JP6020372B2 - 排気浄化装置の異常診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気通路に配置される排気浄化装置の異常を診断する技術に関する。
選択還元型触媒を含む排気浄化装置の異常を診断する方法として、NO浄化率(排気浄化装置へ流入したNOの量に対して排気浄化装置により浄化されたNOの量の割合)と閾値とを比較する方法が知られている。このような方法において、排気浄化装置の温度別に閾値を定めておき、NO浄化率が求められたときの温度に対応した閾値を用いる方法も提案されている。さらに、排気浄化装置の温度別の運転時間に基づいて補正係数を求め、NO浄化率が演算されたときの温度に対応した補正係数を用いて閾値を補正する方法も提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。
特開2006−037770号公報 特開平10−311213号公報 米国特許第8245567号明細書
ところで、NO浄化率は、正常時と異常時とにおいて相違する特性を示す場合がある。そのため、正常時又は異常時の何れか一方の特性に則って閾値が設定されると、診断精度の低下を招く可能性がある。
本発明は、上記したような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気浄化装置の異常診断装置において、診断精度の低下を抑制することにある。
本発明は、上記した課題を解決するために、以下のような手段を採用した。すなわち、本発明は、内燃機関の排気通路に配置された排気浄化装置と、
前記排気浄化装置から流出する排気に含まれる特定成分の量を測定する測定手段と、
前記測定手段の測定値を使用して、前記排気浄化装置の浄化性能に相関する数値である性能値を演算する演算手段と、
前記演算手段により算出された性能値と閾値を比較して前記排気浄化装置の異常を診断する診断手段と、
を備えた排気浄化装置の異常診断装置において、
前記性能値と該性能値に影響する環境パラメータとの相関関係を示すデータである浄化特性を記憶する手段であって、前記排気浄化装置が正常であるときの浄化特性である正常時特性と前記排気浄化装置が異常であるときの浄化特性である異常時特性との中間の浄化特性である中間特性を記憶する第一記憶手段と、
前記中間特性における特定の環境パラメータの値に対応した性能値を規定値として記憶する第二記憶手段と、
前記中間特性における性能値が前記規定値に等しい一定値となるように前記中間特性を補正するための補正係数である第一補正係数を取得する第一取得手段と、
前記正常時特性及び前記異常時特性を前記第一補正係数により補正して得られる二つの浄化特性に基づいて、前記閾値を設定する設定手段と、
前記測定手段が前記特定成分の量を測定した際の前記環境パラメータの値を取得する第二取得手段と、
前記第二取得手段により取得された環境パラメータの値に対応した性能値を前記中間特性から導出し、導出された性能値に対する前記規定値の比を第二補正係数として取得する第三取得手段と、
を更に備え、
前記診断手段は、前記演算手段により算出された性能値と前記第二補正係数とを乗算することにより前記性能値を補正し、補正後の性能値と前記設定手段により設定された閾値とを比較することにより前記排気浄化装置の異常を診断するようにした。
このように構成された排気浄化装置の異常診断装置によれば、排気浄化装置の正常時特性と異常時特性との中間特性に基づいて閾値が設定されることになる。そのため、排気浄化装置の正常時特性又は異常時特性の何れか一方の浄化特性に基づいて閾値が設定される場合に比べ、異常診断の精度を高めることができる。特に、正常時特性と異常時特性が異なる傾向を示す場合の異常診断精度を高めることができる。
また、演算手段により算出された性能値が中間特性と規定値との比である第二補正係数によって補正され、補正後の性能値と閾値を比較して排気浄化装置の異常診断が行われることにより、環境パラメータの影響による診断精度の低下を抑制することもできる。
