この挟持装置を図8に例示すると、挟持装置120は、ヒンジ122で連結された一対の支持部材124、126を備えている。挟持装置120において、一方の支持部材124は他方の支持部材126に対して接離する方向に回動可能に構成されている。このため、挟持装置120では、他方の支持部材126の上に挟持対象物128を載置し、一方の支持部材124を挟持対象物128に接近するように回動させて、両支持部材124、126により挟持対象物128を挟持する。挟持装置120は、挟持対象物128を両支持部材124、126に挟持させた状態で、ヒンジ122に設けられた回転軸130の回りを回動可能に構成されている。
挟持装置120では、一方の支持部材124の支持面124aと他方の支持部材126の支持面126aとが互いに対向し平行状態にある際、挟持対象物128の一方の面128a及び他方の面128bがそれぞれ支持面124a、126aと面接触する。このため、両支持部材124、126のそれぞれが挟持対象物128と面接触して該挟持対象物128を挟持する。尚、この状態において、挟持対象物の厚さt1と、互いに対向し平行状態にある支持面124aと支持面126aとの間の距離Lは一致している。
ところで、前記検査装置において被検査体の検査に用いられるプローブカードは、被検査体の種類に応じて、その大きさ、重さ、厚さ等が異なる。このため、挟持装置120において、挟持する挟持対象物128の厚さがt1以外の場合がある。
例えば、図9(A)に示すように、挟持対象物128の厚さがt1より厚いt2である際、厚さt2は、互いに対向し平行状態にある支持面124a及び支持面126a間の距離Lよりも大きい。このため、挟持対象物128は他方の支持部材126と面接触するが、一方の支持部材124とは面接触しない。この場合、一方の支持部材124の支持面124aは、挟持対象物128の一方の面128aにおいて−X方向側の端部132と接触する。
これにより、挟持対象物128を挟持するために一方の支持部材124を支持面124aと端部132とが接触した状態から他方の支持部材126に向けてさらに回動させると、挟持対象物128には、当該挟持対象物128を両支持部材124、126の間から回動の半径方向外側へ押し出そうとする力が作用する。このため、挟持対象物128は支持面124aと支持面126aとの間で回動半径方向外側へと変位する。その結果、両支持部材124、126は挟持対象物128を挟持することができない。
また、図9(B)に示すように、挟持対象物128の厚さがt1より薄いt3である際、厚さt3は、互いに対向し平行状態にある支持面124a及び支持面126a間の距離Lよりも小さい。このため、挟持対象物128は他方の支持部材126と面接触するが、一方の支持部材124とは面接触しない。この場合、一方の支持部材124の支持面124aは、挟持対象物128の一方の面128aにおいてX方向側の端部134と接触する。
このため、挟持対象物128を挟持するために一方の支持部材124を支持面124aと端部134とが接触した状態から他方の支持部材126に向けてさらに回動させると、挟持対象物128には、挟持対象物128を両支持部材124、126の間から回動の半径方向内側へ押し込もうとする力が作用する。このため、挟持対象物128は支持面124aと支持面126aとの間で回動半径方向内側へと変位する。
その結果、挟持対象物128は回動半径方向においてヒンジ122に押し付けられた状態となる。この状態では、挟持対象物128を両支持部材124、126により挟持することができるが、挟持対象物128のX方向側の端部134に一方の支持部材124による押圧力が局所的に作用することから挟持対象物128を破損させる虞がある。
したがって、挟持装置120は、厚さの異なる挟持対象物を挟持することができない、あるいは、挟持できたとしても挟持対象物を破損させる虞がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、厚さの異なる挟持対象物を破損させることなく挟持することのできる挟持装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の一つの態様に係る狭持装置は、互いに接離可能な第1の支持部材と第2の支持部材とを備え、両支持部材が接近することで挟持対象物を挟持する挟持装置であって、前記第1の支持部材は、該第1の支持部材に回動支点を有して、前記第2の支持部材と対向する側に回動可能に取り付けられた第1の厚み吸収部材を備え、前記第2の支持部材は、該第2の支持部材に回動支点を有して、前記第1の支持部材と対向する側に回動可能に取り付けられた第2の厚み吸収部材を備え、前記第1の厚み吸収部材の自由端を対向する前記第2の支持部材に向かう方向へ弾性力により付勢する第1付勢部材と、前記第2の厚み吸収部材の自由端を対向する前記第1の支持部材に向かう方向へ弾性力により付勢する第2付勢部材と、を備え、前記第1の厚み吸収部材及び前記第2の厚み吸収部材の各回動支点及び自由端が点対称に配置され、前記第1の厚み吸収部材と前記第2の厚み吸収部材とは、前記挟持対象物を前記弾性力により押圧して挟持する、ことを特徴とする。
