JP6017334B2 - 車両用収納装置 - Google Patents
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Description
物品を収納可能な収納部を有する本体部と、前記収納部の開口を塞ぐ閉成位置と該開口を開放する開放位置との間で本体部に対してスライド移動可能に配設されたリッドとを備えた車両用収納装置において、
前記リッドに配設され、前記本体部側に設けられた係止部に引っ掛かることで前記リッドを前記開放位置で保持するよう構成されたロック手段と、
前記本体部に配設され、前記リッドに対して前記開放位置へ向けた開放方向の慣性力が作用した際に、リッドの移動経路より退避した退避姿勢から該リッドの開放方向前側に交差する規制姿勢に変位して、閉成位置にあるリッドの開放方向の移動を規制する規制手段とを備え、
前記規制手段には、前記退避姿勢において、前記リッドの開閉操作に伴って前記ロック手段を前記係止部に係脱するように案内するガイド部の少なくとも一部が設けられたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、通常時にリッドの開閉操作を行なう場合には、リッドに配設されたロック手段が、本体部に配設された規制手段に設けられたガイド部によって係止部に案内されて該係止部に係脱されるから、リッドを開放位置で適切に保持したり開放位置での保持を解除することが可能である。そして、ロック手段をリッドに配設すると共に、該ロック手段を係止部へ案内するガイド部を規制手段に設けたから、本体部にロック手段およびガイド部を設けるスペースを確保する必要がなくなり、リッドを開閉規制する手段の省スペース化を図り得る。
前記係止部は、前記規制手段に設けられたことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、ロック手段が係止される係止部を規制手段に設けたから、本体部に該係止部を設けるスペースを確保する必要がなくなり、リッドを開閉規制する手段の更なる省スペース化を図り得る。
前記ロック手段は、前記リッドに対して回動可能に配設されると共に、溝状に形成された前記ガイド部に挿入される係止軸を備え、
前記ロック手段は、前記リッドの開閉操作に伴って前記係止軸が前記ガイド部に案内されて該リッドのスライド移動方向と交差する方向に変位されることで、前記係止軸が前記係止部に引っ掛かってリッドの閉成位置へ向けた閉成方向への移動を規制すると共に、前記係止軸が前記係止部から外れてリッドの前記閉成方向への移動を許容するよう構成されたことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、リッドに回動可能に配設されたロック手段に備えられた係止軸が、リッドの開閉操作に伴ってガイド部に案内されて該リッドのスライド移動方向と交差する方向に変位することで係止部に引っ掛かったり該係止部から外れるから、ロック手段を操作することなくリッドの開放位置での保持および保持解除を行なうことができる。
前記ガイド部は、該ガイド部への前記係止軸の出入口が、前記ロック手段の回動変位に伴う該係止軸の移動幅より幅広に形成されたことを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、リッドが閉成位置から開放位置側に向けてスライド移動する際に、ロック手段に設けられた係止軸がどのような位置にあっても、該係止軸が出入口を介してガイド部に入るようになる。
実施例の車両用収納装置10は、図1に示すように、リッド16を開放位置から閉成位置へ向けて付勢して、その付勢力によってリッド16を閉成位置で保持する付勢手段20を備えている。車両用収納装置10は、溝部13の後端に支持部18が引っ掛かるなどにより閉成位置を越えた後方への移動が規制されたもとで、リッド16の後縁を収納部14の後側開口縁に突き合わせて(図1、図4参照)、付勢手段20の付勢力により収納部14を塞いだ状態で保持される。すなわち、車両用収納装置10は、リッド16を閉成位置に保持するための保持装置を備えておらず、保持装置を解除するなどの手間をかけることなく、リッド16を開放移動させることができる。