JP2014053231A - マイクロ波加熱装置 - Google Patents

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匡史 貞平
Masayuki Kubo
昌之 久保
Koji Yoshino
浩二 吉野
Tomotaka Nobue
等隆 信江
Yoshiharu Omori
義治 大森
Daisuke Hosokawa
大介 細川
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Abstract

【課題】テーブル、アンテナ、位相器の回転機構などを用いない簡易的な構造で被加熱物を効率良く、均一に加熱すること。
【解決手段】導波管106内を伝送するマイクロ波を、加熱室103へのマイクロ波放射のエネルギー源としての定在波状態とする際、定在波を安定させるための定在波安定手段109を、導波管106内の進行波領域における波長変化を考慮して配置することで、加熱室103へのマイクロ波放射のエネルギー源となる導波管106内の定在波状態を安定させることができ、マイクロ波放射部108からの均一出力によるマイクロ波加熱を実現することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子レンジ等のマイクロ波加熱装置に関し、特にマイクロ波放射部の構造に特徴を有するマイクロ波加熱装置に関するものである。
マイクロ波により被加熱物を加熱処理するマイクロ波加熱装置の代表的な装置としては、電子レンジがある。電子レンジにおいては、マイクロ波供給手段において発生したマイクロ波が金属製の加熱室の内部に放射され、加熱室内部の被加熱物が放射されたマイクロ波により加熱処理される。
従来の電子レンジにおけるマイクロ波供給手段としては、マグネトロンが用いられている。マグネトロンにより生成されたマイクロ波は、導波管を介して加熱室内部に放射される。加熱室内部におけるマイクロ波の電磁界分布が不均一であると、被加熱物を均一にマイクロ波加熱することができない。
被加熱物を均一に加熱する手段として、被加熱物を載置するテーブルを回転させて被加熱物を回転させる構造、被加熱物を固定してマイクロ波を放射するアンテナを回転させる構造、または位相器によってマイクロ波供給手段から発生するマイクロ波の位相を変化させる構造を有するマイクロ波加熱装置が一般的であった。
例えば、従来のマイクロ波加熱装置では、導波管内部に回転アンテナ、アンテナシャフトなどが配置されており、アンテナモータによって回転アンテナを回転させながらマグネトロンを駆動することで、加熱室内のマイクロ波分布の不均一さを低減している。
また、特許文献1に記載されているように、マグネトロンの上部に回転可能なアンテナを設け、該回転アンテナの羽根に送風ファンからの冷却風をあてることにより、該送風ファンの風力でアンテナを回転させ、加熱室内のマイクロ波分布を変化させているマイクロ波加熱装置が提案されている。
一方、マイクロ波加熱による被加熱物の不均一加熱の低減と共にコストダウンおよび給電部の省スペース化を図った特許文献2に記載されているように、円偏波を加熱室内部に放射する単一のマイクロ波放射部を有したマイクロ波加熱装置が提案されている。
特開昭62−064093号公報 米国特許第4301347号明細書
しかしながら、前記従来の構成の電子レンジのようなマイクロ波加熱装置では、なるべく簡易的な構造で、被加熱物を効率良く、ムラ無く加熱することが求められているが、これまで提案されていた構造では種々の課題があった。
また、マイクロ波加熱装置、特に電子レンジは、高出力化の技術開発が進み、国内では定格高周波出力1000Wが商品化されている。電子レンジは、熱伝導によって食品を加熱するのではなく、誘電加熱を用いて直接食品を加熱できる利便性が商品の大きな特徴で
あるが、不均一加熱が未解決の中での高出力化は不均一加熱の課題をより顕在化させることになる。
従来のマイクロ波加熱装置が抱える構造上の課題としては、下記の2点のことが挙げられる。
1点目は、不均一加熱を低減するためにテーブルまたはアンテナを回転させる機構を必要としており、このため回転スペースおよびテーブルまたはアンテナを回転させるモータなどの設置スペースを確保しなければならず、電子レンジの小型化を阻害していたことである。
2点目は、テーブルまたはアンテナを安定的に回転させるために、該回転アンテナを加熱室の上部又は下部に設ける必要があり、構造が制限されていたことである。
