JP2001319768A - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JP2001319768A
JP2001319768A JP2000139981A JP2000139981A JP2001319768A JP 2001319768 A JP2001319768 A JP 2001319768A JP 2000139981 A JP2000139981 A JP 2000139981A JP 2000139981 A JP2000139981 A JP 2000139981A JP 2001319768 A JP2001319768 A JP 2001319768A
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heating
heated
impedance
heating chamber
microwave
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JP2000139981A
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Tomotaka Nobue
等隆 信江
Akiyoshi Fukumoto
明美 福本
Tomomi Uchiyama
智美 内山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、被加熱物の加熱の均一化あるいは
その特定領域の選択加熱を確実に行うための加熱室壁面
に設けた開孔部のインピーダンス可変の制御手段を備え
た装置を提供するものである。 【解決手段】 加熱室10を形成する奥側面13に設け
た開孔部21、22、23と、それぞれの開孔部に接続
した溝部と溝部内に設け回転駆動する誘電体からなる回
転体とで構成したインピーダンス可変手段24,25、
26とを備え、制御手段によりそれぞれの回転体の支持
角度の組合せを確実に実行して加熱室内のマイクロ波分
布の分散化と特定領域への集中を図ることで被加熱物の
加熱の均一化あるいはその特定領域の選択加熱を確実に
行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波エネル
ギを用いて被加熱物を誘電加熱する高周波加熱装置に関
するもので、特に加熱室の壁面のインピーダンスを変化
させて誘電加熱する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高周波加熱装置のマイクロ波空間
である加熱室は、加熱室内に収納された被加熱物の加熱
の均一化を図ることに主眼がおかれこの加熱の均一化の
手段として、電波攪拌方式、被加熱物回転方式、複数給
電方式あるいは加熱室壁面の凹凸形状などが実用化され
ている。また特開平8−330066号公報には、加熱
室の壁面に流れる高周波電流の流れる方向を可変するこ
とにより、加熱室内に生じる励振モードを切換える技術
を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
各種加熱方式は、加熱室の特定領域にマイクロ波を集中
させることが難しく、それがために被加熱物の特定領域
を選択的に誘電加熱することは困難であった。
【0004】本発明は、加熱室の壁面のインピーダンス
を制御して加熱室に生じるマイクロ波分布を分散あるい
は集中させて被加熱物を誘電加熱する装置において、被
加熱物の加熱の均一化あるいはその特定領域の選択加熱
を確実に行うインピーダンス可変の制御手段を備えた装
置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波加熱装置
は上記課題を解決するために、被加熱物を収納する加熱
室の壁面に設けた開孔部と、前記開孔部のインピーダン
スを可変する手段を備えた高周波加熱装置において、加
熱開始直後は前記インピーダンス可変手段を連続的に動
作制御するものである。
【0006】上記発明によれば、加熱室に給電されたマ
イクロ波は加熱室を形成する金属壁面で反射し加熱室内
には特定のマイクロ波分布が生じる。加熱室の金属壁面
でのマイクロ波の入射波と反射波との位相差は180度
である。一方金属壁面に設けた開孔部における入射波と
反射波との位相差は、開孔部のインピーダンス値が零の
場合は180度、インピーダンス値が無限大の場合は0
度、誘導性リアクタンスの場合は入射波に対して反射波
の位相が遅れ、容量性リアクタンスの場合は位相が進
む。入射波と反射波との位相の変化に伴って加熱室のマ
イクロ波分布が変化する。
【0007】開孔部のインピーダンスを連続的に可変制
御することで加熱室内のマイクロ波分布は連続的に変化
する。特に加熱開始直後にこのインピーダンス可変を連
続的に行うことで被加熱物全域に万遍なくマイクロ波を
入射させることにより、被加熱物の有り無しをマグネト
ロンの動作温度から判別し被加熱物が無い場合にはマイ
クロ波を発生するマグネトロンの動作を強制停止させた
り、赤外線温度検出手段を備えた装置にあっては被加熱
物の収納位置や形状や個数までも判別することができ
る。そして被加熱物を移動させることなく被加熱物の加
熱の均一化や特定領域を選択的に加熱させることができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1の高周波加熱装
置は、被加熱物を収納する加熱室の壁面に設けた開孔部
と、前記開孔部のインピーダンスを可変する手段とを備
え、前記被加熱物全域に万遍なくマイクロ波を入射させ
るために加熱開始直後は前記インピーダンス可変手段を
連続的に動作制御したものである。そして、加熱開始直
後にはインピーダンス可変を連続的に行うことで加熱室
内のマイクロ波分布を連続的に変化させ被加熱物全域に
万遍なくマイクロ波を入射させることにより、被加熱物
の有り無しをマグネトロンの動作温度から判別し被加熱
物が無い場合にはマグネトロンの動作を強制停止させた
り、赤外線温度検出手段を備えた装置にあっては被加熱
物の収納位置や形状や個数をも判別することができる。
【0009】本発明の請求項2の高周波加熱装置は、被
加熱物を収納する加熱室の壁面に設けた複数の開孔部
と、前記複数の開孔部のインピーダンスをそれぞれ可変
する手段とを備え、それぞれのインピーダンス可変手段
の制御に主従関係を持たせたものである。そして、複数
の開孔部のインピーダンスの組合わせを所望の条件に確
実に設定することができ、加熱室内に所望のマイクロ波
分布を形成することで被加熱物をお好みの加熱状態に加
熱することができる。
【0010】本発明の請求項3の高周波加熱装置は、主
従関係での動作開始時は、主に該当するインピーダンス
可変手段はそれが係わる開孔部のインピーダンスを略零
とした状態に制御するものである。そして、開孔部のイ
ンピーダンスを可変する場合に、複数の開孔部のインピ
ーダンスの組合わせを不測の状態にならない様にするこ
とができる。これにより、被加熱物が異常な加熱状態に
なることを解消し使い勝手のよい装置を提供できる。
【0011】本発明の請求項4記載の高周波加熱装置
は、被加熱物を収納する加熱室の壁面に設けた複数の開
孔部と、前記複数の開孔部のインピーダンスをそれぞれ
可変する手段とを備え、開孔部のインピーダンスを特定
値に設定する場合は、制御対象以外のインピーダンス可
変手段の動作を禁止するものである。そして、制御対象
以外のインピーダンス可変手段の動作を禁止することに
よりそれらが消費していた電力を特定値に設定しようと
