JP6012961B2 - 照明装置およびコントローラ - Google Patents

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この発明は照明装置およびコントローラに関し、特に、天井に取り付けられて、室内の主照明として用いられる、いわゆるシーリングライトと呼ばれる照明装置および当該照明装置を制御するコントローラに関する。
従来の照明として、たとえば特開2008−53183号公報(以下、特許文献1)は、浴槽内の水中を、予め設定された変化パターンで光色を変化させて照明することで、入浴時のリラックス感を高める浴室照明装置を開示している。
また、特開平09−306672号公報(以下、特許文献2)は、太陽光の光量に応じて照度を変化させて照明することで、生体リズム調整ができ、かつ覚醒度の維持がし易い照明システムを開示している。
特開2008−53183号公報 特開平09−306672号公報
しかしながら、上述の特許文献1、2に開示された照明は、いずれも、良質な睡眠の環境作りに貢献するものではなく、いずれの照明下であっても、ユーザは良質な睡眠が得られない場合がある、という問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、ユーザに自然に良質な睡眠を促すことのできる照明装置および当該照明装置を制御するコントローラを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、照明装置は、各々発光色の異なる複数の光源と、複数の光源それぞれの点灯/消灯を制御する制御部とを備え、制御部は、複数の光源のうちの少なくとも2色の光源発光して、照明色を、色温度2250〜1750[K]、かつ、偏差が−0.01〜−0.02であるオレンジピンク色に調色る。なお、この「オレンジピンク色」は、日本工業規格(JIS規格)で規定される光源色の系統色名(JIS Z 8110)のうちの「オレンジピンク」と規定される色を指す。以降、同様である。
本発明の他の局面に従うと、照明装置は、光源と、光源からの出射光の波長を変換する蛍光体と、光源の点灯/消灯を制御する制御部とを備える。この照明装置は、制御部によって点灯された光源からの出射光と蛍光体により波長を変換された光とにより、照明色が色温度2250〜1750[K]、かつ、偏差が−0.01〜−0.02であるオレンジピンク色に調色される。
好ましくは、光源の発光色は青色であって、蛍光体は、青色発光波長を電球色発光波長に変換する蛍光体と、青色発光波長を赤色発光波長に変換する蛍光体とを含む。
より好ましくは、制御部は、色温度1750[K]かつ偏差−0.01の色の色座標系上の点を点A、色温度1750[K]かつ偏差−0.02の色の色座標系上の点を点B、色温度2250[K]かつ偏差−0.02の色の色座標系上の点を点C、および色温度2250[K]かつ偏差−0.01の色の色座標系上の点を点Dとして、点A〜点Dそれぞれのマクアダム楕円5−Stepで表わされる等色範囲である色座標系上の楕円のすべてに外接する包絡線内の座標で表わされる照明色に調色する。
より好ましくは、制御部は、色座標(x、y)=(0.499、0.382)で表わされる照明色に調色する。
より好ましくは、制御部は、色座標(x、y)=(0.499、0.382)の、マクアダム楕円5−Stepで表わされる等色範囲に調色する。
より好ましくは、制御部は、色座標(x、y)=(0.499、0.382)の、マクアダム楕円1−Stepで表わされる等色範囲に調色する。
好ましくは、複数の光源は、電球色LED(Light Emitting Diode)素子と、赤色LED素子とを含む。
より好ましくは、電球色LEDは、色座標(x、y)=(0.445、0.408)の、マクアダム楕円5−Stepで表わされる等色範囲であり、かつ、赤色LEDは、ドミナント波長が620nm〜645nmである。
本発明の他の局面に従うと、コントローラは、各々発光色の異なる複数の光源を有する照明装置を制御するコントローラであって、所定の照明モードに達したことを判断するステップと、所定の照明モードに達したと判断されると、複数の光源のうちの少なくとも2色の光源を発光させることで、照明色を色温度2250〜1750[K]、かつ、偏差が−0.01〜−0.02であるオレンジピンク色に調色して照明させるステップとを実行する。
この発明にかかる照明装置を用いることで、ユーザに自然に良質な睡眠を促すことができる。
実施の形態にかかる照明装置の外観の具体例を示す図である。 照明装置の光源基板の構成を説明するための図である。 照明装置のハードウェアを説明する概略ブロック図である。 LED素子駆動機構の構成を説明する図である。 発明者らによる第1の実験での結果を表わした図である。 発明者らによる第1の実験での結果を表わした図である。 発明者らによる第1の実験での結果を表わした図である。 発明者らによる第2の実験での結果を表わした図である。 発明者らによる第2の実験での結果を表わした図である。 発明者らによる第2の実験での結果を表わした図である。 実施の形態にかかる照明装置での照射光の色の範囲を表わした図である。 電球色LEDと赤色LEDの色のばらつきを、実施の形態にかかる照明装置での照射光の色の範囲に重ねて表わした図である。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
<装置構成>
図1は、本実施の形態にかかる照明装置100の外観の具体例を示す図である。
