JP6019662B2 - 透視性電極部材、及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
ただ、ITO薄膜を用いた透視性電極部材は、インジウムというレアメタル(希土類元素)が使用される為に高価である点、及び、抵抗(表面抵抗率)が大面積化を図る場合に高抵抗である点で、低コスト化、大画面化への要求に対応できない等の課題がある。
「引抜プライマ方式凹版印刷法」では、透明基材41上に施した流動状態のままのプライマ層(プライマ流動層)上に導電性組成物のインクを凹版印刷する方法であり、しかもその際、凹版の版面上に透明基材41が存在している間に、版面と透明基材41間にあるプライマ流動層を紫外線照射などで硬化させてプライマ層として固化形成させた後に透明基材41を凹版から離版して、透明基材41上にプライマ層を介してパターン状の導電性メッシュ42を印刷形成する方法である。このプライマ層は流動状態のときに、版から被印刷物へのインクの転移を促進する作用、言い換えると凹版の版面凹部内に充填されたインクを引き抜いて被印刷物(透明基材)に移す作用を有する。「引抜プライマ方式凹版印刷法」による印刷物が、他の印刷法にみられない大きな特徴は、プライマ層の厚さについて、導電性組成物層の形成部の厚さが導電性組成物層の非形成部である開口領域Aに於ける厚さよりも厚い形状となる。
一方、特開平11−121974号公報では、モアレ防止の為に、これも電磁波シールド用の導電性メッシュのメッシュパターンとして、線の一部を断線させることなく、配列の周期性を一部は残し、一部はランダム化したメッシュパターンを提案している。しかし、この一部ランダム化したメッシュパターンでは、濃淡ムラは軽減し、導電性も確保できるが、モアレが残る。
この様に、画像表示装置関連分野に於いて提案されてきた公知のパターンでは、モアレの解消と、濃淡ムラの解消とを、両立させることが出来なかった。
(1)透明基材と、この透明基材の面上に形成され、プライマ平坦部とこのプライマ平坦部よりも厚さが厚いプライマ凸条部とからなるプライマ層と、前記プライマ凸条部の面に
接して、導電性粒子とバインダ樹脂を含む導電性組成物層として形成され、多数の開口領域を画成する導電性凸条部と、を有し、
導電性メッシュが前記プライマ凸条部と前記導電性凸条部とから構成され、
前記プライマ層および前記導電性凸条部を前記透明基材の少なくとも片面上に有する透視性電極部材であって、
前記導電性凸条部は、少なくとも、前記導電性粒子のうち互いに接触している粒子の存在部分である頂部から構成され、
前記頂部が、前記プライマ平坦部の表面を水準面とした前記導電性メッシュの高さHに対して、H/4以上の高さにあり、
前記導電性メッシュは、該導電性メッシュの延在方向に直交する面に平行な断面である主切断面において、該導電性メッシュの前記高さH/4での幅Wtが、該導電性メッシュの前記水準面での麓幅W4に対して、Wt<W4であり、
前記導電性メッシュを構成する前記導電性凸条部は、前記導電性凸条部が形成された前記透明基材の面に立てた法線方向から観察したときの平面視形状であるメッシュパターンが、二つの分岐点の間を延びて前記開口領域を画成する多数の境界線分Lから構成され、
(a)一つの分岐点から延びる境界線分の数の平均値Nが、3.0≦N<4.0である。
(b)前記開口領域の形状が、五角形、六角形及び七角形から選ばれた2種以上の多角形を含んでなり、前記メッシュパターン中に含まれる開口領域の数は六角形の開口領域が最多である。
(c)前記メッシュパターンを構成する多角形は同一辺数の多角形の形状は一定でない。
(d)前記開口部の大きさDの分布が、前記開口部の大きさDの平均値をD AVG 、前記開口部の大きさDの標準偏差をσとすると、前記開口部の大きさDの分布を
D AVG −3σ≦D≦D AVG +3σ
としたときに
3σ=0.1D AVG 〜0.5D AVG
である。
の4条件を満たす、透視性電極部材。
(2)前記メッシュパターンは、更に、
一つの分岐点から延びる境界線分の数の平均値Nが、3.0<N<4.0である。前記(1)に記載の透視性電極部材。
(3)前記メッシュパターンは、更に、
(e)前記開口領域の配置に周期性を有する方向が存在しない領域を含んでなるパターンである。
