JP6015310B2 - トランス用コイル、及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、樹脂製のボビンを備えるトランス用コイルに関する。
トランス用のコイルとして、樹脂製のボビンと、該ボビンに導線を巻回して形成した巻線部とを備えたものが知られている(下記特許文献1)。
ボビンは、軸部と、該軸部に設けられた一対のフランジとを備える。この一対のフランジの間において、導線を軸部に巻回することにより、上記巻線部を形成してある。一対のフランジのうち、一方のフランジには、該フランジの厚さ方向に貫通した貫通孔が形成されている。貫通孔は、巻線部の端子を挿通して外部に取り出すために設けられている。
ボビンは、樹脂材料の成形品である。ボビンを製造する際には、複数の金型を組み合わせ、この金型内の空間に、溶融した樹脂材料を注入する。その後、金型を分割して、ボビンを取り出す。
上記金型の一つには、貫通孔を形成するための凸部が設けられている。この凸部と、これに接触する他の金型との型割り面が、貫通孔の近傍に存在している。
ボビンを成形すると、貫通孔の近傍に存在する型割り面に、バリが発生することがある。
特開2004−253732号公報
上記ボビンは、貫通孔の近傍に発生したバリが、巻線部に接触することがあった。そのため、導線を巻回して巻線部を形成する際に、導線がバリに接触し、導線の絶縁被膜が損傷するおそれがあった。したがって、導線とコアとの間の絶縁確保のため、又は導線と他の導線との間の絶縁確保のために、これらの間に大きな絶縁距離をとる必要があり、トランスが大型化しやすくなるという問題があった。また、導線を他の絶縁材(絶縁紙等)で被覆する必要が生じることがあり、製造コストが上昇する原因になっていた。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、導線の絶縁被膜が損傷しにくいトランス用コイルと、その製造方法を提供しようとするものである。
本発明の第一の態様は、トランス用のコイルであって、
樹脂製のボビンと、
該ボビンに導線を巻回してなる巻線部とを備え、
上記ボビンは、軸部と、該軸部に設けられた一対のフランジとを有し、該一対のフランジのうち一方のフランジに、該フランジの厚さ方向に貫通した貫通孔が形成され、
上記巻線部は、上記一対のフランジの間において上記軸部に巻回され、上記導線からなり上記巻線部に連なる端子部が、上記貫通孔に挿通されており、
上記一方のフランジの2つの主面のうち、他方の上記フランジに近い側の主面は、上記巻線部に近接する巻線近接面であり、上記他方のフランジから遠い側の主面は、上記巻線部に接触しない巻線非接触面であり、
上記一方のフランジには、上記厚さ方向における、上記巻線近接面の上記巻線非接触面側に隣り合う位置に、上記端子部に向って突出する突出部が形成され、
該突出部には、上記巻線近接面に連なり、該巻線近接面から上記貫通孔の中心軸に近づくほど、上記厚さ方向における上記巻線非接触面側に次第に向う形状のアール面が形成されていることを特徴とするトランス用コイルにある(請求項1)。
また、本発明の第2の態様は、トランス用コイルの製造方法であって、
上記ボビンを成型する成形工程と、
上記導線を上記ボビンに巻回する巻回工程とを行い、
上記成形工程では、互いの型割り面が上記巻線近接面よりも上記厚さ方向における上記巻線非接触面側に位置する第1金型と第2金型とを含む、複数の金型を用いて上記ボビンを成型し、
上記成形工程において、上記第1金型と上記第2金型によって、上記貫通孔を形成することを特徴とする、トランス用コイルの製造方法にある(請求項4)。
上記トランス用コイルにおいて、上記ボビンの上記貫通孔は、互いの型割り面が上記巻線近接面よりも厚さ方向における上記巻線非接触面側に位置する第1金型と第2金型とによって、成形される。
そのため、バリが巻線近接面に発生しなくなる。すなわち、バリは、成形品において、型割り面に隣接する位置に形成され得るものである。それゆえ、上述の様に、型割り面が巻線近接面よりも厚さ方向における巻線非接触面側に位置する金型によって、上記貫通孔が形成されるものであれば、バリが生じるとしても、それは貫通孔の中に発生することになる。したがって、バリが生じるとしても、巻線部に接触しない位置に生じさせることができる。そのため、導線を軸部に巻回して巻線部を形成する際に、導線がバリに接触することを防止でき、導線の絶縁被膜がバリによって損傷する不具合を抑制できる。
以上のごとく、本例によれば、導線の絶縁被膜が損傷しにくいトランス用コイルを提供することができる。