マイクロ波加熱装置におけるマイクロ波照射室内にテーブルまたは位相器の回転機構などを設置することは信頼性を下げる。よって、これら機構を不要とするマイクロ波加熱装置が要求されている。
また、マイクロ波加熱による被加熱物の不均一加熱の低減と共に、コストダウンおよび給電部の省スペース化を図った特許文献2に記載されているような、円偏波を加熱室内部に放射する単一のマイクロ波放射部を有したマイクロ波加熱装置については、回転機構を有していないという利点はあるが、マイクロ波加熱による十分な均一加熱が実現されていないことが課題である。
本発明は前記従来の課題を解決するものであり、回転機構を用いないで、被加熱物を均一にマイクロ波加熱させることができるマイクロ波加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、導波管内を伝送するマイクロ波を、加熱室へのマイクロ波放射のエネルギー源としての定在波状態とする際、定在波を安定させるための定在波安定手段を、導波管内の進行波領域における波長変化を考慮して配置することで、加熱室へのマイクロ波放射のエネルギー源となる導波管内の定在波状態を安定させることができ、マイクロ波放射部からの均一出力によるマイクロ波加熱を実現することができる。
また、マイクロ波放射部は加熱室中央に対称となるよう配置され、複数の定在波安定手段はマイクロ波放射部の放射エネルギー源となる定在波の節に配置されることで、マイクロ波放射のエネルギー源として安定配置された定在波から対称性をもってマイクロ波加熱を行うことができる。
また、反射面が固定端となるマイクロ波の性質を利用して定在波安定手段を適切に配置することで、理想最適点からのずれを補う配置を行うことができる。
また、マイクロ波供給手段に最も近い定在波安定手段の高さを他の定在波安定手段よりも高くすることで、終端部で反射したマイクロ波がマイクロ波供給手段に戻りにくい構成として加熱効率を向上することができる。
また、定在波安定手段の間隔を、終端部から遠くなるほど短くすることで、進行波領域における波長変化への考慮をよりきめ細かく行い均一放射性を更に向上することができる。
また、マイクロ波放射部を、円偏波を放射する形状とすることで、マイクロ波放射部から拡がりをもったマイクロ波が放射され、被加熱物へのマイクロ波の放射をより広い範囲で均一化することができる。
また、前記導波管における前記マイクロ波供給手段から前記終端部までのマイクロ波伝送距離を管内波長の4分の1(λg/4)の整数倍とすることで、導波管内に存在し易い波長の定在波を発生させることができるため、マイクロ波放射部からマイクロ波放射が行われても定在波を安定して維持することができる。
本発明によれば、導波管内を伝送するマイクロ波を、加熱室へのマイクロ波放射のエネルギー源としての定在波状態とする際、定在波を安定させるための定在波安定手段を、導波管内の進行波領域における波長変化を考慮して配置することで、加熱室へのマイクロ波放射のエネルギー源となる導波管内の定在波状態を安定させることができ、マイクロ波放射部からの均一出力によるマイクロ波加熱を実現するマイクロ波加熱装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の断面図 本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の斜視図 本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の定在波と定在波安定手段の関係説明図 本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の導波管内のマイクロ波状態の説明図 本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の波長変化説明図 本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の定在波と定在波安定手段の関係説明図 本発明の実施の形態2におけるマイクロ波加熱装置のマイクロ波放射部を示す関係説明図 本発明の実施の形態2におけるマイクロ波加熱装置のマイクロ波放射部を示す関係説明図