の条件を満たす、前記(1)乃至前記(2)のいずれかに記載の透視性電極部材。
(4)前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の透視性電極部材を含んでなる、画像表示装置。
先ず、本発明による透視性電極部材を、図1に示す一実施形態例を参照して説明する。図1(A)は断面図、図1(B)は部分拡大断面図、図1(C)は平面図である。
導電性凸条部3は、導電性粒子とバインダ樹脂を含む導電性組成物層として形成されている。導電性凸条部3は、本発明においては、少なくとも、導電性粒子のうち互いに接触している粒子の存在部分である頂部3tから少なくとも構成されるが、本実施形態においては、図2の断面図で示すように、さらに、この頂部3tよりもプライマ凸条部2r側に麓部3fも有する。この結果、導電性凸条部3は、頂部3tと麓部3fとから構成されている。
頂部3tは、プライマ平坦部2fの表面を水準面Psとした導電性メッシュ4の高さHに対して、H/4以上の高さにある。
(a)一つの分岐点から延びる境界線分Lの数の平均値Nが、3.0≦N<4.0である。
(b)前記開口領域Aの形状が、五角形、六角形及び七角形から選ばれた2種以上の多角形を含んでなり、前記メッシュパターン3P中に含まれる開口領域Aの数は六角形の開口領域Aが最多である。
(c)前記メッシュパターン3Pを構成する多角形は同一辺数の多角形の形状は一定でない。
前記法線nの方向は、図1(c)において、紙面に垂直な方向である。
(d)前記開口部の大きさDの分布が、前記開口部の大きさDの平均値をD AVG 、前記開口部の大きさDの標準偏差をσとすると、前記開口部の大きさDの分布を
D AVG −3σ≦D≦D AVG +3σ
としたときに
3σ=0.1D AVG 〜0.5D AVG
である。
(e)前記開口領域Aの配置に周期性を有する方向が存在しない領域を含んでなるパターンである。
先ず、厚み方向の構成について説明する。
透明基材1は、透明で電気絶縁性の基材であれば特に制限はなく、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂などからなる樹脂材料、ガラス、石英、セラミックス等からなる無機材料を用いることができる。透明基材1は、引抜プライマ方式凹版印刷法によって導電性メッシュ4を印刷形成する場合に、ロールに巻き取り可能なシート状物が好ましい。
プライマ層2は、プライマ平坦部2fとこのプライマ平坦部2fよりも厚さが厚いプライマ凸条部2rとから構成される。プライマ凸条部2rは、導電性メッシュ4の一部、より具体的には、導電性メッシュ4の透明基材1側の部分を構成している。
プライマ平坦部2fと、プライマ凸条部2rのうち導電性凸条部3で被覆されていない部分とが、それ自体が不透明な導電性凸条部3を有する導電性メッシュ4に透視性を付与している。
上記プライマ平坦部2fの厚さ、および、プライマ凸条部2rの厚さとは共に、プライマ層2の透明基材1側の界面を水準面とする厚さである。前記水準面とは、プライマ層2が透明基材1に接している場合では、プライマ層2と透明基材1との界面となる。
そして、プライマ層2のプライマ凸条部2rの部分での主切断面における面積を、より広くでき、プライマ凸条部2rの頂部を、より高くすることができる。また、導電性凸条部3において導電性粒子のうち互いに接触している粒子の存在部分である頂部3tが、導電性メッシュ4の高さHに対して、H/4以上の高さに形成されるようにすることができる。
プライマ層2は透明な樹脂層として形成することができる。プライマ層2を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等を用い、硬化性樹脂には熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等を用いることができる。
導電性メッシュ4の厚み方向の構成は、プライマ凸条部2rと、このプライマ凸条部2rの面に接して該面上に形成された導電性凸条部3と、から構成される。
