以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
まず、パチンコ遊技機1の概略構成及び動作について説明する。図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。パチンコ遊技機1は、遊技者の所定操作によって打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されている。図1に示されるように、パチンコ遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、遊技盤2に対して蝶番(不図示)を介して開閉可能に構成されると共に、遊技盤2に対して着脱可能に構成されている。
遊技盤2の前面側に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が設けられている。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、ハンドル31の回転角度に応じた打球力で発射装置(不図示)から遊技球が発射される。遊技盤2には、遊技球を案内するガイド部材(不図示)が設けられており、発射装置から発射された遊技球は、このガイド部材によって遊技領域20の上部位置へ案内される。遊技球は、遊技領域20に配置された不図示の遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら、遊技盤2の前面に沿って下方へと落下する。
遊技領域20における遊技盤2の前面には、入賞や抽選に関する役物として、第1始動口21(本発明の始動入賞口の一例)、第2始動口22(本発明の始動入賞口の一例)、大入賞口23、普通入賞口24、及びゲート25が設けられている。また、遊技領域20における遊技盤2の前面における大入賞口23の下方には、始動口21,22又は入賞口23,24に入らなかった遊技球を遊技領域20の外へ排出する排出口26が設けられている。
第1始動口21及び第2始動口22は、第1始動口21を第2始動口22の上側として所定の間隔を隔てて上下二段に配置されている。第1始動口21に遊技球が入ると入賞して第1特別図柄抽選(大当たり抽選)が実行される。第2始動口22に遊技球が入ると入賞して第2特別図柄抽選(大当たり抽選)が実行される。このように、パチンコ遊技機1では、第1始動口21又は第2始動口22への遊技球の入賞を条件として大当たり抽選が実行される。
第1始動口21と第2始動口22との間には、普通電動役物としての電動チューリップ27が配置されている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部材を有しており、一対の羽根部材が閉じた姿勢(図1参照)と、一対の羽根部材が開いた姿勢(不図示)との間で姿勢変化可能に構成されている。一対の羽根部材は、電動ソレノイドの駆動によって姿勢変化すると共に、姿勢変化に伴って点灯又は点滅する。
電動チューリップ27が閉じた状態では、電動チューリップ27及び第1始動口21によって第2始動口22への進入路が閉じられており、遊技球が第2始動口22へ入ることはない。遊技球がゲート25を通過すると、普通図柄抽選(電動チューリップ27の開閉抽選)が始動する。この普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ27の一対の羽根部材が規定時間(例えば6秒間)開いた状態を維持した後に閉じる動作が規定回数(例えば3回)繰り返される。このように、普通図柄抽選に当選することで、第2始動口22が開放されて、遊技球が第2始動口22に進入可能となる。
第2始動口22の下方に大入賞口23が設けられている。大入賞口23は、大当たり抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)の結果に応じて開放される。大入賞口23の開口部には、大入賞口23を開閉するプレートが設けられている。大入賞口23は、通常はこのプレートが遊技盤2と同一平面を形成する姿勢となっているために遊技球が入らない状態となっている。そして、大当たり抽選に当選するとプレートの上端側が遊技盤2の前面側へ傾倒して遊技球が進入可能な大当たり状態となる。大当たり状態になると、例えば所定条件(大入賞口23が開いてから30秒を経過、大入賞口23への10個の遊技球の入賞、開放累積時間が1.8秒以内等)を満たすまで上記プレートが大入賞口23を開放した状態を維持した後に大入賞口23を閉塞する動作が、所定回数(例えば15回又は2回)繰り返される。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、及び普通入賞口24に遊技球が入って入賞すると、入賞した場所に応じた個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると4個の賞球が払い出され、大入賞口23に遊技球が入賞すると13個の賞球が払い出され、普通入賞口24に遊技球が入賞すると10個の賞球が払い出される。なお、遊技球がゲート25を通過しても遊技球が払い出されることはない。
図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。図1及び図2に示されるように、枠部材5には、上記ハンドル31及びレバー32の他に、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、及び皿39が設けられている。
皿39は、枠部材5からパチンコ遊技機1の正面側へ突出するように設けられており、上述の発射装置へ供給される遊技球を一時的に溜めるものである。この皿39には、上述のように払い出された遊技球(賞球)が排出される。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、皿39に溜められた遊技球が所定の時間間隔で発射装置へ供給されて、遊技領域20へ発射される。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられている。遊技者が取り出しボタン34を操作することによって皿39の下面の一部が開口され、皿39の下方に配置された箱(不図示)へ皿39に溜まった遊技球を落下させることができる。なお、この皿39は、1つの皿によって構成されてもよいし、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜める上皿と、賞球のみを溜める下皿との2つの皿によって構成されてもよい。この場合、取り出しボタン34は、下皿に設けられる。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられている。遊技者がハンドル31を時計方向に回転させた状態で停止ボタン33を押下することにより、遊技球の発射が一時的に停止される。
スピーカ35(本発明の演出手段の一例)及び枠ランプ36は、パチンコ遊技機1の遊技状態や状況を報知するための各種演出を行う。具体的には、スピーカ35は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行い、枠ランプ36は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更、光の照射方向の変更等の光による演出を行う。
演出ボタン37及び演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する操作入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと中央キーの周辺に配列された複数(ここでは4つ)の周辺キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。パチンコ遊技機1では、演出ボタン37又は演出キー38が押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、画像表示器6にボタン操作予告が表示された場合等に演出ボタン37を押下することで、パチンコ遊技機1に対する操作入力を行うことができる。また、遊技者は、演出キー38の周辺キーを操作することにより、画像表示器6(図1参照)に表示されている複数の画像のいずれかを選択することができる。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することができる。
図1に示されるように、遊技盤2の前面における遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示器6(本発明の演出手段の一例)が設けられている。画像表示器6は、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成されているが、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等の他の表示装置によって構成されてもよい。この画像表示器6は、遊技者によるゲームの進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって大当たり抽選の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出を表示したりする。
図1に示されるように、画像表示器6の表示画面には、図柄表示領域60、第1保留数表示領域61、第2保留数表示領域62が設けられている。パチンコ遊技機1では、第1始動口21又は第2始動口に遊技球が入って入賞すると大当たり抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)が実行される。大当たり抽選が行われた場合、画像表示器6の図柄表示領域60において、横方向に並んだ3列の特別図柄が上から下へ流れて見えるような動画像が予め設定された変動時間だけ表示される。そして、変動時間が経過すると、大当たり抽選の結果を示す停止図柄の静止画像が表示される。その際、あるライン上に同一或いは関連性のある図柄が揃うと(例えば「777」等の所定の特別図柄が表示されると)、大入賞口23が開いて大当たり状態となり、遊技者が多量の賞球を得ることが可能な大当たり遊技を楽しむことができる。また、図柄が揃わない停止図柄(図1に示される例では「776」)が図柄表示領域60に表示された場合にはハズレとなり、大入賞口23は開かない。
ところで、パチンコ遊技機1では、図柄表示領域60に特別図柄が変動表示されている間に第1始動口21又は第2始動口22に新たな遊技球が入って入賞した場合、その入賞した遊技球に対する大当たり抽選や特別図柄の変動表示は、先に入賞した遊技球に対する特別図柄の変動表示及び停止図柄の表示が終了するまで保留される。第1保留数表示領域61には、第1始動口21に入賞したにも拘わらず第1特別図柄抽選(大当たり抽選)が保留されている遊技球(いわゆる保留球)と同数の保留球画像が、パチンコ遊技機1において保留可能な第1特別図柄抽選の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)を上限として表示される。図1に示される例では、第1特別図柄抽選に対する保留球が4であることを示す4個の保留球画像が第1保留数表示領域61に表示されている。
第2保留数表示領域62には、第2始動口22に入賞したにも拘わらず第2特別図柄抽選(大当たり抽選)が保留されている遊技球(保留球)と同数の保留球画像が、パチンコ遊技機1において保留可能な第2特別図柄抽選の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)を上限として表示される。図1に示される例では、第2特別図柄抽選に対する保留数が2であることを示す2個の保留球画像が第2保留数表示領域61に表示されている。
第1保留数表示領域61又は第2保留数表示領域62に表示された保留球画像は、保留球に対する大当たり抽選が行われる際(すなわち保留球消化時)に、第1保留数表示領域61又は第2保留数表示領域62から1つずつ消去される。例えば、図1に示されるように第2保留数表示領域62に2個の保留球画像が表示された状態で第2特別図柄抽選が行われた場合、左側の保留球画像が消去されると共に、右側の保留球画像が左側の保留球画像が表示されていた位置にシフトして、第2特別図柄抽選の保留球が1つになったことが遊技者に対して報知される。このような処理は、第1保留数表示領域61についても同様に行われる。
なお、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、第1保留数表示領域61又は第2保留数表示領域62に表示される保留球画像の態様に大きな特徴を有している。このため、保留球画像の態様や保留球画像を表示するためにパチンコ遊技機1で行われる処理等については、後に詳述する。
遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる盤ランプ8及び可動役物7(本発明の演出手段の一例)が配置されている。盤ランプ8は、遊技者によるゲームの進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。可動役物7は、発光しながら遊技盤2に対して回転することにより、各種の演出を行う。なお、可動役物7は、遊技盤2に対して所定方向へ移動するものであってもよい。また、可動役物7の形状は、星形に限定されるものではなく、例えば動植物の一部を模した形状等、様々な形状が考えられる。
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する情報を表示するものである。図3に示されるように、表示器4は、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、及び遊技状態表示器47を備えている。
第1特別図柄表示器41は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを契機として変動する図柄を表示するものであり、例えば7セグ表示装置で構成される。第1特別図柄表示器41は、例えば、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄(第1特別図柄)を変動表示してその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器42は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを契機として変動する図柄を表示するものであり、例えば7セグ表示装置で構成される。第2特別図柄表示器42は、例えば、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄(第2特別図柄)を変動表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器45は、ゲート25を遊技球が通過することに対応して変動する図柄を表示するものであり、例えばLED表示装置で構成される。普通図柄表示器45は、例えば、遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、及び普通図柄保留表示器46は、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その発光態様によって保留回数を表示する。
遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。パチンコ遊技機1には複数の遊技状態(例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏遊技状態)が設定されている。そして、パチンコ遊技機1の電源投入時点においては、遊技状態表示器47によってその遊技状態が報知される。例えば、遊技状態表示器47は、複数のLED表示装置で構成され、その発光態様によって遊技状態を表示する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。この制御装置は、メイン基板及びサブ基板を有している。メイン基板は、内部抽選や当選の判定等を行う遊技制御部100を構成するメイン制御基板、賞球の払い出しを制御する払出制御部120を構成する払出制御基板等から構成されている。このメイン基板は、メイン基板が改変された場合にその痕跡が残るように、透明部材で構成されたケース内に密閉状態で配置されている。一方のサブ基板は、演出を統括的に制御する演出制御部130を構成する演出制御基板、画像や音による演出を制御する画像音響制御部140を構成する画像音響制御基板、及び各種のランプ(枠ランプ36や盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部150を構成するランプ制御基板等から構成されている。