また、本発明の第1の態様に係る狭持装置は、互いに接離可能な第1の支持部材と第2の支持部材とを備え、両支持部材が接近することで挟持対象物を挟持する挟持装置であって、前記第1の支持部材は、前記第2の支持部材と対向する側に第1の厚み吸収部材を備え、前記第1の厚み吸収部材は、対向する前記第2の支持部材に向けて弾性力により付勢され、前記第2の支持部材は、前記第1の支持部材と対向する側に第2の厚み吸収部材を備え、前記第2の厚み吸収部材は、対向する前記第1の支持部材に向けて弾性力により付勢され、前記第1の厚み吸収部材と前記第2の厚み吸収部材とは、前記挟持対象物を前記弾性力により押圧して挟持する、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記第1の厚み吸収部材が前記第1の支持部材に向けて変位し、前記第2の厚み吸収部材が前記第2の支持部材に向けて変位することにより第1の厚み吸収部材と第2の厚み吸収部材との間隔が変化することとなり、厚さが異なる挟持対象物でも第1の厚み吸収部材と第2の厚み吸収部材とで挟持することができる。その結果、本態様の挟持装置は、厚さが異なる挟持対象物を破損させることなく挟持することができる。
本発明の第2の態様の挟持装置は、第1の態様において、前記第1の厚み吸収部材は、第1の支持部材に回動支点を有して回動可能に取り付けられ、前記第2の厚み吸収部材は、第2の支持部材に回動支点を有して回動可能に取り付けられ、前記第1の厚み吸収部材の自由端を前記第2の支持部材に向かう方向へ前記弾性力により付勢する第1付勢部材と、前記第2の厚み吸収部材の自由端を前記第1の支持部材に向かう方向へ前記弾性力により付勢する第2付勢部材と、を備え、前記第1の厚み吸収部材及び前記第2の厚み吸収部材の各回動支点及び自由端が点対称に配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、上記作用効果に加え、前記第1の厚み吸収部材及び前記第2の厚み吸収部材の各回動支点及び自由端が点対称であることから、第1の厚み吸収部材の自由端が挟持対象物の一端を第2の厚み吸収部材へ付勢し、第2の厚み吸収部材の自由端が挟持対象物の他端を第1の厚み吸収部材へ付勢することとなり、挟持対象物の挟持状態をより確実な状態とする。
尚、本明細書における「点対称」とは、第1支持部材と第2支持部材とが対向する方向における第1の厚み吸収部材と第2の厚み吸収部材との中間の位置、かつ、第1の厚み吸収部材または第2の厚み吸収部材の回動支点から自由端までの距離の中間の位置を回転中心とし、該回転中心の周りに前記第1の厚み吸収部材及び前記第2の厚み吸収部材を回転させた際、点対称となることを意味している。
本発明の第3の態様の挟持装置は、第2の態様において、前記第1付勢部材は、前記第1の厚み吸収部材を前記回動の半径方向外側へと付勢し、前記第2付勢部材は、前記第2の厚み吸収部材を前記回動の半径方向外側へと付勢することを特徴とする。
本態様によれば、前記第1の厚み吸収部材の回動支点を第1付勢部材で回動の半径方向外側へと付勢していることから、前記回動支点のがたつきを防止することができる。同様に、前記第2の厚み吸収部材の回動支点を第2付勢部材で回動の半径方向外側へと付勢していることから、前記回動支点のがたつきを防止することができる。したがって、第1の厚み吸収部材及び第2の厚み吸収部材は、回動中にがたつくことがないことから確実に挟持対象物を挟持して回動させることができる。
本発明の第4の態様の挟持装置は、第1の態様または第2の態様において、前記第1付勢部材は、一端が前記第1の厚み吸収部材の自由端に接続され、他端が第1の支持部材において前記第1の厚み吸収部材の自由端より前記回動の半径方向外側の位置で前記第1の支持部材と接続され、前記第2付勢部材は、一端が前記第2の厚み吸収部材の自由端に接続され、他端が第1の支持部材において前記第1の厚み吸収部材の自由端より前記回動の半径方向外側の位置で前記第1の支持部材と接続され、前記第1付勢部材の一端は、前記第1の支持部材における前記第2の支持部材と対向する側と反対の側に位置し、前記第2付勢部材の一端は、前記第2の支持部材における前記第1の支持部材と対向する側と反対の側に位置していることを特徴とする。
例えば、第1付勢部材の他端と第1の支持部材との接続部を第1の支持部材から突出させて第2の支持部材側に位置させると、第1の支持部材と第2の支持部材とで薄い挟持部材を挟持する際、前記接続部と第2の支持部材とが干渉し、前記挟持部材を挟持することができなくなる虞がある。このため、本態様では、第1付勢部材の他端と第1の支持部材との接続部を第1支持部材より第2の支持部材側へ突出させるように位置させることがないことから、第1の支持部材と第2の支持部材とで薄い挟持部材を挟持する際、前記接続部が第2の支持部材と干渉することがなく、薄い挟持部材の挟持を確実にすることができる。
本発明の第5の態様の挟持装置は、第2から第4のいずれか一の態様において、前記第1の厚み吸収部材の回動支点は前記第1の支持部材に対して接離する方向に移動可能に構成され、前記第2の厚み吸収部材の回動支点は前記第2の支持部材に対して接離する方向に移動可能に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、第1の厚み吸収部材の回動支点が第1の支持部材に向かって移動可能に構成されていることから、第1の厚み吸収部材が第1の支持部材に対して平行に変位することができる。同様に第2の厚み吸収部材も第2の支持部材に対して平行に変位することができる。その結果、厚さが異なる挟持対象物であっても、第1の支持部材及び第2の支持部材に対して平行な状態で第1の厚み吸収部材と第2の厚み吸収部材とで挟持することができる。
本発明の第6の態様の挟持装置は、第1の態様において、前記第1の厚み吸収部材は、第1の支持部材に該第1の支持部材に向かって移動可能な回動支点を有して回動可能に取り付けられ、前記第2の厚み吸収部材は、第2の支持部材に該第2の支持部材に向かって移動可能な回動支点を有して回動可能に取り付けられ、前記第1の厚み吸収部材及び前記第2の厚み吸収部材は、前記回動支点の両側に自由端を備え、前記第1の支持部材に対して回動する前記第1の厚み吸収部材の前記自由端を前記第2の支持部材に向かう方向へ前記弾性力により付勢する第1付勢部材と、前記第2の支持部材に対して回動する前記第2の厚み吸収部材の前記自由端を前記第1の支持部材に向かう方向へ前記弾性力により付勢する第2付勢部材とを備えていることを特徴とする。
