以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[実施形態1]
本実施形態1に係るシャッタ機構30は、シャッタ機構30を実装する自動取引装置の内部で摺動する摺動部材(ユニット)から、外方向(横方向)に突出する突出部(従来のシャッタ機構の押出板)が排除された構成になっている。
そのための構成として、本実施形態1に係るシャッタ機構30(図2A参照)のシャッタ部材31は、摺動部材と当接する当接部材が、後記するサイドフレーム33の内面から、摺動部材の先端側壁面が通過する空間に向けて突出する構成となっている。
なお、本実施形態1では、シャッタ部材31は、重心が回動軸34からずれた位置に設定されている。そのため、シャッタ部材31は、摺動部材が装置の内部から外部に引き出された(取り外された)ときに、シャッタ部材31の自重により、シャッタ32が閉じる。
また、本実施形態1では、シャッタ部材31は、当接部材が回動軸34よりも下方向に配置されている。そのため、シャッタ部材31は、摺動部材が装置の外部から内部に押し込まれた(装着された)ときに、摺動部材が当接部材を開口部4の方向に押圧し、これにより、サイドフレーム33が回動軸34を中心にして上方向に回動する。その結果、シャッタ32が、上方向に円弧状に回動して、開く。
<シャッタ機構の実装装置としての自動取引装置の構成>
以下、図1A及び図1Bを参照して、本実施形態1に係るシャッタ機構30の実装装置としての自動取引装置1の構成につき説明する。図1A及び図1Bは、それぞれ、実施形態1に係るシャッタ機構30の実装装置の一例を示す図である。
本実施形態1に係るシャッタ機構30の実装装置としての自動取引装置1は、様々なタイプの装置が想定される。図1Aは、その一例としての発券機1aの構成を示している。また、図1Bは、他の一例としてのATM1bの構成を示している。
図1Aに示す発券機1aは、主に交通機関に設置され、乗車券や入場券、定期券、座席指定券、予約券等の券類を発行(発券)する装置である。図1Aに示す例では、発券機1aは、表示部11、入力部12、紙幣取扱部13、硬貨取扱部14、カード取扱部15、及び、発券部16を有している。
表示部11は、各種の情報(例えば、特定の処理を実行する際に必要となる情報等)を表示する構成要素である。ここでは、表示部11がLCDやELディスプレイ等によって構成されている場合を想定して説明する。
入力部12は、操作者によって各種の情報(例えば、特定の処理の実行を指示する情報等)が入力される構成要素である。ここでは、入力部12と表示部11とが一体化されたタッチパネル型ディスプレイによって構成されている場合を想定して説明する。
紙幣取扱部13は、紙幣を取り扱う機構である。紙幣取扱部13は、例えば、取引の実行時に、操作者によって紙幣投入口23aから投入される紙幣を装置内部に取り込んだり、紙幣を鑑別したり、紙幣を装置内部の所定の箇所に集積したりする。また、紙幣取扱部13は、装置内部に取り込み不能な紙幣や操作者に返却すべき紙幣を紙幣排出口23bから装置外部に排出したりする。
硬貨取扱部14は、硬貨を取り扱う機構である。硬貨取扱部14は、例えば、取引の実行時に、操作者によって硬貨投入口24aから投入される硬貨を装置内部に取り込んだり、硬貨を鑑別したり、硬貨を装置内部の所定の箇所に集積したりする。また、硬貨取扱部14は、装置内部に取り込み不能な硬貨や操作者に返却すべき硬貨を硬貨排出口24bから装置外部のトレイ24cに排出したりする。
カード取扱部15は、カードを取り扱う機構である。カード取扱部25は、例えば、取引の実行時に、操作者によってカード挿入排出口25から挿入されるカードを装置内部に取り込んだり、カードに設けられた磁気ストライプから磁気情報を読み取ったり、又は、カードがICカードである場合に、ICカードに内蔵された記憶部から格納情報を読み取ったりする。また、カード取扱部25は、取引の終了時に、カードをカード挿入排出口25から装置外部に排出する。なお、カード取扱部25は、ICカードが定期券として用いられる場合に、定期券としての格納情報をICカードの記憶部に格納したり、定期券としての印字情報をICカードの印字面に印字したりする。
発券部16は、磁気面を備える紙媒体を、乗車券や入場券、定期券、座席指定券、予約券等の券類として発行(発券)する機構である。発券部16は、券類を発行する場合に、券類を発券口26から装置外部に排出する。
係る構成において、紙幣取扱部13、カード取扱部15、及び、発券部16は、装置の筐体内部で、開口部4(図2A参照)に対して接離方向(接近方向及び離間方向)に摺動するユニット41として構成されている。以下、ユニット41を「摺動部材41」と称する場合がある。また、紙幣取扱部13を「紙幣ユニット13」と称し、カード取扱部15を「カードユニット15」と称し、発券部16を「発券ユニット16」と称する場合がある。
また、係る構成において、紙幣投入口23a、紙幣排出口23b、カード挿入排出口25、及び、発券口26は、各ユニット41(13,15,16)の、媒体が操作者と装置との間で受け渡しされる媒体受渡部42(図2A参照)として機能する。図1Aに示す例では、これらの媒体受渡部42は、筐体に設けられた開口部4(図2A参照)から外側に突出するように構成されている。
一方、図1Bに示すATM1bは、主に金融機関に設置され、遠隔地に設置されたホストコンピュータとの間で通信して、現金の預け入れや、払い戻し、振り込み、残高照会等の取引を実行する装置である。図1Bに示す例では、ATM1bは、表示部11、入力部12、紙幣取扱部13、硬貨取扱部14b、カード取扱部15、及び、通帳取扱部17を有している。
