この反転装置では、互いに対向する一対の支持部材に挟持された反転対象物を駆動モーターの駆動軸を回動支点として、該駆動モーターの駆動力により前記回転軸の周囲に反転対象物を回動させて前記反転対象物の一方の面を反転させている。
しかし、この反転装置では、駆動モーター等の駆動手段を必要とすることから装置が大型化し、該装置の価格が高くなる等の問題がある。このため、前記駆動手段を必要としない反転対象物の反転装置が望まれていた。
例えば、前記駆動手段を用いずに作業者が人力で容易に反転対象物を反転させることができる反転装置を図12(A)に示す。反転装置100は、Z軸方向において互いに対向する一対の支持部材102、104を備えている。支持部材102と104とは、X軸方向における一端側がヒンジ106により回動可能に連結されている。このため、互いに対向する支持部材102、104の一方は、他方に対して接離可能である。
また、ヒンジ106は回転軸108を備えている。支持部材102、104は、回転軸108を回動支点として回転軸108の周囲を回動可能に構成されている。また、支持部材102と104との間に反転対象物110を挟持し、図示しない保持手段で反転対象物110を支持部材102、104により挟持した状態を保持することができる。
さらに、支持部材102、104の一端側にはそれぞれ重り部材112、114が取り付けられている。重り部材112の重量及び重り部材114の重量は、それぞれ反転対象物110の半分の重量に設定されている。すなわち、重り部材112及び重り部材114の合計重量は、反転対象物110の重量と等しく設定されている。
このため、支持部材102及び支持部材104に挟持された反転対象物110を反転させるために回転軸108の周囲を回動させる際、反転対象物110の重量は重り部材112及び重り部材114の合計重量により相殺される。その結果、反転装置100では、反転対象物110を反転させる際、支持部材102、104の重量のみが作用することから駆動モーター等の動力を使用せずに小さい力すなわち人力でも反転させることが可能となる。
ところで、この反転装置100では、反転対象物110を反転させて水平状態にした後、図示しない保持手段を解除することにより支持部材102と支持部材104とを離間可能状態とする。この際、支持部材102、104の重量に対して重り部材112、114の重量の方が重いことから、図12(B)において図示しない保持手段を解除すると、反転対象物110の上方側に位置する支持部材102が重り部材112の重さにより回転軸108を回動支点として急激に上方へ回動することとなる。
その結果、支持部材102、104の急激な回動により支持部材102、104の回動終了時に反転装置100に与える衝撃により反転対象物110が損傷する虞がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、反転対象物を反転させる際に必要な力を低減するとともに急激な回動の発生を防止することができる反転装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様の反転装置は、反転対象物を回転軸を回動支点として回動させて反転させる反転装置であって、前記回転軸を回動支点として回動可能な第1の支持部材と、前記第1の支持部材とともに前記反転対象物を挟んだ状態で保持し、前記回転軸を回動支点として回動可能な第2の支持部材と、前記回転軸に対して前記第1の支持部材と反対の側に位置する、前記第1の支持部材と釣り合う重量である第1の重り部材と、前記回転軸に対して前記第2の支持部材と反対の側に位置する、前記第2の支持部材と釣り合う重量である第2の重り部材と、前記回転軸に対して前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材に挟持された前記反転対象物と反対の側に位置する、前記反転対象物と釣り合う重量である第3の重り部材とを備えることを特徴とする。
本態様によれば、第1の支持部材及び第2の支持部材がそれぞれ第1の重り部材及び第2の重り部材と回転軸を支点として同重量で釣り合っていることから、重量バランスの不釣り合いによる急激な回動などの予期しない回動を防止することができる。その結果、反転対象物の破損の虞をなくす、或いは小さくすることができる。さらに、第1の支持部材、第2の支持部材及び反転対象物と第1の重り部材、第2の重り部材及び第3の重り部材とが回転軸を支点として同重量で構成されていることから、互いに回転軸を支点として重量が相殺され、反転対象物を回転軸回りに反転させる際に必要な力を低減することができる。
尚、本明細書において「釣り合う重量」とは第1の重り部材、第2の重り部材及び第3の重り部材が第1の支持部材、第2の支持部材及び反転対象物と厳密に同重量である必要はなく、回転軸を回動支点として第1の支持部材及び第2の支持部材が急激な回動を生じさせないように第1の重り部材、第2の重り部材及び第3の重り部材が第1の支持部材、第2の支持部材及び反転対象物と重量バランスが取れている範囲内の重量も含んでいる。
本発明の第2の態様の反転装置は、第1の態様において、前記第1の重り部材と前記第2の重り部材とは、互いに対向し、前記第3の重り部材は、前記第1の重り部材と前記第2の重り部材との間に位置し、前記第3の重り部材の一端部は前記回転軸に回動可能に取り付けられ、前記第3の重り部材の他端部には前記回転軸の軸線方向に沿って突出するロッドを備え、前記反転対象物が前記回転軸を中心に回動する際、前記ロッドが重力方向において前記第3の重り部材の下方に位置する前記第1の重り部材又は前記第2の重り部材と当接し、前記第3の重り部材の姿勢を保持することを特徴とする。
