JP6016135B2 - マイクロ波加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被加熱物にマイクロ波を放射して誘電加熱する電子レンジ等のマイクロ波加熱装置に関し、特にマイクロ波放射部の構造に特徴を有するマイクロ波加熱装置に関するものである。
マイクロ波により対象物を加熱処理するマイクロ波加熱装置の代表的な装置としては、電子レンジがある。電子レンジにおいては、マイクロ波発生器において発生したマイクロ波が金属製の加熱室の内部に放射され、加熱室内部の対象物である被加熱物が放射されたマイクロ波により誘電加熱される。
従来の電子レンジにおけるマイクロ波発生器としては、マグネトロンが用いられている。マグネトロンにより生成されたマイクロ波は、導波管を介して加熱室内部に放射される。加熱室内部におけるマイクロ波の電磁界分布(マイクロ波分布)が不均一であると、被加熱物を均一にマイクロ波加熱することができない。
加熱室内部の被加熱物を均一に加熱する手段として、被加熱物を載置するテーブルを回転させて被加熱物を回転させる機構、被加熱物を固定してマイクロ波を放射するアンテナを回転させる機構、または位相器によってマイクロ波発生器から発生するマイクロ波の位相を変化させる機構など、何らかの駆動機構を用いて被加熱物に放射されるマイクロ波の向きを変えながら加熱して、被加熱物に対して均一加熱を図る方法が一般的であった。
一方、構成を簡単にするために駆動機構を持たずに均一加熱する方法が要望されており、時間的に電界の偏波面が回転する円偏波を利用する方法が提案されている。本来、誘電加熱は誘電損失を有する被加熱物をマイクロ波の電界によって加熱する原理に基づくため、電界が回転する円偏波を用いることは加熱の均一化に効果があるものと考えられる。
例えば、具体的な円偏波の発生方法としては、米国特許第4301347号明細書(特許文献1)には、図12に示すように、導波管1200上で交差するX字型の円偏波開口1202を用いる構成が示されている。また、特許第3510523号公報(特許文献2)には、図13に示すように、導波管1300上で直交する方向に延設された二つの長方スリット状の開口1301を対向させつつも離して配置する構成が示されている。さらに、特開2005−235772号公報(特許文献3)には、図14に示すように、マグネトロン1404からのマイクロ波が伝送する導波管1400にパッチアンテナ1401が結合されており、そのパッチアンテナ1401の平面形状に切り欠き1402を形成して円偏波を発生させる構成が示されている。
例えば、従来のマイクロ波加熱装置は、導波管内部に回転可能なアンテナ、アンテナシャフトなどが配置されており、アンテナモータによって当該アンテナを回転させながらマグネトロンを駆動することにより、加熱室内のマイクロ波分布の不均一さを低減する構成を有するものであった。
また、特開昭62−64093号公報(特許文献4)には、マグネトロンの下部に回転アンテナを設け、当該回転アンテナの羽根に送風ファンからの冷却風をあてることにより、送風ファンの風力により回転アンテナを回転させて、加熱室内のマイクロ波分布を変化させているマイクロ波加熱装置が提案されている。
位相器を有する例としては、マイクロ波加熱による被加熱物の加熱ムラの低減を図ると共に、給電部の省スペース化を図ったマイクロ波加熱装置が特許文献1に記載されている。特許文献1には、図12に示すように、回転式の位相シフター1201を有し、加熱室内部に円偏波を放射する単一のマイクロ波放射部1202を備えたマイクロ波加熱装置が提案されている。
米国特許第4301347号明細書 特許第3510523号公報 特開2005−235772号公報 特開昭62−64093号公報
前述の従来構成の電子レンジのようなマイクロ波加熱装置においては、できるだけ簡易的な構造を有し、被加熱物を効率良く、ムラ無く均一に加熱することが求められている。しかし、これまで提案されていた従来の構成においては、満足出来るものではなく、構造上、効率化および均一化などの点で種々の問題を有していた。
また、マイクロ波加熱装置、特に、電子レンジにおいては、高出力化の技術開発が進み、日本国内では定格高周波出力1000Wの製品が商品化されている。電子レンジは、熱伝導によって食品を加熱するのではなく、誘電加熱を用いて直接食品を加熱できる利便性がこの商品の大きな特徴である。しかし、電子レンジにおいて、不均一加熱が未解決な状態においての高出力化は不均一加熱をより顕在化させるという大きな問題を抱えている。
前記従来の構成において、駆動機構を有するマイクロ波加熱装置が抱える構造上の課題としては、下記の3点が挙げられる。
1点目は、加熱ムラを低減するためにテーブルまたはアンテナを回転させるための駆動機構を必要としており、このためテーブルまたはアンテナのための回転スペース、およびテーブルまたはアンテナを回転させるモータなどの駆動源のための設置スペースを確保しなければならず、マイクロ波加熱装置の小型化を阻害していたことである。
2点目は、アンテナを安定的に回転させるために、当該アンテナを加熱室の上部または下部に設ける必要があり、構造的に制限されていたことである。
3点目は、水蒸気加熱や熱風加熱などの種々の加熱機能を有する電子レンジの登場により、電子レンジの筐体内部に多くの構成部品が必要となり、この点においても構造的に制限されていることである。また、このような電子レンジにおいては、筐体内部の制御部品などからの発熱量が多いため、十分な冷却性能を実現するためには冷却風路を筐体内部に確保する必要があり、導波管およびマイクロ波放射部の設置位置が制限され、加熱室内のマイクロ波分布が不均一になってしまうという課題を有している。
さらに、従来のマイクロ波加熱装置における加熱室に通じる、マイクロ波が照射される空間(アプリケータ)内には、テーブルまたは位相器の回転機構などが設置されており、このような機構の設置は、マイクロ波による放電現象を引起こし、装置としての信頼性を低下させていた。したがって、これらの機構が不要となる信頼性の高いマイクロ波加熱装置が要望されている。
前述の円偏波を利用した従来のマイクロ波加熱装置は、特許文献1〜3のいずれの場合においても、駆動機構を不要にできるほどの均一効果はないという課題を有していた。いずれの特許文献1〜3においても、円偏波と駆動機構との相乗効果により従来の駆動機構のみの構成よりも均一化を図ることができるということが記載されているに過ぎない。
具体的には、図12に示した特許文献1では導波管1200の終端に位相シフター1201と呼ばれる回転体を有しており、図13に示した特許文献2では被加熱物を回転させるためのターンテーブルを有しており、図14に示した特許文献3ではターンテーブル1403に加えてパッチアンテナ1401をも回転させて攪拌機として利用する構成が記載されている。上記のように、いずれの特許文献1〜3においても円偏波を用いれば駆動機構を不要にできるとは記載されていない。これは、単一のマイクロ波放射部から放射される円偏波のみで駆動機構を設けない場合には、一般的な駆動機構を有した構成、例えば被加熱物を載置するテーブルを回転させる構成や、アンテナを回転させる構成などの場合に比べて、マイクロ波の攪拌が不十分であるため、均一性が劣るためである。
また、特許文献4の従来のマイクロ波加熱装置においては、送風ファンからの冷却風により回転アンテナを回転させる構成であり、回転機構がアプリケータ内に設けられている。このため、装置としての信頼性を低下させているとともに、加熱室内のマイクロ波分布の均一化においても課題を有していた。
本発明は、前述の従来のマイクロ波加熱装置における各種課題を解決するものであり、駆動機構を用いることなく、被加熱物を均一に加熱できるマイクロ波加熱装置を提供することを目的とする。特に、図12および図13に示したように導波管の開口から円偏波を放射する場合、導波管の幅よりも外側には開口を設けることができないため、導波管の幅よりも外側の領域にマイクロ波を広げることができないという課題を解決するものである。本発明においては、導波管の幅方向にマイクロ波を広げることが可能な構成とするとともに、導波管内のマイクロ波の伝送方向にもマイクロ波を広げることが可能な構成として、加熱室内のマイクロ波分布の均一化を図ることが可能となり、被加熱物を均一に加熱することができる構成を提供するものである。
前述の従来のマイクロ波加熱装置における課題を解決するために、本発明に係るマイクロ波加熱装置は、
被加熱物を収納する加熱室と、
マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、
マイクロ波を伝送する導波部と、
前記導波部に設けられ、前記加熱室内にマイクロ波を放射するマイクロ波放射部と、を備え
前記マイクロ波放射部が、前記導波部の伝送および電界方向に対して直角方向に複数配置されており、
少なくとも2つの前記マイクロ波放射部のそれぞれの中心が、前記導波部内の電界の略節位置に対応する位置に配置されている。
上記のように構成された、本発明に係るマイクロ波加熱装置は、導波部の伝送および電界方向に対して直角方向に配置した複数のマイクロ波放射部から加熱室内にマイクロ波を放射する構成であるため、主に導波部の伝送および電界方向に対して直角方向にマイクロ波が広がり、導波部の幅よりも外側の領域にもマイクロ波を放射することが可能となる。その結果、本発明に係るマイクロ波加熱装置は、駆動機構を用いることなく、被加熱物の加熱分布を均一化することができる。
また、本発明に係るマイクロ波加熱装置は、マイクロ波放射部の形成位置における導波部内のマイクロ波の位相により、マイクロ波放射部から加熱室内に放射されるマイクロ波の広がる方向が変化し、特に、マイクロ波放射部を略節位置に配置することにより、導波部の伝送方向に指向性を有するマイクロ波を放射することできる。
したがって、本発明に係るマイクロ波加熱装置においては、導波部の伝送および電界方向に対して直角方向に複数のマイクロ波放射部を配置し、このうちの少なくとも2つのマイクロ波放射部を略節位置に配置することにより、導波部の伝送および電界方向に対して直角方向とともに、伝送方向のそれぞれにマイクロ波を放射することが可能となり、駆動機構を用いなくても被加熱物の加熱分布をより均一化することができる。
本発明のマイクロ波加熱装置においては、導波部の伝送および電界方向に対して直角方向に複数のマイクロ波放射部を配置し、このうちの少なくとも2つのマイクロ波放射部を略節位置に配置することにより、導波部の伝送および電界方向に対して直角方向と、導波部のマイクロ波の伝送方向と平行な方向にそれぞれマイクロ波を放射することが可能となり、駆動機構を設けることなく被加熱物の加熱分布を均一化することができる。