実施例1における、トランス用コイルの断面図であって、図3のI-I断面図。 実施例1における、トランス用コイルの断面図であって、図3のII-II断面図。 実施例1における、トランス用コイルの平面図。 実施例1における、トランス用コイルの製造工程説明図。 図4に続く図。 図5に続く図。 実施例1における、他方のフランジを取り除いたボビンの斜視図。 図7の要部拡大図。 実施例1における、ボビンの製造工程説明図。 図1と同一の断面における、ボビン製造時の、ボビンと金型の断面図。 図2と同一の断面における、ボビン製造時の、ボビンと金型の断面図。 実施例1における、トランスの分解斜視図。 実施例1における、組み立て後のトランスの斜視図。 実施例2における、一方のフランジの要部拡大斜視図。 図14のXV-XV断面図。 図14のXVI-XVI断面図。 図15と同一の断面における、ボビン製造時の、ボビンと金型の断面図。 図16と同一の断面における、ボビン製造時の、ボビンと金型の断面図。 比較例における、トランス用コイルの断面図。
上記第1の態様において、上記ボビンは、上記厚さ方向における、成形時に上記型割り面が配置される位置と上記巻線近接面との間に、上記端子部に向って突出する突出部を備える
そのため、巻線部が、型割り面に発生したバリの先端に接触することを、上記突出部によって防止することができる。そのため、導線の絶縁被膜が損傷することを、より効果的に防止できる。
また、上記第1の態様において、上記突出部には、上記巻線近接面から上記貫通孔の中心軸に近づくほど、上記厚さ方向における上記巻線非接触面側に次第に向う形状のアール面が形成されている。
そのため、アール面によって、導線の絶縁被膜が損傷することを防止できる。
また、上記突出部は、導線を押し当てたときに変形するよう構成されていることが好ましい(請求項)。
この場合には、導線が突出部に押し当てられたときに、突出部が変形するため、導線に加わる応力を低減することができる。そのため、導線の絶縁被膜が損傷する不具合を、より抑制しやすくなる。
また、上記突出部から上記厚さ方向における上記巻線非接触面側にバリが突出していることが好ましい(請求項)。
この場合には、バリの先端に端子部が接触しにくい。そのため、バリによって端子部が損傷することを抑制できる。
また、上記第2の態様において、上記型割り面は、その全体が、上記巻線近接面に平行な平坦面であることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記型割り面の形状をシンプルにすることができる。そのため、第1金型および第2金型のクライアンスの微調整をしやすくなる。
また、上記第2の態様において、上記巻回工程では、上記導線のうち上記端子部となる部分を上記貫通孔に挿入した状態で、上記導線の残余の部分を上記軸部に巻回して、上記巻線部を形成することが好ましい(請求項
この場合には、導線を巻回するときに、貫通孔付近において導線に大きな応力が加わることになる。そのため、貫通孔付近に発生するバリが、導線に接触しないようにした場合の効果は大きい。
また、上記第2の態様において、上記成形工程では、上記第1金型は上記一方のフランジの上記巻線非接触面側に配置され、上記第2金型は上記一対のフランジの間に配置され、上記第1金型は上記第2金型側へ突出した凸部を有し、該凸部によって上記貫通孔が形成され、上記第2金型は上記第1金型側へ突出した突条部を有し、該突条部によって、上記一方のフランジに、上記第2金型を引き抜く方向に延出する溝部が形成され、上記第1金型と上記第2金型とを組み合わせた状態において、上記凸部に上記突条部の一部が接触していることが好ましい(請求項)。
この場合には、第1金型の上記凸部と、第2金型の上記突条部とが接触する面が、上記型割り面になる。凸部は第2金型側へ突出し、突条部は第1金型側へ突出している。そのため、型割り面を、巻線近接面よりも上記厚さ方向における巻線非接触面側へ位置させることができる。また、突条部によって、一方のフランジに溝部が形成されるため、第2金型を引き抜く際に、突条部のうち凸部に接触する部分が、上記一方のフランジに引っ掛からなくなる。そのため、第2金型をスムーズに引き抜くことが可能になる。
(実施例1)
上記トランス用コイルに係る実施例について、図1〜図13を用いて説明する。図6に示すごとく、本例のトランス用コイル1は、樹脂製のボビン2と、巻線部3とを備える。巻線部3は、ボビン2に導線30を巻回することにより形成されている。
ボビン2は、軸部20と、軸部20に設けられた一対のフランジ21(21a,21b)とを有する。一対のフランジ21のうち一方のフランジ21aに、該フランジ21aの厚さ方向(Z方向)に貫通した貫通孔23(図7、図8参照)が形成されている。