反転対象物を反転させる際、第3の重り部材においてその姿勢が保持されない場合、第3の重り部材の重量が、回転軸を介して第1の支持部材、第2の支持部材及び反転対象物に作用しなくなる。その結果、作業者が反転対象物を反転させるために、第3の重り部材の重量の分だけ余計な力が必要となる。
本態様によれば、反転対象物を反転させる際、第3の重り部材が第1の重り部材又は第2の重り部材によりその姿勢を保持されることになる。これにより、第3の重り部材の重量が回転軸を介して第1の支持部材、第2の支持部材及び反転対象物に作用する。その結果、第1の支持部材、第2の支持部材及び反転対象物と第1の重り部材、第2の重り部材及び第3の重り部材との重量バランスが維持される。その結果、反転対象物を回転軸回りに反転させる際に必要な力を低減することができる。
本発明の第3の態様の反転装置は、第1の態様または第2の態様において、前記第1の重り部材は、第1の基端部と、該第1の基端部に対して変位可能な第1の先端部とを備え、前記第1の先端部は、互いに対向する前記第2の重り部材の側に変位可能であり、前記反転対象物が前記回転軸を支点として回動する際、前記第1の先端部が、重力方向において下方に位置する前記第2の重り部材の側に変位し、前記第2の重り部材は、第2の基端部と、該第2の基端部に対して変位可能な第2の先端部とを備え、前記第2の先端部は、互いに対向する前記第1の重り部材の側に変位可能であり、前記反転対象物が前記回転軸を支点として回動する際、前記第2の先端部が、重力方向において下方に位置する前記第1の重り部材の側に変位することを特徴とする。
本態様において、第1の先端部が対向する第2の重り部材に向けて変位する際、回転軸を中心とした半径方向において第1の先端部が第3の重り部材の前記ロッドより内側で変位するように構成することにより、第1の先端部が第3の重り部材の前記ロッドと干渉することを防止することができる。同様に第2の先端部が対向する第1の重り部材に向けて変位する際、回転軸を中心とした半径方向において第2の先端部が第3の重り部材の前記ロッドより内側で変位するように構成することにより、第2の先端部が第3の重り部材の前記ロッドと干渉することを防止することができる。
また、本態様によれば、第1の先端部が第2の重り部材の側に変位することにより、回転軸からの第1の重り部材の長さが短くなることから第1の重り部材の回転モーメントが小さくなる。このため、第1の重り部材の回転モーメントは第1の支持部材の回転モーメントより小さくなる。同様に、第2の先端部が第1の重り部材の側に変位することにより、回転軸からの第2の重り部材の長さが短くなることから第2の重り部材の回転モーメントが小さくなる。このため、第2の重り部材の回転モーメントは第2の支持部材の回転モーメントより小さくなる。
これにより、反転対象物を反転させる過程において、反転対象物を垂直状態から水平状態に変位させる際、第1の支持部材及び第2の支持部材の回転モーメントが第1の重り部材及び第2の重り部材の回転モーメントより大きいことから、自然に水平状態に変位しようとする。
本発明の第4の態様の反転装置は、第1から第3のいずれか一の態様において、前記第1の重り部材が水平状態にある際、前記第1の重り部材の一部の重量が前記第1の支持部材に作用し、前記第2の重り部材が水平状態にある際、前記第2の重り部材の一部の重量が前記第2の支持部材に作用することを特徴とする。
本態様によれば、反転対象物が水平状態に位置し、第1の支持部材が反転対象物の重力方向上側に位置する際、第1の重り部材の一部の重量が第1の支持部材に作用することから第1の支持部材の重量が第1の重り部材より重くなり、重力方向上側に位置する第1の支持部材が反転対象物に対して接触した状態を維持することができる。すなわち、重力方向上側に位置する第1の支持部材が反転対象物から予期せずに離間することを防止することができる。
また、反転対象物が水平状態に位置し、第2の支持部材が反転対象物の重力方向上側に位置する際、第2の重り部材の一部の重量が第2の支持部材に作用することから第2の支持部材側の重量が第2の重り部材側より重くなり、重力方向上側に位置する第2の支持部材が反転対象物に対して接触した状態を維持することができる。すなわち、重力方向上側に位置する第2の支持部材が反転対象物から予期せずに離間することを防止することができる。これにより、反転対象物の破損の虞をなくす、あるいは小さくすることができる。
尚、本明細書において「水平状態」とは、厳密に水平状態にある必要は無く、第1の支持部材を第2の支持部材に対して離間する方向に回動させた状態あるいは第2の支持部材を第1の支持部材に対して離間する方向に回動させた状態において第1の支持部材又は第2の支持部材が該第1の支持部材又は第2の支持部材の上に反転対象物を載置可能に傾いている状態も含んでいる。
本発明の第5の態様の反転装置は、第1から第4のいずれか一の態様において、前記第1の重り部材の重量は、前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材が水平状態にある際、重力方向上側に位置する前記第1の支持部材が重力方向下側に位置する前記第2の支持部材に対して閉じた状態を保持するように設定され、前記第2の重り部材の重量は、前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材が水平状態にある際、重力方向上側に位置する前記第2の支持部材が重力方向下側に位置する前記第1の支持部材に対して閉じた状態を保持するように設定されていることを特徴とする。