本態様によれば、第1の厚み吸収部材において回動支点の両側に自由端を備え、該自由端のそれぞれに第1付勢部材を備えるから、第1の支持部材に対して平行な状態で第1の厚み吸収部材を変位させることができる。同様に第2の厚み吸収部材も第2の支持部材に対して平行に変位させることができる。このため、厚さが異なる挟持対象物であっても、第1の支持部材及び第2の支持部材に対して平行な状態で挟持することができる。さらに各自由端にそれぞれ付勢部材を備えていることから、厚さが一定でない挟持対象物であっても第1の厚み吸収部材及び第2の厚み吸収部材が挟持対象物の形状に沿って変位して前記挟持対象物を挟持することができる。
本発明の第7の態様の挟持装置は、第1から第6のいずれか一の態様において、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材とは、一方が他方に対して回動することにより接離方向に変位することを特徴とする。
本態様によれば、第1の支持部材に対して第2の支持部材を回動させて離間した状態において、第1の支持部材の上方から挟持対象物を載置し、該載置した後、第2の支持部材を回動させて挟持対象物を第1の支持部材と第2の支持部材とで挟持することができる。そのため、挟持対象物を第1の支持部材に対して第1の支持部材の上方から載置する際に第2の支持部材は回動させた位置にあることから該第2の支持部材が第1の支持部材の上方に位置することがなく、干渉しないことから挟持対象物の挟持装置に対する着脱を容易にすることができる。
本発明の第8の態様の挟持装置は、第1から第7のいずれか一の態様において、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材とは、枠状体であり、互いに対向する一対の辺にそれぞれ前記第1の厚み吸収部材及び前記第2の厚み吸収部材を備えていることを特徴とする。
本態様によれば、第1の厚み吸収部材は枠状の第1の支持部材の互いに対向する一対の辺に設けられ、第2の厚み吸収部材は枠状の第1の支持部材の互いに対向する一対の辺に設けられていることから、第1の厚み吸収部材と第2の厚み吸収部材とにより挟持された挟持対象物は、枠状体の中央部分において第1の厚み吸収部材及び第2の厚み吸収部材とは接触しない。これにより本態様の挟持装置は、挟持対象物の中央部分が破損しやすいようなものでも挟持することができる。
本発明の第9の態様の挟持装置は、第1から第8のいずれか一の態様において、前記第1の厚み吸収部材及び前記第2の厚み吸収部材は、互いに対向する面に前記被挟持対象物を保持するための滑り止め部が設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、第1の厚み吸収部材及び第2の厚み吸収部材は、それぞれ互いに対向する面に滑り止め部が設けられていることから、挟持対象物を挟持した状態で第1の支持部材及び第2の支持部材を回動させても、前記狭持対象物と前記滑り止め部との間に生じる摩擦力により前記第1の厚み吸収部材及び前記第2の厚み吸収部材に対して挟持対象物が変位することを防止できる。すなわち、本態様の狭持装置は、挟持対象物の破損の虞を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施例において同一の構成については、同一の符号を付し、最初の実施例においてのみ説明し、以後の実施例においてはその構成の説明を省略する。
図1を参照して、挟持装置10の構成要素について説明する。挟持装置10は、第1の支持部材12と、第2の支持部材14と、回転軸16と、第1の厚み吸収部材18と、第2の厚み吸収部材20とを備えている。回転軸16は、その両端部がそれぞれ回転軸支持部材22に挿入され、該回転軸支持部材によって支持されている。回転軸支持部材22は、図示しないが固定台や台車等に取り付けられている。
第1の支持部材12は枠状体として構成されている。X軸方向(図1参照)において対向する一対の辺のうち一方の辺24は、回転軸16に回動可能に取り付けられている。すなわち、第1の支持部材12は、回転軸16を回動支点として回転軸16の回りを回動する。他方の辺26には、第1の支持部材12と第2の支持部材14とを両支持部材12、14の間に「挟持対象物」としてのプローブカード28を挟持した状態で保持する挟持保持機構30のフック部32を備えている。
また、第2の支持部材14は、枠状体として構成されている。X軸方向(図1参照)において対向する一対の辺のうち一方の辺34は、回転軸16に回動可能に取り付けられている。すなわち、第2の支持部材14は、回転軸16を回動支点として回転軸16の回りを回動する。
また、第2の支持部材14の他方の辺36には、第1の支持部材12と第2の支持部材14とをその間に挟持対象物すなわちプローブカード28を挟持した状態で保持する挟持保持機構30のフック保持部38を備えている。
また、第1の支持部材12と第2の支持部材14とは、互いに対向する状態すなわち閉じている状態(図2参照)と、第1の支持部材12及び第2の支持部材14の一方が他方に対して離間する方向に回動させて離間した状態すなわち開いた状態(図1参照)とを取り得る。尚、第1の支持部材12と第2の支持部材14とは、互いに対向する状態において距離L1を開けて平行に対向している。