するインピーダンス可変手段に利用できる。たとえばス
テッピングモータを利用する場合、励磁方法を変えるこ
とでステッピング角度を半分にできるので特定値への設
定を精度よく実行することができる。
【0012】本発明の請求項5記載の高周波加熱装置
は、被加熱物を収納する加熱室の壁面に設けた複数の開
孔部と、前記複数の開孔部のインピーダンスをそれぞれ
可変する手段とを備え、加熱開始直後は前記インピーダ
ンス可変手段をそれぞれ異なる可変速度で動作させるも
のである。そして、可変速度をそれぞれ異ならすことで
開孔部を複数個有する加熱室に対しても加熱室全体にマ
イクロ波分布を分散化できる。これにより、被加熱物全
域に万遍なくマイクロ波を入射させ、被加熱物の有り無
しをマグネトロンの動作温度から判別し被加熱物が無い
場合にはマグネトロンの動作を強制停止させたり、赤外
線温度検出手段を備えた装置にあっては被加熱物の収納
位置や形状や個数をも判別することができる。
【0013】本発明の請求項6記載の高周波加熱装置
は、インピーダンス可変手段は、開孔部を開放端とし終
端を閉じた溝部と、前記溝部内に設けた回転体と、前記
回転体を駆動する駆動手段とを有する構成とし、回転体
の支持角度を可変することで開孔部のインピーダンスを
変化させるものである。そして、回転体を用いることで
回転方向に関係なくインピーダンスの値を周期的に変化
させることができるとともに誘電加熱を中断させること
なく開孔部のインピーダンスを所望に可変制御して被加
熱物を所望に加熱することができる。
【0014】本発明の請求項7記載の高周波加熱装置
は、回転体の支持角度を検出判定する機能を有するもの
である。そして、回転体の支持角度をきめ細やかに制御
することを可能にし被加熱物の加熱の均一化あるいは特
定領域を集中加熱する制御条件を再現性よく実現でき
る。
【0015】本発明の請求項8記載の高周波加熱装置
は、回転体は使用するマイクロ波帯にて低誘電損失材料
の誘電体で構成したものである。そして、誘電体を回転
体に使用することで回転体と溝部を形成する壁面との間
でのスパーク発生を防止できるので、加熱室内に供給す
るマイクロ波電力が1000Wを超過するような高周波
加熱装置に対しても本発明のインピーダンス可変手段を
実装して所望の加熱特性とその作用を実用することがで
きる。
【0016】本発明の請求項9記載の高周波加熱装置
は、被加熱物を収納する加熱室と、マイクロ波を発生す
るマイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段が発
生したマイクロ波を前記加熱室に供給するために前記加
熱室を形成する金属壁面に設けた給電口と、前記給電口
を通って前記給電口に生じる電気力線の方向と同じ方向
に前記加熱室を周回する時の周回線を線対称として加熱
室壁面に設けた複数の開孔部とを備えたものである。そ
して、給電口から給電されるマイクロ波は周回線を断面
とする方向に伝搬し加熱室壁面や被加熱物表面で反射し
て周回線の両側にも伝搬していく。この周回線の一方の
側に設けた開孔部のインピーダンスを変化させることで
マイクロ波分布は周回線の両側での均衡がくずれる。こ
のマイクロ波分布を崩れさせることにより、マイクロ波
分布を偏向させて被加熱物の加熱される領域を相反する
方向に変化させることができ、被加熱物の均一加熱ある
いは領域選択加熱を行なうことができる。
【0017】本発明の請求項10記載の高周波加熱装置
は、給電口は加熱室に被加熱物を出し入れするための開
閉扉に対向する加熱室壁面に設けたものである。そし
て、開閉扉からみてマイクロ波分布を左右方向に偏向さ
せることにより、複数の被加熱物を加熱する際に、強め
に加熱したい被加熱物の収納領域を明確にさせることが
できるとともに収納自体が容易にできる利便性を図るこ
とができる。
【0018】本発明の請求項11記載の高周波加熱装置
は、被加熱物を収納する加熱室と、マイクロ波を発生す
るマイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段が発
生したマイクロ波を前記加熱室に供給するために前記加
熱室を形成する金属壁面に設けた給電口と、前記給電口
を通って前記給電口に生じる電気力線の方向と同じ方向
に前記加熱室を周回する時の周回線を線対称として加熱
室壁面に設けた複数の開孔部と、前記周回線上に設けた
開孔部とを備えたものである。そして、周回線に線対称
に設けた開孔部のインピーダンスを変化させて周回線を
線対称とするマイクロ波分布の偏向により被加熱物の加
熱される領域を相反する方向に変化させるとともに周回
線上に設けた開孔部のインピーダンスを変化してマイク
ロ波分布を周回線方向にも変化させることができ、被加
熱物の均一加熱あるいは領域選択加熱をより効果的に行
なうことができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を用い
て説明する。
【0020】図1は本発明の一実施例を示す高周波加熱
装置の外観構成図、図2は図1の要部断面構成図であ
る。
【0021】図1および図2において、加熱室10は金
属材料から構成された金属境界部である右側壁面11、
左側壁面12、奥壁面13、上壁面14、底壁面15及
び被加熱物を加熱室10内に出し入れする開閉壁面であ
る開閉扉16により略直方体形状に構成され、給電され
たマイクロ波をその内部に実質的に閉じ込めるように形
成している。17は加熱室10に給電するマイクロ波を
発生するマイクロ波発生手段であるマグネトロン、18
はマグネトロン17が発生したマイクロ波を加熱室10
に導く導波管、19は加熱室10と導波管18とをマイ
クロ波的に結合するとともにマグネトロン17が発生し
たマイクロ波を加熱室10内に放射する給電部であり開
閉扉16から見て奥壁面13の左右方向の略中央に設け
ている。20は周回線を示し、給電部19の左右方向の
略中央に生じる電気力線の方向と同じ方向に加熱室10
を周回した時の基準線である。
【0022】21、22、23は奥壁面13に設けた開
孔部であり、略矩形の孔形状から構成している。開孔部
22は周回線20を横切って設け、開孔部21,23は
周回線20を線対称として設けている。開孔部21、2
2、23にはそれぞれの開孔部のインピーダンスを変化
させるためのインピーダンス可変手段24、25、26
を加熱室10の外側に設けている。このインピーダンス
可変手段は、それぞれの開孔部21、22、23と空間
的に連続して形成している。
【0023】インピーダンス可変手段の詳細な説明は後
述するが、概要を図2を用いて説明する。図2は周回線
20の断面図を示している。インピーダンス可変手段2
5は、開孔部22を開放端とし終端27を閉じた溝部2
8と、溝部28内において回転可能に支持した使用する
マイクロ波周波数帯にて誘電損失が小さい誘電体材料の
回転体29とから構成している。この誘電体材料の比誘
電率は回転体表面で所望の反射波を生じさせて開孔部の
インピーダンスの可変範囲を大きくするために望ましく
は7以上の誘電体材料から構成している。また、回転体
29の回転支持角度を検出する角度検出手段30と回転
体29を回転駆動する回転駆動手段31を備えている。
なお、開孔部21、23も同様構成要素からなるインピ
ーダンス可変手段24、26を設けている。
【0024】また、32は装置本体前面に設けられた操
作部であり、操作部32内には被加熱物の加熱領域を選
択する加熱領域選択入力部33と被加熱物へのマイクロ
波の流れおよび被加熱物の温度を表示する表示手段34
を設けている。35は被加熱物の加熱温度の入力設定部