本態様によれば、第1の支持部材が重力方向下側に位置する第2の支持部材に対して閉じた状態を保持するように第1の重り部材の重量が設定されていることから、自然に第1の支持部材が第2の支持部材に対して離間することがない。また、第2の支持部材も重力方向下側に位置する第1の支持部材に対して閉じた状態を保持するように第2の重り部材の重量が設定されていることから、自然に第2の支持部材が第1の支持部材に対して離間することがない。このため、本態様の反転装置において、第1の支持部材は対向する第2の支持部材から、又は第2の支持部材は対向する第1の支持部材から不用意に離間して反転対象物を破損させる虞や作業者を負傷させる虞がなく、或いはその虞を少なくすることができる。
本発明の第6の態様の反転装置は、第1の態様において、前記第3の重り部材は前記回転軸に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
本態様によれば、第3の重り部材は着脱可能に構成されていることから、反転対象物の重量に対応した重量の第3の重り部材を用意し、反転対象物に対応して第3の重り部材を変更することができる。
本発明の第7の態様の反転装置は、第1の態様において、前記第3の重り部材は重量を調整可能に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、第3の重り部材の重量を調整可能に構成することにより、様々な重量の反転対象物に対応することができる。
本発明の第8の態様の反転装置は、第1から第7のいずれか一の態様において、前記第1の支持部材が水平状態にある際、重力方向下側に位置する前記第1の支持部材をロックする、解除可能な第1のロック機構を備え、前記第2の支持部材が水平状態にある際、重力方向下側に位置する前記第2の支持部材をロックする、解除可能な第2のロック機構を備えることを特徴とする。
本態様によれば、第1の支持部材が水平状態にある際、重力方向下側に位置する第1の支持部材を第1のロック機構により解除可能にロックすることにより、反転対象物を取り外した際に第3の重り部材の重量が作用している第1の支持部材の浮き上がりを防止することができる。同様に第2の支持部材の浮き上がりも第2のロック機構により防止することができる。
本発明の第9の態様の反転装置は、第1から第8のいずれか一の態様において、前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材を回動途中で任意の位置で保持する保持機構を備えることを特徴とする。
本態様によれば、第1の支持部材及び第2の支持部材を回動途中で保持する挟持保持機構により反転対象物の姿勢を任意の位置で保持することができ、反転対象物に対して行う作業等の作業性を向上させることができる。
本発明の第10の態様の反転装置は、第1から第9のいずれか一の態様において、前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材は、作業者の力によって回動されることを特徴とする。
本態様によれば、第1の支持部材、第2の支持部材及び反転対象物と第1の重り部材、第2の重り部材及び第3の重り部材との重量バランスが回転軸対称となることから、小さな力で反転対象物を反転させることができる。また、駆動モーター等の駆動手段を使用しないことから、反転装置の構成を簡便にすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施例において同一の構成については、同一の符号を付し、最初の実施例においてのみ説明し、以後の実施例においてはその構成の説明を省略する。
<<<第1の実施例>>>
図1、図2、図4(A)、図4(B)及び図6(A)を参照して、反転装置10の構成要素について説明する。反転装置10は、第1の支持部材12と、第2の支持部材14と、第1の重り部材16と、第2の重り部材18(図4(B)参照)と、第3の重り部材20と、回転軸22とを備えている。反転装置10は、台車26の上部に設置され、移動可能に構成されている。尚、図2ないし図11において、説明のために台車26の図示を省略している。
回転軸22は、その両端部がそれぞれ回転軸支持部材24に挿入され、該回転軸支持部材によって支持されている。回転軸支持部材24は台車26の上部に取り付けられている。
第1の支持部材12は枠状体として構成されている。X軸方向(図1参照)において対向する一対の辺のうち一方の辺28は、回転軸22に回動可能に取り付けられている。すなわち、第1の支持部材12は、回転軸22を回動支点として回転軸22の回りを回動する。他方の辺30には、第1の支持部材12と第2の支持部材14とを両支持部材の間に「反転対象物」としてのプローブカード32を挟持した状態で保持する挟持保持機構34のフック部36を備えている。
さらに、第1の支持部材12は、Y軸方向(図1参照)において対向する一対の辺38にそれぞれ第1の挟持部材40を備えている。第1の挟持部材40は、図1においてX軸方向に延びている。第1の挟持部材40には、図1における+X方向側に位置する一端部40aに回動軸42が設けられている。回動軸42は第1の支持部材12に取り付けられている。また、第1の挟持部材40の図1における−X方向側に位置する他端部40bは自由端として構成されている。これにより、第1の挟持部材40は、第1の支持部材12に対して回動軸42を支点に回動可能である。
さらに他端部40bと第1の支持部材12とは、図6(A)に示すように第1のばね部材44により連結されている。図6(A)において第1のばね部材44は第1の挟持部材40を該第1の狭持部材40と対向する、後述する第2の挟持部材46に向けて付勢している。
