JP6021576B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、主にトラックやバスなどの大型車両に用いられる空気入りタイヤに関する。
路面に接地するトレッド部に、トレッド平面視でタイヤ軸方向外側に鋭角部を備えたブロックが形成された空気入りタイヤがある。この種の空気入りタイヤにおいて、ブロックのタイヤ軸方向外側のブロック壁を補強する嵩上げ部を備えた空気入りタイヤがある(例えば、特許文献1)。
特開2012−66799号公報
特許文献1の空気入りタイヤは、雪上(氷上)走行時に鋭角部が雪(氷)に食い込んで雪上(氷上)の走行性能を確保できる。また、嵩上げ部により鋭角部の剛性が高められて偏摩耗を抑制できるが、これに加えて、ブロックの踏み込み端側より蹴り出し端側の摩耗量が多くなるヒールアンドトウ摩耗を抑制できる空気入りタイヤが求められている。
本発明は、上記事実を考慮し、雪上(氷上)の走行性能を確保しつつ、ヒールアンドトウ摩耗を抑制できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
請求項1に記載の空気入りタイヤは、トレッド部にタイヤ周方向にジグザグ状に延びる複数の周方向溝とタイヤ軸方向に延びる複数のラグ溝とで区画され、前記ラグ溝に面する蹴り出し側のブロック壁と前記周方向溝に面する踏み込み側のブロック壁とで構成された鋭角部を備えたブロックと、前記蹴り出し側のブロック壁に隣接して設けられると共に前記鋭角部の先端から前記蹴り出し側のブロック壁に沿って延び、前記周方向溝の溝底、及び前記ラグ溝の溝底よりも高く前記ブロックの最大高さよりも低い第1嵩上げ部と、前記踏み込み側のブロック壁に隣接して設けられ、前記ブロックの最大高さよりも低く、かつ前記第1嵩上げ部より嵩上げ高が高い第2嵩上げ部と、を有し、前記鋭角部が、前記ブロックの他の部位と同じ高さで形成されている
請求項1に記載の空気入りタイヤによれば、タイヤ軸方向にあるブロックの鋭角部が雪(氷)に食い込んで雪上(氷上)の走行性能を確保できる。また、鋭角部を形成するブロックの蹴り出し端側には第1嵩上げ部が設けられ、鋭角部を形成するブロックの踏み込み端側には第2嵩上げ部が設けられている。これにより、鋭角部を形成するブロック壁を補強できる。
さらに、鋭角部の蹴り出し端側の第1嵩上げ部より踏み込み端側の第2嵩上げ部の方が嵩上げ高が高くなっている。このため、異なる嵩上げ高とすることで排水性を確保しつつ、蹴り出し時に鋭角部にせん断歪が作用して鋭角部がタイヤの回転方向側(踏み込み端側)へ倒れ込むのを抑制できる。すなわち、鋭角部の蹴り出し端側の摩耗量が低減されヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。
また、請求項1に記載の空気入りタイヤは、鋭角部はブロックの他の部位と同じ高さで形成されているので、鋭角部が面取りされている場合と比較して、鋭角部のエッジ圧が高くなり鋭角部が雪(氷)に食い込み易くなるので、雪上(氷上)の走行性能を向上できる。
請求項2に記載の空気入りタイヤは前記ブロックは、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝とタイヤ軸方向に延びる複数のラグ溝とで区画されており、前記第1嵩上げ部は、前記ラグ溝の溝底全体を前記周方向溝よりも嵩上げして形成され、前記第2嵩上げ部は、前記周方向溝の一部を嵩上げして形成されている。
この構成によりブロックを区画する周方向溝及びラグ溝を嵩上げすることでブロック壁を補強できる。また、第2嵩上げ部は、周方向溝の一部を嵩上げして形成している。これにより、周方向溝を全て嵩上げする場合と比較して、周方向溝の断面積が大きくなり排水性を向上できる。
請求項3に記載の空気入りタイヤは、前記第1嵩上げ部及び前記第2嵩上げ部は、前記ブロックのタイヤ軸方向外側の前記鋭角部を形成するブロック壁を補強している。
この構成によりブロックのタイヤ軸方向外側とタイヤ軸方向内側の両方に鋭角部を備えている場合、より摩耗し易いタイヤ軸方向外側の鋭角部のブロック壁を第1嵩上げ部及び第2嵩上げ部で補強することで、確実にヒールアンドトウ摩耗の発生を抑制できる。