導電性凸条部3は、導電性粒子とバインダ樹脂を含む導電性組成物層として形成される。導電性凸条部3は、前記導電性粒子のうち互いに接触している粒子の存在部分である頂部3tを少なくとも有する。さらに、頂部3tのプライマ凸条部2r側に、頂部3tに比べれば体積は僅かだが、導電性粒子が存在しないか、或いは導電性粒子が存在しても互いに接触していない部分である麓部3fも有することがある。麓部3fは、導電性凸条部3において、導電性への寄与の点で不要部だが、引抜プライマ方式凹版印刷法で導電性メッシュ4を形成時の、未だ流動状態のプライマ層2と、未だ流動状態の導電性組成物とが接触中に、互いの成分が相互に浸透することによって生じる。
麓部3fの主切断面形状における導電性凸条部3に占める面積割合は、導電性へ寄与しない観点から、通常20%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは0%である。
図2の断面図に示す如く、頂部3tの導電性メッシュ4全体に占める位置および比率は、
a)頂部3tが、導電性メッシュ4の高さHに対して、H/4以上の高さの部分にあり、
且つ、
b)導電性メッシュ4は、導電性メッシュ4の高さH/4での幅Wtが、該導電性メッシュ4の前記高さHを測る基準となる水準面Psでの麓幅W4に対して、Wt<W4、
とすることによって、
導電性メッシュ4自体の麓幅W4を狭めることなく、導電性凸条部3において互いに接触している導電性粒子を含む部分である頂部3tの幅Wcを狭くすることができる。すなわち、
Wc≦Wt<W4
とすることができる。
上記導電性メッシュ4の高さHとは、プライマ平坦部2fの表面を水準面Psとしたときの、この水準面Psからの高さである。
上記頂部3tの幅Wcとは、頂部3tの最大の幅であり、透明基材1に最も近い部分の幅である。
導電性メッシュ4の高さH/4での幅Wt<導電性メッシュ4の麓幅W4
となる。
前記インク化された導電性組成物は、例えば、導電性粒子として平均粒子径0.5μmの銀粒子を導電性組成物固形分全量に対して93質量%含み、樹脂バインダとしてポリエステル系樹脂を含む組成物を用いることができる。
こうした形状は、図12で示すように、例えば、銅からなる版基材上に版面凹部5をレジスト膜6を用いてウェットエッチングにより形成するときに、いわゆるサイドエッチング現象を意識的に利用して、レジスト膜6の外輪部直下もエッチングすることで、形成することができる。また、エッチング後に、クロムなどの金属めっきを施すことで、めっき膜によって版面凹部の開口部に丸みを持たせることでも形成することができる。
導電性メッシュ4の高さH/4での幅Wtは、1.0Wc〜2.0Wcである。
導電性メッシュ4の麓幅W4は、1.3Wt〜2.5Wcである。
導電性メッシュ4の高さHは、1〜250μmである。
形成される導電性メッシュ4に於いて電気伝導に寄与する部分の幅を、印刷可能な線幅(即ち麓幅W4)の下限値よりも狭くし、前記の如き細い線幅を実現する為には、Wt<W4とすることが必要である。Wtはより好ましくは、Wt=0.04W4〜0.7W4の範囲とする。
導電性メッシュ4の主切断面形状は、導電性メッシュ4の高さゼロの部分から高さHの最上部に至る線分形状が、図2のように変曲点が存在する形状でもよいが、図13のように、変曲点が存在しない形状でもよい。
導電性メッシュ4の主切断面形状は、図2に示すように、導電性メッシュ4の高さゼロの部分から高さHの際上部に至る線分形状において、プライマ凸条部2rと導電性凸条部3との境界部分での傾斜角θは、つまり当該部分に接する接線がプライマ平坦部2fの水準面Psと成す角度は、30〜60°程度である。換言すると、水準面Psに立てた法線と成す角度は30〜60°程度である。
導電性凸条部3は、導電性粒子とバインダ樹脂とを含む導電性組成物層として形成される。導電性凸条部3は、例えば、導電性粒子と樹脂バインダとを含む液状の導電性組成物(導電性ペースト、導電性インク等とも呼ばれる)を用いて形成でき、該導電性組成物を溶剤乾燥、電離放射線照射、加熱などのエネルギー付加、化学反応などの固化プロセスによって固化させて導電性組成物層として得られる。
樹脂バインダとは、上記導電性組成物から導電性粒子を除いた残りの成分であり、また溶剤等の揮発散逸成分を含み得る成分であり、この樹脂バインダ中に含まれる樹脂分がバインダ樹脂である。
樹脂バインダには、安定剤、分散剤、酸化防止剤、粘度調整剤、帯電防止剤など、公知の各種添加剤を含み得る。なお、バインダ樹脂が硬化性樹脂でその硬化に硬化剤や重合開始剤等を使用する場合、これらの硬化剤はバインダ樹脂の一成分であると捉える。