また、第1の支持部材12の対向する一対の辺38には、台車26と対向する側に台車26に対して第1の支持部材12を解除可能にロックする第1のロック機構48が設けられている。第1のロック機構48は、図1において水平状態にある際、第1の支持部材12を台車26にロックし、第1の支持部材12を前記水平状態に保持する。
再度図1を参照して、第2の支持部材14は、枠状体として構成されている。X軸方向(図1参照)において対向する一対の辺のうち一方の辺50は、回転軸22に回動可能に取り付けられている。すなわち、第2の支持部材14は、回転軸22を回動支点として回転軸22の回りを回動する。
また、第2の支持部材14の他方の辺52には、第1の支持部材12と第2の支持部材14とをその間に反転対象物すなわちプローブカード32を挟持した状態で保持する挟持保持機構34のフック保持部54を備えている。
さらに、第2の支持部材14は、Y軸方向(図1参照)において対向する一対の辺56にそれぞれ第2の挟持部材46を備えている。第2の挟持部材46には、X軸方向に延びるとともに図1における+X方向側に位置する一端部46aに回動軸58が設けられている。回動軸58は第1の支持部材12に取り付けられている。また、第2の挟持部材46の図1における−X方向側に位置する他端部46bは自由端として構成されている。これにより、第2の挟持部材46は、第2の支持部材14に対して回動軸58を支点に回動可能である。
さらに他端部46bと第2の支持部材14とは、図6(A)に示すように第2のばね部材60により連結されている。図6(A)において第2のばね部材60は第2の挟持部材46を対向する第1の挟持部材40に向けて付勢している。
また、第2の支持部材14の対向する一対の辺56には、台車26と対向する側に台車26に対して第2の支持部材14を解除可能にロックする第2のロック機構62が設けられている。第2のロック機構62は、図1において水平状態にある際、第2の支持部材14を台車26にロックし、第2の支持部材14を前記水平状態に保持する。
また、第1の支持部材12と第2の支持部材14とは、互いに対向する状態すなわち閉じている状態(図2参照)と、第1の支持部材12及び第2の支持部材14の一方が他方に対して離間する方向に回動させて離間した状態すなわち開いた状態(図1参照)とを取り得る。また、第1の支持部材12と第2の支持部材14とが前記閉じている状態にあるとき、第1の支持部材12に設けられた挟持保持機構34のフック部36と第2の支持部材14に設けられた挟持保持機構34のフック保持部54とが解除可能に掛合する。
図2及び図4(B)を参照して、第1の支持部材12の一方の辺28におけるY軸方向の両端部には、第1の重り部材16が取り付けられている。第1の重り部材16は、X軸方向において+X方向側に位置する一方の辺28から回転軸22を超えて−X方向側に延びている(図4(B)参照)。第1の重り部材16の重量は、第1の支持部材12と回転軸22を支点として釣り合う重量に設定されている。
第1の重り部材16は、第1の支持部材12に取り付けられている第1の基端部16aと、該第1の基端部16aに対して変位可能な第1の先端部16bとを備えている。第1の基端部16aの一端部は一方の辺28に固定され、他方の辺は回転軸22を超えて図4(B)において−X方向に延びている。すなわち、第1の基端部16aは、その一部がX軸方向において図4(B)において回転軸22の+X方向側に位置し、残りの部分がX軸方向において回転軸22の−X方向側に位置している。
また、第1の基端部16aと第1の先端部16bとは図6(A)に示すように蝶番64によって接続されている。第1の先端部16bは、蝶番64により一方向にのみ変位する。すなわち、第1の支持部材12と第2の支持部材14とが閉じている状態にある際、第1の先端部16bは、第1の重り部材16と対向する、後述する第2の重り部材18の側にのみ変位するように構成されている。
また、第2の支持部材14の一方の辺50におけるY軸方向の両端部には、第2の重り部材18が取り付けられている。第2の重り部材18は、X軸方向において−X方向側に位置する一方の辺50から回転軸22を超えて+X方向側に延びている(図2及び図8参照)。第2の重り部材18の重量は、第2の支持部材14と回転軸22を支点として釣り合う重量に設定されている。また、第2の重り部材18は、Y軸方向において第1の重り部材16より内側の位置に配置されている(図4(B)参照)。
第2の重り部材18は、第2の支持部材14に取り付けられている第2の基端部18aと、該第2の基端部18aに対して変位可能な第2の先端部18bとを備えている。第2の基端部18aの一端部は一方の辺50に固定され、他端部は回転軸22を超えて図8に示すように他方の辺52と反対の側すなわち+X方向に延びている。したがって、第2の基端部18aは、その一部が図8におけるX軸方向において回転軸22の−X方向側に位置し、残りの部分がX軸方向において回転軸22の+X方向側に位置している。
また、第2の基端部18aと第2の先端部18bとは図6(A)に示すように蝶番64によって接続されている。第2の先端部18bは、蝶番64により一方向にのみ変位する。すなわち、第1の支持部材12と第2の支持部材14とが閉じている状態にある際、第2の先端部18bは、図6(A)に示すように第1の重り部材16の側にのみ変位するように構成されている。
図3を参照して、第3の重り部材20について説明する。第3の重り部材20の一端部20aは回転軸22に対して回動可能に回転軸22に取り付けられている。また、他端部20bには、回転軸22の軸線方向に沿って第3の重り部材20から突出する一対のロッド66を備えている。第3の重り部材20の重量は、プローブカード32(図1参照)と回転軸22を支点として釣り合う重量に設定されている。