請求項4に記載の空気入りタイヤは、空気が充填された状態において、前記周方向溝の溝底から前記第1嵩上げ部の表面までの高さは、前記周方向溝の溝底から前記第2嵩上げ部の表面までの高さの0.2倍より高く、0.6倍より低い高さとなっている。
この構成により、第1嵩上げ部がトレッド表面に露出するまでに許容されるタイヤの摩耗量を確保すると共に、ヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。なお、ここでいう空気が充填された状態とは、JATMA(JATMA YEAR BOOK 2012年度版)で規定された適正内圧で空気が充填された状態を指す。
請求項5に記載の空気入りタイヤは、前記ブロックの前記ラグ溝に面したブロック壁は、トレッド平面視でタイヤ軸方向に対して傾斜している。
この構成により、ブロック壁が路面上の水や雪(氷)の融解水を周方向溝へ押し出すので、ブロック壁がトレッド平面視でタイヤ軸方向と平行に形成されている場合と比較して、排水性を向上できる。
本発明は、上記の構成としたので、雪上(氷上)の走行性能を確保しつつ、ヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。 本発明の第1実施形態に係る鋭角部を示す図1の2−2線断面図である。 比較例1のタイヤが路面に接地している状態を示す、赤道線に沿って切断した鋭角部の断面図である。 比較例2のタイヤが路面に接地している状態を示す、赤道線に沿って切断した鋭角部の断面図である。 実施例1のタイヤが路面に接地している状態を示す、赤道線に沿って切断した鋭角部の断面図である。 実施例2のタイヤが路面に接地している状態を示す、赤道線に沿って切断した鋭角部の断面図である。 第1嵩上げ部の嵩上げ高H2と、鋭角部の蹴り出し端に作用する制動方向のせん断力との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。 本発明の第2実施形態に係る鋭角部を示す図8の9−9線断面図である。
(第1実施形態)
図を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ10(以下、タイヤ10と記載する)について説明する。なお、図中矢印TWはタイヤ10の軸と平行な方向(以下、適宜「タイヤ軸方向」と記載する。)を示し、矢印TCはタイヤ10の軸を中心とする円の円周方向(以下、適宜「タイヤ周方向」と記載する。)を示す。また、図中CLは赤道面(タイヤの軸方向中心を通りタイヤの軸に垂直な面)を示し、矢印Aは、タイヤの回転方向を示す。また、タイヤ軸方向に沿ってタイヤ10の赤道面に向かう側を「タイヤ軸方向内側」、タイヤ軸方向に沿ってタイヤ10の赤道面から離れる側を「タイヤ軸方向外側」と記載する。なお、タイヤ10の内部構造は、一般の空気入りタイヤと同様であるので、その説明を省略する。
図1に示すように、本実施形態に係るタイヤ10のトレッドパターンは、トレッド部12のタイヤ軸方向中央部にタイヤ周方向に沿ってジグザグ状に延びる中央周方向主溝14が形成されている。また、中央周方向主溝14のタイヤ軸方向外側には、中央周方向主溝14より広幅でタイヤ周方向に沿ってジグザグ状に延びる外側周方向主溝16が2本形成されている。本実施形態では、上述した3本の周方向溝が延びているが、これに限らず、さらに多くの周方向溝を形成してもよい。
外側周方向主溝16には、タイヤ軸方向に延びる外側ラグ溝18が接続されており、トレッド部12のタイヤ軸方向の両端部は、外側周方向主溝16と外側ラグ溝18とにより複数のショルダーブロック20に区画されている。
外側周方向主溝16よりタイヤ軸方向内側には、タイヤ軸方向に延びる中央ラグ溝22が形成されている。また、中央ラグ溝22の溝底22Aは、溝底22A全体が外側周方向主溝16よりも嵩上げされて溝深さが浅くなった第1嵩上げ部となっている(図2参照)。なお、中央ラグ溝22の溝底22Aの一部だけを嵩上げして第1嵩上げ部としてもよい。第1嵩上げ部22Aの詳細については後述する。
