JP3063545B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JP3063545B2
JP3063545B2 JP6274997A JP27499794A JP3063545B2 JP 3063545 B2 JP3063545 B2 JP 3063545B2 JP 6274997 A JP6274997 A JP 6274997A JP 27499794 A JP27499794 A JP 27499794A JP 3063545 B2 JP3063545 B2 JP 3063545B2
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B40/00Technologies aiming at improving the efficiency of home appliances, e.g. induction cooking or efficient technologies for refrigerators, freezers or dish washers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品などの被加熱物を
加熱する高周波加熱装置の給電(加熱室への電磁波の入
れ方)構成に関し、特に加熱分布の均一化を図った構成
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】代表的な高周波加熱装置である電子レン
ジは、従来は図17〜図19に示すような構成であっ
た。
【0003】図17の電子レンジは食品載置台としてタ
ーンテーブル4を用いた一般的な構成である。ここでは
電磁波放射部としてのマグネトロン1から出た電磁波
は、導波管2を介して伝送され、加熱室3内では加熱室
3形状と開口部6の位置で決まる定在波となって分布
し、食品5は定在波の電界成分と食品5の誘電損失に応
じて発熱する。食品の単位体積当たり吸収される電力P
[W/m3]は、加えられる電界の強さE[V/m]、
周波数f[Hz]、および食品の比誘電率εr、誘電正
接tanδにより(数1)として表される。食品5の加熱
分布は、概ね電磁波の定在波分布によって決まるため、
加熱分布のむらを抑えるために、ターンテーブル4を回
転運動させて同心円上の加熱分布の均一化を図ってい
る。
【0004】
【数1】
【0005】また、他の均一化の手段として、加熱室3
内で金属板の一定回転により電磁波を攪拌するスタラー
方式や、導波管2の開口部6自体を一定回転させる回転
導波管方式と呼ばれるものもあったが、ターンテーブル
タイプのものが最も多く商品化されている。
【0006】また、複数の開口部6を有することで均一
化をねらうものもあり、図18は二つの開口部6を加熱
室3の壁面に設けたタイプである(特開平4−3192
87号公報)。
【0007】また、図19のように複数の開口部6に対
向する位置で二つの副導波管7の端面26を動かし、み
かけ上電磁波の出やすい開口部6を切り替えて均一化を
ねらうものもある(特開平5−74566号公報)。
【0008】また、解凍調理の場合に限り、ターンテー
ブル4を一定の高さに上昇させて解凍専用ラック無しで
ある程度の均一化を図る商品がある。
【0009】また、使用者が調理目的に合わせてターン
テーブル4の高さの設定を変えるものがある(特開平3
−144224号公報)。
【0010】また、加熱効率の向上をねらうために、食
品5がターンテーブル4の周面上に置かれた場合、ター
ンテーブル4の回転により食品5が開口部6に最も近く
なるところで一時停止したり回転速度を遅くするものが
ある(実公平4−30800号公報)。
【0011】また、マイクロ波やヒータなど加熱の種類
に応じてターンテーブル4の回転数を変化するものがあ
る(実開平4−125105号公報)。
【0012】また、センサで食品5の温度を検出してフ
ィードバック制御を行うものがある。たとえば、一つの
赤外線検出器14でターンテーブル4の円周上の複数位
置の温度を検出するものがある(特開昭63−2866
23号公報)。
【0013】さらに、複数位置の温度を検出し、二位置
間の温度差がある値を超えたときマグネトロン1の動作
を中断させるものがある(特開平3−283383号公
報)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、導波管2と加熱室3を接続して電磁波を加
熱室3内に入れる場合、食品5の材質や形状ごとに加熱
分布を均一にする適切な開口部6の位置が異なり、一つ
の開口部6ですべての食品5を均一に加熱することはで
きないという問題があった。
【0015】特に、加熱室3底面の中央付近に開口部6
を設ける場合、食品5の底面が加熱され、対流のある液
体状の食品5ならば均一に加熱できるが、対流のない固
体状の食品5は底面ばかり温度が上がる問題があった。
一方加熱室3底面の端のほうに開口部6を設ける場合、
食品5ごとに開口位置と食品5の置かれる高さを最適化
すれば対流のない固体状の食品5でも均一に加熱できる
可能性があったが、今までは実現されていなかった。
【0016】この時ターンテーブル4を用いると、同心
円上の加熱分布の均一化は図れるが、いくらターンテー
ブル4を回転させたとしても、回転中心から見た半径方
向の分布や上下方向の分布は改善されない。
【0017】またスタラーや回転導波管のように電磁波
を攪拌するものについては、回転に合わせて開口部6が
切り変わるようなイメージで電界分布を変化させるの
で、解凍調理などできるだけ電磁波の集中を回避したい
メニューで多少集中を避けるという効果はある。しかし
食品5によらず一定回転の攪拌だけなので、どんな食品
5に対しても一回転する毎に同じ電界分布の繰り返しで
加熱するため、完全な均一化はできない。
【0018】また複数の開口部6を有する場合でも、た
だ開口部6を同時に開け放しているだけではある決まっ
た一種類の電界が立ち、すべての食品5の加熱分布を均
一化することは難しく、結果として図17の電子レンジ
と図18の電子レンジの加熱分布び悪さ加減は大差がな
い。結局各食品5ごとに適切な開口部6を切り替えない
限り、使用者にとって満足のいく仕上がり状態にはでき
ないのである。また、加熱室3の側面に開口部6を構成
しており、食品5の形状や置く位置によりどの様な加熱
分布になるか判らない問題もあった。
【0019】そこで図19のように、複数の開口部6に
対向する位置で副導波管7の端面26を動かし、みかけ
上電磁波の出やすい開口部6を切り替える方法があり、
これは加熱分布の均一化にとって有効である。ただし実
際の構成を考えると、複数の副導波管7の占めるスペー
スや副導波管7の端面26を動かすときの電磁波の漏洩
を防ぐ複数のシールド構成のスペースが必要である。し
たがって、電子レンジ全体の大きさが大きくなるか、も
しくは全体の大きさに対する加熱室3内部の有効容積が
小さくなる問題があった。使用者にとっては、全体の大
きさが大きくなると置き場所に困り、有効容積が小さく
なると小さな食品5しか入らないと言う不満につなが
る。また同様に電子レンジが重くなり、持ち運びしにく
い問題も引き起こす。またシールド構成を含んだ副導波
管7を複数箇所で動作させるにはかなりの電力を消費す
るおそれもある。
【0020】また、ターンテーブル4の高さを変えると
加熱分布は変化するが、解凍調理というひとくくりでタ
ーンテーブル4を一定の高さに上昇させると、結局各食
品毎の対応にならず、均一化を図れない。