ここで実施例では、付勢手段20として、帯状の金属薄板20aをドラム20bにコイル状に巻いた定荷重ばねが採用されている。ドラム20bは、本体部12において収納部14の前側に延在する部位(以下、前側部位という)12aの略中央に配設され(図1参照)、ドラム20bから引き出された金属薄板20aがリッド16の前端に接続されている。そして、付勢手段20は、リッド16が閉成位置から開放位置に向かうにつれてドラム20bから金属薄板20aが引き出され、後方へ向けた一定荷重の付勢力をリッド16に付与するようになっている。なお、本体部12とリッド16との間にロータリーダンパー等の制動手段を設けて、リッド16の操作荷重を調節するようにしてもよい。
実施例の車両用収納装置10は、図1〜図5に示すように、車両の急制動や衝突などの異常時において、閉成位置にあるリッド16に対して開放位置へ向けた開放方向の慣性力が作用した場合に、該リッド16の開放方向の移動を規制する規制手段30を備えている。規制手段30は、本体部12における前側部位12aの右側に、下方へ凹むと共に上方へ開口するように設けられた収容部15に配設されている。この規制手段30は、通常時、すなわち閉成位置にあるリッド16を開放位置へ向けて移動させる慣性力が作用しない場合には、収容部15へ収容されてリッド16の移動経路から退避した退避姿勢(図4参照)に保持される。そして、規制手段30は、リッド16に対して付勢手段20による後方への付勢力を越える慣性力が前方(リッド16の開放方向)に作用した場合、すなわち閉成位置にあるリッド16を開放位置へ向けて移動させる慣性力が作用した場合には、収容部15からリッド16の移動経路に突出して交差する規制姿勢(図5参照)に回動するよう構成されている。
実施例の車両用収納装置10は、図1〜図5に示すように、リッド16の下面に配設され、該リッド16を開放位置で保持するロック手段45を備えている。リッド16の下面には、上方へ凹となると共に下方へ開口した前後に長い略矩形の設置部21が形成され、ロック手段45は、該設置部21に回動可能に配設されている。設置部21の上面における略中央には、ロック手段45を回動可能に支持する枢支孔22が、該上板の厚み方向に貫通して形成されている。枢支孔22は、開口端における左部および右部に、左右方向へ延長した幅広部22a,22aが形成されている。
ロック手段45には、図2〜図5に示すように、その前端部に、下方へ突出したピン状の係止軸47が配設されている。この係止軸47は、リッド16の開閉操作に伴い、規制手段30のベース部31の上面に溝状に設けられたガイド部40に挿入された状態で案内されると共に、リッド16の開放位置において、該ベース部31の上面に設けられた係止凹部(係止部)42に引っ掛かることが可能となっている(図4参照)。そして、係止軸47が係止凹部42に引っ掛かることで、リッド16が開放位置に保持されるようになっている。
規制手段30におけるベース部31の上面に設けられた前記ガイド部40は、図1および図3に示すように、規制手段30のベース部31の上面において、該ベース部31の後端から該ベース部31の前端近傍に形成された係止凹部42まで前後方向に延在し、ベース部31の後方(リッド16の閉成位置側)および上方(リッド16側)へ開口した溝状に形成されている。ガイド部40は、規制手段30のベース部31の後端に開口すると共に係止凹部42の後方まで延在する第1ガイド溝40aと、該第1ガイド溝40aの前部から係止凹部42の左側を通過して該係止凹部42の前部まで延在する第2ガイド溝40bと、係止凹部42の前部から該係止凹部42の右側を通過して第1ガイド溝40aの前部まで延在する第3ガイド溝40cとを備えている。第1ガイド溝40aは、前後方向の略中間から後側部分が、後方にいくにつれて左右に拡開するように形成されており、ベース部31の後端に形成されて係止軸47が出入りする出入口41は、ロック手段45の回動変位に伴う係止軸47の左右方向での移動幅より幅広に形成されている。すなわち、ガイド部40の出入口41は、ロック手段45が図3に1点鎖線で示す姿勢および2点鎖線で示す姿勢の間で回動変位して係止軸47が左右方向でどのような位置にあっても、リッド16を閉成位置から開放位置へ向けて移動する際には該係止軸47を受け入れ可能となっている。
