と、誤り訂正・判定部170と、クライアントインタフェース部180とを備える。
第6の実施形態では、適応等化部130(偏波分離部)の直前に、偏波チャネル間クロストーク補償部160が挿入される。これにより、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、演算規模を低減させることができる、また、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、偏波分離の成功率を向上させることができる。
適応等化部130(偏波分離部)よりも前段で、偏波チャネル間クロストーク補償が実行される場合、適応等化部130は、偏波分離と、偏波モード分散等化と、残留波長分散などにより生じた信号歪みの補償とを実行する。
ブラインドの偏波分離に利用されるCMAには、収束速度が遅いという問題点の他に、同一偏波収束が生じるという問題点がある。ここで、同一偏波収束とは、例えば、偏波多重信号の場合、二つの出力時系列が同じものになってしまうことである。二つの出力時系列が同じものになってしまう場合、偏波分離は失敗することが多い。この原因は、CMAが分離行列Mを列毎に独立に更新する際、分離行列Mの列同士には制約条件が課されないためである。
偏波チャネル間クロストーク補償部160は、独立成分分析により分離行列Mを更新する際、分離行列Mの列同士を直交化する。これにより、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、同一偏波収束を生じさせないようにすることができる。このように、偏波チャネル間クロストーク補償によって達成されることは、高速な偏波分離及び等化である。これにより、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、演算規模を低減させることができる、また、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、偏波分離の成功率を向上させることができる。
以上のように、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、自己位相変調補償部120、適応等化部130、周波数オフセット補償部140、及び、搬送波位相補償部150を含む信号歪み補償部が信号歪みを補償する際(図10を参照)に、偏波チャネル間クロストークを補償してもよい。
つまり、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、デジタル信号処理内部における、適応等化部130(偏波分離部)の直前に挿入されることにより、偏波チャネル間クロストーク補償のみならず、偏波分離を同時に実行してもよい。
[第7実施形態]
第7実施形態では、自己位相変調補償部120よりも前段で偏波チャネル間クロストーク補償を実行する点が、第1〜第6実施形態と相違する。第7実施形態では、第1〜第6実施形態との相違点についてのみ説明する。
図11には、クロストーク補償装置の構成例が、機能ブロック図により示されている。クロストーク補償装置100cは、波長分散補償部110と、自己位相変調補償部120と、適応等化部130と、周波数オフセット補償部140と、搬送波位相補償部150と、偏波チャネル間クロストーク補償部160と、誤り訂正・判定部170と、クライアントインタフェース部180とを備える。
第7実施形態では、自己位相変調補償部120と、適応等化部130と、周波数オフセット補償部140と、搬送波位相補償部150とを含む信号歪み補償部の直前に、偏波チャネル間クロストーク補償部160が挿入される。より具体的には、自己位相変調補償部120の直前に、偏波チャネル間クロストーク補償部160が挿入される。これにより、信号歪み補償効果が向上する。
以下では、一例として、自己位相変調補償部120において実行されるデジタル後方伝搬法による効果を説明するが、第7の実施形態における効果は、これに限定されない。ここで、例えば、自己位相変調補償部120において実行されるデジタル後方伝搬法は、適応フィルタによる信号歪み等の前段で本発明の手法が用いられた場合に、適応フィルタの性能が向上するなどの効果もある。ここで、デジタル後方伝搬法とは、伝送路での電界包絡線変化の伝搬を、受信端においてデジタル処理により逆向きに模擬し、送信端での電界包絡線に近づけることで、信号歪みを緩和する技術である。
デジタル後方伝搬法では、チャネル内の自己位相変調などの非線形現象による劣化が補償される。具体的には、自己位相変調補償部120は、伝送路での各シンボルの信号波形をデジタル信号処理により求め、各シンボルのパワーを算出し、それに比例した位相回転を各シンボルに与える。ここで、チャネル内の非線形現象による劣化の強度は、自己位相変調による影響だけでなく、相互位相変調による影響を受けている。このため、デジタル後方伝搬法は、相互位相変調が顕著になると、その性能を十分に発揮できない。