ところで、測定手段の測定値には誤差が含まれる場合がある。よって、中間特性や閾値を定める際に使用される正常時特性と異常時特性は、測定手段の測定誤差を加味した浄化特性であってもよい。たとえば、正常時特性は、測定手段の測定誤差の範囲内で性能値が取り得る最小値と環境パラメータとの相関関係を示すデータであってもよい。一方、異常時特性は、測定手段の測定誤差の範囲内で性能値が取り得る最大値と環境パラメータとの相関関係を示すデータであってもよい。このように正常時特性及び異常時特性が定められると、測定手段の測定値に誤差が含まれている場合であっても、正確な異常診断を行うことが可能になる。
本発明の排気浄化装置の異常診断装置は、選択還元型触媒を含む排気浄化装置の異常を診断する場合に好適である。その場合の測定手段としては、排気に含まれるNOの量を測定するNOセンサを用いることができる。また、演算手段が演算する性能値としては、NO浄化率(選択還元型触媒へ流入するNOの量に対して選択還元型触媒により浄化されたNOの量の比)や、NO浄化量(選択還元型触媒により浄化されたNOの量)を用いることができる。選択還元型触媒のNO浄化性能に影響する環境パラメータとしては、選択還元型触媒の温度、選択還元型触媒へ流入する排気のNO比率(排気中のNOにおいてNOが占める割合)、選択還元型触媒へ流入するNOの量等を用いることができる。特に、選択還元型触媒の温度は選択還元型触媒のNO浄化性能に与える影響が大きいため、少なくとも選択還元型触媒の温度が環境パラメータとして用いられることが好ましい。
本発明によれば、内燃機関の排気通路に配置された排気浄化装置の異常を診断する排気浄化装置の異常診断装置において、診断精度の低下を抑制することができる。
本発明を適用する内燃機関とその排気系の概略構成を示す図である。 正常時特性と異常時特性との中間特性、及び規定値の設定方法を示す図である。 第一補正係数を用いて中間特性を補正する方法を示す図である。 第一補正係数を用いて正常時特性と異常時特性を補正する方法、及び閾値の設定方法を示す図である。 NOセンサの測定誤差を加味して正常時特性と異常時特性の中間特性を設定する例を示す図である。 図5に示す正常時特性及び異常時特性を第一補正係数により補正した例を示す図である。 異常診断処理が実施される際にECUによって実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。 添加弁又はポンプに異常が発生した場合の異常時特性を示す図である。 SCR触媒のNO浄化性能が劣化した場合の異常時特性を示す図である。 環境パラメータとしてNO比率を用いた場合における中間特性の設定方法を示す図である。 図10に示す正常時特性及び異常時特性を第一補正係数により補正した例を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、相対配置等は、特に記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明を適用する内燃機関とその排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、圧縮着火式の内燃機関(ディーゼルエンジン)又は希薄燃焼(リーンバーン運転)可能な火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)である。
内燃機関1には、排気通路2が接続されている。排気通路2は、内燃機関1の気筒内から排出される既燃ガス(排気)を流通させるための通路である。排気通路2の途中には、第一触媒ケーシング3と第二触媒ケーシング4が上流側から直列に配置されている。
第一触媒ケーシング3は、たとえば、筒状のケーシング内に酸化触媒とパティキュレートフィルタを内装している。その際、酸化触媒は、パティキュレートフィルタの上流に配置される触媒担体に担持されてもよく、或いはパティキュレートフィルタに担持されてもよい。