また、第1の支持部材12と第2の支持部材14とが前記閉じている状態にあるとき、第1の支持部材12に設けられた挟持保持機構30のフック部32と第2の支持部材14に設けられた挟持保持機構30のフック保持部38とが解除可能に掛合する。
さらに、第1の支持部材12と第2の支持部材14とは、閉じている状態において後述する第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20とによりプローブカード28を挟持する。尚、この状態において、フック部32とフック保持部38とが掛合することにより、第1の支持部材12と第2の支持部材14とは閉じている状態を保持している。また、第1の支持部材12と第2の支持部材14とは、プローブカード28を挟持した状態において回転軸16の回りを回動し、プローブカード28の一方の面28aと他方の面28bとを反転させる。
<<<第1の実施例>>>
次いで、図1及び図2を参照して第1の実施例に係る第1の厚み吸収部材18及び第2の厚み吸収部材20について詳説する。
第1の厚み吸収部材18は、第1の支持部材12においてY軸方向(図1参照)に対向する一対の辺40にそれぞれ設けられている。第1の厚み吸収部材18は、図1においてX軸方向に沿って延びている。さらに、第1の厚み吸収部材18において後述する第2の厚み吸収部材20と対向する側(図2参照)には、滑り止め部42が設けられている。滑り止め部42は、第1の厚み吸収部材18において狭持対象物すなわちプローブカード28と面接触する平面領域を構成している。滑り止め部42は、本実施例では摩擦係数の大きいゴム部材等により構成されている。
さらに、第1の厚み吸収部材18には、図1における+X方向側に位置する一端部18aに、回動軸44が設けられている。回動軸44は第1の支持部材12の一対の辺40において自由端側すなわち他方の辺26側に取り付けられている。
また、第1の厚み吸収部材18において、図1における−X方向側に位置する他端部18bは、自由端として構成されている。これにより、第1の厚み吸収部材18は、第1の支持部材12に対して回動軸44を支点に回動可能である。また、第1の厚み吸収部材18の他端部18bは、図2に示すように該他端部18bから第1の支持部材12に向けてすなわち対向する第2の厚み吸収部材20と反対の側に向けて突出し、その先端が当該第1の支持部材12を超えて延びる第1の延出部46を備えている。
第1の延出部46の先端には、第1付勢部材48の一端48aが接続されている。さらに第1付勢部材48の他端48bは、第1の支持部材12の一対の辺40において回転軸16側すなわち一方の辺24側に取り付けられている。このため、第1付勢部材48は、第1の厚み吸収部材18を対向する第2の厚み吸収部材20に向けて付勢する。尚、第1付勢部材48は、本実施例ではコイルばね等のばね部材として構成されている。
また、第1の厚み吸収部材18は、第1付勢部材48により対向する第2の厚み吸収部材20に向けて付勢されていることから、外力が第1の厚み吸収部材18に作用しない際、第1の支持部材12に対して角度θ1を成して第2の厚み吸収部材20側へ傾いた状態にある。
第1の厚み吸収部材18において第1の支持部材12に向かう外力が作用する際、第1の厚み吸収部材18は、前記外力の大きさに応じて第2の厚み吸収部材20から離間する方向に回動軸44を回動支点として回動する。尚、本実施例において第1の厚み吸収部材18は、最大で回動軸44に対して角度θ1分回動することができる。
また、第2の厚み吸収部材20は、第2の支持部材14においてY軸方向(図1参照)に対向する一対の辺50にそれぞれ設けられている。第2の厚み吸収部材20は、図1においてX軸方向に沿って延びている。さらに、第2の厚み吸収部材20において第1の厚み吸収部材18と対向する側(図2参照)には、滑り止め部52が設けられている。滑り止め部52は、第2の厚み吸収部材20において狭持対象物すなわちプローブカード28と面接触する平面領域を構成している。本実施例において滑り止め部52は、摩擦係数の大きいゴム部材等により構成されている。
さらに、第2の厚み吸収部材20には、図1における+X方向側に位置する一端部20aに、回動軸54が設けられている。回動軸54は第2の支持部材14の一対の辺50において自由端側すなわち他方の辺36側に取り付けられている。
また、第2の厚み吸収部材20において、図1における−X方向側に位置する他端部20bは、自由端として構成されている。これにより、第2の厚み吸収部材20は、第2の支持部材14に対して回動軸54を支点に回動可能である。また、第2の厚み吸収部材20の他端部20bは、図2に示すように該他端部20bから第2の支持部材14に向けてすなわち対向する第1の厚み吸収部材18と反対の側に向けて突出し、その先端が当該第2の支持部材14を超えて延びる第2の延出部56を備えている。
第2の延出部56の先端には、第2付勢部材58の一端58aが接続されている。さらに第2付勢部材58の他端58bは、第2の支持部材14の一対の辺50において自由端側すなわち他方の辺36側に取り付けられている。このため、第2付勢部材58は、第2の厚み吸収部材20を対向する第1の厚み吸収部材18に向けて付勢する。尚、本実施例において第2付勢部材58は、コイルばね等のばね部材として構成されている。
また、第2の厚み吸収部材20は、第2付勢部材58により対向する第1の厚み吸収部材18に向けて付勢されていることから、外力が第2の厚み吸収部材20に作用しない際、第2の支持部材14に対して角度θ2を成して第1の厚み吸収部材18側へ傾いた状態にある。