トレッド部12のタイヤ軸方向中央部には、中央ラグ溝22、中央周方向主溝14、及び外側周方向主溝16により複数の中央ブロック26が区画されている。中央ブロック26は、タイヤ周方向に等間隔に配置されたブロック列を構成しており、本実施形態では一例として、中央周方向主溝14を挟んで2列のブロック列が配置されており、各ブロック列の中央ブロック26がタイヤ周方向に沿って互い違いに配置されている。
中央ブロック26のタイヤ軸方向内側のブロック壁は、トレッド平面視でタイヤ軸方向内側へ凸状に形成されて鋭角部を形成しており、この鋭角部の先端は赤道面を越えて反対側へ入り込んでいる。また、タイヤ軸方向外側のブロック壁は、トレッド平面視でV字形状に凹んで中央ブロック26に隅部Pが形成されており、中央ブロック26はトレッド上面視で略矢羽形状とされている。また、中央ブロック26は、トレッド平面視でタイヤ軸方向外側に2つの鋭角部26A、26Bを備えている。
鋭角部26Aは、中央ブロック26のタイヤ軸方向外側のブロック壁と、中央ブロック26の図中下辺側のブロック壁と、隅部Pを通りタイヤ周方向に沿った直線とで囲まれた領域に形成され、中央ブロック26のタイヤ回転方向A側の端部に形成され路面と先に接触する。また、鋭角部26Bは、中央ブロック26のタイヤ軸方向外側のブロック壁と、中央ブロック26の図中上辺側のブロック壁と、隅部Pを通ってタイヤ周方向に沿った直線とで囲まれた領域に形成され、中央ブロック26のタイヤ回転方向Aとは反対側の端部に形成され路面と最後に接触する。
中央ブロック26のタイヤ軸方向外側のブロック壁には、第2嵩上げ部28が設けられている。第2嵩上げ部28は、トレッド平面視でタイヤ軸方向外側のブロック壁に沿って一定の幅で形成されており、鋭角部26Aを及び鋭角部26Bを形成する中央ブロック26のブロック壁は、第1嵩上げ部及び第2嵩上げ部28により補強されている。なお、ここでいう嵩上げ部とは、鋭角部26A、26Bを形成するブロック壁に面した溝の溝底の一部又は全部が底上げされ溝深さが浅くなった部位のことである。
詳細には、図2に示すように、鋭角部26Aの踏み込み端26A1側には中央ラグ溝22の溝底22A全体が嵩上げされた第1嵩上げ部が設けられ、蹴り出し端26A2側には外側周方向主溝16の一部を嵩上げして第2嵩上げ部28が設けられている。一方、鋭角部26Bの踏み込み端26B1側には第2嵩上げ部28が設けられ、蹴り出し端26B2側には中央ラグ溝22の溝底22A全体が嵩上げされた第1嵩上げ部が設けられている。
ここで、図1に示す中央周方向主溝14、外側周方向主溝16、及び外側ラグ溝18の溝深さは、同じ溝深さH1であり、本実施形態では一例として、タイヤ10に適正内圧で空気が充填された状態で溝深さH1は13mmとなっている。また、中央ラグ溝22の溝断面形状は略矩形状に形成されており、外側周方向主溝16から中央ラグ溝22の溝底22A(第1嵩上げ部)までの嵩上げ高さH2は1.5mmとなっている。さらに、外側周方向主溝16の溝底から第2嵩上げ部28の表面までの嵩上げ高さH3は、嵩上げ高さH2より高く、5.0mmとなっている。
なお、本実施形態では、嵩上げ高さH2(=2mm)は、嵩上げ高さH3(=5.0mm)の0.4倍の高さとなっているが、嵩上げ高さH2より嵩上げ高さH3の方が高ければ、それぞれの嵩上げ高さH2、H3は制限しない。例えば、第1嵩上げ部22Aの嵩上げ高さH2を1mmとし、第2嵩上げ部28の嵩上げ高さH3を2mmとしてもよい。
ここで、第1嵩上げ部22Aの嵩上げ高さH2が第2嵩上げ部28の嵩上げ高さH3の0.2倍の高さより低い場合、第1嵩上げ部22Aによるブロック壁の補強の効果が低下し、第1嵩上げ部22Aの嵩上げ高さH2が第2嵩上げ部28の嵩上げ高さH3の0.6倍の高さより高い場合、溝の断面積が減少して排水性が低下するので、第1嵩上げ部22Aの嵩上げ高さH2は、第2嵩上げ部28の嵩上げ高さH3の0.2〜0.6倍の高さに設定するのが好ましい。