表示部11、入力部12、紙幣取扱部13、及び、カード取扱部15は、前記した通りである。硬貨取扱部14bは、硬貨取扱部14(図1A参照)と同様に、硬貨を取り扱う機構である。ただし、図1Bに示す例では、硬貨取扱部14bは、扉状の蓋によって硬貨の投入排出口が開閉される構成になっている。
通帳取扱部17は、通帳を取り扱う機構である。通帳取扱部17は、例えば、取引の実行時に、操作者によって通帳挿入排出口27から挿入される通帳を装置内部に取り込んだり、通帳に設けられた磁気ストライプから磁気情報等を読み取ったり、通帳に取引情報を印字したりする。また、通帳取扱部17は、取引の終了時に、通帳を通帳挿入排出口27から装置外部に排出する。
係る構成において、紙幣取扱部13、カード取扱部15、及び、通帳取扱部17は、装置の筐体内部で、開口部4(図2A参照)に対して接離方向(接近方向及び離間方向)に摺動するユニット(摺動部材)41として構成されている。以下、通帳取扱部17を「通帳ユニット17」と称する場合がある。
また、係る構成において、紙幣投入口23a、紙幣排出口23b、カード挿入排出口25、及び、通帳挿入排出口27は、各ユニット41(13,15,17)の、媒体が操作者と装置との間で受け渡しされる媒体受渡部42(図2A参照)として機能する。図1Bに示す例では、図1Aに示す例と同様に、これらの媒体受渡部42は、筐体に設けられた開口部4(図2A参照)から外側に突出するように構成されている。
発券機1aやATM1b等の自動取引装置1は、ユニット41が開口部4(図2A参照)から離間方向(後方)に摺動する場合に、媒体受渡部42が開口部4から後退する。このとき、シャッタ機構30は、シャッタ部材31(図2A参照)を回動させて、シャッタ32(図2A参照)で開口部4を閉鎖する。
<シャッタ機構の構成>
以下、図2A及び図2Bを参照して、本実施形態1に係るシャッタ機構30の構成につき説明する。図2A及び図2Bは、それぞれ、実施形態1に係るシャッタ機構30の構成を示す図である。図2Aは、シャッタ機構30の全体の構成を示している。また、図2Bは、シャッタ機構30に用いられるシャッタ部材31の斜め方向から見た構成を示している。
図2Aに示すように、シャッタ機構30は、回動軸34を中心にして回動するシャッタ部材31によって、自動取引装置1の筐体(筐体フレーム3)に設けられた開口部4を選択的に開放状態又は閉鎖状態にする機構である。図2Aに示す例では、シャッタ32は、上方向に回動して、開口部4を開放する構成となっている。また、シャッタ32は、その外面が、回動軸34を中心にして曲率半径rの円弧状に湾曲して形成されている。
自動取引装置1は、筐体(筐体フレーム3)の内部に、ユニット41の装着部5が配置されている。装着部5は、筐体(筐体フレーム3)の前面に設けられた開口部4の後方に設けられている。図2Aに示す例では、レール6が、装着部5の内部に、水平方向に延伸して設けられている。
レール6は、ユニット41の摺動を案内する案内部として機能する部材である。ユニット41は、その側面に、ローラ43が設けられている。ユニット41は、ローラ43がレール6の上に載置されることにより、開口部4に対して接離方向(接近方向(矢印A1の方向)及び離間方向(矢印B1の方向))に摺動する構成となる。なお、レール6は、ユニット41がオーバーランしないように、好ましくは、図2Aに示すように、端部でユニット41のローラ43を受け止める構成にするとよい。
図2Aに示す例では、ユニット41は、媒体受渡部42が、先端側壁面44から前方に突出した形状になっている。媒体受渡部42は、媒体が操作者と装置との間で受け渡しされる部位である。媒体受渡部42は、管理者が自動取引装置1の後方側から前方側にユニット41を押し込むことにより、露出部として、開口部4から自動取引装置1の外側に露出する。
また、図2Aに示す例では、ユニット41は、媒体受渡部42が、ユニット41の高さ方向の中段付近で、先端側壁面44から前方向に突出する形状になっている。ユニット41は、先端側壁面44の媒体受渡部42よりも下方側の部分がシャッタ部材31の後記するポスト37と当接する当接面となる。以下、シャッタ部材31のポスト37と当接するユニット41の部位を「当接面44」と称する場合がある。
シャッタ部材31は、図2A及び図2Bに示すように、開口部4を封鎖するシャッタ32が、その両サイドで、2つのサイドフレーム33によって支持された構成になっている。シャッタ32は、その横幅がユニット41の横幅よりも長く形成されている。したがって、シャッタ32の両サイドに設けられた2つのサイドフレーム33の対向面の間隔(すなわち、右側のサイドフレーム33の内面と左側のサイドフレーム33の内面との間隔)も、ユニット41の横幅よりも長く設定されている。ここでは、「内面」とは、ユニット41(摺動部材)の側面に対向する側の面(対向面)を意味している。2つのサイドフレーム33は、右側と左側とで非対称の形状(異なる形状)にすることも、また、右側と左側とで対称の形状(同様の形状)にすることも可能である。
図2Aに示す例では、サイドフレーム33は、シャッタ32を固定する略三角形状の支持部(第1突出部)35と、ポスト(当接部材)37を保持する長方形状のレバー部(第2突出部)36とを備える構成になっている。支持部35とレバー部36とは、ポスト(回動軸)34付近で接続されている。