以下、図4を参照して、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。ここで、図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成の一例を示すブロック図である。図4に示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、遊技制御部100、払出制御部120、演出制御部130、画像音響制御部140、及びランプ制御部150を備えている。
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、及びRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。ROM102には、上記プログラムの他に、第1特別図柄抽選の最大保留数Umax1、第2特別図柄抽選の最大保留数Umax2、各種の乱数の判定に使用されるテーブル等が記憶されている。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。このRAM103には、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す遊技状態情報、第1特別図柄抽選の保留数U1、第2特別図柄抽選の保留数U2、遊技球の入賞時に取得された各種乱数、大当たり中であるか否かを示す情報等が一時的に記憶される。以下、遊技制御部100の主な機能について説明する。
遊技制御部100は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると大当たり抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)を行い、大当たり抽選での当選か否かを示す判定結果データを演出制御部130へ送信する。また、遊技制御部100は、大当たり抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄変動時間の短縮設定を示すデータ、普通図柄抽選に応じて決定した普通図柄変動時間の短縮設定を示すデータ等を演出制御部130へ送信する。
遊技制御部100は、電動チューリップ27の羽根部材が開状態となる開時間、羽根部材が開閉する回数、及び羽根部材が閉じてから次に開くまでの開閉時間間隔を制御する。また、遊技制御部100は、遊技球が第1始動口21又は第2始動口22へ入賞したことによる特別図柄抽選の保留数U1,U2、及び遊技球がゲート25を通過したことによる普通図柄抽選の保留数を管理する。
遊技制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、所定条件(例えば、大入賞口23が開いてから30秒が経過、大入賞口23への10個の遊技球の入賞、又は大入賞口23の開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで、大入賞口23のプレートが突出傾倒して大入賞口23の開状態を維持するラウンドを所定回数(例えば15回又は2回)繰り返すように制御する。また、遊技制御部100は、大入賞口23が閉じてから次のラウンドで開くまでの開閉時間間隔を制御する。
遊技制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、及び普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部120に遊技球の払出しを指示する。例えば、遊技制御部100は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口23に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部120へコマンドを送信する。なお、遊技制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部120に指示しない。払出制御部120が遊技制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部120から払い出した賞球の個数に関する情報が遊技制御部100へ送られる。そして、遊技制御部100は、払出制御部120から取得した情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
これらの機能を実現するために、遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口開閉部116、及び普通入賞口スイッチ(SW)117が接続されている。また、遊技制御部100には、上述した第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、及び遊技状態表示器47が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。第2始動口スイッチ112は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部113は、遊技制御部100から送られるコマンドに応じて電動ソレノイドを作動させて、電動チューリップ27の一対の羽根部材を開閉する。ゲートスイッチ114は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。大入賞口スイッチ115は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。大入賞口開閉部116は、遊技制御部100から送られるコマンドに応じて、大入賞口23を開閉する。普通入賞口スイッチ117は、普通入賞口24に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。
また、遊技制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞によって始動した第1特別図柄抽選の結果を第1特別図柄表示器41に表示させる。遊技制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞に応じて行われる特別図柄抽選を保留している保留数を第1特別図柄保留表示器43に表示させる。遊技制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞によって始動した第2特別図柄抽選の結果を第2特別図柄表示器42に表示させる。遊技制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞に応じて行われる特別図柄抽選の保留数を第2特別図柄保留表示器44に表示させる。遊技制御部100は、ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器45に表示させる。遊技制御部100は、ゲート25への遊技球の通過に応じて行われる普通図柄抽選の保留数を普通図柄保留表示器46に表示させる。遊技制御部100は、遊技状態表示器47にパチンコ遊技機1の遊技状態を表示させる。
さらに、遊技制御部100には、ホールに設置された不図示のホストコンピュータに対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板199が接続されている。遊技制御部100は、払出制御部120から取得した払い出し賞球数に関する情報や遊技制御部100の状態を示す情報等を、盤用外部情報端子基板199を介してホストコンピュータへ送信する。
払出制御部120は、CPU121、ROM122、及びRAM123を備えている。CPU121は、ROM122に記憶されたプログラムに基づいて、賞球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。RAM123は、CPU121が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
払出制御部120は、遊技制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部120は、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを指示するコマンドを遊技制御部100から受信する。そして、払出制御部120は、コマンドによって指定された数だけ賞球を払い出すように払出モータ125を制御する。ここで、払出モータ125は、遊技盤2の裏面側に配置された球タンクから遊技球を送り出す駆動モータである。
払出制御部120には、払出モータ125の他に、払出球検出部126、球有り検出部127、及び満タン検出部128が接続されている。払出球検出部126は、払出モータ125により球タンクから皿39へ払い出された賞球の数を検出する。球有り検出部127は、球タンクにおける遊技球の有無を検出する。満タン検出部128は、発射装置へ供給される遊技球や球タンクから払い出された遊技球で皿39が満タンになったことを検出する。払出制御部120は、払出球検出部126、球有り検出部127、及び満タン検出部128の検出結果に応じて所定の処理を実行する。
さらに、払出制御部120には、上記ホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板200が接続されている。払出制御部120は、払出モータ125に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報、払出球検出部126にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板200を介してホストコンピュータへ送信する。また、払出制御部120は、遊技制御部100に対しても同様の情報を送信する。
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を決定する。その際、演出制御部130は、遊技者によって演出ボタン37又は演出キー38が押下された場合、その操作入力に応じて演出内容を設定する場合もある。また、演出制御部130は、パチンコ遊技機1に対する遊技が所定期間以上中断された場合、演出の1つとして客待ち用の演出を設定する。さらに、遊技制御部100が特別図柄抽選時の当選確率を変動させたことを示すデータを出力した場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、及び普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、演出制御部130は、それぞれ出力されたデータが示す内容に対応させて、演出内容を設定する。そして、演出制御部130は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140又はランプ制御部150へ送信する。
画像音響制御部140は、CPU141、ROM142、及びRAM143を備えている。CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。ROM142には、上記プログラムの他に、画像表示器6において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム、保留球画像等の画像データが記憶されている。また、ROM142には、画像表示器6に表示される画像と同期させて、又は表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等の各種音響データが記憶されている。RAM143は、CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
画像音響制御部140は、演出制御部130から送られたコマンドに基づいて、画像表示器6に表示する画像及びスピーカ35から出力する音を制御する。具体的には、CPU141は、ROM142に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部130から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU141は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、特別図柄の変動表示、停止図柄表示、保留球画像表示、キャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行い、画像処理後の画像データを画像表示器6に表示させる。また、CPU141は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理後の音響データをスピーカ35から出力させる。
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、及びRAM153を備えている。CPU151は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、及び可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM152は、CPU151にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM152は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプ制御部150は、演出制御部130から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部150は、演
出制御部130から送られたコマンドに基づいて、可動役物7の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部150のROM152には、演出制御部130にて設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36での点灯/点滅パターンデータ及び発光色パターン
データ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU151は、ROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部130から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU151は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の発光を制御する。また、ROM152には、演出制御部130にて設定される演出内容に応じた可動役物7の動作パターンデータが記憶されている。CPU151は、ROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部130から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU151は、読み出した動作パターンデータに応じたパルス信号を不図示の駆動回路へ出力する。これにより、パルス信号に応じた励磁信号が駆動回路から可動役物7と連結されたステッピングモータへ出力されて、可動役物7の動作が制御される。
[遊技制御部100による主要動作]
次に、図5を参照しつつ、遊技制御部100によって行われる基本動作について説明する。ここで、図5は、遊技制御部100によって行われる主要動作を示すフローチャートである。遊技制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図5以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいてCPU101が発行する命令に従って行われる。