であり、36は自動加熱調理の選択メニューである。
【0025】37はマグネトロン17を駆動するインバ
ータ駆動電源部、38は装置全体の動作を制御する制御
手段である。39は赤外線温度検出手段であり右側壁面
11に設けた孔40を介して載置台41の表面温度ある
いは被加熱物が載置された状態では被加熱物の表面温度
を検出し検出した信号は制御手段38に入力させてい
る。制御手段38は、操作部32から入力された加熱情
報、赤外線温度検出手段39および角度検出手段30か
らの信号に基いて、インバータ駆動電源部37の動作お
よびインピーダンス可変手段24,25,26のそれぞ
れの回転体を回転駆動する回転駆動手段の動作を制御し
て加熱室10内に収納された被加熱物を誘電加熱する。
【0026】また載置台41はセラミック材料からなる
角皿構成としている。42は開閉扉16の略中央部に配
設され加熱室10内を透視できるパンチング孔構成の透
視窓、43は開閉扉16の閉成状態を判別するドアラッ
チスイッチである。また底壁面15および上壁面14の
加熱室10の外側には輻射加熱用のヒータ(図示してい
ない)を設けている。
【0027】また、操作部32の自動加熱調理の選択メ
ニュー36には、「解凍」キー、再加熱用の「あたた
め」キーおよび「オーブン」キーを配置している。これ
らの入力キーは被加熱物の誘電加熱あるいは輻射加熱を
自動制御するものであり、各入力情報に基いて制御手段
38はインピーダンス可変手段24,25,26を予め
決定した制御内容に基いて制御する。
【0028】一方被加熱物の誘電加熱を使用者の意図に
基いて実行する入力キーとして、操作部32内には被加
熱物の加熱領域を選択する加熱領域選択入力部33と被
加熱物の加熱温度の入力設定部35を設けている。加熱
領域選択入力部33は、加熱室10内に収納され誘電加
熱される被加熱物に対して開閉扉16から見た時に、加
熱室10の左側にマイクロ波分布を偏向させて被加熱物
の左側あるいは左側に置かれた被加熱物を加熱する加熱
アイテム「左」キー、加熱室10の略中央を加熱領域と
する加熱アイテム「中央」キー、加熱室10の右側にマ
イクロ波分布を偏向させて被加熱物を加熱する加熱アイ
テム「右」キーおよび加熱室10全体にマイクロ波を分
散して被加熱物全体を加熱する加熱アイテム「全体」キ
ーを配置させている。これらの各キーを押すことでそれ
に対応した加熱室内のマイクロ波の流れの内容が表示手
段34に表示される。図1は「全体」キーが押された時
のマイクロ波の流れを示している。
【0029】被加熱物の加熱温度の入力設定部35は
「温度」キーを押すことで温度入力モードになり、三角
キーで所望の温度を設定する。設定する温度は表示手段
34の中央部に表示される。図1では75℃を意味する
表示を示している。
【0030】44は被加熱物の加熱時間を入力指定する
キーであり、45は加熱開始を入力する「スタート」キ
ー、46は入力条件をクリアしたり加熱を中断する場合
に使用する「取消」キーである。
【0031】図3は本発明の実施例1を示すインピーダ
ンス可変手段の外観構成図である。図3において、イン
ピーダンス可変手段50は、金属部材で構成した箱型部
51を本体とし、加熱室壁面に組立実装することで溝部
を形成する構成としている。その箱型部51内には、板
状構造の回転体52を設けている。この回転体52の両
端には回転体52を回転させるための回転軸53、54
を設け、回転軸53は箱型部51の壁面に設けた孔に挿
入しその孔で回転支持している。一方、回転軸54には
回転体52を回転駆動する手段であるステッピングモー
タ55の出力シャフトと連結させている。
【0032】56は回転軸54に設けた回転体の支持角
度検出のための遮光部であり、支持角度検出手段として
フォトインタラプタ(図示していない)を用いている。
57〜60は加熱室実装用フランジであり、加熱室壁面
にスポット溶接組立する。61は回転体52を箱型部5
1内に実装するための孔である。箱型部51の具体的な
構成寸法としては、幅が80mm、長さがLa+Lb、
高さが20mmである。LaおよびLb寸法は回転体5
2の中心から箱型部51のそれぞれの端面までの長さで
ある。このような構成のインピーダンス可変手段を加熱
室に実装する場合、箱型部52のLa寸法側の所定位置
に開孔部62(図1においては開孔部21、22、2
3)を配置する。
【0033】この結果、箱型部51と加熱室壁面で形成
される溝部の終端は図3において箱型部51を形成する
壁面63である。回転体52の支持角度は回転体52の
幅広面52aが壁面63に対して略平行の状態を0度と
規定する。そして回転体の支持角度を検出する手段を設
けたことにより回転体の支持角度をきめ細やかに制御す
ることを可能にし被加熱物の加熱の均一化あるいは特定
領域を集中加熱する制御条件を再現性よく実現できる。
【0034】回転体52は、200℃以上の耐熱温度を
有しマイクロ波帯で低誘電損失の特性を有する樹脂材料
あるいは無機材料の非金属材料を基材とし、その基材を
所定の板厚さにそれぞれ成形あるいは焼成成形加工して
構成している。そして回転体に誘電体を使用することで
回転体と溝部を形成する壁面との間でのスパーク発生を
防止できるので、加熱室内に供給するマイクロ波電力が
1000Wを超過するような高周波加熱装置に対しても
本発明のインピーダンス可変手段を実装して所望の加熱
特性とその作用を実用することができる。
【0035】次に図4について説明する。図4は本発明
のインピーダンス可変手段の特性を示すもので、開孔部
における電圧反射係数の位相値特性を示している。な
お、インピーダンス可変手段の構成は、以下の通りであ
る。開孔部形状は、長軸が80mm、その短軸が20m
mである。また箱型部51のLb寸法は20mm、回転
体52は、比誘電率が12.3、板厚さtが5.0m
m、板部の幅寸法と長さ寸法はそれぞれ18mm、78
mmである。
【0036】図4は上記構成のインピーダンス可変手段
においてLa寸法の変化に対する開孔部62における電
圧反射係数S11の位相値の特性を示し、実線64は回
転体52の支持角度が0度、破線65は支持角度が90
度の特性である。
【0037】図4において、矢印66すなわちLa=3
0mmの構成とすることで開孔部62における電圧反射
係数S11の位相値を略±180度から略−30度の範
囲で可変させることができる。すなわちこの場合、回転
体52を回転させることで開孔部52には容量性リアク
タンス成分のみを存在させられることが認められる。
【0038】また、矢印67すなわちLa=50mmの
構成とすることで開孔部における電圧反射係数S11の
位相値を略+90度から±180度を通って略−135
度の範囲に可変させることができる。すなわち、この場
合、回転体52を回転させることで開孔部62には誘導
性リアクタンス成分(位相値範囲:+90度から±18
0度)と容量性リアクタンス成分(位相値範囲:±18
0度から略−135度)値を存在させられることが認め
られる。
【0039】さらに矢印77すなわちLa=70mmの
構成とすることで開孔部における電圧反射係数S11の
位相値を略+0度から+90度を通って略±180度の
範囲に可変させることができる。すなわち、この場合、
回転体52を回転させることで開孔部62には誘導性リ
アクタンス成分のみを存在させられることが認められ
る。
【0040】そして矢印66で示す特性を備えたインピ
ーダンス可変手段を用いれば、回転体52の支持角度を
0度とすると開孔部における電圧反射係数の位相値が略
±180度、すなわち開孔部のインピーダンスが略零と