第2の厚み吸収部材20において第2の支持部材14に向かう外力が作用する際、第2の厚み吸収部材20は、前記外力の大きさに応じて第1の厚み吸収部材18から離間する方向に回動軸54を回動支点として回動する。尚、本実施例において第2の厚み吸収部材20は、最大で回動軸54に対して角度θ2分回動することができる。尚、本実施例では、角度θ1と角度θ2とは、同じ角度に設定されている。
また、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材とは、第1の支持部材12と第2の支持部材14とが対向する状態すなわち閉じている状態において互いに外力が作用しない状態にある際、距離L2をおいて対向している。尚、本実施例では、角度θ1と角度θ2とが同じ角度に設定されていることから、外力が作用しない状態にある際、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材とは互いに平行な状態にある。
次いで、図3(A)及び図3(B)を参照して挟持装置10において厚さが薄いプローブカード60を挟持した状態と、厚さが厚いプローブカード62を挟持した状態とを説明する。
図3(A)において、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20とは、厚さt4のプローブカード60を挟持している。第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20との間の距離はL2からt4へと増加する。このため、第1の厚み吸収部材18は、第2の厚み吸収部材20から離間する方向に回動軸44を回動支点として回動する。同様に、第2の厚み吸収部材20は第1の厚み吸収部材18から離間する方向に回動軸54を回動支点として回動する。
すなわち、第1の厚み吸収部材18は、第1の支持部材12に対して角度θ3で傾斜している状態となる。同様に、第2の厚み吸収部材20も、第2の支持部材14に対して角度θ4で傾斜している状態となる。尚、角度θ3、θ4は、それぞれ角度θ1よりも小さい。この際、第1付勢部材48の付勢力と第2付勢部材58の付勢力とは同じ大きさに設定されていることから、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20とは、それぞれ同じ角度だけ第1の支持部材12及び第2の支持部材14に対して回動する。すなわち角度θ3と角度θ4とは同じ角度となる。
このため、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20とは互いに平行状態を保ったまま離間する。したがって、第1の厚み吸収部材18は、プローブカード60の一方の面60aと第1の厚み吸収部材18に設けられた滑り止め部42とが面接触した状態となる。また、第2の厚み吸収部材20は、プローブカード60の他方の面60bと第2の厚み吸収部材20に設けられた滑り止め部52とが面接触した状態となる。このため、プローブカード60は、一方の面60aに第1付勢部材48からの付勢力を受け、他方の面60bに第1付勢部材48の付勢力と等しい第2付勢部材58からの付勢力を受ける。
その結果、プローブカード60は、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20とから同じ力で押圧される。また、プローブカード60は、回転軸16を回動支点とする第1の支持部材12及び第2の支持部材14の回動半径方向において、一方の面60aが滑り止め部42と接触し、他方の面60bが滑り止め部52と接触していることから、各滑り止め部42、52との間に生ずる摩擦力により前記回動半径方向における位置が保持される。その結果、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20とはプローブカード60を確実に挟持することができる。
次いで、図3(B)において、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20とは、距離L1に相当する厚さt5のプローブカード62を挟持している。第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20との間の距離はL2からt5(L1)へと増加する。このため、第1の厚み吸収部材18は、第2の厚み吸収部材20から離間する方向にすなわち角度θ1分、回動軸44を回動支点として回動する。同様に、第2の厚み吸収部材20は第1の厚み吸収部材18から離間する方向にすなわち角度θ2分、回動軸54を回動支点として回動する。
この状態においても、プローブカード62の一方の面62aは第1の厚み吸収部材18に設けられた滑り止め部42と面接触した状態となり、他方の面62bは第2の厚み吸収部材20に設けられた滑り止め部52と面接触した状態となる。このため、プローブカード62は、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20とから等しい力で押圧され、挟持される。また、プローブカード62においても、各滑り止め部42、52により前記回動半径方向における位置が保持される。
すなわち、第1の厚み吸収部材18及び第2の厚み吸収部材20は、狭持対象物すなわちプローブカード28、60、62の厚さが異なっても該プローブカードとそれぞれ面接触する。したがって、挟持装置10は、外力が作用しない状態における第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20との距離L2から第1の支持部材12と第2の支持部材14とが対向した際の距離L1までの大きさに相当する厚さの挟持対象物すなわちプローブカード28、60、62を確実に挟持することができる。
<<<第1の実施例の変形例>>>