第7の実施形態では、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、デジタル後方伝搬法を実行する自己位相変調補償部120の直前に、挿入されている。これにより、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、相互位相変調による信号歪みの一部を補償することができる。また、自己位相変調補償部120は、各シンボルの劣化の強度の推定精度を向上させ、信号歪みの補償効果を向上させることができる。
以上のように、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、自己位相変調補償部120、適応等化部130、周波数オフセット補償部140、及び、搬送波位相補償部150を含む信号歪み補償部が、信号歪みを補償する前(図11を参照)に、偏波チャネル間クロストークを補償してもよい。つまり、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、デジタル信号処理内部において、信号歪み補償部の直前に挿入されることにより、信号歪み補償の効果を向上させる。
[第8実施形態]
第8実施形態では、搬送波位相補償部の直前で偏波チャネル間クロストーク補償を実行する点が、第1〜第7実施形態と相違する。第8実施形態では、第1〜第7実施形態との相違点についてのみ説明する。
図12には、クロストーク補償装置の構成例が、機能ブロック図により示されている。クロストーク補償装置100dは、波長分散補償部110と、自己位相変調補償部120と、適応等化部130と、周波数オフセット補償部140と、搬送波位相補償部150と、偏波チャネル間クロストーク補償部160と、誤り訂正・判定部170と、クライアントインタフェース部180とを備える。
第8実施形態では、搬送波位相補償部150の直前に、偏波チャネル間クロストーク補償部160が挿入される。これにより、位相サイクルスリップの発生頻度が低減される。位相サイクルスリップは、搬送波位相補償部150が実行するビタビ・ビタビアルゴリズムなどから出力される推定位相が持つ、有限の位相不定性に起因する。この位相不定性の数は、信号フォーマットに依存し、例えば、L値位相変調(Lは2以上の整数)の場合、L個の位相不定性が残存する。
位相サイクルスリップが発生する原因としては、送信装置及び受信装置のそれぞれのレーザによる雑音のほか、伝送路で付加される非線形位相雑音などが知られている。偏波チャネル間クロストーク補償部160は、相互位相変調による位相雑音及び信号歪みを適切に補償するため、位相サイクルスリップを低減する。
以上のように、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、自己位相変調補償部120、適応等化部130、周波数オフセット補償部140、及び、搬送波位相補償部150を含む信号歪み補償部が信号歪みを補償する際(図12を参照)に、偏波チャネル間クロストークを補償してもよい。
つまり、偏波チャネル間クロストーク補償部160は、デジタル信号処理内部における、搬送波位相補償部150の直前に挿入されることにより、位相サイクルスリップの発生頻度を低減させる。
<シミュレーション>
第1〜第3実施形態における偏波チャネル間クロストーク補償の効果を説明する。
図13には、第1〜第3実施形態における、光伝送シミュレーションデータの取得に用いた伝送路が示されている。ここで、光信号は、偏波多重四値位相変調信号(DP−QPSK)が、9チャネル波長方向に多重されている。光伝送シミュレーションでは、この9チャネルの中心チャネルのQ値改善量[dB]を、オフライン復調により算出した。
図14には、クロストーク補償装置による効果が、実施形態毎にグラフにより示されている。横軸は、総伝送距離[km]を示す。縦軸は、光伝送シミュレーションにおけるオフライン復調により算出された、Q値改善量[dB]を示す。図14では、第3の実施形態におけるオーバーラップ比率tは、一例として、0.5とした。また、図14には、非線形偏波間クロストークキャンセラ(NPCC)によるQ値改善量[dB]を示すグラフも、比較のために描かれている。
図14に示されているように、第1〜第3実施形態に係るそれぞれの偏波チャネル間クロストーク補償は、非線形偏波間クロストークキャンセラ(NPCC)と比較して、Q値改善量を向上させている。また、第3実施形態に係る偏波チャネル間クロストーク補償は、第1及び第2実施形態に係るそれぞれの偏波チャネル間クロストーク補償よりも、Q値改善量を向上させている。また、第2実施形態に係る偏波チャネル間クロストーク補償は、第1実施形態に係る偏波チャネル間クロストーク補償よりも、Q値改善量を向上させている。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
なお、以上に説明した装置及びシステムを実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