本発明に係る実施の形態1のマイクロ波加熱装置の全体構成を示す斜視図 (a)本発明に係る実施の形態1における導波部とマイクロ波放射部と加熱室とを示す平面図、および(b)マイクロ波放射部と導波部内の電界との関係を説明する側面図 本発明に係る実施の形態1における導波部内の電界と磁界と伝送方向との関係を説明する図 本発明に係る実施の形態1における導波部内の電界と磁界と電流の位相とマイクロ波放射部との関係を説明する図 本発明に係る実施の形態1における導波部内の電界の位相とマイクロ波放射部から放射されるマイクロ波の指向性との関係を説明する図 (a)本発明に係る実施の形態2における導波部とマイクロ波放射部と加熱室とを示す平面図、および(b)マイクロ波放射部と導波部内の電界との関係を説明する側面図 (a)本発明に係る実施の形態3における導波部とマイクロ波放射部と加熱室とを示す平面図、および(b)マイクロ波放射部と導波部内の電界の関係を説明する側面図 本発明に係る実施の形態3における導波部内の電界の位相とマイクロ波放射部から放射されるマイクロ波の指向性との関係を説明する図 (a)本発明に係る実施の形態4における導波部とマイクロ波放射部と加熱室とを示す平面図、および(b)マイクロ波放射部と導波部内の電界との関係を説明する側面図 (a)本発明に係る実施の形態5における導波部とマイクロ波放射部と加熱室とを示す平面図、および(b)マイクロ波放射部と導波部内の電界との関係を説明する側面図 本発明に係る実施の形態5におけるマイクロ波放射部の形状例を説明する図 X字型の開口で円偏波を発生させる従来のマイクロ波加熱装置の構成図 直交する二つの長方スリットで円偏波を発生させる従来のマイクロ波加熱装置の構成図 パッチアンテナで円偏波を発生させる従来のマイクロ波加熱装置の構成図
本発明に係る第1の態様のマイクロ波加熱装置は、
被加熱物を収納する加熱室と、
マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、
マイクロ波を伝送する導波部と、
前記導波部に設けられ、前記加熱室内にマイクロ波を放射するマイクロ波放射部と、を備え
前記マイクロ波放射部が、前記導波部の伝送および電界方向に対して直角方向に複数配置されており、
少なくとも2つの前記マイクロ波放射部のそれぞれの中心が、前記導波部内の電界の略節位置に対応する位置に配置されている。
上記のように構成された本発明に係る第1の態様のマイクロ波加熱装置は、主に導波部の伝送および電界方向に対して直角方向にマイクロ波を広げることができるとともに、導波部内の電界の略節位置に、少なくとも2つのマイクロ波放射部の中心を配置する構成であるため、マイクロ波放射から放射されるマイクロ波の放射方向が、主として導波部の伝送方向に広がり、マイクロ波を加熱室に対して均一に広げることが可能となる。したがって、本発明に係る第1の態様のマイクロ波加熱装置は、駆動機構を用いることなく被加熱物を均一に加熱することができる構成を有する。
本発明に係る第2の態様のマイクロ波加熱装置は、前記の第1の態様の少なくとも2つの前記マイクロ波放射部のそれぞれの中心が、前記導波部内の電界の略同位相の位置に配置されている。このように構成された本発明に係る第2の態様のマイクロ波加熱装置は、各マイクロ波放射部からのマイクロ波の広がりをほぼ同一にすることが可能となり、駆動機構が無くても被加熱物をより均一に加熱することができる。
本発明に係る第3の態様のマイクロ波加熱装置は、前記の第1の態様または第2の態様の少なくとも2つの前記マイクロ波放射部のそれぞれの中心が、前記導波部の伝送方向における同じ位置に配置されている。このように構成された本発明に係る第3の態様のマイクロ波加熱装置は、単一のマイクロ波放射部を略節位置に配置した場合と比較して、主に導波部の伝送および電界方向に対して直角方向に対して、強いマイクロ波の広がりを得ることが可能となる。
本発明に係る第4の態様のマイクロ波加熱装置は、前記の第1の態様乃至第3の態様のいずれかの態様における前記導波部の伝送方向において、少なくとも1つの前記マイクロ波放射部の中心から、前記導波部の伝送方向の終端部までの距離が、前記導波部内における管内波長の約1/2の整数倍である。このように構成された本発明に係る第4の態様のマイクロ波加熱装置は、正確に、且つ具体的にマイクロ波放射部を略節位置に配置することが可能となる。
本発明に係る第5の態様のマイクロ波加熱装置は、前記の第1の態様乃至第4の態様のいずれかの態様における前記導波部内に少なくとも1つのインピーダンス調整用の整合部を有し、少なくとも1つの前記マイクロ波放射部の中心から前記整合部までの、前記導波部の伝送方向における距離が、前記導波部内における管内波長の約1/2の整数倍である。このように構成された本発明に係る第5の態様のマイクロ波加熱装置は、正確に、且つ具体的にマイクロ波放射部を略節位置に配置することが可能となる。
本発明に係る第6の態様のマイクロ波加熱装置は、前記の第1の態様乃至第4の態様のいずれかの態様における前記導波部内に少なくとも1つのインピーダンス調整用の整合部を有し、前記整合部と、前記導波部の伝送方向の終端部との、前記導波部の伝送方向における間に、少なくとも1つの前記マイクロ波放射部の中心が配置されるよう構成されている。このように構成された本発明に係る第6の態様のマイクロ波加熱装置は、正確に、且つ具体的にマイクロ波放射部を略節位置に配置することが可能となる。
本発明に係る第7の態様のマイクロ波加熱装置は、前記の第1の態様乃至第4の態様のいずれかの態様における前記導波部内に少なくとも2つの前記整合部を有し、前記導波部の伝送方向における隣り合う整合部の間に、少なくとも1つの前記マイクロ波放射部の中心が配置されるよう構成されている。このように構成された本発明に係る第7の態様のマイクロ波加熱装置は、1つの整合部のみの場合、または終端部からマイクロ波放射部の中心までの距離が導波部内の管内波長λgの約1/2の整数倍となるようにマイクロ波放射部を配置した場合と比較して、より正確に、且つ具体的にマイクロ波放射部を略節位置に配置することが可能となる。
本発明に係る第8の態様のマイクロ波加熱装置は、前記の第1の態様乃至第7の態様のいずれかの態様における少なくとも1つの前記マイクロ波放射部の中心から、前記マイクロ波発生部までの、前記導波部の伝送方向における距離が、前記導波部内における管内波長の約1/4の奇数倍である。このように構成された本発明に係る第8の態様のマイクロ波加熱装置は、整合部または終端部からマイクロ波放射部までの距離、または整合部から終端部までの距離が、導波部内の管内波長λgの約1/2の整数倍となるようにマイクロ波放射部を配置した場合と比較して、より正確に、且つ具体的にマイクロ波放射部を略節位置に配置することが可能となる。
本発明に係る第9の態様のマイクロ波加熱装置は、前記の第1の態様乃至第8の態様のいずれかの態様における少なくとも1つの前記マイクロ波放射部が、円偏波を放射する構成を有する。このように構成された本発明に係る第9の態様のマイクロ波加熱装置は、マイクロ波放射部が円偏波を放射する構成の場合、円偏波放射部の中心から渦を巻くようにマイクロ波が放射されるため、直線偏波を放射する他のマイクロ波放射手段に比べると円周方向に均一に被加熱物を加熱することができる。
本発明に係る第10の態様のマイクロ波加熱装置は、前記の第1の態様乃至第8の態様のいずれかの態様における前記マイクロ波放射部が、円偏波を放射するように、二つの長孔が交差する略X字状の構成を有する。このように構成された本発明に係る第10の態様のマイクロ波加熱装置は、簡単な構成で確実に円偏波を放射することができる。
以下、本発明に係るマイクロ波加熱装置の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態のマイクロ波加熱装置においては電子レンジについて説明するが、電子レンジは例示であり、本発明のマイクロ波加熱装置は電子レンジに限定されるものではなく、誘電加熱を利用した加熱装置、生ゴミ処理機、あるいは半導体製造装置などのマイクロ波加熱装置を含むものである。また、本発明は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本発明に含まれる。
(実施の形態1)
図1〜図5は、本発明に係る実施の形態1のマイクロ波加熱装置である電子レンジに関する説明図である。
図1は、実施の形態1の電子レンジであるマイクロ波加熱装置101の全体構成を示す斜視図である。図2の(a)は、マイクロ波加熱装置101における加熱室103に対する、導波部201と、マイクロ波放射部102と、マイクロ波発生部202と、の位置関係を説明する図である。図2の(b)は、導波部201における、マイクロ波放射部102と、導波部201内に発生した定在波204の位相(電界401の位相)と、導波部201の終端部203と、マイクロ波発生部202と、の位置関係を説明する図である。
図3は、一般的な矩形の導波管301の寸法と伝送モードとの関係を説明するための斜視図である。図4は、矩形の導波部201内に生じる電界401、磁界402および電流403の関係を説明するための図である。図4において、(a)は導波部201における磁界402および電流403の発生状態を示す平面図であり、(b)は導波部201における電界401とマイクロ波放射部102との関係を示す側面図である。
図5の(a)は、導波部201内部において、終端部203からの距離と定在波(電界401)の位相との関係を説明するための図であり、図5の(b)は、マイクロ波放射部102が設けられた位置において、導波部201内の定在波の位相状態により、放射されるマイクロ波の広がりが変化することを説明するための図である。図5に示した結果は電磁界解析により求めた。
<マイクロ波加熱装置の構成>
実施の形態1のマイクロ波加熱装置101は、被加熱物を収納可能な加熱室103と、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部202と、マイクロ波発生部202から放射されたマイクロ波を加熱室103に導く導波部201と、導波部201のH面(図3の導波管301のH面302参照)に設けた導波部201内のマイクロ波を加熱室103内に放射する複数のマイクロ波放射部102と、を有している。
図1に示すように、マイクロ波加熱装置101は、マイクロ波放射部102の上部をカバーしつつ被加熱物(図示なし)を載置する載置台104と、被加熱物の出し入れのためのドア105とを有する。実施の形態1において、載置台104は、ガラスやセラミックなどマイクロ波が透過しやすい材料で構成されている。
なお、マイクロ波発生部202にはマグネトロン、導波部201には矩形導波管301、マイクロ波放射部102には導波部201に設けた開口部を用いることで上記の構成を容易に実現できる。