第二触媒ケーシング4は、筒状のケーシング内に、選択還元型触媒(SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒)が担持された触媒担体を収容する。前記触媒担体は、た
とえば、コーディライトやFe−Cr−Al系の耐熱鋼等から形成されるハニカム形状の横断面を有するモノリスタイプの基材に、アルミナ系又はゼオライト系の活性成分(担体)をコーティングしたものである。なお、第二触媒ケーシング4におけるSCR触媒の下流には、酸化触媒が担持された触媒担体が配置されてもよい。その場合の酸化触媒は、後述する添加弁5からSCR触媒へ供給される添加剤のうち、SCR触媒をすり抜けた添加剤を酸化する触媒である。
第一触媒ケーシング3と第二触媒ケーシング4との間の排気通路2には、アンモニア(NH)又はNHの前駆体である添加剤を排気中へ添加(噴射)するための添加弁5が配置されている。添加弁5は、ニードルの移動により開閉される噴孔を有する弁装置である。添加弁5は、ポンプ50を介して添加剤タンク51に接続されている。ポンプ50は、添加剤タンク51に貯留されている添加剤を吸引するとともに、吸引された添加剤を添加弁5へ圧送する。添加弁5は、ポンプ50から圧送されてくる添加剤を排気通路2内へ噴射する。なお、添加弁5の開閉タイミングやポンプ50の吐出圧力は、電子制御ユニット(ECU)9によって電気的に制御されるようになっている。
ここで、添加剤タンク51に貯留される添加剤としては、NHガス、又は尿素やカルバミン酸アンモニウム等の水溶液である。本実施例では、当該添加剤として尿素水溶液を用いるものとする。
添加弁5から尿素水溶液が噴射されると、該尿素水溶液が排気とともに第二触媒ケーシング4へ流入する。その際、尿素水溶液が排気の熱を受けて熱分解され、又はSCR触媒により加水分解される。尿素水溶液が熱分解又は加水分解されると、NHが生成される。このようにして生成されたNHは、SCR触媒に吸着又は吸蔵される。SCR触媒に吸着又は吸蔵されたNHは、排気中に含まれる窒素酸化物(NO)と反応して窒素(N)や水(HO)を生成する。つまり、NHは、NOの還元剤として機能する。
ここで、第二触媒ケーシング4、添加弁5、ポンプ50、及び添加剤タンク51から構成されるSCRシステムは、本発明に係わる排気浄化装置に相当する。
このように構成された内燃機関1には、ECU9が併設されている。ECU9は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等を備えた電子制御ユニットである。ECU9には、第一NOセンサ6、第二NOセンサ7、排気温度センサ8、クランクポジションセンサ10、アクセルポジションセンサ11、及びエアフローメータ12等の各種センサが電気的に接続されている。
第一NOセンサ6は、第一触媒ケーシング3と第二触媒ケーシング4の間の排気通路2に配置され、第二触媒ケーシング4へ流入する排気に含まれるNOの量(以下、「NO流入量」と称する)に相関する電気信号を出力する。第二NOセンサ7は、第二触媒ケーシング4より下流の排気通路2に配置され、第二触媒ケーシング4から流出するNOの量(以下、「NO流出量」と称する)に相関する電気信号を出力する。排気温度センサ8は、第二触媒ケーシング4より下流の排気通路2に配置され、第二触媒ケーシング4から流出する排気の温度と相関する電気信号を出力する。クランクポジションセンサ10は、内燃機関1の出力軸(クランクシャフト)の回転位置に相関する電気信号を出力する。アクセルポジションセンサ11は、アクセルペダルの操作量(アクセル開度)に相関する電気信号を出力する。エアフローメータ12は、内燃機関1に吸入される空気の量(質量)に相関する電気信号を出力する。
ECU9に、内燃機関1に取り付けられた各種機器(たとえば、燃料噴射弁等)、添加弁5、及びポンプ50等と電気的に接続されている。ECU9は、前記した各種センサの出力信号に基づいて、内燃機関1の各種機器、添加弁5、及びポンプ50等を電気的に制御する。たとえば、ECU9は、内燃機関1の燃料噴射制御や添加弁5から間欠的に添加剤を噴射させる添加制御等の既知の制御に加え、SCRシステムの異常を診断する処理(異常診断処理)を実行する。