また、本実施形態の第1嵩上げ部22Aは、図2に示すように断面視で矩形状に形成されており、第1嵩上げ部22Aの表面は外側周方向溝16と略平行に形成されているが、これに限らず、外側周方向溝16から中央ブロック26のブロック壁に向かって傾斜した第1嵩上げ部を形成してもよい。これは第2嵩上げ部28についても同様である。
さらに、中央ブロック26の縦幅(タイヤ周方向に沿った長さ)は、タイヤ軸方向外側からタイヤ軸方向内側へ向かって徐々に挟幅となっているが、これに限らず、タイヤ軸方向外側からタイヤ軸方向内側へ向かって徐々に広幅となるように形成してもよい。
また、本実施形態では、中央ブロック26のタイヤ軸方向外側の鋭角部26A、26Bを形成するブロックへ壁を第1嵩上げ部22Aと第2嵩上げ部28とで補強しているが、これに限らず、タイヤ軸方向内側に突出した鋭角部についても同様に第1嵩上げ部22Aと第2嵩上げ部28とで補強してもよい。この場合、中央ブロック26のタイヤ軸方向内側の鋭角部は、タイヤ軸方向外側の鋭角部26A、26Bより摩耗しにくいので、第1嵩上げ部22Aや第2嵩上げ部28より嵩上げ高さを低くして、排水性を確保するのが好ましい。
(作用)
次に、本実施形態に係るタイヤ10の作用について説明する。本実施形態のタイヤ10は、図1に示すように、トレッド平面視で中央ブロック26のタイヤ軸方向外側に鋭角部26A、26Bを備えている。これにより、雪(氷)上走行時に鋭角部26A、26Bが雪(氷)に食い込んで雪上(氷上)の走行性能を確保できる。
また、本実施形態の鋭角部26A、26Bは、中央ブロック26の他の部位と同じ高さで形成されているので、鋭角部26A、26Bが面取りされた場合と比較して、鋭角部26A、26Bのエッジ圧が高くなり、雪(氷)に食い込み易くなるので、雪上(氷上)の走行性能を向上できる。
さらに、トレッド部12には、タイヤ周方向に延びる中央周方向主溝14及び外側周方向主溝16が形成されており、これらの周方向主溝を通って路面上の水や雪(氷)の融解水が排水されるので、排水性を確保できる。
また、鋭角部26A、26Bを形成する中央ブロック26のブロック壁には第1嵩上げ部22A、及び第2嵩上げ部28が設けられているので、ブロック壁が補強されタイヤ接地時に鋭角部26A、26Bが変形するのを抑制できる。
ここで、走行時に先に路面と接地する鋭角部26Aより、最後に路面と接地する鋭角部26Bに作用するせん断歪の方が大きく、特に蹴り出し時に鋭角部26Bの蹴り出し端26B2が摩耗してヒールアンドトウ摩耗などの偏摩耗が発生することがある。
上記の課題に対して、図2に示されるように、本実施形態のタイヤ10では、鋭角部26Bの蹴り出し端26B2側の第1嵩上げ部22Aより踏み込み端26B1側の第2嵩上げ部28の方が嵩上げ高が高いので、蹴り出し時に鋭角部にせん断歪が作用してタイヤの回転方側(踏み込み端側)へ倒れ込むのを抑制できる。これにより、蹴り出し端26B2側の摩耗量を低減してヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。
また、第1嵩上げ部22Aの嵩上げ高さH2を第2嵩上げ部28の嵩上げ高さH3の0.2〜0.6倍の高さに設定すれば、上述した作用が顕著となる。この点について、図を参照して以下に説明する。
なお、以下の説明では、溝深さH1を13mmで固定して、第1嵩上げ部22Aの嵩上げ高H2と第2嵩上げ部の嵩上げ高H3を変化させた以下の4種類のタイヤの鋭角部に作用するせん断歪について説明する。
1.比較例1のタイヤ30(H2=0mm、H3=0mm)
図3に示すように、路面100上を転動しているタイヤ30の回転軸に近い部位の回転速度より回転軸から遠い部位の回転速度の方が速いため、蹴り出し時の鋭角部36Bにせん断歪が作用する。ここで、タイヤ30の中央ラグ溝32と外側周方向主溝34は嵩上げされていないので、鋭角部36Bがタイヤ30の回転方向A側(踏み込み端36B1側)へ倒れ込むようにせん断変形する。このため、鋭角部36Bの蹴り出し端36B2側の摩耗量が多くなり、ヒールアンドトウ摩耗が発生し易い状態となる。なお、図3では、タイヤ30の変形状態を誇張して描いているため、踏み込み端36B1が路面100から浮き上がっているが、踏み込み端36B1が路面100に接地している状態であっても、踏み込み端36B1より蹴り出し端36B2に作用するせん断歪の方が大きいので、ヒールアンドトウ摩耗が発生し易い状態となる。