なるので開孔部を金属壁面と同様の作用にさせることが
できる。
【0041】一方矢印67で示す特性を備えたインピー
ダンス可変手段を用いれば、回転体52を回転させるこ
とで開孔部には誘導性リアクタンス成分と容量性リアク
タンス成分との両者のインピーダンスを形成させること
ができる。またこの場合は回転体52の支持角度を細か
く制御することで開孔部のインピーダンスを理想的には
零(電圧反射係数の位相値を±180度に設定)にする
ことができる。
【0042】さらに矢印68で示す特性を備えたインピ
ーダンス可変手段を用いれば、回転体52の支持角度を
90度とすることで開孔部のインピーダンスを限りなく
零に近い値(電圧反射係数の位相値を±180度に近づ
ける)とすることができる。
【0043】また、回転体52の幅広面を溝部終端面6
3に対して略平行にした状態は開孔部62から溝部終端
側を見たときの開孔部62における電圧反射係数の位相
値がスミスチャート上で最も時計方向に位置付けされ、
回転体52の幅広面を溝部終端面に対して略平行状態か
ら変化させると開孔部62における電圧反射係数の位相
値はスミスチャート上で反時計方向に変化する。回転体
52の幅広面が溝部終端面に対して略平行の状態にある
時の開孔部62のインピーダンスを規定することで開孔
部62のインピーダンス変化範囲を明らかにすることが
できる。
【0044】このように回転体52の支持角度を変化さ
せることで、開孔部62のインピーダンスは変化し開孔
部62におけるマイクロ波の入射波と反射波との位相差
は変化する。加熱室の金属壁面でのマイクロ波の入射波
と反射波との位相差は180度である。一方金属壁面に
設けた開孔部における入射波と反射波との位相差は、開
孔部のインピーダンス値が零の場合は180度、インピ
ーダンス値が無限大の場合は0度、誘導性リアクタンス
の場合は入射波に対して反射波の位相が遅れ、容量性リ
アクタンスの場合は位相が進む。入射波と反射波との位
相の変化に伴って加熱室の見掛け上の大きさが変化す
る。
【0045】誘導性リアクタンスの場合はマイクロ波的
作用より加熱室の大きさが見掛け上大きくなり、一方容
量性リアクタンスの場合は小さくなる。これは、たとえ
ば加熱室内に収納した被加熱物と給電部との見掛け上の
距離を変化させるようなものである。この現象を利用す
ることで被加熱物の平面上の加熱領域を可変したり、被
加熱物の高さ方向の加熱領域を可変させることができ、
被加熱物を移動させることなく被加熱物の加熱の均一化
を図ることができる。また、開孔部の配設位置を選択す
ることで加熱室内のマイクロ波分布を偏向させることが
できる。
【0046】これらの現象を利用することで被加熱物の
加熱領域の可変制御が実現できる。そして開孔部のイン
ピーダンスを可変制御することで被加熱物の誘電加熱に
おいてユーザが希望する加熱領域を指定することを可能
にできる。また誘電体材料からなる回転体を回転させる
簡易な構成により誘電加熱中にもスパーク発生すること
なくすばやくマイクロ波分布を変化させることができ、
加熱進行に伴うきめ細やかな加熱制御を行なうことがで
きる。また、回転体を用いることで回転方向に関係なく
インピーダンスの値を周期的に変化させることができる
とともに誘電加熱を中断させることなく開孔部のインピ
ーダンスを所望に可変制御して被加熱物を所望に加熱す
ることができる。
【0047】次に以上の構成からなる本発明の高周波加
熱装置の動作と作用について説明する。まず加熱室10
内に生じさせるマイクロ波分布について説明する。載置
台41の存在を含めて加熱室10には開閉扉16からみ
た加熱室10の左右方向にマイクロ波分布を偏向させる
ことを目的としてこの左右方向に生じる定在波の山の数
を奇数に選択している。加熱室容積が30リットルクラ
スの場合、選択するマイクロ波分布は、例えばTE53
1、TE342、TE522などである。ここでTEは
高周波電界がマイクロ波の伝搬方向に対して垂直方向に
生じるマイクロ波分布のモードを示し、添え字の数値は
それぞれ加熱室10の図1においては右側壁面11と左
側壁面12との間に生じる定在波の山の数、図1におい
て奥壁面13と開閉扉16との間に生じる定在波の山の
数および底壁面15と上壁面14との間に生じる定在波
の山の数を示す。
【0048】次に開孔部22について説明する。開孔部
22は周回線20を横切る位置であればどこに配設して
も基本的には構わない。但し、加熱室10に生じさせる
マイクロ波分布を限定した場合は、そのマイクロ波分布
の定在波の節の位置を避けるべきである。この開孔部2
2のマイクロ波的作用を図5および図6を用いて説明す
る。図5は加熱室10の上壁面14近傍に生じるマイク
ロ波分布を示す。
【0049】図5(a)および図5(b)は、La寸法が
30mmのインピーダンス可変手段を開孔部22に実装
し、回転体の支持角度をそれぞれ0度と90度にした状
態において加熱室10の略中央に擬似負荷を収納した状
態における加熱室10の上壁面14近傍に生じたマイク
ロ波分布特性を示す。擬似負荷は、底面が100mm平
方の容器にアドヘア合成糊(積水樹脂(株)の商標)2
00gを入れた負荷を用いた。なお、開孔部21,23
にはLa寸法が30mmのインピーダンス可変手段(回転
体の支持角度は0度)を実装した。
【0050】また図6は図5(a)および図5(b)に
それぞれ示したマイクロ波分布のもとで擬似負荷である
アドヘア合成糊を誘電加熱した時の加熱分布を示す。図
6においてアドヘア合成糊の白濁領域を斜線にて示す。
アドヘア合成糊は約45℃以上になるとその領域が白濁
することから、図6において斜線で示した領域が強めに
加熱されることを示している。図5および図6より、開
孔部22のインピーダンスを容量性リアクタンスにする
ことで被加熱物の給電部19側の加熱を強くさせること
ができる。すなわち、加熱室10の奥壁面13の給電部
19の上部に設けた開孔部22のインピーダンスを変化
させることで被加熱物の加熱分布を加熱室の前後方向に
変化させることができる。この現象を利用することで被
加熱物の平面上の加熱領域を可変したり、嵩高い被加熱
物の加熱に対しては高さ方向に加熱領域を可変させるこ
とができ、被加熱物を移動させることなく被加熱物の加
熱の均一化を図ることができる。
【0051】またたとえば、コーヒーや牛乳などの加熱
に対しては開孔部22のインピーダンスを最大の容量性
リアクタンスに設定して被加熱物の下方側を集中的に加
熱することで全体の加熱の均一化を促進できる。
【0052】次に奥壁面13の左右に設けた開孔部2
1、23について説明する。開孔部21、23は加熱室
10内に生じさせたマイクロ波分布によって生じる各金
属壁面を流れる高周波電流の流れを分断する方向に長軸
寸法を有する略矩形形状にて構成している。開孔部2
1、23のインピーダンスを零にすると高周波電流の流
れは分断されないので加熱室10内に生じさせたマイク
ロ波分布は何ら変化しない。一方、開孔部21、23の
インピーダンスを零以外の値に変化させることで高周波
電流の流れが変わり加熱室10内に生じさせたマイクロ
波分布は初期の分布から変化する。また、開孔部21、
23のインピーダンスを変えることで開孔部におけるマ
イクロ波の入射波と反射波との位相差は変化するが、こ
れらの開孔部は周回線20から外れているので加熱室の
大きさを変化させる作用度合いは開孔部22よりは劣っ
ている。この開孔部21,23のマイクロ波的作用を図
7および図8を用いて説明する。
【0053】図7は、La寸法が30mmのインピーダン
ス可変手段24,26を開孔部21,23にそれぞれ実
