JP6020025B2 - 画像形成装置及び補正方法 - Google Patents
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Description
また、レーザーダイオードの消灯間隔に応じてパルス幅を増減させて、期待した発光量が得られるように発光時間を補正する方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、レーザーダイオードの発光量は、直前の発光及び消灯の履歴だけなく、さらに前の履歴からも影響を受けることがある。
画像データを補正する画像処理装置と、
前記画像処理装置により補正された画像データに基づき、レーザーダイオードを発光させて感光体を露光し、現像して画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記画像処理装置は、
n個の連続する画素の各画素値のパターンを異ならせて前記レーザーダイオードを発光させたときのn番目の画素の発光量に基づいて、n個の各画素がn番目の画素の発光量に及ぼす影響度を決定するモデル化部と、
前記画像データから注目画素及び当該注目画素の直前に位置するn−1個の画素を抽出し、抽出されたn個の画素の各画素値を、前記モデル化部により決定されたn個の各画素の影響度に応じて重み付けて加算し、前記注目画素における発光量の推測値を算出する推測部と、
前記推測値を用いて前記注目画素の画素値を補正し、前記注目画素における発光量の期待値と前記推測値との誤差を小さくする発光補正部と、
を備える画像形成装置が提供される。
前記発光補正部は、前記推測値が前記発光量の期待値より大きい場合、前記注目画素の画素値を減少させる、
請求項1に記載の画像形成装置が提供される。
前記発光補正部は、前記推測値が前記発光量の期待値より小さい場合、前記注目画素の画素値を増加させる、
請求項1又は2に記載の画像形成装置が提供される。
前記発光補正部は、前記注目画素の補正後の画素値が、最大値を上回るか又は最小値を下回る場合、上回った分の画素値又は下回った分の画素値を注目画素の周辺の画素に分配する、
請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置が提供される。
前記発光補正部は、前記画素値が分配された周辺の画素の画素値が、最大値を上回る場合、最大値に補正し、最小値を下回る場合、最小値に補正する、
請求項4に記載の画像形成装置が提供される。
前記周辺の画素は、主走査方向において注目画素に隣接する画素である、
請求項4又は5に記載の画像形成装置が提供される。
前記画像データは、中間調処理された画像データである、
請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成装置が提供される。
n個の連続する画素の各画素値のパターンを異ならせてレーザーダイオードを発光させたときのn番目の画素の発光量に基づいて、n個の各画素がn番目の画素の発光量に及ぼす影響度を決定するモデル化工程と、
画像データから注目画素及び当該注目画素の直前に位置するn−1個の画素を抽出し、抽出されたn個の画素の各画素値を、前記モデル化工程において決定されたn個の各画素の影響度に応じて重み付けて加算し、前記注目画素における発光量の推測値を算出する推測工程と、
前記推測値を用いて前記注目画素の画素値を補正し、前記注目画素における発光量の期待値と前記推測値との誤差を小さくする補正工程と、
を含む補正方法が提供される。
図1に示すように、画像形成装置Gは、制御部1、記憶部2、通信部3、操作部4、表示部5、スキャナー6、画像処理装置7、プリンタエンジン8を備えている。
表示部5は、制御部1の指示に従って操作画面等を表示する。
PWM部81は、画像処理装置7から入力された画像データに基づいて、レーザーダイオードを駆動するパルスを生成する。
画像形成部82は、電子写真方式により用紙上に画像を形成し、当該用紙を定着処理して排紙する。
図2に示すように、画像形成部82は、C(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の色毎に、露光部821、感光体822、現像部823を4セット備えている。各露光部821は、光源としてレーザーダイオード83を備え、各感光体822は、中間転写ベルト824の回動方向に沿って並列に配置されている。また、画像形成部82は、用紙Tの搬送経路上に設けられた2次転写ローラー825、定着装置84を備えている。
このようにして各色の感光体822上に形成された画像は、中間転写ベルト824上に重ねて転写され、カラー画像が形成される。カラー画像は、2次転写ローラー825により用紙T上に転写される。
定着装置84は、カラー画像が転写された用紙Tを定着処理して排紙する。
図3に示すように、画像処理装置7は、RIP(Raster Image Processor)部71、色変換部72、階調補正部73、中間調処理部74、モデル化部75、推測部76、発光補正部77を備えている。
色変換部72は、スキャナー6から入力されたR、G、Bの画像データを色変換処理し、C、M、Y、Kの画像データを出力する。
中間調処理部74は、階調補正部73から出力された画像データを中間調処理して、推測部76、発光補正部77にそれぞれ出力する。中間調処理は、例えばスクリーン処理、誤差拡散処理等である。