【0021】また、使用者が調理目的に合わせてターン
テーブル4の高さの設定を変えるものはたいへん不便で
あり、高さの設定を間違えると加熱分布はひどいものに
なる。
【0022】また、ターンテーブル4の回転により食品
5が開口部6に最も近くなるところで一時停止したり回
転速度を遅くする手段については、開口部6に近い部分
の加熱が進み効率は上がるが、様々な食品5の分布を良
くする効果はない。
【0023】また、加熱の種類に応じてターンテーブル
4の回転数を変化させるものがあるが、具体的にどうす
るのが良いのか示されていない。ただ単に回転数を変え
ても均一化はできない。
【0024】また、センサで食品5の温度を検出してフ
ィードバック制御を行うものの中で、一つの赤外線検出
器でターンテーブル円周上の複数位置の温度を検出する
ものについては、食品5をある一方向から見た二次元の
温度分布で捉えているが、実際の食品5は立体的な三次
元のものであり、三次元的な情報でないと精度が悪い。
さらに、センサの情報により食品5の複数位置での温度
差がある値を超えたときマグネトロン1の動作を中断さ
せるものについては、食品5内の温度分布はマグネトロ
ン1の動作が停止しているときは熱伝導により均一化す
る効果があるが、停止時間が長くなると加熱に要するト
ータル時間が長くなり、使用者の待ち時間が長くなる問
題があった。
【0025】本発明は上記課題を解決するもので、被加
熱物の加熱分布を均一にする高周波加熱装置を実現する
ことを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波加熱装置
は上記目的を達成するため、下記構成とした。
【0027】すなわち、被加熱物を出し入れする加熱室
と、電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射
部から放射される電磁波を前記加熱室の底面上の複数の
開口部を介して前記加熱室内に導く導波管と、前記電磁
波放射部からの電磁波の放射などの動作を制御する制御
部とを有する構成とした。
【0028】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を異なる電界分布を起こす放射する電磁波放射部
と、前記電磁波放射部から放射される電磁波を複数の開
口部を介して前記加熱室内に導く導波管と、被加熱物の
高さを変化させるか、もしくは被加熱物と被加熱物底面
下の導電性を有する部材との距離を変化させる可動部
と、前記電磁波放射部からの電磁波の放射や前記可動部
の動作を制御する制御部とを有する構成とした。
【0029】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
ら放射される電磁波を複数の開口部を介して前記加熱室
内に導く導波管と、使用者が被加熱物の種類または電磁
波による加熱出力の大きさまたは加熱時間の設定などを
入力できる操作キーと、前記操作キーの入力、または前
記被加熱物の物理量および前記加熱室内の状態並びにそ
の変化を検出する検出部を有する場合は、前記検出部の
出力に応じて前記複数の開口部のうち電磁波の出やすい
開口部を切り替える開口切り替え部と、前記操作キーの
入力や前記検出部の出力に応じて前記電磁波放射部から
の電磁波の放射や前記開口切り替え部の動作を制御する
制御部とを有する構成とした。
【0030】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
ら放射される電磁波を複数の開口部を介して前記加熱室
内に導く導波管と、使用者が被加熱物の種類または電磁
波による加熱出力の大きさまたは加熱時間の設定などを
入力できる操作キーと、前記操作キーの入力または前記
被加熱物の物理量および前記加熱室内の状態並びにその
変化を検出する検出部を有する場合は前記検出部の出力
に応じて前記複数の開口部のうち電磁波の出やすい開口
部を切り替える開口切り替え部と、前記操作キーの入力
や前記検出部の出力に応じて前記電磁波放射部からの電
磁波の放射や前記開口切り替え部の動作を制御する制御
部とを有し、前記被加熱物が液体状の場合は、前記複数
の開口部のうち被加熱物の底面中央に最も近い開口部か
ら電磁波が出やすくなるように前記開口切り替え部を動
作させる構成とした。
【0031】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
ら放射される電磁波を複数の開口部を介して前記加熱室
内に導く導波管と、使用者が被加熱物の種類・電磁波に
よる加熱出力の大きさ・加熱時間の設定などを入力でき
る操作キーと、前記操作キーの入力あるいは前記被加熱
物の物理量(重量、形状、温度、誘電率など)や前記加
熱室内の状態(温度、湿度、電界など)およびその変化
を検出する検出部を有する場合は前記検出部の出力に応
じて前記複数の開口部のうち電磁波の出やすい開口部を
切り替える開口切り替え部と、前記操作キーの入力や前
記検出部の出力に応じて前記電磁波放射部からの電磁波
の放射や前記開口切り替え部の動作を制御する制御部と
を有し、前記被加熱物がある程度以上高さが高いかまた
は重量が重い場合は、前記複数の開口部のうち被加熱物
の底面中央に最も近い開口部からは電磁波が出にくくな
るように前記開口切り替え部を動作させる構成とした。
【0032】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
ら放射される電磁波を開口部を介して前記加熱室内に導
く導波管と、使用者が被加熱物の種類・電磁波による加
熱出力の大きさ・加熱時間の設定などを入力できる操作
キーと、前記操作キーの入力あるいは前記被加熱物の物
理量(重量、形状、温度、誘電率など)や前記加熱室内
の状態(温度、湿度、電界など)およびその変化を検出
する検出部を有する場合は前記検出部の出力に応じて被
加熱物の高さを変化させるかもしくは被加熱物と被加熱
物底面下の導電性を有する部材との距離を変化させる可
動部と、前記操作キーの入力や前記検出部の出力に応じ
て前記電磁波放射部からの電磁波の放射や前記可動部の
動作を制御する制御部とを有する構成とした。
【0033】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
ら放射される電磁波を開口部を介して前記加熱室内に導
く導波管と、使用者が被加熱物の種類・電磁波による加
熱出力の大きさ・加熱時間の設定などを入力できる操作
キーと、前記操作キーの入力あるいは前記被加熱物の物
理量(重量、形状、温度、誘電率など)や前記加熱室内
の状態(温度、湿度、電界など)およびその変化を検出
する検出部を有する場合は前記検出部の出力に応じて被
加熱物の高さを変化させるかもしくは被加熱物と被加熱
物底面下の導電性を有する部材との距離を変化させる可
動部と、前記操作キーの入力や前記検出部の出力に応じ
て前記電磁波放射部からの電磁波の放射や前記可動部の
動作を制御する制御部とを有し、前記被加熱物がある程
度より高さが低いかまたは重量が軽い場合は、被加熱物
の高さを上げるかもしくは被加熱物と被加熱物底面下の
導電性を有する部材との距離を大きくするように前記可
動部を動作させる構成とした。
【0034】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
ら放射される電磁波を複数の開口部を介して前記加熱室
内に導く導波管と、前記複数の開口部のうち第一の開口
部と第二の開口部の間で前記導波管から分岐する副導波
管と、前記副導波管内を移動可能に設けられ前記副導波