次いで図4(A)、図4(B)、図5(A)及び図5(B)を参照して、反転装置10において反転対象物すなわちプローブカード32(図1参照)の一方の面32aと他方の面32bとを反転させる手順について説明する。尚、図4(A)、図4(B)、図5(A)及び図5(B)において、プローブカード32の図示は省略されている。
図4(A)において、第1の支持部材12と第2の支持部材14とは開いた状態にある。この状態において、第1の挟持部材40上に反転対象物であるプローブカード32を載置する(図1参照)。尚、この状態で第1の支持部材12は第1のロック機構48を介して台車26(図1参照)に回動しないように係合されている。
次いで、図4(B)に示すように、第2の支持部材14を回転軸22を回動支点として時計方向に回動させ、第1の支持部材12と対向する位置すなわちZ軸において第1の支持部材12の上方の位置まで回動させる。この状態において、プローブカード32は、第1の挟持部材40と第2の挟持部材46との間に挟まれて挟持される。
そして第1の支持部材12及び第2の支持部材14にそれぞれ設けられた挟持保持機構34のフック部36とフック保持部54とを掛合させて、第1の支持部材12と第2の支持部材14とが離間しないように保持する。すなわち、第1の支持部材12と第2の支持部材14とが一体化される。したがって、第1の支持部材12と第2の支持部材14とによりプローブカード32が挟持され、保持された状態となる。
その後、第1の支持部材12の第1のロック機構48のロックを解除し、第1の支持部材12と台車26との係合を解除する。そして、一体化された第1の支持部材12、プローブカード32及び第2の支持部材14を図4(B)の状態から図5(A)に示すように回転軸22を回動支点として反時計方向へ回動させる。第1の支持部材12、プローブカード32及び第2の支持部材14を回動させる際、第1の重り部材16、第2の重り部材18及び第3の重り部材20の重量がそれぞれ第1の支持部材12、第2の支持部材14及びプローブカード32の重量と釣り合っていることから、回転軸22を介して互いの重量が相殺される。
これにより、一体化された第1の支持部材12、プローブカード32及び第2の支持部材14を回動させる力を低減することができる。すなわち、作業者は一体化された第1の支持部材12、プローブカード32及び第2の支持部材14を容易に回動させることができる。
さらに図5(A)から図5(B)に示す位置まで反時計方向に一体化された第1の支持部材12、プローブカード32及び第2の支持部材14を回動させる。これにより、プローブカード32のZ軸方向における一方の面32aと他方の面32bとが反転された状態となる。この状態において、第2の支持部材14は、該第2の支持部材の第2のロック機構62を台車26と係合させることにより、台車26に対して固定される。
そして、第1の支持部材12及び第2の支持部材14にそれぞれ設けられた挟持保持機構34のフック部36とフック保持部54との掛合を解除する。このとき、図5(B)におけるZ軸方向において上方側に位置する第1の支持部材12は、回転軸22を介して反対側に位置する第1の重り部材16と重量が釣り合っている。このため、第1の支持部材12は、挟持保持機構34の保持状態を解除した際、回転軸22を回動支点として時計方向に急激に回動することがない。
図5(B)における状態から、回転軸22を回動支点として第1の支持部材12を第2の支持部材14から離間する方向すなわち時計方向に回動させる。そして、第1の支持部材12をX軸方向において回転軸22を介して第2の支持部材14と反対の位置まで回動させる。すなわち、第1の支持部材12と第2の支持部材14とは前記開いた状態となる。そして、第2の挟持部材46上に載置され、Z軸方向において一方の面32aと他方の面32bとが反転されたプローブカード32を第2の挟持部材46から取り外すことで反転作業を終了する。
次いで、図6(A)、図6(B)、図7(A)、図7(B)及び図8を参照して、反転対象物であるプローブカード32の反転作業における第1の重り部材16、第2の重り部材18及び第3の重り部材20の姿勢と変位について説明する。
図6(A)を参照するに、第1の支持部材12と第2の支持部材14とはプローブカード32を挟持した状態すなわち閉じている状態にある。第1の支持部材12は水平状態にある。このとき、第1の支持部材12に取り付けられている第1の重り部材16の一部、正確には第1の基端部16aの一部が、X軸方向において回転軸22より+X側の位置にある。
このため、第1の支持部材12が水平状態である際、第1の重り部材16の重量の一部は、第1の支持部材12に作用している。すなわち、第1の支持部材12が水平状態にある際、回転軸22を支点とする重量の釣り合いにおいて、図6(A)における−X側に位置する第1の重り部材16と+X側に位置する第1の支持部材12とでは、第1の支持部材12側の方が重くなる。
また、図6(A)において、第1の重り部材16の第1の先端部16bは、第3の重り部材20のロッド66と係合している。すなわち、第3の重り部材20の重量がロッド66と係合する第1の先端部16bを介して第1の支持部材12に作用する。尚、第1の支持部材12にプローブカード32が載置される前の状態では、第1の支持部材12に対して第1の重り部材16及び第3の重り部材20の合計重量が作用する。このため、重量の不釣合いにより第1の支持部材12が反時計方向に回動することを防止するため、第1の支持部材12を第1のロック機構48により台車26にロックする必要がある。