2.比較例2のタイヤ40(H2=0mm、H3=5.0mm)
図4に示すように、タイヤ40の鋭角部46Bの蹴り出し端46B2側の中央ラグ溝42は嵩上げされておらず、鋭角部46Bの踏み込み端46B1側の外側周方向主溝44は嵩上げされて第2嵩上げ部48が設けられている。ここで、図3のタイヤ30と同様に、蹴り出し時の鋭角部36Bにせん断歪が作用するが、一方で第2嵩上げ部48により鋭角部46Bがタイヤ40の回転方向A側(踏み込み端46B1側)へ倒れ込むのを抑制している。これにより、図中2点鎖線で描いたタイヤ30の鋭角部36Bと比較して、蹴り出し端46B2に作用するせん断歪が小さくなる。
3.実施例1のタイヤ10(H2=1.5mm、H3=5.0mm)
図5に示すように、タイヤ10には、中央ラグ溝22の溝底22Aが嵩上げされ第1嵩上げ部とされている。また、外側周方向主溝16を嵩上げして第2嵩上げ部28が設けられている。ここで、第1嵩上げ部22Aの嵩上げ高さH2は、第2嵩上げ部28の嵩上げ高さH3の0.3倍の高さとなっている。このとき、図4のタイヤ40と同様に、タイヤ10の第2嵩上げ部28により鋭角部26Bがタイヤ10の回転方向A側へ倒れこむのを抑制する。また、第1嵩上げ部22Aにより鋭角部26Bが蹴り出し端26B2側へ膨らむように変形するのも抑制する。これにより、図中2点鎖線で描いたタイヤ30の鋭角部36B、及び図4のタイヤ40と比較して、蹴り出し端26B2に作用するせん断歪が小さくなる。
4.実施例2のタイヤ50(H2=3.0mm、H3=5.0mm)
タイヤ50の第1嵩上げ部52の嵩上げ高さH2は、第2嵩上げ部54の嵩上げ高さH3の0.6倍の高さとなっている。このとき、図6に示すように、鋭角部56Bの踏み込み端56B1側は、図5のタイヤ10の鋭角部26Bとほとんど変わらない。一方、第1嵩上げ部52の嵩上げ高が高くなったことで、鋭角部26Bの全高が低くなり、車重を受けた鋭角部56Bの蹴り出し端56B2のブロック壁が膨らむように変形する。これにより、図中2点鎖線で示した図5のタイヤ10の鋭角部26Bと比較して、蹴り出し端56B2に作用するせん断歪が大きくなる。
また、第1嵩上げ部52の嵩上げ高さH2を3.0mm以上の高さにすると、第1嵩上げ部52がトレッド表面に露出するまでに許容されるタイヤ10の摩耗量が減少するので、第1嵩上げ部52の嵩上げ高さH2は、第2嵩上げ部54の嵩上げ高さH3の0.2倍より高く0.6倍より低くするのが好ましい。
なお、本実施形態の鋭角部26A、26Bは、中央ブロック26と同じ高さで形成されていたが、これに限らず、面取りされていてもよい。なお、ここでいう面取りとは、鋭角部26A、26Bの高さが先端に向かって漸減していれば特に形状は特定せず、例えば、R形状に面取りしてもよい。ただし、面取りを設けた場合には、鋭角部のエッジ圧が低くなり鋭角部が雪(氷)に食い込みにくくなるので、雪上(氷上)の走行性能は面取りを設けた場合と比較すると小さくなくなる。
また、本実施形態の第2嵩上げ部28は、中央ブロック26のタイヤ軸方向外側のブロック壁のみに設けられていたが、これに限らず、外側周方向主溝16と中央ラグ溝22の境界部分にも第2嵩上げ部28を設けて、第2嵩上げ部28をタイヤ周方向に連続して形成してもよい。この場合、第2嵩上げ部28による鋭角部26A、26Bのブロック壁の補強効果を高めることができる。
(試験例)
本実施形態に係るタイヤ10の効果を確認するため、上述した実施例1のタイヤ10、実施例2のタイヤ50、及び比較例2のタイヤ40を含む計4種類のタイヤを用意して試験を実施した。以下に試験に用いた実施例のタイヤ及び比較例のタイヤについて説明する。なお、試験に用いたタイヤは、トラックバス用のタイヤであり、サイズは275/70R22.5で、内圧が200kPaのものである。また、溝深さH1は13mmで固定し、第2嵩上げ部28の嵩上げ高H3は5.0mmで固定した。また、以下の比較例3は、比較例2と同様の構造のタイヤを用いた。