(1)本実施例では角度θ1と角度θ2とを同じ角度としたが、異なる角度として構成してもよい。
(2)第1付勢部材48と第2付勢部材58の付勢力を同じ構成としたが、異なる構成としてもよい。
(3)第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20との距離L2は、0として構成してもよい。すなわち、外力が作用しない状態において、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20とは、互いに対向するとともに面接触する構成としてもよい。
<<<第2の実施例>>>
図4(A)及び図4(B)を参照して、第2の実施例に係る挟持装置64について説明する。第2の実施例に係る挟持装置64は、第1の厚み吸収部材18及び第2の厚み吸収部材20の各回動支点がそれぞれ、第1の支持部材12及び第2の支持部材14に対して接離する方向へ変位可能に構成されている点で第1の実施例と異なる。
第1の支持部材12の自由端側すなわち他方の辺26側には、対向する第2の支持部材14の側に向かって延びる案内部66が設けられている。案内部66には、第1の厚み吸収部材18に設けられた回動軸68が案内部66に沿って第1の支持部材12に対して接離する方向(図4(A)においてZ軸方向)に変位可能に取り付けられている。さらに、第1の厚み吸収部材18は、案内部66に取り付けられた回動軸68を回動支点として第1の支持部材12に対して回動可能である。
また、第1の支持部材12の自由端側において案内部66に対して他方の辺26側には、第1の支持部材12から突出し、対向する第2の支持部材14に向けて延びる第3の延出部70が設けられている。回動軸68と第3の延出部70とは、第3付勢部材72により接続されている。第3付勢部材72は、回動軸68を対向する第2の厚み吸収部材20に向けて付勢している。尚、本実施例において第3付勢部材72の付勢力は、第1付勢部材48の付勢力と同じになるように設定されている。
このため、第1の厚み吸収部材18は、第1付勢部材48と第3付勢部材72とにより第1の支持部材12に対して平行な状態を保持しながら第2の厚み吸収部材20に向けて付勢されている。
また、第2の支持部材14の回転軸16側すなわち一方の辺34側には、対向する第1の支持部材12の側に向かって延びる案内部74が設けられている。案内部74には、第2の厚み吸収部材20に設けられた回動軸76が案内部74に沿って第2の支持部材14に対して接離する方向(図4(A)においてZ軸方向)に変位可能に取り付けられている。さらに、第2の厚み吸収部材20は、案内部74に取り付けられた回動軸76を回動支点として第2の支持部材14に対して回動可能である。
また、第2の支持部材14の回転軸16側において案内部74に対して一方の辺34側には、第2の支持部材14から突出し、対向する第1の支持部材12に向けて延びる第4の延出部78が設けられている。回動軸76と第4の延出部78とは、第4付勢部材80により接続されている。第4付勢部材80は、回動軸76を対向する第1の厚み吸収部材18に向けて付勢している。尚、本実施例において第4付勢部材80の付勢力は、第2付勢部材58の付勢力と同じになるように設定されている。
このため、第2の厚み吸収部材20は、第2付勢部材58と第4付勢部材80とにより第2の支持部材14に対して平行な状態を保持しながら第1の厚み吸収部材18に向けて付勢されている。このため、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20とは互いに平行に距離L3をおいて対向している。
このため、図4(A)及び図4(B)に示すように厚さt5、t6が異なるプローブカード28においても、プローブカード28の一方の面28a及び他方の面28bのそれぞれが、第1の厚み吸収部材18及び第2の厚み吸収部材20とそれぞれ面接触するとともに、プローブカード28を第1の支持部材12及び第2の支持部材14に対して平行な状態に保持することができる。すなわち、挟持装置64は、プローブカード28すなわち挟持対象物の厚みが均一である際、前記挟持対象物を第1の支持部材12及び第2の支持部材14に対して平行な状態で挟持することができる。
したがって、挟持装置64は、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20との距離L3から第1の支持部材12と第2の支持部材14とが対向した際の距離L1までの大きさに相当する厚さの挟持対象物すなわちプローブカード28に対応して確実に挟持することができる。
また、第1の厚み吸収部材18及び第2の厚み吸収部材20は、回動軸68、76を回動支点としてそれぞれ第1の支持部材12及び第2の支持部材14に対して回動可能に構成されている。このため、図示しないが、厚さが均一でない挟持対象物、例えばX軸方向において一方の端部の厚さが他方の端部の厚さよりも厚い挟持対象物を第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20とで挟持する際、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20とは、それぞれ前記挟持対象物の一方の面及び他方の面と面接触するように回動し、前記挟持対象物を確実に挟持することができる。
<<<第2の実施例の変更例>>>
(1)本実施例では、第1付勢部材48、第2付勢部材58、第3付勢部材72及び第4付勢部材80の付勢力を同じ構成としたが、異なる構成としてもよい。