管から外部への電磁波の漏洩を防止するシール部と、前
記電磁波放射部からの電磁波の放射および前記シール部
の動作を制御する制御部とを有する構成とした。
【0035】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
ら放射される電磁波を複数の開口部を介して前記加熱室
内に導く導波管と、前記複数の開口部のうち第一の開口
部と第二の開口部の間で前記導波管から分岐する副導波
管と、前記副導波管内を移動可能に設けられ前記副導波
管から外部への電磁波の漏洩を防止するシール部と、使
用者が被加熱物の種類・電磁波による加熱出力の大きさ
・加熱時間の設定などを入力できる操作キーと、前記操
作キーの入力あるいは前記被加熱物の物理量(重量、形
状、温度、誘電率など)や前記加熱室内の状態(温度、
湿度、電界など)およびその変化を検出する検出部を有
する場合は前記検出部の出力に応じて、前記電磁波放射
部からの電磁波の放射の制御および前記シール部を移動
させることにより前記複数の開口部のうち電磁波の出や
すい開口部を切り替える制御を行う制御部とを有する構
成とした。
【0036】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
ら放射される電磁波を開口部を介して前記加熱室内に導
く導波管と、前記被加熱物の垂直方向の複数箇所の温度
やその温度変化を検出する第一の温度検出器と、前記被
加熱物の水平方向の複数箇所の温度やその温度変化を検
出する第二の温度検出器と、前記温度検出器の出力に応
じて前記電磁波放射部からの電磁波の放射を制御する制
御部とを有する構成とした。
【0037】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
ら放射される電磁波を開口部を介して前記加熱室内に導
く導波管と、前記被加熱物の温度やその温度変化を検出
する温度検出器と、被加熱物の高さを変化させるかもし
くは被加熱物と被加熱物底面下の導電性を有する部材と
の距離を変化させる可動部と、前記温度検出器の出力に
応じて、前記電磁波放射部からの電磁波の放射の制御
と、前記被加熱物の低温部分に電磁波を集中させるかあ
るいは高温部分に電磁波を集中させないよう前記可動部
の動作の制御を行う制御部を有する構成とした。
【0038】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
ら放射される電磁波を複数の開口部を介して前記加熱室
内に導く導波管と、使用者が被加熱物の種類・電磁波に
よる加熱出力の大きさ・加熱時間の設定などを入力でき
る操作キーと、前記被加熱物の温度やその温度変化を検
出する温度検出器と、前記複数の開口部のうち電磁波の
出やすい開口部を切り替える開口切り替え部と、前記操
作キーの入力や前記温度検出器の出力に応じて、前記電
磁波放射部からの電磁波の放射の制御と、被加熱物の低
温部分に電磁波を集中させるかあるいは高温部分に電磁
波を集中させないよう前記開口切り替え部の動作の制御
を行う制御部とを有する構成とした。
【0039】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
ら放射される電磁波を開口部を介して前記加熱室内に導
く導波管と、前記被加熱物の温度やその温度変化を検出
する温度検出器と、前記加熱室内で前記被加熱物を載せ
て回転する食品載置台と、前記温度検出器の出力に応じ
て、前記電磁波放射部からの電磁波の放射の制御と、前
記被加熱物の低温部分の温度上昇度が大きくなるかある
いは高温部分の温度上昇度が小さくなるときに食品載置
台の回転を停止するかあるいは減速するような制御を行
う制御部を有する構成とした。
【0040】さらに、被加熱物を出し入れする加熱室
と、電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射
部から放射される電磁波を開口部を介して前記加熱室内
に導く導波管と、前記被加熱物の温度やその温度変化を
検出する温度検出器と、前記加熱室壁面の吸気口と、前
記加熱室外から前記加熱室内に風を送る送風部と、前記
温度検出器の出力に応じて、前記電磁波放射部からの電
磁波の放射の制御と、前記被加熱物の複数箇所の温度差
がある値以上になるときに前記送風部の回転数を上げる
かあるいは吸気口を広げるかあるいは風の流れを良くす
るなどの方法により前記加熱室内に入る風量を増やすよ
うな制御を行う制御部を有する構成とした。
【0041】
【作用】本発明は上記構成によって下記の作用を有す
る。
【0042】すなわち、電磁波を加熱室の底面上の複数
の開口部を介して加熱室内に導くので、開口部ごとに異
なった電界分布を起こすことができる。
【0043】また、可動部により被加熱物の高さを変化
させるかもしくは被加熱物と被加熱物底面下の導電性を
有する部材との距離を変化させるので、加熱室内の電界
分布が同じでも異なった加熱分布を起こすことができ
る。
【0044】また、開口切り替え部により、操作キーの
入力や検出部の出力に応じて複数の開口部のうち電磁波
の出やすい開口部を切り替えるので、操作内容や検出内
容に合った加熱分布を起こすことができる。
【0045】また、開口切り替え部により、被加熱物が
液体状の場合は複数の開口部のうち被加熱物の底面中央
に最も近い開口部から電磁波を出やすくするので、被加
熱物の底面中央を加熱することができる。
【0046】また、開口切り替え部により、被加熱物が
ある程度以上高さが高いかまたは重量が重い場合は複数
の開口部のうち被加熱物の底面中央に最も近い開口部か
らは電磁波が出にくくなるようにするので、被加熱物の
底面中央の温度上昇を抑えることができる。
【0047】また、操作キーの入力や検出部の出力に応
じて、可動部により被加熱物の高さを変化させるかもし
くは被加熱物と被加熱物底面下の導電性を有する部材と
の距離を変化させるので、操作内容や検出内容に合った
加熱分布にすることができる。
【0048】また、可動部により、被加熱物がある程度
より高さが低いかまたは重量が軽い場合は、被加熱物の
高さを上げるかもしくは被加熱物と被加熱物底面下の導
電性を有する部材との距離を大きくするので、電界の局
所的な集中を抑えることができる。
【0049】また、シール部が複数の開口部のうち第一
の開口部と第二の開口部の間で導波管から分岐する副導
波管内を移動可能としているので、シール部の移動によ
り導波管から加熱室内へ電磁波を伝送しやすい開口部を
切り変える事ができる。
【0050】また、シール部の移動により、操作キーの
入力や検出部の出力に応じて、導波管から加熱室内へ電
磁波を伝送しやすい開口部を切り変えるので、操作内容
や検出内容に合った電界分布にすることができる。
【0051】また、第一の温度検出器により被加熱物の
垂直方向の複数箇所の温度やその温度変化を検出し、第
二の温度検出器により水平方向の複数箇所の温度やその
温度変化を検出するので、被加熱物の全体の温度分布を
検出できる。
【0052】また、温度検出器により被加熱物の温度分
布を検出し、可動部により被加熱物の高さを変化させる
かもしくは被加熱物と被加熱物底面下の導電性を有する
部材との距離を変化させて、低温部分に電磁波を集中さ
せるかあるいは高温部分に電磁波を集中させないように
するので、加熱の分布むらを抑えることができる。
【0053】また、温度検出器により被加熱物の温度分
布を検出し、開口切り替え部により複数の開口部のうち
電磁波の出やすい開口部を切り替えて、低温部分に電磁