<マイクロ波加熱装置の概略動作>
最初に、実施の形態1の電子レンジであるマイクロ波加熱装置101の概略動作について説明する。使用者により加熱室103内の載置台104上に被加熱物が載置され、当該マイクロ波加熱装置101に対して加熱開始指示が実行されると、マイクロ波加熱装置101においては、マイクロ波発生部202であるマグネトロンから導波部201内にマイクロ波が供給される。マイクロ波発生部202から導波部201内にマイクロ波が供給されると、加熱室103と導波部201とを連結しているマイクロ波放射部102を介して加熱室103内にマイクロ波が放射される。この結果、マイクロ波加熱装置101においては当該被加熱物に対する加熱が行われる。
<間接波・直接波の定義>
本発明において、マイクロ波放射部102から放射され被加熱物を直接加熱するマイクロ波を直接波と呼び、加熱室103の内壁等で反射したマイクロ波を反射波と呼ぶ。
<矩形導波管寸法、TE10モードの説明>
次に、図3を用いて電子レンジなどに搭載される代表的な導波部である矩形導波管301について説明する。最も単純で一般的な導波管は、図3に示すように、一定の長方形の断面(幅a×高さb)を伝送方向207に延ばした直方体で構成された矩形導波管301である。このような構成の矩形導波管301において、当該矩形導波管301に供給されるマイクロ波の波長をλとしたときに、導波管301の幅aを、λ>a>λ/2の範囲内、および導波管301の高さbを、b<λ/2の範囲に選ぶことにより、TE10モードでマイクロ波が導波管301内を伝送することが知られている。
TE10モードとは、矩形導波管301内において、伝送方向207には磁界402成分のみが存在して、電界401成分のない、H波(TE波;電気的横波伝送:Transverse Electric Wave)における伝送モードのことを指す。なお、TE10モード以外の伝送モードが電子レンジの導波部に適用されることは殆どない。
マイクロ波加熱装置101において、マイクロ波発生部202から導波部201内に供給されるマイクロ波の波長λは約120mmであり、導波部201としては、一般的に幅aを80〜100mm程度、高さbを15〜40mm程度の範囲内の長さを選択することが多い。
本発明においては、図3に示す矩形導波管301の上下の面を磁界402が平行に渦巻く面という意味でH面302と呼び、左右の面を電界401に平行な面という意味でE面303と呼ぶ。なお、マイクロ波が導波管内を伝送するときの波長は、管内波長λgと表され、λg=λ/√(1−(λ/(2×a))^2)で示される。このように、管内波長λgは導波管における幅a寸法によって変化するが、高さb寸法には無関係である。なお、上記の管内波長λgを示す式において、「^2」は二乗を表すものとする。
また、TE10モードでは、導波部201の幅方向の両端(E面303)で電界401が0、幅方向の中央で電界401が最大となる。したがって、マイクロ波発生部202であるマグネトロンの出力部は、電界401が最大となる導波部201の幅方向の中央に結合させる構成とする。
<矩形導波管内の進行波・定在波>
次に、図2に示すように、導波部201として矩形導波管301(図3参照)を用いている場合、マイクロ波発生部202からの進行波と、導波部201の終端部203で反射した反射波とが互いに干渉して、導波部201内に定在波204が生じる。
なお、マイクロ波放射部102が設けられている形成位置における、導波部201内に生じた定在波204(電界401)の位相状態によって、導波部201から加熱室103へ放射されるマイクロ波の広がり状態は変化する。このマイクロ波の広がりが変化する原理については、以下で説明する。
まず、図4を用いて定在波204における電界401・磁界402・電流403の関係について説明する。進行波においては、電界401と磁界402の方向が90°ずれており、位相は同一である。これに対し、定在波204においては、電界401と磁界402の方向が90°ずれており、位相はπ/2ずれている。したがって、定在波204が発生している導波部201内の電界401と磁界402の関係は、図4に示すようになる。これは、定在波204の場合は、進行波が導波部201の終端部203で反射する際に、電界401の位相がπ/2ずれることが主な原因である。なお、電流403は導波部201の表面を磁界402に直交する方向に流れる。
以下、定在波204が発生している導波部201のH面(図3に示す矩形導波管301のH面302)にマイクロ波放射部102が形成された場合における、マイクロ波の指向性についての原理説明を行う。
図4に示すように、導波部201内に生じた定在波204において、略腹位置205と略節位置206にマイクロ波放射部102が形成された場合について説明する。
なお、本発明における腹および節とは、導波部201の伝送方向207における電界401の強弱を指しており、伝送および電界方向に対して直角方向209(図4の(a)参照)における電界401の強弱を意味してはいない。
マイクロ波放射部102における電流403の伝送方向207成分と、伝送および電界方向に対して直角方向209成分とを考えた場合、略腹位置205に形成されたマイクロ波放射部102における電流403は伝送および電界方向に対して直角方向209成分が多い。
電流403の流れる方向と電界401が広がる方向は同一であるので、導波部201から加熱室103へ放射されるマイクロ波は、主に伝送および電界方向に対して直角方向209に広がる。
一方、略節位置206に形成されたマイクロ波放射部102における電流403には伝送方向207成分が多い。このため、導波部201から加熱室103へ放射されるマイクロ波は、主に導波部201の伝送方向207に広がる。
<位相−指向性のCAE>
次に、マイクロ波放射部102が設けられている位置における、導波部201内の定在波204の電界401の位相と、導波部201から加熱室103へ放射されるマイクロ波の広がりとの関係を図5に示す。なお、図5は、コンピュータによるシミュレーション解析(CAE)により電磁界分布を求めたものである。
図5においては、定在波204の節位置を位相0°、180°、360°とし、腹位置を90°および270°としており、位相約0°から約180°までを約45°刻みで、マイクロ波放射部102から放射されるマイクロ波の分布を電磁界解析により求めた。なお、本解析では導波部201の終端部203からマイクロ波放射部102の中心までの距離を変えることにより、マイクロ波放射部102が設けられた位置において、導波部201内の定在波204の電界401の位相を変化させている。なお、図5中のλgは、導波部201内の管内波長を示している。
図5の(b)に示すように、位相が約0°(図4の(b)における略節位置206)の場合は、前述の原理説明と同様に、主に伝送方向207にマイクロ波の広がりを有する。これに対して、位相を約45°ずらしていくことによって、マイクロ波の指向性は、反時計回りに推移していき、位相が約90°(図4の(b)における略腹位置205)の場合には、主に伝送および電界方向に対して直角方向209にマイクロ波の広がりを有する。これも前述の原理説明と一致している。
上記のようにマイクロ波放射部102を導波部201内の略腹位置205に設けることにより、導波部201の幅よりも外側の領域にマイクロ波を広げることができ、加熱室103内の被加熱物を均一に加熱することが可能となる。
次に、図5に示した解析結果の解析条件を以下に記載する。本解析では、図3に示した矩形導波管301を用いてマイクロ波発生部であるマグネトロンから発生したマイクロ波をTE10モードで伝送している。
本解析における矩形導波管301は、電界方向208の寸法(厚み;高さ)が30mm、伝送および電界方向に対して直角方向209の寸法(幅)が100mmとなっており、解析に用いたマイクロ波の周波数は2.46GHzとした。
また、マイクロ波の広がり方向を90°変化させるために必要なマイクロ波放射部102の移動距離は、管内波長の約半分(約λg/4)であり、解析に用いたマイクロ波の周波数は2.46GHzであるので、マイクロ波の広がり方向を90°変化させるために必要なマイクロ波放射部102の移動距離は、約39.3mmとなる。
また、本解析で用いたマイクロ波放射部102の形状は、2本のスリットを各スリットの中央で直交させ、伝送方向207に対してスリットを45°傾けた構成とした。
また、マイクロ波放射部102の数は1個、各スリットの長さは55mm、図5の(b)における表示データは実効電界である。
<定在波の腹節について>
次に、導波部201内の定在波204(電界401)の節位置について説明する。図2に示すような終端部203を備えた導波部201内をマイクロ波が伝送する場合、マイクロ波の伝送方向207に定在波204が形成される。導波部201は終端部203で閉じられているため、終端部203における振幅は0となる。また、マイクロ波発生部202の供給側(出力部)では、図2の(b)に示すように振幅が最大値を示す自由端となる。
ここで、導波部201内に存在する定在波204は、マイクロ波発生部202が供給する発振周波数が基になった波であり、本発明では定在波204の波長を管内波長λgと呼ぶ。
したがって、導波部201内には、終端部203を基点として、管内波長λgの約1/2毎に定在波204の節位置が生じる。また、定在波204の腹位置は、隣り合う節位置のほぼ中間に存在する。
ただし、現実の導波部201である導波管においては、マイクロ波発生部202周辺の導波部201内の電界401が安定しないことや、終端部203の状態が理想状態とならない場合が多く、理論値前後の管内波長λgを生じることがある。したがって、現実の正確な導波管内の定在波204の波長は導波部201内の振幅を実測するのが確実である。
<放射マイクロ波(MW)の干渉>
次に、マイクロ波放射部102を通して、導波部201から加熱室103へ放射されるマイクロ波の干渉について説明する。
任意の点でのマイクロ波の相互干渉は、各マイクロ波放射部102からのマイクロ波の広がり方向と任意の点までの距離の差、および加熱室103内でのマイクロ波の波長によって決定される。なお、加熱室103内においては、波長の1/2の偶数倍(0を含む)の時に強め合い、奇数倍の時に弱め合う。一般的な電子レンジに用いられるマイクロ波の周波数2.45GHzの場合、加熱室103内などの空気中での波長は、約120mmである。
図2に示す構成においては、略節位置206に複数のマイクロ波放射部102を形成しており、各マイクロ波放射部102からはそれぞれ主に伝送方向207に広がりを持ったマイクロ波が放射されて、加熱室103内で相互干渉する。
