JP6013943B2 - エンジンのegr制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの燃費向上のためにEGR率を制御するEGR制御装置に関する。
近年、自動車等の車両の燃費や排気の規制が強化されつつあり、そのような規制は今後も益々強くなる傾向にある。特に燃費については、近年のガソリン価格の高騰、地球温暖化への影響、エネルギー資源枯渇問題などにより、極めて関心が高くなっている。
このような状況下において、車両の燃費向上を目的とした様々な技術開発が世界各国で行なわれており、その開発技術の一つとして、例えば排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)システムが挙げられる。
EGRシステムは、吸気通路を介して吸入した吸気ガスを燃焼室で燃焼させ、その燃焼により発生した排気ガスを再び吸気通路へ還流させるシステムである。このシステムによれば、排気ガス(EGRガス)を吸気通路へ還流させることに起因する新気量の減少を抑制するため、吸気通路に設けられたスロットルバルブを開弁する必要があり、その結果として、ポンピングロス(吸気抵抗)が抑制されて車両の燃費を向上させることができる。
また、燃焼室内にEGRガスを導入することによって燃焼温度が低下するため、高温時に発生し得る窒素酸化物(NOx)を抑制することができるといった利点もある。
ところで、上記するEGRシステムにおいては、一般に負圧が発生するスロットルバルブの下流側へEGRガスを還流させている。このような構成とすることで、エンジンの排気圧力と前記負圧との差圧を利用して、EGRガスを吸気通路へ容易に還流させることができる。
一方で、例えば過給機を搭載したエンジンにおいては、その過給領域でスロットルバルブの下流側が正圧となり、EGRガスが吸気通路へ還流され難くなることが知られている。そのため、過給機を搭載したエンジンの過給領域においては、一般にEGRを実施していない。
しかしながら、更なる燃費向上を実現するためには、上記する過給領域においてもEGRを実施する必要があり、そのための開発技術の一つとして、例えばEGRガスをスロットルバルブの上流側、特にスロットルバルブの更に上流側に配設されたコンプレッサの上流側へ還流させる技術が提案されている。
このように、EGRシステムは燃費の向上やNOxの低減に有効であるものの、EGRガスの流量が大きくなると、エンジンの燃焼室における燃焼が不安定となり、燃費性能や排気性能が悪化してしまう可能性がある。そのため、EGRガスの還流先に関わらず、EGRガス流量またはEGR率を精緻に制御する必要がある。
エンジンのEGR制御装置として、例えば下記の特許文献1,2が公開されている。特許文献1では、エンジンの空気分圧の推定値を算出し、その空気分圧の推定値と吸気管内圧力を用いてEGRガス分圧の推定値を算出し、そのEGRガス分圧の推定値がEGRガス分圧の制御目標値と等しくなるようにEGR流量のフィードバック制御を行なう方法が記載されている。
また、特許文献2では、空気過剰率からシリンダに吸入されるEGRガスを含む吸入混合気体のガス定数(ガス定数R=PV/MT ただし、P:圧力、V:体積、M:モル数、T:絶対温度)を算出し、ガス定数を用いて現サイクルの空気過剰率を算出し、現サイクルの空気過剰率を予め設定された目標空気過剰率マップから導いた目標空気過剰率に近づけるように制御する方法が記載されている。
特開2000−220532 特開2009−185793
従来、空気とEGRガスのガス定数はそれぞれ一定として用いられており、その情報と圧力差およびEGRバルブ開度などの情報からEGR率を求めていた。
一般に、EGR率がばらついた場合、特にEGR率が高い側にばらついた場合、燃焼が不安定になり、最悪のケースでは失火に至る可能性が考えられる。また、EGR率が低い側にばらついた場合、ノッキングが発生する可能性が考えられる。このEGR率のばらつきの許容値は、EGR率が低いときは許容値が広く、逆にEGR率が高いときは許容値が狭くなる。
そのため、上記の方法であっても、EGR率が低い条件であれば、多少の誤差を含んでいても燃焼は成立する。
しかし、更なる燃費性能向上を実現するためにEGR率を高く設定した場合、上記の方法ではEGR率のばらつきが許容値を超えることが考えられるため、安定した燃焼を成立させることができない。
そこで、空気のガス定数とは別にEGRガスのガス定数を求める方法が提案されている。特に、空燃比によってEGRガスのガス定数が変化することに着目し、空燃比に応じてEGRガスのガス定数を求めてEGR流量またはEGR率を推定する方法がある。
しかし、従来は、空燃比センサの応答遅れや、EGR系の遅れが考慮されていないため、空燃比が変化したときのEGR率の推定精度が悪く、運転性の悪化を招く問題点があった。
以上示したようなことから、エンジンのEGR制御装置において、空燃比センサの応答遅れや、EGR系の遅れを考慮して空燃比が変化した時のEGR率を高精度に推定し、運転性の悪化を抑制することが課題となる。
上記の課題を解決するため、本発明のエンジンのEGR制御装置は、空燃比センサによって求められるEGRガスのガス定数を、空燃比センサの応答遅れ分およびEGR系の遅れを考慮して補正することにより、空燃比が変化したときのEGR率を更に精度よく推定することを特徴とする。
本発明によれば、空燃比センサの応答遅れや、EGR系の遅れを考慮してEGR率を推定するため、空燃比が変化したときのEGR率の推定精度が向上し、運転性の悪化を防止することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施形態に係るエンジンのEGR制御装置が搭載されたエンジンの全体構成を概略的に示した全体構成図である。 実施形態に係るエンジンのEGR制御手段の概要を示すブロック図である。 EGRバルブ開度補正テーブルの設定例を示すグラフである。 実EGR率算出ブロックを詳細に表したブロック図である。 空気密度演算ブロックを詳細に表したブロック図である。 コレクタ内EGR分圧演算ブロックを詳細に表したブロック図である。 EGRガス密度演算ブロックを詳細に表したブロック図である。 リニア空燃比センサ応答遅れ補償ブロックを詳細に表したブロック図である。 EGRガス定数演算ブロックを詳細に表したブロック図である。 むだ時間の演算方法を示したブロック図である 実EGR率演算ブロックを詳細に表したブロック図である。 EGR制御手段の詳細なフローチャートである。
本発明の実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るエンジンのEGR制御装置が搭載されたエンジンの全体構成を概略的に示した全体構成図である。エンジン10は、例えば4つの気筒を備えた火花点火式の多気筒エンジンであって、シリンダヘッド11a及びシリンダブロック11bからなるシリンダ11と、このシリンダ11の各気筒内に摺動自在に嵌挿されたピストン15と、を備え、ピストン15は、コンロッド14を介してクランク軸(図示せず)に連結されている。また、ピストン15の上方には、所定形状の天井部を有する燃焼室17が画成され、各気筒の燃焼室17には、点火コイル34から高電圧化された点火信号が供給される点火プラグ35が臨設されている。
また、燃焼室17は、エアクリーナ19、スロットルバルブ25、コレクタ27、吸気マニホールド28、吸気ポート29等を備えた吸気通路20と連通しており、燃料の燃焼に必要な空気は、この吸気通路20を通り、当該吸気通路20の下流端である吸気ポート29の端部に配在された吸気カム軸23により開閉駆動される吸気バルブ21を介して、各気筒の燃焼室17に吸入されるようになっている。また、吸気通路20の吸気マニホールド28には、吸気ポート29へ向けて燃料を噴射する燃料噴射弁30が気筒毎に臨設されている。
また、吸気通路20のエアクリーナ19の下流には、エンジン10の吸入空気の流量を検出するエアフローセンサ50が配設されている。このエアフローセンサ50は、吸入空気量(質量流量)が大きくなるに従って、測定対象となる吸入空気流に配置されたホットワイヤ(発熱抵抗体)に流れる電流値が増加し、吸入空気量が小さくなるに従ってホットワイヤに流れる電流値が減少するようにブリッジ回路が構成されている。そして、エアフローセンサ50のホットワイヤに流れる発熱抵抗電流値は電圧信号として抽出されて、ECU(エンジンコントロールユニット)100へ送信されるようになっている。
吸気通路20を介して吸入された空気と燃料噴射弁30から噴射された燃料との混合気は、吸気バルブ21を介して燃焼室17へ吸入され、点火コイル34に接続された点火プラグ35による火花点火によって燃焼される。そして、燃焼室17での燃焼後の排気ガスは、排気カム軸24により開閉駆動される排気バルブ22を介して燃焼室17から排気され、排気ポートや排気マニホールド、排気管等(不図示)を備えた排気通路40を通って外部の大気中へ排出されるようになっている。
排気通路40には、アルミナやセリアなどの担体に白金やパラジウムなどを塗布した排気ガス浄化用の三元触媒60が配設されており、この三元触媒60の上流側には、触媒前空燃比に対して線形の出力特性を有するリニア空燃比センサ51が配設され、三元触媒60の下流側には、触媒後空燃比がストイキ(理論空燃比)よりもリッチ側かリーン側かを識別するためのスイッチング信号を出力するO2センサ52が配設されている。
また、エンジン10の各気筒に対して配備された燃料噴射弁30は、燃料タンク53と接続されており、燃料タンク53の内部の燃料は、燃料ポンプ54や燃圧レギュレータ55等を備えた燃料供給機構により所定燃圧に調圧されて燃料噴射弁30に供給されるようになっている。所定燃圧の燃料が供給された燃料噴射弁30は、ECU100から供給されるエンジン負荷等の運転状態に応じたデューティ(パルス幅:開弁時間に相当する)を有する燃料噴射パルス信号によって開弁駆動され、その開弁時間に応じた量の燃料を吸気ポート29に向けて噴射するようになっている。
なお、ECU100は、エンジン10の種々の制御、例えば燃料噴射弁30による燃料噴射制御(空燃比制御)、点火プラグ35による点火時期制御等を行なうためのマイクロコンピュータを内蔵している。
排気通路40に配設された三元触媒60の上流には、EGRガスをコレクタ27へ還流させるEGR配管61が接続されており、EGR配管61の吸気通路20側の端部は、吸気通路20に配設されたコレクタ27に接続されている。したがって、排気通路40を流れる排気ガスは、三元触媒60の上流で排気通路40からEGR配管61へ流れ、EGR配管61へ流れる高温のEGRガス(排気ガス)は、EGRクーラ62を介して冷却された後、EGRバルブ64を介して所定流量に調整され、コレクタ27内の吸入空気と混合される。EGR配管61内を流れるEGRガスの温度は、EGRバルブ64とEGRクーラ62の間に配設されたEGR温度センサ63により計測する。
図2は、本実施形態に係るエンジンのEGR制御手段の概要を示すブロック図である。目標EGR率検索ブロック201では、検出されたエンジン回転数、エンジン負荷により、マップから目標EGR率を検索する。前記目標EGR率から後述する実EGR率算出ブロック208から出力された実EGR率を加算器202で減算し、EGR率差分egrdifを計算する。ブロック205では、前記のEGR率差分egrdifから、EGRバルブ開度補正テーブル205により、EGRバルブ開度補正量EGRHOS0を検索する。加算器206では、EGRバルブ開度補正量EGRHOS0と、EGRバルブ開度補正量EGRHOS0の前回値であるEGRHOS1を加算してEGRバルブ開度補正値EGRHOSを計算する。
加算器207では、基本EGRバルブ開度φegr0に、前記のEGRバルブ開度補正値EGRHOSを加算し、補正後EGRバルブ開度φegrを計算する。ただし、目標EGR率検索ブロック201で検索された前記目標EGR率が0の場合は、スイッチ203で、前記のEGR率差分egrdifを0にしてEGRバルブ開度補正テーブル205でEGRバルブ補正量EGRHOS0を0にし、スイッチ204でEGRバルブ開度補正量の前回値EGRHOS1を0にして、即座にEGRバルブ開度補正値EGRHOSを0(無効)にする。
図3は、図2に示すEGRバルブ開度補正テーブル205の設定例である。横軸が前記のEGR率差分egrdif、縦軸が前記のEGRバルブ開度補正量EGRHOS0である。図3における0より右側はEGR率差分egrdifが正の領域であり、EGRバルブ64の開く側を表し、図3における0より左側はEGR率差分egrdifが負の領域であり、EGRバルブ64の閉じる側を表す。また、EGR率差分egrdifが小さい領域(目標EGR率と実EGR率との差分が小さい領域)では、EGR開度補正量EGRHOS0を0として不感帯を設定し、目標近くでのチャタリングを防止する。
図4は、図2に示す実EGR率算出ブロック208を詳細に表した一例である。空気密度演算ブロック210では、コレクタ内空気温度Tairと、空気のガス定数Rairと、コレクタ内空気分圧Pairとから、コレクタ27内の空気密度を演算する。
コレクタ内EGR分圧演算ブロック211では、コレクタ内空気分圧Pairと、コレクタ内圧力Pinとから、コレクタ内EGR分圧Pegrを演算する。前記コレクタ内圧力Pinは、コレクタ内に含まれる空気およびEGRガスを含めた全圧であり、圧力センサで計測してもよく、また、運転条件パラメータからマップ推定してもよい。
応答遅れ補償ブロック213では、空燃比センサ51の応答遅れを補償するため、進み補償を行なう。EGRガス定数演算ブロック214では、コレクタ27内のEGRガスのガス定数Regrを計算する。EGRガス密度演算ブロック212では、前記コレクタ内EGR分圧Pegrと、EGRガス温度Tegrと、前記EGRガス定数Regrとから、コレクタ27内のEGRガス密度を演算する。実EGR率演算ブロック215では、前記コレクタ内空気密度と、前記コレクタ内EGRガス密度とから、コレクタ27内の実EGR率を演算する。
次に、ブロック210〜215の詳細について、以下の図5〜11を用いて詳細に説明する。
図5は、空気密度演算ブロック210を詳細に表した一例である。コレクタ27内に流入してくる空気流量をQs、コレクタ27からシリンダ11へ流出する空気量をQcとすると、コレクタ27内の吸入空気の分圧Pairの圧力勾配は、下記(式1)で示すように、コレクタ27内への吸入空気量の収支(Qs−Qc)に基づいて求められる。なお、Mairは空気の分子量、Vはコレクタ27の容積である。
Figure 0006013943
コレクタ内空気温度Tairは、吸気温度センサの値を用いる。コレクタ27に直接温度センサを取り付けてもよく、また、エアフローセンサ50に空気温度センサの機能が含まれている場合、その値を代用してコレクタ27内の空気温度を推定してもよい。コレクタ27への空気密度は、図5に示すように、コレクタ27内空気分圧Pairを、コレクタ内空気温度Tairと空気のガス定数Rairを乗算した値で除算することにより算出する。
図6は、コレクタ内EGR分圧演算ブロック211を詳細に表した一例である。コレクタ内EGR分圧Pegrは、加算器218により、コレクタ27内の圧力Pinからコレクタ27内の空気分圧Pairを減算することで求めることができる。
図7は、EGRガス密度演算ブロック212を詳細に表した一例である。コレクタ27内のEGRガス密度は、コレクタ内EGR分圧演算ブロック211で求めたコレクタ27内のEGR分圧Pegrと、EGRガスのガス温度Tegrと、EGRガスのガス定数Regrとから求めることができる。具体的には、図7に示すように、コレクタ内EGRガス分圧PegrをEGRガス温度TegrとEGRガス定数Regrを乗算した値で除算することにより、コレクタ内EGRガス密度を算出する。ここで、EGRガス温度Tegrは、コレクタ27になるべく近い場所が好ましい。そのため、EGRガスの流量を調整する手段、例えばEGRバルブ64と、EGRクーラ62との間で計測することが望ましい。
EGRガスのガス定数Regrは、空燃比によって値が変化する。特に、燃料が空気との理想混合割合に対して多い場合、いわゆる空燃比がリッチな条件では、EGRガスのガス定数Regrは大きく変化する。一般的に空燃比の計測は、三元触媒60の上流側に、空燃比に対して線形の出力特性を有するリニア空燃比センサ51が用いられることが多い。リニア空燃比センサ51には応答遅れがあり、運転条件が一定している定常運転時は理論空燃比で燃焼が行なわれるため、応答遅れを気にする必要はないが、例えば、過渡運転時などで空燃比が変化する場合には、正確な空燃比の変化を捉えるために進み補償を行なう必要がある。リニア空燃比センサ51の応答遅れはセンサ固有の特性であるため種類によって異なるが、一般的に一次遅れで近似できるので、その遅れを補償するようにセンサの特性に合わせて信号増幅部221でゲインαを設定するとよい。
図8は、前記リニア空燃比センサ51の応答遅れ補償ブロック213を詳細に表した一例である。加算器220で、リニア空燃比センサ51の出力信号から、前回のリニア空燃比センサ応答遅れ補償信号を減算し、信号増幅部221でセンサの特性に応じたゲインαを掛けた値を、加算器222で元の信号であるリニア空燃比センサ51の出力信号に加えることで、進み補償を行なう。
図9は、EGRガス定数演算ブロック214を詳細に表した一例である。前述した通り、EGRガスのガス定数Regrは空燃比によって、特に空燃比がリッチになると大きく変化する。そこで、ガス定数マップ225で、リニア空燃比センサ応答遅れ補償信号に応じたEGRガスのガス定数Regr0を算出する。
ただし、空燃比が理論空燃比(ストイキ)からリッチに変化したとしても、暫くの間は、EGR還流距離が存在するため、リッチ状態で燃焼したEGRガスはコレクタ27まで到達しない。コレクタ27内のEGR率を正確に求めるためには、EGR系の遅れであるむだ時間を考慮する必要があり、むだ時間遅れ補償ブロック226で前記むだ時間を考慮した処理を行なう。また、コレクタ27内にEGRガスが到達してからも、瞬間的にコレクタ27内のEGRガス定数がリッチ燃焼時のガス定数に切り替わるのではなく、ストイキ燃焼時のEGRガス定数から加重平均的に変化するため、加重平均演算ブロック227でコレクタ27内のEGRガス定数Regrを演算する。
図10は、むだ時間遅れ補償ブロック226における前記むだ時間の演算方法を示した一例である。エンジン回転数とエンジン負荷とから、排圧マップ230により排圧Pexhを検索する。EGRガス流速演算ブロック231では、前記排気圧力Pexhとコレクタ内圧力Pinとの差分からEGRガス流速Vegrを演算し、むだ時間演算ブロック232では、前記EGRガス流速Vegrと、EGRガス配管長さLegrとから、EGRガスが排気集合部からコレクタ27に到達するまでの時間(むだ時間)を算出する。
図9に示すように、例えば、加重平均演算ブロック227では、むだ時間遅れ補償ブロック226の出力信号に所定のゲインβを乗算した値に対して、前回のガス定数Regrにゲイン(1−β)を乗算した値を加算し、EGRガス定数Regrを算出する。
図11は、実EGR率演算ブロック215を詳細に表した一例である。加算器233で、コレクタ内EGRガス密度とコレクタ内空気密度を加算し、コレクタ27内に存在する総ガス密度を算出する。前記コレクタ27内の総ガス密度に対して、コレクタ27内EGRガス密度が含まれている割合からコレクタ27内の実EGR率を演算する。
図12は、図2の本実施形態に係るエンジンのEGR制御手段の詳細なフローチャートの一例である。
ステップ1001で、エンジン回転数とエンジン負荷とから、目標EGR率検索ブロック201において目標EGR率マップにより目標EGR率を検索し、目標EGR率≠0か否かを判断する。目標EGR率≠0である場合は、ステップ1002に移る。
ステップ1002では、加算器202で、前記目標EGR率から、実EGR率を減算して、EGR率差分egrdifを演算する。
ステップ1004では、前記EGR率差分egrdifに基づいて、EGRバルブ開度補正テーブル205からEGRバルブ開度補正量EGRHOS0を検索し、ステップ1007に移る。前記EGR率差分egrdifが正の値の場合、実EGR率が目標EGR率よりも低いことを意味するので、EGR率を増やすためにEGRバルブ64が開く側に補正が働き、逆に、前記EGR率差分egrdifが負の値の場合、実EGR率が目標EGR率よりも高いことを意味するので、EGR率を減らすためにEGRバルブ64が閉じる側に補正が働く。
ここで、ステップ1001で、目標EGR率≠0でなかった場合は、ステップ1003に移る。
ステップ1003では、目標EGR率は0であるため、基本EGRバルブ開度φegrは全閉を指示している。そのため、EGRバルブ開度を補正する必要はなく、スイッチ203で、EGR率差分egrdifを0として出力し、ステップ1005に移る。
ステップ1005では、EGR率差分egrdifが0であるため、図3に示すEGRバルブ開度補正テーブルに従い、EGRバルブ開度補正量EGRHOS0を0としてステップ1006に移る。
ステップ1006では、目標EGR率は0であるため、EGRバルブ開度を補正する必要はなく、スイッチ204で、EGRバルブ開度補正量の前回値EGRHOS1を0として出力してステップ1007に移る。
ステップ1007では、加算器206で、EGRHOS0とEGRHOS1とから、EGRバルブ開度補正値EGRHOSを演算し、ステップ1008に移る。
ステップ1008では、加算器207で、基本EGRバルブ開度φegr0と前記EGRバルブ開度補正値EGRHOSとから、補正後EGRバルブ開度φegrを演算する。
本実施形態は、EGRガスのガス定数Regrが空燃比によって変化し、さらに空燃比が急変した際の、コレクタ内EGRガス定数Regrの変化を、空燃比センサ51の応答遅れと、EGR系の遅れを考慮することにより、EGR率を従来よりも更に高い精度で推定することができる。
以上、本発明の一実施形態について、詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。また、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
10…エンジン
11…シリンダ
11a…シリンダヘッド
11b…シリンダブロック
14…コンロッド
15…ピストン
17…燃焼室
19…エアクリーナ
20…吸気通路
21…吸気バルブ
22…排気バルブ
23…吸気カム軸
24…排気カム軸
25…スロットルバルブ
27…コレクタ
28…吸気マニホールド
29…吸気ポート
30…燃料噴射弁
34…点火コイル
35…点火プラグ
40…排気通路
50…エアフローセンサ
51…リニア空燃比センサ
52…O2センサ
53…燃料タンク
54…燃料ポンプ
55…燃圧レギュレータ
60…三元触媒
61…EGR配管
62…EGRクーラ
63…EGR温度センサ
64…EGRバルブ
100…ECU

Claims (7)

  1. EGRガスをコレクタへ還流させる手段と、
    前記EGRガスの流量を調整する手段と、
    エンジンの吸入空気量を得る手段と、
    前記コレクタ内の圧力を得る手段と、
    空気とEGRガスの温度を得る手段と、
    空燃比を検出する手段と、
    空燃比から前記EGRガスのガス定数を推定する手段と、
    前記EGRガスのガス定数に基づいて前記コレクタ内のEGR率を算出する手段と、を備え、
    前記EGRガスのガス定数を推定する手段は、
    前記空燃比検出手段の検出遅れおよびEGR系の遅れを考慮して前記EGRガスのガス定数を推定することを特徴とするエンジンのEGR制御装置。
  2. 前記コレクタ内のEGR率は、前記コレクタ内の空気とEGRガスとの分圧、温度、ガス定数から算出することを特徴とする請求項1に記載のエンジンのEGR制御装置。
  3. 前記コレクタ内の空気分圧は、前記コレクタ内の吸入空気量の収支から算出することを特徴とする請求項2に記載のエンジンのEGR制御装置。
  4. 前記コレクタ内のEGRガス分圧は、前記コレクタ内の圧力と前記コレクタ内の空気分圧との差分から求めることを特徴とする請求項2に記載のエンジンのEGR制御装置。
  5. 前記EGRガス温度は、前記EGRガスの流量を調整する手段よりも排気側に排気温度センサを設けて検出することを特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項に記載のエンジンのEGR制御装置。
  6. 前記EGR系の遅れとは、排気集合部からコレクタまでのEGRガス到達時間であり、前記エンジンの回転数と負荷とから求めた排気圧力と、前記コレクタ内圧力と、前記EGRガス配管長とから求めることを特徴とする請求項1〜5のうち何れか1項に記載のエンジンのEGR制御装置。
  7. 前記空燃比検出手段は空燃比センサであり、進みフィルタを用いることで前記空燃比センサの応答遅れを補償することを特徴とする請求項1〜6のうち何れか1項に記載のエンジンのEGR制御装置。
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