装し、加熱室10の略中央に擬似負荷を収納した状態に
おける加熱室10の上壁面14近傍に生じたマイクロ波
分布特性を示す。擬似負荷は上記の負荷を用いた。図7
(a)および図7(b)は、インピーダンス可変手段2
4,26のそれぞれの回転体の支持角度を0度と0度
(0/0/0と記す)および90度と0度(90/0/
0と記す)にした状態のそれぞれのマイクロ波分布であ
る。なお、開孔部22にはLa寸法が30mmのインピー
ダンス可変手段(回転体の支持角度は0度)を実装し
た。
【0054】また図8は図7(a)および図7(b)に
それぞれ示したマイクロ波分布のもとで擬似負荷である
アドヘア合成糊を誘電加熱した時の加熱分布を示す。図
7および図8より、開孔部21,23のインピーダンス
を時間的に変化させることで加熱室に生じるマイクロ波
分布を左右方向に偏向させられることが認められる。ま
たこの現象を利用して加熱室10内に載置された被加熱
物の加熱分布を変化させて被加熱物をより均一に加熱さ
せたり特定領域を選択的に加熱することができる。
【0055】これらのインピーダンス可変に伴う加熱特
性に基づいて、図1に示した操作部32に示した加熱ア
イテムの個々に対し開閉扉16からみて左側にあるイン
ピーダンス可変手段24と中央にあるインピーダンス可
変手段25および右側にあるインピーダンス可変手段2
6のそれぞれの回転体の回転支持角度の規定内容の具体
的な実施形態としては、「左」キーは左側から順番に回
転体の支持角度を0度、0度、90度(0/0/90と
記す、以下同様)、「中央」キーは中央のインピーダン
ス可変手段の回転体を毎分15回転(*15と記す、以
下同様)としそれぞれの支持角度は(0/*15/
0)、「右」キーはそれぞれの支持角度が(90/0/
0)および「全体」キーはそれぞれの回転体の支持角度
の組合せが時間的にランダムな、例えば左側が毎分15
回転、中央が0度、右側が毎分3回転(*15/0/*
3と記す、以下同様)としている。そして加熱室内のマ
イクロ波の流れを表示したことにより、ユーザは選択し
た加熱アイテムの内容を容易に確認できるとともに加熱
後の加熱状態と選択した加熱アイテムとの整合性を認識
できるので使い勝手の良い装置とすることができる。
【0056】次に上記構成からなる高周波加熱装置の操
作手順と制御内容について図9を用いて説明する。被加
熱物を加熱室内に収納載置した後、使用者はその被加熱
物を加熱するための加熱条件を決めて上述した入力アイ
テムの一つを選択する(S101)。次に加熱時間を入
力(図1の44で指定する)あるいは被加熱物の希望す
る加熱終了温度を入力(図1の35で指定する)した
後、図1に示した「スタート」キー45を押す(S10
2)ことで被加熱物の誘電加熱が開始される。なお、S
103は「スタート」キー45が押されたことを確認する
ものであり、「スタート」キー45に先立って「取消」キ
ー46が押されるとS101に戻る。なお、入力アイテ
ムの選択において、自動加熱調理アイテムである「あた
ため」キーあるいは「解凍」キーが選択された場合は、加
熱時間を入力することなくS102に進む。
【0057】制御手段38は、S104で自動加熱調理
か手動加熱調理かを判定する。自動加熱調理の場合は、
S106に進む。手動加熱調理の場合はS105に進
む。S105では操作部32からの手動加熱入力情報に
基いて、回転体の回転駆動手段を動作させて回転体をそ
れぞれ所望の支持角度にセットしたり連続回転させたり
する。回転体を所望の支持角度にセットする場合は、回
転体の支持角度が0度の位置を検知した後、所望の支持
角度に回転体をセットするとともにインバータ駆動電源
部37の動作を開始させマグネトロン17からマイクロ
波を発生させて被加熱物の誘電加熱を開始する。
【0058】そして加熱入力情報として加熱時間が入力
された場合は、制御手段38が加熱中に行う制御内容と
して、加熱経過時間と終了時間との比較(S108)と
予め定めた内容に従ったマグネトロン出力の制御であ
る。一方、終了温度が入力された場合は、制御手段38
が加熱中に行う制御内容として現在温度と終了温度との
比較(S108)と予め定めた内容に従ったマグネトロ
ン出力の制御である。
【0059】一方、S104で自動加熱調理と判定した
場合は、S106に進む。S106では、インピーダン
スを規定した組合わせ(*15/0/*3)に制御して
マグネトロンを動作させる。そして被加熱物を含む載置
台上の温度情報を赤外線温度検出手段39から得られる
信号に基づいて処理し、その結果に基づいて被加熱物の
有り無し、被加熱物の載置された存在位置を判定する。
被加熱物が無しと判定するとS109に進む。被加熱物
の存在を確認した場合はS107に進む。S107では
被加熱物の加熱状態を温度情報にて監視し、温度差が既
定値を超えると温度の低い領域を強く加熱するようにそ
れぞれのインピーダンス可変手段を既定したインピーダ
ンス可変条件に照らして制御する。また温度情報に基づ
いてマグネトロンの出力も制御する。そしてS108の
加熱終了判定が「Yes」になると加熱終了と判定して
S109でインバータ駆動電源部37の動作を停止し、
S110でそれぞれの回転体の支持角度を0度にリセッ
トして回転駆動手段の通電を停止させて被加熱物の誘電
加熱を完了する。
【0060】なお、加熱情報は上記の情報に限定される
ものではなく、例えば被加熱物が発生するガスや水蒸気
を検知するセンサ情報に基づいても構わない。
【0061】次にインピーダンス可変の制御内容につい
て図10から図12を用いて説明する。なお、各インピ
ーダンス可変手段はLa=30mmを用いた場合であり、
回転体の支持角度を0度にすることで開孔部のインピー
ダンスは略零となる。
【0062】図10は、加熱開始直後(図9においてS
105およびS106)に実行される制御内容を示す。
サブルーチン(S200)は、インバータ駆動電源部
37の動作開始情報に基づいて実行される。図におい
て、左IMP(IMPedanceの略称として以下に用いる)、中
IMPおよび右IMPはそれぞれ図1のインピーダンス可変手
段24,25,26に対応する。S201では左IMPの回
転体の支持角度を0度(左IMP=0degと表記する、以下
同様)に制御する。S202で左IMP=0degになったこ
とを支持角度検出手段の信号に基づいて確認判定する。
この際に左IMPの回転体は連続的に回転制御させ遮光部
56によるフォトインタラプタの信号変化に基づき確認
判定する。左IMP=0degを確認するとS203に進み、
上述と同様に中IMP=0degを実行しS204で確認判定
した後S205に進む。S205では同様に右IMP=0de
gを実行しS206で確認判定した後S207に進んで
サブルーチンを終了する。
【0063】このサブルーチンではインピーダンス可
変手段のそれぞれに主従関係を持たせている。すなわ
ち、左IMP(インピーダンス可変手段24)を主と位置
づけ、中IMPと右IMPは従とする。それぞれのインピーダ
ンス可変手段を主従関係としたことにより、複数の開孔
部のインピーダンスの組合わせを所望の条件に確実に設
定することができ、加熱室内に所望のマイクロ波分布を
形成することで被加熱物をお好みの加熱状態に加熱する
ことができる。さらにインピーダンス可変手段を制御す
る場合に主に該当するインピーダンス可変手段が係わる
開孔部のインピーダンスを略零とする。これにより開孔
部のインピーダンスを可変する場合に、複数の開孔部の
インピーダンスの組合わせを不測の状態にならない様に
することができる。この結果、被加熱物が異常な加熱状
