JP6021526B2 - 冷却水供給システムおよびこれを備えたバイナリ発電装置 - Google Patents
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Description
本発明のバイナリ発電装置は、生成井から導かれる高温高圧の地熱水を蒸気と熱水に分離するセパレータと、前記セパレータにて分離された前記蒸気と熱交換されて熱媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器にて蒸発した前記熱媒体の蒸気により駆動される蒸気タービンと、前記蒸気タービンに駆動されて発電する発電機と、冷却水と熱交換することによって、前記蒸気タービンから導かれた前記熱媒体を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器に供給する前記冷却水を冷却する冷却塔と、前記冷却塔に冷却水を供給する貯留部と、を備え、前記冷却水として、前記生成井から導かれた地熱水が用いられることを特徴とする。
なお、熱水に不純物(例えばシリカ等)が含まれている場合には、薬剤によりpHを調整して冷却水として用いることが好ましい。
熱水の一部を抜き出して冷却水として用いているため、設備をより簡便な構造とすることができる。
水源が乏しい地帯(例えば山岳地帯)に設置された地熱発電装置でも水冷式の冷却塔を設けることができる。空冷式の冷却塔のような多くの冷却ファンを必要としないため、冷却ファンを駆動する消費電力を少なくすることができる。また、冷却塔で蒸発してしまう冷却水をセパレータで分離された蒸気により補うことができる。これにより、水源が乏しい地帯に設置された地熱発電でも水冷式の冷却塔を設置することができるので、設備の冷却効率を向上させることができる。
図1には、本発明の第1実施形態に係る冷却水供給システムおよびこれを備えたバイナリ発電装置の概略構成が示されている。本実施形態は、地熱を利用して作動流体(例えば炭化水素系の可燃性物質)を加熱し、この作動流体の蒸気によりタービンを駆動回転することで発電を行うバイナリ発電装置である。
生成井1より噴出した地熱源(例えば蒸気及び/又は熱水)は、地熱源配管2を介してセパレータ3へと供給される。セパレータには、高温蒸気配管4および高温熱水配管5が設けられている。セパレータ3により、地熱源は、高温の蒸気と、高温の熱水に分離される。分離された高温の蒸気は、高温蒸気配管4内を流れ、蒸発器7内の作動流体を加熱するために用いられる。さらに、蒸発器7内の作動流体を加熱した後に、熱交換器33(第二予熱器)に通されて、作動流体を加熱させる。熱交換器33を出た蒸気は、高温蒸気配管4を介して貯留部11(例えばタンク)へと供給される。
セパレータ3で分離された蒸気は、蒸発器7を通って貯留部11へと送られる。貯留部
11(例えばタンク)で自然冷却された蒸気は、液体(蒸気ドレン)となって、冷却塔20の冷却水として用いられる。これにより、水源が乏しい地帯(例えば山岳地帯)に設置された地熱発電において水冷式の冷却塔20とすることができる。
次に、本発明の第1実施形態の変形例について、図2を用いて説明する。
本変形例は、第1実施形態に示した高温蒸気配管4を分岐させて貯留部11へ供給するようになっている。したがって、第1実施形態と同様の構成には同一符号を付しその説明を省略する。
図2に示されているように、蒸発器7には、高温蒸気配管4が接続され、高温蒸気配管4の他端は、高温熱水配管5と合流部5aで合流される。高圧蒸気配管4aは、合流部5aの上流側で、高温蒸気配管4から分岐されて設けられている。
次に、本発明の第2実施形態について、図3を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態の変形例に示した高温蒸気配管4を分岐させた高圧蒸気配管4aが熱交換器を通らずに貯留部11へ供給するようになっている。したがって、第1実施形態の変形例と同様の構成には同一符号を付しその説明を省略する。
図3に示されているように、冷却水として、蒸発器7から導かれた蒸気が用いられ、蒸気が貯留部11へと導かれる供給路4bに流量調整弁10aと減圧弁30が設けられている。
次に、本発明の第3実施形態について、図4を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態の変形例に示した高圧蒸気配管4aを設けない構成として、高温熱水配管5から抜き出した熱水を貯留部11へ供給するようになっている。したがって、第1実施形態の変形例と同様の構成には同一符号を付しその説明を省略する。
図4に示されているように、蒸気を生成する蒸発器7から排出された蒸気が還元井6へ戻される高温熱水配管5から分岐される高温熱水管5bと、熱水の流量を調整する調節弁10bが設けられている。
次に、本発明の第4実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、第3実施形態に示した還元井6へと熱水を返送する高温熱水配管5にフラッシャー50を設けることとした。したがって、第3実施形態の変形例と同様の構成には同一符号を付しその説明を省略する。
図5に示されているように、高温熱水配管5には、返送熱水を蒸気と熱水に分離するフラッシャー50が設けられている。
2 地熱源配管
3 セパレータ
4 高温蒸気配管
5 高温熱水配管
5a 合流部
6 還元井
7 蒸発器
8 高温作動流体配管
9 蒸気タービン
9a 発電機
11 貯留部
15 タービン排気配管
16 凝縮器
17 冷却水供給配管
18 冷却水返送配管
19 冷却水ポンプ
20 冷却塔
20a 冷却塔
21 低温の作動流体配管
22 低温の作動流体移送ポンプ
23 予熱器
33 第2予熱器
50 フラッシャー
Claims (8)
- 生成井から導かれる高温高圧の地熱水を蒸気と熱水に分離するセパレータと、
前記セパレータにて分離された前記蒸気と熱交換されて熱媒体を蒸発させる蒸発器と、
前記蒸発器にて蒸発した前記熱媒体の蒸気により駆動される蒸気タービンと、
前記蒸気タービンに駆動されて発電する発電機と、
冷却水と熱交換することによって、前記蒸気タービンから導かれた前記熱媒体を凝縮させる凝縮器と、
前記凝縮器に供給する前記冷却水を冷却する冷却塔と、
前記冷却塔に冷却水を供給する貯留部と、を備え、
前記冷却水として、前記生成井から導かれた地熱水が用いられることを特徴とするバイナリ発電装置。 - 前記冷却水として、前記セパレータで分離された前記蒸気が用いられることを特徴とする請求項1に記載のバイナリ発電装置。
- 前記蒸発器から導かれた前記熱水によって、前記凝縮器から導かれた前記熱媒体を予熱する予熱器が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のバイナリ発電装置。
- 前記冷却水として、前記蒸発器から導かれた蒸気が用いられ、
該蒸気が前記貯留部へと導かれる供給路に減圧弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバイナリ発電装置。 - 前記冷却水として、還元井へと熱水を返送する熱水管から分岐された返送熱水が用いられることを特徴とする請求項1に記載のバイナリ発電装置。
- 前記熱水管には、前記返送熱水を蒸気と液体に分離するフラッシャーが設けられ、
前記冷却水として、前記フラッシャーで分離された蒸気が用いられることを特徴とする請求項5に記載のバイナリ発電装置。 - 前記貯留部は、前記冷却塔よりも高い位置に設置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のバイナリ発電装置。
- 冷却水が供給される熱媒体を有した設備と、
前記設備に供給する前記冷却水を冷却する冷却塔と、
蒸気を生成する蒸発器から排出された蒸気が還元井へ戻される熱水管と、を備え、
前記冷却水は、前記還元井へ返送される前記熱水管から分岐された前記蒸気が用いられることを特徴とする冷却水供給システム。
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