本発明においては、導電性メッシュ4を構成する導電性凸条部3は、本発明固有のメッシュパターン3Pを呈する。
導電性メッシュ4の一構成要素である導電性凸条部3は、導電性凸条部3が形成された透明基材1の面に立てた法線方向から観察したときの平面視形状であるメッシュパターン3Pが、二つの分岐点Bの間を延びて前記開口領域Aを画成する多数の境界線分Lから構成され、
(a)一つの分岐点Bから延びる境界線分Lの数の平均値Nが、3.0≦N<4.0である。
(b)前記開口領域Aの形状が、五角形、六角形及び七角形から選ばれた2種以上の多角形を含んでなり、前記メッシュパターン3P中に含まれる開口領域Aの数は六角形の開口領域Aが最多である。
(c)前記メッシュパターン3Pを構成する多角形は同一辺数の多角形の形状は一定でない。
の3条件を満たす。
(e)前記開口領域Aの配置に周期性を有する方向が存在しない領域を含んでなるパターンである。
メッシュパターン3Pは、導電性メッシュ4を、導電性凸条部3を形成した透明基材1の該形成面の法線方向から観察した場合における、導電性メッシュ4の一構成要素である導電性凸条部3の平面視形状である。以下、このメッシュパターン3Pについて、図1、図3および図9を主として参照しながら説明する。
(a)一つの分岐点Bから延びる境界線分Lの数の平均値Nが、3.0≦N<4.0、つまり、3.0以上で4.0未満である。
(b)前記開口領域Aの形状は、各開口領域Aの周囲を囲繞する境界線分Lの数が5、6、及び7である開口領域Aの形状から選ばれた2種以上の形状を含んでなり、且つ、前記メッシュパターン3P中に含まれる開口領域Aは、各開口領域Aの周囲を囲繞する境界線分Lの数が6である開口領域Aが最多となっている。
尚、ここで周囲を囲繞する境界線分Lの数とは、開口領域Aが多角形である場合は、その多角形の角数(或いは辺数)と一致する。即ち、各開口領域Aを構成する境界線分Lが全て直線のみからなる場合は、上記条件(b)は、前記開口領域Aの形状は、五角形、六角形及び七角形から選ばれた2種以上の多角形を含んでなることを意味する。また、境界線分Lの数が6である開口領域Aは、六角形となる。
3角形 0個
4角形 79個
5角形 1141個
6角形 2382個
7角形 927個
8角形 94個
9角形 8個
10角形以上 0個
であり、六角形の開口領域Aの数が最多であった。
尚、特に本実施形態に於いては、以上に加えて更に、メッシュパターン3Pは、開口領域Aの配置に周期性を有する方向が存在しないパターンとなっており、
(e)前記開口領域Aの配置に周期性を有する方向が存在しない領域を含んでなるパターンである。
の条件も満たす。
尚、開口領域Aの配置に周期性を有する方向が存在しないことを、開口領域Aが繰返周期を持つ方向が存在しない配列、とも言う。
領域が構成される。
なお、以上に於いて、2つの開口領域A同士が互いに合同な図形であって且つその向きが異なる場合も、その2つの開口領域Aの形状は互いに異なると見做す。
図4は、メッシュパターン3Pで画成される多数の開口部Aが、周囲を囲繞する境界線分Lの数が同一の開口部Aの形状は一定でない。そして、開口部Aが、一定の周期で配置されている領域が存在せず、繰返周期が存在しない、言い換えると、開口部Aの配置に周期性を有する方向が存在しない、ことを説明するXY平面に平行な板面に於ける平面図である。この板面の面内において、同図では、任意の位置で任意の方向を向く一本の仮想的な直線diが選ばれている。
この一本の直線diが、ライン部Ltの境界線分Lと交差し交差点が形成される。この交差点を、図面では図面左下から順に、交差点c1,c2,c3,・・・・・,c9として図示してある。隣接する交差点、例えば、交差点c1と交差点c2との距離が、前記或る一つの開口部Aの直線di上での寸法t1である。次に、寸法t1の開口部Aに対して直線di上で隣接する別の開口部Aについても、同様に、直線di上での寸法t2が定まる。そして、任意位置で任意方向の直線diについて、直線diと交差する境界線分Lとから、該直線diと遭遇する多数の開口部Aについて、該直線di上における寸法として、t1,t2,t3,・・・・・・,t8が定まる。そして、t1,t2,t3,・・・・・・,t8の数値の並びには、周期性が存在しない。