次に、実施例に係る車両用収納装置10の作用について説明する。実施例の車両用収納装置10は、図4に示すように、通常時には規制手段30が退避姿勢に保持されており、該規制手段30のベース部31が略水平となっている。従って、リッド16を、付勢手段20の付勢力に抗して閉成位置から開放位置へ向けて移動させることができ、該リッド16の移動によって、係止軸47が出入口41を通過してガイド部40の第1ガイド溝40aおよび第2ガイド溝40bに沿って移動する。そして、リッド16が開放位置に移動したら、該リッド16を前方へ押すことを解除することで、第2ガイド溝40bに案内された係止軸47が係止凹部42に引っ掛かって係止され、リッド16が開放位置に保持される。また、開放位置にあるリッド16を前方へ押すと、第3ガイド溝40cに案内されて支持軸46が係止凹部42から外れて係止が解除され、該リッド16を前方へ押すことを解除することで、付勢手段20の付勢によりリッド16が閉成位置へ向けて移動する。
本願発明は、前述した実施例の構成に限定されず、以下のように変更可能である。
(1)本願の車両用収納装置は、コンソールボックスに限定されず、車両において物品の収納に用いられる各種収納装置に適用可能である。
(2)規制手段30は、本体部12に回動変位可能に設けられるものに限らず、該本体部12に対して上下方向や左右方向または斜め方向にスライド変位するものであってもよい。
(3)車両用収納装置10は、リッド16を閉成位置から後方へ移動することで収納部14を開放する構成であってもよい。この場合、規制手段30が本体部12において収納部14の後側に配設されると共に、ロック手段45は、実施例とは前後反対向きでリッド16の設置部21に配設される。この構成によれば、車両が追突されたり急発進した際に収納部14からの物品の飛散を防止し得る。
(4)係止凹部42は、規制手段30のベース部31上面ではなく、本体部12における規制手段30の前側部分(例えば、突部12b)に設けるようにしてもよい。この場合、規制手段30のベース部31の上面にはガイド部40の少なくとも一部が形成され、該ベース部31に形成された該ガイド部40は、該規制手段30の前端に開口した形態とされて、ロック手段45の係止軸47は、リッド16の移動に伴って該ガイド部40を前後に通過するようになる。
(5)車両用収納装置10は、リッド16を閉成位置に保持するための付勢手段20を省略した構成であってもよい。
45 ロック手段,47 係止軸
Claims (4)
- 物品を収納可能な収納部を有する本体部と、前記収納部の開口を塞ぐ閉成位置と該開口を開放する開放位置との間で本体部に対してスライド移動可能に配設されたリッドとを備えた車両用収納装置において、
前記リッドに配設され、前記本体部側に設けられた係止部に引っ掛かることで前記リッドを前記開放位置で保持するよう構成されたロック手段と、
前記本体部に配設され、前記リッドに対して前記開放位置へ向けた開放方向の慣性力が作用した際に、リッドの移動経路より退避した退避姿勢から該リッドの開放方向前側に交差する規制姿勢に変位して、閉成位置にあるリッドの開放方向の移動を規制する規制手段とを備え、
前記規制手段には、前記退避姿勢において、前記リッドの開閉操作に伴って前記ロック手段を前記係止部に係脱するように案内するガイド部の少なくとも一部が設けられた
ことを特徴とする車両用収納装置。 - 前記係止部は、前記規制手段に設けられた請求項1記載の車両用収納装置。
- 前記ロック手段は、前記リッドに対して回動可能に配設されると共に、溝状に形成された前記ガイド部に挿入される係止軸を備え、
前記ロック手段は、前記リッドの開閉操作に伴って前記係止軸が前記ガイド部に案内されて該リッドのスライド移動方向と交差する方向に変位されることで、前記係止軸が前記係止部に引っ掛かってリッドの閉成位置へ向けた閉成方向への移動を規制すると共に、前記係止軸が前記係止部から外れてリッドの前記閉成方向への移動を許容するよう構成された請求項1または2記載の車両用収納装置。 - 前記ガイド部は、該ガイド部への前記係止軸の出入口が、前記ロック手段の回動変位に伴う該係止軸の移動幅より幅広に形成された請求項3記載の車両用収納装置。
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