巻線部3は、一対のフランジ21の間において軸部20に巻回されている。図1、図2に示すごとく、導線30からなり巻線部3に連なる端子部31が、貫通孔23に挿通されている。
一方のフランジ21aの2つの主面のうち、他方のフランジ21bに近い側の主面は、巻線部3に近接する巻線近接面10であり、他方のフランジ21bから遠い側の主面は、巻線部3に接触しない巻線非接触面11である。
図9に示すごとく、ボビン2は、互いに組み合わされる複数の金型4を用いて成形される。図10、図11に示すごとく、貫通孔23は、互いの型割り面40が巻線近接面10よりもZ方向における巻線非接触面11側に位置する第1金型4aと第2金型4bとによって成形されるよう構成されている。
本例のトランス用コイルは、トランス14(図12、図13参照)の一次コイルとして用いられる。トランス14は、DC−DCコンバータ等の電力変換装置に用いられる。
図7に示すごとく、ボビン2の軸部20は、円筒状である。貫通孔23は、軸部20の近傍に形成されている。また、図3、図4に示すごとく、フランジ21は円環状である。フランジ21は、軸部20のZ方向両端部から、径方向に突出している。他方のフランジ21bには、スリット24が形成されている。スリット24は、軸部20付近から、他方のフランジ21bの外周面218に向って直線状に延びており、該外周面218側において開放している。また、Z方向から見た場合に、スリット24から貫通孔23が視認できるようになっている。
トランス用コイル1を製造する際には、図4に示すごとく、端子部31となる部分を折り曲げた導線30を用意し、端子部31をスリット24に差し込む。そして図5に示すごとく、端子部31を貫通孔23に挿入し、導線30の一部をスリット24に通す。その後、一対のフランジ21a,21b間において、導線30を軸部20に巻回する。これにより、図6に示すごとく、巻線部3を形成する。巻線部3を形成した後、端子部31を、スリット24の延出方向(X方向)に折り曲げる。また、導線30の終端(端子32)を折り曲げ、一方のフランジ21aに形成した巻線係合部13に係合させる。端子32は、X方向に延出している。
図1、図2に示すごとく、2つのフランジ21a,21bの間には、導線30を巻回するための巻線空間Sが形成されている。巻線空間SのZ方向長さは、導線30の直径よりも僅かに長い。巻線部3は、巻線空間Sにおいて、導線30を1層のみ巻回して形成してある。
一方のフランジ21aには、溝部25(図7、図8参照)が形成されている。溝部25は、後述するように、ボビン2を成形するための金型(第2金型4b:図9、図11参照)をスムーズに引き抜くために設けられている。溝部25は、X方向とZ方向との双方に直交する方向(Y方向)に延びている。一方のフランジ21aの、溝部25が形成されている部分(薄肉部250)の厚さW1は、溝部25が形成されていない部分(厚肉部210)の厚さW2よりも薄い。
貫通孔23は、巻線非接触面11から、薄肉部250の巻線側面251に対応する高さ位置まで形成されている。貫通孔23と巻線空間Sとの間の空間は、溝部25になっている。すなわち、貫通孔23は、Z方向における巻線空間S側にて、溝部25に接続している。
また、図1、図2に示すごとく、溝部25内には、端子部31に向って突出する突出部5が形成されている。突出部5にはアール面50が形成されている。アール面50は、巻線近接面10から貫通孔23の中心軸Aに向うほど、Z方向における巻線非接触面11側に次第に近づく形状をしている。
突出部5の先端には、バリ6が発生している。バリ6は、突出部5の先端から、Z方向における巻線非接触面11側に突出している。
また、突出部5は、巻線30を押し当てたときに変形するよう構成されている。これにより、巻線30に加わる応力を緩和するようになっている。巻線30を巻き始めるときには、巻線30は、突出部5に強く押し当てられる。
図9に示すごとく、ボビン2を成形する際には、4個の金型4(4a〜4d)を互いに組み合わせる。この金型4の内部に形成された空間に溶融した樹脂材料を注入し、その後、金型4を分解し、ボビン2を取り出す。このようにしてボビン2を成形する。
金型4には、一方のフランジ21aを主に成形するための第1金型4aと、他方のフランジ21bを主に成形するための第3金型4cと、一対のフランジ21a,21bの間に介在する第2金型4b及び第4金型4dとがある。第1金型4aと第3金型4cとは、Z方向に引き抜かれる。第2金型4bと第4金型4dは、Y方向に引き抜かれる。
図10、図11に示すごとく、第1金型4aは、本体部400と、該本体部400からZ方向に突出した凸部41とを備える。凸部41は、溝部25の一部と貫通孔23を形成するために設けられている。凸部41の先端490には、Z方向における本体部400側に窪んだ窪部412が形成されている。