なお、サイドフレーム33は、(1)シャッタ32がサイドフレーム33の先端側の内面に設けられ、回動軸34がサイドフレーム33の後端側の外面に設けられているという条件、及び、(2)ユニット41(摺動部材)と当接するポスト(当接部材)37が、サイドフレーム33の内面において、シャッタ32よりも後方でかつ回動軸34よりも下方向又は上方向の位置(図2Aに示す例では、下方向の位置)に、サイドフレーム33の内面から、ユニット41(摺動部材)の先端側壁面44が通過する空間に向けて突出して設けられているという条件を満たす構成であればよい。
したがって、サイドフレーム33は、これらの条件を満たす構成であれば、図2Aに示す例以外の形状(例えば、シャッタ32の円弧の両端(上端及び下端)とポスト(回動軸)34とポスト(当接部材)37とを頂点とする略四角形状)にすることもできる。
図2B(a)は、右側のサイドフレーム33Rと左側のサイドフレーム33Lとが非対称の形状(異なる形状)になっているシャッタ部材31aの構成を示している。シャッタ部材31aは、後記する第2突出部(レバー部)36が右側のサイドフレーム33Rにだけ設けられた構成になっている。
一方、図2B(b)は、右側のサイドフレーム33Rbと左側のサイドフレーム33Lbとが対称の形状(同様の形状)になっているシャッタ部材31bの構成を示している。シャッタ部材31bは、後記する第2突出部(レバー部)36が右側のサイドフレーム33Rbと左側のサイドフレーム33Lbとの双方に設けられた構成になっている。シャッタ部材31は、シャッタ32の厚さhが薄くて、シャッタ32が捻じれる可能性がある場合に、図2B(b)に示すシャッタ部材31bのように、左右双方のサイドフレーム33を対称の形状(同様の形状)にするとよい。
左右双方のサイドフレーム33は、ともに、支持部35を備えている。支持部35は、先端側の内面でシャッタ32を支持する部位である。支持部35は、後端側の外面に、外方向に向けて突出するポスト34が設けられている。ここでは、「内面」とは、ユニット41(摺動部材)の側面に対向する側の面(対向面)を意味しており、また、「外面」とは、その内面の裏面を意味している。ポスト34は、取付部材51(図3A参照)によって回動自在に筐体フレーム3に取り付けられることによって、シャッタ部材31の回動軸として機能する。以下、ポスト34を「回動軸34」と称する。
左右のいずれか一方又は双方のサイドフレーム33は、レバー部36を備えている。レバー部36は、ユニット41からの押圧を受けて、支持部35を回動させる部位である。レバー部36は、回動軸34を中心にして支持部35の後端側から上方向又は下方向(本実施形態1では、下方向)に突出して設けられている。
レバー部36は、その先端側の内面に、内方向(ユニット41の先端側壁面44が通過する方向)に向けて突出するポスト37が設けられている。ポスト37は、ユニット41が開口部4に対して接近方向(矢印A1の方向)に摺動するときに、ユニット41の先端側壁面44と当接する当接部材として機能する。以下、ポスト37を「当接部材37」と称する。本実施形態1では、当接部材37は、回動軸34よりも下方向の位置に設けられている。
係る構成において、シャッタ部材31は、左右双方のサイドフレーム33が、ともに、回動軸34を中心にして第1の方向に突出する支持部35を備える構成になっており、また、左右のいずれか一方又は双方のサイドフレーム33が、回動軸34を中心にして第1の方向とは異なる第2の方向に突出するレバー部36を備える構成になっている。以下、支持部35を「第1突出部35」と称し、レバー部36を「第2突出部36」と称する場合がある。なお、図2Aに示す例では、「第2の方向」は、第1の方向に対して略90度下向きの方向となっている。
したがって、シャッタ部材31は、回動軸34を中心にして第1の方向に突出する第1突出部35と、回動軸34を中心にして第2の方向に突出する第2突出部36とを備える構成になっている。
そして、第1突出部35は、開口部4を閉鎖するシャッタ32がその先端側の内面に設けられている。また、第2突出部36は、摺動部材(ユニット)41の先端側壁面44と当接する当接部材37がその先端側の内面に設けられている。
当接部材37は、第2突出部36の先端側の内面から、摺動部材(ユニット)41の先端側壁面44が通過する空間(すなわち、左側のサイドフレーム33と右側のサイドフレーム33との間の空間)に向けて突出して設けられている。
このようなシャッタ部材31は、例えば、図3A及び図3Bに示すように、取付部材51によって回動自在に筐体フレーム3に取り付けられる。図3A及び図3Bは、それぞれ、実施形態1で用いるシャッタ部材31の実装例を示す図である。
図3A及び図3Bに示す例では、取付部材51は、長尺な平板状部材の先端側が、外方向(シャッタ部材31から離間する方向)にL字状に屈曲された形状になっている。取付部材51は、先端側の屈曲部分が筐体フレーム3の裏面(後面)に対向するように配置される。取付部材51は、その先端側の屈曲部分に、筐体フレーム3に固定するためのねじ53を嵌め込むためのねじ孔(図示せず)が形成されている。また、取付部材51は、後端側に、回動軸34を軸支する軸受けとして機能する円形孔52が形成されている。
図3Aは、2つの取付部材51(51R,51L)によってシャッタ部材31を筐体に取り付ける場合の例を示している。図3Aに示す例では、取付部材51R,51Lは、それぞれの円形孔52がシャッタ部材31の回動軸34を軸支するように、シャッタ部材31の両サイドで互いに対向して配置されている。取付部材51R,51Lは、その状態で、ねじ53によって筐体フレーム3に固定される。