波を集中させるかあるいは高温部分に電磁波を集中させ
ないようにするので、加熱の分布むらを抑えることがで
きる。
【0054】また、温度検出器の出力から被加熱物の低
温部分の温度上昇度が大きくなるかあるいは高温部分の
温度上昇度が小さくなると判断したときに、食品載置台
の回転を停止するかあるいは減速するので、加熱分布を
改善する状態が長く続き、最終的な分布むらを抑えるこ
とができる。
【0055】さらに、温度検出器の出力から被加熱物の
複数箇所の温度差がある値以上になると判断したとき
に、送風部の回転数を上げるかあるいは吸気口を広げる
かあるいは風の流れを良くするなどの方法により加熱室
内に入る風量を増やすので、全体の周囲温度が平均化さ
れるとともに、その間は被加熱物内の熱伝導によっても
内部の温度が平均化されて、温度が均一化される。
【0056】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。
【0057】図1は、本発明の一実施例における高周波
加熱装置の断面構成図である。電磁波放射部としてのマ
グネトロン1から出た電磁波は、導波管2を介して加熱
室3内のターンテーブル4上の食品5を加熱する。この
とき導波管2から加熱室3内に電磁波を導く複数の開口
部6を加熱室3の底面上に構成し、導波管2は複数の開
口部6Aと6Bの間の位置から分岐する副導波管7を有
し、副導波管7内で図中の上下方向に移動するシール部
8、シール部8を駆動するシール駆動部9、あるいは電
磁波を吸収しにくい低損失の材料からなる透明な開口カ
バー10などを構成している。制御部10は、使用者が
キー入力した操作パネル12からの信号と、ターンテー
ブル4に接続され食品5の重量を検出する重量検出器1
3、あるいは食品5の温度を検出する温度検出器14か
らの信号に基づいて、マグネトロン1からの電磁波の放
射を制御したり、シール駆動部9に信号を与えてシール
部8の位置を移動させり、テーブル回転駆動部15に信
号を与えてターンテーブル4の回転動作を制御したり、
テーブル高さ調整部16に信号を与えてターンテーブル
4の高さを変化させたり、マグネトロン1の冷却と加熱
室3内への送風を行なう送風ファン17のファン駆動部
18に信号を与えて回転動作を制御している。
【0058】ここで、シール駆動部9によりシール部8
の位置を変えると、複数の開口6A、6Bのうち電磁波
の出やすい開口と出にくい開口が切り替わり電界分布を
切り替えることができる。特に、操作パネル12からの
信号や重量検出器13あるいは温度検出器14からの信
号に合わせて、自由にシール部8の位置を設定できるの
で、加熱の目的に応じた適切な電界分布状態にできる。
図1には示していないが、シール部8の位置を正確に決
めるために、基準点をどこかに決め、基準点からの移動
距離によってシール部8の位置を管理することが容易に
考えられる。
【0059】また、テーブル高さ調整部16によりター
ンテーブル4の高さを変えると、食品5の高さが変わる
ので、同じ電界分布の場合でも食品5の加熱分布を変え
ることができる。よって同様に、操作パネル12、重量
検出器13、温度検出器14からの信号やシール部8の
位置による電界分布の違いによって最適なターンテーブ
ル4の高さに調整すれば、加熱の目的に応じた適切な加
熱分布にできる。図1には示していないが、シール部8
と同様に、ターンテーブル4の高さを正確に決めるため
には基準点と移動距離で管理しても良い。
【0060】また、温度検出器14は、天面上から食品
5を監視して水平方向の複数箇所の温度や温度変化を検
出する温度検出器14Aと、側面上から食品5を監視し
て垂直方向の複数箇所の温度や温度変化を検出する温度
検出器14Bからなり、概ね食品5全体の温度分布を検
出できる。もちろん、水平方向と垂直方向でなくとも2
ヶ所に温度検出器14を有していれば同様のことができ
ることは明らかである。ここで温度検出器14自身の構
成について説明を加える。非接触で温度を検出する一般
的な温度検出器14としては、食品5から放射される赤
外線量を電気信号に変換する赤外線センサがある。赤外
線センサとしては、内部に熱接点と冷接点を有するサー
モパイル型や、チョッパを有する焦電型などがあり、本
発明ではどちらを採用しても良い。
【0061】また、ターンテーブル4は、通常は回転さ
せて回転中心から見た食品5の同心円方向の均一化を図
るが、テーブル回転駆動部15により回転や停止(ある
いは可変速)も自由に設定できる。たとえば加熱途中で
温度検出器14により食品に温度むらが生じていると判
断したときには、シール部8やテーブル高さ調整部16
によって加熱分布を変化させ、温度むらを解消できそう
な状態を探して、そういう状態になったときに回転を止
めるか減速して、早くむらを無くすようにする事ができ
る。
【0062】さらに、送風ファン17は、マグネトロン
1を冷却すると同時に送風19を吸気口20から加熱室
3内に送りこむ構成となっている。送風19はマグネト
ロン1の熱により温風となっているので食品5が冷たい
ときには多少加熱し、食品5が高温になると冷却する作
用もある。いずれにしても送風19は食品5の周囲温度
を平均化するので、温度むらが大きいときには回転数を
上げて風量を増やし、さらに均一化を図ることができ
る。そして送風19は食品5を均一化した後、排気21
となって排気口22から加熱室3の外部へ排気される。
ここで風量を増やすには、回転数を上げる方法以外に
も、吸気口20の開口寸法を広げたり、ガイド等により
風の流れを良くして加熱室3内に入りやすくするなど、
方法はいろいろと考えられる。
【0063】図2〜図3は本発明の一実施例における高
周波加熱装置の要部構成図であり、副導波管7内を動作
するシール部8で見かけ上開口部6A、6Bを切り替え
るものである。
【0064】図2は、シール駆動部9による駆動軸23
の移動により、シール部8が副導波管7内の最も下端に
引っぱられた状態を示す。シール部8は、導電性を有す
る部材24の周囲にスパーク防止用の絶縁体25を覆っ
た構成で、L1≒L2≒λg/4とすることで図中のシ
ール端面26より下側には電磁波が伝わらないものであ
る。一方このとき、L3の長さによって導波管2と副導
波管7との接続部近傍の位置27では、電磁波から見た
インピーダンス(導波管2内を図中の右方向からやって
くる電磁波に対する位置27より左側への伝わりやす
さ)が変化する。具体的には、インピーダンスZin=j・
Z0・tan(2π・L3/λg)で表され、L3=λg/4の
ときには|Zin|=Z0・tan(π/2)=∞(インピー
ダンスが無限大)となり、位置27より左側へは電磁波
が伝わらない。
【0065】図3は、シール駆動部9による駆動軸23
の移動により、シール部8が副導波管7内の最も上端に
引っぱられた状態を示す。この場合は、L3=0を示し
ており|Zin|=Z0・tan(0)=0(インピーダンス
が0)となり、電磁波は位置27より左側へ容易に伝わ
る。
【0066】よって開口部6Aはシール部8の位置によ
り見かけ上開閉されているのと同じことになる。図2〜
3のインピーダンスの考え方は、電子レンジの電波シー
ル装置などで良く使われるマイクロストリップラインの
考え方と同じであり、他の実施例もいろいろと考えられ
る(特開平6−13207号公報)。
【0067】図4は本発明の他の実施例であり、副導波
管7の接続方向が異なる場合の実施例である。図4の場
合、図1〜3と比べて副導波管7による加熱室3底面下
の幅が小さくて良いので、外形に対する庫内の容積比率
が上がり、場所を取らずコンパクトな高周波加熱装置を