第1の発明は、被加熱物を入れる加熱室と、前記被加熱物を載置する載置部と、前記加熱室にマイクロ波を供給するためのマイクロ波供給手段と、前記マイクロ波供給手段から供給されるマイクロ波を前記加熱室へ伝送するための導波管と、前記導波管内を通るマイクロ波を反射させ前記導波管内に定在波を発生させるための終端部と、前記終端部により発生した定在波を安定化するための1つまたは複数の定在波安定手段と、前記導波管内を通るマイクロ波を前記加熱室へ放射するための複数のマイクロ波放射部を備え、前記マイクロ波供給手段に最も近い前記定在波安定手段と前記終端部の距離は、前記導波管の管内波長の二分の一の整数倍よりも短い距離として構成するマイクロ波加熱装置とすることにより、導波管内を伝送するマイクロ波を、加熱室へのマイクロ波放射のエネルギー源としての定在波状態とする際、定在波を安定させるための定在波安定手段を、導波管内の進行波領域における波長変化を考慮して配置することで、加熱室へのマイクロ波放射のエネルギー源となる導波管内の定在波状態を安定させることができ、マイクロ波放射部からの均一出力によるマイクロ波加熱を実現することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記複数のマイクロ波放射部は前記加熱室中央に対称となるよう配置され、前記複数の定在波安定手段は前記マイクロ波放射部の放
射エネルギー源となる定在波の節に配置されるマイクロ波加熱装置とするとにより、マイクロ波放射のエネルギー源として安定配置された定在波から対称性をもってマイクロ波加熱を行うことができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、前記導波管の管内波長の二分の一の整数倍よりも短い距離として、前記定在波安定手段のマイクロ波伝送方向長さ以下とするマイクロ波加熱装置とすることにより、反射面が固定端となるマイクロ波の性質を利用して定在波安定手段を適切に配置することで、理想最適点からのずれを補う配置を行うことができる。
第4の発明は、特に第1〜3のいずれか1つの発明において、前記マイクロ波供給手段に最も近い前記定在波安定手段の高さが他の定在波安定手段よりも高いマイクロ波加熱装置とすることにより、マイクロ波供給手段に最も近い定在波安定手段の高さを他の定在波安定手段よりも高くすることで、終端部で反射したマイクロ波がマイクロ波供給手段に戻りにくい構成として加熱効率を向上することができる。
第5の発明は、特に第1〜4のいずれか1つの発明において、前記定在波安定手段の間隔が、前記終端部から遠くなるほど短くなるマイクロ波加熱装置とすることにより、定在波安定手段の間隔を、終端部から遠くなるほど短くすることで、進行波領域における波長変化への考慮をよりきめ細かく行い均一放射性を更に向上することができる。
第6の発明は、特に第1〜5のいずれか1つの発明において、前記マイクロ波放射部が、円偏波を放射する形状となっているマイクロ波加熱装置とすることにより、マイクロ波放射部を、円偏波を放射する形状とすることで、マイクロ波放射部から拡がりをもったマイクロ波が放射され、被加熱物へのマイクロ波の放射をより広い範囲で均一化することができる。
第7の発明は、特に第1〜6のいずれか1つの発明において、前記導波管における前記マイクロ波供給手段から前記終端部までのマイクロ波伝送距離が管内波長の4分の1(λg/4)の整数倍となっているマイクロ波加熱装置とすることにより、前記導波管における前記マイクロ波供給手段から前記終端部までのマイクロ波伝送距離を管内波長の4分の1(λg/4)の整数倍とすることで、導波管内に存在し易い波長の定在波を発生させることができるため、マイクロ波放射部からマイクロ波放射が行われても定在波を安定して維持することができる。
以下、本発明に係るマイクロ波加熱装置の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態のマイクロ波加熱装置においては電子レンジについて説明するが、電子レンジは例示であり、本発明のマイクロ波加熱装置は電子レンジに限定されるものではなく、誘電加熱を利用した加熱装置、生ゴミ処理機、あるいは半導体製造装置などのマイクロ波加熱装置を含むものである。また、本発明は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本発明に含まれる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の断面図である。図1において、101は筐体、102は被加熱物、103は被加熱物102を入れる加熱室、104は被加熱物102を載置する載置部、105は加熱室103にマイクロ波を供給するためのマイクロ波供給手段、106はマイクロ波供給手段105から供給されるマイクロ波を加熱室103へ伝送するための導波管、107は導波管106内を通るマイクロ波を反射させ導波管106内に定在波を発生させるための終端部、108は導波管106内を通