態になることを解消し使い勝手のよい装置を提供でき
る。
【0064】加熱開始直後においてはサブルーチンの
実行を終了すると直ちにサブルーチン(S300)に
進み、S301で左IMP=*15および右IMP=*3を実
行してS302に進みサブルーチンを終了する。な
お、この時の*印は毎分の回転数を表わす表記とした。
以下の説明でも同様の表記方法とする。これにより、各
インピーダンス可変手段の回転体はそれぞれが異なる可
変速度で動作する。
【0065】この実行による左IMPと右IMPとの回転体の
支持角度の時間的な変化を図11に示す。図11は、開
孔部のインピーダンスの可変範囲に対応する回転体の回
転角度周期は90度だから、90度の間を往復する表現
としている。右IMPの回転体が0度から90度に回転す
る時間において、左IMPの回転体は周期90度を2.5
往復する。そして左IMPが0度から90度に回転するの
に要する時間は1秒であり、被加熱物の加熱に伴う温度
上昇との関係において開孔部のインピーダンス可変率は
十分に速い関係としている。
【0066】左IMPおよび右IMPの回転体をそれぞれ上記
したように制御することで各開孔部24、26のインピ
ーダンス値の組合わせをそれらのインピーダンス可変範
囲全域に分散させ加熱室全体にマイクロ波を分散させて
いる。このマイクロ波の分散により被加熱物全域にマイ
クロ波を入射させて被加熱物全域の加熱を促進させるこ
とができる。これにより、被加熱物全域の温度が時間経
過に伴って上昇するので赤外線温度検出手段39による
検出信号に基づいて被加熱物の存在位置はもとより被加
熱物の形状や個数をも判別することができる。
【0067】また、被加熱物とは識別できない温度分布
の場合は被加熱物が存在しないと判定する。この判定
は、被加熱物を収納しない条件の下でセラミック材料の
角皿だけを加熱した時に得られる温度分布データと比較
することで被加熱物有り無し判定の精度を高く維持させ
ている。
【0068】次に加熱室10内のマイクロ波分布を偏向
して所望の加熱分布を被加熱物に与えるインピーダンス
可変手段の制御内容について図12を用いて説明する。
【0069】図12に示す制御内容は加熱中の被加熱物
の温度分布情報に基づき、温度の低い側を強く加熱する
時の一実施例である。この実施例は被加熱物の温度分布
において、左側の温度が右側の温度に対して既定した温
度差以上に低い時に実行させる制御内容である。制御手
段38が赤外線温度検出手段39の検出信号から得た温
度情報において上述した結果を得た場合には制御手段3
9に予め記憶したインピーダンス可変手段の制御条件の
中からこれから実行する制御条件を抽出する。
【0070】今の場合この制御条件は各インピーダンス
可変手段の回転体の支持角度を(0/0/90)に変更
することである。この制御条件変更の制御内容を図12
示している。この制御においてもまずはサブルーチン
(S200からS207)を実行し、瞬間的に各インピー
ダンス可変手段の回転体の支持角度を(0/0/0)に
初期化する。その後直ちに所望の制御条件であるサブル
ーチン(S400)を実行する。このサブルーチン
は、S401で右IMP=90degを実行した後S402に進ん
でこのサブルーチンを終了する。
【0071】この制御は被加熱物の左側を強く加熱する
ことが目的であり、この目的に対してインピーダンス可
変手段の回転体の組合せを所期の目的に対して確実に実
行するために各インピーダンス可変手段の回転体の支持
角度を一旦初期化する。その後、右側のインピーダンス
可変手段の回転体の支持角度を確実に所定の90度に設
定するために、制御対象以外のインピーダンス可変手段
の動作を禁止している。また、制御対象の右側インピー
ダンス可変手段の回転体を駆動するステッピングモータ
の回転制御を1−1相励磁から1−2相励磁に変更して
ステッピング角度を半分することで所定の支持角度であ
る90度に確実に設定することとしている。この場合、
励磁方法変更に伴ってステッピングモータ駆動用の供給
電力が倍増するが、他のインピーダンス可変手段の動作
を禁止しているので倍増する供給電力に対する増加電力
分は他のインピーダンス可変手段の回転体を駆動するた
めの電力を利用でき電力供給側の電力容量を大きく採る
ことを回避させることができる。
【0072】次に制御手段38のより具体的な加熱調理
制御内容を図13から図16を用いて説明する。
【0073】図13は、「全体」加熱アイテムの制御例
であり、制御手段38はマイクロ波発生手段であるマグ
ネトロン17のマイクロ波出力の制御とインピーダンス
可変手段のそれぞれの回転体の回転速度の連動制御とを
行う。すなわち、加熱室全体にマイクロ波を分散させる
ことを目的としてそれぞれのインピーダンス可変手段の
回転体は(*15/0/*3)に制御する。また、加熱
開始初期はマイクロ波出力を大きくし、入力された加熱
時間の80%の時間以降はマイクロ波出力を低下させる
ように制御し、被加熱物の加熱の均温化を図る。なお、
マイクロ波出力の制御は行わなくても構わない。
【0074】図14は、「解凍」キーの自動加熱調理制
御例であり、終了温度は5℃とした場合の制御例であ
る。制御手段38は赤外線温度検出手段39から得られ
る温度情報に基づいてそれぞれの回転体およびインバー
タ駆動電源部を制御する。赤外線温度検出手段39は複
数の検出素子、たとえば32個(8行4列に配列)で構
成し、加熱室10の左右方向および奥行き方向に8行と
4列をそれぞれ対応させて実装している。また、制御手
段38は検出した32個の温度情報に基づいて各種の制
御を実行する。
【0075】制御手段38は加熱初期は回転体をそれぞ
れ(*15/0/*3)とし、被加熱物の存在位置を確
認する。これにより制御手段38は被加熱物の存在位置
に対応する検出素子の信号情報のみを制御用の信号とし
て取り扱う。制御手段38は制御信号として取り扱う温
度検出信号群に基づく温度情報の最高値が0℃を超過す
るまでは回転体の制御条件は(*15/0/*3)とし
てマイクロ波を分散させるとともにマイクロ波は最大出
力で加熱室に供給する。制御信号用の温度検出信号群に
基づく温度の最高値が0℃を超過するとマイクロ波の出
力を約200Wに低下させる。この条件の下での加熱継
続期間において、制御手段38は制御信号用の温度検出
信号群に基づく温度情報の最高値と最低値との差を基準
温度として定めた3℃と比較する。そして最高温度と最
低温度との温度差が3℃を超過すると回転体の支持角度
を制御して温度の低い領域に相当する側にマイクロ波分
布を偏向させるように制御する((0/0/0),(0
/90/0),(90/0/0)および(0/0/9
0)から自動選択)。被加熱物の存在位置に対応する検
出素子から得られる信号群に基づく温度の最高温度が終
了温度である5℃を超過するまで自動的にこの制御を実
行し、終了温度を超過すると加熱を終了する。
【0076】図15は、使用者の意図に基づく選択加熱
アイテム条件と加熱時間条件とが入力された加熱制御例
を示し、制御手段38は回転体の動作に対しては入力さ
れた選択加熱条件に対応する角度に回転体をそれぞれ規
定制御する(回転体制御条件群を図示した)。また、マ
イクロ波出力に関しては入力指定された時間の90%ま
では最大出力とし、90%を超過した時間においては、
出力を低下させるとともに回転体の動作を(*15/0
/*3)として終了時間まで加熱を実行する。なお、こ
の角度規定に対しては、規定の支持角度を中心として支
持角度を前後に振動させることで被加熱物の載置場所に
余裕度を持たせ使い勝手をより高めることができる。ま