実現できる効果がある。
【0068】図5〜図12は、本発明の一実施例におけ
る高周波加熱装置の特性図、要部構成図、フローチャー
トであり、開口部6の位置と食品5の高さとの関係によ
り、加熱分布をどのように均一化するかを示すものであ
る。
【0069】図5は、開口部6A、6Bのどちらか一つ
だけで電磁波を加熱室3内に伝送した場合に、食品5と
して牛乳200cc(カップ一杯)を用い、高さhを変え
て加熱して温度を測定したときの加熱分布むらを示す特
性図である。横軸には開放している開口部の番号を、縦
軸には複数箇所で温度測定した場合の最高温度と最低温
度の差を示し、値が小さいほど分布むらがないことにな
る。h1は高さh=10mm、h2は高さh=30mmであ
り、最も良い条件は開口部6A、高さ10mmでむらが0
℃となる。ただし一般に販売されている電子レンジで同
様に測定したところ、むらは2〜15℃程度であり、本
実施例によりかなり改善されると言える。これは、液体
上の食品5を加熱する場合には、食品5の底面に電界を
集中させるのが良いということを示している。開口部6
Aから出る電磁波で食品5の底面を加熱し、食品5自身
の対流によって自然に分布が良くなっているのである。
なぜならば図5で開口部6Bとしたときの分布むらは、
食品5の上部の温度が高くなって起こっているからであ
る。開口位置を食品5の底面から遠ざけたのが原因で、
上部に電磁波が入りやすくなっているのである。
【0070】図6は、図5の最適条件の開口部6A、高
さ10mmの要部断面構成図である。図7は、要部構成図
として操作パネル12の一実施例を示す。この例では、
牛乳キー28が専用キーとして構成されているので、使
用者が牛乳のあたためを行う場合の手順は、牛乳を加熱
室3に入れたのち牛乳キー28を押し、スタートキー2
9を押す。すると制御部10は、操作パネル12からの
信号で食品5を牛乳と判断し、重量検出器13と温度検
出器14からの信号で牛乳の量や形状や温度など種々の
状態を判定しつつ、複数の開口部6のうち開口部6Aを
開放し、高さhを10mmにするなど適切な構成になるよ
う制御し、それと相前後して、マグネトロン1からの電
磁波の放射を開始する。その後重量検出器13あるいは
状態検出器14によって決められた時間だけ加熱する
か、牛乳が適温になったとき加熱を終了する。よって容
易に加熱分布の良い仕上がり状態にできるわけである。
【0071】図8は、食品5として冷凍の牛スライス肉
100gを用いて解凍調理をした場合の特性図である。最
も良い条件は開口部6A、高さ30mmとなる。ただし一
般に販売されている電子レンジで同様に測定したとこ
ろ、むらは32〜60℃程度であり、本実施例により多
少改善されている。この場合の牛スライス肉100gは、
食品5の中でも高さ(厚みt)が小さく重量が軽い代表
的な形状のものである。
【0072】図9は、図8の最適条件の開口部6A、高
さ30mmの要部断面構成図である。図10は、食品5と
して冷凍の牛スライス肉300gを用いて解凍調理をした
場合の特性図である。最も良い条件は開口部6B、高さ
10mmとなる。ただし一般に販売されている電子レンジ
で同様に測定したところ、むらは32〜75℃程度であ
り、やはり本実施例により多少改善されている。この場
合の牛スライス肉300gは、食品5の中でも高さ(厚み
t)があり重量も一般的で、標準的な形状のものであ
る。
【0073】図10は、図10の最適条件の開口部6
B、高さ10mmの要部断面構成図である。
【0074】使用者が肉や魚の冷凍食品の解凍を行う場
合の手順は、図7を用いると、食品5を加熱室3に入れ
たのち解凍キー30を押し、スタートキー29を押す。
すると制御部10は、操作パネル12からの信号で食品
5を冷凍食品と判断し、重量検出器13と温度検出器1
4からの信号で冷凍食品の量や形状や温度など種々の状
態を判定しつつ、開口部6と高さhが適切な構成になる
よう制御し、それと相前後して、マグネトロン1からの
電磁波の放射を開始する。その後重量検出器13あるい
は状態検出器14によって決められた時間だけ加熱する
か、適温(解凍完了)になったとき加熱を終了する。
【0075】さらに専用キーがないオート調理の場合、
たとえば冷めた料理をあたため直す場合(再加熱)、食
品5を加熱室3に入れたのちスタートキー19を押す。
すると制御部10は、操作パネル12からの信号で食品
5を再加熱するのだと判断し、重量検出器13と温度検
出器14からの信号で食品5の量や形状や温度など種々
の状態を判定する。なかでも重要なこととして、食品5
が液体状か固体状かの判断を行う。この一つの方法とし
て、初期の短時間ターンテーブル4を回転させたあと停
止させることで食品5に振動を与え、そのとき発生する
振動の時間変化を検知して判断する方法がある。つま
り、物体が液体であれば振動は長時間継続し、物体が固
体であれば振動は短時間で消滅するという原理に基づい
ている。その後、開口部6と高さhが適切な構成になる
よう制御し、それと相前後して、マグネトロン1からの
電磁波の放射を開始し、ターンテーブル4を再度回転さ
せて同心円状の加熱分布を均一化する。その後重量検出
器13あるいは温度検出器14によって決められた時間
だけ加熱するか、適温になったとき加熱を終了する。液
体状の食品5の場合、前述の牛乳と同様、底面に電界を
集中させれば対流によって自然に分布の良いできばえが
得られる。
【0076】また、どのような食品5であっても常に加
熱分布のむらを無くして均一加熱を実現するには、あら
かじめ食品5の材質・形状・置かれた位置・温度などの
条件ごとに最適な開口部6位置と高さhの情報をあらか
じめデーターベースとして制御部10内のマイコンに記
憶させておく方法がある。この方法により、制御部10
は、操作パネル12、重量検出器13、温度検出器14
などからの出力とデータベースを比較して、最適な加熱
のための制御ができる。
【0077】図12は、フローチャートの一実施例で、
最適な開口部6位置と高さhを決定するシーケンスを示
している。手順31は初期状態を表し、高さh=10m
m、シール部8の位置L3=0としている。手順32は
重量検出器13による判定で、食品5が液体状かどう
か、重量mはm1より軽いか、またはm1より重くてm
2より軽いか、またはm2より重いかということを判断
する。手順33はシール部8をシール駆動部9により、
適切な位置L3に動かす。手順34は温度検出器14あ
るいはその他の検出器による判定で、食品5の高さ(厚
み)tがt1より高いか、またはt1より低くてt2よ
り高いか、t2より低いかということを判断する。手順
35は食品5の高さをテーブル高さ調整部16により、
適切な高さhに動かす。以上により、食品5の材質(液
体状かどうか)、重量m、高さ(厚み)tに応じた適切
な開口部6位置と高さhを構成できる。
【0078】ここで図12には、初期状態における適切
な開口部6位置と高さhの決定シーケンスを説明した
が、もちろん他の実施例として、食品5の状態変化(特
に加熱が進むにつれての温度変化)をフィードバックし
て、その時の分布むらを解消するように適切な開口部6
位置と高さhを変えることも考えられる。
【0079】図13〜図16は、高周波加熱装置の内部
の電界をシミュレーションした結果を示す構成図であ
る。
【0080】図13は、本発明の一実施例の高周波加熱
装置の斜視図である。マグネトロン1のアンテナである
給電点36から電磁波が励振されることとしている。
【0081】図14、図15は、図13の高周波加熱装
置の電界分布(ただし食品の無い場合)をシミュレーシ