以下、本実施例における異常診断処理の実行方法について述べる。
まず、ECU9のROMには、SCRシステムが正常であるときの浄化特性(正常時浄化特性)とSCRシステムが異常であるときの浄化特性(異常時浄化特性)との中間の浄化特性(中間特性)が予め記憶されている。
ここでいう浄化特性は、SCR触媒の浄化性能に相関する数値(性能値)と、SCR触媒の浄化性能に影響を与える環境パラメータと、の相関関係を示すデータ(マップ、或いは関数式等)である。性能値は、SCR触媒のNO浄化率(SCR触媒へ流入するNOの量に対してSCR触媒により浄化されたNOの量の比率)や、SCR触媒のNO浄化量(SCR触媒により浄化されたNOの量)等である。
環境パラメータは、SCR触媒の床温、SCR触媒へ流入する排気の流量、SCR触媒へ流入するNOの量、SCR触媒へ流入する排気のNO比率(排気に含まれるNOの量に対して排気に含まれるNOの量の比率)等である。本実施例では、性能値としてNO浄化率を用いる例について説明する。また、上記した環境パラメータのうち、NO浄化率に最も影響し易い環境パラメータはSCR触媒の床温である。よって、環境パラメータとしては、SCR触媒の床温が用いられるものとする。
図2は、中間特性の一例を示す図である。図2中の縦軸はSCR触媒のNO浄化率Enoxを示し、図2中の横軸はSCR触媒の床温を示す。また、図2中の実線は中間特性を示し、一点鎖線は正常時特性を示し、点線は異常時特性を示す。中間特性は、図2に示すように、各床温におけるNO浄化率が正常時特性のNO浄化率より小さく且つ異常時特性のNO浄化率より大きくなるように定められる。このような中間特性を記憶するROMは、本発明に係わる第一記憶手段に相当する。
ECU9のROMは、前記中間特性において特定の床温に対応したNO浄化率を規定値として記憶する。図2に示す例では、床温が特定温度T1であるときのNO浄化率Enox1が規定値として記憶される。特定温度T1は、任意に定められる温度であり、SCR触媒の床温が取り得る温度であれば如何様な温度であってもよい。このような規定値Enox1を記憶するROMは、本発明に係わる第二記憶手段に相当する。
ECU9のROMには、異常診断処理に用いられる閾値が予め記憶されている。ここで、閾値の設定方法について説明する。なお、閾値の設定は、内燃機関1を搭載した車両の出荷前に行われるものとする。
まず、前記中間特性のNO浄化率が前記規定値Enox1に等しい一定値となるように中間特性を補正するための補正係数(第一補正係数)が求められる(第一取得手段)。第一補正係数は、中間特性の各床温に対応するNO浄化率Enoxが規定値Enox1と等しくなるように、各床温のNO浄化率Enoxを補正するための係数であり、床温を引数とする関数式により求めることができる。たとえば、図3に示すように、床温がT2であるときのNO浄化率Enox2は規定値Enox1より小さいため、床温がT2であるときの第一補正係数は“1”より大きい値になる。また、床温がT3であるときのNO浄化率Enox3は規定値Enox1より大きいため、床温がT3であるときの第一補正係数は“1”より小さい値になる。なお、床温が特定温度T1であるときの第一補正係数は“1”になる。
上記した手順により第一補正係数が求められると、該第1補正係数を用いて正常時特性と異常時特性を補正する。図3に示した例では、第一補正係数は、床温がT1より低いときは“1”より大きな値になり、床温がT1より高いときは“1”より小さい値になる。よって、図4に示すように、床温がT1より低い範囲においては、正常時特性のNO浄化率及び異常時特性のNO浄化率が増加補正される。一方、床温がT1より高い範囲においては、正常時特性のNO浄化率及び異常時特性のNO浄化率が減少補正される。ただし、異常時特性のNO浄化率は正常時特性のNO浄化率に比して絶対値が小さいため、異常時特性の補正量は正常時特性の補正量より小さくなる。図4中の実線で示すように正常時特性及び異常時特性が補正されると、補正後正常時特性及び補正後異常時特性に基づいて閾値が設定される(設定手段)。たとえば、補正後正常時特性におけるNO浄化率と補正後異常時特性におけるNO浄化率との差が最も小さくなる床温を特定し、その床温における補正後正常時特性のNO浄化率と補正後異常時特性のNO浄化率との中間値(図4中の一点鎖線)が閾値として設定されてもよい。