一方、図3Bは、取付部材51と内部フレーム61とによってシャッタ部材31を取り付ける場合の例を示している。図3Bに示す例では、平板状の内部フレーム61がシャッタ部材31の左側に配置されている。内部フレーム61には、回動軸34を軸支する軸受けとして機能する円形孔62が複数形成されている。シャッタ部材31は、左側の回動軸34が内部フレーム61の円形孔62に嵌め込まれる。取付部材51Rは、その円形孔52がシャッタ部材31の右側の回動軸34を軸支するように、内部フレーム61に対向して配置されている。取付部材51Rは、その状態で、ねじ53によって筐体フレーム3に固定される。
係る構成において、シャッタ機構30は、ユニット41が装着部5(図2A参照)から引き出されている場合で、そのユニット41が装着部5に装着されるときに、以下のように動作する。
シャッタ機構30は、ユニット41が装着部5から引き出されている場合に、シャッタ部材31のシャッタ32が重みにより下降し、開口部4が閉鎖された状態になっている。管理者がユニット41を装着部5の内部に押し込むと、ユニット41は、図2Aに示すように、開口部4に対して接近方向(矢印A1の方向)に摺動する。
このとき、シャッタ部材31は、当接部材37がユニット41の当接面44に当接して、ユニット41から矢印A2の方向に押圧を受ける。これにより、シャッタ部材31は、回動軸34を中心にして、シャッタ32の開放方向(矢印A3の方向)に回動する。その結果、シャッタ32が上方向に円弧状に回動(上昇)し、開口部4が開放される。
また、シャッタ機構30は、ユニット41が装着部5に装着されている場合で、そのユニット41が装着部5から引き出されるときに、以下のように動作する。
シャッタ機構30は、ユニット41が装着部5に装着されている場合に、シャッタ部材31のシャッタ32が上昇し、開口部4が開放された状態になっている。管理者がユニット41を装着部5から引き出すと、ユニット41は、図2Aに示すように、開口部4に対して離間方向(矢印B1の方向)に摺動する。
このとき、シャッタ部材31は、ユニット41からの矢印A2の方向の押圧が解除される。これにより、シャッタ部材31は、その自重によって、回動軸34を中心にして、シャッタ32の閉鎖方向(矢印B3の方向)に回動する。その結果、シャッタ32が下方向に円弧状に回動(下降)し、開口部4が閉鎖される。また、当接部材37は、矢印B2の方向に移動する。
シャッタ機構30は、これらの動作を行うことにより、開口部4を選択的に開放状態又は閉鎖状態にすることができる。図4は、実施形態1に係るシャッタ機構30の動作例を示す図である。図4(a)は、全てのユニット41が装着された状態を示しており、図4(b)は、カードユニット15(図1A参照)が引き出された状態を示しており、図4(c)は、発券ユニット16が引き出された状態を示している。
シャッタ機構30のこれらの動作は、操作者が手や媒体を開口部4の中に入れることができないように、所定の時間内(例えば、約0.3秒以内)に行われることが好ましい。シャッタ部材31の各部の形状や寸法は、これらの動作が所定の時間内で行われるように、設計されるとよい。
本実施形態1に係るシャッタ機構30は、当接部材37が、第2突出部36の先端側の内面から、ユニット41の先端側壁面(当接面)44が通過する空間に向けて突出して設けられている。そのため、シャッタ機構30は、ユニット41から外方向(横方向)に突出する突出部(従来のシャッタ機構の押出板)を排除することができる。
したがって、シャッタ機構30は、セキュリティの向上及び実装装置(ここでは、自動取引装置1)の小型化を実現することができる。しかも、シャッタ機構30は、比較的簡素な構成で、これらの効果を得ることができる。
なお、周知のシャッタ機構としては、例えば、図5に示す比較例に係るシャッタ機構1010,1020が知られている。しかしながら、以下に説明するように、いずれの比較例に係るシャッタ機構1010,1020も、短所が存在する。そのため、セキュリティの向上及び実装装置の小型化を実現するシャッタ機構としては、本実施形態1に係るシャッタ機構30が最適である。
以下、図5を参照して、比較例に係るシャッタ機構1010,1020の構成とその短所につき説明する。図5は、比較例の構成を示す図である。
図5(a)に示す第1比較例に係るシャッタ機構1010は、回動軸1012を中心にして回動するシャッタ1011が開口部(図示せず)の後方に配置された構成になっている。シャッタ機構1010は、ユニット41が開口部に対して接近方向に摺動したときに、ユニット41の先端部に突出して設けられた媒体受渡部42がシャッタ1011を押圧する。これにより、シャッタ1011が、矢印の方向に回動して、外側に開く。
このような第1比較例に係るシャッタ機構1010は、以下のような短所が存在する。
(1)シャッタ機構1010は、シャッタ1011を閉じさせるためのスプリングが必要である。そのスプリングが切れたり固定された位置から外れたりした場合に、シャッタ機構1010は、シャッタ1011が開放されたままの状態になる、という短所がある。
(2)シャッタ機構1010は、シャッタ1011がユニット41に押圧されて外側に開くため、何らかの物体がシャッタ1011の外側に置かれていた場合に、その物体と接触する、という短所がある。
(3)シャッタ機構1010は、シャッタ1011が外側からこじ開けられる可能性がある、という短所がある。
図5(b)に示す第2比較例に係るシャッタ機構1020は、上下方向に摺動するシャッタ1021と、略L字状に形成されたレバー部材1022とを備える構成になっている。シャッタ1021は、軸部1021bがその両サイドに設けられている。レバー部材1022は、回動軸1022aを中心にして第1の方向に突出する突出部の先端側に図示せぬ円形孔が設けられており、その円形孔によってシャッタ1021の軸部1021bを回動自在に軸支している。また、レバー部材1022は、回動軸1022aを中心にして第2の方向に突出する突出部の先端側にユニット41の先端側壁面と当接する当接部材1023が設けられている。シャッタ機構1020は、ユニット41が開口部に対して接近方向に摺動したときに、ユニット41の先端側壁面がレバー部材1022の当接部材1023を押圧する。これにより、シャッタ1021が下方向に摺動する。