また、図6(A)において第1の支持部材12の上方に位置する第2の支持部材14も水平状態にある。このとき、第2の支持部材14に取り付けられている第2の重り部材18の一部、正確には第2の基端部18aの一部が、X軸方向において回転軸22より+X側の位置にある。
このため、第2の支持部材14が水平状態である際、第2の重り部材18の重量の一部は、第2の支持部材14に作用している。すなわち、第2の支持部材14が水平状態にある際、回転軸22を支点とする重量の釣り合いにおいて、図6(A)における−X側に位置する第2の重り部材18と+X側に位置する第2の支持部材14とでは、第2の支持部材14側の方が重くなる。
したがって、第2の支持部材14は水平状態すなわちプローブカード32を押圧した状態を維持する。すなわち、第2の支持部材14は、プローブカード32から離間する方向に外力が作用しない限り回動することがない。
また、第2の先端部18bは、蝶番64を介してZ軸方向−Z方向すなわち第1の重り部材16の側へと折れ曲がった状態、すなわち第2の基端部18aに対して変位している。このため、回転軸22からの第2の重り部材18の長さが短くなることから第2の重り部材18の回転モーメントは小さくなる。このため、第2の重り部材18の回転モーメントは第2の支持部材14の回転モーメントより小さくなる。
図6(A)において、第1の支持部材12に作用する第3の重り部材20の重量は、第1の支持部材12上に載置されるプローブカード32の重量と相殺される。また、図6(A)における回転軸22を支点とするX軸方向における重量バランスは、第1の支持部材12及び第2の支持部材14側の方が重い。これにより、第1のロック機構48による第1の支持部材12と台車26とのロックを解除しても第1の支持部材12、第2の支持部材14及びプローブカード32は、水平状態を維持する。
次いで、作業者が人力で第1の支持部材12、第2の支持部材14及びプローブカード32を回動させ始め、図6(B)の姿勢へと変化すると、第2の重り部材18において、第2の支持部材14にその重量を作用させていた部分が、X軸方向において回転軸22の−X方向側となる。
このため、第2の重り部材18は、その重量の一部を第2の支持部材14に作用させなくなる。このため、第2の支持部材14と第2の重り部材18とは回転軸22を支点として重量が同じとなり、釣り合う状態となる。さらに回転軸22を支点として第1の支持部材12、第2の支持部材14及びプローブカード32側の重量と第1の重り部材16、第2の重り部材18及び第3の重り部材20側の重量との差が小さくなることから、回動させるための力が図6(A)の状態よりも小さくなる。
次いで図7(A)の状態では、第3の重り部材20と第1の重り部材16の第1の先端部16bとの係合は解除されている。第3の重り部材20は、回転軸22を介して第1の支持部材12、第2の支持部材14及びプローブカード32側へその重量を作用させている。また、第2の重り部材18の第2の先端部18bは、第2の基端部18aに対して変位していない状態すなわち、第2の基端部18aと第2の先端部18bとが直線状に位置している。
尚、回転軸22を中心とした半径方向において、第2の重り部材18の第2の先端部18bが描く変位の軌跡を第3の重り部材20のロッド66が描く変位の軌跡より内側に位置させることにより、第2の先端部18bは半径方向において変位する際、ロッド66と干渉しない。
さらに図7(B)の状態では、第1の重り部材16において、第1の支持部材12がX軸方向において−X側に変位すると、第1の支持部材12にその重量を作用させていた部分がX軸方向において回転軸22のX方向側となる。このため、第1の重り部材16は、その重量の一部を第1の支持部材12に作用させなくなる。このため、第1の支持部材12と第1の重り部材16とは回転軸22を支点として重量が同じとなり、釣り合う状態となる。
また、第1の重り部材16の第1の先端部16bは、第1の基端部16aに対して変位する。すなわち、第1の先端部16bは、対向する第2の重り部材18に向けて変位する。このため、回転軸22からの第1の重り部材16の長さが短くなることから第1の重り部材16の回転モーメントは小さくなる。このため、第1の重り部材16の回転モーメントは第1の支持部材12の回転モーメントより小さくなる。このため、第1の支持部材12及び第2の支持部材14の回転モーメントが第1の重り部材16及び第2の重り部材18の回転モーメントより大きくなる。
また、第2の重り部材18は、再度その一部が回転軸22に対して第2の支持部材14側に位置することとなる。このため、第2の重り部材18の一部の重量が第2の支持部材14側に作用させることとなる。このため、回転軸22を支点として第2の支持部材14側の方が重くなることから、一体化された第1の支持部材12、プローブカード32及び第2の支持部材14とは、その重量により自発的に反時計方向に図8の状態となるまで回動する。
尚、第3の重り部材20は第2の重り部材18に向けて変位し、ロッド66が第2の重り部材18の第2の先端部18bと係合する。さらに、回転軸22を中心とした半径方向において、第1の重り部材16の第1の先端部16bが描く変位の軌跡を第3の重り部材20のロッド66が描く変位の軌跡より内側に位置させることにより、第1の先端部16bも半径方向において変位する際、ロッド66と干渉しない。
次いで図8の状態では、第1の重り部材16及び第2の重り部材18はそれぞれ、その一部の重量を第1の支持部材12及び第2の支持部材14に作用させている。このため、図8の状態において、第1の支持部材12と第2の支持部材14との間の挟持保持機構34による保持状態を解除しても、第1の支持部材12は水平状態すなわちプローブカード32を押圧した状態を維持する。すなわち、第1の支持部材12は、プローブカード32から離間する方向に外力が作用しない限り回転軸22を回動支点として回動することがない。
