JP6015972B2 - アミラーゼ阻害物質の製造方法 - Google Patents
アミラーゼ阻害物質の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6015972B2 JP6015972B2 JP2014262745A JP2014262745A JP6015972B2 JP 6015972 B2 JP6015972 B2 JP 6015972B2 JP 2014262745 A JP2014262745 A JP 2014262745A JP 2014262745 A JP2014262745 A JP 2014262745A JP 6015972 B2 JP6015972 B2 JP 6015972B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- amylase inhibitor
- acid
- amylase
- phosphoric acid
- condensed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
[1] 小麦アルブミンからのアミラーゼ阻害物質の製造方法であって、(A)アミラーゼ阻害物質を含有する複合体を形成させるために、小麦アルブミンおよび遊離もしくは塩形態の縮合リン酸を水性溶媒中で混合する工程;(B)工程(A)で得られた混合液から該複合体を分離する工程;および(C)該複合体からアミラーゼ阻害物質を回収するために、工程(B)で分離した複合体およびアミラーゼ阻害物質遊離剤を水性溶媒中で混合する工程を含み、但し、該縮合リン酸は実質的にピロリン酸およびトリポリリン酸を含ない、製造方法;
[2] [1]記載の製造方法により製造されたアミラーゼ阻害物質を含む、血糖値上昇抑制剤;
[3] [2]記載の血糖値上昇抑制剤を添加した食品であって、該食品の摂取後1時間の血糖値が、該血糖値上昇抑制剤を添加していないことを除いて実質的に同じ食品の摂取後1時間の血糖値と比べ、その血糖値上昇が抑制される、食品;
[4] 小麦アルブミンからアミラーゼ阻害物質を回収するための、縮合リン酸を含む試薬であって、但し、実質的にピロリン酸およびトリポリリン酸を含まない試薬;
[5] 縮合リン酸を含む試薬およびアミラーゼ阻害物質を含む小麦アルブミンを水性溶媒中で混合する工程を含む、該アミラーゼ阻害物質および該縮合リン酸を含有する複合体を形成させる方法であって、該試薬は実質的にピロリン酸およびトリポリリン酸を含まない、方法。
(調製例1)
小麦粉25gに水12.5mlを加え、5分間混錬して生地を調製した。生地から可溶性成分を225mlの水中に抽出した。抽出液からデンプンやグルテンなどの難溶性成分を除去するために、抽出液を遠心分離した(9,000×g、10分)。その上清を、塩酸を用いてpH3に調整した。10分後、水酸化ナトリウムを用いて中和し、pHを5.5に調整した。この中和処理により形成した不溶物を遠心分離(9,000×g、10分)により除去し、小麦アルブミンを含む原料液を得た。
(実施例1)
小麦アルブミンを含む原料液(調製例1:200ml)にメタリン酸ナトリウム(太平化学産業(株))を0.03重量%(300ppm)となるよう添加し混合した。その混合液を、塩酸を用いてpH3.7に調整し、次いで、遠心分離(9,000g、15分)した。その上清を棄て、沈殿物を回収した。その沈殿物を水25mlに懸濁し、該懸濁液に塩化カルシウムを0.5重量%(5,000ppm)となるよう添加し、次いで、遠心分離(9,000×g、10分)した。その上清を限外ろ過により脱塩した。脱塩後の溶液を水分濃度が5重量%以下になるまで凍結乾燥して、粉末形態のアミラーゼ阻害物質を調製した。このアミラーゼ阻害物質の調製を3回実施した。
粉末形態のアミラーゼ阻害物質を0.1重量%トリフルオロ酢酸(TFA)水溶液に溶解し、0.45μmのメンブランフィルターでろ過してHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)用試料とした。下記表1に示す条件のHPLCに供し、クロマトグラム中の0.19AIのピーク面積を測定した。
0.19AI標品(純度100%)を、同じ条件下のHPLCにより0.19AIのピーク面積を測定し、HPLC用試料中の0.19AIの含有量(mg)を算出した。
カラムサイズ:4.6mm I.D.×250mm
小麦アルブミンを含む溶液中の0.19AI含有量および回収試薬を用いて回収した0.19AIを含む溶液中の0.19AI含有量を用い、下記式より0.19AI回収率[%]を算出した。
(式)
0.19AI回収率[%]=回収した0.19AI含有量[g]/小麦アルブミンを含む溶液中の0.19AI含有量[g]×100
実施例1で得られたアミラーゼ阻害物質における0.19AIの含有量(即ち、回収量)はそれぞれ9.6mg、8.8mgおよび8.3mgであり、0.19AI回収率はそれぞれ53.3%、48.9%および46.1%であった。
メタリン酸ナトリウムをアルギン酸ナトリウム(品番:020−70905、キシダ化学株式会社)に代えたことを除いて、実施例1と実質的に同じ方法で、小麦アルブミンを含む原料液(調製例1:200ml)からアミラーゼ阻害物質を3回調製した。0.19AIの回収量はそれぞれ4.9mg、5.9mgおよび4.8mgであり、0.19AI回収率はそれぞれ27.2%、32.8%および26.7%であった。
αアミラーゼ,Human Pancreas(品番:CLZ 203A0050、フナコシ株式会社)、50mM NaCl、5mM CaCl2および0.04%卵白アルブミンを含む20mM PIPES緩衝液(pH6.9)に、0.19AIが0.25、0.5、1.0および2.0μg/mlとなるように加えて混合し、その混合液を37℃で30分間インキュベートした。次いで、1.5%可溶性デンプン溶液(pH6.9)を加え、37℃で10分間インキュベートした後、停止液(0.08M HClおよび0.4M酢酸)を加えた。該溶液0.2mlに2.5mlのヨウ素液(0.05%KI、0.005%ヨウ素)を加えて混合し、その混合液の吸光度(660nm)を測定した。このアミラーゼ阻害活性の測定では、アミラーゼ阻害物質を含む試料液を用いない場合の吸光度を80%減少させる量のαアミラーゼを用いた。αアミラーゼ活性を50%阻害する濃度(IC50)を算出した。