(2)第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20との距離L3は、0として構成してもよい。すなわち、外力が作用しない状態において、第1の厚み吸収部材18と第2の厚み吸収部材20とは、互いに対向するとともに面接触する構成としてもよい。
<<<第3の実施例>>>
図5、図6(A)、図6(B)及び図7を参照して、第3の実施例に係る挟持装置82について説明する。第3の実施例に係る挟持装置82は、第1の厚み吸収部材84及び第2の厚み吸収部材86の中央部にそれぞれ回動支点が設けられ、各回動支点は第1の支持部材12及び第2の支持部材14に対して接離する方向へ変位可能であり、第1の厚み吸収部材18及び第2の厚み吸収部材20の両端部を自由端として構成した点で第1の実施例と異なる。
第1の支持部材12のX軸方向における中央部には、対向する第2の支持部材14の側に向かって延びる案内部88が設けられている。案内部88には、第1の厚み吸収部材84に設けられた回動軸90が案内部88に沿って第1の支持部材12に対して接離する方向(図5においてZ軸方向)に変位可能に取り付けられている。さらに、第1の厚み吸収部材84は、案内部88に取り付けられた回動軸90を回動支点として第1の支持部材12に対して回動可能である。
また、第1の厚み吸収部材84の両端部84a、84bは自由端として構成されている。また、第1の支持部材12には、X軸方向において回転軸16側の一方の端部84aと対向する位置に付勢部材支持部92が設けられている。一方の端部84aと付勢部材支持部92とは第1付勢部材94により接続されている。
同様に、第1の支持部材12には、X軸方向において回転軸16と反対の側の他方の端部84bと対向する位置に付勢部材支持部96が設けられている。他方の端部84bと付勢部材支持部96とは第1付勢部材98により接続されている。したがって、第1の厚み吸収部材84は、第1付勢部材94、98により対向する第2の厚み吸収部材86に向けて付勢されている。
このため、第1の厚み吸収部材84は第1の支持部材12に対して接離する方向に変位可能であるだけでなく、第1の支持部材12に対して回動軸90を回動支点として回動可能である。
第2の支持部材14のX軸方向における中央部には、対向する第1の支持部材12の側に向かって延びる案内部100が設けられている。案内部100には、第2の厚み吸収部材86に設けられた回動軸102が案内部100に沿って第2の支持部材14に対して接離する方向(図5においてZ軸方向)に変位可能に取り付けられている。さらに、第2の厚み吸収部材86は、案内部100に取り付けられた回動軸102を回動支点として第2の支持部材14に対して回動可能である。
また、第2の厚み吸収部材86の両端部86a、86bは自由端として構成されている。また、第2の支持部材14には、X軸方向において回転軸16側の一方の端部86aと対向する位置に付勢部材支持部104が設けられている。一方の端部86aと付勢部材支持部104とは第2付勢部材106により接続されている。
同様に、第2の支持部材14には、X軸方向において回転軸16と反対の側の他方の端部86bと対向する位置に付勢部材支持部108が設けられている。他方の端部86bと付勢部材支持部108とは第2付勢部材110により接続されている。したがって、第2の厚み吸収部材86は、第2付勢部材106、110により対向する第1の厚み吸収部材84に向けて付勢されている。尚、本実施例では、第1付勢部材94の付勢力、第1付勢部材98の付勢力、第2付勢部材106の付勢力及び第2付勢部材110の付勢力は同じ大きさの力に設定されている。
このため、第2の厚み吸収部材86は第2の支持部材14に対して接離する方向に変位可能であるだけでなく、第2の支持部材14に対して回動軸102を回動支点として回動可能である。また、第1の厚み吸収部材84と第2の厚み吸収部材86とは互いに平行に距離L4をおいて対向している。
また、図6(A)におけるプローブカード28の厚さをt7とし、図6(B)におけるプローブカード28の厚さをt8とした際、図6(A)及び図6(B)に示すように厚さが異なるプローブカード28においても、プローブカード28の一方の面28a及び他方の面28bのそれぞれが、第1の厚み吸収部材84及び第2の厚み吸収部材86とそれぞれ面接触する。
さらに、第1の厚み吸収部材84及び第2の厚み吸収部材86は、プローブカード28を第1の支持部材12及び第2の支持部材14に対して平行な状態を保持することができる。すなわち、挟持装置82は、プローブカード28すなわち挟持対象物の厚みが均一である際、前記挟持対象物を第1の支持部材12及び第2の支持部材14に対して平行な状態で挟持することができる。
したがって、挟持装置84は、第1の厚み吸収部材84と第2の厚み吸収部材86との距離L4から図6(B)に示すように第1の厚み吸収部材84と第2の厚み吸収部材86との距離L5(t8)までの大きさに相当する厚さの挟持対象物すなわちプローブカード28に対応して確実に挟持することができる。
また、第1の厚み吸収部材84及び第2の厚み吸収部材86は、回動軸90、102を回動支点としてそれぞれ第1の支持部材12及び第2の支持部材14に対して回動可能に構成されている。このため、図7に示すように、厚さが均一でない挟持対象物(プローブカード)28、例えばX軸方向において回転軸16側の一方の端部の厚さt9が他方の端部の厚さt10よりも厚い挟持対象物(プローブカード)28を第1の厚み吸収部材84と第2の厚み吸収部材86とで挟持する際、第1の厚み吸収部材84と第2の厚み吸収部材86とは、それぞれ挟持対象物(プローブカード)28の一方の面28a及び他方の面28bと面接触するように回動し、挟持対象物(プローブカード)28を確実に挟持することができる。
<<<第3の実施例の変更例>>>