た、マイクロ波出力の制御はなくても構わない。
【0077】図16は、「あたため」キーの自動加熱制
御例であり、終了温度を75℃とした場合の制御例を示
す。制御手段38は加熱開始から30秒間は回転体をそ
れぞれ(*15/0/*3)とし、この間に被加熱物の
存在位置を確認する。これにより制御手段38は被加熱
物の存在位置に対応する検出素子の温度情報のみを制御
用の信号として取り扱う。また、30秒経過以降は被加
熱物の存在位置に対応する検出素子から得られる温度情
報に基づいて制御する。時々刻々の温度情報に対して最
高温度と最低温度との差を基準信号である7℃と比較す
る。最高温度と最低温度の温度差が7℃を超過すると回
転体の支持角度を制御して温度の低い側にマイクロ波分
布を領域偏向させるように制御する((0/0/0)、
(0/90/0)、(0/0/90)および(90/0
/0)から自動選択)。制御信号として取り扱っている
温度情報群の最高値が指定の終了温度の−10℃(今の
場合65℃)に到達するまで自動的にこの制御を実行し
指定の終了温度の−10℃に到達すると回転体の制御条
件は(*15/0/*3)としてマイクロ波を分散させ
るとともにマイクロ波出力を初期の約50%に低下させ
る。この後、検出した検出信号に基づく最高温度が指定
した終了温度を超過することで加熱を終了する。
【0078】以上の制御例が示すように、インピーダン
ス可変手段を時々刻々と変化する被加熱物からの温度情
報に基いて制御することで被加熱物をより効果的に全体
加熱あるいは領域選択加熱することができる。また、左
右および中央の加熱領域を指定して被加熱物を誘電加熱
することができる機能を操作パネルに付与したことで高
周波加熱装置の取り扱いをガスコンロを使用するがごと
くの取り扱いにさせることができユーザの利便性を飛躍
的に向上させることができる装置を提供する。
【0079】なお、加熱情報は被加熱物の加熱方法とし
て使用者が選択入力する情報において高周波加熱装置が
検出困難な情報として位置づけされる情報(たとえば被
加熱物の種類)は、操作上の煩雑さを考慮すれば、音声
入力やバーコード入力によって識別させるのが望まし
い。
【0080】また、オーブン加熱においてマイクロ波を
供給する場合にも上述したインピーダンス可変手段の制
御内容を用いることができる。
【0081】なお、給電部は加熱室の奥壁面に限定する
ものではなく、上壁面、下壁面あるいは左右の側壁面に
給電部を配設した構成に対して開孔部の位置を選択配設
した装置に対して本発明のインピーダンス可変手段の制
御方法の思想を適用することができる。また、上記説明
では3個の開孔部を有する加熱室を対象として説明した
が、開孔部は3個より多くしてもよいしまた開孔部が単
独の場合にも適用できることは明らかである。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明によれば以下の効果
を有する。
【0083】請求項1の高周波加熱装置によれば、被加
熱物を収納する加熱室の壁面に設けた開孔部のインピー
ダンスを可変する手段を備え、加熱開始直後は前記イン
ピーダンス可変手段を連続的に動作制御することで、加
熱室内のマイクロ波分布を連続的に変化させ被加熱物全
域に万遍なくマイクロ波を入射させることにより、被加
熱物の有り無しをマグネトロンの動作温度から判別し被
加熱物が無い場合にはマグネトロンの動作を強制停止さ
せたり、赤外線温度検出手段を備えた装置にあっては被
加熱物の収納位置や形状や個数をも判別することができ
る。
【0084】請求項2の高周波加熱装置によれば、被加
熱物を収納する加熱室の壁面に設けた複数の開孔部のイ
ンピーダンスをそれぞれ可変する手段の制御に主従関係
を持たせたことにより、複数の開孔部のインピーダンス
の組合わせを所望の条件に確実に設定することができ、
加熱室内に所望のマイクロ波分布を形成することで被加
熱物をお好みの加熱状態に加熱することができる。
【0085】請求項3の高周波加熱装置によれば、主従
関係での動作開始時は、主に該当するインピーダンス可
変手段はそれが係わる開孔部のインピーダンスを略零と
した状態に制御することにより、複数の開孔部のインピ
ーダンスの組合わせを不測の状態にならない様にするこ
とができる。これにより、被加熱物が異常な加熱状態に
なることを解消し使い勝手のよい装置を提供できる。
【0086】請求項4の高周波加熱装置によれば、被加
熱物を収納する加熱室の壁面に設けた複数の開孔部のイ
ンピーダンスのひとつを特定値に設定する場合は、制御
対象以外のインピーダンス可変手段の動作を禁止するこ
とで、それらが消費していた電力を特定値に設定しよう
とするインピーダンス可変手段に利用できる。たとえば
ステッピングモータを利用する場合、励磁方法を変える
ことでステッピング角度を半分にできるので特定値への
設定を精度よく実行することができる。
【0087】請求項5の高周波加熱装置によれば、被加
熱物を収納する加熱室の壁面に設けた複数の開孔部のイ
ンピーダンスをそれぞれ可変する手段を備え、加熱開始
直後は前記インピーダンス可変手段をそれぞれ異なる可
変速度で動作させることにより、開孔部を複数個有する
加熱室に対しても加熱室全体にマイクロ波分布を分散化
できる。これにより、被加熱物全域に万遍なくマイクロ
波を入射させ、被加熱物の有り無しをマグネトロンの動
作温度から判別し被加熱物が無い場合にはマグネトロン
の動作を強制停止させたり、赤外線温度検出手段を備え
た装置にあっては被加熱物の収納位置や形状や個数をも
判別することができる。
【0088】請求項6の高周波加熱装置によれば、イン
ピーダンス可変手段は、開孔部を開放端とし終端を閉じ
た溝部と、前記溝部内に設けた回転体と、前記回転体を
駆動する駆動手段とを有する構成とし、回転体の支持角
度を可変することで開孔部のインピーダンスを変化させ
ることにより、回転体を用いることで回転方向に関係な
くインピーダンスの値を周期的に変化させることができ
るとともに誘電加熱を中断させることなく開孔部のイン
ピーダンスを所望に可変制御して被加熱物を所望に加熱
することができる。
【0089】請求項7の高周波加熱装置によれば、回転
体の支持角度を検出判定する機能を有させることによ
り、回転体の支持角度をきめ細やかに制御することを可
能にし被加熱物の加熱の均一化あるいは特定領域を集中
加熱する制御条件を再現性よく実現できる。
【0090】請求項8の高周波加熱装置によれば、回転
体は使用するマイクロ波帯にて低誘電損失材料の誘電体
で構成したことにより、回転体と溝部を形成する壁面と
の間でのスパーク発生を防止できるので、加熱室内に供
給するマイクロ波電力が1000Wを超過するような高
周波加熱装置に対しても本発明のインピーダンス可変手
段を実装して所望の加熱特性とその作用を実用すること
ができる。
【0091】請求項9の高周波加熱装置によれば、給電
口を通って前記給電口に生じる電気力線の方向と同じ方
向に前記加熱室を周回する時の周回線を線対称として加
熱室壁面に設けた複数の開孔部とを備えたことにより、
給電口から給電されるマイクロ波は周回線を断面とする
方向に伝搬し加熱室壁面や被加熱物表面で反射して周回
線の両側にも伝搬していく。この周回線の一方の側に設
けた開孔部のインピーダンスを変化させることでマイク
ロ波分布は周回線の両側での均衡がくずれる。このマイ
クロ波分布を崩れさせることにより、マイクロ波分布を
偏向させて被加熱物の加熱される領域を相反する方向に
変化させることができ、被加熱物の均一加熱あるいは領
域選択加熱を行なうことができる。