ョンし、B−B’で切断した斜視図で、共振状態におい
て生じる電界を等電界強度線で示している。(年輪状の
模様の込み入ったところほど電界が強い(腹)と考えれ
ば良い)これはすなわち開口部の位置による電界分布の
違いを示す。
【0082】図14は、第一の開口部6Aだけが開放さ
れている場合を示し、加熱室3内のX方向に電界の腹が
4つ、Y方向に電界の腹が3つ、Z方向に電界の腹が1
つ生じている。
【0083】図15は、第二の開口部6Bだけが開放さ
れている場合を示し、加熱室3内のX方向に電界の腹が
5つ、Y方向に電界の腹が1つ、Z方向に電界の腹が1
つ生じている。
【0084】ここで、なぜ、図14、図15のような電
界分布が起こるか説明を加える。まず、導波管2内の電
磁波の伝搬について説明する。
【0085】図16は一実施例における高周波加熱装置
の要部断面構成図であり、簡単にマグネトロン1と導波
管2と加熱室3と開口部6のみを示している。マグネト
ロン1の給電点36と開口部6の中心37との距離L
は、導波管2内を左方向に向かって伝送する電磁波の波
長(管内波長)をλgとして表すと、λg/4の奇数倍の
距離である。これは、電磁波が導波管2内を伝送すると
きに、導波管2の形状で決まる管内波長λgに基づいて
強弱を繰り返しながら図16の左方向に進み、λg/4
の奇数倍の位置で必ず電界が弱くなる(導波管内の伝送
では磁界と電界の位相は一致し、磁界も弱くなる)ため
に選んでいるのである。ここでは、L=λg×9/4と
している。また実線の矢印が強い電界の向きを示してお
り、電界(および磁界)の向きはλg/2毎に逆向きと
なるので、給電点36からλg/2離れるごとに矢印の
向きが逆になっているが、それぞれが2.45GHzの周
波数で反転をくり返すものである。図16では電界(お
よび磁界)の弱いところで加熱室3の開口部6と接続さ
れているため、導波管2内の電界を乱さず、効率よく加
熱室3内に電磁波が入りやすい。ただし、図1〜図4で
は開口部6Aを電界(および磁界)の弱いところで加熱
室3と接続し、開口部6Bを電界(および磁界)の強い
ところで加熱室3と接続している。これは、シール部8
の位置L3=0の時は、できるだけ開口部6Aから加熱
室3内にスムーズに電磁波が入り、かつ開口部6Bから
は加熱室3内に電磁波が入らないようにするためであ
る。一方逆に、位置L3=λg/4の時は、前述の通り
開口部6Aには電磁波が伝わっておらず、必然的に開口
部6Bからのみ加熱室3内に電磁波が入る。よって、シ
ール部8の位置L3を変化させることで、見かけ上開口
部6A、6Bを切り替えられるのである。
【0086】図19の従来例では、2つの開口部6に対
向する2つの副導波管7の端面26を動かし、2つの開
口部6を独立して開閉しているが、本発明では、開口部
6Aを電界の弱い所、開口部6Bを電界の強い所に構成
して、その間にシール部8を有するので、1つのシール
部で開口部6A、6Bを切り替えられる。
【0087】ここで導波管2内を伝搬する管内波長λg
の定義は、図16に合わせて説明すると、導波管2の奥
行をC、厚みをD、奥行方向の電波の強弱の山の数を
m、厚み方向の電磁波の強弱の山の数をn、真空での電
磁波の波長をλ≒122mmとすれば、(数2)となる。
一般にm=1、n=0が多く採用され、このときは(数
3)となる。具体的な値としてC=80mm、D=40mm
ならλg≒188mm程度である(ただし寸法はすべて板
厚を含まない内寸とする。)。
【0088】
【数2】
【0089】
【数3】
【0090】次に、この時の加熱室3内の電磁波の共振
について説明する。図16の場合、加熱室3内の電磁波
は共振状態を起こそうとするが、開口部6を挟み込むよ
うな逆向きの強電界38、39(実線矢印)が生じ、加
熱室3内の開口部6で電界が弱く(節に)なるような共
振状態で安定する。このときもっとも効率よく加熱室3
内に電磁波が入ることになる(ただし共振状態では、導
波管2内のような伝送状態とは異なり、電界と磁界の位
相は90°ずれる)。
【0091】共振状態は加熱室形状と開口部の位置によ
って決まるのだが、この時加熱室3内の電界分布を示す
図14の場合、加熱室のX方向に四つ、Y方向に三つ、
Z方向に一つの強電界が発生している。これは共振状態
となったために加熱室内に電磁波が定在波として分布す
ることによって起こる電界の腹であり、この腹の数をモ
ードと呼ぶ。通常、加熱室3形状を三次元で表し、各方
向の寸法をx、y、zとする時、それぞれの方向に電界
の腹がm、n、pだけあれば、そのモードは(mnp)
であるという。本実施例では、加熱室3の底面の奥行き
xと幅yの中心位置に第一の開口部6Aの中心位置をお
およそ一致させていると同時に、開口部6を挟み込むよ
うに強電界が発生するように(開口部6Aで節となるよ
うに)構成しているので、奥行きx方向には偶数のモー
ド(m;偶数)が立ちやすく、かつ幅y方向には奇数の
モード(n;奇数)が立ちやすくなると同時に、他のモ
ードが立ちにくくなる。図14がモード(431)であ
ると同様に、図15がモード(511)だということも
容易にわかる。
【0092】結論として開口部6の位置により電界分布
(すなわち加熱分布)を変えることもできるのである。
【0093】参考までに、食品5が加熱室3内に無く
て、加熱室3が直方体の場合は、加熱室3を空胴共振器
と考えることができて、加熱室3の寸法と開口部6の位
置により、立ちうるモードを求めることができる。加熱
室3寸法をx、y、zとし、各方向に立つモードの数は
(数4)を満たすm、n、pの組合せとなる(x、y、
zはmm単位、m、n、pは整数)。
【0094】
【数4】
【0095】一方、食品5がある場合は、食品の誘電率
による波長圧縮の影響などで(数4)からずれが生じ
る。しかし食品5があっても、開口部6付近では(数
4)を満たすモードが立とうとしており、開口部6から
離れた位置ではモードが乱されることが多いということ
が、実験的にわかってきている。よってλ≒122mmで
モード(431)を立てるための一例として、(数4)
をほぼ満たす寸法のx=330mm、y=300mm、z=
215mmなどを選ぶことができる。
【0096】また、食品5を狙った加熱分布にするため
には、食品5の近くに開口部6を構成すべきであると考
え、本発明では食品5に最も近い加熱室3壁面、即ち加
熱室3の底面上に異なる電界分布を起こす複数の開口部
6A、6Bを構成している。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように本発明の高周波加熱
装置には以下の効果がある。 (1)電磁波を複数の開口部を介して加熱室内に導くの
で、開口部ごとに異なった電界分布を起こすことがで
き、一つの開口部の場合に比べて被加熱物を均一に加熱
することができる。
【0098】また、加熱室底面上に開口部を有するの
で、その開口位置によりおおよそ被加熱物のどこを強く
加熱できるかが決まり、ねらった分布をつくりやすい。
【0099】また、同様に加熱室底面上に開口部を有す
るので、比較的被加熱物と開口部の位置が近く、加熱効
率が良い。よって加熱時間が短くて良いので使用者の待
ち時間を短くでき、余分な電力の消費を極力抑えること
ができるので省エネルギー化が図れ、電磁波放射部での
損失が減るため信頼性が向上する。
【0100】また、開口部が一つの壁面内にあるので構
成が簡単である。 (2)可動部により被加熱物の高さを変化させるかもし
くは被加熱物と被加熱物底面下の導電性を有する部材と
の距離を変化させるので、加熱室内の電界分布が同じで