図4は、レーザーダイオード83の発光特性を示している。
図4において、横軸はレーザーダイオード83が消灯してから画素値100%で発光するまでの消灯時間の長さを表し、縦軸はその発光量(%)を表している。画素値(%)は、正規化された画素値を表す。発光量(%)は、レーザーダイオード83が連続して発光しているときに測定された発光量を100%、連続して消灯しているときに測定された発光量を0%として、測定値を正規化することにより求められている。
また、発光直前の消灯間隔が同じであっても、それより以前の発光の有無によってレーザーダイオード83の応答性が異なり、得られる発光量が変動する傾向も見られる。
nの値は、n番目の画素の発光量に影響を及ぼす画素数に応じて、適宜設定することができる。例えば、実際にレーザーダイオード83を様々な発光パターンで発光させて、直前に位置する8画素の影響が大きかったのであれば、n=9(8+1)に設定することができる。
発光補正部77は、各画素について補正された画像データをプリンタエンジン8のPWM部81に出力する。
まず、スキャナー6がR、G、Bの画像データを生成し、色変換部72がC、M、Y、Kの画像データを生成する。または、通信部3がPDLデータを受信すると、RIP部71がC、M、Y、Kの画像データを生成する。階調補正部73は、これらC、M、Y、Kの画像データを階調補正処理し、次いで中間調処理部74が中間調処理する。
推測部76は、中間調処理された画像データの各画素において、レーザーダイオード83が発光したときの発光量の推測値を算出する。推測部76は、当該推測値を、モデル化部75により予め決定された影響度に応じて算出する。
発光補正部77は、推測部76により算出された推測値を用いて、中間調処理された画像データの各画素の画素値を補正し、発光量の推測値と期待値との誤差を小さくする。
PWM部81は、補正後の画像データに基づいてパルスを生成する。このパルスに従って、画像形成部82はレーザーダイオード83を駆動して発光させ、用紙上に画像を形成する。
関数は、n個の連続する画素の各画素値をXn(%)、n個の各画素がn番目の画素の発光量に及ぼす影響度をα1〜αn、n番目の画素の発光量の推測値をEV(%)としたとき、下記式(1)で表される。
(1) EV=(αn+αc)・Xn
上記式(1)において、αcは、1〜n−1番目の各画素の総合的な影響度を表し、下記式(2)に示すように1〜n−1番目の各画素の影響度α1〜αn−1から求めることができる。α1〜αnはそれぞれ0〜1の実数であり、α1〜αnの総和は1である。
図5に示すように、モデル化部75は、α1〜αnの初期値を設定する(ステップS11)。
通常、n番目の画素から位置が遠い画素ほど、n番目の画素の発光量に対する影響が小さく、n=9であれば、α9>α8>α7>α6>α5>α4>α3>α2>α1の条件が成り立つ。この条件に従って、例えばα9=0.500、α8=0.255、α7=0.125、α6=0.062、α5=0.031、α4=0.015、α3=0.007、α2=0.003、α1=0.002というように設定することができる。
図6は、9個の画素の発光パターンP1〜P14の例を示している。
発光パターンP1〜P14は、9個の画素の各画素値X1〜X9(%)と、各画素値X1〜X9に応じてレーザーダイオード83を発光させたときの9番目の画素における発光量(%)とが定められている。9番目の画素の発光量は、実際の発光量を表すのであれば、各画素値X1〜X9によりレーザーダイオード83を発光させたときの実測値であってもよいし、予測による設定値であってもよい。
図7及び図8は、各発光パターンP1〜P14における9個の画素の発光と消灯の状態を表している。図7及び図8において、上段の数字1〜9は、1番目から9番目の画素の並び順を表している。
また、図6において、画素値X1〜Xn−1が0%又は100%である例を示したが、画素値Xnと同様に0〜100%の多値を設定することもできる。多値を設定することにより、レーザーダイオード83の発光特性をより正確に表すα1〜αnを得ることができる。
各発光パターンについて算出された推測値EVが、各発光パターンで定められているn番目の画素の発光量に近いほど、α1〜αnがn個の各画素の影響度を正確に表しているといえる。よって、モデル化部75は、探索された複数のα1〜αnのうち、各発光パターンのn番目の画素の発光量に最も近い推測値EVが得られたときのα1〜αnに、決定する。例えば、モデル化部75は、各発光パターンのn番目の画素の発光量と推測値EVの誤差の合計が最小値となるときのα1〜αnに決定することができる。モデル化部75は、決定されたα1〜αnを、推測部76に出力する。
図9は、推測部76及び発光補正部77の処理手順を示している。
図9に示すように、推測部76は、中間調処理された画像データから注目画素及び当該注目画素の直前に位置するn−1個の画素を抽出する(ステップS21)。
推測部76は、抽出された合計n個の画素の各画素値X1〜Xnと、モデル化部75により決定されたα1〜αnとを、それぞれ上記式(1)及び式(2)に代入し、n番目の画素すなわち注目画素の発光量の推測値EVを算出する(ステップS22)。
推測部76は、推測値EVを発光補正部77に出力する。
補正後の画素値をC(%)とするとき、発光補正部77は、下記式(3)に示すように画素値Xnと推測値EVの差分により、補正後の画素値Cを求めることができる。