るマイクロ波を加熱室103へ放射するための複数のマイクロ波放射部、109は終端部107により発生した定在波を安定化するための1つまたは複数の定在波安定手段である。なお、載置部104にはガラス板、マイクロ波供給手段105にはマグネトロン、導波管106には方形導波管、マイクロ波放射部108には導波管106に設けた開口部、定在波安定手段109には金属円筒を用いることでこの構成を容易に実現できる。また、ここでマイクロ波供給手段105に最も近い定在波安定手段109と終端部107の距離は、導波管106の管内波長の二分の一の整数倍よりも短い距離として構成している。図2は実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の斜視図である。図2において201は被加熱物102を加熱室103へ出し入れするための扉である。
図3(a)は導波管106の概略斜視図、図3(b)は導波管106の側面図、図3(c)は導波管上面のマイクロ波放射部の概略図である。ここでは、マイクロ波放射部108を導波管106上部に設けた開口とし、導波管106内に存在するマイクロ波を加熱室103へ放射する構成として説明を行う。
最初にマイクロ波加熱装置の概略動作の説明を行う。使用者により加熱室103内の載置部104上に被加熱物102が置かれ、加熱開始指示が行われると、マイクロ波加熱装置は、マイクロ波供給手段105であるマグネトロンから導波管106内にマイクロ波を供給し、終端部107で反射させることで図3に示すように加熱室103下の導波管106内にマイクロ波の定在波303を形成する。ここでマイクロ波供給源として形成された定在波からマイクロ波放射部108により、加熱室103内にマイクロ波を放射することで、マイクロ波加熱装置は被加熱物102の加熱を行うことができる。この時、マイクロ波放射部108が加熱室103中央に対称となるよう配置され、複数の定在波安定手段109がマイクロ波放射部の放射エネルギー源となる定在波の節に配置されるよう構成することで、マイクロ波放射のエネルギー源として安定配置された定在波303から対称性をもってマイクロ波加熱を行うことができる。
次に、定在波303の在り方の説明を行う。図3に示すような終端部107を備えた導波管106をマイクロ波が伝送する場合、マイクロ波伝送方向302に定在波303が形成される。導波管106は終端部107で閉じられているため、終端部107における振幅は0に固定される。図1のようなマイクロ波供給手段105の供給側は、図3(b)に示すように振幅最大値を示す自由端となるため、導波管106内に発生する定在波の波長は、図4におけるマイクロ波伝送方向302の長さであるc(マイクロ波供給手段105から終端部107までのマイクロ波伝送距離)と、定在波モードを示す自然数sを用いて、下記の(数1)により簡易的に演算することができる。
例えばマイクロ波伝送方向302の長さcを346mmとして上記の(数1)を適用すると、定在波波長λn、定在波の間隔(λn/2)はそれぞれ下記の(表1)のようになる。
ここで導波管106内に存在する定在波は、マイクロ波供給手段105が供給する発振周波数が基になった波である。したがって、導波管106内に存在する定在波数は、導波管106内を伝送する波が呈する状態をとるのが自然な在り方であり、最も存在し易い状態となる。導波管106内を伝送する波の波長λgは、マイクロ波供給手段105の波長をλ(λ=(光速)/(発振周波数)、導波管106の遮断波長をλc(λc=2×a:aは導波管幅)、下記の(数2)のように表される。
マイクロ波供給手段105の発振周波数が2.46[GHz]、導波管106の幅が100[mm]である場合、上記の(数2)に代入するとλg=153.86[mm]となるため、前記の(表1)よりs=5で、定在波間隔(λn/2)が76.9[mm]となる図3(b)に示すような定在波が存在することになる。ただし、現実の導波管106でマイクロ波供給部の入口の状況や終端部107の状態が理想状態とならない場合は演算値の前後の状態も取り得るため(この場合はs=4、s=6)、現実の正確な管内定在波の波長は導波管106内の振幅を実測するのが確実である。