も被加熱物内の加熱分布を変化させる事ができ、分布を
自由にコントロールできる。 (3)開口切り替え部により、操作キーの入力や検出部
の出力に応じて複数の開口部のうち電磁波の出やすい開
口部を切り替えるので、操作内容や検出内容に合った加
熱分布を起こすことができ、被加熱物の加熱分布の均一
化が図れる。 (4)開口切り替え部により、被加熱物が液体状の場合
は複数の開口部のうち被加熱物の底面中央にもっとも近
い開口部から電磁波を出やすくするので、被加熱物の底
面中央を集中的に加熱することができ、他の部分より温
度を高くできる。そしてこのとき被加熱物は液体状なの
で対流が起こり上下方向には自然に温度が平均化され、
液体状の被加熱物に特有の問題である上部の加熱しすぎ
が無く、上下に温度差の無い均一な加熱分布が実現でき
る。 (5)開口切り替え部により、被加熱物がある程度以上
高さが高いかまたは重量が重い場合は複数の開口部のう
ち被加熱物の底面中央にもっとも近い開口部からは電磁
波が出にくくなるようにするので、大きな被加熱物に特
有の問題である底面を加熱しすぎることによる焦げつき
や下部の加熱しすぎが無く、上下に温度差の無い均一な
加熱分布が実現できる。 (6)操作キーの入力や検出部の出力に応じて、可動部
により被加熱物の高さを変化させるかもしくは被加熱物
と被加熱物底面下の導電性を有する部材との距離を変化
させるので、操作内容や検出内容によって加熱分布を変
化させることができ、目的に応じた最適な加熱分布が得
られる。 (7)可動部により、被加熱物がある程度以上高さが低
いかまたは重量が軽い場合は、被加熱物の高さを上げる
かもしくは被加熱物と被加熱物底面下の導電性を有する
部材との距離を大きくするので、小さな被加熱物に特有
の問題である電界の局所的な集中の無い均一な加熱分布
が実現できる。 (8)シール部が複数の開口部のうち第一の開口部と第
二の開口部の間で導波管から分岐する副導波管内を移動
可能としているので、シール部の移動により見かけ上導
波管から加熱室内へ電磁波を伝送しやすい開口部を切り
替えることができ、加熱分布を自由に変化させることが
できる。
【0101】また、開口部を切り替える際にスパークや
電波漏洩が起こらないので極めて安全である。 (9)シール部の移動により、操作キーの入力や検出部
の出力に応じて導波管から加熱室内へ電磁波の出やすい
開口部を切り替えるので、操作内容や検出内容に合った
加熱分布を起こすことができ、被加熱物の加熱分布の均
一化が図れる。
【0102】また、(8)同様安全である。 (10)第一の温度検出器により被加熱物の垂直方向の
複数箇所の温度やその温度変化を検出し、第二の温度検
出器により被加熱物の水平方向の複数箇所の温度やその
温度変化を検出するので被加熱物全体の温度分布が精度
よく検出できる。 (11)温度検出器により被加熱物の温度分布を検出
し、可動部により被加熱物の高さを変化させるかもしく
は被加熱物と被加熱物底面下の導電性を有する部材との
距離を変化させて、低温部分に電磁波を集中させるかあ
るいは高温部分に電磁波を集中させないようにするの
で、被加熱物の実際の温度に応じて加熱の分布むらを抑
えることができ、極めて均一な加熱ができる。 (12)温度検出器により被加熱物の温度分布を検出
し、開口切り替え部により複数の開口部のうち電磁波の
出やすい開口部を切り替えて、低温部分に電磁波を集中
させるかあるいは高温部分に電磁波を集中させないよう
にするので、(11)同様、被加熱物の実際の温度に応
じて加熱の分布むらを抑えることができ、極めて均一な
加熱ができる。 (13)温度検出器の出力から被加熱物の低温部分の温
度上昇度が大きくなるかあるいは高温部分の温度上昇度
が小さくなると判断したとき、すなわち温度むらが改善
できる状態になったときに、食品載置台の回転を停止す
るかあるいは減速するので、加熱分布がすみやかに改善
でき、分布むらを無くすことができ、極めて均一な加熱
が実現できる。 (14)温度検出器の出力から被加熱物の複数箇所の温
度差がある値以上になると判断したときに、送風部の回
転数を上げるかあるいは吸気口を広げるかあるいは風の
流れを良くするなどの方法により加熱室内に入る風量を
増やすので、全体の周囲の温度が平均化されるととも
に、その間は被加熱物内の熱伝導によっても温度が平均
化されて、分布むらを無くすことができ、極めて均一な
加熱が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における高周波加熱装置の一
部断面概念図
【図2】同高周波加熱装置の要部断面図
【図3】同高周波加熱装置の要部断面図
【図4】他の実施例の高周波加熱装置の要部断面図
【図5】同高周波加熱装置の特性図
【図6】同高周波加熱装置の要部断面図
【図7】同高周波加熱装置の要部構成図
【図8】同高周波加熱装置の特性図
【図9】同高周波加熱装置の要部断面図
【図10】同高周波加熱装置の特性図
【図11】同高周波加熱装置の要部断面図
【図12】同高周波加熱装置のフローチャート
【図13】同高周波加熱装置の斜視図
【図14】同高周波加熱装置の斜視断面図
【図15】同高周波加熱装置の斜視断面図
【図16】同高周波加熱装置の要部断面図
【図17】従来の高周波加熱装置の断面図
【図18】従来の他の高周波加熱装置の断面図
【図19】従来の他の高周波加熱装置の断面図
【符号の説明】
1 マグネトロン 2 導波管 3 加熱室 4 ターンテーブル 5 食品 6 開口部 7 副導波管 8 シール部 9 シール駆動部 10 制御部 12 操作パネル 13 重量検出器 14 温度検出器 15 テーブル回転駆動部 16 テーブル高さ調整部 17 送風ファン 18 ファン駆動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F24C 7/02 551 F24C 7/02 551Q H05B 6/68 320 H05B 6/68 320M (56)参考文献 実開 昭49−61458(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 6/70 F24C 7/02 310 F24C 7/02 320 F24C 7/02 511 F24C 7/02 551 H05B 6/68 320

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加熱物を出し入れする加熱室と、電磁波
    を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部から放射
    される電磁波を前記加熱室の底面上の異なる電界分布を
    起こす複数の開口部を介して前記加熱室内に導く導波管
    と、前記電磁波放射部からの電磁波の放射などの動作を
    制御する制御部とを有する構成の高周波加熱装置。
  2. 【請求項2】被加熱物を出し入れする加熱室と、電磁波
    を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部から放射
    される電磁波を複数の開口部を介して前記加熱室内に導
    く導波管と、被加熱物の高さを変化させるか、もしくは
    被加熱物と被加熱物底面下の導電性を有する部材との距
    離を変化させる可動部と、前記電磁波放射部からの電磁
    波の放射や前記可動部の動作を制御する制御部とを有す
    る構成の高周波加熱装置。
  3. 【請求項3】被加熱物を出し入れする加熱室と、電磁波