このような第2比較例に係るシャッタ機構1020は、以下のような短所が存在する。
(1)シャッタ機構1020は、シャッタ機構1010と同様に、シャッタ1021を閉じさせるためのスプリングが必要である。そのスプリングが切れたり固定された位置から外れたりした場合に、シャッタ機構1020は、シャッタ1021が開放されたままの状態になる、という短所がある。
(2)シャッタ機構1020は、ユニット41がオーバーランした場合に、周囲の部材が破損する可能性がある、という短所がある。
(3)シャッタ機構1020は、複数の部材を動かす必要があるため、動作不良が発生する可能性がある、という短所がある。
これに対して、本実施形態1に係るシャッタ機構30は、これらの短所が存在しない。そのため、セキュリティの向上及び実装装置の小型化を実現するシャッタ機構としては、本実施形態1に係るシャッタ機構30が最適である。
<変形例>
本実施形態1に係るシャッタ機構30は、例えば、図6に示す変形例のように変形することができる。図6は、実施形態1の変形例に係るシャッタ機構130の構成を示す図である。
変形例に係るシャッタ機構130のシャッタ部材131は、図2Aに示す本実施形態1に係るシャッタ機構30のシャッタ部材31の構成を、上下をほぼ逆にした構成になっている。すなわち、変形例に係るシャッタ部材131は、図2Aに示すシャッタ部材31のシャッタ32、サイドフレーム33、ポスト(回動軸)34、及び、ポスト(当接部材)37に対応する構成要素として、シャッタ132、サイドフレーム133、ポスト(回動軸)134、及び、ポスト(当接部材)137を備えている。そして、変形例では、シャッタ132の開放方向が下方向となっている。
変形例では、サイドフレーム133は、図2Aに示すサイドフレーム33の支持部(第1突出部)35とレバー部(第2突出部)36とに対応する構成要素として、支持部(第1突出部)135とレバー部(第2突出部)136とを備えている。
ただし、レバー部(第2突出部)136は、図2Aに示すレバー部(第2突出部)36が支持部(第1突出部)35から下方向に突出しているのに対し、支持部(第1突出部)135から上方向に突出する構成になっている。すなわち、変形例では、シャッタ部材131は、図2Aに示すシャッタ部材31のレバー部(第2突出部)36の突出方向(第2の方向)が下方向であるのに対し、レバー部(第2突出部)136の突出方向(第2の方向)が上方向になっている。
なお、変形例では、ユニット41aは、先端側壁面の媒体受渡部42よりも上方側の部分がシャッタ部材131のポスト(当接部材)137と当接する当接面44aとなっている。
また、変形例では、シャッタ部材131を上方向(閉鎖方向)に付勢する付勢部材としてのスプリング139が、シャッタ部材131と筐体との間に設けられている。図6に示す例では、スプリング139は、ポスト(回動軸)134の周囲に設けられている。スプリング139は、その一端がシャッタ部材131の支持部135に設けられた図示せぬ係合部と係合しており、他端が筐体に設けられた図示せぬ係合部と係合している。
係る構成において、変形例に係るシャッタ機構130のシャッタ部材131は、ユニット41aが開口部4に対して接近方向に摺動するときに、ユニット41aからの押圧を受けて、下方向に円弧状に回動する。その結果、開口部4が開放される。
一方、変形例に係るシャッタ機構130のシャッタ部材131は、ユニット41aが開口部4に対して離間方向に摺動するときに、ユニット41aからの押圧が解除されるとともに、スプリング139からの付勢力を受けて、上方向に円弧状に回動する。その結果、開口部4が閉鎖される。
変形例に係るシャッタ機構130は、図2Aに示す本実施形態1に係るシャッタ機構30と同様に、当接部材137が、第2突出部136の先端側の内面から、ユニット41aの先端側壁面(当接面)44aが通過する空間に向けて突出して設けられている。そのため、変形例に係るシャッタ機構130は、図2Aに示す本実施形態1に係るシャッタ機構30と同様に、ユニット41aから外方向(横方向)に突出する突出部(従来のシャッタ機構の押出板)を排除することができる。
したがって、変形例に係るシャッタ機構130は、図2Aに示す本実施形態1に係るシャッタ機構30と同様に、セキュリティの向上及び実装装置(ここでは、自動取引装置1)の小型化を実現することができる。しかも、シャッタ機構130は、比較的簡素な構成で、これらの効果を得ることができる。
以上の通り、本実施形態1に係るシャッタ機構30,130によれば、セキュリティの向上及び実装装置(ここでは、自動取引装置1)の小型化を実現することができる。
[実施形態2]
以下、図7を参照して、本実施形態2に係るシャッタ機構230の構成につき説明する。図7は、実施形態2に係るシャッタ機構230の構成を示す図である。なお、図7に示す例では、シャッタ部材231,241の開放方向が上方向となっている。
本実施形態2に係るシャッタ機構230は、2つの媒体受渡部42を備えるユニット41bが装着部5に装着される場合又は装着部5から引き出される場合に、2つの媒体受渡部42に対応する2つの開口部4を同時に開放状態又は閉鎖状態にする。