アミラーゼ阻害物質調製物のトリプシン阻害活性は、Kakade法(Kakade et al., Cereal Chem., 51巻, p376 (1974))に従って測定した。小麦アルブミンを含む原料液からメタリン酸Naまたはアルギン酸Naを用いてアミラーゼ阻害物質を回収した。メタリン酸Naを用いて回収したアミラーゼ阻害物質のトリプシン阻害活性値(TIU/mg)は、アルギン酸Naを用いて回収したアミラーゼ阻害物質の阻害活性値よりも、約50%小さかった。
トリプシン阻害物質は一般にアミラーゼを含む膵液の分泌を促進し得るため、アミラーゼ阻害物質によるインスリン分泌の抑制作用を阻害する可能性があることが知られている(特許文献2)。食後の血糖コントロールの観点から、アミラーゼ阻害物質調製物のトリプシン阻害活性が低いことが望ましい。
(実施例2)
以下の回収試薬を用いたこと、及び凍結乾燥処理をせずにHPLCに供したことを除き、実施例1と実質的に同じ方法でアミラーゼ阻害物質を調製し、0.19AIの回収量及び回収率を測定した。得られた結果を表3に示す。
メタリン酸ナトリウムを回収試薬として用いた場合、アルギン酸ナトリウム以外の多糖類、即ち酸性多糖類であるペクチン(比較例3)、中性多糖類であるグァーガム(比較例4)および塩基性多糖類であるキトサン(比較例5)を用いた場合よりも、高効率に0.19AIを回収できた(実施例2)。
(実施例3〜5)
小麦粉100gから、以下の回収試薬を用いたこと、及び凍結乾燥処理をせずにHPLCに供したことを除き、実施例1と実質的に同じ方法でアミラーゼ阻害物質を調製し、0.19AIの回収率[%]を測定した。
得られた結果を表4に示す。
Claims (9)
- 小麦アルブミンからのアミラーゼ阻害物質の製造方法であって、
(A)アミラーゼ阻害物質を含有する複合体を形成させるために、小麦アルブミンおよび遊離もしくは塩形態の縮合リン酸を水性溶媒中で混合する工程;
(B)工程(A)で得られた混合液から該複合体を分離する工程;および
(C)該複合体からアミラーゼ阻害物質を回収するために、工程(B)で分離した複合体およびアミラーゼ阻害物質遊離剤を水性溶媒中で混合する工程
を含み、
該縮合リン酸は、メタリン酸およびウルトラリン酸のいずれか又はそれらの混合物を含み、P 2 O 5 含量が64%以上であり、
該メタリン酸は、一般式(MPO 3 ) n [式中、Mは1価の金属および/またはHであり、およびnは5〜200の整数である]を有し、
該ウルトラリン酸は、一般式: x M 2 O・ y P 2 O 5 [式中、Mは1価の金属および/またはHであり、およびxまたはyは整数である]を有し、および0<R<1のR値を有する、製造方法。 - 前記縮合リン酸のP2O5含量が64%以上85%以下である、請求項1記載の製造方法。
- 前記アミラーゼ阻害物質遊離剤が遊離もしくは塩形態のカルシウム、マグネシウムまたはそれらの混合物である、請求項1または2記載の製造方法。
- 工程(C)が、該アミラーゼ阻害物質遊離剤および縮合リン酸により形成された縮合リン酸塩を分離する工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の製造方法。
- 工程(C)において回収したアミラーゼ阻害物質から、アミラーゼ阻害物質遊離剤を除去する工程(d1)、および/または工程(C)もしくは工程(d1)により得られたアミラーゼ阻害物質を含む溶液から粉末形態のアミラーゼ阻害物質を得る工程(d2)をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の製造方法。
- 前記縮合リン酸が、さらにポリリン酸を含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の製造方法。
- 前記ポリリン酸が、一般式:M l+2 P l O 3l+1 [式中、Mは1価の金属および/またはHであり、およびlは4〜200の整数である]を有する、請求項6記載の製造方法。
- 小麦アルブミンからアミラーゼ阻害物質を回収するための、縮合リン酸を含む試薬であって、
該縮合リン酸は、メタリン酸およびウルトラリン酸のいずれか又はそれらの混合物を含み、P 2 O 5 含量が64%以上であり、
該メタリン酸は、一般式(MPO 3 ) n [式中、Mは1価の金属および/またはHであり、およびnは5〜200の整数である]を有し、
該ウルトラリン酸は、一般式: x M 2 O・ y P 2 O 5 [式中、Mは1価の金属および/またはHであり、およびxまたはyは整数である]を有し、および0<R<1のR値を有する、試薬。 - 縮合リン酸を含む試薬およびアミラーゼ阻害物質を含む小麦アルブミンを水性溶媒中で混合する工程を含む、該アミラーゼ阻害物質および該縮合リン酸を含有する複合体を形成させる方法であって、
該縮合リン酸は、メタリン酸およびウルトラリン酸のいずれか又はそれらの混合物を含み、P 2 O 5 含量が64%以上であり、
該メタリン酸は、一般式(MPO 3 ) n [式中、Mは1価の金属および/またはHであり、およびnは5〜200の整数である]を有し、