乱数更新処理(ステップS1)では、遊技制御部100は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数の各種の乱数の更新を行う。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値がステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理で取得され、ステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタには無限ループカウンタが使用されており、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では601)に達した後は、再び0に戻る。
始動口スイッチ処理(ステップS2)では、遊技制御部100は、第1始動口スイッチ111及び第2始動口スイッチ112の状態を監視し、いずれかのスイッチがONとなった場合に、大当たり抽選の保留数U1,U2に関する処理や事前判定処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図8に基づいて後に詳述する。
ゲートスイッチ処理(ステップS3)では、遊技制御部100は、ゲートスイッチ114の状態を監視し、ゲートスイッチ114がONとなった場合に、普通図柄抽選の保留数が上限値未満か否かを判断する。そして、遊技制御部100は、保留数が上限値未満であると判断した場合、ステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得する。
特別図柄処理(ステップS4)では、遊技制御部100は、大当たり抽選を実行し、画像表示器6の図柄表示領域60に特別図柄を変動表示してから大当たり抽選の結果を示す停止図柄を表示するための処理を実行する。この特別図柄処理については、図11に基づいて後に詳述する。
普通図柄処理(ステップS5)では、遊技制御部100は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が当たり乱数であるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、遊技制御部100は、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させた後に判定処理の結果を示す普通図柄を表示させる。
大入賞口処理(ステップS6)では、遊技制御部100は、大当たり抽選の結果等に基づいて、大入賞口23の開閉を制御する。
電動チューリップ処理(ステップS7)では、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器45に表示された普通図柄が所定の当たり図柄である場合に、電動チューリップ27を作動させるための処理を実行する。この電動チューリップ27が作動することによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
賞球処理(ステップS8)では、遊技制御部100は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する。
出力処理(ステップS9)では、遊技制御部100は、ステップS2の始動口スイッチ処理やステップS4の特別図柄処理等でセットされた各種コマンド等を演出制御部130又は払出制御部120へ出力する処理を実行する。
[先読み予告]
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、先読み予告機能を備えている。先読み予告機能とは、第1始動口21又は第2始動口22に入賞した遊技球に対する大当たり抽選や特別図柄の変動表示が保留される場合に、その保留消化時に行われる遊技演出の内容を遊技球の入賞時に事前判定し、実際にどのような遊技演出が行われるかを保留球画像により報知する機能である。パチンコ遊技機1では、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入って入賞すると、遊技制御部100によって大当たり抽選等を行うための各種乱数が取得される。また、特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口21又は第2始動口22に入って入賞すると、この始動口入賞を条件として取得された各種乱数がRAM103に記憶されて、大当たり抽選や特別図柄の変動表示が保留されることになる。このように、大当たり抽選や特別図柄の変動表示が保留される場合には、RAM103に記憶された乱数に基づいて、大当たり抽選や画像表示器6に表示される特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する処理が、特別図柄の変動表示開始時ではなく、RAM103に乱数が記憶された時点で行われる。このような事前判定の結果は、遊技制御部100から演出制御部130へ送信される。演出制御部130は、この遊技制御部100から受信した事前判定の結果に基づいて、特別図柄が変動表示される際に行われることとなる遊技演出の内容を決定する。そして、演出制御部130は、その演出内容を遊技者が認識可能な態様の保留球画像を画像表示器6に表示させることにより、遊技演出の内容を先読み予告する。以下、このような先読み予告を可能にするパチンコ遊技機1の構成、及びパチンコ遊技機1で行われる処理について説明する。
[遊技制御部100及び演出制御部130の機能構成]
以下、図6を参照しつつ、遊技制御部100及び演出制御部130の機能構成について説明する。ここで、図6は、遊技制御部100及び演出制御部130の機能構成の一例を示す機能構成図である。図6に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、機能的に、入賞検出部105、乱数取得部106、特別図柄処理部107、及び大入賞口制御部108を備えている。また、遊技制御部100のRAM103は、機能的に、記憶領域109を備えている。演出制御部130のCPU131は、機能的に、受付部135、演出決定部136、表示制御部137、及び遊技演出制御部138を備えている。また、演出制御部130のRAM133は、機能的に、本発明の演出記憶手段としての第1演出記憶部161及び第2演出記憶部162と、本発明の保留数記憶手段としての保留数記憶部163とを備えている。
遊技制御部100のCPU101は、ROM102に記憶されているプログラムを実行することにより、入賞検出部105、乱数取得部106、特別図柄処理部107、及び大入賞口制御部108として機能すると共に、RAM103を記憶領域109として機能させる。また、演出制御部130のCPU131は、ROM132に記憶されているプログラムを実行することにより、受付部135、演出決定部136、表示制御部137、及び遊技演出制御部138として機能すると共に、RAM133を第1演出記憶部161、第2演出記憶部162、及び保留数記憶部163として機能させる。
入賞検出部105(本発明の検出手段の一例)は、第1始動口スイッチ111から出力される検出信号に基づいて、第1始動口21への遊技球の入賞を検出する。また、入賞検出部105は、第2始動口スイッチ112から出力される検出信号に基づいて、第2始動口22への遊技球の入賞を検出する。
乱数取得部106(本発明の乱数取得手段の一例)は、大当たり抽選に当選したか否かを判定する処理等に使用する大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数のカウントを行う。例えば大当たり乱数に関して、大当たり抽選に当選する確率が2/601に設定されている場合、乱数取得部106は、パチンコ遊技機1が起動している間、ステップS1の乱数更新処理によって0〜601の間で1つずつカウントアップし、カウント値が601に到達した後は、再度0からカウントアップを行う。そして、乱数取得部106は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したことを入賞検出部105が検出した時点のカウント値を、大当たり抽選に使用する大当たり乱数として取得する。図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数についても同様に取得される。上述のようなカウントアップが行われるため、乱数取得部106によって取得される乱数は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したタイミングによって異なることとなる。この乱数取得部106によって取得された乱数は、後述するRAM103の記憶領域109(図7参照)に格納される。
特別図柄処理部107(本発明の事前決定手段の一例)は、乱数取得部106によって取得された乱数に基づいて大当たり抽選を実行する。具体的には、特別図柄処理部107は、ROM102に格納されているテーブルから当選値を読み出し、乱数取得部106によって取得された大当たり乱数と当選値とが一致するか否かを判断する。また、特別図柄処理部107は、大当たり抽選の結果が大当たりである場合にその種類を判定する処理、大当たり抽選の結果が小当たりである場合にその種類を判定する処理、大当たり抽選の結果がハズレである場合にリーチ有りの演出を行うのかリーチ無しの演出を行うのかを判定する処理を行う。さらに、特別図柄処理部107は、大当たり抽選の結果である停止図柄の表示に先だって画像表示器6に変動表示される特別図柄の変動パターン、すなわち特別図柄が変動表示される時間に相当する変動時間を決定する処理を行う。特別図柄処理部107によって行われるこれらの処理は、特別図柄の変動表示中に第1始動口21又は第2始動口22に入賞した遊技球(つまり保留球)に対しては、後述する事前判定処理として、特別図柄の変動表示開始時ではなく始動口入賞時に行われる。
大入賞口制御部108は、特別図柄処理部107による大当たり抽選の結果が当たりを示すものである場合、大入賞口23のプレートを動作させて大入賞口23を開放する処理を大入賞口開閉部116に実行させる。この大入賞口制御部108によって大入賞口23が開放されることにより、パチンコ遊技機1が大当たり状態となる。
受付部135は、特別図柄処理部107から出力された各種コマンド等の情報を受信する処理を行う。
演出決定部136(本発明の演出決定手段の一例)は、入賞検出部105によって入賞が検出されたにも拘わらず特別図柄の変動表示が保留されている遊技球(いわゆる保留球)に対して、受付部135によって受信された情報に基づいて、その遊技球に対する遊技演出の内容を決定する処理を行う。
表示制御部137(本発明の表示制御手段の一例)は、大当たり抽選及び特別図柄の変動表示が保留されていることを示す保留球画像を画像表示器6の第1保留数表示領域61又は第2保留数表示領域62に表示させる。また、表示制御部137は、所定の条件下では、演出決定部136によって決定された遊技演出の内容を遊技者が認識可能な態様で保留球画像を表示させる。
遊技演出制御部138(本発明の演出制御手段の一例)は、保留球画像に対応する保留球に対して特別図柄が変動表示される際に、その保留球画像に対応する遊技演出を第1演出記憶部161又は第2演出記憶部162から読み出し、読み出した遊技演出を演出手段として機能する画像表示器6、可動役物7、又はスピーカ35に実行させる。第1演出記憶部161、第2演出記憶部162、及び保留数記憶部163については後述する。
[遊技制御部100のRAM103の構成]
図7は、遊技制御部100のRAM103の構成例を示すブロック図である。図7(A)はRAM103の記憶領域109の構成を示し、図7(B)は図7(A)に示す各記憶部109A〜109Hの構成を示している。
図7(A)に示されるように、RAM103は、記憶領域109及び保留数記憶部110を有している。記憶領域109は、パチンコ遊技機1において保留可能な最大8個の保留球に対する大当たり乱数等をそれぞれ記憶するために、第1記憶部109A、第2記憶部109B、第3記憶部109C、第4記憶部109D、第5記憶部109E、第6記憶部109F、第7記憶部109G、及び第8記憶部109Hから構成されている。
これらの記憶部109A〜109Hは、図7(B)に示されるように、それぞれ、乱数取得部106によって取得された、変動回数Nを記憶する領域、入賞始動口情報を記憶する領域、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、及び特別図柄処理部107によって取得された事前判定情報を記憶する領域を含んでいる。
変動回数Nは、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞して獲得した大当たり抽選の権利の合計回数を示す情報である。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから、第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄抽選の権利を50回獲得し、第2始動口22に遊技球が入賞して第2特別図柄抽選の権利を10回獲得した場合、変動回数Nとして、これらの権利の回数を足し合わせた「60」という情報が例えば第3記憶部109Cに記憶される。そして、この状態からさらに第1始動口21に遊技球が入賞して大当たり抽選の権利を獲得すると、「60」という値に「1」を加算した「61」という値が第4記憶部109Dに記憶される。
なお、第1始動口21に入賞した遊技球の保留数がパチンコ遊技機1において保留可能な第1特別図柄抽選の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)に達した状態で第1始動口21に新たな遊技球が入賞した場合には、変動回数Nはカウントされない。また、第2始動口22に入賞した遊技球の保留数がパチンコ遊技機1において保留可能な第2特別図柄抽選の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)に達した状態で第2始動口22に新たな遊技球が入賞した場合にも、変動回数Nはカウントされない。
入賞始動口情報は、同じ記憶部内に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口21に入賞したことによって取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口22に入賞したことによって取得されたのかを示す情報である。ここで、大当たり乱数は、大当たり抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)を行って、大当たり、小当たり、又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりの種類(長当たり、短当たり、高確率遊技状態への移行の有無、時短遊技状態への移行の有無)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、リーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動パターンを決定するための乱数である。これらの大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数については後に詳述する。
事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図10参照)で得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、大当たり抽選の結果が大当たり、小当たり、及びハズレのいずれであるのかを示す情報、大当たりであった場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、及び演出内容はリーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのかを示す情報、特別図柄の変動パターン(変動時間)を示す情報を含む情報である。事前判定情報は、事前判定情報を生成するための元となった大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ記憶部内に記憶される。