また、第2金型4bは、巻線空間S(図1、図2参照)を形成するための板状本体部421と、該板状本体部421から第1金型4a側に突出する突条部42とを有する。突条部42は、溝部25を形成するために設けられている。突条部42は、第1金型41aの窪部412に嵌合する。突条部42の端面420は平坦面である。突条部42はY方向に延出している。
図10、図11に示すごとく、凸部41における、窪部412の周囲に形成された周辺突部43と、第2金型4bの板状本体部421との間に、ボビン2の突出部5が形成される。また、突条部42には湾曲面425が形成されている。この湾曲面425によって、突出部5にアール面50が形成される。
上述したように、第2金型4bは、Y方向に引き抜かれる。また、突条部42によって、ボビン2に、Y方向に延びる溝部25が形成される。そのため、第2金型4bを引き抜く際に、突条部42のうち凸部41に接触する部分429が、ボビン2の他の部位に引っ掛かることがなくなり、スムーズに第2金型4bを引き抜くことが可能になる。
第1金型4aの凸部41と、第2金型4bの突条部42との間に型割り面40が存在している。型割り面40は、ボビン2の巻線近接面10よりも、Z方向における、巻線非接触面11側に位置している。型割り面40には、第1部分401と第2部分402とがある。第1部分401は、周辺突部43と突条部42との間に形成されている。第2部分402は、凸部41における周辺突部43以外の部分と突条部42との間に形成されている。第1部分401はZ方向に平行であり、第2部分402は巻線近接面10に平行である。上述したように、金型4を分解してボビン2を取り出したときに、ボビン2にバリ6(図1、図2参照)が発生することがある。このバリ6は、主に、型割り面40の第1部分401において発生する。そのため、バリ6は、Z方向に突出する。
図12、図13に示すごとく、本例のトランス用コイル1は、トランス14の一次コイルとして用いられる。トランス14は、一次コイル(トランス用コイル1)の他に、二次コイル17と、一対のコア15(15a,15b)とを備える。二次コイル17はバスバーからなり、コイルをなすU字状部170と、該U字状部170に設けられた端子171とを備える。コア15は、磁性体からなる。コア15は、板状のコア本体部151と、該コア本体部151のY方向における両端部からZ方向に突出する一対の壁部152,153と、該一対の壁部152,153の間に設けられた円柱部154とを備える。2つのコア15a,15bは、それぞれ同一形状に形成されている。一方のコア15aにおける、円柱部154と壁部152,153との間に、二次コイル17のU字状部170が配置される。また、一次コイル(トランス用コイル1)の、環状に形成された軸部20に、円柱部154が嵌合する。
本例の作用効果について説明する。図10、図11に示すごとく、本例では、ボビン2の貫通孔23は、互いの型割り面40が巻線近接面10よりもZ方向における巻線非接触面11側に位置する第1金型4aと第2金型4bとによって、成形される。
そのため、バリ6が巻線近接面10に発生しなくなる。すなわち、バリ6は、成形品において、型割り面40に隣接する位置に形成され得るものである。それゆえ、本例の様に、型割り面40が巻線近接面10よりもZ方向における巻線非接触面11側に位置する金型4によって、貫通孔23が形成されるものであれば、バリ6が生じるとしても、それは貫通孔23の中に発生することになる。したがって、バリ6が生じるとしても、巻線部3に接触しない位置に生じさせることができる。そのため、導線30を軸部20に巻回して巻線部3を形成する際に、導線30がバリ6に接触することを防止でき、導線30の絶縁被膜がバリによって損傷する不具合を抑制できる。
また、図10、図11に示すごとく、本例では、Z方向における、成形時に型割り面40が配置される位置と巻線近接面10との間に、端子部31に向って突出する突出部5が形成されている。
そのため、バリ6の先端に巻線30が接触することを、突出部5によって防止しやすくなる。
仮に突出部5を形成しなかったとすると、図19に示すごとく、バリ96を、巻線近接面910よりもZ方向における巻線非接触面911側に発生させた場合に、巻線930にバリ96の先端が接触しやすくなる。そのため、巻線930の絶縁被膜が損傷しやすくなる。したがって、本例のように、突出部5を形成することにより、バリ6の先端に巻線30が接触する不具合を防止できる。これにより、導線30の絶縁被膜が損傷することを、より効果的に防止できる。