まず、2つのマイクロ波放射部102が導波部201の伝送方向207においては距離を有さず同じ位置にあり、伝送および電界方向に対して直角方向209においてのみ距離を有する構成において、定在波204の略節位置206に配置されている2つのマイクロ波放射部102から加熱室103へ、それぞれ放射されるマイクロ波の干渉について説明する。各マイクロ波放射部102は略節位置206に配置されているため、マイクロ波が主に伝送方向207に広がりを有している。
この場合、伝送方向207におけるマイクロ波の干渉を主に考えれば良いが、本配置においては、伝送方向207においては距離を有さず同じ位置であるため、伝送方向207におけるマイクロ波の干渉はほとんど生じない。したがって、2つのマイクロ波放射部102から放射されるマイクロ波の合成波の広がりは、それぞれのマイクロ波放射部102からのマイクロ波の広がりと同様に、主に伝送方向207の広がりとなる。
同様にして、伝送および電界方向に対して直角方向209および伝送方向207にそれぞれ距離を有しており、それぞれが略節位置206に配置されている複数のマイクロ波放射部102について考える。各マイクロ波放射部102は略節位置206に配置されているため、マイクロ波が主に伝送方向207に広がりを有している。この場合には、伝送方向207におけるマイクロ波の干渉を主に考えれば良い。
導波部201に設けられたそれぞれのマイクロ波放射部102間の距離に応じて、干渉によるマイクロ波分布の強弱が生じる。しかし、各マイクロ波放射部102が略節位置206に配置されている場合においては、各マイクロ波放射部102から放射されるマイクロ波の合成波の広がりが、主に伝送方向207に強い指向性を有することに変わりはない。
<具体的な構成、作用および効果>
以下に、本発明に係る実施の形態1のマイクロ波加熱装置である電子レンジ101における具体的な構成、作用および効果について説明する。
実施の形態1の電子レンジであるマイクロ波加熱装置レンジ101は、被加熱物を収納する加熱室103と、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部202と、マイクロ波を伝送する導波部201と、加熱室103内にマイクロ波を放射するマイクロ波放射部102とを備え、マイクロ波放射部102が、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209(幅方向)に複数配置されている。また、各マイクロ波放射部102は導波部201内の定在波(電界401)の略節位置206に配置されている。
また、前述した通り、マイクロ波発生部202の供給側は、図2の(b)に示すように、振幅最大値を示す自由端となるため、略腹位置205である。したがって、マイクロ波発生部202からマイクロ波放射部102の中心までの伝送方向207の距離は、導波部201内の管内波長λgの約1/4の奇数倍であり、そのマイクロ波放射部102の中心の位置は略節位置206である。実施の形態1のマイクロ波加熱装置における構成では、全てのマイクロ波放射部102が上記の距離となる位置であり略節位置に配置されている。なお、マイクロ波放射部102の中心とは、マイクロ波の放射口の実質的な中心位置を示すものであり、例えば、マイクロ波放射部102が開口形状で構成されている場合には、その開口形状を同じ厚みの板材で構成したと仮定した場合において、その板材の重心位置を示すものである。
したがって、実施の形態1のマイクロ波加熱装置における構成は、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209に配置した複数のマイクロ波放射部102から加熱室103内にマイクロ波を放射するため、主に導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209にマイクロ波が広がり、導波部201の幅よりも外側の領域にもマイクロ波が放射される構成である。このようにマイクロ波が導波部201の幅よりも外側の領域に放射されることにより、実施の形態1のマイクロ波加熱装置は、駆動機構を用いることなく、被加熱物を均一に加熱することが可能な構成となる。
また、実施の形態1のマイクロ波加熱装置においては、少なくとも2列のマイクロ波放射部102を導波部201の伝送方向に沿った各略節位置206に配置することにより、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209と、伝送方向207のそれぞれの方向に広がりを有してマイクロ波を放射することが可能となり、駆動機構を用いることなく、被加熱物の加熱分布をより均一化することが可能となる。
さらに、実施の形態1のマイクロ波加熱装置においては、マイクロ波発生部202からマイクロ波放射部102の中心までの伝送方向207の距離を、導波部201内の管内波長λgの約1/4の奇数倍とすることにより、正確に、且つ具体的にマイクロ波放射部102を略節位置206に配置することが可能となる。
なお、図5に示した電磁界解析によれば、マイクロ波放射部102を導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209(幅方向)に複数配置するとともに、それらのマイクロ波放射部102を略腹位置205に配置する構成も考えられる。
しかしながら、このようにマイクロ波放射部102を略腹位置205に配置する構成では、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209に複数配置することにより、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209へのマイクロ波の広がりに加えて、さらにマイクロ波放射部102を略腹位置205に配置することにより、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209へマイクロ波が広がる。このため、被加熱物の均一加熱を実現するためには、導波部201における伝送方向207に沿ってさらに多くのマイクロ波放射部102を導波部201に設ける必要がある。
しかしながら、加熱室103と導波部201との間を仕切る加熱室103の内壁に多くのマイクロ波放射部102を設けた場合には、各マイクロ波放射部102を構成する開口部の開口面積の合計が大きくなり、その結果、少なくとも以下に説明する2点の問題が生じる。
1点目は、加熱室103と導波部201との間の加熱室103の内壁の機械的強度が低下し、被加熱物の落下などによる衝撃によりマイクロ波加熱装置101が破損する危険性が高まることである。
2点目は、マイクロ波放射部102から加熱室103内に放射されたマイクロ波が、被加熱物に吸収されず加熱室103の内壁などで反射し、マイクロ波放射部102を通して導波部201内に戻ってくる量が多くなることである。このように、多くのマイクロ波が導波部201内に戻ってくると、導波部201内の定在波204の発生状態が崩れてしまう。その結果、略腹位置205(および略節位置206)に配置されていたマイクロ波放射部102の位置がずれてしまい、マイクロ波の放射方向および放射量が不安定となる。
したがって、複数のマイクロ波放射部102を導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209に複数配置し、さらにマイクロ波放射部102を略節位置206にのみ配置することは、マイクロ波加熱装置101自体の機械的強度の向上および安定したマイクロ波の放射において効果を有するものである。
なお、本発明のマイクロ波加熱装置においては、図2示した構成のように、全てのマイクロ波放射部102の中心を略節位置206に配置する必要はなく、少なくとも2つのマイクロ波放射部102の中心を導波部201内の電界401の略節位置206に配置する構成であれば、本発明に含まれる。また、マイクロ波放射部102の数および位置が加熱室103の中央210に対して非対称である構成や、マイクロ波放射部102の形状が長方形以外の形状である構成においても本発明に含まれる。
また、マイクロ波放射部102を2つのみ有して、2つのマイクロ波放射部102のそれぞれの中心が導波部201内の電界401の略節位置206に配置された構成も本発明に含まれるものである。
(実施の形態2)
次に、本発明に係る実施の形態2のマイクロ波加熱装置としての電子レンジについて図6を用いて説明する。図6は、実施の形態2のマイクロ波加熱装置である電子レンジに関する説明図である。図6において、前述の実施の形態1と実質的に同一の機能、動作を示す部分には同一番号を付与している。また、実施の形態2における基本的な動作は、実施の形態1における基本動作と同様であるので、実施の形態2においては実施の形態1と異なる点を主として、その動作および作用について説明する。
図6は、マイクロ波放射部102と導波部201内に生じた定在波(電界401)の位相、および導波部201の終端部203とマイクロ波発生部202との位置関係を説明する図である。図6の(a)は、マイクロ波加熱装置101における加熱室103に対する、導波部201と、マイクロ波放射部102と、マイクロ波発生部202と、の位置関係を説明する平面図である。図6の(b)は、導波部201における、マイクロ波放射部102と、導波部201内に発生した定在波204の位相(電界401の位相)と、導波部201の終端部203と、マイクロ波発生部202と、の位置関係を説明する側面図である。
実施の形態2のマイクロ波加熱装置101は、被加熱物を収納する加熱室103と、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部202と、マイクロ波を伝送する導波部201と、加熱室103内にマイクロ波を放射するマイクロ波放射部102と、を備えている。実施の形態2におけるマイクロ波放射部102は、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209(幅方向)に複数配置する構成である。また、各マイクロ波放射部102は導波部201内の電界401の略同位相の位置であり、且つ略節位置206に配置されている。
また、前述の実施の形態1において説明した通り、導波部201の終端部203は、図6の(b)に示すように終端部203における振幅が0となるため、略節位置206である。したがって、導波部201の終端部203からマイクロ波放射部102の中心までの伝送方向207の距離は、導波部201内の管内波長λgの約1/2の整数倍の長さであり、マイクロ波放射部102の中心の位置は略節位置206である。実施の形態2における構成では、それぞれのマイクロ波放射部102が、上記のように、終端部203からの長さが導波部201内の管内波長λgの約1/2の整数倍の長さとなるように、配置されている。