図7(B)に示されている変動回数N、入賞始動口情報、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び事前判定情報の7つの情報は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞する毎に、第1記憶部109Aから順に記憶される。例えば第1記憶部109A〜第8記憶部109Hのいずれにも情報が記憶されていない場合、7つの情報は、第1記憶部109Aに記憶される。また、例えば第1記憶部109A〜第4記憶部109Dのそれぞれに7つの情報が既に記憶されている場合、新たに取得された7つの情報は、第5記憶部109Eに記憶されることとなる。また、第1記憶部109Aに記憶されている乱数を取得する契機となった保留球が消化される際に、第1記憶部109Aに記憶されている7つの情報が破棄されると共に、各記憶部に記憶されている情報をシフトさせる処理が特別図柄処理部107によって行われる。例えば、第1記憶部109A〜第3記憶部109Cに乱数等が記憶されている状態で第1記憶部109Aに記憶されている乱数に対応する保留球が消化された場合、特別図柄処理部107は、第1記憶部109Aに記憶されている情報を破棄し、第2記憶部109Bに記憶されている情報を第1記憶部109Aに移動させ、第3記憶部109Cに記憶されている情報を第2記憶部109Bに移動させる。
保留数記憶部110は、第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112によって入賞が検出されたにも拘わらす特別図柄の変動表示が保留されている遊技球の数を示す保留数を記憶する。すなわち、保留数記憶部110は、第1特別図柄抽選の保留数U1、及び第2特別図柄抽選の保留数U2を記憶する。この保留数記憶部110に記憶されている保留数U1,U2は、乱数取得部106又は特別図柄処理部107によって適宜更新される。
[遊技制御部100による始動口スイッチ処理]
図8は、図5のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。入賞検出部105は、図8に示されるように、第1始動口スイッチ111からの検出信号の有無に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111がONになったか否かを判定する(ステップS21)。第1始動口スイッチ111がONになったと入賞検出部105によって判定された場合(ステップS21:YES)、乱数取得部106は、保留数記憶部110に記憶されている第1特別図柄抽選(大当たり抽選)の保留数U1がその上限値Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS22)。
乱数取得部106は、保留数U1が上限値Umax1未満であると判定した場合(ステップS22:YES)、保留数記憶部110に記憶されている保留数U1の値を1加算して更新する(ステップS23)。そして、記憶領域109に新たに記憶される変動回数Nを1加算する(ステップS24)。
乱数取得部106は、第1始動口21を示す入賞始動口情報、及びステップS24の処理で更新した変動回数Nと共に、ステップS23の処理によって保留した第1特別図柄抽選のための乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、記憶領域109に格納する(ステップS25)。そして、特別図柄処理部107は、ステップS25の処理で記憶領域109に格納された乱数を用いて事前判定処理を行う(ステップS26)。
第1始動口スイッチ111がOFFであると判定された場合(ステップS21:NO)、保留数U1が上限値Umax1と等しいと判定された場合(ステップS22:NO)、又はステップS26の事前判定処理が行われた場合、入賞検出部105は、第2始動口スイッチ112からの検出信号の有無に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ112がONになったか否かを判定する(ステップS27)。第2始動口スイッチ112がONになったと入賞検出部105によって判定された場合(ステップS27:YES)、乱数取得部106は、保留数記憶部110に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2がその上限値Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS28)。
乱数取得部106は、保留数U2が上限値Umax2未満であると判定した場合(ステップS28:YES)、RAM103の保留数U2の値を1加算して更新する(ステップS29)。そして、記憶領域109に新たに記憶される変動回数Nを1加算する(ステップS30)。
乱数取得部106は、第2始動口22を示す入賞始動口情報、及びステップS30の処理で更新した変動回数Nと共に、ステップS29の処理によって保留した第2特別図柄抽選のための乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、記憶領域109に格納する(ステップS31)。そして、特別図柄処理部107は、ステップS31の処理で記憶領域109に格納された乱数を用いて事前判定処理を行う(ステップS32)。
一方、第2始動口スイッチ112がOFFであると判定された場合、又は保留数U2が上限値Umax2と等しいと判定された場合(ステップS28:NO)、事前判定処理が終了して図5のステップS3におけるゲートスイッチ処理へ処理が進められる。
[乱数による判定方法]
次に、事前判定処理(図10参照)や大当たり判定処理(図12参照)での乱数による判定方法について説明する。図9は、事前判定処理や大当たり判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図である。図9(A)は、大当たり乱数の一例を示している。図9(B)は、第1始動口入賞による大当たり時の図柄乱数の一例を示し、図9(C)は、第2始動口入賞による大当たり時の図柄乱数の一例を示し、図9(D)は小当たり時の図柄乱数の一例を示している。図9(E)は、リーチ乱数の一例を示している。
図9(A)に示されるように、大当たり乱数は、パチンコ遊技機1が低確率遊技状態(通常遊技状態)である場合と、パチンコ遊技機1が高確率遊技状態(確変遊技状態)である場合とのそれぞれについて、個別に設定されている。大当たり乱数の取り得る範囲は、いずれの遊技状態においても0〜600である。また、大当たり乱数は、低確率状態と高確率状態のそれぞれについて、大当たりの時と小当たりの時の2種類が設定されている。すなわち、事前判定処理に用いられる乱数判定テーブルとして、低確率遊技状態での大当たり乱数の判定に用いられる低確率時乱数判定テーブルと、高確率遊技状態での大当たり乱数の判定に用いられる高確率時乱数判定テーブルとが用意されている。
低確率遊技状態に関して、大当たり当選値が2個(「7」と「317」)設定されているので、低確率遊技状態での大当たり当選確率は2/601である。低確率状態の時に取得された大当たり乱数が「7」又は「317」である場合に、大当たりと判定される。低確率状態に関して、小当たり当選値が2個(「50」と「100」)設定されているので、低確率遊技状態での小当たり当選確率は2/601である。低確率遊技状態の時に取得された大当たり乱数が「50」又は「100」である場合に、小当たりと判定される。
高確率遊技状態に関して、大当たり当選値が20個(「7」,「37」,「97」,・・・,「517」,「547」,「577」)設定されており、高確率遊技状態での大当たり当選確率は20/601である。高確率状態で取得された大当たり乱数がこれら20個の当選値のいずれかと一致した場合に、大当たりと判定される。高確率遊技状態に関して、小当たり当選値が2個(「50」と「100」)設定されているので、高確率遊技状態での小当たり当選確率は2/601である。低確率遊技状態の時に取得された大当たり乱数が「50」又は「100」である場合に、小当たりと判定される。
このように、本実施形態では、高確率遊技状態で第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞して大当たり抽選が行われる場合には、低確率遊技状態で大当たり抽選が行われる場合に比べて、大当たり当選確率が10倍となっている。また、本実施形態では、低確率遊技状態と高確率遊技状態のいずれにおいても、小当たり当選値が「50」と「100」である。このため、パチンコ遊技機1では、その遊技状態に関わらず、始動口入賞時に取得された大当たり乱数が「50」又は「100」である場合に小当たりと判定される。
第1始動口21に遊技球が入賞したことを契機として行われた大当たり抽選の結果が大当たりである場合、以下のような図柄乱数に関する判定処理が行われる。図9(B)に示されるように、第1始動口入賞による大当たりの種類として、高確率時短付き長当たり、通常時短付き長当たり、高確率時短付き短当たり、通常時短付き短当たり、高確率時短無し長当たり、及び通常時短無し短当たりの6種類が用意されている。第1始動口21に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数の取り得る範囲は、0〜250である。高確率時短付き長当たりに関して、0〜100の101個の当選値が割り当てられているので、101/251の確率で高確率時短付き長当たりとなる。また、通常時短付き長当たりに関して、101〜150の50個の当選値が割り当てられているので、50/251の確率で通常時短付き長当たりとなる。また、高確率時短付き短当たり、通常時短付き短当たり、高確率時短無し長当たり、及び通常時短無し短当たりに関しては、151〜175,176〜200,201〜225,226〜250の当選値がそれぞれ割り当てられているので、いずれの当たりについてもその確率は25/251である。
第2始動口22に遊技球が入賞したことを契機として行われた大当たり抽選の結果が大当たりである場合、以下のような図柄乱数に関する判定処理が行われる。図9(C)に示されるように、第2始動口入賞による大当たりの種類として、高確率時短付き長当たり、及び通常時短付き長当たりの2種類が用意されている。第2始動口22に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数の取り得る範囲は、0〜250である。高確率時短付き長当たりに関して、0〜150の151個の当選値が割り当てられているので、151/251の確率で高確率時短付き長当たりとなる。通常時短付き長当たりに関して、151〜250の100個の当選値が割り当てられているので、100/251の確率で通常時短付き長当たりとなる。
上述したように、始動口入賞時に取得された大当たり乱数が「50」又は「100」である場合、小当たりと判定される。図9(D)に示されるように、小当たりの種類として、小当たりA、及び小当たりBの2種類が用意されている。小当たり時の図柄乱数の範囲は、0〜250である。小当たりAに関して、0〜120の121個の当選値が割り当てられているので、121/251の確率で小当たりAとなる。一方の小当たりBに関して、121〜250の130個の当選値が割り当てられているので、130/251の確率で小当たりBとなる。なお、小当たりA及び小当たりBは、その後に実行される小当たり遊技の内容は全く同じであり、特別図柄表示器に42,43に表示される特別図柄のみが相違する。
大当たり抽選の結果がハズレの場合に、以下のようなリーチ乱数に関する判定処理が行われる。図9(E)に示されるように、リーチ乱数の取り得る範囲は0〜250であり、リーチ有りの場合とリーチ無しの場合のそれぞれについてリーチ乱数判定テーブルが用意されている。リーチ有りに関しては、0〜24の25個のリーチ乱数が割り当てられているので、25/251の確率でリーチとなる。また、リーチ無しに関しては、25〜250の226個のリーチ乱数が割り当てられているので、226/251の確率でリーチ無しとなる。さらに説明すると、大当たり抽選の結果がハズレである(図9(A)に示されているいずれの当選値にも該当しない)と判定された場合にのみ、リーチ乱数判定テーブルに基づいてリーチ乱数の判定が行われる。そして、上述したように、ハズレ時には、リーチ無しの演出が実行される確率が高くなる一方で、遊技者に期待感を与えるいわゆるガセリーチ演出が10%程度の確率で実行されることとなる。その一方で、大当たり時及び小当たり時には必ずリーチ有り演出が実行されるため、この場合にはリーチ乱数は取得されるもののリーチ乱数に関する判定は行われない。
なお、リーチ乱数によって決定されるリーチ有り演出又はリーチ無し演出は、画像表示器6において行われる装飾図柄演出の態様を示すものである。すなわち、特別図柄の変動表示中には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されると同時に、これらの図柄が例えば上から下へスクロールを開始する。そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後にスクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まずはいずれか2つの図柄が先に停止する。このとき、横又は斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示されると共に、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上の同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ演出の中には、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるスーパーリーチ演出が含まれている。一方、リーチ無し演出は、リーチ有り演出とは異なり、遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横又は斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示される。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像表示器6においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのものであり、所定の確率でリーチ有り演出が行われるようにして、遊技者に対して適度な期待感を与えるようにしている。
なお、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が必ず行われて、最終的に横又は斜めにわたる一直線上に同一の数字が3つ揃った状態で装飾図柄が停止表示される。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、一直線上に同一の数字が2つだけ揃って3つ目は揃わない状態で装飾図柄が停止表示される。
[遊技制御部100による事前判定処理]
以下、図10を参照しつつ、遊技制御部100によって行われる事前判定処理について説明する。ここで、図10は、図8のステップS26,S32における事前判定処理の詳細フローチャートである。
図8におけるステップS25の処理又はステップS31の処理が行われた後、特別図柄処理部107は、RAM103に記憶されている遊技状態情報に基づいて、パチンコ遊技機1の遊技状態が高確率遊技状態か否かを判定する(ステップS240)。特別図柄処理部107は、高確率遊技状態であると判定した場合(ステップS240:YES)、始動口スイッチ処理で取得した大当たり抽選の権利が、現在の高確率遊技状態に移行してから、何回目の大当たり抽選の権利に相当するものであるのかを判定する。すなわち、以前の遊技状態が高確率遊技状態となる大当たり(高確率時短付き長当たり、高確率時短付き短当たり、又は高確率時短無し短当たり)の当選が確定すると、大当たりに当選した際の変動回数Nが、基準回数Mに設定される。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから200回目の大当たり抽選(特別図柄の変動表示)によって、例えば高確率時短付き長当たりに当選した場合には、RAM103に「200」というデータが記憶され、それに伴って、内部状態が高確率遊技状態となる。したがって、パチンコ遊技機1の電源投入から201回目に行われる大当たり抽選は、高確率遊技状態に移行してから、1回目の大当たり抽選に相当し、同様に、210回目に行われる大当たり抽選は、高確率遊技状態に移行してから、10回目の大当たり抽選に相当することとなる。このように、始動口スイッチ処理によって取得された大当たり抽選の権利が、高確率遊技状態に移行してから何回目の大当たり抽選に相当するのかを演算する。具体的には、特別図柄処理部107は、変動回数Nから基準回数Mを減算して演算値Lを求める(ステップS241)。