そのための構成として、本実施形態2に係るシャッタ機構230は、2つのシャッタ部材231,241を2つの開口部4a,4bの後方の位置に並設し、2つのシャッタ部材231,241を連結部材251で連結して、一方のシャッタ部材231が回動すると、他方のシャッタ部材241もシャッタ部材231と同じ方向に回動する構成になっている。
ここでは、実施形態1に係るシャッタ機構30と相違する構成を重点的に説明し、実施形態1に係るシャッタ機構30に類似する構成については、詳細な説明を省略する。
また、ここでは、摺動部材(ユニット)41bが紙幣投入口23aと紙幣排出口23bとの双方を備える紙幣ユニットとして構成されている場合を想定して説明する。紙幣投入口23aと紙幣排出口23bとは、紙幣が操作者と装置との間で受け渡しされる媒体受渡部42である。
図7に示すように、紙幣投入口23aと紙幣排出口23bとは、上下方向に並設されている。自動取引装置1は、紙幣投入口23aと紙幣排出口23bとに対応して、2つの開口部4a,4bが上下方向に並設されている。
なお、摺動部材(ユニット)41bは、開放方向(図7に示す例では、上方向)に回動した第2シャッタ部材241と衝突しないようにするための後退部45bが、紙幣投入口23aと紙幣排出口23bとの間に設けられている。
本実施形態2に係るシャッタ機構230は、第1シャッタ部材231と第2シャッタ部材241とを有している。第1シャッタ部材231と第2シャッタ部材241とは、連結部材251によって連結されている。
第1シャッタ部材231は、図2Aに示す実施形態1に係るシャッタ機構30のシャッタ部材31に対応する部材である。第1シャッタ部材231は、図2Aに示すシャッタ部材31のシャッタ32、サイドフレーム33、ポスト(回動軸)34、及び、ポスト(当接部材)37に対応する構成要素として、シャッタ232、サイドフレーム233、ポスト(回動軸)234、及び、ポスト(当接部材)237を備えている。
本実施形態2では、サイドフレーム233は、図2Aに示すサイドフレーム33の支持部(第1突出部)35とレバー部(第2突出部)36とに対応する構成要素として、支持部(第1突出部)235とレバー部(第2突出部)236とを備えている。
ただし、サイドフレーム233は、連結部材251が連結される連結突出部238を備えている。連結突出部238は、回動軸234から後方側に突出するように形成されている。連結突出部238は、後端側に、ポスト239が設けられている。
ポスト239は、連結部材251に設けられた円形孔252aに回動自在に嵌め込まれることによって連結軸として機能する。以下、ポスト239を「連結軸239」と称する場合がある。
第2シャッタ部材241は、第1シャッタ部材231の回動に連動して、第1シャッタ部材231と同じ方向に回動するシャッタである。第2シャッタ部材241は、第1シャッタ部材231からレバー部(第2突出部)236を排除したような形状になっている。
したがって、第2シャッタ部材241は、第1シャッタ部材231のシャッタ232、サイドフレーム233、及び、ポスト(回動軸)234と同様の構成要素として、シャッタ242、サイドフレーム243、及び、ポスト(回動軸)244を備えている。
連結部材251は、第1シャッタ部材231と第2シャッタ部材241とを連結する部材である。本実施形態2では、連結部材251は、長尺な板状の部材として構成されている。連結部材251は、円形孔252a,252bが両端付近に形成されている。
円形孔252aは、第1シャッタ部材231に設けられた連結軸239を軸支する軸受けとして機能する。一方、円形孔252bは、第2シャッタ部材241に設けられた連結軸249を軸支する軸受けとして機能する。
係る構成において、シャッタ機構230は、ユニット41bが装着部(図示せず)から引き出されている場合で、そのユニット41bが装着部(図示せず)に装着されるときに、以下のように動作する。
シャッタ機構230は、ユニット41bが装着部から引き出されている場合に、第1シャッタ部材231のシャッタ232が重さにより下降し、開口部4aが閉鎖された状態になっている。また、第2シャッタ部材241のシャッタ242が重さにより下降し、開口部4bが閉鎖された状態になっている。管理者がユニット41bを装着部の内部に押し込むと、ユニット41bは、図7に示すように、開口部4a,4bに対して接近方向(矢印A1の方向)に摺動する。
このとき、第1シャッタ部材231は、当接部材237がユニット41bの当接面44bに当接して、ユニット41bから矢印A2の方向に押圧を受ける。これにより、第1シャッタ部材231は、回動軸234を中心にして、シャッタ232の開放方向(矢印A3の方向)に回動する。その結果、シャッタ232が上昇し、開口部4aが開放される。
第1シャッタ部材231は、連結軸239によって連結部材251に連結されている。そのため、連結部材251は、連結軸239を介して第1シャッタ部材231から押圧を受ける。したがって、このとき、連結部材251は、第1シャッタ部材231の回動に伴って、矢印A4の方向に移動する。
第2シャッタ部材241は、連結軸249によって連結部材251に連結されている。そのため、第2シャッタ部材241は、連結部材251の移動に伴って、連結部材251から押圧を受ける。したがって、このとき、第2シャッタ部材241は、第1シャッタ部材231の回動に伴って、回動軸244を中心にして矢印A5の方向に回動する。その結果、シャッタ242が上昇し、開口部4bが開放される。
また、シャッタ機構230は、ユニット41bが装着部(図示せず)に装着されている場合で、そのユニット41bが装着部(図示せず)から引き出されるときに、以下のように動作する。