前述の実施の形態1において図4を用いて説明したが、マイクロ波放射部102は、略節位置206であっても、導波部201内の電界401の位相が異なると、電界401および磁界402の方向が逆となるため、マイクロ波の主な広がり方向も逆となる。
したがって、マイクロ波放射部102の構成においては、導波部201の電界401の略同位相であり、且つ略節位置206に少なくとも2つのマイクロ波放射部102を配置することにより、異なる位相であり、且つ略節位置206に少なくとも2つのマイクロ波放射部102を配置した場合より、均一な加熱が可能となる。なお、導波部201内において、略腹位置205および略節位置206は経時的に変化することはなく、電界401および磁界402の方向のみが半周期毎に反転する。
以上のように、実施の形態2のマイクロ波加熱装置は、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209に配置された複数のマイクロ波放射部102から加熱室103内にマイクロ波が放射される構成を有している。このため、実施の形態2のマイクロ波加熱装置においては、主に導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209にマイクロ波が広がり、導波部201の幅よりも外側の領域にもマイクロ波が放射される。この結果、実施の形態2のマイクロ波加熱装置は、駆動機構を用いることなく、被加熱物を均一に加熱することが可能となる。
また、実施の形態2のマイクロ波加熱装置においては、少なくとも2つのマイクロ波放射部102を導波部201内の電界401の略同位相に配置することにより、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209と、伝送方向207のそれぞれにマイクロ波を、位相の異なる略節位置206に配置した場合と比較して、より均一に放射することが可能となる。その結果、実施の形態2のマイクロ波加熱装置は、駆動機構を用いることなく、被加熱物の加熱分布をより均一化することができる。
さらに、実施の形態2のマイクロ波加熱装置においては、導波部201の終端部203からマイクロ波放射部102の中心までの伝送方向207の距離を、導波部201内の管内波長λgの約1/2の整数倍とすることにより、正確に、且つ具体的にマイクロ波放射部102を略節位置206に配置することが可能となる。
なお、実施の形態2のマイクロ波加熱装置においては、図6に示すマイクロ波放射部601のように、全てのマイクロ波放射部を導波部201内の電界401の略同位相の位置に配置し、かつ略節位置206に配置する必要はない。図6に示すマイクロ波放射部601は、導波部201内の電界401の略同位相の位置にあり、かつ略節位置206の位置にある複数のマイクロ波放射部102とは異なるマイクロ波放射部を示しており、マイクロ波放射部102とは異なるその他の位置に配置された例を示している。図6に示すように、少なくとも2つのマイクロ波放射部102を略同位相の位置であり、且つ略節位置206に配置する構成であれば、その他のマイクロ波放射部601がマイクロ波放射部102とは異なる位置に配置された構成も本発明に含まれる。
また、本発明のマイクロ波加熱装置においては、マイクロ波放射部102の数および配置は、実施の形態2の構成に限定されるものではなく、マイクロ波加熱装置の仕様、構成などを考慮して適宜設定されるものである。また、マイクロ波放射部102の配置に関しては、加熱室の中央210(図6の(a)参照)に対して非対称である場合や、マイクロ波放射部の形状に関しては、図6の(a)に示すような楕円形以外の場合においても同様の効果を奏し、本発明に含まれるものである。
(実施の形態3)
次に、本発明に係る実施の形態3のマイクロ波加熱装置としての電子レンジについて図7および図8を用いて説明する。図7および図8は、実施の形態3のマイクロ波加熱装置である電子レンジに関する説明図である。図7および図8において、前述の実施の形態1および実施の形態2と実質的に同一の機能、動作を示す部分には同一番号を付与している。また、実施の形態3における基本的な動作は、実施の形態1および実施の形態2における基本動作と同様であるので、実施の形態3においては他の実施の形態と異なる点を主として、その動作および作用について説明する。
図7は、実施の形態3のマイクロ波加熱装置101における、マイクロ波放射部102と導波部201内に生じた定在波(電界401)の位相との位置関係、および導波部201の終端部203とマイクロ波発生部202とインピーダンス調整用の整合部701との位置関係を説明する図である。図7の(a)は、マイクロ波加熱装置101における加熱室103に対する、導波部201と、マイクロ波放射部102と、マイクロ波発生部202と、インピーダンス調整用の整合部701の位置関係を説明する平面図である。図7の(b)は、導波部201における、マイクロ波放射部102と、導波部201内に発生した定在波204の位相(電界401の発生状態)と、導波部201の終端部203と、整合部701と、マイクロ波発生部202と、の位置関係を説明する側面図である。
実施の形態3のマイクロ波加熱装置101におけるマイクロ波放射部102の形状としては、図7の(a)に示すように、2本のスリットを交差させた形状を有している。このため、実施の形態3におけるマイクロ波放射部102は加熱室103に対して円偏波を放射する構成である。
図8の(a)は、導波部内に設けられたインピーダンス調整用の整合部701からマイクロ波放射部102の中心までの距離と、導波部201内の定在波(電界401)の位相との関係を説明するための図である。図8の(b)は、マイクロ波放射部102が設けられた位置において、導波部201内の定在波(電界401)の位相状態により、放射されるマイクロ波の指向性が変化することを説明するための図である。
<インピーダンス調整用の整合部>
最初に、実施の形態3のマイクロ波加熱装置において用いられているインピーダンス調整用の整合部701について説明する。
図7に示すように、整合部701を導波部201内の略節位置206に配置すると、整合部701の位置で振幅0となり、定在波204の位相における電界401の略節位置206が整合部701において確実に形成される。実施の形態3においては整合部701としては円筒形状の金属を用いており、その金属面が固定端と同様の役割を果たしている。
したがって、整合部701を電界401の略節位置206に配置することにより、マイクロ波がマイクロ波放射部102から加熱室103内に放射されて、導波部201内の電界分布が崩れる状態が発生して、再び安定した導波部201内の電界分布が形成される過程においても、導波部201内において略腹位置205および略節位置206を安定した位置に固定することが可能となる。また、導波部201内の電界分布が崩れる要因としては、他に、加熱室103の内壁などで反射したマイクロ波がマイクロ波放射部102を通って、導波部201内に戻ってくることが挙げられる。このように導波部201内の電界分布が崩れたとしても、実施の形態3のマイクロ波加熱装置においては、整合部701が導波部内の所定の位置に設けられているため、導波部201内においては電界401の略腹位置205および略節位置206が所定の位置に安定して形成される。
上記のように設けられた整合部701の作用により、前述のマイクロ波放射部102と導波部201の壁電流403(図4の(a)参照)との交点の対称軸が安定する。このため、マイクロ波放射部102が導波部201の壁電流403を遮ることにより、マイクロ波放射部102から加熱室103内に放射されるマイクロ波の広がりを安定させることが可能となる。
また、実施の形態3の構成においては、隣り合う整合部701の間隔を、導波部201内の管内波長λgの約1/2に設定することにより、整合部701により維持される導波部201内の電界分布を、存在し易い波長で無理なく形成することができる。このため、実施の形態3のマイクロ波加熱装置であるマイクロ波加熱装置101においては、高効率でのマイクロ波伝送が可能となり、高効率且つ安定したマイクロ波加熱が可能となる。
なお、実施の形態3の構成においては、整合部701の位置では振幅0となり略節位置206となるため、整合部701から導波部201内の管内波長λgの約1/2の整数倍の位置に略節位置206が存在する。したがって、整合部701からの距離を測定することにより、マイクロ波放射部102を略節位置206に配設するための位置を、容易に、且つ確実に決定することができる。
図7に示す構成においては、整合部701を導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209(幅方向)の中央(中心軸211上)に配置した例を示しているが、整合部701は導波部201の幅方向の中央からずれていても同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態3の構成においては、整合部701として円筒形状の金属を用いているため、整合部701を容易に実現することができる。なお、整合部701としては、振幅が0となる地点を作り出す構成であれば良い。整合部701としては、例えば、導波部201の内壁面に凹凸をつけた構成や、四角柱形状の金属部材などを用いても良く、同様の効果を奏する。
<位相−指向性のCAE>
次に、マイクロ波放射部102の位置する、導波部201内の定在波204の電界401の位相と、導波部201から加熱室103へ放射されるマイクロ波の広がりとの関係を説明する。図8の(a)は、導波部201内部において、整合部701からマイクロ波放射部102の中心までの距離[×λg]と、定在波(電界401)の位相[deg.]との関係を説明するための図である。図8の(b)は、マイクロ波放射部102が設けられた位置において、導波部201内の定在波の位相状態により、放射されるマイクロ波の広がりが変化することを説明するための図である。図8に示した結果はコンピュータによるシミュレーション解析(CAE)により電磁界分布を求めた。
図8に関する説明は、前述の実施の形態1の図5の説明と同様であり、整合部701からマイクロ波放射部102の中心までの距離が管内波長λgの約1/8長くなる毎に、導波部201内の電界401の位相が約45°変化すること、および導波部201内の電界401の位相に準じて加熱室103内に放射されるマイクロ波の主な広がり方向も変化することを示している。
<構成>