なお、既述のように、マイクロ波放射部108からマイクロ波が放射された後も導波管106内に発生する定在波が安定して存在するためには、定在波波長λnが、導波管106内を伝送する波が呈する状態、すなわち管内波長λgと同一の値をとる状態とすれば、伝送時も定在時も同一波長であるため、状態の不調和を発生させない最も安定した状態であると言える。したがって、マイクロ波伝送方向302の長さであるc(マイクロ波供給手段105から終端部107までのマイクロ波伝送距離)を決定する際は、(数1)を変形して得られる下記の(数3)において、λには管内波長λg(≒λn:本実施の形態の場合は153.86[mm])、sには導波管106内に存在して欲しい定在波状態(本実施の形態の場合はs=5)を代入することで、マイクロ波放射部108からマイクロ波放射が行われても定在波を安定して維持することができる条件を作り出すことが可能となる。
次に、定在波安定手段109の配置設定について説明を行う。導波管106内が完全な定在波状態にあれば図4(a)のように等間隔で定在波安定手段109を配置すればよい。しかしながら実際には、定在波303は進行波が反射して発生しているため、図4(b)のように進行波を考慮した配置設定をすることが必要となる。
導波管106内に安定的に発生する定在波303の波長を管内波長λgとして説明を行う。ここで、終端部107は定在波発生手段として機能するため、図4(b)に示すように終端部107に近いほど定在波が支配的となる。したがって、終端部107に近い定在波安定手段109は管内波長λgの半分(λg/2)の間隔で設定すればスムースに定在波の安定をはかることができる。一方でマイクロ波供給手段105は進行波としてのマイクロ波の供給源であるため、導波管106内に定在波が発生している状態にあってもマイクロ波供給手段105に近いほど進行波が支配的な度合は高くなる。したがって、マイクロ波供給手段105に近い定在波安定手段109の付近では進行波における現象である波長変化の現象が発現する。進行波の管内波長は導波管幅aを使って表すと(数4)のように表すことができるが、波長変化の現象は、定在波安定手段109がある場合とない場合では導波管幅が異なって見えることにより発現する。
例えば、図5(a)に示すように導波管106内に定在波安定手段109が配置される場合、定在波安定手段109が存在しない領域では図5(b)の断面図の通り導波管幅はaで計算されるが、定在波安定手段109が存在する領域においては、図5(c)の太線で示すように定在波安定手段109の分だけ導波管幅がaよりも長くなってしまう。管内波長は(数4)で求められることから、進行波状態において定在波安定手段109が存在する領域では、導波管幅aで求められる管内波長λgよりも短い波長となる。
よって、進行波が支配的な領域に定在波安定手段109を配置し、マイクロ波放射部108からマイクロ波を放射するエネルギー源としての定在波を安定して存在させるためには、導波管106内の進行波領域における波長変化を考慮し、定在波安定手段109と終端部107の距離を、導波管106の管内波長の二分の一の整数倍よりも短い距離として構成することが必要となる。
このように構成することで、定在波安定手段109は定在波の節に配置されることとなり、この状態でマイクロ波放射部108を加熱室103中央に対し対称となるよう配置することで、加熱室103に対してマイクロ波を対称に放射することができる。
また既述の通り、波長変化が発生するのは定在波安定手段109が存在する領域であるため、導波管の管内波長の二分の一の整数倍から最も短くする場合でも定在波安定手段109のマイクロ波伝送方向長さ以下で設定すればよいことになる。
また、波長変化は進行波成分の強さによって大きくなるため、図6に示すように定在波安定手段109の間隔を、進行波領域の強さに合わせて終端部107から遠くなるほど短くなる(L1>L2>L3)ように設定すれば、進行波領域における波長変化への考慮を
よりきめ細かく行うことができ、更に定在波の安定化がはかれることから均一放射性を更に向上することができる。この場合も、波長変化が発生するのは定在波安定手段109が存在する領域であるため、導波管の管内波長の二分の一の整数倍から最も短くする場合でも定在波安定手段109のマイクロ波伝送方向長さ以下で設定すればよいことになる。