比較例2:H2=0mm、H3=5.0mm(H2/H3=0)
比較例3:H2=5.0mm、H3=5.0mm(H2/H3=1.0)
試験内容:特許第4198610号に開示された接地部測定装置を用いて、各タイヤの鋭角部26Bに作用するせん断力を測定した。具体的には、上記の各タイヤを路面に接地させ、路面に埋め込まれた測定装置上を転動させて、ビデオカメラによる撮影及び圧力センサーによる圧力測定の結果に基づいて鋭角部26Bの蹴り出し端26B2に作用する制動方向のせん断力を算出した。図7は、各タイヤの鋭角部26Bの蹴り出し端26B2に作用する制動方向のせん断力をグラフにプロットして結んだものであり、蹴り出し端26B2に作用する制動方向のせん断力が小さいほど、ヒールアンドトウ摩耗が発生しにくくなる。
図7に示すように、嵩上げ高H2が2mm以下の領域では、嵩上げ高H2を高くするほど鋭角部26Bの蹴り出し端26B2に作用するせん断力が小さくなっている。これは、第1嵩上げ部22Aによる鋭角部26Bの蹴り出し端26B2側のブロック壁が補強されたことにより、ブロック剛性が高められ鋭角部26Bの変形が抑制されたためであると考えられる。
次に、嵩上げ高H2が2.0mmから3.0mmの間の領域では、蹴り出し端26B2に作用するせん断力が僅かに大きくなっている。これは、鋭角部26Bの蹴り出し端26B2側のブロック壁が補強される作用に対して、鋭角部26Bの全高が低くなり蹴り出し端26B2が膨らむように変形する(図6参照)作用の方が大きくなるためであると考えられる。
嵩上げ高H2が3.0mmより高い領域では、嵩上げ高H2を高くするほどせん断力が小さくなっている。これは、鋭角部26Bの全高が低くなることで、鋭角部26B全体が変形しにくくなったためであると考えられる。
ただし、嵩上げ高さH2を3.0mmより高くすると、中央ラグ溝22がトレッド表面に露出するまでに許容されるタイヤ10の摩耗量が減少し、また、トレッド表面から第1嵩上げ部22Aまでの溝深さが浅くなった分だけ排水性が低下するため、嵩上げ高さH2は3.0mmより低くしたい。一方、ヒールアンドトウ摩耗を抑制するため、蹴り出し端26B2に作用するせん断力は、図7の嵩上げ高さH2=3mmの場合のせん断力より小さくしたい。以上により、第2嵩上げ部28の嵩上げ高H3が5.0mmの場合、第1嵩上げ部22Aの嵩上げ高さH2は、1.0mmから3.0mmの範囲に設定するのが好ましい。すなわち、第2嵩上げ部28の嵩上げ高さH3の0.2倍より高く、0.6倍より低い高さとするのが好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るタイヤ60について説明する。図8に示すように、本実施形態に係るタイヤ60のトレッドパターンは、赤道線CLに対して線対称に構成されており、トレッド部62のタイヤ軸方向中央部には、赤道線CLに沿って直線状に延びる中央周方向主溝64が形成されている。
中央周方向主溝64のタイヤ軸方向の両側には、中央周方向主溝64と間隔を空けて外側周方向主溝66が形成されている。外側周方向主溝66は、タイヤ周方向に沿って延びておりジグザグ状に形成されている。
また、外側周方向主溝66には、タイヤ軸方向外側から斜めに延びる外側ラグ溝68、及びタイヤ軸方向内側から斜めに延びる中央ラグ溝72が接続されており、トレッド部62のタイヤ軸方向両端部は、外側周方向主溝66と外側ラグ溝68とで四角形状のショルダーブロック70が区画されている。
また、トレッド部62のタイヤ軸方向中央部は、中央ラグ溝72、中央周方向主溝64、及び外側周方向主溝66により、中央ブロック74が区画されている。中央ブロック74は、トレッド平面視でタイヤ軸方向外側に鋭角部74Aを備えており、鋭角部74Aは、中央ブロック74の図中上端部に形成され路面と最後に接する部位となる。