シャッタ機構230は、ユニット41bが装着部に装着されている場合に、第1シャッタ部材231のシャッタ232が上昇し、開口部4aが開放された状態になっている。また、第2シャッタ部材241のシャッタ242が上昇し、開口部4bが開放された状態になっている。管理者がユニット41bを装着部から引き出すと、ユニット41bは、図7に示すように、開口部4a,4bに対して離間方向(矢印B1の方向)に摺動する。
このとき、第1シャッタ部材231は、ユニット41bからの矢印A2の方向の押圧が解除される。これにより、第1シャッタ部材231は、シャッタ232の重みによって、回動軸234を中心にして、シャッタ232の閉鎖方向(矢印B3の方向)に回動する。同時に、第2シャッタ部材241は、シャッタ242の重みによって、回動軸244を中心にして、シャッタ242の閉鎖方向(矢印B5の方向)に回動する。
その結果、第1シャッタ部材231のシャッタ232が下降し、開口部4aが閉鎖される。同時に、第2シャッタ部材241のシャッタ242が下降し、開口部4bが閉鎖される。また、第1シャッタ部材231の当接部材237は、矢印B2の方向に移動する。また、連結部材251は、矢印B4の方向に移動する。
シャッタ機構230は、これらの動作を行うことにより、2つの開口部4a,4bを同時に開放状態又は閉鎖状態にすることができる。シャッタ機構230のこれらの動作は、操作者が手や媒体を開口部4a,4bの中に入れることができないように、所定の時間内(例えば、約0.3秒以内)に行われることが好ましい。シャッタ部材231,241の各部の形状や寸法は、これらの動作が所定の時間内で行われるように、設計されるとよい。
本実施形態2に係るシャッタ機構230は、第1シャッタ部材231の当接部材237が、第2突出部236の先端側の内面から、ユニット41bの先端側壁面(当接面)44bが通過する空間に向けて突出して設けられている。そのため、シャッタ機構230は、ユニット41bから外方向(横方向)に突出する突出部(従来のシャッタ機構の押出板)を排除することができる。
したがって、シャッタ機構230は、セキュリティの向上及び実装装置(ここでは、自動取引装置1)の小型化を実現することができる。
以上の通り、本実施形態2に係るシャッタ機構230によれば、実施形態1に係るシャッタ機構30と同様に、セキュリティの向上及び実装装置(ここでは、自動取引装置1)の小型化を実現することができる。
しかも、本実施形態2に係るシャッタ機構230によれば、2つの媒体受渡部42を備えるユニット41bが装着部5に装着される場合又は装着部5から引き出される場合に、2つの媒体受渡部42に対応する2つの開口部4a,4bを同時に開放状態又は閉鎖状態にすることができる。
なお、図7に示す構成(すなわち、2つのシャッタ部材を連結部材で連結して、一方のシャッタ部材が回動すると、他方のシャッタ部材も一方のシャッタ部材と同じ方向に回動する構成)は、図6に示す実施形態1の変形例に係るシャッタ機構130に適用してもよい。適用した場合に、そのシャッタ機構は、ユニット41bの装着時に、上側の第1シャッタ部材及び下側の第2シャッタ部材がそれぞれの回転軸を中心にして下方向に円弧状に回動する。そのため、そのシャッタ機構は、ユニット41bの装着時に、上側の第1シャッタ部材のシャッタがユニット41bの後退部45b(図7参照)に収まる構成となる。
[実施形態3]
本実施形態3に係るシャッタ機構330は、当接部材がシャッタの裏面(後面)に設けられており、当接部材がユニット41の先端側と当接してユニット41から押圧を受けることにより、回動軸を中心にしてシャッタを回動させる構成になっている。
以下、図8を参照して、本実施形態3に係るシャッタ機構330の構成につき説明する。図8は、実施形態3に係るシャッタ機構330の構成を示す図である。なお、図8に示す例では、シャッタ部材331の開放方向が上方向となっている。
図8に示すように、本実施形態3に係るシャッタ機構330は、シャッタ部材331が、開口部4の後方に配置されている。シャッタ部材331は、シャッタ332と、2つのサイドフレーム333と、ガイドフレーム335とを備えている。
シャッタ332は、開口部4を封鎖する部材である。
2つのサイドフレーム333は、シャッタ332の両サイドを支持する部材である。
ガイドフレーム335は、ユニット41の先端側壁面(当接面)と当接する当接部材である。
2つのサイドフレーム333は、シャッタ332の裏面の左右の両端部付近でかつ上端付近の位置に1つずつ固定されている。2つのサイドフレーム333は、それぞれ、ユニット41と当接しないように、ユニット41の横幅よりも外側の位置に配置されている。2つのサイドフレーム333は、それぞれ、後端側の外面に、外方向に突出するポスト334が設けられている。ポスト334は、図示せぬ軸受け用の円形孔に嵌め合わされており、シャッタ部材331の回動軸として機能する。
ガイドフレーム335は、シャッタ332の裏面に固定されている。ガイドフレーム335は、上側部分の肉厚が下側部分の肉厚よりも厚くなるように、ユニット41の先端側壁面(当接面)との当接部分が、円弧状に湾曲して、又は、直線状に傾斜して形成されている。すなわち、ガイドフレーム335は、その厚さが、下側部分から上側部分に向かうにつれて、厚くなるように形成されている。これにより、ガイドフレーム335は、ユニット41の先端側壁面(当接面)と当接したときに、シャッタ332を開放方向(図8に示す例では、上方向)に押圧する。
係る構成において、シャッタ機構330は、ユニット41が装着部(図示せず)から引き出されている場合で、そのユニット41が装着部(図示せず)に装着されるときに、以下のように動作する。