ところで、第一NOセンサ6や第二NOセンサ7の測定値には誤差が含まれる場合がある。そこで、図5に示すように、正常時特性は、第一NOセンサ6及び第二NOセンサ7の測定値に含まれる誤差の範囲内で最小のNO浄化率を用いて定められることが望ましい(図5中の「最小の正常時特性」)。一方、異常時特性は、第一NOセンサ6及び第二NOセンサ7の測定値に含まれる誤差の範囲内で最大のNO浄化率を用いて定められることが望ましい(図5中の「最大の異常時特性」)。このように正常時特性及び異常時特性が定められると、正常時特性のNO浄化率と異常時特性のNO浄化率が等しくなる床温(図5中のT0)が存在する場合がある。そのような場合の中間特性は、床温がT0であるときのNO浄化率が正常時特性のNO浄化率(異常時特性のNO浄化率)と等しくなるように定められるものとする。
図5に示したような正常時特性及び異常時特性が第一補正係数により補正されると、補正後の正常時特性のNO浄化率と補正後の異常時特性のNO浄化率は、図6に示すように、床温がT0であるときに規定値Enox1と等しくなる。よって、閾値は、規定値Enox1と等しい値に設定されればよい。
次に、前記した閾値を用いた異常診断処理の実行方法について図7に沿って説明する。図7は、SCRシステムの異常診断処理が実施される際に、ECU9が実行する処理ルーチンを示すフローチャートである。図7に示す処理ルーチンは、ECU9のROMに予め記憶されており、内燃機関1の運転中にECU9(CPU)によって周期的に実行される。
図7の処理ルーチンでは、ECU9は、S101の処理において、異常診断処理の実行条件が成立しているか否かを判別する。異常診断処理の実行条件としては、内燃機関1が暖機完了状態にある、SCR触媒が活性状態にある、第一NOセンサ6及び第二NOセンサ7が活性状態にある、等の条件を例示することができる。S101の処理において否定判定された場合は、ECU9は、本処理ルーチンの実行を一旦終了する。一方、S101の処理において肯定判定された場合は、ECU9は、S102の処理へ進む。
S102の処理では、ECU9は、選択還元型触媒のNO浄化率が安定しているか否かを判別する。具体的には、ECU9は、内燃機関1が加速運転状態や減速運転状態等の過渡運転状態にない場合は、選択還元型触媒のNO浄化率が安定していると判定する。S102の処理において否定判定された場合は、ECU9は、本処理ルーチンの実行を一旦終了する。一方、S102の処理において肯定判定された場合は、ECU9は、S103の処理へ進む。
S103の処理では、ECU9は、第一NOセンサ6の測定値(NO流入量)Anoxin、第二NOセンサ7の測定値(NO流出量)Anoxout、及び排気温度センサ8の測定値(排気温度)Texを読み込む。
S104の処理では、ECU9は、前記S103の処理で読み込まれたNO流入量AnoxinとNO流出量Anoxoutを用いてNO浄化率Enoxを演算する。具体的には、ECU9は、下記の式(1)にNO流入量AnoxinとNO流出量Anoxoutを代入することにより、NO浄化率Enoxを演算する。
Enox=1−(Anoxout/Anoxin)・・・(1)
なお、ECU9がS104の処理を実行することにより、本発明に係わる演算手段が実現される。
S105の処理では、ECU9は、第二補正係数C2を演算する。詳細には、ECU9は、まずROMに記憶されている中間特性においてSCR触媒の床温に対応するNO