また、第1の先端部16bは、蝶番64を介してZ軸方向−Z方向すなわち第2の重り部材18の側へと折れ曲がった状態すなわち第1の基端部16aに対して変位している。さらに、この状態において第2の重り部材18の第2の先端部18bは、第3の重り部材20のロッド66と係合している。すなわち、第3の重り部材20の重量がロッド66と係合する第2の先端部18bを介して第2の支持部材14に作用する。
尚、この状態において、第2の支持部材14に対して第2の重り部材18及び第3の重り部材20の合計重量が作用する。このため、回転軸22を回動支点として第1の支持部材12をプローブカード32から離間する方向すなわち時計方向に回動させた後、プローブカード32を第2の支持部材14から取り外す際、重量の不釣合いにより第2の支持部材14が時計方向に急激に回動することを防止するため、第2のロック機構62により第2の支持部材14を台車26にロックする必要がある。
<<<第2の実施例>>>
図9を参照して、第2の実施例に係る反転装置68について説明する。第2の実施例に係る反転装置68は、第3の重り部材70が回転軸22に対して着脱可能に構成されている点で第1の実施例と異なる。尚、図9において、説明のため、第1の重り部材16及び第2の重り部材18の図示を省略している。
図9において、第3の重り部材70の一端部70aは、図示しないがコの字状部に形成されている。コの字状の開口部分は、回転軸22を受け入れられる大きさに形成されている。また、第3の重り部材70の一端部70aには、ねじ部材72が設けられている。
ねじ部材72は、前記開口部分に対して進退自在に構成されている。一端部70aに対してねじ部材72を締めた際、ねじ部材72は一端部70aに回転軸22を受け入れることを阻止し、あるいは一端部70aに受け入れられている回転軸22を一端部70aから離脱することを阻止する。また、一端部70aに対してねじ部材72を緩めた際、一端部70aは回転軸22を受け入れることができ、あるいは一端部70aに受け入れられている回転軸22を一端部70aから離脱させることができる。
したがって、第3の重り部材70は、回転軸22に対して着脱可能に取り付けることができる。また、第3の重り部材70は、回転軸22に取り付けられた際、一端部70aに回転軸22を受け入れた状態において該回転軸22を回動支点として回動可能である。
また、反転対象物であるプローブカード32はその種類に応じてプローブカード32の重量が異なる。このため、各プローブカード32の重量に対応した第3の重り部材70を用意し、反転装置68において反転させるプローブカード32の重量に応じて第3の重り部材70を交換することができる。その結果、反転装置68は、複数の種類のプローブカード32に対応することができる。
<<<第3の実施例>>>
図10を参照して、第3の実施例に係る反転装置74について説明する。第3の実施例に係る反転装置74は、第3の重り部材76が重りケースとして構成されている点で第1の実施例と異なる。尚、図10において、説明のため、第1の重り部材16及び第2の重り部材18の図示を省略している。
第3の重り部材76は、重りケースとして構成されている。第3の重り部材76は、箱状に形成されたケース部76aと、ケース部76aにヒンジ等を介して取り付けられた蓋部76bとを備えている。蓋部76bは、ケース部76aに対して開いた状態(図示せず)と閉じている状態(図10参照)を取り得る。ケース部76aに対して蓋部76bを開いた状態(図示せず)とすることにより、ケース部76a内部に所定の単位量の重り(図示せず)を格納することができる。
このため、ケース部76a内部に反転させるプローブカード32の重量に対応する重さの重りを格納することにより、プローブカード32の重量と第3の重り部材76の重量とを回転軸22を支点として釣り合わせることができる。
<<<第4の実施例>>>
図11を参照して、第4の実施例に係る反転装置78について説明する。第1の支持部材12、第2の支持部材14及びプローブカード32を回動途中の任意の位置で保持する機構を備えている点で第1の実施例と異なる。
反転装置78は、第1の支持部材12、第2の支持部材14及びプローブカード32を反転途中の任意の位置で保持する回動位置保持機構80を備えている。回動位置保持機構80は、図示の例ではY軸回りに第1の支持部材12、第2の支持部材14及びプローブカード32を回動させた際、X軸に対して90度をなす位置すなわち回動過程の半分位置で第1の支持部材12、第2の支持部材14及びプローブカード32を保持するように構成されている。
具体的には、回動位置保持機構80は、保持部80aと回動部80bとを備えている。保持部80bは図示しないが台車26にX軸を回動支点として回動可能に構成されている。保持部80aには切欠き部82が設けられている。切欠き部82のX軸方向における幅は、プローブカード32を挟持した状態の第1の支持部材12及び第2の支持部材14の合計の厚みに設定されている。
プローブカード32を挟持した状態の第1の支持部材12及び第2の支持部材14がX軸に対して90度をなす位置にある際、回動部80bをY軸方向における第1の支持部材12及び第2の支持部材14の側方から回動させて第1の支持部材12及び第2の支持部材14に保持部80aを接近させる。
そして、保持部80aの切欠き部82にプローブカード32を挟持した状態の第1の支持部材12及び第2の支持部材14を受け入れ、第1の支持部材12及び第2の支持部材14のY軸回りの回動を規制する。その後、回動部80bのX軸回りの回動を図示しない規制手段により回動を規制する。