そして、特別図柄処理部107は、演算値Lが所定回数X以下であるか否かを判定する(ステップS242)。ここで、所定回数Xは、高確率時乱数判定テーブルに基づいて大当たり乱数が判定される上限回数である。本実施形態では、遊技状態が高確率遊技状態となる大当たりに当選すると、それ以降の大当たり乱数の判定が100回を上限として、高確率時乱数判定テーブルに基づいて行われる。したがって、所定回数Xは、本実施形態では「100」に設定されている。このため、本実施形態では、ステップS242において、特別図柄処理部107は、演算値Lが100以下であるか否かを判定する。すなわち、始動口スイッチ処理によって所得された大当たり乱数が、高確率時乱数判定テーブルに基づいて判定されるのか、或いは、高確率遊技状態が終了して低確率時乱数判定テーブルに基づいて判定されるのかが、このステップS242で判定される。
例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから200回目の大当たり抽選(変動回数N=200)によって高確率時短付き短当たりに当選したと仮定する。その後、高確率遊技状態になってから98回目の大当たり抽選が実行され、いまだ大当たりに当選していない状態で、変動回数N=299の保留A、変動回数N=300の保留B、変動回数N=301の保留Cに関する情報が、それぞれRAM103に記憶されたとする。この場合、基準回数Mは200に設定されるため、保留Aに対する演算値Lは99となり、保留Bに対する演算値Lは100となり、保留Cに対する演算値Lは101となる。したがって、保留A及び保留BについてはステップS242で「YES」と判定され、保留CについてはステップS242で「NO」と判定される。
特別図柄処理部107は、演算値Lが所定回数X以下であると判定した場合(ステップS242:YES)、以後の遊技状態を低確率遊技状態に変更する大当たりに係る事前判定情報が始動口スイッチ処理の開始前に記憶領域109に記憶されているか否かを判定する(ステップS243)。例えば、始動口スイッチ処理のステップS25(図8参照)において第5記憶部109E(図7参照)に乱数を記憶した場合、第1記憶部109Aから第4記憶部109Dに、通常時短付き長当たり、通常時短付き短当たり、通常時短無し短当たりのいずれかに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判定する。すなわち、始動口スイッチ処理において保留された保留球よりも先に消化される保留球に、遊技状態を低確率遊技状態に変更するものがあるか否かを判断する。なぜなら、このような保留球が先に保留されている場合には、始動口スイッチ処理で保留球が保留されたときには高確率遊技状態であったとしても、その保留球を消化するときには低確率遊技状態になってしまうからである。したがって、特別図柄処理部107は、先の保留に通常当たりはないと判定した場合には(ステップS243:NO)、高確率時乱数判定テーブルを選択し(ステップS245)、先の保留に通常当たりがあると判定した場合には(ステップS243:YES)、低確率時乱数判定テーブルを選択する(ステップS246)。
一方、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態が低確率遊技状態である場合(ステップS240:NO)、又は演算値Lが所定回数Xを超えている場合(ステップS242:NO)、特別図柄処理部107は、以後の遊技状態を高確率遊技状態に変更する大当たりに係る事前判定情報が始動口スイッチ処理の開始前に記憶領域109に記憶されているか否かを判定する(ステップS244)。例えば、始動口スイッチ処理のステップS25(図8参照)において第6記憶部109F(図7参照)に乱数を記憶した場合、第1記憶部109Aから第5記憶部109Eに高確率時短付き長当たり、高確率時短付き短当たり、高確率時短無し短当たりのいずれかに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判定する。すなわち、始動口スイッチ処理において保留された保留球よりも先に消化される保留球に、遊技状態を高確率遊技状態に変更するものがあるか否かを判断する。なぜなら、このような保留球が先に保留されている場合には、始動口スイッチ処理で保留球が保留されたときには低確率遊技状態であったとしても、その保留球を消化するときには高確率遊技状態になってしまうからである。したがって、特別図柄処理部107は、先の保留に高確率当たりはないと判定した場合には(ステップS244:NO)、低確率時乱数判定テーブルを選択し(ステップS246)、先の保留に高確率当たりがあると判定した場合には(ステップS244:YES)、高確率時乱数判定テーブルを選択する(ステップS245)。
なお、記憶領域109(図7参照)に、以後の遊技状態を高確率遊技状態に変更する大当たりに係る事前判定情報と、以後の遊技状態を低確率遊技状態に変更する大当たりに係る事前判定情報とが記憶されている場合、これら2つの事前判定情報のうち、後に消化される保留球に対応する事前判定情報に基づいて、ステップS243又はステップS244の処理を行う。例えば、第1記憶部109Aに高確率時短付き長当たりに係る事前判定情報が記憶され、第3記憶部109Cに通常時短付き長当たりに係る事前判定情報が記憶されている場合、第3記憶部109Cに記憶されている事前判定情報に基づいて判定が行われる。このため、ステップS243の処理が行われる場合には「YES」と判定され、ステップS244の処理が行われる場合には「NO」と判定される。
このように、ステップS241〜ステップS244の処理を行うことで、始動口入賞時のパチンコ遊技機1の内部状態ではなく、特別図柄処理時(保留球消化時)の内部状態に基づいて、大当たりの事前判定を行うことが可能となる。したがって、保留球消化前に、高確率遊技状態から低確率遊技状態へと遊技状態が変化する場合や、逆に低確率遊技状態から高確率遊技状態へと遊技状態が変化する場合にも、正確な大当たりの事前判定の結果を導き出すことができる。
ステップS245又はステップS246の処理に続き、特別図柄処理部107は、高確率時乱数判定テーブル及び低確率時乱数判定テーブルのうち、選択したテーブルに基づいて、各乱数の判定を行う(ステップS247)。具体的には、特別図柄処理部107は、ステップS25又はステップS31の処理で取得された大当たり乱数が、ステップS245又はステップS246の処理で選択された乱数判定テーブル(図9(A)参照)に基づいて、大当たり抽選の結果が大当たり、小当たり、及びハズレのいずれであるかを判定する。特別図柄処理部107は、大当たりである場合にはその大当たりの種類(図9(B)及び(C)参照)を、大当たり乱数と一緒に取得された図柄乱数に基づいて判定し、小当たりである場合にはその小当たりの種類(図9(D)参照)を図柄乱数に基づいて判定する。一方、大当たり乱数が、乱数判定テーブルに格納されている当選値のいずれにも該当せずにハズレと判定した場合、特別図柄処理部107は、大当たり乱数及び図柄乱数と一緒に取得されたリーチ乱数に基づいて、リーチ有りの演出を行うのかリーチ無しの演出を行うのかを判定する(図9(D)参照)。また、特別図柄処理部107は、大当たり乱数、図柄乱数、及びリーチ乱数と一緒に取得された変動パターン乱数に基づいて、保留球消化時に画像表示器6に変動表示される特別図柄の変動パターン(変動時間)を判定する。
特別図柄処理部107は、これらの判定の結果を示す情報等を含む事前判定情報を、記憶領域109において、ステップS247の処理で使用した大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が記憶されているのと同じ記憶部内に格納する(ステップS248)。そして、特別図柄処理部107は、事前決定コマンドをRAM103にセットする(ステップS249)。
事前決定コマンドは、ステップS248の処理で記憶領域109に格納された事前判定情報に対応する保留球の消化時に行われる遊技演出の内容を決定する処理を演出制御部130に指示するコマンドであり、事前判定情報を含む情報である。この事前決定コマンドは、ステップS9の出力処理(図5参照)によって演出制御部130へ出力される。
[遊技制御部100による特別図柄処理]
図11は、図5のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図11に示されるように、特別図柄処理部107は、RAM103に記憶されている情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の状態が大当たり中であるか否かを判定する(ステップS41)。大当たり中であると特別図柄処理部107によって判定された場合(ステップS41:YES)、既に何らかの大当たりを表す特別図柄が選択されて停止図柄として表示されている状態であるため、特別図柄の変動表示を開始することなく特別図柄処理を終了し、処理がステップS5(図5参照)の普通図柄処理へ進められる。
特別図柄処理部107は、大当たり中ではないと判定した場合(ステップS41:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS42)。特別図柄処理部107は、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS42:NO)、保留数記憶部110(図7(A)参照)に記憶されている保留数U2が1以上であるか否かを判定する(ステップS43)。特別図柄処理部107は、保留数U2が1以上であると判定した場合(ステップS43:YES)、保留数記憶部110に記憶されている保留数U2を1減算した値に書き換える(ステップS44)。
特別図柄処理部107は、保留数U2が1以上ではない(第2特別図柄抽選の保留球がない)と判定した場合(ステップS43:NO)、保留数記憶部110に記憶されている保留数U1が1以上であるか否かを判定する(ステップS45)。特別図柄処理部107は、保留数U1が1以上であると判定した場合(ステップS45:YES)、保留数記憶部110に記憶されている保留数U1を1減算した値に書き換える(ステップS46)。一方、保留数U1が1以上ではない(第1特別図柄抽選の保留球がない)と特別図柄処理部107によって判定された場合(ステップS45:NO)、特別図柄の変動表示を開始することなく特別図柄処理を終了し、処理がステップS5の普通図柄処理へ進められる。
特別図柄処理部107は、ステップS44の処理又はステップS46の処理を行った後、後述する大当たり判定処理及び変動パターン選択処理を実行する(ステップS47,ステップS48)。この大当たり判定処理及び変動パターン選択処理によって、演出制御部130へ送られる変動開始コマンドに含まれる設定情報(図柄、遊技状態、変動パターン(変動時間)等)が決定される。
特別図柄処理部107は、ステップS47の大当たり判定処理及びステップS48の変動パターン選択処理で決定された設定情報を含む変動開始コマンドを生成してRAM103にセットする(ステップS49)。この変動開始コマンドは、図5のステップS9における出力処理によって演出制御部130へ送信される。
続いて、特別図柄処理部107は、ステップS49の処理でセットした設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42における特別図柄の変動表示を開始し(ステップS50)、変動時間の計測を開始する(ステップS51)。なお、ステップS50における特別図柄の変動表示は、ステップS44の処理の後に行われる場合には第2特別図柄表示器42を用いて行われ、ステップS46の処理の後に行われる場合には第1特別図柄表示器41を用いて行われる。
次に、特別図柄処理部107は、ステップS51の処理によって変動時間の計測を開始した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS42:YES)、ステップS51における変動時間の計測開始からステップS48の変動パターン選択処理で設定された変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS52)。設定された変動時間が経過していないと特別図柄処理部107によって判定された場合(ステップS52:NO)、特別図柄処理を終了し、処理がステップS5(図5参照)の普通図柄処理へ進められる。
一方、特別図柄処理部107は、設定された変動時間が経過したと判定した場合(ステップS52:YES)、変動停止コマンドをRAM103にセットし(ステップS53)、ステップS50の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了する(ステップS54)。そして、特別図柄処理部107は、計測した変動時間をリセットする(ステップS55)。なお、ステップS53の処理でセットされた変動停止コマンドは、図5のステップS9における出力処理によって演出制御部130へ送信される。
特別図柄処理部107は、変動時間をリセットした後、ステップS47の大当たり判定処理の結果に応じてパチンコ遊技機1の遊技状態を変更したり、大当たりと判定した場合に大入賞口制御部108に大入賞口23の開閉制御を開始させるといった停止中処理を実行する(ステップS56)。この停止中処理が行われた後、処理がステップS5の普通図柄処理へ進められる。なお、この停止中処理は本発明とは直接関係しないので、ここでの詳細な説明は省略する。
[遊技制御部100による大当たり判定処理]
図12は、図11のステップS47における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。図11のステップS44の処理によって保留数U2が1減算された場合、又はステップS46の処理によって保留数U1が1減算された場合、特別図柄処理部107は、大当たり乱数判定処理を実行する(ステップS471)。具体的には、特別図柄処理部107は、図7に示されている記憶領域109の各記憶部109A〜109Hの入賞始動口情報を参照して、図8のステップS31の処理によって取得された大当たり乱数、つまり第2始動口入賞を契機として取得された大当たり乱数が記憶されているか否かを判定する。第2始動口入賞を契機として取得された大当たり乱数が記憶されている場合、第2始動口入賞を契機として取得されて記憶領域109に記憶された大当たり乱数の中で最も古い大当たり乱数が、ROM102に記憶されている大当たりの当選値と一致するか否かに基づいて、大当たり抽選(第2特別図柄抽選)の結果が大当たりであるか否かを判定する。ここでの当選値とは、高確率時乱数判定テーブル又は低確率時乱数判定テーブルに格納されている大当たりの当選値である(図9(A)参照)。
一方、第2始動口入賞を契機として取得された大当たり乱数が記憶領域109のいずれの記憶部にも記憶されていない場合、第1始動口入賞を契機として取得されて記憶領域109に記憶された大当たり乱数の中で最も古い大当たり乱数が、大当たり当選値と一致するか否かに基づいて、大当たり抽選(第1特別図柄抽選)の結果が大当たりであるか否かを判定する。
特別図柄処理部107は、大当たり乱数判定処理の判定結果が大当たりであるか否かを判定する(ステップS472)。判定結果が大当たりである場合(ステップS472:YES)、特別図柄処理部107は、図柄乱数判定処理を実行する(ステップS473)。具体的には、特別図柄処理部107は、ステップS471の処理に使用された大当たり乱数と記憶領域109における同じ記憶部内に記憶されている図柄乱数を読み出すと共に、高確率時短付き長当たり、通常時短付き長当たり、高確率時短付き短当たり、通常時短付き短当たり、高確率時短無し長当たり、及び通常時短無し短当たりの6種類の大当たりのそれぞれに割り当てられた図柄乱数(図9(B)及び(C)参照)をROM102から読み出す。そして、特別図柄処理部107は、記憶領域109から読み出した図柄乱数が、これら6種類(第2始動口入賞の場合は2種類)の大当たりのいずれの大当たりに割り当てられた乱数値であるかに応じて、大当たりの種類を判定する。