化率を導出する。ここでいうSCR触媒の床温は、NO流入量Anoxin及びNO流出量Anoxoutが測定された時点におけるSCR触媒の床温である。なお、SCR触媒の床温は排気温度センサ8の測定値と相関する。よって、ECU9は、前記S103の処理で読み込まれた排気温度Texに対応するNO浄化率を導出する。その場合、ECU9が前記S103の処理を実行することにより、本発明に係わる第二取得手段が実現されることになる。次に、ECU9は、ROMから規定値Enox1を読み出し、中間特性から導出されたNO浄化率に対する規定値Enox1の比(第二補正係数C2)を演算する。なお、ECU9がS105の処理を実行することにより、本発明に係わる第三取得手段が実現される。
S106の処理では、ECU9は、前記S104の処理で算出されたNO浄化率Enoxと前記S105で算出された第二補正係数C2とを乗算することにより、NO浄化率を補正する。
S107の処理では、ECU9は、ROMに記憶されている閾値を読み出し、前記S106の処理で補正されたNO浄化率Enoxが閾値以上であるか否かを判別する。S107の処理において肯定判定された場合は、ECU9は、S108の処理へ進み、SCRシステムが正常であると診断する。一方、S107の処理において否定判定された場合は、ECU9は、S109の処理へ進み、SCRシステムが異常であると診断する。
なお、ECU9がS106乃至S109の処理を実行することにより、本発明に係わる診断手段が実現される。
以上述べた方法によって異常診断処理が実行されると、正常時特性と異常時特性の中間特性に基づいて閾値が設定されるため、正常時特性又は異常時特性の何れか一方に基づいて閾値が設定される場合に比べ異常診断の精度を高めることができる。特に、正常時特性と異常時特性が異なる傾向を示す場合における異常診断の精度を高めることができる。また、NO浄化率Enoxを第二補正係数によって補正し、補正後のNO浄化率Enoxと閾値を比較して異常診断を行うことにより、環境パラメータ(たとえば、SCR触媒の床温)の影響による診断精度の低下を抑制することもできる。さらに、第一NOセンサ6及び第二NOセンサ7の測定誤差を加味して中間特性や閾値を定めることにより、第一NOセンサ6及び第二NOセンサ7の測定誤差による診断精度の低下を抑制することも可能となる。
なお、本実施例の排気浄化装置の異常診断装置によれば、中間特性を任意に設定することにより診断精度を調整することもできる。たとえば、異常時特性より正常時特性に近い浄化特性が中間特性に定められた場合は、異常の診断精度を高めることができる。一方、正常時特性より異常時特性に近い浄化特性が中間特性に定められた場合は、正常の診断精度を高めることができる。また、SCR触媒の床温に応じて中間特性の設定方法を変えることにより、温度域に応じた診断精度を得ることもできる。
ここで、第二触媒ケーシング4におけるSCR触媒の下流に酸化触媒が配置される構成においては、異常の種類によって異常時特性が異なる傾向を示す場合がある。たとえば、添加弁5やポンプ50等の異常によって添加弁5から供給される添加剤の量が目標量より少なくなる場合は、図8に示すように、異常時特性が正常時特性に近似した傾向を示す。これに対し、SCR触媒のNO浄化能力が低下した場合は、図9に示すように、異常時特性のNO浄化率が床温の低い領域において大きくなる。これは、SCR触媒のNO浄化性能が劣化している状態において、SCR触媒及び酸化触媒の温度が低いときに、SCR触媒をすり抜けたNHとNOが酸化触媒によって反応させられることに因ると考えられる。このように各床温に対応したNO浄化率が異常の種類によって異なる値を取
り得る場合は、各床温に対応した複数のNO浄化率のうち最も大きいNO浄化率を使用して異常時特性を設定すればよい。