(3) C=Xn+(Xn−EV)
例えば、Xn=100、EV=95のとき、C=100+(100−95)=105である。推測値EVは発光量の期待値より5%小さいので、補正により画素値Xnが5%引き上げられることになる。
(4) C=Xn/EV×100
上記式(4)についても、推測値EVが画素値Xnすなわち発光量の期待値より大きいと、発光補正部77は画素値Xnを減少させる補正を行う。推測値EVが画素値Xnすなわち発光量の期待値より小さいと、発光補正部77は画素値Xnを増加させる補正を行う。
例えば、S=100、EV=95のとき、C=100/95×100≒105(小数点以下を四捨五入した値)である。推測値EVは発光量の期待値より5%小さいので、補正により画素値Xnが5%引き上げられる。
推測値EVが画素値Xnに比して非常に小さく、補正後の画素値Cが不安定になる場合は、線形補間等によって補正後の画素値Cを求めるようにしてもよい。
画素値が分配された周辺の画素は、注目画素に位置が近いほど画像の再現性が高くなるので、周辺の画素のなかでも、主走査方向において注目画素に隣接する画素であることが好ましい。
このようにして、1画素ずつ注目画素の位置をシフトしながら、ステップS21〜S27の処理を繰り返し、中間調処理された画像データの各画素の画素値を補正する。
そして、すべての画素を処理し終えると(ステップS28;Y)、本処理を終了する。
図12(b)が示す画像は、図12(a)の目標画像と比較して、濃度が低下している部分があり、画像の再現性が低い。濃度低下は、低濃度領域から切り替わった高濃度領域で生じていることから、連続する消灯状態から発光した際、レーザーダイオード83が応答しきれず、発光が遅延し、発光量不足に至ったと考えられる。
一方、図12(c)が示す画像は、濃度低下が見られず、補正により発光量不足が解消されている。図12(c)が示す画像は、図12(a)の目標画像と同じ画像であり、画像の再現性が高いことが分かる。
1 制御部
2 記憶部
3 通信部
6 スキャナー
7 画像処理装置
74 中間調処理部
75 モデル化部
76 推測部
77 発光補正部
8 プリンタエンジン
81 PWM部
82 画像形成部
Claims (8)
- 画像データを補正する画像処理装置と、
前記画像処理装置により補正された画像データに基づき、レーザーダイオードを発光させて感光体を露光し、現像して画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記画像処理装置は、
n個の連続する画素の各画素値のパターンを異ならせて前記レーザーダイオードを発光させたときのn番目の画素の発光量に基づいて、n個の各画素がn番目の画素の発光量に及ぼす影響度を決定するモデル化部と、
前記画像データから注目画素及び当該注目画素の直前に位置するn−1個の画素を抽出し、抽出されたn個の画素の各画素値を、前記モデル化部により決定されたn個の各画素の影響度に応じて重み付けて加算し、前記注目画素における発光量の推測値を算出する推測部と、
前記推測値を用いて前記注目画素の画素値を補正し、前記注目画素における発光量の期待値と前記推測値との誤差を小さくする発光補正部と、
を備える画像形成装置。 - 前記発光補正部は、前記推測値が前記発光量の期待値より大きい場合、前記注目画素の画素値を減少させる、
請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記発光補正部は、前記推測値が前記発光量の期待値より小さい場合、前記注目画素の画素値を増加させる、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記発光補正部は、前記注目画素の補正後の画素値が、最大値を上回るか又は最小値を下回る場合、上回った分の画素値又は下回った分の画素値を注目画素の周辺の画素に分配する、
請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置。 - 前記発光補正部は、前記画素値が分配された周辺の画素の画素値が、最大値を上回る場合、最大値に補正し、最小値を下回る場合、最小値に補正する、
請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記周辺の画素は、主走査方向において注目画素に隣接する画素である、
請求項4又は5に記載の画像形成装置。 - 前記画像データは、中間調処理された画像データである、
請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成装置。 - n個の連続する画素の各画素値のパターンを異ならせてレーザーダイオードを発光させたときのn番目の画素の発光量に基づいて、n個の各画素がn番目の画素の発光量に及ぼす影響度を決定するモデル化工程と、
画像データから注目画素及び当該注目画素の直前に位置するn−1個の画素を抽出し、抽出されたn個の画素の各画素値を、前記モデル化工程において決定されたn個の各画素の影響度に応じて重み付けて加算し、前記注目画素における発光量の推測値を算出する推測工程と、
前記推測値を用いて前記注目画素の画素値を補正し、前記注目画素における発光量の期待値と前記推測値との誤差を小さくする補正工程と、
を含む補正方法。
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