図4では、このt1,t2,t3,・・・・・・,t8は、判り易い様に図面下方に、直線diと共にメッシュパターン3Pとは分離して描いてある。
すなわち、このt1,t2,t3,・・・・・・,t8の数値の並びの様に、境界線分Lで画成された開口部Aには繰返周期を持つ方向が存在しない。
言い換えると、開口部Aの配置において、任意位置を通る任意方向の仮想的な線分di上での開口部Aの寸法tiの並びの数列が非周期関数となる。すなわち、t(i)=t(i+M)となるMが存在しない(i,Mはそれぞれ独立な正の整数)。
このように、開口部Aの配置に周期性を有する方向が存在しないことを、開口部Aが一定の繰返周期で並べられている方向が存在しない、と表現する。
図10A〜図10Cおよび図11A〜図11Cは、透視性電極部材10を、タッチパネル用の電極基材として利用したときのモアレ発生状況を説明する図面である。
図11Cには、図11Aに示された周期的メッシュパターン42Pを、図11Bに示された画像表示パネル30(図10Bで示したものと同じである)に於ける典型的な画素配列上に重ねた状態が示されている。図11A、図11B及び図11Cからも理解され得るように、周期的メッシュパターン42Pを有する透視性電極部材40が画像表示パネル30の画素配列上に配置されると、周期的メッシュパターン42Pと画素の規則的パターンとの干渉によって、明暗の筋(図11Cに示された例では、左上から右下に延びている明暗の筋)が視認されるようになる。
ここで、本発明固有の上記メッシュパターン3Pのパターンを作成する方法の一例を以下に説明する。
なお、図8(A)に於いて、これら母点群から得られるボロノイ境界(図9参照)を参考までに破線で図示してある。
なお、図8(D)からわかる様に、任意の1母点BPから見た他の母点BPの方位(角度)分布は等方的(乃至は略等方的)である。このことが、こうした母点(群)BPから生成されるメッシュパターン3Pに於ける開口領域Aの方位(角度)分布が等方的(乃至は略等方的)となることに対応する。
この様に構成することにより、開口領域Aの面分布がより均一化し、モアレがより一層効果的に改善する。
DAVG−3σ≦D≦DAVG+3σ
としたときに(但し、DAVGは大きさDの平均値、σは大きさDの分布の標準偏差)、
3σ=0.1DAVG〜0.5DAVG
とするのが好ましい。
(1)或る一つの開口領域Aに属する全ての分岐点B(多角形の場合は全頂点)を通る円が描ける場合は、この開口領域Aの外接円直径を以って、大きさDとする。
(2)或る一つの開口領域Aに属する全ての分岐点B(多角形の場合は全頂点)を通る円が描けない場合は、この開口領域Aに属する2分岐点B間の距離の最大値(多角形の場合は最長の対角線長)を以って、大きさDとする。
この結果、規則的(周期的)に画素Pが配列された画像表示パネル30に、この透視性電極部材10を重ねたとしても、縞状の模様(モアレ、干渉縞)が視認され得る程度に発生することを効果的に防止することができる。
本発明の透視性電極部材10は、上記した形態以外のそのたの形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
上述した実施形態では、透視性電極部材10の導電性メッシュ4の全領域において、導電性凸条部3が呈するメッシュパターン3Pによって画成される開口領域Aの配置に周期性を有する方向が存在しないようになっている例を説明した。しかしながら、図14の様に、その内部に於いてメッシュパターン3Pの全領域が、単位パターン領域Sを複数集合してメッシュパターン3Pの全領域が構成されるようにして、且つ各単位パターン領域S内に於いては、複数の開口領域Aが、その配置に周期性を有する方向が存在しないパターンで配置されている領域からなるようにしてもよい。
すなわち、この形態に於いては、メッシュパターン3Pの全領域中に、局所的に見たときに、同一パターンで開口領域A群が配置されてなる単位パターン領域Sを2箇所以上含むようになる。この場合、特定方向について、一定周期で4箇所以上の繰返しが無ければ、単位パターン領域S同士の繋ぎ目は実質上目立ち難く、外観上の見栄えの点で無視し得る。もちろん、単位パターン領域S中でモアレは改善されている。この例において、一つの単位パターン領域S内におけるメッシュパターン3Pのパターンは、例えば、図5〜図9を参照しながら説明したパターン作成方法と同様にして作成することができる。