該ウルトラリン酸は、一般式: x M 2 O・ y P 2 O 5 [式中、Mは1価の金属および/またはHであり、およびxまたはyは整数である]を有し、および0<R<1のR値を有する、方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014262745A JP6015972B2 (ja) | 2014-12-25 | 2014-12-25 | アミラーゼ阻害物質の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014262745A JP6015972B2 (ja) | 2014-12-25 | 2014-12-25 | アミラーゼ阻害物質の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016178466A Division JP2017008096A (ja) | 2016-09-13 | 2016-09-13 | アミラーゼ阻害物質の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016121110A JP2016121110A (ja) | 2016-07-07 |
JP6015972B2 true JP6015972B2 (ja) | 2016-10-26 |
Family
ID=56328089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014262745A Active JP6015972B2 (ja) | 2014-12-25 | 2014-12-25 | アミラーゼ阻害物質の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6015972B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3195937B2 (ja) * | 1992-04-22 | 2001-08-06 | 日清製粉株式会社 | アミラーゼ阻害物質の取得方法 |
JP4224313B2 (ja) * | 2002-01-25 | 2009-02-12 | 長田産業株式会社 | アミラーゼ阻害物質の調製方法 |
-
2014
- 2014-12-25 JP JP2014262745A patent/JP6015972B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016121110A (ja) | 2016-07-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3020387B2 (ja) | 抗ウイルス物質 | |
US11241470B2 (en) | Phaseolus vulgaris extracts, their use and formulations containing them | |
JP3195937B2 (ja) | アミラーゼ阻害物質の取得方法 | |
KR102520754B1 (ko) | 폴리황산펜토산, 의약 조성물 및 항응고제 | |
KR20200044896A (ko) | 폴리황산펜토산의 제조 방법 | |
JP5027001B2 (ja) | 酵素処理ローヤルゼリー及びそれを含有する皮膚繊維芽細胞の増殖促進剤 | |
JP6015972B2 (ja) | アミラーゼ阻害物質の製造方法 | |
JP2017008096A (ja) | アミラーゼ阻害物質の製造方法 | |
KR100773136B1 (ko) | 다당체 함량이 우수한 수용성 인삼다당체 추출분말 | |
KR101505941B1 (ko) | 대파 추출물을 유효 성분으로 포함하는 인플루엔자 바이러스 감염 및 염증성 질환 예방, 개선용 조성물 | |
CN103054038A (zh) | 一种具有降血糖活性竹叶黄酮提取物的制备方法 | |
KR102353119B1 (ko) | 시아노박테리아 추출물, 이의 제조 방법 및 그 용도 | |
AU2016236862A1 (en) | Water-soluble paua extract | |
RU2485958C1 (ru) | Способ получения инулина из инулинсодержащего растительного сырья, в частности из клубней топинамбура, для медицинских и пищевых целей | |
JP3480965B2 (ja) | アミラーゼ阻害物質の調製方法 | |
JP4224313B2 (ja) | アミラーゼ阻害物質の調製方法 | |
JP3499260B2 (ja) | アミラーゼ阻害物質の製造方法 | |
JP2023142546A (ja) | 食品添加用二本鎖rna含有組成物 | |
KR20150113687A (ko) | 삼채 추출물을 유효성분으로 함유하는 골다공증 예방 또는 치료용 조성물 | |
CN1371920A (zh) | 柿叶多糖及其生物活性 | |
CN112979837B (zh) | 一种狗头枣阿拉伯半乳聚糖的制备方法和应用 | |
KR102345389B1 (ko) | 좁은잎천선과 추출물을 유효성분으로 함유하는 뼈 건강 개선용 조성물 | |
KR20150124302A (ko) | 침전 및 혼탁이 억제된 진세노사이드를 함유하는 음료의 제조방법 | |
JP2006213607A (ja) | 尿酸値低下剤 | |
JP6895309B2 (ja) | Ampk活性促進用組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160816 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20160816 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20160907 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160913 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6015972 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |