JP6013950B2 - 結晶相同定方法、結晶相同定装置、及び結晶相同定プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、試料の粉末回折パターンに基づき試料に含まれる結晶相を同定する結晶相同定方法、結晶相同定装置、及び結晶相同定プログラムに関する。
粉末試料の粉末回折パターンは、例えばX線回折装置を用いる測定によって得られる。ある結晶相の粉末回折パターンは、その結晶相に固有である。なお、本明細書において、物質とは純物質のことを言い、結晶相とは、結晶質であって、物質の化学組成と物質の結晶構造を表している。試料が複数の結晶相の混合物である場合、その試料の粉末回折パターンは、試料に含まれる複数の結晶相それぞれの粉末回折パターンを、含有量に基づいて足し合わせた粉末回折パターンになる。
定性分析は、X線回折測定の測定データより生成される試料の粉末回折パターンから、試料に含まれる結晶相を同定することである。候補となる結晶相の粉末X線回折パターンの情報は、データベースに登録されている。データベースとは、例えば、ICDD(International Centre for Diffraction Data)のPDF(Powder Diffraction File)であり、PDFに登録されている情報に、結晶相の粉末回折パターンのピーク位置dとピークの積分強度Iの情報が含まれている。なお、ICDDのデータベースには、無機結晶相であれば約25万種類の結晶相が登録されている。一般に、定性分析では、以下のように結晶相の同定を行っている。まず、X線回折測定にて測定される試料のX線回折データより、試料の粉末回折パターンを生成する。試料の粉末回折パターンを、かかるデータベースに収納されている複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度の情報と比較して、かかるデータベースに収納されている複数の結晶相から、ピーク位置及びピーク強度が適合する結晶相を探索(サーチ)し、適合する結晶相を試料に含まれる結晶相の候補とする。従来技術に係る結晶相の同定法が、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されている。なお、本明細書において、試料の粉末回折パターン又はそれから抽出される測定情報と、データベースに収納されている複数の結晶相の情報とを比較して、試料の粉末回折パターン又はそれから抽出される測定情報に適合する結晶相をデータベースより探索し、試料に含まれる結晶相を同定することを、サーチマッチと呼んでいる。結晶相の同定方法として、ハナワルト(Hanawalt)法、Johnson/Vand法、及びSANDMAN(Search and Match on Nova)の他、プロファイルベース検索が知られている。なお、プロファイルベース検索は、パターンの形を重視して同定する方法である。
特開平08−43327号公報 特開平11−64251号公報
試料の粉末回折パターンより試料の定性分析をより高い精度で行う方法が望まれている。混合物の粉末回折パターンは、各結晶相の粉末回折パターンの足しあわせであることを利用し、発明者らは、以下の方法による結晶相同定方法を検討した。まず、試料の粉末回折パターンより、ピーク位置d及び積分強度Iを算出し、試料のピーク位置d及び積分強度Iのリスト(d−Iリスト)を生成する(ステップ1)。試料のd−Iリストを、データベースに収納される複数の結晶相のd−Iリストと比較して、最も適合する結晶相を1つ同定する(ステップ2)。データベースに収容される当該結晶相のd−Iリストの例えば第1強線(積分強度Iの最も大きいピークの積分強度I)を用いて当該結晶相の積分強度Iを規格化し、試料のd−Iリストより、規格化した当該結晶相の積分強度Iを差し引き、修正d−Iリストを生成する(ステップ3)。修正d−Iリストに対して、ステップ2とステップ3を実行し、所定の条件となるまで、これを繰り返す。かかる分析方法では、通常、成分量が多い結晶相から順に1つずつ試料に含まれる結晶相が同定される。なお、ステップ3では、第1強線を用いて当該結晶相の積分強度Iを規格化しているが、第1強線による規格化がうまく出来ない場合は、第2強線や第3強線などを用いて規格化することとなる。
試料の粉末回折パターンは、試料のX線回折測定により得られる。それゆえ、試料の粉末回折パターンは、測定機器や測定環境に起因する誤差を含んでいる。また、試料の粉末回折パターンは、有限幅を有する複数のピークの重ね合わせであるので、ピーク位置dが近い2つのピークが1つのピークとして誤って認識される場合があり、ピーク位置dの誤認識は、結晶相の同定の精度を低める要因となってしまう。また、試料のd−Iリストを、データベースに登録されるd−Iリストと比較して試料に含まれる結晶相を同定する際に、ピーク位置dの適合には広い範囲での誤差を許容する必要が生じる。発明者らが検討した上記結晶相同定方法では、試料のd−Iリスト(又は、試料の修正d−Iリスト)から同定された結晶相の積分強度Iを差し引く度に、修正d−Iリストに含まれる誤差は相対的に増大し、修正d−Iリストに基づくサーチマッチを困難としてしまう。それゆえ、かかる結晶相同定方法では、試料に含まれる成分量が比較的多い結晶相の同定は可能であるが、成分量がごく少ない結晶相の同定は困難となる。
本発明はかかる課題を鑑みてなされたものであり、より精度よく定性分析を行うことが出来る結晶相同定方法、結晶相同定装置、及び結晶相同定プログラムの提供を、その目的とする。
(1)上記課題を解決するために、本発明に係る結晶相同定方法は、複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度の情報が少なくとも収納されるデータベースを用いて、試料の粉末回折パターンより前記試料に含まれる結晶相を同定する、結晶相同定方法であって、{既に同定された結晶相の情報である試料含有結晶相情報を用いて、前記試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、全パターンフィッティングを施して、前記既に同定された結晶相の理論回折パターンを算出する、全パターンフィッティングステップ}と、{前記全パターンフィッティングステップが算出した前記既に同定された結晶相の理論回折パターンと、前記第1回折パターンとの差異に基づいて、試料の残余情報を生成する、残余情報生成ステップ}と、{前記残余情報生成ステップが生成する前記残余情報を、前記データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、前記データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる新たな結晶相を選択する、残余情報サーチマッチステップ}と、を備える。
(2)上記(1)に記載の結晶相同定方法であって、前記全パターンフィッティングステップの前に実行されるとともに、前記試料の粉末回折パターンを、前記データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、前記データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる結晶相を選択し、当該結晶相を前記試料含有結晶相情報とする、サーチマッチステップを、さらに備えてもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の結晶相同定方法であって、前記残余情報サーチマッチステップにおける同定の適合度合いに基づいて、更なる同定を行うか否かを判定し、更なる同定を行う場合は、前記残余情報サーチマッチステップが選択した前記新たな結晶相の情報を前記試料含有結晶相情報に追加し、前記試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、前記試料含有結晶相情報を用いて、前記全パターンフィッティングステップ、前記残余情報生成ステップ、及び前記残余情報サーチマッチステップをさらに実行させる、サーチマッチ結果判定ステップを、さらに備えてもよい。
(4)上記(1)又は(2)に記載の結晶相同定方法であって、前記残余情報サーチマッチステップにおける同定の適合度合いに基づいて、更なる同定を行うか否かを判定し、更なる同定を行う場合は、前記残余情報サーチマッチステップが選択した前記新たな結晶相の情報を新たに前記試料含有結晶相情報とし、前記第1回折パターンから前記既に同定された結晶相の理論回折パターンを差し引いた残差回折パターンを新たに前記第1回折パターンとして、前記第1回折パターンに対して、前記試料含有結晶相情報を用いて、前記全パターンフィッティングステップ、前記残余情報生成ステップ、及び前記残余情報サーチマッチステップをさらに実行させる、サーチマッチ結果判定ステップを、さらに備えてもよい。
(5)本発明に係る結晶相同定装置は、複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度の情報が収納されるデータベースを用いて、試料の粉末回折パターンより前記試料に含まれる結晶相を同定する、結晶相同定装置であって、{既に同定された結晶相の情報である試料含有結晶相情報を用いて、前記試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、全パターンフィッティングを施して、前記既に同定された結晶相の理論回折パターンを算出する、全パターンフィッティング手段}と、{前記全パターンフィッティング手段が算出した前記既に同定された結晶相の理論回折パターンと、前記第1回折パターンとの差異に基づいて、試料の残余情報を生成する、残余情報生成手段}と、{前記残余情報生成手段が生成する前記残余情報を、前記データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、前記データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる新たな結晶相を選択する、残余情報サーチマッチ手段}と、を備えていてもよい。
(6)本発明に係るプログラムは、複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度の情報が収納されるデータベースを用いて、試料の粉末回折パターンより前記試料に含まれる結晶相を同定する、結晶相同定プログラムであって、コンピュータを、{既に同定された結晶相の情報である試料含有結晶相情報を用いて、前記試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、全パターンフィッティングを施して、前記既に同定された結晶相の理論回折パターンを算出する、全パターンフィッティング手段}、{前記全パターンフィッティング手段が算出した前記既に同定された結晶相の理論回折パターンと、前記第1回折パターンとの差異に基づいて、試料の残余情報を生成する、残余情報生成手段}、{前記残余情報生成手段が生成する前記残余情報を、前記データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、前記データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる新たな結晶相を選択する、残余情報サーチマッチ手段}、として機能させるための結晶相同定プログラムであってもよい。
本発明により、より精度よく定性分析を行うことが出来る結晶相同定方法、結晶相同定装置、及び結晶相同定プログラムが提供される。
本発明の実施形態に係る結晶相同定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る結晶相同定方法を示すフローチャートである 本発明の実施形態に係る結晶相同定方法のサーチマッチステップを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る結晶相同定方法の全パターンフィッティングステップを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る結晶相同定方法における回折パターンのスペクトルを示す図である。 本発明の実施形態に係る結晶相同定方法における回折パターンのスペクトルを示す図である。 本発明の実施形態に係る結晶相同定方法における回折パターンのスペクトルを示す図である。 本発明の実施形態に係る結晶相同定方法における回折パターンのスペクトルを示す図である。 本発明の実施形態に係る結晶相同定方法における回折パターンのスペクトルを示す図である。
[第1の実施形態]
以下に、図面に基づき、本発明の第1の実施形態に係る結晶相同定方法を具体的かつ詳細に説明する。当該実施形態に係る結晶相同定方法は、当該実施形態に係る結晶相同定装置1によって自動的に実行される。すなわち、当該実施形態に係る結晶相同定装置1は、当該実施形態に係る結晶相同定法を用いて、自動的に試料の定性分析を行うことが出来る装置である。図1は、当該実施形態に係る結晶相同定装置1の構成を示すブロック図である。当該実施形態に係る結晶相同定装置1は、解析部2と、情報入力手段3と、情報出力手段4と、記憶部5と、を備えている。結晶相同定装置1は、一般に用いられるコンピュータによって実現される。結晶相同定装置1は、X線回折装置11と接続されている。X線回折装置11は、粉末試料に対して、X線回折測定により、当該試料のX線回折データを測定し、測定されたX線回折データを、結晶相同定装置1の情報入力手段3へ出力する。解析部2は、情報入力手段3より、当該X線回折データを取得し、当該X線回折データに前処理を施して、試料の粉末回折パターンを生成する。ここで、前処理は、データの平滑化、バックグラウンドの除去、Kα2成分の除去などの処理をいう。解析部2で生成される当該粉末回折パターンは、記憶部5に入力され、保持される。なお、X線回折装置11が解析部(データ処理部)を備え、X線回折装置11の解析部が測定されるX線回折データに前処理を施すことにより試料の粉末回折パターンを生成して、結晶相同定装置1の情報入力手段3へ試料の粉末回折パターンを出力してもよい。また、前処理は必ずしも必要ではなく、測定されたX線回折データを、試料の粉末回折パターンとしてもよい。この場合、解析部2は、情報入力手段3より、測定されたX線回折データを取得し、記憶部5に試料の粉末回折パターンとして保持させる。解析部2は、記憶部5(又は情報入力手段3)より、当該試料の当該粉末回折パターンを取得し、当該粉末回折パターンに基づき、当該試料に含まれる結晶相を自動的に同定し、分析結果として、同定された結晶相を、その含有量(重量比)などとともに情報出力手段4へ出力する。情報出力手段4は、接続される表示装置12へ当該結晶相の情報を出力し、表示装置12において分析結果の表示が行われる。結晶相同定装置1の解析部2は、以下に説明する各ステップを実行する手段をそれぞれ備えている。また、当該実施形態に係る結晶相同定プログラムは、コンピュータを、各手段として機能させるためのプログラムである。
図2は、当該実施形態に係る結晶相同定方法を示すフローチャートである。図3は、当該実施形態に係る結晶相同定方法のサーチマッチステップ(ステップ2)を示すフローチャートであり、図4は、当該実施形態に係る結晶相同定方法の全パターンフィッティングステップ(ステップ3)を示すフローチャートである。また、図5A乃至図5Eは、それぞれ、当該実施形態に係る結晶相同定方法における回折パターンのスペクトルを示す図である。
[ステップ1:粉末回折パターン取得ステップ]
ステップ1では、試料の粉末回折パターンを取得する。試料の粉末回折パターンは、記憶部5に保持されている。又は、前述の通り、X線回折装置11が解析部(データ処理部)を備え、測定される試料のX線回折データに前処理を施して試料の粉末回折パターンを生成し、試料の粉末回折パターンを結晶相同定装置1の情報入力手段3へ出力してもよい。また、前処理を必要としない場合は、X線回折装置11が情報入力手段3へ測定される試料のX線回折データを試料の粉末回折パターンとして出力してもよい。結晶相同定装置1の解析部2は、記憶部5(又は情報入力手段3)より当該試料の粉末回折パターンを取得する。図5Aは、試料の粉末回折パターンのスペクトルを示しており、図の横軸はピーク位置を示す2θであり、図の縦軸はスペクトルの強度である。試料の粉末回折パターンに含まれる複数のピークにはそれぞれピーク番号(1〜30)が付されている。なお、X線回折装置11により測定される試料のX線回折データが情報入力手段3に入力されるか、記憶部5に保持されていてもよい。この場合は、解析部2が、情報入力手段3又は記憶部5より、試料のX線回折データを取得し、試料のX線回折データに前処理を施して、試料の粉末回折パターンを生成する。また、前処理を必要としない場合は、解析部2が、情報入力手段3又は記憶部5より、試料のX線回折データを試料の粉末回折パターンとして取得する。
[ステップ2:サーチマッチステップ]
ステップ2では、複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度の情報が少なくとも収納されるデータベースを用いて、試料の粉末回折パターンに対して、サーチマッチをする。すなわち、試料の粉末回折パターンを、データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、前記データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる結晶相を選択し、当該結晶相を試料含有結晶相情報とする。ここで、試料含有結晶相情報とは既に同定された結晶相の情報であり、既に同定された結晶相(結晶相名又は当該結晶相のコード)が収納される。以下、図3を用いて、サーチマッチについて説明する。
(a)試料の粉末回折パターンのスペクトルより、複数のピークそれぞれのピーク位置dと積分強度Iを算出し、かかるピーク位置dと積分強度Iをリストとすることにより、試料のd−Iリストを作成する。(データリスト化ステップ)。ここでは、試料の粉末回折パターンのピーク1本毎にプロファイルフィッティングを施し、その近似ピークプロファイルより、ピーク位置d及び積分強度Iを算出している。ピーク1本毎にプロファイルフィッティングを施すのは、単独ピークの形状が結晶相によって異なっている場合や、複数のピークが重なることにより非対称な形状となっている場合があり、ピーク形状を1種類のピーク形状パラメータで近似することが適当でないからである。もしも1種類のピーク形状パラメータでプロファイルフィッティングを施す場合、その近似ピークプロファイルより算出されるピーク位置d及び積分強度Iには、許容できない誤差を含んでしまうものと考える。
図5Bは、試料のd−Iリストを模式的に示している。図の横軸は、図5Aと同様に、ピーク位置を示す2θであるが、図の縦軸は、図5Aと異なり、ピークの積分強度Iである。図5Bは、各ピークの積分強度Iを、各ピークのピーク位置に示す実線の長さで視覚的に表している。なお、当該実施形態では、ピーク強度は1つのピーク全体の強度を積分することによって得られる積分強度としているが、これに限定されることはなく、例えば、ピーク位置におけるピーク高さとしてもよい。
(b)データベースには、複数の結晶相のピーク位置dと積分強度Iのリスト(d−Iリスト)が収納されている。データベースに収納される複数の結晶相それぞれの3強線が、試料のd−Iリストにある複数のピーク位置に含まれているかどうかを判断する。なお、ここで、n(例えばn=3)強線とは、ピークの積分強度が最大のものから順にn本のピークを選択したものをいう。データベースのd−Iリストに収納される結晶相の3強線が試料のd−Iリストに含まれていると判断された複数の結晶相に対して、それら結晶相それぞれの8強線が、試料のd−Iリストにある複数のピークとどの程度適合しているかを、経験的な式に基づきFOM(Figure of Merit)を用いて数値化する。ここで、経験的な式は、ピーク位置dの適合を重視するか、積分強度Iのパターンの適合を重視するか、によって異なっており、その重視の程度のバランスを任意に設定することが出来る。FOMは、データベースに収納される結晶相のd−Iリストと、試料のd−Iリストが、どの程度適合しているかを数値化したものであり、この値が小さいほど、より適合の度合いが高い(一致度が良い)ことを表している。3強線が試料のd−Iリストに含まれていると判断された複数の結晶相のうち、8強線が試料のd−Iリストと最も適合すると考えられる結晶相、すなわち、最小のFOMとなる結晶相を、試料に含まれる結晶相の第1候補として決定する(結晶相1個同定ステップ)。なお、ここでは、最初にデータベースに収納される複数の結晶相それぞれの3強線を用いて最初に試料のd−Iリストと比較し、次に8強線を試料のd−Iリストと比較することにより、試料に含まれる結晶相を1個同定している。しかし、比較に用いたn強線の数n(n=3,8)はあくまで例示であって、これに限定されることがないのは言うまでもない。また、複数の結晶相のd−Iリストが収容されるデータベースを用いて、試料のd−Iリストから試料に含まれる結晶相を同定する手法は、その他の公知の方法を用いても構わない。これは、本明細書に記載のサーチマッチすべてに適用することができる。
(c)第1候補の結晶相のFOMの値によって、ステップ3へ進むか、当該結晶相同定方法を終了するか、を判定する(同定結果判定ステップ)。当該結晶相のFOMが閾値以上である場合には、所定の適合の度合いを満たす結晶相を1つも同定出来なかったとして、当該結晶相同定方法を終了する。この場合、当該結晶相同定方法では結晶相を同定出来なかった旨のエラーメッセージが情報出力手段4に出力される。これに対して、当該結晶相のFOMが閾値未満である場合には、当該結晶相を試料に含まれる結晶相として選択し、当該結晶相を試料含有結晶相情報として、ステップ(c)すなわちステップ2を終了し、ステップ3へ進む。ここで、試料含有結晶相情報に含まれる結晶相の情報は、ステップ(b)で同定した1個の結晶相(結晶相名又は当該結晶相のコード)のみである。なお、図3には、破線の矢印が示されているが、これについては、後述する。当該実施形態では、かかる破線の矢印に関する処理は行われていない。
当該実施形態では、ステップ(c)で第1候補の結晶相のFOMの値が閾値未満である場合、いかなる場合もステップ3へ進んでおり、結晶相同定方法の精度の観点からはこれが望ましい。しかしながら、同定した1個の結晶相以外の情報が試料のd−Iリストに含まれていないことが明らかな場合には、計算速度向上の観点からは、ステップ(c)にて、当該結晶相同定方法を終了してもよい。かかる判定をするためには、以下の処理を行う。まず、データベースに収納される当該結晶相のd−Iリストに、含有量に対応する係数を乗じたもの(試料の粉末回折パターンにおける当該結晶相の積分強度I)を、試料のd−Iリストから差し引き、試料の修正d−Iリストを作成する。ここで、含有量に対応する係数は、試料の修正d−Iリストにおいて、当該結晶相の8強線のいずれもが負の値にならないように決定される。そして、試料の修正d−Iリストにある積分強度Iから算出される残存判定値が設定値未満である場合は、他に含まれる結晶相はないか無視できるぐらい含有量が小さく、さらに結晶相を同定する必要がないと判断して、当該結晶相同定方法を終了する。この場合、ステップ(b)で同定した結晶相を、試料に含まれる結晶相とし、さらに、当該結晶相(結晶相名又は当該結晶相のコード)及びその含有量(重量比)が情報出力手段4に出力され、表示装置12においてこれらが分析結果として表示される。ここでは、当該結晶相の含有量は100%に近い値となっている。
[ステップ3:全パターンフィッティングステップ]
ステップ3では、既に同定された結晶相の情報である試料含有結晶相情報を用いて、第1回折パターンに対して、全パターン解析による全パターンフィッティングを施して、前記試料含有結晶相情報にある結晶相の理論回折パターンを算出する。当該実施形態において、第1回折パターンとは、試料の粉末回折パターンである。
ここで、全パターンフィッティング(WPF:Whole Pattern Fitting)とは、プロファイルパラメータ、格子定数、配向のパラメータなどから計算される回折パターンを非線形最小二乗法により試料の粉末回折パターンにフィッティングする解析方法をいう。個々のピークプロファイルに対してフィッティングするのではなく、粉末回折パターン全体に対してフィッティングするために、プロファイルパラメータはピーク位置d依存となっている。また、ピーク位置dは、格子定数によって束縛される。全パターン解析のうち、理論回折パターンを計算するためのパラメータに、結晶構造パラメータを含んでいる解析方法を、特にリートベルト(Rietveld)法という。全パターン解析は他に、Pawley法やLe Bail法が知られている。一般に、リートベルト法では、各ピークの積分強度比は、結晶構造パラメータにより束縛され、結晶構造を精密化することが出来る。当該実施形態に係る全パターンフィッティングでは、結晶構造パラメータについては固定し精密化は行なわない。以下、リートベルト法を例に、図4を用いて、以下の通り、ステップ3を説明する。なお、本明細書において、全パターンフィッティングとは、測定される試料のX線回折データの測定範囲すべてに対する試料の粉末回折パターンにパターンフィッティングすることに限定されることはない。測定される試料のX線回折データより得られる試料の粉末回折パターンのうち、主要な測定範囲に対する試料の粉末回折パターンにパターンフィッティングすることも含まれる。ここでいう主要な測定範囲は、試料の粉末回折パターンの内に、所定の強度以上の積分強度Iのピークが定性分析を行うのに十分な程度に含まれる測定範囲であればよい。すなわち、本明細書において、全パターンフィッティングとは、主要なピークをおおよそ含む所望の測定範囲に対する試料の回折パターンに施すプロファイルフィッティングをも含んでいる。
(A)リートベルト法による解析に用いるために、第1回折パターンと、解析に用いる1個又は複数個の結晶相と、を設定する(フィッティング初期設定ステップ)。なお、当該実施形態において、第1回折パターンは試料の粉末回折パターンである。解析に用いる1個又は複数個の結晶相は、試料含有結晶相情報にある結晶相すべてであり、すなわち、事前のサーチマッチによって同定した結晶相すべてである。1巡目のステップ3においては、試料含有結晶相情報にある結晶相は、ステップ2(サーチマッチステップ)において選択された1個の結晶相のみであり、当該1個の結晶相が既に同定された結晶相である。
(B)リートベルト法により、解析に用いる1個又は複数個の結晶相について、格子定数や結晶構造パラメータなどの情報に基づき、第1回折パターンに対して、非線形最小二乗フィッティングを施す。このとき、ピーク形状を現すプロファイルパラメータ、ピーク位置を決定する格子定数及びピークシフト、グローバルな温度因子については、精密化を行うが、ピーク強度に影響を及ぼす配向のパラメータ及び結晶構造パラメータについては固定し精密化は行わない。リートベルト法により、解析に用いる1個又は複数個の結晶相すべてから計算される回折パターンを、試料の粉末回折パターンに近づけるようフィッティングを行い、各パラメータが精密化される。すなわち、リートベルト法による解析によって、各パラメータを最適化し、その際に、解析に用いる1個又は複数個の結晶相それぞれの含有量も最適化して算出される。最適化された各パラメータにより計算される1個又は複数個の結晶相の回折パターンが、既に同定された結晶相の理論回折パターンである。(フィッティング実行ステップ)。
なお、解析に用いる結晶相の結晶構造パラメータが不明である(又は、ない)場合には、各ピークの積分強度比(回折パターン)を、データベースに収納されるd−Iリストで代用する。この場合、かかる代用をすることによりフィッティングの精度は劣るものの、その精度は当該ステップによって十分に有用な情報が得られる精度である。
フィッティング実行ステップにおいて施した全パターンフィッティングに対して、最小二乗フィッティングの信頼度(確からしさ)を表す値として、Rwpが得られる。一般に、Rwpが小さいほどフィッティングの結果が良いことを示す。2つの解析結果のうちどちらがよい結果であるかを表す値は、理論的なRwpの最小値(R)に対するRwpの比であるフィッティング判定値Sを用いるのが望ましい。フィッティング判定値Sの値が1に近いほど良い解析が出来たことを表している。
(C)フィッティング判定値Sが閾値以上である場合は、ステップ3を終了し、ステップ4へ進む。また、フィッティング判定値Sが閾値未満である場合、試料含有結晶相情報に含まれる結晶相(結晶相名又は当該結晶相のコード)と、直前のサーチマッチによって得られるその含有量とを、同定した結晶相及びその含有量として、情報出力手段4に出力して、当該結晶相同定方法を終了する。(フィッティング結果判定ステップ)。なお、当該実施形態では、フィッティング結果判定ステップをフィッティング実行ステップの後に実行しているが、フィッティング結果判定ステップは必須ではなく、このような判定基準を設けることなく、フィッティング実行ステップを実行後、ステップ4を実行させてもよい。
[ステップ4:残余情報生成ステップ]
ステップ4では、ステップ3(全パターンフィッティングステップ)が算出した「既に同定された結晶相」の理論回折パターンと、第1回折パターンとの差異に基づいて、試料の残余情報を生成する。当該実施形態では、第1回折パターンから該理論回折パターンを差し引き、残差回折パターンを作成する。そして、ステップ2(サーチマッチステップ)のデータリスト化ステップ(ステップ(a))と同様のステップにより、残差回折パターンのd−Iリストを作成する。当該d−Iリストが試料の残余情報に含まれる。
図5Cは、リートベルト法による理論回折パターンをピーク番号とともに上段に示しており、残差回折パターンを下段に示している。図5Cの下段に示す残差回折パターンは精密化されたものであり、かかる残差回折パターンは、サーチマッチをさらに行うに十分な精度を有するデータとなっている。残差回折パターンでは、ピーク番号が2,6,8,11,14,16,20,21となるピークがそれぞれ顕著に表されている。なお、図5Dは、図5Cに示すピークのうちピーク番号10及び11のピーク付近の拡大図である。図5Dの上段には、理論回折パターン(実線) に加えて、理解を助けるために、試料の粉末回折パターン(破線)と試料のd−Iリストをさらに示している。図5Dの上段に示す通り、試料の粉末回折パターンは、ピーク番号10及び11のピークを含んでいる。これに対して、理論回折パターンは、ピーク番号10のピークを含んでいるが、ピーク番号11のピークを含んでいない。そして、図5Dの下段に残差回折パターンが示されており、残差回折パターンは、ピーク番号11のピークを含んでいるが、ピーク番号10のピークを含んでいない。
[ステップ5:残余情報判定ステップ]
ステップ5では、ステップ4(残余情報生成ステップ)が生成する残余情報に含まれる情報に応じて、残余情報に対してサーチマッチを行うか否かの判定を行う。まず、残差回折パターンのd−Iリストに、さらにサーチマッチを行うのに十分な情報が含まれているかを示す残存判定値を残差回折パターンのd−Iリストより算出する。当該残存判定値が設定値未満である場合は、残差回折パターンのd−Iリストにはさらにサーチマッチを行うのに十分な情報が含まれていないと判断し、直近のステップ3(全パターンフィッティングステップ)で用いた試料含有結晶相情報にある結晶相(結晶相名又は当該結晶相のコード)と、ステップ3の全パターンフィッティングより得られる当該結晶相それぞれの含有量とを、同定した結晶相及びその含有量として、情報出力手段4に出力して、当該結晶相同定方法を終了する。これに対して、当該残存判定値が設定値以上である場合は、ステップ5を終了して、ステップ6へ進む。
[ステップ6:残余情報サーチマッチステップ]
ステップ6では、ステップ4(残余情報生成ステップ)が生成する残余情報に含まれる残差回折パターンのd−Iリストを、データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる新たな結晶相を選択する。
ステップ6で行うサーチマッチの手法は、ステップ2(サーチマッチステップ)のステップ(b)(結晶相1個同定ステップ)と、サーチマッチをする対象が異なること以外は同じである。サーチマッチをする対象は、ステップ(b)では試料のd−Iリストであるのに対して、ステップ6では、ステップ4(残余情報生成ステップ)が生成する残差回折パターンのd−Iリストである。残差回折パターンのd−Iリストに対して、最小のFOMとなる結晶相を、試料に含まれる新たな結晶相の第1候補として選択する。
[ステップ7:サーチマッチ結果判定ステップ]
ステップ7では、ステップ6(残余情報サーチマッチステップ)における同定の適合度合いに基づいて、更なる同定を行うか否かを判定する。更なる同定を行う場合は、ステップ6が選択した新たな結晶相を試料含有結晶相情報に追加して、新たに試料含有結晶相情報を生成する。新たに生成された当該試料含有結晶相情報を用いて、試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、ステップ3、ステップ4、ステップ5、及びステップ6をさらに実行する。更なる同定を行わない場合は、当該結晶相同定方法を終了する。
更なる同定を行うか否かの判定は、ステップ2(サーチマッチステップ)の同定結果判定ステップ(ステップ(c))と類似している。具体的には、ステップ6で新たに選択された結晶相のFOMが閾値以上である場合には、ステップ6では所定の適合の度合いを満たす結晶相を新たに同定出来ておらず、ステップ6で選択した結晶相は試料に含まれるものではないと判断し、直近のステップ3(全パターンフィッティングステップ)で用いた試料含有結晶相情報にある結晶相(結晶相名又は当該結晶相のコード)と、ステップ3の全パターンフィッティングより得られる当該結晶相それぞれの含有量とを、同定した結晶相及びその含有量として、情報出力手段4に出力して、当該結晶相同定方法を終了する。1巡目のステップ6で選択された結晶相のFOMが閾値以上である場合、既に同定した結晶相は、ステップ2(サーチマッチステップ)で選択した結晶相のみであり、n巡目(nはn≧2の整数)のステップ6で選択された結晶相のFOMが閾値以上である場合、既に同定した結晶相は、ステップ2で選択された結晶相と、1巡目からn−1巡目までのステップ6で選択された結晶相とである。
これに対して、当該結晶相のFOMが閾値未満である場合には、当該結晶相を試料含有結晶相情報に追加して、新たに試料含有結晶相情報を生成して、再びステップ3を実行する。ステップ3では、新たに生成された試料含有結晶相情報を用いて、第1回折パターン(試料の粉末回折パターン)に対して、全パターンフィッティングを施す。その後、ステップ4及びステップ5を経て、ステップ5が残余情報をサーチマッチすると判断した場合はさらにステップ6を実行し、ステップ7において、ステップ6における同定の程度度合いに基づいて、更なる同定を行うか否かを再び判定する。ステップ7において、更なる同定を行うと判定する限り、ステップ3、ステップ4、ステップ5及びステップ6を繰り返し実行させることとなる。
なお、n巡目(nはn≧2の整数)のステップ3にて用いる試料含有結晶情報は、ステップ2において選択された1個の結晶相と、1巡目からn−1巡目のステップ6(残余情報サーチマッチ)において選択されたn−1個の結晶相との合計n個の結晶相であり、当該n個の結晶相が既に同定された結晶相である。
図5Eの上段は、2巡目のステップ3における解析結果である理論回折パターンを示しており、図5Eの下段は、2巡目のステップ4において生成される残差回折パターンを示している。図5Eの下段に示す残差回折パターンは、図5Cの下段に示す残差回折パターンと比較して、示されるピークの積分強度Iの強度が大幅に低減している。図5Eの下段に示す残差回折パターンには、更にサーチマッチを行うに十分な情報が残存しておらず、2巡目のステップ5で算出される残存判定値が設定値未満の場合となっている。よって、2巡目のステップ5で、ステップ2及び1巡目のステップ5で選択した2個の結晶相と、それらの含有量を情報出力手段4に出力して、当該結晶相同定方法を終了することとなる。
以上、当該実施形態に係る結晶相同定方法、結晶相同定装置、及び結晶相同定プログラムについて説明した。本発明の主な特徴は、以下の通りである。1巡目のステップ3(全パターンフィッティングステップ)において、ステップ2(サーチマッチ)において既に同定した結晶相を用いて、試料の粉末回折パターンに対して、全パターンフィッティングを施して、当該結晶相の理論回折パターンを算出する。そして、1巡目のステップ4(残余情報生成ステップ)において、試料の粉末回折パターンと当該結晶相の理論回折パターンとの差異に基づいて、試料の残余情報を生成する。さらに、1巡目のステップ6(残余情報サーチマッチ)において、試料の残余情報にサーチマッチを施して、新たな結晶相を同定している。
本発明に係る結晶相同定方法を、発明者らが検討した前述の結晶相同定方法(以下、関連する結晶相同定方法、と記す)と比較する。関連する結晶相同定方法では、試料に含まれる結晶相を1個同定すると、試料のd−Iリストより、規格化した当該結晶相の積分強度Iを差し引き、修正d−Iリストを生成し、当該修正d−Iリストに対して、新たな結晶相の同定を行っている。これに対して、本発明に係る結晶相同定方法では、試料の粉末回折パターンと、同定した当該結晶相の理論回折パターンから、試料の残余情報にサーチマッチを施して、新たな結晶相の同定を行っている。試料の残余情報は、全パターンフィッティングによって精密化された理論回折パターンに基づいており、関連する結晶相同定方法と比較して、より精密化がなされており、信頼度の高いサーチマッチ(残余情報サーチマッチ)を行うことが出来る。
例えば、図5Dに示す試料の粉末回折パターンには、ピーク番号10及びピーク番号11の2つのピークが含まれており、試料のd−Iリストにおいては、1つのピークと認識される場合もあるし、2つのピークと認識される場合であっても、ピーク位置及び積分強度の値は実際よりも誤差が大きくなるものと考えられる。それゆえ、関連する結晶相同定方法において、かかる試料のd−Iリストから、同定した結晶相の積分強度Iを差し引き、修正d−Iリストを生成する際に、1つのピークと認識される場合には、1つのピークとして、同定した結晶相の積分強度Iが差し引かれて修正d−Iリストが生成されることになる。また、2つのピークとして認識される場合であっても、誤差がより残存して修正d−Iリストが生成されることとなる。かかる修正d−Iリストに対してサーチマッチを行うと、新たな結晶相として誤った結晶相が選択される場合もありえるし、正しい結晶相を選択する場合であっても、当該結晶相のFOMが高く(適合の度合いが低い)なり信頼度が低下してしまう。これに対して、本発明に係る結晶相同定方法において、試料の残余情報は、図5Aに示す試料の粉末回折パターン及び図5Cの上段に示す理論回折パターンに基づいて生成されている。前述の通り、ピーク番号10のピークは、図5Dの上段に示す理論回折パターンには含まれているが、図5Dの下段に示す残差回折パターンには含まれていない。反対に、ピーク番号11のピークは、理論回折パターンには含まれていないが、残差回折パターンには含まれている。関連する結晶相同定方法では、1つのピークと認識されるか、2つのピークとして認識する場合も許容できない誤差を含んでしまう可能性があったところ、本発明に係る結晶相同定方法では、全パターンフィッティングを施したことにより、2つのピークを分離することが出来ている。試料の残余情報(残差回折パターンのd−Iリスト)はより精密化されており、より信頼度の高いサーチマッチを可能としている。
特に、当該実施形態では、ステップ2(サーチマッチ)において、試料に含まれる結晶相を1個選択し、1巡目のステップ3において、かかる結晶相を用いて、試料の粉末回折パターンに対して、全パターンフィッティングを施し、そのフィッティング結果より求まる残余情報(ステップ4)に対して、新たな結晶相を1個選択している(ステップ6)。さらに、2巡目のステップ3において、かかる2個の結晶相を用いて、試料の粉末回折パターンに対して、全パターンフィッティングを施し、そのフィッティング結果より求まる残余情報に対して、新たな結晶相を1個選択し、これらを繰り返し実行している。このように、残余情報に対してサーチマッチをして新たな1個の結晶相を選択し、当該1個の結晶相を追加して全パターンフィッティングを試料の粉末回折パターンに施すことを繰り返すことにより、残余情報のより高い精密化が実現されており、信頼度の高いサーチマッチが可能となっている。
なお、当該実施形態係る結晶相同定方法において、ステップ5(残余情報判定ステップ)を実行している。ステップ5により、残余情報に更なるサーチマッチを行うのに十分な情報が含まれていない場合に、ステップ6により更なるサーチマッチを行うことなく当該結晶相同定方法を終了することが出来るので、計算速度向上の観点から、ステップ5を実行することは望ましい。しかしながら、ステップ5は必ずしも必要ではない。ステップ5を実行しない場合、残差回折パターンのd−Iリストより算出される残存判定値が設定値未満の場合にもステップ6を実行することとなる。その場合には、ステップ6(残余情報サーチマッチステップ)において選択する第1候補の結晶相のFOMは閾値以上の値になると考えられ、次のステップ7(サーチマッチ結果判定ステップ)において当該結晶相同定方法を終了する。
また、当該実施形態における結晶相同定方法のステップ4(残余情報生成ステップ)で作成する残余情報は、ステップ2(サーチマッチステップ)のステップ(a)(データリスト化ステップ)と同様のステップを残差回折パターンに実行することによって得られる、残差回折パターンのd−Iリストである。しかし、これに限定されることはない。ステップ4において、既に同定された結晶相の理論回折パターンに、ピーク1本毎のプロファイルを足して、第1回折パターン(試料の粉末回折パターン)に近づけるようプロファイルフィッティングを施すことによって、d−Iリストを作成してもよい。
また、当該実施形態では、回折パターンのスペクトルよりd−Iリストを作成し、データベースに収納される複数の結晶相のd−Iリストと比較して、サーチマッチを行っているが、これに限定されることはない。例えば、データベースに、複数の結晶相の粉末回折パターンが収容されており、回折パターンを直接、データベースと比較して、サーチマッチを行ってもよい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る結晶相同定方法は、ステップ2(サーチマッチステップ)が異なる点を除いて、第1の実施形態に係る結晶相同定法と同じである。第1の実施形態に係る結晶相同定方法では、ステップ2において、試料に含まれる結晶相を1個選択していたのに対して、当該実施形態に係る結晶相同定方法では、試料に含まれる結晶相を複数個選択することが出来る。以下、図3を用いて、当該実施形態に係るステップ2について説明する。
第1の実施形態と同様に、ステップ2では、ステップ(a)(データリスト化ステップ)によって、試料の粉末回折パターンより試料のd−Iリストを作成し、ステップ(b)(結晶相1個同定ステップ)によって、最小のFOMとなる結晶相を、試料に含まれる結晶相として決定する。第1の実施形態と異なり、当該実施形態では、ステップ(c)(同定結果判定ステップ)において、ステップ(b)で決定した結晶相のFOMの値によって、更なる結晶相の同定を行うか、ステップ3へ進むか、当該結晶相同定方法を終了するか、を判定し、更なる結晶相の同定を行うと判定する場合には、結晶相1個同定ステップを実行させ、試料に含まれる結晶相を新たに決定する。ステップ(c)が更なる結晶相の同定を判定する限り、これを繰り返す。
ステップ(b)において、探索(サーチ)の対象となるd−Iリストを対象d−Iリストと呼ぶことにする。1巡目のステップ(b)においては、第1の実施形態と同様に、対象d−Iリストは試料のd−Iリストである。
1巡目のステップ(c)において、第1の実施形態に係るステップ(c)と同様に、ステップ(b)で決定した結晶相のFOMが閾値以上である場合には、所定の適合の度合いを満たす結晶相を1つも同定出来なかったとして、当該結晶相同定方法を終了する。当該結晶相のFOMが閾値未満である場合には、第1候補の結晶相を試料に含まれる1つ目の結晶相とし、さらに、データベースに収納される当該結晶相のd−Iリストに、含有量に対応する係数を乗じたもの(試料の粉末回折パターンにおける当該結晶相の積分強度I)を、試料のd−Iリストから差し引き、試料の修正d−Iリストを作成する。そして、第1の実施形態に係るステップ(c)と異なり、2巡目のステップ(b)を実行させる。図3には、ステップ(c)から再びステップ(b)に進む場合を、「更なるサーチ」として破線で表されている。
n巡目(nはn≧2の整数)のステップ(b)において、サーチ対象となる対象d−Iリストは、n−1巡目のステップ(c)で作成された試料の修正d−Iリストである。データベースのd−Iリストに収納される結晶相より、対象d−Iリストと最も適合されると考えられる結晶相(最小のFOMとなる結晶相)を決定する。
n巡目のステップ(c)において、n巡目のステップ(b)で決定した結晶相のFOMが閾値以上である場合には、n巡目のステップ(b)で決定した結晶相を含めずに、n−1巡目までに同定した結晶相すべての情報を試料含有結晶相情報として、ステップ2を終了し、ステップ3へ進む。なお、試料含有結晶相情報に含まれる結晶相の情報は、n−1個の結晶相(結晶相名又は当該結晶相のコード)である。当該結晶相のFOMが閾値未満である場合には、以下の処理を行う。まず、データベースに収容される当該結晶相のd−Iリストに、含有量に対応する係数を乗じたもの(試料の粉末回折パターンにおける当該結晶相の積分強度I)を、n巡目のステップ(b)における対象d−Iリストから差し引き、新たに試料の修正d−Iリストを作成する。そして、n+1巡目のステップ(b)を実行させ、ステップ(b)で決定した結晶相のFOMが閾値未満である限り、これを繰り返す。
第1の実施形態に係る結晶相同定方法では、ステップ2(サーチマッチステップ)において、試料に含まれる結晶相を1個選択して、ステップ3へ進んでいるのに対して、当該実施形態に係る結晶相同定方法では、ステップ2において、試料に含まれる結晶相を1個又は複数個選択して、ステップ3へ進んでいる。ステップ2において、試料に含まれる結晶相の候補として決定した結晶相のFOMが閾値未満である限り、試料に含まれる結晶相として選択することにより、より高速に定性分析をすることが可能となる。含有量が比較的多い結晶相が複数個、試料に含まれている(ことが事前に判明している)場合に、当該実施形態に係る結晶相同定方法は、格別な効果を奏する。なお、当該実施形態において、ステップ2(サーチマッチステップ)における結晶相のFOMの閾値を第1閾値とし、ステップ7(サーチマッチ結果判定ステップ)における結晶相のFOMの閾値を第2閾値として、異なっていてもよい。第1閾値を第2閾値より高く設定することにより、ステップ2において、比較的含有量の多い結晶相の同定を行うことが出来る。そして、その後、ステップ3において精密化された理論回折パターンを用いることにより、ステップ6において、含有量が少ない結晶相の同定をより高い精度で行うことが出来る。
当該実施形態では、ステップ(c)で第1候補の結晶相のFOMの値が閾値未満である場合、いかなる場合もステップ(b)を再び実行させている。しかしながら、これに限定されることなく、ステップ(c)で新たに作成された試料の修正d−Iリストにある積分強度Iから算出される残存判定値が設定値未満である場合には、さらに結晶相を同定する必要がないと判断して、当該結晶相同定方法を終了させてもよい。この場合、ステップ2で同定した1個又は複数個の結晶相を試料に含まれる結晶相とし、さらに、当該結晶相(結晶相名又は当該結晶相のコード)及びその含有量が情報出力手段4に出力される。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る結晶相同定方法は、ステップ7(サーチマッチ結果判定ステップ)で生成する試料含有結晶相情報及び第1回折パターンが異なり、それに伴い、次に実行されるステップ3(全パターンフィッティングステップ)における第1回折パターン及び試料含有結晶相情報が異なるが、それ以外については、第1又は第2の実施形態に係る結晶相同定方法と同じである。すなわち、ステップ7における同定の適合度合いに基づいて、更なる同定を行うか否かを判定し、更なる同定を行う場合は、ステップ6(残余情報サーチマッチステップ)が選択した新たな結晶相の情報を新たに試料含有結晶相情報とし、第1回折パターンからすでに同定された結晶相の理論回折パターンを差し引いた残差回折パターンを新たに第1回折パターンとして、当該第1回折パターンに対して、当該試料結晶相情報を用いて、ステップ3、ステップ4、ステップ5及びステップ6をさらに実行させる。以下、図2を用いて、当該実施形態に係る結晶相同定方法について説明する。
第1又は第2の実施形態と同様に、1巡目のステップ3(全パターンフィッティングステップ)では、ステップ2(サーチマッチステップ)で選択された結晶相の情報を試料含有結晶相情報として、試料の粉末回折パターンを第1回折パターンとして、全パターンフィッティングを施し、試料含有結晶相情報にある結晶相の理論回折パターンを算出する。さらに、第1又は第2の実施形態と同様に、ステップ4(残余情報生成ステップ)、ステップ5(残余情報判定ステップ)及びステップ6(残余情報サーチマッチステップ)を実行する。
n(nはn≧1の整数)巡目のステップ7(サーチマッチ結果判定ステップ)では、更なる同定を行うか否かの判定を判定する。n巡目のステップ6で新たに選択された結晶相のFOMが閾値以上である場合は、ステップ6では所定の適合の度合いを満たす結晶相を新たに同定出来ておらず、ステップ6で選択された結晶相は試料に含まれるものではないと判断し、既に同定した結晶相及びその含有量を定性分析結果として情報出力手段4に出力して、当該結晶相同定方法を終了する。ここで、既に同定した結晶相は、ステップ2で選択された結晶相と、1巡目からn−1巡目までのステップ6で選択された結晶相との合計である。なお、1(n=1)巡目のステップ7における既に同定した結晶相とは、当該定性分析結果はステップ2で選択された結晶相のみである。また、当該結晶相の含有量は、ステップ2で選択された結晶相については1巡目のステップ3の解析結果より得られたものであり、k巡目(kは1≦k≦nの整数)のステップ6で選択された結晶相についてはk+1巡目のステップ3の解析結果でそれぞれ得られたものである。
これに対して、n巡目のステップ7において、n巡目のステップ6で新たに選択された結晶相のFOMが閾値未満である場合には、当該結晶相を新たに試料含有結晶相情報とし、ステップ4で作成された残差回折パターンを新たに第1回折パターンとし、再び、ステップ3を実行させる。
n+1巡目のステップ3では、新たに生成された試料含有結晶相情報(n巡目のステップ6で選択された結晶相)を用いて、第1回折パターン(n巡目のステップ4で作成された残差回折パターン)に対して、全パターンフィッティングを施す。その後、ステップ4、ステップ5及びステップ6を経て、ステップ7において、更なる同定を行うか否かの判定をし、更なる同定を行うと判定する限り、ステップ3、ステップ4、ステップ5、及びステップ6を繰り返し実行させることとなる。なお、前述の通り、ステップ5は必ずしも必要ではない。
また、1巡目のステップ5において、残差回折パターンのd−Iリストより算出される残存判定値が設定値未満である場合は、ステップ2で選択された結晶相と、1巡目のステップ3の解析結果より得られる当該結晶相の含有量を、既に同定した結晶相及びその含有量として、情報出力手段4に出力して、当該結晶相同定方法を終了する。n巡目(nはn≧2の整数)のステップ5において、残差回折パターンのd−Iリストより算出される残存判定値が設定値未満である場合は、既に同定した結晶相及びその含有量を定性分析結果として情報出力手段4に出力して、当該結晶相同定方法を終了する。ここで、既に同定した結晶相は、ステップ2で選択された結晶相と、1巡目からn−1巡目までのステップ6で選択された結晶相との合計である。当該結晶相の含有量は、ステップ2で選択された結晶相については1巡目のステップ3の解析結果より得られたものであり、k巡目(kは1≦k≦n−1の整数)のステップ6で選択された結晶相についてはk+1巡目のステップ3の解析結果でそれぞれ得られたものである。
当該実施形態に係る結晶相同定方法では、ステップ6において、全パターンフィッティングを施す対象である第1回折パターンは、1巡前で作成された残差回折パターンであり、試料含有結晶相情報は、1巡前で選択された結晶相のみの情報である。これにより、試料に多数種類の結晶相が含まれる場合に、すでに同定した結晶相がすでに多数である場合(nが大きい値である場合)であっても、高速でフィッティングを施すことが出来る。
[その他の実施形態]
以上、本発明の第1乃至第3の実施形態に係る結晶相同定方法、結晶相同定装置、及び結晶相同定プログラムについて説明した。第1乃至第3の実施形態に係る結晶相同定方法では、サーチマッチにおける適合の度合い表すFOMに閾値を設定し、また、修正d−Iリストの残存判定値に設定値を設定することにより、更なる同定を行うか否かの判定を自動で行うことが出来、当該実施形態の結晶相同定装置1は、自動的に試料の定性分析を行うことが出来ている。特に、ステップ4(残余情報生成ステップ)で作成される残差回折パターンは、全パターンフィッティングにより精密化されており、より成分量の少ない結晶相の同定を可能とし、より精度よく定性分析を行うことが出来ている。本発明を用いることなく、精度よく定性分析を行うためには、ユーザは、測定方法の改善、試料調整の改善、検索データベースの制限、サーチマッチ条件の設定など、様々な方策を駆使して、成分量の少ない結晶相の同定を行う必要があるが、発明により、熟練度の低いユーザであっても、短時間に、精度の高い、自動定性分析を行うことが出来る。
また、ユーザが、試料の定性分析を行う毎に、対象となる試料について既に判明している情報に基づいて、FOMの閾値及び残存判定値の設定値を設定することにより、より精度が高く結晶相同定方法を実現することが出来る。対象となる試料に含まれる元素がすでに判明している場合、又は、試料に含まれない元素がすでに判明している場合、ステップ2(サーチマッチステップ)及びステップ6(残余情報サーチマッチステップ)において、データベースに収納される複数の結晶相を、限定する又は除外することが出来、より短時間に、より精度の高い、自動定性分析を行うことが出来る。
さらに、第1乃至第3の実施形態に係る結晶相同定装置1は、自動的に試料の定性分析を行っており、ユーザは、接続される表示装置12が表示する分析結果を知り、その分析結果の信頼性について検討する。しかし、結晶相同定方法の途中において、フィッティングやサーチマッチの結果を表示装置12が表示し、ユーザがその結果を判定する機会を得るものであってもよい。例えば、ステップ2又はステップ7において、試料に含まれる新たな結晶相の候補が、FOMの値が小さいものから順に所定の数、表示されてもよい。ユーザは、試料について既に判明している情報に基づいて、表される所定の数の候補から最も信頼できる1個を選択すればよい。また、ステップ3において、フィッティング結果をフィッティング判定値とともに表示されてもよい。ユーザは、フィッティング結果を検討して、信頼性について検討することが出来る。さらに、ステップ5において、残差回折パターンや残存判定値が表示されてもよい。ユーザは、残差回折パターンのスペクトルや残存判定値を検討することにより、更なる同定を行うか否かの判定をすることが出来る。かかる結晶相同定装置は、定性分析の結果の信頼性を検討するのに有用な情報を随時ユーザに提供することが出来、熟練度が高いユーザのニーズに対応することが出来る。
なお、本発明の実施形態では、測定データは、X線回折装置によって測定されるX線回折パターンであるとしたが、これに限定されることはなく、中性子線など他の回折パターンであってもよいのは言うまでもない。
1 結晶相同定装置、2 解析部、3 情報入力手段、4 情報出力手段、5 記憶部、11 X線回折装置、12 表示装置。

Claims (9)

  1. 複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度の情報が少なくとも収納されるデータベースを用いて、試料の粉末回折パターンより前記試料に含まれる結晶相を同定する、結晶相同定方法であって、
    既に同定された結晶相の情報である試料含有結晶相情報を用いて、前記試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、全パターンフィッティングを施して、前記既に同定された結晶相の理論回折パターンを算出する、全パターンフィッティングステップと、
    前記全パターンフィッティングステップが算出した前記既に同定された結晶相の理論回折パターン前記第1回折パターンから差し引いた残差回折パターンに基づいて、又は前記既に同定された結晶相の理論回折パターンにピーク1本毎のプロファイルを足して、前記第1回折パターンに近づけるようプロファイルフィッティングを施すことに基づいて、試料の残余情報を生成する、残余情報生成ステップと、
    前記残余情報生成ステップが生成する前記残余情報を、前記データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、前記データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる新たな結晶相を選択する、残余情報サーチマッチステップと、
    を備えることを特徴とする結晶相同定方法。
  2. 請求項1に記載の結晶相同定方法であって、
    前記全パターンフィッティングステップの前に実行されるとともに、前記試料の粉末回折パターンを、前記データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、前記データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる結晶相を選択し、当該結晶相を前記試料含有結晶相情報とする、サーチマッチステップを、
    さらに備えることを特徴とする結晶相同定方法。
  3. 複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度の情報が少なくとも収納されるデータベースを用いて、試料の粉末回折パターンより前記試料に含まれる結晶相を同定する、結晶相同定方法であって、
    既に同定された結晶相の情報である試料含有結晶相情報を用いて、前記試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、全パターンフィッティングを施して、前記既に同定された結晶相の理論回折パターンを算出する、全パターンフィッティングステップと、
    前記全パターンフィッティングステップが算出した前記既に同定された結晶相の理論回折パターンと、前記第1回折パターンとの差異に基づいて、試料の残余情報を生成する、残余情報生成ステップと、
    前記残余情報生成ステップが生成する前記残余情報を、前記データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、前記データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる新たな結晶相を選択する、残余情報サーチマッチステップと、
    前記残余情報サーチマッチステップにおける同定の適合度合いに基づいて、更なる同定を行うか否かを判定し、更なる同定を行う場合は、前記残余情報サーチマッチステップが選択した前記新たな結晶相を前記試料含有結晶相情報に追加し、前記試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、前記試料含有結晶相情報を用いて、前記全パターンフィッティングステップ、前記残余情報生成ステップ、及び前記残余情報サーチマッチステップをさらに実行させる、サーチマッチ結果判定ステップ
    備えることを特徴とする結晶相同定方法。
  4. 請求項3に記載の結晶相同定方法であって、
    前記全パターンフィッティングステップの前に実行されるとともに、前記試料の粉末回折パターンを、前記データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、前記データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる結晶相を選択し、当該結晶相を前記試料含有結晶相情報とする、サーチマッチステップを、
    さらに備えることを特徴とする結晶相同定方法。
  5. 請求項1又は2に記載の結晶相同定方法であって、
    前記残余情報サーチマッチステップにおける同定の適合度合いに基づいて、更なる同定を行うか否かを判定し、更なる同定を行う場合は、前記残余情報サーチマッチステップが選択した前記新たな結晶相を新たに前記試料含有結晶相情報とし、前記残差回折パターンを新たに前記第1回折パターンとして、前記第1回折パターンに対して、前記試料含有結晶相情報を用いて、前記全パターンフィッティングステップ、前記残余情報生成ステップ、及び前記残余情報サーチマッチステップをさらに実行させる、サーチマッチ結果判定ステップを、
    さらに備えることを特徴とする結晶相同定方法。
  6. 複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度の情報が少なくとも収納されるデータベースを用いて、試料の粉末回折パターンより前記試料に含まれる結晶相を同定する、結晶相同定装置であって、
    既に同定された結晶相の情報である試料含有結晶相情報を用いて、前記試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、全パターンフィッティングを施して、前記既に同定された結晶相の理論回折パターンを算出する、全パターンフィッティング手段と、
    前記全パターンフィッティング手段が算出した前記既に同定された結晶相の理論回折パターン前記第1回折パターンから差し引いた残差回折パターンに基づいて、又は前記既に同定された結晶相の理論回折パターンにピーク1本毎のプロファイルを足して、前記第1回折パターンに近づけるようプロファイルフィッティングを施すことに基づいて、試料の残余情報を生成する、残余情報生成手段と、
    前記残余情報生成手段が生成する前記残余情報を、前記データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、前記データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる新たな結晶相を選択する、残余情報サーチマッチ手段と、
    を備えることを特徴とする結晶相同定装置。
  7. 複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度の情報が少なくとも収納されるデータベースを用いて、試料の粉末回折パターンより前記試料に含まれる結晶相を同定する、結晶相同定装置であって、
    既に同定された結晶相の情報である試料含有結晶相情報を用いて、前記試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、全パターンフィッティングを施して、前記既に同定された結晶相の理論回折パターンを算出する、全パターンフィッティング手段と、
    前記全パターンフィッティング手段が算出した前記既に同定された結晶相の理論回折パターンと、前記第1回折パターンとの差異に基づいて、試料の残余情報を生成する、残余情報生成手段と、
    前記残余情報生成手段が生成する前記残余情報を、前記データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、前記データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる新たな結晶相を選択する、残余情報サーチマッチ手段と、
    前記残余情報サーチマッチ手段における同定の適合度合いに基づいて、更なる同定を行うか否かを判定し、更なる同定を行う場合は、前記残余情報サーチマッチ手段が選択した前記新たな結晶相を前記試料含有結晶相情報に追加し、前記試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、前記試料含有結晶相情報を用いて、前記全パターンフィッティング手段、前記残余情報生成手段、及び前記残余情報サーチマッチ手段をさらに実行させる、サーチマッチ結果判定手段と、
    を備えることを特徴とする結晶相同定装置。
  8. 複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度の情報が少なくとも収納されるデータベースを用いて、試料の粉末回折パターンより前記試料に含まれる結晶相を同定する、結晶相同定プログラムであって、
    コンピュータを、
    既に同定された結晶相の情報である試料含有結晶相情報を用いて、前記試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、全パターンフィッティングを施して、前記既に同定された結晶相の理論回折パターンを算出する、全パターンフィッティング手段、
    前記全パターンフィッティング手段が算出した前記既に同定された結晶相の理論回折パターン前記第1回折パターンから差し引いた残差回折パターンに基づいて、又は前記既に同定された結晶相の理論回折パターンにピーク1本毎のプロファイルを足して、前記第1回折パターンに近づけるようプロファイルフィッティングを施すことに基づいて、試料の残余情報を生成する、残余情報生成手段、
    前記残余情報生成手段が生成する前記残余情報を、前記データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、前記データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる新たな結晶相を選択する、残余情報サーチマッチ手段、
    として機能させるための結晶相同定プログラム。
  9. 複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度の情報が少なくとも収納されるデータベースを用いて、試料の粉末回折パターンより前記試料に含まれる結晶相を同定する、結晶相同定プログラムであって、
    コンピュータを、
    既に同定された結晶相の情報である試料含有結晶相情報を用いて、前記試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、全パターンフィッティングを施して、前記既に同定された結晶相の理論回折パターンを算出する、全パターンフィッティング手段、
    前記全パターンフィッティング手段が算出した前記既に同定された結晶相の理論回折パターンと、前記第1回折パターンとの差異に基づいて、試料の残余情報を生成する、残余情報生成手段、
    前記残余情報生成手段が生成する前記残余情報を、前記データベースに収納される複数の結晶相のピーク位置及びピーク強度と、比較することにより、前記データベースに収納される複数の結晶相より前記試料に含まれる新たな結晶相を選択する、残余情報サーチマッチ手段、
    前記残余情報サーチマッチ手段における同定の適合度合いに基づいて、更なる同定を行うか否かを判定し、更なる同定を行う場合は、前記残余情報サーチマッチ手段が選択した前記新たな結晶相を前記試料含有結晶相情報に追加し、前記試料の粉末回折パターンである第1回折パターンに対して、前記試料含有結晶相情報を用いて、前記全パターンフィッティング手段、前記残余情報生成手段、及び前記残余情報サーチマッチ手段をさらに実行させる、サーチマッチ結果判定手段、
    として機能させるための結晶相同定プログラム。
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