特別図柄処理部107は、ステップS473の図柄乱数判定処理の判定結果に応じた大当たり図柄を設定情報としてRAM103にセット(格納)する(ステップS474)。例えばステップS473の図柄乱数判定処理で大当たりの種類が「高確率時短付き長当たり」と判定された場合、特別図柄処理部107は、確率変動及び時間短縮を伴う長当たりであることを表す図柄を設定情報としてRAM103にセットする。また、例えば図柄乱数判定処理で大当たりの種類が「通常時短付き短当たり」と判定された場合、特別図柄処理部107は、確率変動を伴わないが時間短縮を伴う短当たりであることを表す図柄を設定情報としてRAM103にセットする。その際、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報も設定情報としてセットする。
ステップS471の大当たり乱数判定処理の判定結果が大当たりではない場合(ステップS472:NO)、特別図柄処理部107は、判定結果が小当たりであるか否かを判定する(ステップS475)。このステップS475の処理は、図8のステップS25又はステップS31の処理で取得された大当たり乱数が、小当たりの当選値としてROM102に記憶されている乱数(図9(D)参照)と一致するか否かを判断することによって行われる。
判定結果が小当たりであると判定した場合(ステップS475:YES)、特別図柄処理部107は、確率変動も時間短縮も伴わない小当たりであることを示す小当たり図柄を設定情報としてRAM103にセットする(ステップS476)。一方、判定結果が小当たりではないと判定した場合(ステップS475:NO)、特別図柄処理部107は、特別図柄抽選にはずれたことを表すハズレ図柄を設定情報としてRAM103にセットする(ステップS477)。
[遊技制御部100による変動パターン選択処理]
図13は、図11のステップS48における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。図11のステップS47における大当たり判定処理を実行した後、特別図柄処理部107は、図12の大当たり判定処理のステップS472の処理と同様に、今回の大当たり抽選で大当たりしたか否かを判定する(ステップS481)。特別図柄処理部107は、大当たりしたと判定した場合(ステップS481:YES)、大当たり用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする(ステップS482)。
一方、特別図柄処理部107は、大当たりしていないと判定した場合(ステップS481:NO)、遊技者に対して大当たりを期待させるためのリーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ乱数判定処理を実行する(ステップS483)。具体的には、特別図柄処理部107は、図7に示されている記憶領域109の各記憶部109A〜109Hの入賞始動口情報を参照して、図8のステップS31の処理によって取得されたリーチ乱数、つまり第2始動口入賞を契機として取得されたリーチ乱数が記憶されているか否かを判定する。第2始動口入賞を契機として取得されたリーチ乱数が記憶されている場合、第2始動口入賞を契機として取得されて記憶領域109に記憶されたリーチ乱数の中で最も古いリーチ乱数が、ROM102に記憶されているリーチ乱数(図9(E)参照)と一致するか否かに基づいて、リーチ演出を行うか否かを決定する。
一方、第2始動口入賞を契機として取得されたリーチ乱数が記憶領域109のいずれの記憶部にも記憶されていない場合、第1始動口入賞を契機として取得されて記憶領域109に記憶されたリーチ乱数の中で最も古いリーチ乱数が、ROM102に記憶されているリーチ乱数と一致するか否かに基づいて、リーチ演出を行うか否かを決定する。
特別図柄処理部107は、リーチ乱数判定処理の判定結果がリーチ演出を行うというものであるか否かを判定する(ステップS484)。リーチ演出を行うという判定結果(リーチ有り演出)である場合(ステップS484:YES)、特別図柄処理部107は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする(ステップS485)。一方、リーチ演出を行わないという判定結果(リーチ無し演出)である場合(ステップS484:NO)、特別図柄処理部107は、ハズレ用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする(ステップS486)。ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の乱数値とを対応付けたテーブルである。
次に、特別図柄処理部107は、ステップS482、ステップS485、又はステップS486の処理でセットされた変動パターンテーブルを用いて変動パターン乱数の判定を行う(ステップS487)。具体的には、最初に消化すべき保留球に対応する変動パターン乱数を記憶領域109から読み出し、RAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して、読み出した変動パターン乱数に対応する変動パターンを選択する。このステップS487の処理が行われることにより、特別図柄の変動パターンが決定されることとなる。
ところで、このステップS487の処理では、特別図柄抽選の結果、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合にリーチ演出を行うか否かによって、参照される変動パターンテーブルが変更されるようになっている。このため、ステップS487の処理で同じ変動パターン乱数が記憶領域109から読み出されたとしても、ステップS487の処理で決定される変動パターンが異なる場合がある。
変動パターンを選択すると、特別図柄処理部107は、選択した変動パターンを設定情報としてRAM103にセットする(ステップS488)。この変動パターンの設定情報は、大当たり判定処理によって設定された図柄と共に、ステップS49(図11参照)の処理でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5のステップS9における出力処理によって演出制御部130へ送信される。
[演出制御部130のRAM133の構成]
図14は、演出制御部130のRAM133の構成例を示すブロック図である。図14(A)はRAM133の第1演出記憶部161、第2演出記憶部162、及び保留数記憶部163の構成を示す。図14(B)は、図14(A)に示されている各記憶部161A〜161D,162A〜162Dの構成を示す。
図14(A)に示されるように、RAM133は、第1始動口21に入賞した保留球に対する各種情報を記憶する第1演出記憶部161と、第2始動口22に入賞した保留球に対する各種情報を記憶する第2演出記憶部162と、遊技制御部100から取得した保留数U1,U2を記憶する保留数記憶部163とを有している。
第1演出記憶部161は、第1特別図柄抽選が保留されている各保留球に対する情報を記憶する複数の記憶部を含んでいる。パチンコ遊技機1において保留可能な第1特別図柄抽選の最大保留数Umax1が「4」であるため、第1演出記憶部161は、第1記憶部161A、第2記憶部161B、第3記憶部161C、及び第4記憶部161Dの4つの記憶部を含んでいる。
第2演出記憶部162は、第2特別図柄抽選が保留されている各保留球に対する情報を記憶する複数の記憶部を含んでいる。パチンコ遊技機1において保留可能な第2特別図柄抽選の最大保留数Umax2が「4」であるため、第2演出記憶部162は、第1記憶部162A、第2記憶部162B、第3記憶部162C、及び第4記憶部162Dの4つの記憶部を含んでいる。
これらの記憶部161A〜161D、162A〜162Dは、図14(B)に示されるように、それぞれ、遊技演出情報が記憶される領域と、予告フラグが記憶される領域と、予告内容情報が記憶される領域とを有している。
遊技演出情報は、保留球消化時に、特別図柄の変動表示に伴って、或いは特別図柄の変動表示に先立って行われる遊技演出の内容を示す情報である。この遊技演出情報には、リーチになることを予告するリーチ予告を行うことを示す情報、リーチ予告を伴わないリーチ無しの演出を行うことを示す情報、可動役物7に所定の動作を実行させる役物可動予告を行うことを示す情報、スピーカ35からキャラクタが発する台詞に対応する音声を出力する台詞予告を行うことを示す情報、画像表示器6に演出画像を段階的に変化させながら表示するステップアップ予告を行うことを示す情報、演出ボタン37の押下を促す情報を画像表示器6に表示するボタン操作予告を行うことを示す情報の少なくとも1つが含まれる。後述するが、この遊技演出情報は、遊技制御部100において生成された事前判定情報に基づいて、演出決定部136によって生成される。
予告フラグは、遊技演出情報が示す遊技演出の少なくとも1つを保留球画像によって先読み予告する場合にONに設定され、遊技演出情報が示す遊技演出を保留球画像によって先読み予告しない場合にOFFに設定されるフラグである。
予告内容情報は、遊技演出情報が示す遊技演出のうち、保留球画像によって先読み予告される遊技演出の内容を示す情報である。この予告内容情報は、予告フラグがONに設定されている場合に、演出決定部136によって遊技演出情報に基づいて生成され、予告フラグがOFFに設定されている場合には生成されない。
[演出制御部130によるタイマ割込処理]
次に、図15を参照しつつ、演出制御部130によって行われるタイマ割込処理について説明する。ここで、図15は、演出制御部130によって行われるタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。演出制御部130は、遊技制御部100で行われる主要動作(図5参照)と同様に、図15に示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図15以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部130で行われる処理は、ROM132に記憶されているプログラムに基づいてCPU131が発行する命令に従って行われる。
コマンド受信処理(ステップS10)では、演出制御部130は、遊技制御部100からコマンドを受信した場合所定の処理を行う。このコマンド受信処理で行われる処理は、特別図柄の変動表示に伴って或いは変動表示の開始に先立って行われる遊技演出を決定する処理(遊技演出情報を生成する処理)や、保留球画像によって先読み予告される遊技演出の内容を決定する処理(予告内容情報を生成する処理)等である。このコマンド受信処理の詳細については、図16に基づいて後述する。
演出ボタン処理(ステップS11)では、演出制御部130は、遊技者による演出ボタン37の操作入力に基づく演出上の効果を実現するための処理を行う。
コマンド送信処理(ステップS12)では、演出制御部130は、ステップS10のコマンド受信処理で生成されたコマンドを、画像音響制御部140又はランプ制御部150へ送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による遊技演出が画像音響制御部140に指示され、ランプの点灯や可動役物7の動作による遊技演出がランプ制御部150に指示される。また、このコマンド送信処理によって後述する保留表示コマンドが画像音響制御部140へ送信された場合には、画像音響制御部140のCPU14によって画像表示器6に保留球画像を表示する処理が行われる。
[演出制御部130によるコマンド受信処理]
図16は、図15のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。演出制御部130の受付部135(図6参照)は、図16に示されるように、ステップS9の出力処理で遊技制御部100から送信された事前決定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。事前決定コマンドを受信していないと受付部135によって判定された場合(ステップS101:NO)、処理が後述するステップS113へ進められる。
受付部135は、事前決定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS101:YES)、保留数記憶部163(図14(A)参照)に記憶されている保留数U1又はU2を1加算する(ステップS102)。具体的には、受付部135は、事前決定コマンドから入賞始動口情報を抽出し、抽出した入賞始動口情報に基づいて保留数記憶部163に記憶されている保留数U1又は保留数U2を1増加した値に書き換える。例えば、事前決定コマンドから抽出された入賞始動口情報が第1始動口21を示す情報である場合、受付部135は、保留数記憶部163に記憶されている保留数U1を1加算した値に書き換える。このステップS102の処理が行われることにより、保留数記憶部110(図7参照)に記憶されている保留数U1,U2と、保留数記憶部163に記憶されている保留数U1,U2とが一致することとなる。このように、保留数記憶部163には、入賞検出部105によって入賞が検出されたにも拘わらず特別図柄の変動表示が保留されている遊技球(すなわち保留球)の数を示す保留数U1,U2が記憶される。
ところで、事前決定コマンドには、事前判定情報が含まれている。具体的には、大当たり抽選の結果を示す情報(大当たり、小当たり、又はハズレのいずれかを示す情報)、大当たりである場合には大当たりの種類を示す情報、小当たりである場合には小当たりの種類を示す情報、ハズレの場合にはリーチ有りの演出を行うのか或いはリーチ無しの演出を行うのかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報が含まれている。ステップS102の処理が行われた後、演出決定部136(図6参照)は、ROM132に記憶されている複数の演出テーブル(不図示)の中から、事前決定コマンドに基づいて1の演出テーブルを選択する(ステップS103)。
演出制御部130のROM132には、長当たり演出テーブル、短当たり及び小当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、ハズレリーチなし演出テーブルが記憶されている。これらのテーブルの各々には、遊技制御部100で決定される変動時間に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、ハズレリーチ無し演出テーブルには、4秒用、8秒用、12秒用のテーブルが設けられており、長当たり演出テーブルには、1分、1分30秒、2分のテーブルが設けられている。演出決定部136は、これら複数のテーブルの中から、事前決定コマンドに含まれている情報に基づいて1のテーブルを選択する。例えば、受信した事前決定コマンドに「ハズレ」を示す情報、「リーチ無し演出」を行うことを示す情報、「変動時間」が4秒であることを示す情報が含まれている場合、演出決定部136は、4秒用のハズレリーチ無し演出テーブルを選択する。
その後、演出決定部136は、例えば0〜250の演出乱数の中から1の演出乱数を無作為に抽出して取得し(ステップS104)、選択された演出テーブルに基づいてその演出乱数を判定する。この演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。演出決定部136は、演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、ステップS104の処理で取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出す。これにより、演出決定部136は、画像表示器6に表示される特別図柄パターン、可動役物7の動作パターン、盤ランプ8や枠ランプ36の発光パターン、スピーカ35から出力される音声パターンといった遊技演出を決定する(ステップS105)。このように、演出決定部136は、特別図柄の変動表示が保留される遊技球に対して、大当たり抽選の結果、変動パターンに基づいて遊技演出を決定する。
このステップS105で決定された遊技演出は、第1演出記憶部161又は第2演出記憶部162における対応する記憶部に遊技演出情報として格納される。例えば第1記憶部161A及び第2記憶部161Bに情報が記憶されている状態で遊技制御部100から受信した事前決定コマンドに第1始動口21を示す入賞始動口情報が含まれている場合、遊技演出情報は、第3記憶部161Cに格納される。また、例えば第1記憶部162A〜第3記憶部162Cに情報が記憶されている状態で遊技制御部100から受信した事前決定コマンドに第2始動口22を示す入賞始動口情報が含まれている場合、遊技演出情報は、第4記憶部162Dに格納される。
続いて、演出決定部136は、事前決定コマンドに含まれている事前判定情報に基づいて、事前判定処理における大当たり抽選の結果が大当たり又は小当たりであるかを判定する(ステップS106)。演出決定部136は、大当たり又は小当たりではない、すなわちハズレであると判定した場合(ステップS106:NO)、同じく事前判定情報に基づいて、リーチ有りの演出を行うのか或いはリーチ無しの演出を行うのかを判定する(ステップS107)。
演出決定部136は、大当たり又は小当たりであると判定した場合(ステップS106:YES)、又はリーチ有りの演出を行うと判定した場合(ステップS107:YES)、先に消化される保留球があるか否かを判定する(ステップS108)。具体的には、事前決定コマンドから抽出された入賞始動口情報が第2始動口22を示す情報である場合、演出決定部136は、保留数記憶部163に記憶されている保留数U2が2以上であるか否かを判定する。また、事前決定コマンドにから抽出された入賞始動口情報が第1始動口21を示す情報である場合、保留数記憶部163に記憶されている保留数U1が2以上であるか否かを判定する。
演出決定部136は、先に消化される保留球があると判定した場合(ステップS108:YES)、予告内容を決定する(ステップS109)。具体的には、ステップS105の処理で生成された遊技演出情報が示す遊技演出が1つである場合、演出決定部136は、その遊技演出を先読み予告によって報知する予告内容に決定する。また、遊技演出情報が示す遊技演出が複数である場合、演出決定部136は、これら複数の遊技演出の中からいずれか1つを先読み予告によって報知する予告内容に決定する。例えば、リーチ予告及び役物可動予告を実行することを示す遊技演出情報がステップS105の処理で生成された場合、演出決定部136は、役物可動予告を予告内容に決定する。このステップS109の処理で決定された予告内容は、ステップS105の処理で生成された遊技演出情報と同じ記憶部内に予告内容情報として格納される。
予告内容を決定した演出決定部136は、予告フラグをONに設定する(ステップS110)。具体的には、演出決定部136は、ステップS105の処理で生成された遊技演出情報、及びステップS109の処理で生成された予告内容情報が記憶されている記憶部内の予告フラグをONに設定する。
一方、演出決定部136は、リーチ無し演出が行われると判定した場合(ステップS107:NO)、先に消化される保留球がないと判定した場合(ステップS108:NO)、予告フラグをOFFに設定する(ステップS111)。具体的には、演出決定部136は、ステップS105の処理で生成された遊技演出情報が記憶されている記憶部内の予告フラグをOFFに設定する。
演出決定部136は、ステップS110の処理で予告フラグをONに設定した場合、又はステップS111の処理で予告フラグをOFFに設定した後、画像音響制御部140に対して保留球画像の表示を指示する保留表示コマンドをRAM133にセット(格納)する(ステップS112)。この保留表示コマンドには、保留数記憶部163に記憶されている保留数U1及び保留数U2を示す情報と、第1演出記憶部161及び第2演出記憶部162の各記憶部に記憶されている予告フラグのON/OFFを示す情報、予告フラグがONに設定されている記憶部に記憶されている予告内容情報が含められる。
演出制御部130の表示制御部137(図6参照)は、このステップS112の処理でセットされた保留表示コマンドをステップS12のコマンド送信処理(図15参照)によって画像音響制御部140へ出力する。これに対して、画像音響制御部140のCPU141は、保留表示コマンドから保留数U1及び保留数U2を示す情報を抽出する。そして、CPU141は、第1保留数表示領域61(図1参照)に表示する保留球画像の数を保留数U1に基づいて決定し、第2保留数表示領域62(図2参照)に表示する保留球画像の数を保留数U2に基づいて決定する。例えば、保留数U1が「4」であり保留数U2が「2」である場合、CPU141は、第1保留数表示領域61に保留数U1と同数の4個の保留球画像を表示すると共に第2保留数表示領域62に保留数U2と同数の2個の保留球画像を表示することを決定する。この場合、図1に示されるように、第1保留数表示領域61に4個の保留球画像が表示されると共に、第2保留数表示領域62に2個の保留球画像が表示されることとなる。
また、画像音響制御部140のCPU141は、第1保留数表示領域61又は第2保留数表示領域62に表示される保留球画像の中から、遊技演出を報知するための特別な態様で表示すべき保留球画像を決定する。具体的には、CPU141は、保留表示コマンドから予告フラグのON/OFFを示す情報、及び予告内容情報を抽出する。そして、CPU141は、抽出したこれらの情報に基づいて、予告フラグがONに設定されると共に予告内容情報が記憶されている記憶部に対応する保留球画像を、特別な態様で表示する保留球画像、言い換えれば、先読み予告を行う保留球画像に決定する。例えば、第2記憶部161Bの予告フラグがONに設定されていることを示す情報、及び第2記憶部161Bに記憶されているものと同じ予告内容情報が保留表示コマンドから抽出された場合、第1保留数表示領域61に表示される2つ目の保留球画像を、特別な態様で表示する保留球画像に決定する。この処理により、予告フラグがOFFに設定されている記憶部に対応する保留球画像が通常の態様で表示されるのに対して、予告フラグがONに設定されている記憶部に対応する保留球画像は、通常の態様ではなく、予告内容情報が示す遊技演出を遊技者が認識可能な特別な態様で表示されることとなる。この保留球画像の特別な態様については、後に詳述する。
ところで、保留数U1が0の状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、又は保留数U2が0の状態で第2始動口22に遊技球が入賞した場合、この入賞を契機として保留球画像が表示されたとしても、その保留球画像は直ちに消去されて特別図柄の変動表示が開始される。このため、保留数U1又はU2が0の状態で始動口入賞が検出された場合に保留球画像を特別な態様で表示して先読み予告を行ったとしても、有効な報知を行うことができるとは考えにくい。そこで、本実施形態では、ステップS108の判定処理を行うことによって、保留数が1未満の状態で入賞検出部105によって第1始動口21(又は第2始動口22)への遊技球の入賞が検出された場合には保留球画像を通常の態様で表示させ、保留数が1以上の状態で入賞検出部105によって第1始動口21(又は第2始動口22)への遊技球の入賞が検出された場合には保留球画像を特別な態様で表示させて先読み予告を行うようにしている。
ステップS112の処理によって保留表示コマンドがセットされた場合、又は事前決定コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS101:NO)、演出制御部130の遊技演出制御部138(図6参照)は、特別図柄の変動表示を伴う演出を実行中であるか否かを画像音響制御部140及びランプ制御部150から取得した情報に基づいて判定する(ステップS113)。特別図柄の変動表示を伴う演出を実行中ではないと遊技演出制御部138が判定した場合(ステップS113:NO)、受付部135は、図11のステップS49の処理でセットされた変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS114)。変動開始コマンドを受信していないと受付部135によって判定された場合(ステップS114:NO)、コマンド受信処理を終了し、図15のステップS11における演出ボタン処理へ処理が進められる。
変動開始コマンドを受信したと受付部135によって判定された場合(ステップS114:YES)、遊技演出制御部138は、最初に消化すべき保留球に対応する遊技演出を第1演出記憶部161又は第2演出記憶部162から読み出す(ステップS115)。具体的には、遊技演出制御部138は、第1記憶部162A(図14参照)に遊技演出情報が記憶されている場合には、第1記憶部162Aに記憶されている遊技演出情報を、最初に消化すべき保留球に対応する遊技演出を示す情報として優先的に読み出す。また、遊技演出制御部138は、第1記憶部161A(図14参照)に遊技演出が記憶されており、且つ第1記憶部162Aに遊技演出が記憶されていない場合、つまり第2始動口入賞に係る保留球がない場合、第1記憶部161Aに記憶されている遊技演出情報を、最初に消化すべき保留球に対応する遊技演出を示す情報として優先的に読み出す。
続いて、遊技演出制御部138は、特別図柄の変動表示及び遊技演出を開始する(ステップS116)。具体的には、遊技演出制御部138は、変動開始コマンドに含まれている設定情報(図柄、遊技状態、変動パターン等)に基づいて画像表示器6の図柄表示領域60に特別図柄を変動表示させると共に、ステップS115の処理で読み出した遊技演出情報が示す遊技演出を画像表示器6、可動役物7、又はスピーカ35に実行させる。このステップS116の処理が行われることによって、例えば可動役物7が所定の動作を行った後に図柄表示領域60に2つの特別図柄が揃ってリーチとなるといった遊技演出が行われる。また、例えばスピーカ35から「激アツ!」といったキャラクタの台詞が出力された直後にスーパーリーチに発展するといった遊技演出が行われる。このステップS116の処理で行われる遊技演出については、保留球画像の態様と共に後に詳述する。
特別図柄の変動表示を伴う演出の実行中であると遊技演出制御部138によって判定された場合(ステップS113:YES)、受付部135は、図11のステップS53の処理でセットされた変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS117)。変動停止コマンドを受信していないと受付部135によって判定された場合(ステップS117:NO)、コマンド受信処理を終了し、図15のステップS11における演出ボタン処理へ処理が進められる。
変動停止コマンドを受信したと受付部135によって判定された場合(ステップS117:YES)、遊技演出制御部138は、演出を終了する(ステップS118)。このステップS118の処理によって特別図柄の変動表示及び遊技演出が終了して、大当たり抽選の結果を示す停止図柄が画像表示器6の図柄表示領域60に表示される。
最後に、遊技演出制御部138は、記憶領域のシフト処理及び保留数の更新処理を実行する(ステップS119)。具体的には、遊技演出制御部138は、第1記憶部161A〜第4記憶部161D、第1記憶部162Aから162Dに記憶されている遊技演出情報、予告フラグ、及び予告内容情報をシフトさせる処理、及び保留数記憶部163に記憶されている保留数U1又はU2を1減算する処理を行う。
例えば、第1記憶部161A〜第3記憶部161Cに遊技演出及び予告フラグが記憶されている状態で、ステップS115の処理によって第1記憶部161Aから遊技演出情報が読み出されたと仮定する。この場合、遊技演出制御部138は、第1記憶部161Aに記憶されている遊技演出情報、予告フラグ、及び予告内容情報を破棄すると共に、第2記憶部161Bに記憶されている遊技演出情報、予告フラグ、及び予告内容情報を第1記憶部161Aに移動させ、第3記憶部161Cに記憶されている遊技演出情報、予告フラグ、及び予告内容情報を第2記憶部161Bに移動させる。また、例えば第1記憶部161A〜第4記憶部161D、第1記憶部162A〜第2記憶部162Bに遊技演出情報、予告フラグ、及び予告内容情報が記憶されている状態で、ステップS115の処理によって第1記憶部162Aから遊技演出情報が読み出されたと仮定する。この場合、遊技演出制御部138は、第1記憶部161A〜第4記憶部161Dに記憶されている遊技演出情報、予告フラグ、及び予告内容情報はそのままで、第1記憶部162Aに記憶されている遊技演出情報、予告フラグ、及び予告内容情報を破棄すると共に、第2記憶部162Bに記憶されている遊技演出情報、予告フラグ、及び予告内容情報を第1記憶部162Aにシフトさせる。
そして、遊技演出制御部138は、保留数記憶部163に記憶されている保留数U1又は保留数U2を1減算する処理を実行する。例えば、ステップS115の処理によって第1記憶部161Aから遊技演出情報が読み出された場合には、第1始動口21に入賞した保留球が消化されているので、保留数記憶部163の保留数U1を1減算して書き換える処理を実行する。また、例えば、ステップS115の処理によって第2演出記憶部162から遊技演出情報が読み出された場合には、第2始動口22に入賞した保留球が消化されているので、保留数記憶部163の保留数U2を1減算して書き換える処理を実行する。
このように、本実施形態では、特別な態様の保留球画像が画像表示器6から消去されて特別図柄の変動表示が行われる際に、その保留球画像に対応する遊技演出情報が読み出されて、その遊技演出情報が示す遊技演出が画像表示器6、可動役物7、又はスピーカ35によって実行される。ここで、予告内容情報が示す遊技演出は、遊技演出情報が示す遊技演出の中から選択されたものである。このため、遊技演出情報が示す遊技演出が保留球消化時に行われることによって、予告内容情報に基づいて保留球画像により先読み予告された遊技演出が必ず行われることとなる。
[リーチ予告を示す保留球画像の表示例]
以下、保留球画像の態様及び保留球画像に対応する保留球消化時に行われる遊技演出について、画像表示器6の第1保留数表示領域61に保留球画像が表示される場合を例に説明する。図17は、第1演出記憶部161に記憶された遊技演出情報、予告フラグ、及び予告内容情報の一例を示す図である。図18及び図19は、保留球の消化に伴って特別図柄及び保留球画像が変化する様子を示す画像表示器6の画面図の一例を示す図である。
図17に示される例では、第1始動口21に入賞した4個の保留球が保留されていることを示す遊技演出情報及び予告フラグが第1演出記憶部161に記憶されている。具体的には、リーチ無し演出を実行することを示す遊技演出情報と予告フラグがOFFに設定されていることを示す情報が第1記憶部161A及び第3記憶部161Cに記憶され、Aリーチの演出を実行することを示す遊技演出情報及び予告内容情報と予告フラグがONに設定されていることを示す情報が第2記憶部161Bに記憶され、Bリーチの演出を実行することを示す遊技演出情報及び予告内容情報と予告フラグがONに設定されていることを示す情報が第4記憶部161Dに記憶されている。
第1演出記憶部161にこのような情報が記憶されている状態で保留表示コマンドがセットされた場合、図18(A)に示されるように、第1保留数表示領域61に4個の保留球画像201〜204が表示される。上述したように、予告フラグがONに設定されていることを示す情報、及びAリーチの演出を示す予告内容情報が第2記憶部161Bに記憶されているので、第2記憶部161Bに対応する2つ目の保留球画像202が「Aリーチ」という文字を含んだ態様で表示されている。また、予告フラグがONに設定されていることを示す情報、及びBリーチの演出を示す予告内容情報が第4記憶部161Dに記憶されているので、第4記憶部161Dに対応する4つ目の保留球画像204が「Bリーチ」という文字を含んだ態様で表示されている。
このような状態で演出制御部130が変動開始コマンドを受信すると、1個目の保留球画像201が第1保留数表示領域61から消去されると共に2〜4個目の保留球画像202〜204が左側へシフトし、特別図柄の変動表示が開始される(図18(A)及び(B)参照)。ここでは、第1特別図柄抽選の保留数が最大の「4」となっているため、保留球画像201に対応する保留球消化時に、パチンコ遊技機1が有する時短機能によって特別図柄の変動表示が1秒程度で完了して、3つの特別図柄が一斉に停止し、その結果、停止図柄(ここでは「452」)が図柄表示領域60に表示される(図18(B)及び(C)参照)。