また、図1、図2に示すごとく、突出部5には、巻線近接面10から貫通孔23の中心軸Aに近づくほど、Z方向における巻線非接触面11側に次第に向う形状のアール面50が形成されている。
そのため、アール面によって、導線30の絶縁被膜が損傷することを防止できる。
また、突出部5は、導線30を押し当てたときに変形するよう構成されている。
そのため、導線30が突出部5に押し当てられたときに、導線30に加わる応力を低減することができる。したがって、導線30の絶縁被膜が損傷する不具合を、より抑制しやすくなる。
また、図1、図2に示すごとく、本例では、バリ6が、突出部5からZ方向における巻線非接触面11側に突出している。
そのため、バリ6の先端に端子部31が接触しにくい。したがって、バリ6によって端子部31が損傷することを抑制できる。
また、図4〜図6に示すごとく、巻線部3は、導線30のうち端子部31となる部分を貫通孔23に挿入した状態で、導線30の残余の部分を軸部20に巻回することにより得られる。
この場合には、導線30を巻回するときに、貫通孔23付近において導線30に大きな応力が加わることになる。そのため、本例のように、貫通孔23付近に発生するバリ6の先端が導線30に接触しないようにした場合の効果は大きい。
また、図10、図11に示すごとく、第1金型4aは一方のフランジ21aの巻線非接触面11側に配置され、第2金型4bは一対のフランジ21a,21bの間に配置されている。第1金型4aは第2金型4b側へ突出した凸部41を有する。この凸部41によって貫通孔23が形成される。また、第2金型4bは第1金型4a側へ突出した突条部42を有する。この突条部42によって、一方のフランジ21aに、第2金型4bを引き抜く方向(Y方向)に延出する溝部25が形成される。第1金型4aと第2金型4bとを組み合わせた状態において、凸部41に突条部42の一部429が接触する。
このようにすると、第1金型4aの凸部41と、第2金型4bの突条部42とが接触する面が、型割り面40になる。凸部41は第2金型4b側へ突出し、突条部42は第1金型4a側へ突出している。そのため、型割り面40を、巻線近接面10よりもZ方向における巻線非接触面11側へ位置させることができる。また、突条部42によって、一方のフランジ21aに溝部25が形成されるため、第2金型4bを引き抜く際に、突条部42のうち凸部41に接触する部分429が、一方のフランジ21aに引っ掛からなくなる。そのため、第2金型4bをスムーズに引き抜くことが可能になる。
以上のごとく、本例によれば、導線の絶縁被膜が損傷しにくいトランス用コイルを提供することができる。
なお、本例では図12、図13に示すごとく、トランス用コイル1を、トランス14の一次コイルとして用いたが、二次コイルとして用いてもよい。
また、本例では図1、図2に示すごとく、巻線部3は、Z方向に1層のみ形成されているが、Z方向に複数層、形成してもよい。
(実施例2)
本例は、図14〜図16に示すごとく、ボビン2の形状を変更した例である。本例のボビン2は、バリ6が、巻線近接面10に平行な方向へ突出している。また、本例では、突出部5の断面形状がU字状になっている。
図15、図16に示すごとく、本例では実施例1と同様に、一方のフランジ21aに、貫通孔23と溝部25とを形成してある。貫通孔23は、一方のフランジ21aの巻線非接触面11から、薄肉部250の巻線側面251に対応する高さ位置まで形成されている。貫通孔23は、溝部25に接続している。
図17、図18に示すごとく、第1金型4aは、本体部400と、該本体部400からZ方向に突出した凸部41とを備える。凸部41の端面417は、平坦面である。また、第2金型4bは、板状本体部421と、該板状本体部421から第1金型4a側に突出する突条部42とを備える。突条部42の端面420は平坦面である。突条部42は、実施例1と同様に、Y方向に延出している。突条部42には、U字状に湾曲した湾曲部58が形成されている。この湾曲部58によって、突出部5が形成される。
本例では、突条部42と凸部41との型割り面40が、巻線近接面10に平行になっている。また、型割り面40は平坦である。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
本例の作用効果について説明する。本例では、図17、図18に示すごとく、型割り面40は、その全体が平坦面になっている。そのため、第1金型4aおよび第2金型4bのクライアンスの微調整(チューニング)を行いやすい。
その他は、実施例1と同様である。また、本例に関する図面に用いた符号のうち、実施例1において用いた符合と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成等を表す。
1 トランス用コイル
10 巻線近接面