次に、本発明に係る実施の形態3の電子レンジであるマイクロ波加熱装置101の構成について説明する。図7に示すように、実施の形態3のマイクロ波加熱装置であるマイクロ波加熱装置101は、被加熱物を収納する加熱室103と、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部202と、マイクロ波を伝送する導波部201と、インピーダンス調整用の整合部701と、加熱室103内にマイクロ波を放射するマイクロ波放射部102とを備えている。実施の形態3おけるマイクロ波放射部102は、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209(導波部201の幅方向)に沿って所定距離を有して複数(実施の形態3においては2つ)配置されている。また、各マイクロ波放射部102は、導波部201内の電界401の略節位置206に配置されている。
また、実施の形態3のマイクロ波加熱装置101においては、図7の(b)に示すように、導波部201の終端部203と整合部701との中間にマイクロ波放射部102を配置している。これは、導波部201の終端部203および整合部701における導波部201内の電界401の振幅は0であるため、終端部203および整合部701の位置が略節位置206となり、導波部201の終端部203と整合部701との間に生じる略節位置206にマイクロ波放射部102を配置するためである。さらに、整合部701からの距離が導波部201内の管内波長λgの約1/2の整数倍となる略節位置206にマイクロ波放射部102が配置されている。
なお、複数のマイクロ波放射部102を導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209(幅方向)にのみ距離を有するように配置することにより、単一のマイクロ波放射部102によりマイクロ波を放射した場合と比較して、主に導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209に対して、強いマイクロ波の広がりを得ることが可能となる。
以上のように、実施の形態3のマイクロ波加熱装置101においては、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209に複数のマイクロ波放射部102を配置して、複数のマイクロ波放射部102から加熱室103内にマイクロ波を放射するよう構成されている。このため、実施の形態3のマイクロ波加熱装置101は、主に導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209にマイクロ波が広がる構成となる。このように、実施の形態3のマイクロ波加熱装置101は、導波部201の幅よりも外側の領域にもマイクロ波を放射することが可能となり、駆動機構を用いることなく、被加熱物の加熱分布を均一化することができる。
また、実施の形態3のマイクロ波加熱装置101においては、導波部201の伝送方向207における整合部701からマイクロ波放射部102の中心までの距離を、導波部201内の管内波長λgの約1/2の整数倍とすること、および/または、導波部201の終端部203と整合部701との間にマイクロ波放射部102を配置するにより、正確に、且つ具体的にマイクロ波放射部102を導波部201における略節位置206に配置することが可能となる。
なお、本発明のマイクロ波加熱装置においては、図7の(a)示した構成のように、全てのマイクロ波放射部102を略節位置206に配置する必要はなく、少なくとも2つのマイクロ波放射部102を、伝送方向207において、導波部201の終端部203と整合部701との間、および/または、整合部701から導波部201内の管内波長λgの約1/2の整数倍の位置に配置する構成であれば、実施の形態3の構成と同様の効果を奏し、本発明に含まれるものである。
また、本発明のマイクロ波加熱装置においては、マイクロ波放射部の数、配置および形状は実施の形態3の構成に限定されるものではなく、マイクロ波加熱装置の仕様、構成などを考慮して適宜設定されるものである。なお、マイクロ波放射部の配置に関しては、加熱室の中央210(図7の(a)参照)に対して非対称である場合や、マイクロ波放射部の形状としては、図7の(a)に示すような2本のスリットを交差させた形状以外の場合においても同様の効果を奏し、本発明に含まれるものである。
(実施の形態4)
次に、本発明に係る実施の形態4のマイクロ波加熱装置としての電子レンジについて図9を用いて説明する。図9は、実施の形態4のマイクロ波加熱装置である電子レンジに関する説明図である。図9において、前述の実施の形態1から実施の形態3と実質的に同一の機能、動作を示す部分には同一番号を付与している。また、実施の形態4における基本的な動作は、実施の形態1から実施の形態3のマイクロ波加熱装置の基本動作と同様であるので、実施の形態4においては他の実施の形態と異なる点を主として、その動作および作用について説明する。
図9は、マイクロ波放射部102と導波部201内に生じた定在波(電界401)の位相、および導波部201の終端部203とマイクロ波発生部202とインピーダンス調整用の整合部701との位置関係を説明する図である。図9の(a)は、電子レンジであるマイクロ波加熱装置101における加熱室103に対する、導波部201と、マイクロ波放射部102と、整合部701と、マイクロ波発生部202と、の位置関係を説明する平面図である。図9の(b)は、導波部201における、マイクロ波放射部102と、導波部201内に発生した定在波204の位相(電界401の位相)と、導波部201の終端部203と、整合部701と、マイクロ波発生部202と、の位置関係を説明する側面図である。
最初に、実施の形態4のマイクロ波加熱装置101の構成について説明する。
図9に示すように、実施の形態4のマイクロ波加熱装置101は、被加熱物を収納する加熱室103と、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部202と、マイクロ波を伝送する導波部201と、インピーダンス調整用の整合部701と、加熱室103内にマイクロ波を放射するマイクロ波放射部102と、を備えている。実施の形態4におけるマイクロ波放射部102は、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209(幅方向)にのみ距離を有するように、複数配置された構成である。また、各マイクロ波放射部102は導波部201内の電界401の略節位置206に配置されている。
実施の形態4のマイクロ波加熱装置101において、図9の(b)に示すように、マイクロ波放射部102は整合部701からの距離が導波部201内の管内波長λgの約1/2の整数倍となる略節位置206に配置されている。
また、実施の形態4の電子レンジ101においては、マイクロ波放射部102が2本のスリットをV字状に配置した形状を有している。このため、実施の形態4におけるマイクロ波放射部102は加熱室103に対して円偏波を放射する構成である。
図9の(b)に示すように、実施の形態4の構成においては、導波部201内の略節位置に、金属製の半球状の整合部701が配置されている。このように整合部701が配置されると、整合部701の位置で振幅0となり、定在波204の位相における電界401の略節位置206が整合部701において確実に形成される。
以上のように、実施の形態4のマイクロ波加熱装置においては、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209に沿って配置された複数のマイクロ波放射部102から加熱室103内に対してマイクロ波が放射される構成であるため、主に導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209にマイクロ波が広がり、導波部201の幅よりも外側の領域にもマイクロ波が放射される構成である。したがって、実施の形態4のマイクロ波加熱装置においては、駆動機構を用いることなく、被加熱物の加熱分布を均一化することができる。
また、実施の形態4のマイクロ波加熱装置においては、整合部701からマイクロ波放射部102の中心までの伝送方向207の距離を、導波部201内の管内波長λgの約1/2の整数倍とすることにより、正確に、且つ具体的にマイクロ波放射部102を略節位置206に配置することが可能となる。
なお、実施の形態4のマイクロ波加熱装置においては、図9に示すように、略腹位置にマイクロ波放射部601が設けられていても、少なくとも2つのマイクロ波放射部102が、整合部701から導波部201内の管内波長λgの約1/2の整数倍の略節位置に配置されている構成であれば、本発明に含まれる。また、マイクロ波放射部102の数、配置および形状は、実施の形態4の構成に限定されるものではなく、マイクロ波加熱装置の仕様、構成などを考慮して適宜設定されるものである。また、マイクロ波放射部の配置に関しては、加熱室の中央210(図9の(a)参照)に対して非対称である場合や、マイクロ波放射部の形状に関しては、図9の(a)に示すような2本のスリットをV字状に構成した形状以外の場合においても、指向性を有し、円偏波のマイクロ波放射が可能な構成であれば、実施の形態4の構成と同様の効果を奏し、本発明に含まれる。
(実施の形態5)
次に、本発明に係る実施の形態5のマイクロ波加熱装置として電子レンジを用いて説明する。図10および図11は、実施の形態5のマイクロ波加熱装置である電子レンジ101の説明図である。図10および図11において、前述の実施の形態1から実施の形態4と実質的に同一の機能、動作を示す部分には同一番号を付与している。また、実施の形態5における基本的な動作は、実施の形態1から実施の形態4における基本動作と同様であるので、実施の形態5においては他の実施の形態と異なる点を主として、その動作および作用について説明する。
図10は、実施の形態5のマイクロ波加熱装置101における、マイクロ波放射部102と導波部201内に生じた定在波(電界401)の位相との位置関係、および導波部201の終端部203とマイクロ波発生部202とインピーダンス調整用の整合部701との位置関係を説明する図である。図10の(a)は、マイクロ波加熱装置101における加熱室103に対する、導波部201と、マイクロ波放射部102,601と、整合部701と、マイクロ波発生部202と、の位置関係を説明する平面図である。図10の(b)は、導波部201における、マイクロ波放射部102,601と、導波部201内に発生した定在波204の位相(電界401の発生状態)と、導波部201の終端部203と、整合部701と、マイクロ波発生部202と、の位置関係を説明する側面図である。
<円偏波、直線偏波とは>
最初に、マイクロ波放射部102,601が放射する円偏波の特徴および円偏波を用いたマイクロ波加熱の利点について説明する。