また、各単位パターン領域S内に於いては、開口領域Aの配置が特定方向に周期性を持たない為、本発明の奏すべきモアレ防止の改善効果は、支障なく奏される。
導電性メッシュ4は、その表面に金属めっき層を形成してもよい。金属めっき層は、通常、導電性凸条部3の頂部3tが導電性を有するので、この頂部3tの表面に、銅、銀、クロムなどの1種以上を含む金属をめっきすることで行われる。金属めっき層によって、導電性凸条部3単体では面積抵抗率が大きい場合に、これを小さくすることができる。
導電性メッシュ4、或いは前記金属めっき層は、その表面に黒化層を形成してもよい。黒化層は、公知の黒化処理によって形成することができる。黒化層によって、導電性メッシュ4或いは金属めっき層の表面からの反射光を減らして、これらの層を目立たなくさせ、画像表示パネルに適用したときに、画像のコントラストを向上させることができる。
本発明においては、上記した以外のその他の層を含んでもよい。例えば、各種光学フィルタ機能を付与する光学フィルタ層、光学フィルタ機能以外の機能を付与する機能層などである。これらの層には公知の層を適宜採用することができる。
なお、光学フィルタ層としては、紫外線吸収層、反射防止層(防眩、反射防止、防眩及び反射防止兼用のいずれか)、着色(フィルタ)層などである。また、光学フィルタ機能以外の機能を付与する機能層としては、防汚層、帯電防止層、ハードコート層、粘着剤層、該粘着剤層を使用時まで保護する離型フイルム、接着剤層、層間密着を強化する密着強化層、耐衝撃層などである。なお、これらの層は単層で2以上の機能を兼用することもある。
図1に示した実施形態では、導電性凸条部3が透明基材1の片面に形成された片面仕様であった。しかし、本発明においては、導電性凸条部3が透明基材1の両面に形成された両面仕様の形態もあり得る。両面仕様の形態では、両面それぞれの導電性凸条部3のメッシュパターン3P同士の干渉によるモアレも目立たなくさせることができる。よって、画像表示パネルに適用しない用途においても、モアレを目立たなくさせる効果を得ることができる。例えば、印刷物上に配置された2層の透明電極を用いたタッチパネルなどである。
本発明による画像表示装置は、前記した透視性電極部材10を含んでなる構成の画像表示装置である。
図15で例示する本発明による画像表示装置100は、透視性電極部材10を、画像表示パネル30の画面30a上に備える画像表示装置100である。透視性電極部材10は、例えば、タッチパネル20の透明電極として、画像表示パネル30の画面30a上に備えられ、その結果、透視性電極部材10を含んでなる画像表示装置100が構成される。上記タッチパネルは、その位置検知方式に特に制限はないが、例えば、投影型或いは表面型の静電容量方式、抵抗膜方式などである。
画像表示パネル30は、プラズマディスプレイパネル、液晶パネル、EL(電界発光)パネル等の平面画像を表示可能な表示パネルである。また、画像表示パネル30は、表示面が平面乃至は湾曲面のブラウン管等でも良い。画像表示パネル30としては、ディスプレイ駆動回路等の各種回路、該駆動回路と画像表示パネル本体間の配線、これらを一体化するシャーシ、フレーム等を含んでいても良い。従って、画像表示パネル30は、「ディスプレイモジュール」乃至は「パネルモジュール」等と呼ぶこともできる。
画像表示装置100は、図示はしないが、画像表示パネル30の画面上に、透視性電極部材10を含むタッチパネル20以外に、その他の光学部材を備えていても良い。その他の光学部材は、例えば前記した機能層を有する光学部材等である。例えば、反射防止層、表面保護ガラス等である。
本発明による透視性電極部材10の用途は特に限定されないが、特にモアレが生じ得る周期的パターンを有する物と組み合わせる用途であって、しかも、導電性凸条部3の線幅に10μm以下が望ましい用途が好適である。例えば、タッチパネルの透明電極部材、各種画像表示パネルの透明電極部材、電磁波シールド用の透明電極部材などである。