    を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部から放射
    される電磁波を複数の開口部を介して前記加熱室内に導
    く導波管と、被加熱物の種類または電磁波による加熱出
    力の大きさまたは加熱時間の設定などを入力する操作キ
    ーと、前記操作キーの入力、また前記被加熱物の物理量
    および前記加熱室内の状態並びにその変化を検出する検
    出部を有する場合は、前記検出部の出力に応じて前記複
    数の開口部のうち電磁波の出やすい開口部を切り替える
    開口切り替え部と、前記操作キーの入力や前記検出部の
    出力に応じて前記電磁波放射部からの電磁波の放射や前
    記開口切り替え部の動作を制御する制御部とを有する構
    成の高周波加熱装置。
  4. 【請求項4】前記被加熱物が液体状の場合は、前記複数
    の開口部のうち被加熱物の底面中央に最も近い開口部か
    ら電磁波が出やすくなるように前記開口切り替え部を動
    作させる構成とした請求項3記載の高周波加熱装置。
  5. 【請求項5】前記被加熱物がある程度以上高さが高いか
    または重量が重い場合は、前記複数の開口部のうち被加
    熱物の底面中央に最も近い開口部からは電磁波が出にく
    くなるように前記開口切り替え部を動作させる構成とし
    た請求項3記載の高周波加熱装置。
  6. 【請求項6】被加熱物を出し入れする加熱室と、電磁波
    を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部から放射
    される電磁波を開口部を介して前記加熱室内に導く導波
    管と、使用者が被加熱物の種類または電磁波による加熱
    出力の大きさまたは加熱時間の設定などを入力できる操
    作キーと、前記操作キーの入力、または前記被加熱物の
    物理量および前記加熱室内の状態並びにその変化を検出
    する検出部を有する場合は前記検出部の出力に応じて被
    加熱物の高さを変化させるか、もしくは被加熱物と被加
    熱物底面下の導電性を有する部材との距離を変化させる
    可動部と、前記操作キーの入力や前記検出部の出力に応
    じて前記電磁波放射部からの電磁波の放射や前記可動部
    の動作を制御する制御部とを有する構成の高周波加熱装
    置。
  7. 【請求項7】前記被加熱物がある程度より高さが低いか
    または重量が軽い場合は、被加熱物の高さを上げるかも
    しくは被加熱物と被加熱物底面下の導電性を有する部材
    との距離を大きくするように前記可動部を動作させる構
    成とした請求項6記載の高周波加熱装置。
  8. 【請求項8】被加熱物を出し入れする加熱室と、電磁波
    を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部から放射
    される電磁波を複数の開口部を介して前記加熱室内に導
    く導波管と、前記複数の開口部のうち第一の開口部と第
    二の開口部の間で前記導波管から分岐する副導波管と、
    前記副導波管内を移動可能に設けられ前記副導波管から
    外部への電磁波の漏洩を防止するシール部と、前記電磁
    波放射部からの電磁波の放射および前記シール部の動作
    を制御する制御部とを有する構成の高周波加熱装置。
  9. 【請求項9】シール部で前記開口切り替え部を構成する
    請求項3または8記載の高周波加熱装置。
  10. 【請求項10】被加熱物を出し入れする加熱室と、電磁
    波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部から放
    射される電磁波を開口部を介して前記加熱室内に導く導
    波管と、前記被加熱物の垂直方向の複数箇所の温度やそ
    の温度変化を検出する第一の温度検出器と、前記被加熱
    物の水平方向の複数箇所の温度やその温度変化を検出す
    る第二の温度検出器と、前記温度検出器の出力に応じて
    前記電磁波放射部からの電磁波の放射を制御する制御部
    とを有する高周波加熱装置。
  11. 【請求項11】被加熱物を出し入れする加熱室と、電磁
    波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部から放
    射される電磁波を開口部を介して前記加熱室内に導く導
    波管と、前記被加熱物の温度やその温度変化を検出する
    温度検出器と、被加熱物の高さを変化させるかもしくは
    被加熱物と被加熱物底面下の導電性を有する部材との距
    離を変化させる可動部と、前記温度検出器の出力に応じ
    て、前記電磁波放射部からの電磁波の放射の制御と、前
    記被加熱物の低温部分に電磁波を集中させるかあるいは
    高温部分に電磁波を集中させないよう前記可動部の動作
    の制御を行う制御部を有する構成の高周波加熱装置。
  12. 【請求項12】前記検出部として前記被加熱物の温度や
    その温度変化を検出する温度検出器を有し、前記制御部
    は前記温度検出部の出力に応じて被加熱物の低温部分に
    電磁波を集中させるかあるいは高温部分に電磁波を分散
    させるかするよう前記開口切り替え部の動作を制御する
    構成とした請求項3記載の高周波加熱装置。
  13. 【請求項13】前記制御部は、前記温度検出器の出力に
    より前記被加熱物の複数箇所の温度差がある値以上にな
    るときに、前記可動部あるいは前記開口切り替え部が動
    作するよう制御する構成とした請求項10または12記
    載の高周波加熱装置。
  14. 【請求項14】被加熱物を出し入れする加熱室と、電磁
    波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部から放
    射される電磁波を開口部を介して前記加熱室内に導く導
    波管と、前記被加熱物の温度やその温度変化を検出する
    温度検出器と、前記加熱室内で前記被加熱物を載せて回
    転する食品載置台と、前記温度検出器の出力に応じて、
    前記電磁波放射部からの電磁波の放射の制御と、前記被
    加熱物の低温部分の温度上昇度が大きくなるかあるいは
    高温部分の温度上昇度が小さくなるときに食品載置台の
    回転を停止するかあるいは減速するような制御を行う制
    御部を有する構成の高周波加熱装置。
  15. 【請求項15】被加熱物を出し入れする加熱室と、電磁
    波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部から放
    射される電磁波を開口部を介して前記加熱室内に導く導
    波管と、前記被加熱物の温度やその温度変化を検出する
    温度検出器と、前記加熱室壁面の吸気口と、前記加熱室
    外から前記加熱室内に風を送る送風部と、前記温度検出
    器の出力に応じて、前記電磁波放射部からの電磁波の放
    射の制御と、前記被加熱物の複数箇所の温度差がある値
    以上になるときに前記送風部の回転数を上げるかあるい
    は吸気口を広げるかあるいは風の流れを良くするなどの
    方法により前記加熱室内に入る風量を増やすような制御
    を行う制御部を有する構成の高周波加熱装置。
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