11 巻線非接触面
2 ボビン
20 軸部
21 フランジ
3 巻線部
31 端子部
4a 第1金型
4b 第2金型
PL 型割り面

Claims (7)

  1. トランス用のコイル(1)であって、
    樹脂製のボビン(2)と、
    該ボビン(2)に導線(30)を巻回してなる巻線部(3)とを備え、
    上記ボビン(2)は、軸部(20)と、該軸部(20)に設けられた一対のフランジ(21)とを有し、該一対のフランジ(21)のうち一方のフランジ(21a)に、該フランジ(21a)の厚さ方向に貫通した貫通孔(23)が形成され、
    上記巻線部(3)は、上記一対のフランジ(21)の間において上記軸部(20)に巻回され、上記導線(30)からなり上記巻線部(3)に連なる端子部(31)が、上記貫通孔(23)に挿通されており、
    上記一方のフランジ(21a)の2つの主面のうち、他方の上記フランジ(21b)に近い側の主面は、上記巻線部(3)に近接する巻線近接面(10)であり、上記他方のフランジ(21b)から遠い側の主面は、上記巻線部(3)に接触しない巻線非接触面(11)であり、
    上記一方のフランジ(21a)には、上記厚さ方向における、上記巻線近接面(10)の上記巻線非接触面(11)側に隣り合う位置に、上記端子部(31)に向って突出する突出部(5)が形成され、
    該突出部(5)には、上記巻線近接面(10)に連なり、該巻線近接面(10)から上記貫通孔(23)の中心軸(A)に近づくほど、上記厚さ方向における上記巻線非接触面(11)側に次第に向う形状のアール面(50)が形成されていることを特徴とするトランス用コイル(1)。
  2. 請求項に記載のトランス用コイル(1)において、上記突出部(5)は、上記導線(30)を押し当てたときに変形するよう構成されていることを特徴とするトランス用コイル(1)。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のトランス用コイル(1)において、上記突出部(5)から上記厚さ方向における上記巻線非接触面(11)側にバリ(6)が突出していることを特徴とするトランス用コイル(1)。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のトランス用コイル(1)の製造方法であって、
    上記ボビン(2)を成型する成形工程と、
    上記導線(30)を上記ボビン(2)に巻回する巻回工程とを行い、
    上記成形工程では、互いの型割り面(40)が上記巻線近接面(10)よりも上記厚さ方向における上記巻線非接触面(11)側に位置する第1金型(4a)と第2金型(4b)とを含む、複数の金型を用いて上記ボビン(2)を成型し、
    上記成形工程において、上記第1金型(4a)と上記第2金型(4b)とによって、上記貫通孔(23)を形成することを特徴とする、トランス用コイル(1)の製造方法。
  5. 請求項4に記載のトランス用コイル(1)の製造方法において、上記型割り面(40)は、その全体が、上記巻線近接面(10)に平行な平坦面であることを特徴とするトランス用コイル(1)の製造方法。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のトランス用コイル(1)の製造方法において、上記巻回工程では、上記導線(30)のうち上記端子部(31)となる部分を上記貫通孔(23)に挿入した状態で、上記導線(30)の残余の部分を上記軸部(20)に巻回して、上記巻線部(3)を形成することを特徴とするトランス用コイル(1)の製造方法。
  7. 請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載のトランス用コイル(1)の製造方法であって、上記成形工程において、上記第1金型(4a)は上記一方のフランジ(21a)の上記巻線非接触面(11)側に配置され、上記第2金型(4b)は上記一対のフランジ(21)の間に配置され、上記第1金型(4a)は上記第2金型(4b)側へ突出した凸部(41)を有し、該凸部(41)によって上記貫通孔(23)が形成され、上記第2金型(4b)は上記第1金型(4a)側へ突出した突条部(42)を有し、該突条部(42)によって、上記一方のフランジ(21a)に、上記第2金型(4b)を引き抜く方向に延出する溝部(25)が形成され、上記第1金型(4a)と上記第2金型(4b)とを組み合わせた状態において、上記凸部(41)に上記突条部(42)の一部が接触していることを特徴とするトランス用コイル(1)の製造方法。
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