前記画像表示パネルとしては、液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル、EL(電界発光)パネル、電子ペーバーなどの各種画像表示パネルの他、ブラウン管によるディスプレイ装置でもよい。また、照明用ELパネルとして、液晶表示パネルのバックライトなどの用途に適用してもよい。
本発明による画像表示装置100の用途も特に限定されないが、特にモアレが生じ得る周期的パターンを有する物と組み合わせる用途であって、しかも、導電性凸条部3の線幅に10μm以下が望ましい用途が好適である。具体的には、携帯電話の表示部、事務用機器の画像表示部、各種機器のタッチパネル付き画像表示部、各種計測機器や医療機器の画像表示部、テレビジョン受像裝置、電子計算機のモニタ等である。組み合わせる画像表示パネルは、前記列記したものなどである。
2 プライマ層
2f プライマ平坦部
2r プライマ凸条部
3 導電性凸条部
3t 頂部
3f 麓部
3P メッシュパターン
4 導電性メッシュ
5 版面凹部
6 レジスト膜
10 透視性電極部材
20 タッチパネル
30 画像表示パネル
40 従来の透視性電極部材
41 透明基材
42 従来の導電性メッシュ
100 画像表示装置
A 開口領域
B 分岐点
BP,BP1,BP2 母点
H 導電性メッシュの高さ
L 境界線分
Lt ライン部(境界線分Lの集合)
Ps 水準面
S 単位パターン領域
W4 導電性メッシュの水準面での麓幅
Wc 導電性凸条部の頂部の幅
Wt 導電性メッシュの高さH/4での幅
Claims (4)
- 透明基材と、この透明基材の面上に形成され、プライマ平坦部とこのプライマ平坦部よりも厚さが厚いプライマ凸条部とからなるプライマ層と、前記プライマ凸条部の面に接して、導電性粒子とバインダ樹脂を含む導電性組成物層として形成され、多数の開口領域を画成する導電性凸条部と、を有し、
導電性メッシュが前記プライマ凸条部と前記導電性凸条部とから構成され、
前記プライマ層および前記導電性凸条部を前記透明基材の少なくとも片面上に有する透視性電極部材であって、
前記導電性凸条部は、少なくとも、前記導電性粒子のうち互いに接触している粒子の存在部分である頂部から構成され、
前記頂部が、前記プライマ平坦部の表面を水準面とした前記導電性メッシュの高さHに対して、H/4以上の高さにあり、
前記導電性メッシュは、該導電性メッシュの延在方向に直交する面に平行な断面である主切断面において、該導電性メッシュの前記高さH/4での幅Wtが、該導電性メッシュ
の前記水準面での麓幅W4に対して、Wt<W4であり、
前記導電性メッシュを構成する前記導電性凸条部は、前記導電性凸条部が形成された前記透明基材の面に立てた法線方向から観察したときの平面視形状であるメッシュパターンが、二つの分岐点の間を延びて前記開口領域を画成する多数の境界線分Lから構成され、
(a)一つの分岐点から延びる境界線分の数の平均値Nが、3.0≦N<4.0である。
(b)前記開口領域の形状が、五角形、六角形及び七角形から選ばれた2種以上の多角形を含んでなり、前記メッシュパターン中に含まれる開口領域の数は六角形の開口領域が最多である。
(c)前記メッシュパターンを構成する多角形は同一辺数の多角形の形状は一定でない。
(d)前記開口部の大きさDの分布が、前記開口部の大きさDの平均値をD AVG 、前記開口部の大きさDの標準偏差をσとすると、前記開口部の大きさDの分布を
D AVG −3σ≦D≦D AVG +3σ
としたときに
3σ=0.1D AVG 〜0.5D AVG
である。
の4条件を満たす、透視性電極部材。 - 前記メッシュパターンは、更に、
一つの分岐点から延びる境界線分の数の平均値Nが、3.0<N<4.0である。
請求項1に記載の透視性電極部材。 - 前記メッシュパターンは、更に、
(e)前記開口領域の配置に周期性を有する方向が存在しない領域を含んでなるパターンである。
の条件を満たす、請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の透視性電極部材。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の透視性電極部材を含んでなる、画像表示装置。
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