円偏波とは、移動通信および衛星通信の分野で広く用いられている技術である。身近な使用例としては、ETC(Electronic Toll Collection System)「ノンストップ自動料金収受システム」などが挙げられる。円偏波は、電界401の偏波面が電波の進行方向に対して時間に応じて回転するマイクロ波であり、円偏波を形成すると電界401の方向が時間に応じて変化し続けるので、加熱室103内に放射されるマイクロ波の放射角度も変化し続け、時間的に電界強度の大きさが変化しないという特徴を有している。
前記の特徴により、円偏波を放射するマイクロ波放射部102,601を有する本発明に係るマイクロ波加熱は、従来のマイクロ波加熱装置に用いられている直線偏波によるマイクロ波加熱と比較して、広範囲にわたってマイクロ波が分散放射されて、被加熱物を均一に加熱することが可能となる。特に、円偏波の周方向に対して均一加熱の傾向が強い。
なお、円偏波は回転方向から右旋偏波(CW:Clockwise)と左旋偏波(CCW:Counter Clockwise)の2種類に分類されるが、加熱性能に違いはない。
なお、円偏波に対して、導波部内のマイクロ波は、その電場および磁場の振動方向が一定方向であるのが直線偏波である。直線偏波を加熱室内に放射する従来のマイクロ波加熱装置においては、マイクロ波分布の不均一さを低減するために、被加熱物を載置するテーブルを回転させる機構や、導波部から加熱室へマイクロ波を放射するアンテナを回転させる機構などを設置する必要がある。
したがって、実施の形態5のマイクロ波加熱装置においては、導波部201から加熱室103内に円偏波のマイクロ波を放射する構成であるため、従来の直線偏波を用いたマイクロ波加熱装置によるマイクロ波加熱において問題とされていた、直接波と反射波との干渉によって加熱室内に生じる定在波を緩和することが可能となり、均一なマイクロ波加熱を実現することができる。
<楕円偏波も含む円偏波の定義>
なお、本発明における円偏波とは、マイクロ波放射部102,601からのマイクロ波の広がりが正確な真円となっている場合のみを意味しているのではなく、マイクロ波の広がりが楕円となっているなどの場合も含んでいる。即ち、本発明においては、電界401の方向が時間に応じて変化し続けることにより、加熱室103内に放射されるマイクロ波の放射角度も変化し続け、時間的に電界強度の大きさが変化しないという特徴を有しているものを円偏波と定義する。
<円偏波の活用方法の違い(通信−加熱調理)>
次に、円偏波の利用において、開放空間の通信分野と閉空間の加熱の分野では、いくつか異なる点があるので説明を加える。通信分野では、他のマイクロ波との混在を避けて必要な情報のみを送受信する必要がある。このため、送信側は右旋偏波か左旋偏波のどちらかに限定して送信し、受信側もそれに合わせた最適な受信アンテナを選ぶことになる。
一方、加熱の分野では、指向性を有する受信アンテナの代わりに、特に指向性のない食品などの被加熱物がマイクロ波を受ける構成であるため、マイクロ波が全体に均等に当たることのみが重要となる。
したがって、加熱の分野では右旋偏波と左旋偏波が混在しても問題はないが、被加熱物が配置された位置や、被加熱物の形状によって不均等な加熱分布になるのをできるだけ防ぐ必要がある。例えば、単一の円偏波開口を設けた場合には、被加熱物が円偏波開口の真上に配置されたときは良いが、円偏波開口の前後あるいは左右にずらした位置に配置されると、円偏波開口に近い部位が加熱されやすく、遠い部位は加熱されにくく、結果として被加熱物において加熱ムラが生じてしまう。したがって、マイクロ波加熱装置においては、複数の円偏波開口を設けることが望ましい。
実施の形態5のマイクロ波加熱装置においては、図10の(a)に示すように、マイクロ波放射部102,601である複数の円偏波開口が、導波部201の伝送方向207に沿って5つが並んで形成され、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209に沿って2つが並んで形成されており、合計10個の円偏波開口が配置されている。特に、直角方向209に沿って2つが並んだ円偏波開口(マイクロ波放射部102,601)は互いに偏波の方向が逆(右旋偏波または左旋偏波)になるが、このように配置することは通信分野では考えられないことであり、本発明において初めて実現させた構成であり、加熱分野ならではの特別な配置である。
<円偏波開口形状>
次に、円偏波を放射するマイクロ波放射部102,601の形状について説明する。特に、ここでは、少なくとも2本以上のスリットにより構成されるマイクロ波放射部102,601について説明する。
実施の形態5のマイクロ波加熱装置の構成において、図10の(a)に示すように、マイクロ波放射部102,601は、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209(幅方向)に沿って距離を有して、複数(2つ)形成されており、導波部201内の電界401の略節位置206に配置されている。なお、マイクロ波放射部601は、隣り合う整合部701同士の間以外の位置に形成されたマイクロ波放射部である。
<正X字状の円偏波開口>
実施の形態5のマイクロ波加熱装置においては、円偏波を放射するマイクロ波放射部102,601を、二つの長孔(スリット)が直交するように交差する正X字状の構成としている。このように構成することにより、簡単な構成で確実に円偏波を放射することができる。
<潰れX字状の円偏波開口>
図7に示した前述の実施の形態3のマイクロ波加熱装置において示したように、各マイクロ波放射部102,601が長孔(スリット)を直交させずに傾斜させて構成して、X字形状が横(伝送方向207)に長くなるように押しつぶされた潰れX字状となっても良い。このように押しつぶされた潰れX字状のマイクロ波放射部102,601を用いた場合でも、マイクロ波の広がりが真円から変形して楕円となるものの、円偏波を放射することが可能であり、円偏波開口の長孔を小さくすることなく、マイクロ波放射部102,601の中心をより導波部201の端部(左右側面壁)に寄せることができる。その結果、主に導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209にマイクロ波をさらに広げることが可能となり、駆動機構を用いることなく、被加熱物を均一に加熱することができる。
なお、2本の長孔(スリット)により構成されている円偏波を放射するマイクロ波放射部102,601の最良な形状の条件としては、以下の3点が挙げられる。
1点目は、各スリットの長辺の長さは導波部201内の管内波長λgの約1/4以上であることである。2点目は、2本のスリットはお互いに直交していること、および伝送方向207に対して各スリットの長辺が傾斜(例えば、45°)していることである。3点目は、導波部201の伝送方向207に平行であり、かつマイクロ波放射部102の中心を通る直線を軸として、電界401の分布が軸対称とならないことである。
例えば、TE10モードでマイクロ波を伝送している場合においては、導波部201における伝送方向207の中心軸211(図10の(a)参照)を対称軸として電界401が分布しているので、それぞれのマイクロ波放射部102,601の形状を、導波部201における伝送方向207の中心軸211に対して軸対称とならないように配置することが条件となる。
<その他の形状の円偏波開口>
図11の(a)〜(g)は、本発明において用いられる円偏波を放射するマイクロ波放射部102,601の形状の例を示した平面図である。図11(a)〜(g)に示すように、円偏波を放射するマイクロ波放射部102,601の形状としては、2本以上のスリットにより構成されており、このうちの少なくとも1本のスリットの長辺をマイクロ波の伝送方向207に対して傾いた形状となっていれば良い。したがって、図11の(e)および(f)のようにスリットが交差していない形状や、図11の(d)に示すように3本のスリットにより構成されている形状でも良い。
なお、図11の(e)および(f)に示したように、マイクロ波放射部102の構成としては、直線状の複数のスリットによりT字型やX字型で構成することが可能である。このため、図13に示した前述の特許文献2のように、それぞれのスリットを離して配置するときにも応用できる。また、マイクロ波放射部102としては、図13の(b)に示したように、二つのスリットは直交関係でなくてもよく、例えば30度程度なら傾けても形成しても良い。
また、図11の(b)、(c)、(d)、(e)および(g)に示したように、導波部201の伝送方向207に平行な軸または、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209に平行な軸に対して、軸対称とならない形状のマイクロ波放射部においても円偏波を放射することが可能である。
なお、実施の形態5におけるマイクロ波放射部102を構成する長孔(スリット)の開口形状としては、長方形に限定されるものではない。例えば、開口部分のコーナーを曲線部分(R)で構成することや、開口部分を楕円状に構成することにより、円偏波を発生することも可能である。基本的な円偏波開口の考え方としては、一方向が長めであり、その一方向に対して直交する方向が短めである細長い開口を二つ組み合わせればよいと推察される。
次に、実施の形態5のマイクロ波加熱装置101の構成について説明する。
図10に示すように、実施の形態5のマイクロ波加熱装置101は、被加熱物を収納する加熱室103と、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部202と、マイクロ波を伝送する導波部201と、複数のインピーダンス調整用の整合部701と、加熱室103内に円偏波を放射するマイクロ波を放射するマイクロ波放射部102,601と、を備えている。前述のように、実施の形態5におけるマイクロ波放射部102,601は、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209(幅方向)に距離を有するように複数配置する構成としている。また、各マイクロ波放射部102,601を導波部201内の電界401の略節位置206に配置されている。
また、実施の形態5の電子レンジ101においては、図10の(b)に示すように、少なくとも一波長の距離を有する隣り合う整合部701と整合部701との間にマイクロ波放射部102が配置されている。整合部701の位置は、導波部201内の電界401の振幅が0の位置であり、略節位置206である。このため、マイクロ波放射部102は、少なくとも一波長の距離を有する隣り合う整合部701と整合部701との間に生じる略節位置206に配置されている。
<H面に開口を配置>