図8(a)に示すように、シャッタ機構330は、ユニット41が装着部から引き出されている場合に、シャッタ部材331のシャッタ332が下降し、開口部4が閉鎖された状態になっている。管理者がユニット41を装着部の内部に押し込むと、ユニット41は、開口部4に対して接近方向に摺動する。
このとき、シャッタ部材331は、当接部材335がユニット41の先端側壁面(当接面)に当接して、ユニット41から押圧を受ける。これにより、シャッタ部材331は、図8(b)に示すように、回動軸334を中心にして、シャッタ332の開放方向(上方向)に回動する。その結果、シャッタ332が上昇し、開口部4が開放される。
また、シャッタ機構330は、ユニット41が装着部(図示せず)に装着されている場合で、そのユニット41が装着部(図示せず)から引き出されるときに、以下のように動作する。
図8(b)に示すように、シャッタ機構330は、ユニット41が装着部に装着されている場合に、シャッタ部材331のシャッタ332が上昇し、開口部4が開放された状態になっている。管理者がユニット41を装着部から引き出すと、ユニット41は、開口部4に対して離間方向に摺動する。
このとき、シャッタ部材331は、ユニット41からの押圧が解除される。これにより、シャッタ部材331は、図8(a)に示すように、シャッタ332の重みによって、回動軸34を中心にして、シャッタ32の閉鎖方向(下方向)に回動する。その結果、シャッタ32が下降し、開口部4が閉鎖される。
本実施形態3に係るシャッタ機構330は、ガイドフレーム(当接部材)335が、シャッタ332の裏面から後方に向けて突出して設けられている。そのため、シャッタ機構330は、ユニット41から外方向(横方向)に突出する突出部(従来のシャッタ機構の押出板)を排除することができる。
したがって、シャッタ機構330は、セキュリティの向上及び実装装置(ここでは、自動取引装置1)の小型化を実現することができる。しかも、シャッタ機構330は、比較的簡素な構成で、これらの効果を得ることができる。
<変形例>
本実施形態3に係るシャッタ機構330は、例えば、図9に示す変形例のように変形することができる。図9は、実施形態3の変形例に係るシャッタ機構430の構成を示す図である。
変形例に係るシャッタ機構430のシャッタ部材431は、図8に示す本実施形態3に係るシャッタ機構330のシャッタ部材331の構成を、上下をほぼ逆にした構成になっている。すなわち、変形例に係るシャッタ部材431は、図8に示すシャッタ部材331のシャッタ332、2つのサイドフレーム333、及び、ガイドフレーム(当接部材)335に対応する構成要素として、シャッタ432、2つのサイドフレーム433、及び、ガイドフレーム(当接部材)435を備えている。そして、変形例では、シャッタ432の開放方向が下方向となっている。
変形例では、2つのサイドフレーム433は、シャッタ432の裏面の左右の両端部付近でかつ下端付近の位置に1つずつ固定されている。2つのサイドフレーム433は、それぞれ、ユニット41と当接しないように、ユニット41の横幅よりも外側の位置に配置されている。2つのサイドフレーム433は、それぞれ、後端側の外面に、外方向に突出するポスト434が設けられている。ポスト434は、図示せぬ軸受け用の円形孔に嵌め合わされており、シャッタ部材431の回動軸として機能する。
ガイドフレーム435は、シャッタ432の裏面に固定されている。ガイドフレーム435は、下側部分の肉厚が上側部分の肉厚よりも厚くなるように、ユニット41の先端側壁面(当接面)との当接部分が、円弧状に湾曲して、又は、直線状に傾斜して形成されている。すなわち、ガイドフレーム435は、その厚さが、上側部分から下側部分に向かうにつれて、厚くなるように形成されている。これにより、ガイドフレーム435は、ユニット41の先端側壁面(当接面)と当接したときに、シャッタ432を開放方向(図9に示す例では、下方向)に押圧する。
また、変形例では、シャッタ部材431を上方向(閉鎖方向)に付勢する付勢部材としてのスプリング439が、シャッタ部材431と筐体との間に設けられている。図9に示す例では、スプリング439は、ポスト(回動軸)434の周囲に設けられている。スプリング439は、その一端がシャッタ部材431のサイドフレーム433に設けられた図示せぬ係合部と係合しており、他端が筐体に設けられた図示せぬ係合部と係合している。
係る構成において、シャッタ機構430のシャッタ部材431は、ユニット41が装着部(図示せず)から引き出されている場合で、そのユニット41が装着部(図示せず)に装着されるときに、シャッタ部材431のガイドフレーム(当接部材)435がユニット41の先端側壁面(当接面)に当接して、ユニット41から押圧を受ける。これにより、シャッタ部材431は、回動軸434を中心にして、シャッタ432の開放方向(下方向)に円弧状に回動する。その結果、シャッタ432が下降し、開口部4が開放される。
また、シャッタ機構430のシャッタ部材431は、ユニット41が装着部(図示せず)に装着されている場合で、そのユニット41が装着部(図示せず)から引き出されるときに、ユニット41aからの押圧が解除されるとともに、スプリング439からの付勢力を受けて、上方向に円弧状に回動する。その結果、開口部4が閉鎖される。
以上の通り、本実施形態3に係るシャッタ機構330,430によれば、実施形態1に係るシャッタ機構30及び実施形態2に係るシャッタ機構230と同様に、セキュリティの向上及び実装装置(ここでは、自動取引装置1)の小型化を実現することができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。