続いて、「Aリーチ」という文字を含んだ保留球画像202が第1保留数表示領域61から消去されると共に、通常の態様の保留球画像203及び「Bリーチ」という文字を含んだ保留球画像204が左側へシフトし、特別図柄の変動表示が開始される(図18(C)及び(D)参照)。ここで消去された保留球画像202に対応する遊技演出情報はAリーチ演出であるため(図17の第2記憶部161B参照)、保留球画像202に対応する保留球消化時に、特別図柄の変動表示が開始されてから停止図柄が表示されるまでの過程において、2つの数字(ここでは「7」)が揃って3つ目の数字も揃うのではないかという期待感を遊技者に与える「Aリーチ」に発展する(図18(D)及び(E)参照)。
「Aリーチ」に発展した後、ここでは、3つ目の数字が「6」となって大当たり抽選の結果がハズレであることを示す停止図柄が表示される(図18(E)及び(F)参照)。続いて、図18(F)に示されている1個目の保留球画像203が第1保留数表示領域61から消去されると共に、「Bリーチ」という文字を含んだ保留球画像204が左側へシフトし、特別図柄の変動表示が開始される(図18(F)及び図19(A)参照)。ここで消去された保留球画像203に対応する遊技演出情報はリーチ無し演出であるため(図17の第3記憶部161C参照)、リーチに発展することなくハズレの停止図柄が図柄表示領域60に表示される(図19(B)及び(C)参照)。
最後に、「Bリーチ」という文字を含んだ保留球画像が第1保留数表示領域61から消去されると共に、特別図柄の変動表示が開始される(図19(C)及び(D)参照)。ここで消去された保留球画像204に対応する遊技演出情報はBリーチ演出であるため(図17の第4記憶部161D参照)、保留球画像204に対応する保留球消化時に、2つの数字(ここでは「3」)が揃って3つ目の数字も揃うのではないかという期待感を遊技者に与える「Bリーチ」に発展する(図19(D)及び(E)参照)。図19(F)には、「Bリーチ」に発展した結果、3つ目の数字も揃って大当たりとなった場合の画像表示器6の表示画面が示されている。
このように、パチンコ遊技機1では、特別図柄が変動表示されてから停止図柄が表示される過程で2つの図柄が揃ってリーチとなることを予告するリーチ予告の種類を遊技者が特定可能な文字(ここでは、「Aリーチ」又は「Bリーチ」)を含む保留球画像が画像表示器6に表示される。そして、このように特別な態様で表示された保留球画像に対応する保留球が消化される際には、保留球画像で先読み予告されていたリーチ予告の遊技演出が実際に行われることとなる。
ところで、Aリーチ演出は、大当たりに対する信頼度が例えば20%である場合に実行されるリーチ演出であり、Bリーチ演出は、大当たりに対する信頼度が例えば40%である場合に実行されるリーチ演出である。パチンコ遊技機1では、リーチの種類に応じて保留球画像の態様が異なるので、保留球画像を見た遊技者が、保留球消化時に先だって、保留球画像202や保留球画像204が表示された時点で大当たりに対する信頼度を正確に把握することができる。
[役物可動予告を示す保留球画像の表示例]
図20は、第1演出記憶部161に記憶された遊技演出情報、予告フラグ、及び予告内容情報の一例を示す図である。図21は、保留球の消化に伴って可動役物7が動作する様子を示す図である。
図20には、第1記憶部161Aに記憶されていた遊技演出情報、予告フラグ、及び予告内容情報が消去され、第2記憶部161Bに記憶されていた遊技演出情報、予告フラグ、及び予告内容情報が第1記憶部161Aにシフトされた直後の第1演出記憶部161の一例が示されている。第1記憶部161Aには、保留球消化時にスーパーリーチ演出、及び役物可動予告が実行されることを示す遊技演出情報、予告フラグがONに設定されていることを示す情報、及び役物可動予告を先読み予告することを示す予告内容情報が記憶されている。このため、保留表示コマンドがセットされることにより、「役」という文字を含んだ態様の保留球画像206が画像表示器6の第1保留数表示領域61に表示されている(図21(A)参照)。
この状態で演出制御部130が変動開始コマンドを受信すると、「役」という文字を含んだ保留球画像206が第1保留数表示領域61から消去されると共に、特別図柄の変動表示が開始される(図21(A)及び(B)参照)。ここで消去された保留球画像206に対応する遊技演出情報はスーパーリーチ演出及び役物可動予告であるため(図20の第1記憶部161A参照)、特別図柄の変動表示に伴って、大当たりになるのではないかという期待感を遊技者に与えるために、ランプ制御部150のCPU151は、可動役物7に例えば所定の発光パターンで発光しながら回転させるといった動作を実行させる(図21(B)参照)。図21(C)には、役物可動予告が実行された結果、「スーパーリーチ」に発展した状態の画像表示器6の表示画面が示されている。
このように、パチンコ遊技機1では、可動役物7を遊技者が特定可能な文字(ここでは「役」の文字)を含む保留球画像206が画像表示器6に表示される。そして、このように特別な態様で表示された保留球画像206に対応する保留球が消化される際には、保留球画像206で先読み予告されていた役物可動予告が実際に行われることとなる。
役物可動予告は、例えば、大当たりに対する信頼度が低い場合には行われず、大当たりに対する信頼度が高い場合に行われるというように、大当たりに対する信頼度に応じて可動役物7を動作させるか否かが決められている。パチンコ遊技機1では、保留球画像206の表示によって役物可動予告が先読み予告されるので、保留球画像206を見た遊技者が、保留球消化時に先だって保留球画像206が表示された時点で大当たりに対する信頼度を正確に把握することができる。
なお、役物可動予告を示唆する保留球画像206は、大当たりの信頼度に応じて異なる色で表示されてもよい。例えば、大当たりに対する信頼度が低い場合には「役」の文字を含む緑色の保留球画像206を表示し、大当たりに対する信頼度が高い場合には「役」の文字を含む赤色の保留球画像206を表示するようにしてもよい。また、「役」という文字の色を、大当たりの信頼度に応じて変更するようにしてもよい。さらにまた、可動役物7の動作を遊技者が特定可能な文字を含む保留球画像を表示するようにしてもよい。
[ボタン操作予告を示す保留球画像の表示例]
図22は、第1演出記憶部161に記憶された遊技演出情報、予告フラグ、及び予告内容情報の一例を示す図である。図23は、保留球の消化に伴って画像表示器6にボタン操作予告が表示される様子を示す図である。
図22に示される例では、第1始動口21に入賞した2個の保留球が保留されていることを示す遊技演出情報、及び予告フラグが第1演出記憶部161に記憶されている。具体的には、リーチ無し演出を実行することを示す遊技演出情報と予告フラグがOFFに設定されていることを示す情報が第1記憶部161Aに記憶され、Aリーチ及びボタン操作予告の遊技演出を実行することを示す遊技演出情報、予告フラグがONに設定されていることを示す情報、及びボタン操作予告を先読み予告することを示す予告内容情報が第2記憶部161Bに記憶されている。
第1演出記憶部161にこのような情報が記憶されている状態で保留表示コマンドがセットされた場合、図23(A)に示されるように、第1保留数表示領域61に2個の保留球画像211,212が表示される。上述したように、予告フラグがONに設定されていることを示す情報、及びボタン操作予告を示す予告内容情報が第2記憶部161Bに記憶されているので、2つ目の保留球画像21が演出ボタン37を示す絵を含んだ態様で表示されている。
このような状態で演出制御部130が変動開始コマンドを受信すると、1個目の保留球画像211が第1保留数表示領域61から消去されると共に2個目の保留球画像212が左側へシフトし、特別図柄の変動表示が開始される(図23(A)及び(B)参照)。ここで消去された保留球画像211に対応する遊技演出情報がリーチ無し演出であるため(図22の第1記憶部161A参照)、リーチに発展することなくハズレの停止図柄(ここでは「465」)が図柄表示領域60に表示される(図23(C)及び(D)参照)。
続いて、演出ボタン37の絵を含んだ保留球画像202が第1保留数表示領域61から消去されると共に、特別図柄の変動表示が開始される(図23(D)〜(F)参照)。ここで消去された保留球画像212に対応する遊技演出情報はAリーチ演出及びボタン操作予告であるため(図22の第2記憶部161B参照)、特別図柄の変動表示に先立って演出ボタン37の押下を促すボタン操作予告が画像表示器6の図柄表示領域60に表示され、特別図柄の変動表示が行われる過程でAリーチに発展する。
このように、パチンコ遊技機1では、遊技者の操作入力を受け付ける演出ボタン37の押下を促す画像を画像表示器6に表示させるボタン操作予告を遊技者が特定可能な絵を含む保留球画像212が画像表示器6に表示される。そして、保留球画像212に対応する保留球が消化される際には、保留球画像212で示唆されていたボタン操作予告が実際に行われると共に、Aリーチの遊技演出が行われることとなる。これにより、保留球画像212に対応する保留球が消化される際に演出ボタン37のボタン操作が必要になることを遊技者が事前に把握してボタン操作の準備を行うことが可能となり、その結果、ボタン操作が間に合わなかったといった問題が生じることを抑制することができる。なお、ボタン操作予告は、特別図柄の変動表示が開始されてから行われてもよい。
[ステップアップ予告又は台詞予告を示す保留球画像の表示例]
図24は、画像表示器6に表示された保留球画像の一例を示す図である。図24(A)は、3個目の保留球画像214がステップアップ予告を遊技者が特定可能な文字を含む態様で表示されている第1保留数表示領域61を示している。図24(B)は、3個目の保留球画像215が台詞予告を遊技者が特定可能な絵を含む態様で表示されている第1保留数表示領域61を示している。
図24(A)に示される例では、3個目の保留球画像214が、ステップアップ予告を示す文字「SU」を含む態様で画像表示器6に表示されている。この場合、3個目の保留球画像214に対応する保留球が消化される際に、図柄表示領域60に表示される演出画像を段階的に変化させるステップアップ予告が遊技演出として実際に行われることとなる。
ステップアップ予告は、大当たりに対する信頼度が低い場合には演出画像が例えば1段階或いは2段階までステップアップし、大当たりに対する信頼度が高い場合には演出画像が例えば3段階或いは4段階までステップアップするというように、大当たりに対する信頼度に応じて演出画像が何段階までステップアップするかが異なるように構成される場合がある。このため、例えば演出画像が2段階まで発展する場合には「SU2」という文字を含む保留球画像を表示し、演出画像が4段階まで発展する場合には「SU4」という文字を含む保留球画像を表示するというように、ステップアップ予告で表示される演出画像が何段階までステップアップするかによって保留球画像の態様を異ならせて、保留球画像を見た遊技者が、保留球消化時に先だって保留球画像が表示された時点で大当たりに対する信頼度を正確に把握できるようにしてもよい。なお、これに代えて、「SU」の文字を含む保留球画像214の色又は「SU」の文字色を、何段階まで発展するかに応じて異ならせてもよい。
図24(B)に示される例では、3個目の保留球画像215が、台詞予告を遊技者が特定可能な絵を含む態様で画像表示器6に表示されている。この場合、3個目の保留球画像215に対応する保留球が消化される際に、キャラクタが発する台詞に対応する音声をスピーカ35から出力する台詞予告の遊技演出が実際に行われることとなる。
台詞予告は、大当たりに対する信頼度が低い場合には「リーチかも?」という音声がスピーカ35から出力され、大当たりに対する信頼度が高い場合には「リーチ確定!」という音声がスピーカ35から出力されるというように、大当たりに対する信頼度に応じて異なる台詞が出力されるように構成される場合がある。このため、台詞予告で発せられる台詞の種類によって台詞予告の絵や絵の色を異ならせたり、保留球画像215の色又は絵の色を異ならせることにより、保留球画像を見た遊技者が、保留球消化時に先だって、保留球画像が表示された時点で大当たりに対する信頼度を正確に把握することができる。
[本実施形態の変形例]
図25は、画像表示器6に表示される保留球画像の一例を示す図である。図25(A)には、保留球の消化時に役物可動予告及びBリーチ演出が行われることを先読み予告する保留球画像221が示されている。図25(B)には、保留球の消化時にAリーチ演出及びボタン操作予告が行われることを先読み予告する保留球画像222が示されている。図25(C)には、保留球の消化時にAリーチ演出、ボタン操作予告、及び台詞予告が行われることを先読み予告する保留球画像223が示されている。
図16のステップS109では、複数の遊技演出の中から1つの予告内容を選択する場合について説明したが、複数の遊技演出の中から2以上の遊技演出を予告内容として選択したり、遊技演出情報が示す遊技演出の全てを先読み予告する予告内容に設定してもよい。このように、2以上の遊技演出を先読み予告する場合には、図25(A)〜(C)に例示されているような保留球画像を表示するようにしてもよい。
図26は、画像表示器6の表示画面の一例を示す図である。図26(A)には、特別図柄が変動表示中である画像表示器6の表示画面の一例が示されている。図26(B)には、図26(A)に示された表示画面が表示されている状態で第1始動口21に新たな遊技球が入賞した場合に画像表示器6に表示される表示画面の一例が示されている。図26に示されているように、2つ目の保留球の消化時にAリーチが行われることを先読み予告する保留球画像225が表示される際に、「Aリーチ確定!」といった文言を画像表示器6に併せて表示したり、或いは、「Aリーチ確定!」というキャラクタの音声をスピーカ35から出力させて先読み予告を行ってもよい。
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、保留球画像が、その保留球画像に対応する保留球に対して特別図柄の変動表示が行われる際に画像表示器6、可動役物7、スピーカ35等によって実際に行われる遊技演出の内容を遊技者が認識可能な特別な態様で表示される。このため、保留球画像の態様が通常とは異なるために保留球消化時に何らかの遊技演出が行われると推測した遊技者が大当たりに対する期待度を高めたにも拘わらず、実際には何ら遊技演出が行われずにハズレになるといった問題が生じることがない。すなわち、保留球消化時に行われる遊技演出を始動口入賞に伴って表示される保留球画像により報知することで、遊技者の期待を裏切らない有効な予告演出を行うことができる。
また、本実施形態では、大当たり抽選の結果、及び変動パターンに基づいて決定された遊技演出が保留球画像によって報知されるので、大当たりの信頼度に見合った遊技演出を決定してその遊技演出を保留球画像によって的確に先読み予告することができる。
また、本実施形態では、予告フラグがONに設定されている場合には遊技演出を特定可能な文字又は絵を含む保留球画像が表示されるので、保留球画像を見た遊技者が、その保留球画像に対応する保留球が消化される際に行われる遊技演出の内容を容易に把握することができる。
なお、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、大当たり抽選の結果、変動パターン等を参照することによって、大当たりに対する信頼度が高い場合にのみ先読み予告を行うように構成されている(図16参照)。これに代えて、大当たりに対する信頼度を考慮することなく、保留球画像によって遊技演出を先読み予告を行うか否かを決定して、先読み予告を行うと判定した場合にのみ先読み予告を行うようにしてもよい。すなわち、図16におけるステップS106の処理やステップS107の処理を省略してもよい。
また、パチンコ遊技機1は、先に消化される保留球が保留されていない状態で遊技球が始動口入賞した場合には予告フラグをOFFに設定して保留球画像による先読み予告を行わないようにしているが、これに代えて、先に消化される保留球の有無に関わらず保留球画像による先読み予告を行うようにしてもよい。