また、マイクロ波供給手段105に最も近い定在波安定手段109は、マイクロ波供給手段105から供給された後、終端部107で反射して戻ってくるマイクロ波が再びマイクロ波供給手段105へ戻るのを防ぐ働きを担うことができる。マイクロ波供給手段105から供給されたマイクロ波は、進行波成分の強さのおかげでマイクロ波供給手段105に最も近い定在波安定手段109ではあまり反射を起こすことなく通過し進行する。一方で、終端部107で反射したマイクロ波は進行波成分が弱まるため、高さの低い定在波安定手段109は通過できても、高さを高くした(マイクロ波供給手段105に最も近い)定在波安定手段109では、反射される成分が多くなり加熱に供することができるようになることから、マイクロ波が再びマイクロ波供給手段105へ戻ることを防ぎ、加熱効率を向上することができる。高さを高くする場合も、マイクロ波供給手段105から定在波安定手段109を通過して終端部107へマイクロ波を届ける必要があるため、マイクロ波の流れを阻害することのないよう導波管106の高さの概半分程度までに抑える必要がある。
以上のように、本実施の形態においては、導波管106内を伝送するマイクロ波を、加熱室103へのマイクロ波放射のエネルギー源としての定在波状態とする際、定在波を安定させるための定在波安定手段109を、導波管内の進行波領域における波長変化を考慮して配置することで、加熱室103へのマイクロ波放射のエネルギー源となる導波管106内の定在波状態を安定させることができ、マイクロ波放射部108からの均一出力によるマイクロ波加熱を実現することができる。
また、マイクロ波放射部108は加熱室103中央に対称となるよう配置され、複数の定在波安定手段109はマイクロ波放射部108の放射エネルギー源となる定在波の節に配置されることで、マイクロ波放射のエネルギー源として安定配置された定在波から対称性をもってマイクロ波加熱を行うことができる。
また、反射面が固定端となるマイクロ波の性質を利用して定在波安定手段109を適切に配置することで、理想最適点からのずれを補う配置を行うことができる。
また、マイクロ波供給手段105に最も近い定在波安定手段109の高さを他の定在波安定手段109よりも高くすることで、終端部107で反射したマイクロ波がマイクロ波供給手段105に戻りにくい構成として加熱効率を向上することができる。
また、定在波安定手段109の間隔を、終端部107から遠くなるほど短くすることで、進行波領域における波長変化への考慮をよりきめ細かく行い均一放射性を更に向上することができる。
また、導波管106におけるマイクロ波供給手段105から終端部107までのマイクロ波伝送距離を管内波長の4分の1(λg/4)の整数倍とすることで、導波管内に存在し易い波長の定在波を発生させることができるため、マイクロ波放射部108からマイクロ波放射が行われても定在波を安定して維持することができる。
なお、本実施の形態ではマイクロ波放射部108の開口部形状を図3の形状で説明を行ったがこの開口形状に限定されるものではない。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2における円偏波を放射する形状をもったマイクロ波放射部108の配置説明図である。以下、その動作、作用を説明する。なお、図面において、(実施の形態1)と同一動作を示す部分は同一番号を付与している。また、本実施の形態における基本的な動作は(実施の形態1)と同様である。
本実施の形態においては、マイクロ波放射部108を図7に示すような円偏波を放射する形状としている。円偏波とは、移動通信および衛星通信の分野で広く用いられている技術であり、身近な使用例としては、ETC(Electronic Toll Collection System)「ノンストップ自動料金収受システム」などが挙げられる。円偏波は、電界の偏波面が電波の進行方向に対して時間に応じて回転するマイクロ波であり、円偏波を形成すると電界の方向が時間に応じて変化し続けるので、加熱室103内に放射されるマイクロ波の放射角度も変化し続け、時間的に電界強度の大きさが変化しないという特徴を有している。これにより、従来のマイクロ波加熱装置に用いられている直線偏波によるマイクロ波加熱と比較して、広範囲にわたってマイクロ波が分散放射されて、被加熱物を均一にマイクロ波加熱することができるようになる。特に、円偏波の周方向に対して均一加熱の傾向が強い。なお、円偏波は回転方向から右旋偏波(CW:clockwise)と左旋偏波(CCW:counter clockwise)の2種類に分類されるが、加熱性能に違いはない。