(1)本実施例では、第1付勢部材94、98及び第2付勢部材106、110の付勢力を同じ構成としたが、異なる構成としてもよい。
(2)第1の厚み吸収部材84と第2の厚み吸収部材86との距離L4は、0として構成してもよい。すなわち、外力が作用しない状態において、第1の厚み吸収部材84と第2の厚み吸収部材86とは、互いに対向するとともに面接触する構成としてもよい。
<<<第1の実施例ないし第3の実施例の変更例>>>
(1)滑り止め部42、52は、本実施例においてゴム部材として構成したが、摩擦係数の高い材質で構成してもよい。また、滑り止め部42、52を平面状に構成することに代えて、凹凸等の形状に形成し、滑り止めの効果を高める構成としてもよい。
(2)本実施例では、第1の支持部材12及び第2の支持部材14を回転軸16を回動支点として回動する構成としたが、この構成に代えて、互いに対向する第1の支持部材12及び第2の支持部材14のいずれか一方あるいは両方に、第1の支持部材12と第2の支持部材14とを接離させる方向例えばZ軸方向に変位させる直線移動機構を備える構成としてもよい。
(3)本実施例では、第1の支持部材12及び第2の支持部材14を枠状体として構成したが、板状部材として構成してもよい。
(4)本実施例では、反転対象物をプローブカード28としたが、反転対象物はプローブカード28に限定されない。
(5)第1付勢部材48、94、98及び第2付勢部材58、106、110を本実施例ではコイルばねとして構成したが、この構成に代えて、油圧、空圧、機械力等による付勢力を備える部材として構成してもよい。
上記説明をまとめると本実施例の挟持装置10、64、84は、互いに接離可能な第1の支持部材12と第2の支持部材14とを備え、両支持部材12、14が接近することでプローブカード28を挟持する挟持装置であって、第1の支持部材12は、第2の支持部材14と対向する側に第1の厚み吸収部材18、84を備え、第1の厚み吸収部材18、84は、対向する第2の支持部材14に向けて弾性力により付勢され、第2の支持部材14は、第1の支持部材12と対向する側に第2の厚み吸収部材20、86を備え、第2の厚み吸収部材20、86は、対向する第1の支持部材12に向けて弾性力により付勢され、第1の厚み吸収部材18、84と第2の厚み吸収部材20、86とは、プローブカード28を前記弾性力により押圧して挟持する。
第1の厚み吸収部材18は、第1の支持部材12に回動支点44、68を有して回動可能に取り付けられ、第2の厚み吸収部材20は、第2の支持部材14に回動支点54、76を有して回動可能に取り付けられ、第1の厚み吸収部材18の自由端18bを第2の支持部材14に向かう方向へ前記弾性力により付勢する第1付勢部材48と、第2の厚み吸収部材20の自由端20bを第1の支持部材12に向かう方向へ前記弾性力により付勢する第2付勢部材58とを備えている。第1の厚み吸収部材18及び第2の厚み吸収部材20の各回動支点44、54、68、76及び自由端18b、20bが点対称に配置されている。
第1付勢部材48は、第1の厚み吸収部材18を回動の半径方向外側すなわち−X方向側へと付勢し、第2付勢部材58は、第2の厚み吸収部材20を前記回動の半径方向外側すなわち+X方向側へと付勢する。
第1付勢部材48は、一端48aが第1の厚み吸収部材18の自由端18bに接続され、他端48bが第1の支持部材12において第1の厚み吸収部材18の自由端18bより回動の半径方向外側の位置すなわち−X方向側で第1の支持部材12と接続され、
第2付勢部材58は、一端58aが第2の厚み吸収部材20の自由端20bに接続され、他端58bが第2の支持部材14において第2の厚み吸収部材20の自由端20bより前記回動の半径方向外側の位置すなわち+X方向側で第2の支持部材14と接続され、第1付勢部材48の一端48aは、第1の支持部材12における第2の支持部材14と対向する側と反対の側に位置し、前記第2付勢部材58の一端58aは、第2の支持部材14における第1の支持部材12と対向する側と反対の側に位置している。
第1の厚み吸収部材18の回動支点68は第1の支持部材12に対して接離する方向に移動可能に構成され、第2の厚み吸収部材20の回動支点76は第2の支持部材14に対して接離する方向に移動可能に構成されている。
第1の厚み吸収部材84は、第1の支持部材12に該第1の支持部材12に向かって移動可能な回動支点90を有して回動可能に取り付けられ、第2の厚み吸収部材86は、第2の支持部材14に該第2の支持部材14に向かって移動可能な回動支点102を有して回動可能に取り付けられ、第1の厚み吸収部材84及び第2の厚み吸収部材86は、前記回動支点90、102の両側に自由端84a、84b、86a及び86bを備え、第1の支持部材12に対して回動する第1の厚み吸収部材84の自由端84a、84bを第2の支持部材14に向かう方向へ前記弾性力により付勢する第1付勢部材94、98と、第2の支持部材14に対して回動する第2の厚み吸収部材86の自由端86a、86bを第1の支持部材12に向かう方向へ前記弾性力により付勢する第2付勢部材106、110とを備えている。
第1の支持部材12と第2の支持部材14とは、一方が他方に対して回動することにより接離方向に変位する。第1の支持部材12と第2の支持部材14とは、枠状体であり、互いに対向する一対の辺40、50にそれぞれ第1の厚み吸収部材18、84及び第2の厚み吸収部材20、86を備えている。第1の厚み吸収部材18、84及び第2の厚み吸収部材20、86は、互いに対向する面に挟持対象物を保持するための滑り止め部42、52が設けられている。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。