これにより、プローブカード32を挟持した状態の第1の支持部材12及び第2の支持部材14の回動途中における位置を保持することができる。尚、本実施例において回動位置保持機構80は、回動途中における位置を図9におけるXY平面に対して直角をなす位置で第1の支持部材12及び第2の支持部材14を保持する構成としたが、回転軸22を回動支点とした回動途中の任意の位置で第1の支持部材12及び第2の支持部材14を保持する構成としてもよい。
<<<第1ないし第4の実施例の変更例>>>
(1)本実施例では、第1の重り部材16において第1の基端部16aに対して第1の先端部16bを蝶番64で対向する第2の重り部材18の側にのみ変位する構成としたが、この構成に代えて、例えば、第1の基端部16aに対して第1の先端部16bを対向する第2の重り部材18の側にのみ変位する構成として継ぎ手等により構成してもよい。また、第2の基端部18aに対して第2の先端部18bを対向する第1の重り部材16の側にのみ変位する構成も継ぎ手等により構成してもよい。
(2)本実施例では、第1の支持部材12及び第2の支持部材14を回転軸22を回動支点として回動する構成としたが、この構成に代えて、互いに対向する第1の支持部材12及び第2の支持部材14のいずれか一方あるいは両方に、第1の支持部材12と第2の支持部材14とを接離させる方向例えばZ軸方向に変位させる直線移動機構を備える構成としてもよい。
(3)本実施例では、第1の支持部材12及び第2の支持部材14を枠状体として構成したが、板状部材として構成してもよい。
(4)本実施例では、反転対象物をプローブカード32としたが、反転対象物はプローブカード32に限定されない。
上記説明をまとめると本実施例の反転装置10、68、74、76、78は、プローブカード32を回転軸22を回動支点として回動させて反転させる反転装置であって、回転軸22を回動支点として回動可能な第1の支持部材12と、該第1の支持部材12とともにプローブカード32を挟んだ状態で保持し、回転軸22を回動支点として回動可能な第2の支持部材14と、回転軸22に対して第1の支持部材12と反対の側に位置する、該第1の支持部材12と釣り合う重量である第1の重り部材16と、回転軸22に対して第2の支持部材14と反対の側に位置する、該第2の支持部材14と釣り合う重量である第2の重り部材18と、回転軸22に対して第1の支持部材12及び第2の支持部材14に挟持されたプローブカード32と反対の側に位置する、プローブカード32と釣り合う重量である第3の重り部材20、70、76とを備えている。
第1の重り部材16と第2の重り部材18とは、互いに対向している。第3の重り部材20は、第1の重り部材16と第2の重り部材18との間に位置している。第3の重り部材20の一端部20aは回転軸22に回動可能に取り付けられ、第3の重り部材20の他端部20bには回転軸22の軸線方向に沿って突出するロッド66を備えている。プローブカード32が回転軸22を中心に回動する際、ロッド66が重力方向において第3の重り部材20の下方に位置する第1の重り部材16又は第2の重り部材18と当接し、第3の重り部材20の姿勢を保持する。
第1の重り部材16は、第1の基端部16aと、該第1の基端部16aに対して変位可能な第1の先端部16bとを備えている。第1の先端部16bは、互いに対向する第2の重り部材18の側に変位可能であり、プローブカード32が回転軸22を支点として回動する際、第1の先端部16bが、重力方向において下方に位置する第2の重り部材18の側に変位する。また、第2の重り部材18は、第2の基端部18aと、該第2の基端部18aに対して変位可能な第2の先端部18bとを備えている。第2の先端部18bは、互いに対向する第1の重り部材16の側に変位可能であり、プローブカード32が回転軸22を支点として回動する際、第2の先端部18bが、重力方向において下方に位置する第1の重り部材16の側に変位する。
第1の重り部材16が水平状態にある際、第1の重り部材16の一部の重量が第1の支持部材12に作用する。また、第2の重り部材18が水平状態にある際、第2の重り部材18の一部の重量が第2の支持部材14に作用する。第1の重り部材16の重量は、第1の支持部材12及び第2の支持部材14が水平状態にある際、重力方向上側に位置する第1の支持部材12が重力方向下側に位置する第2の支持部材14に対して閉じた状態を保持するように設定されている。また、第2の重り部材18の重量は、第1の支持部材12及び第2の支持部材14が水平状態にある際、重力方向上側に位置する第2の支持部材14が重力方向下側に位置する第1の支持部材12に対して閉じた状態を保持するように設定されている。
第3の重り部材70は回転軸22に着脱可能に取り付けられている。あるいは、第3の重り部材76は重量を調整可能に構成されている。
反転装置10、68、74、76、78は、第1の支持部材12が水平状態にある際、重力方向下側に位置する第1の支持部材12をロックする、解除可能な第1のロック機構48を備えている。また、反転装置10、68、74、76、78は、第2の支持部材14が水平状態にある際、重力方向下側に位置する第2の支持部材14をロックする、解除可能な第2のロック機構62を備えている。反転装置10、68、74、76、78は、第1の支持部材12及び第2の支持部材14を回動途中で任意の位置で保持する回動位置保持機構80を備える。第1の支持部材12及び第2の支持部材14は、作業者の力によって回動される。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。