本実施の形態のマイクロ波加熱装置は、定在波303を利用しているが、マイクロ波放射部108からマイクロ波が放射され、定在波バランスがくずれた際に、再び安定した定在波に戻るまでの間は進行波が発生する。したがって、マイクロ波放射部108を円偏波放射形状とすることで、前記の特長を利用し、加熱室103内の加熱分布をより均一化することができる。なお、方形の導波管106に設けたマイクロ波放射部108から円偏波を出力するためには、図7に示すように、幅を持ったスリット2本を中央で交差させ、マイクロ波伝送方向に対し45度傾けた形状を、導波管106のマイクロ波伝送方向の管軸を通らない位置に配置する必要がある。
以上のように、本実施の形態においては、マイクロ波放射部108を、円偏波を放射する形状とすることで、マイクロ波放射部から拡がりをもったマイクロ波が放射され、被加熱物102へのマイクロ波の放射をより広い範囲で均一化することができる。
なお、本実施の形態において、円偏波を放射するマイクロ波放射部108の形状は図7で示した形状で説明したが、形状は図7に限定されるものではなく円偏波を放射する形状であれば何でもよい。
また、図7は導波管軸701に対して対称な配置をしたマイクロ波放射部108を用いて説明を行ったが、図8に示すような導波管軸801に対し非対称な配置をしたマイクロ波放射部108を用いてもよい。
以上のように、本発明のマイクロ波加熱装置は、被加熱物への均一照射ができるので、食品の加熱加工や殺菌などを行うマイクロ波加熱装置などに有効に利用することができる。
101 筐体
102 被加熱物
103 加熱室
104 載置部
105 マイクロ波供給手段
106 導波管
107 終端部
108 マイクロ波放射部
109 定在波安定手段
201 扉
301 導波管内定在波腹位置
302 マイクロ波伝送方向
303 定在波
701 導波管軸
801 導波管軸

Claims (7)

  1. 被加熱物を入れる加熱室と、
    前記被加熱物を載置する載置部と、
    前記加熱室にマイクロ波を供給するためのマイクロ波供給手段と、
    前記マイクロ波供給手段から供給されるマイクロ波を前記加熱室へ伝送するための導波管と、
    前記導波管内を通るマイクロ波を反射させ前記導波管内に定在波を発生させるための終端部と、
    前記終端部により発生した定在波を安定化するための1つまたは複数の定在波安定手段と、
    前記導波管内を通るマイクロ波を前記加熱室へ放射するための複数のマイクロ波放射部を備え、
    前記マイクロ波供給手段に最も近い前記定在波安定手段と前記終端部の距離は、前記導波管の管内波長の二分の一の整数倍よりも短い距離として構成することを特徴とするマイクロ波加熱装置。
  2. 前記複数のマイクロ波放射部は前記加熱室中央に対称となるよう配置され、前記複数の定在波安定手段は前記マイクロ波放射部の放射エネルギー源となる定在波の節に配置されることを特徴とする請求項1記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 前記導波管の管内波長の二分の一の整数倍よりも短い距離とは、前記定在波安定手段のマイクロ波伝送方向長さ以下であることを特徴とする請求項1または2記載のマイクロ波加熱装置。
  4. 前記マイクロ波供給手段に最も近い前記定在波安定手段の高さが他の定在波安定手段よりも高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  5. 前記定在波安定手段の間隔が、前記終端部から遠くなるほど短くなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  6. 前記マイクロ波放射部が、円偏波を放射する形状となっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  7. 前記導波管における前記マイクロ波供給手段から前記終端部までのマイクロ波伝送距離が管内波長の4分の1(λg/4)の整数倍となっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
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CN118017240A (zh) * 2024-04-08 2024-05-10 陕西达昊华建筑工程有限公司 一种用于湿陷性黄土的微波烧结装置及方法

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