本発明に係る実施の形態5のマイクロ波加熱装置における円偏波を放射するマイクロ波放射部102,601は、前述の図3に示した導波部301における上下面である磁界402が平行に渦巻く面のH面302に所定の形状を有する開口を形成して構成されており、加熱室103に対して確実に円偏波が放射されるよう構成されている。
なお、前述の通り、本発明に係る実施の形態5のマイクロ波加熱装置においては、直線偏波と比較して、円偏波による加熱は円周方向に均一に加熱することができる構成である。特に、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209に平行な中心軸211に軸対称に配設することにより、渦の巻き方が互いに逆になるため、導波部201の中央側での向きは同方向となり、打消し合うことがない。したがって、導波部201から加熱室内に放射したマイクロ波を無駄にすることなく、広げることができる。
以上のように、本発明に係る実施の形態5のマイクロ波加熱装置においては、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209に沿って距離を有して配置した複数のマイクロ波放射部102から加熱室103内にマイクロ波が放射される構成である。主に、実施の形態5のマイクロ波加熱装置においては、導波部201の伝送および電界方向に対して直角方向209にマイクロ波が広がり、導波部201の幅よりも外側の領域にもマイクロ波が放射される。この結果、実施の形態5のマイクロ波加熱装置は、駆動機構を用いることなく、被加熱物の加熱分布を均一化することができる。
また、本発明に係る実施の形態5のマイクロ波加熱装置においては、少なくとも2つの整合部701を有しており、導波部201の伝送方向207における隣り合う整合部701,701の中間に、少なくとも1つのマイクロ波放射部102を配置する構成である。このように構成することにより、例えば、1つの整合部からマイクロ波放射部までの距離を、導波部内の管内波長λgの約1/2の整数倍(0倍を含む)となるようにマイクロ波放射部を配置した場合と比較して、実施の形態5のマイクロ波加熱装置は、マイクロ波放射部102をより正確に、且つ具体的に略節位置206に確実に配置することが可能となる。
なお、整合部からマイクロ波放射部の中心までの距離が、導波部内の管内波長λgの約1/2の0倍の場合とは、整合部の上方にマイクロ波放射部が有することを意味する。
また、本発明に係る実施の形態5のマイクロ波加熱装置においては、マイクロ波放射部102,601が円偏波を放射する構成とすることにより、円偏波放射部の中心から渦を巻くようにマイクロ波が放射されるため、直線偏波を放射する従来のマイクロ波放射部と比較して、均一加熱が可能となる。特に、実施の形態5のマイクロ波加熱装置の構成においては、円偏波を放射するマイクロ波放射部102によって、周方向に対して均一に被加熱物を加熱することが期待できる。
さらに、本発明に係る実施の形態5のマイクロ波加熱装置においては、円偏波を放射するマイクロ波放射部102,601を、二つの長孔(スリット)が交差する略X字状の構成とすることにより、簡単な構成で確実に円偏波を放射することができるものとなる。
なお、図10の(a),(b)示した構成のように、本発明のマイクロ波加熱装置においては、全てのマイクロ波放射部102を略節位置206に配置する必要はなく、少なくとも2つのマイクロ波放射部102を、隣り合う整合部701と整合部701の間に配置する構成であれば、実施の形態5の構成と同様の効果を奏し、本発明に含まれるものである。
また、本発明のマイクロ波加熱装置においては、マイクロ波放射部の数および位置は実施の形態5の構成に限定されるものではなく、マイクロ波加熱装置の仕様、構成などを考慮して適宜設定されるものである。また、マイクロ波放射部の配置に関しては、加熱室の中央210(図10の(a)参照)に対して非対称である場合も本発明に含まれるものである。
さらに、本発明のマイクロ波加熱装置においては、円偏波を放射する少なくとも2つのマイクロ波放射部が略節位置に配置されており、当該マイクロ波放射部が導波部の伝送および電界方向に対して直角方向に配置されていれば、駆動機構を設けることなく被加熱物の加熱分布を均一化することができる構成となる。
以上のように、本発明に係るマイクロ波加熱装置は、被加熱物を収納する加熱室と、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、マイクロ波を伝送する導波部と、前記導波部に設けられ、前記加熱室内にマイクロ波を放射するマイクロ波放射部と、を備え
前記マイクロ波放射部が、前記導波部の伝送および電界方向に対して直角方向に複数配置されており、少なくとも2つの前記マイクロ波放射部の中心が、前記導波部内の電界の略節位置に対応する位置に配置されている。
上記のように構成された、本発明に係るマイクロ波加熱装置は、導波部の伝送および電界方向に対して直角方向に配置した複数のマイクロ波放射部から加熱室内にマイクロ波を放射する構成であるため、主に導波部の伝送および電界方向に対して直角方向にマイクロ波が広がり、導波部の幅よりも外側の領域にもマイクロ波を放射することが可能となる。その結果、本発明に係るマイクロ波加熱装置は、駆動機構を用いることなく、被加熱物の加熱分布を均一化することができる。
また、本発明に係るマイクロ波加熱装置は、マイクロ波放射部の位置における導波部内のマイクロ波の位相により、マイクロ波放射部から加熱室内に放射されるマイクロ波の広がる方向が変化し、特に、略節位置にマイクロ波放射部を配置することにより、導波部の伝送方向に指向性を有するマイクロ波を放射することできる。
したがって、本発明に係るマイクロ波加熱装置においては、導波部の伝送および電界方向に対して直角方向に複数のマイクロ波放射部を配置し、このうちの少なくとも2つのマイクロ波放射部を略節位置に配置することにより、導波部の伝送および電界方向に対して直角方向とともに、伝送方向のそれぞれにマイクロ波を放射することが可能となり、駆動機構を用いなくても被加熱物の加熱分布をより均一化することができる。
また、本発明に係るマイクロ波加熱装置においては、円偏波を放射するマイクロ波放射部を設けることにより、マイクロ波放射部から円偏波の特徴である広がりを有するマイクロ波が放射されるため、被加熱物に対するマイクロ波の放射をより広い範囲において均一化することができる。特に、円偏波によるマイクロ波加熱は、周方向に対して均一加熱が期待できるものである。
さらに、本発明に係るマイクロ波加熱装置においては、円偏波を放射するマイクロ波放射部を2本以上のスリットにより構成される単純な形状とすることにより、被加熱物の均一加熱だけではなく、駆動機構を用いることなく簡易な構成で信頼性の向上および給電部の小型化を実現することができる。
本発明のマイクロ波加熱装置は、被加熱物への均一照射ができるため、個食食品の加熱加工や殺菌などを行う加熱装置などに有効に利用することができる。
101 マイクロ波加熱装置(電子レンジ)
102、601 マイクロ波放射部
103 加熱室
201 導波部
202 マイクロ波発生部
203 終端部
205 略腹位置
206 略節位置
207 伝送方向
209 伝送および電界方向に対して直角方向
401 電界
402 磁界
403 電流
701 整合部

Claims (10)

  1. 被加熱物を収納する加熱室と、
    マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、
    マイクロ波を伝送する導波部と、
    前記導波部に設けられ、前記加熱室内にマイクロ波を放射するマイクロ波放射部と、を備え
    前記マイクロ波放射部が、前記導波部の伝送および電界方向に対して直角方向に複数配置されており、
    少なくとも2つの前記マイクロ波放射部のそれぞれの中心が、前記導波部内の電界の略節位置に対応する位置に配置されたマイクロ波加熱装置。
  2. 少なくとも2つの前記マイクロ波放射部のそれぞれの中心が、前記導波部内の電界の略同位相の位置に配置された請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 少なくとも2つの前記マイクロ波放射部のそれぞれの中心が、前記導波部の伝送方向における同じ位置に配置された請求項1または2に記載のマイクロ波加熱装置。
  4. 前記導波部の伝送方向において、少なくとも1つの前記マイクロ波放射部の中心から、前記導波部の伝送方向の終端部までの距離が、前記導波部内における管内波長の約1/2の整数倍である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロ波加熱装置。
  5. 前記導波部内に少なくとも1つのインピーダンス調整用の整合部を有し、少なくとも1つの前記マイクロ波放射部の中心から前記整合部までの、前記導波部の伝送方向における距離が、前記導波部内における管内波長の約1/2の整数倍である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマイクロ波加熱装置。
  6. 前記導波部内に少なくとも1つのインピーダンス調整用の整合部を有し、前記整合部と、前記導波部の伝送方向の終端部との、前記導波部の伝送方向における間に、少なくとも1つの前記マイクロ波放射部の中心が配置されるよう構成された請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマイクロ波加熱装置。
  7. 前記導波部内に少なくとも2つの前記整合部を有し、前記導波部の伝送方向における隣り合う整合部の間に、少なくとも1つの前記マイクロ波放射部の中心が配置されるよう構成された請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマイクロ波加熱装置。
  8. 少なくとも1つの前記マイクロ波放射部の中心から、前記マイクロ波発生部までの、前記導波部の伝送方向における距離が、前記導波部内における管内波長の約1/4の奇数倍である請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマイクロ波加熱装置。
  9. 少なくとも1つの前記マイクロ波放射部が、円偏波を放射する構成を有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載のマイクロ波加熱装置。
  10. 前記マイクロ波放射部が、円偏波を放射するように、二つの長孔が交差する略X字状の構成を有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載のマイクロ波加熱装置。
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