ここで、図9に示すように、中央ラグ溝72の溝底72Aは、外側周方向主溝66よりも嵩上げされ、第1嵩上げ部とされている。また、中央ブロック74のタイヤ軸方向外側のブロック壁には、外側周方向主溝66の一部を嵩上げして第1嵩上げ部72Aより嵩上げ高が高い第2嵩上げ部78が設けられている。これにより、鋭角部74Aの踏み込み端74A1側のブロック壁は第2嵩上げ部78で補強され、鋭角部74Aの蹴り出し端74A2側のブロック壁は第1嵩上げ部72Aで補強されている。
本実施形態のタイヤ60によれば、雪(氷)上走行時に鋭角部74Aが雪(氷)に食い込んで雪(氷)上の走行性能を確保できる。また、第1嵩上げ部72A及び第2嵩上げ部78によりタイヤ接地時に鋭角部74Aが変形するのを抑制し、ヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。さらに、第1嵩上げ部72Aより第2嵩上げ部78の嵩上げ高を高くすることで、鋭角部74Aの蹴り出し時に踏み込み端74A1側が路面から浮き上がるのを抑制できる。
なお、本実施形態のタイヤ60の中央周方向主溝64は、赤道線CLに沿って直線状に形成されているが、これに限らず、赤道線CLに沿って中央周方向主溝64の溝幅を周期的に変化させてもよい。
以上、本発明の第1、2の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、図1の中央ブロック26には、鋭角部26A、26Bが設けられているが、これとは別にタイヤ周方向側にも鋭角部を設けてもよい。
10、60 タイヤ
12、62 トレッド部
14、64 中央周方向主溝(周方向溝)
16、66 外側周方向主溝(周方向溝)
18、68 外側ラグ溝
20、70 ショルダーブロック
22、72 中央ラグ溝(ラグ溝)
22A、72A 溝底(第1嵩上げ部)
26、74 中央ブロック(ブロック)
26A、74A、26B 鋭角部
26A1、26B1、74A1 踏み込み端
26A2、26B2、74A2 蹴り出し端
28、78 第2嵩上げ部
TW タイヤ軸方向

Claims (5)

  1. トレッド部にタイヤ周方向にジグザグ状に延びる複数の周方向溝とタイヤ軸方向に延びる複数のラグ溝とで区画され、前記ラグ溝に面する蹴り出し側のブロック壁と前記周方向溝に面する踏み込み側のブロック壁とで構成された鋭角部を備えたブロックと、
    前記蹴り出し側のブロック壁に隣接して設けられると共に前記鋭角部の先端から前記蹴り出し側のブロック壁に沿って延び、前記周方向溝の溝底、及び前記ラグ溝の溝底よりも高く前記ブロックの最大高さよりも低い第1嵩上げ部と、
    前記踏み込み側のブロック壁に隣接して設けられ、前記ブロックの最大高さよりも低く、かつ前記第1嵩上げ部より嵩上げ高が高い第2嵩上げ部と、
    を有し、
    前記鋭角部が、前記ブロックの他の部位と同じ高さで形成されている、空気入りタイヤ。
  2. 前記第1嵩上げ部は、前記ラグ溝の溝底全体を前記周方向溝よりも嵩上げして形成され、
    前記第2嵩上げ部は、前記周方向溝の一部を嵩上げして形成されている請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1嵩上げ部及び前記第2嵩上げ部は、前記ブロックのタイヤ軸方向外側の前記鋭角部を形成するブロック壁を補強している請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 空気が充填された状態において、前記周方向溝の溝底から前記第1嵩上げ部の表面までの高さは、前記周方向溝の溝底から前記第2嵩上げ部の表面までの高さの0.2倍より高く、0.6倍より低い高さとなっている請求項2または請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ブロックの前記ラグ溝に面したブロック壁は、トレッド平面視でタイヤ軸方向に対して傾斜している請求項2〜4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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