100…クロストーク補償装置、100a…クロストーク補償装置、100b…クロストーク補償装置、100c…クロストーク補償装置、100d…クロストーク補償装置、110…波長分散補償部、120…自己位相変調補償部、130…適応等化部、140…周波数オフセット補償部、150…搬送波位相補償部、160…偏波チャネル間クロストーク補償部、161…ブロック長更新部、162…バッファ、163…ICA部、164…自己相関算出部、170…誤り訂正・判定部、180…クライアントインタフェース部、200…位相不定性解消部、201…四乗演算部、202…総和演算部、203…偏角算出演算部、204…底数演算部、205…シンボル遅延部、206…乗算部

Claims (8)

  1. 伝送路を介して受信された光信号に基づくデジタル信号に対し、前記伝送路での波長分散による波形歪みを補償する波長分散補償部と、
    前記波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に対し、独立成分分析に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償する偏波チャネル間クロストーク補償部と、
    を備え
    前記偏波チャネル間クロストーク補償部は、前記独立成分分析に基づいて推定された分離行列の1列分を更新することを特徴とするクロストーク補償装置。
  2. 前記波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に対し、前記伝送路での線形偏波クロストーク、偏波モード分散、残留波長分散、周波数オフセット及び位相雑音の少なくとも一つによる信号歪みを補償する信号歪み補償部
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のクロストーク補償装置。
  3. 前記偏波チャネル間クロストーク補償部は、前記信号歪み補償部が信号歪みを補償する前に、又は、前記信号歪み補償部が信号歪みを補償する際に、偏波チャネル間クロストークを補償することを特徴とする請求項2に記載のクロストーク補償装置。
  4. 前記偏波チャネル間クロストーク補償部は、前記独立成分分析における不動点法に基づいて推定された複数の分離行列の2点間で成分を補完し、成分を補完した分離行列に基づいて、第1の信号ブロックの中心シンボルと第2の信号ブロックの中心シンボルとに挟まれたシンボルに対して分離行列を演算し、分離された信号を分離信号として出力することによって、偏波チャネル間クロストークを補償することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のクロストーク補償装置。
  5. 前記偏波チャネル間クロストーク補償部は、前記波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に含まれるシンボルを、予め定められた比率に応じて、時間順の前後でオーバーラップさせ、オーバーラップされたシンボルに対し、前記独立成分分析に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償することを特徴とする請求項4に記載のクロストーク補償装置。
  6. 前記偏波チャネル間クロストーク補償部は、自己相関関数とシンボル番号の相対値との関係に基づいて推定された分離行列の時間的相関長に基づいて、前記波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に含まれるシンボルのブロック長を前記自己相関関数のピークの幅に基づく長さとなるよう調整し、ブロック長を調整したシンボルに応じて推定された分離行列に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のクロストーク補償装置。
  7. 前記偏波チャネル間クロストーク補償部は、二次の特殊ユニタリ群である分離行列に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のクロストーク補償装置。
  8. クロストーク補償装置におけるクロストーク補償方法であって、
    波長分散補償部が、伝送路を介して受信された光信号に基づくデジタル信号に対し、前記伝送路での波長分散による波形歪みを補償するステップと、
    偏波チャネル間クロストーク補償部が、前記波長分散による波形歪みが補償されたデジタル信号に対し、独立成分分析に基づいて、偏波チャネル間クロストークを補償するステップと、
    を有し、
    前記偏波チャネル間クロストーク補償部は、前記独立成分分析に基づいて推定された分離行列の1列分を更新することを特徴とするクロストーク補償方法である。
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