本実施例では、SCR触媒のNO浄化率に影響する環境パラメータとして、SCR触媒の床温を用いる例について説明したが、SCR触媒へ流入する排気のNO比率、SCR触媒へ流入するNO量(NO流入量)、或いはSCR触媒へ流入する排気の流量を用いてもよい。たとえば、環境パラメータとしてNO比率を用いる場合は、図10に示すように、中間特性を定めてもよい。なお、図10中の縦軸はSCR触媒のNO浄化率Enoxを示し、図10中の横軸はNO比率を示す。また、図10中の実線は中間特性を示し、一点鎖線は正常時特性を示し、点線は異常時特性を示す。中間特性は、図10に示すように、各NO比率におけるNO浄化率が正常時特性のNO浄化率より小さく且つ異常時特性のNO浄化率より大きくなるように定められればよい。その場合、特定のNO比率(図10中のRno2)に対応したNO浄化率(図10中のEnox1)が規定値に定められればよい。そして、中間特性のNO浄化率が規定値Enox1に等しい一定値となるように中間特性を補正するための第一補正係数を求め、その第一補正係数を用いて正常時特性と異常時特性を補正し(図11を参照)、補正後の正常時特性と異常時特性に基づいて閾値を設定すればよい。また、環境パラメータは一つに限られず、二つ以上の環境パラメータが組み合わされてもよい。その場合、環境パラメータの影響による診断精度の低下をより確実に抑制することが可能となる。
1 内燃機関
2 排気通路
3 第一触媒ケーシング
4 第二触媒ケーシング
5 添加弁
6 第一NOセンサ
7 第二NOセンサ
8 排気温度センサ
9 ECU
50 ポンプ
51 添加剤タンク

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に配置された排気浄化装置と、
    前記排気浄化装置から流出する排気に含まれる特定成分の量を測定する測定手段と、
    前記測定手段の測定値を使用して、前記排気浄化装置の浄化性能に相関する数値である性能値を演算する演算手段と、
    前記演算手段により算出された性能値と閾値を比較して前記排気浄化装置の異常を診断する診断手段と、
    を備えた排気浄化装置の異常診断装置において、
    前記性能値と該性能値に影響する環境パラメータとの相関関係を示すデータである浄化特性を記憶する手段であって、前記排気浄化装置が正常であるときの浄化特性である正常時特性と前記排気浄化装置が異常であるときの浄化特性である異常時特性との中間の浄化特性である中間特性を記憶する第一記憶手段と、
    前記中間特性における特定の環境パラメータの値に対応した性能値を規定値として記憶する第二記憶手段と、
    前記中間特性における性能値が前記規定値に等しい一定値となるように前記中間特性を補正するための補正係数である第一補正係数を取得する第一取得手段と、
    前記正常時特性及び前記異常時特性を前記第一補正係数により補正して得られる二つの浄化特性に基づいて、前記閾値を設定する設定手段と、
    前記測定手段が前記特定成分の量を測定した際の前記環境パラメータの値を取得する第二取得手段と、
    前記第二取得手段により取得された環境パラメータの値に対応した性能値を前記中間特性から導出し、導出された性能値に対する前記規定値の比を第二補正係数として取得する第三取得手段と、
    を更に備え、
    前記診断手段は、前記演算手段により算出された性能値と前記第二補正係数とを乗算することにより前記性能値を補正し、補正後の性能値と前記設定手段により設定された閾値とを比較することにより前記排気浄化装置の異常を診断することを特徴とする排気浄化装置の異常診断装置。
  2. 請求項1において、前記正常時特性は、前記測定手段の測定誤差の範囲内で前記性能値が取り得る最小値と前記環境パラメータとの相関関係を示すデータであり、
    前記異常時特性は、前記測定手段の測定誤差の範囲内で前記性能値が取り得る最大値と前記環境パラメータとの相関関係を示すデータであることを特徴とする排気浄化装置の異常診断装置。
  3. 請求項1又は2において、前記排気浄化装置は、選択還元型触媒を含み、
    前記測定手段は、排気に含まれるNOの量を測定するNOセンサであり、
    前記演算手段は、前記性能値としてNO浄化率を演算することを特徴とする排気浄化装置の異常診断装置。
  4. 請求項3において、前記環境パラメータは、選択還元型触媒の温度であることを特徴とする排気浄化装置の異常診断装置。
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