【0092】請求項10の高周波加熱装置によれば、給
電口は加熱室に被加熱物を出し入れするための開閉扉に
対向する加熱室壁面に設けたことにより、開閉扉からみ
てマイクロ波分布を左右方向に偏向させることにより、
複数の被加熱物を加熱する際に、強めに加熱したい被加
熱物の収納領域を明確にさせることができるとともに収
納自体が容易にできる利便性を図ることができる。
【0093】請求項11の高周波加熱装置によれば、給
電口を通って前記給電口に生じる電気力線の方向と同じ
方向に前記加熱室を周回する時の周回線を線対称として
加熱室壁面に設けた複数の開孔部と、前記周回線上に設
けた開孔部とを備えたことにより、周回線に線対称に設
けた開孔部のインピーダンスを変化させて周回線を線対
称とするマイクロ波分布の偏向により被加熱物の加熱さ
れる領域を相反する方向に変化させるとともに周回線上
に設けた開孔部のインピーダンスを変化してマイクロ波
分布を周回線方向にも変化させることができ、被加熱物
の均一加熱あるいは領域選択加熱をより効果的に行なう
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の高周波加熱装置の外観構成
【図2】同高周波加熱装置の要部断面図
【図3】同高周波加熱装置のインピーダンス可変手段の
外観構成図
【図4】同高周波加熱装置のインピーダンス可変手段の
特性図
【図5】同高周波加熱装置に生じる第1の電界分布特性
【図6】図5の特性図に対応した擬似負荷の加熱分布図
【図7】本発明の一実施例の高周波加熱装置に生じる第
2の電界分布特性図
【図8】図7の特性に対応した擬似負荷の加熱分布図
【図9】本発明の一実施例の高周波加熱装置の制御内容
を示すフローチャート
【図10】同高周波加熱装置のインピーダンス可変手段
の第一の制御内容を示すフローチャート
【図11】図10のより詳細な特性を説明する図
【図12】同高周波加熱装置のインピーダンス可変手段
の第二の制御内容を示すフローチャート
【図13】同高周波加熱装置の第一の制御内容を示す図
【図14】同高周波加熱装置の第二の制御内容を示す図
【図15】同高周波加熱装置の第三の制御内容を示す図
【図16】同高周波加熱装置の第四の制御内容を示す図
【符号の説明】
10 加熱室 21、22、23、62 開孔部 24、25、26、50 インピーダンス可変手段 27、63 溝部の終端 28 溝部 29、52 回転体 30 支持角度検出手段 31、55 回転駆動手段 38 制御手段 56 遮光部(支持角度検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 智美 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K086 AA01 BA02 BA08 BB02 CA04 CB03 CB05 CB06 CB12 CC01 CD19 CD26 DA02 3K090 AA01 AB02 AB03 BA01 BB01 BB15 BB17 BB20 CA02 CA16 CA21 DA15 DA17 DA18 EB14 EB29 EB32 3L086 AA02 BB02 BB08 BD01 CA11 CA12 CB08 CB09 CB16 CC13 CC25 DA12 DA29

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加熱物を収納する加熱室の壁面に設けた
    開孔部と、前記開孔部のインピーダンスを可変する手段
    とを備え、前記被加熱物全域に万遍なくマイクロ波を入
    射させるために加熱開始直後は前記インピーダンス可変
    手段を連続的に動作制御した高周波加熱装置。
  2. 【請求項2】被加熱物を収納する加熱室の壁面に設けた
    複数の開孔部と、前記複数の開孔部のインピーダンスを
    それぞれ可変する手段とを備え、それぞれのインピーダ
    ンス可変手段の制御に主従関係を持たせた高周波加熱装
    置。
  3. 【請求項3】主従関係での動作開始時は、主に該当する
    インピーダンス可変手段はそれが係わる開孔部のインピ
    ーダンスを略零とした状態に制御したこととする請求項
    2記載の高周波加熱装置。
  4. 【請求項4】被加熱物を収納する加熱室の壁面に設けた
    複数の開孔部と、前記複数の開孔部のインピーダンスを
    それぞれ可変する手段とを備え、開孔部のインピーダン
    スを特定値に設定する場合は、制御対象以外のインピー
    ダンス可変手段の動作を禁止した高周波加熱装置。
  5. 【請求項5】被加熱物を収納する加熱室の壁面に設けた
    複数の開孔部と、前記複数の開孔部のインピーダンスを
    それぞれ可変する手段とを備え、加熱開始直後は前記イ
    ンピーダンス可変手段をそれぞれ異なる可変速度で動作
    させた高周波加熱装置。
  6. 【請求項6】インピーダンス可変手段は、開孔部を開放
    端とし終端を閉じた溝部と、前記溝部内に設けた回転体
    と、前記回転体を駆動する駆動手段とを有する構成と
    し、回転体の支持角度を可変することで開孔部のインピ
    ーダンスを変化させた請求項1または2または4または
    5記載の高周波加熱装置。
  7. 【請求項7】回転体の支持角度を検出判定する機能を有
    する請求項6記載の高周波加熱装置。
  8. 【請求項8】回転体は使用するマイクロ波帯にて低誘電
    損失材料の誘電体としたこととする請求項6記載の高周
    波加熱装置。
  9. 【請求項9】被加熱物を収納する加熱室と、マイクロ波
    を発生するマイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生
    手段が発生したマイクロ波を前記加熱室に供給するため
    に前記加熱室を形成する金属壁面に設けた給電口と、前
    記給電口を通って前記給電口に生じる電気力線の方向と
    同じ方向に前記加熱室を周回する時の周回線を線対称と
    して加熱室壁面に設けた複数の開孔部とを備えた高周波
    加熱装置。
  10. 【請求項10】給電口は加熱室に被加熱物を出し入れす
    るための開閉扉に対向する加熱室壁面に設けた請求項9
    記載の高周波加熱装置。
  11. 【請求項11】被加熱物を収納する加熱室と、マイクロ
    波を発生するマイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発
    生手段が発生したマイクロ波を前記加熱室に供給するた
    めに前記加熱室を形成する金属壁面に設けた給電口と、
    前記給電口を通って前記給電口に生じる電気力線の方向
    と同じ方向に前記加熱室を周回する時の周回線を線対称
    として加熱室壁面に設けた複数の開孔部と、前記周回線
    上に設けた開孔部とを備えた高周波加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010185627A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Hitachi Appliances Inc 高周波加熱装置
WO2013132740A1 (ja) * 2012-03-09 2013-09-12 パナソニック株式会社 マイクロ波加熱装置

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