図1を参照して、照明装置100は、本体1で、図の上面に表わされる天井に固定され、図の下方向に該当する室内の床面を照射するために用いられる。
さらに図1を参照して、本体1には、本体1に対して垂直または略垂直に起立し、本体1の中心から放射状に配置された、それぞれ複数のLED(Light Emitting Diode)素子を備える複数の光源基板2と、光源基板2の発光を広範囲の床面に反射するための反射板3と、光源基板2を本体1の中心から放射状に発光させるため、本体1の中心を基準とした正多角形の各辺に光源基板2を起立させて固定するためのフレーム4とが設けられている。また、照明装置100は、光源基板2を発光させる電力を供給するための電源回路を含んだ電源基板を有する照明制御部5をさらに含む。
なお、説明の便宜上、図示されていないものの、光源基板2と反射板3とを覆い、またLED素子の発光を直視することを避けるためのカバーや、各光源基板2の発光面の前面に、LED素子の発光を均一に拡散させるための拡散レンズが設けられてもよい。
フレーム4は、本体1の中心に対して正多角形(図は正8角形)または略正多角形である。光源基板2に備えられるLED素子が反射板3に対して本体1の中心から放射状に発光し、反射板3に反射される。その反射光が床面を照射する。これにより、床面全体の照度が得られる。
このように、LED素子が直接床面を照射しないことで、ユーザが天井方向を向き、照明を直視した場合や、就寝時に照明を直視する場合でも、LED素子の光がユーザの目に直接差し込みにくく、ユーザの目に負担を抑えることができる。
図2は、光源基板2の構成を説明するための図である。
図2を参照して、光源基板2には、複数のLED素子がほぼ一列に並んで配される。LED素子の配置、間隔等は、反射板3への発光の均一性に影響を及ぼす。反射板3への発光が不均一になる場合には、照度ムラなど、照明装置100での照明の品質が低下することになる。特に、複数のLED素子に異なる色が含まれ、その組み合わせで調色を行なう場合には、照度の不均一さは色ムラの原因となり照明品質に大きく影響する。そのため、異なる色を含む複数のLED素子で構成される場合には、特に、その配置や間隔が重要となる。
図2に示されるように、照明装置100の光源基板2には、相関色温度2700[K]相当の電球色LED6Aと、ドミナント波長が620〜645nmの赤色LED6Bとの2種類のLED素子が含まれる。これら2種類のLED6A,Bが同時に発光することにより、相関色温度が2000[K]相当の発色が可能となる。
図2に示される例では、一例として、電球色LED6Aが5個、赤色LED6Bが2個、LED6A,LED6B,LED6A,LED6A,LED6A,LED6B,LED6Aの順で一列に配置される例が示されている。LED素子の個数や配列は、図2の例に限定されるものではない。
なお、電球色LEDの色温度は2600〜3150[K]と600[K]程度の色温度のばらつきがあり、また、偏差も+0.02〜−0.02までのばらつきがあることが知られており、赤色LEDのドミナント波長も上記のように620〜645nmと範囲がある。そのため、図2に示されたように、複数の電球色LED6Aと複数の赤色LED6Bとで光源基板2を構成することで発色のばらつきを抑えることができる。また、両方のLEDを1つの素子として構成するよりも構成が容易になる分、製作コストを抑えることもできる。
なお、電球色LEDに関しては、複数のLEDを組み合わせて取り扱う場合がよくある。この場合、複数のLEDのすべてが同時に点灯した場合の合成光(合成色)が上記の色温度、偏差の範囲となればよく、個々の電球色LED素子のすべてが必ずしも上記の色温度、偏差に含まれていなくてもよい。従って、この場合を考慮して、ここでの色温度、偏差のばらつきは必ずしも1つのLED素子の範囲に限定されるものでなく、複数のLEDを組み合わせて照明が実現される場合、すべてのLEDが同時に点灯したときの合成光(合成色)の範囲であってもよい。
一般的な電球色LED素子の発光色の波長は、470nmおよび570nm付近にピークを有するスペクトル分布をとる。また、赤色LEDの発光色の波長は660nm付近にピークを有するスペクトル分布をとる。従って、これらLED素子を同時に点灯させることで発光される照明装置100での発光色は、上記波長付近にピーク(極大値)を有し、緑色を表わす500nm付近や、黄色を表わす595nm付近の波長域においてピークをとることがない。
なお、照明装置100の光源は、図1、図2で表わされた構成のみに限定されるものではない。照明装置100の光源の他の構成例として、青色光の光源と、複数の蛍光体とで構成する例も挙げられる。蛍光体は、その種類(特性)により、青色の光を電球色に反射させたり、赤色に反射させたりすることができる。そのため、たとえば上記の電球色蛍光体と赤色蛍光体との調合の割合を制御することにより、照明装置100の照明色となるようにすることが可能となる。
図3は、照明装置100のハードウェアを説明する概略ブロック図である。
図3を参照して、照明装置100は、光源基板2と照明制御部5とを含む。
照明制御部5は電源回路10を含む。電源回路10は、交流電源入力(AC入力)(100V)を受けて直流電圧に変換して装置の各部に電圧を供給する。なお、本例においては、一例として制御電源供給回路14および光源基板2のみに電圧が供給されているように示されているが、特にこれに限られず、他の部位に対しても必要な電圧が供給されるものとする。
照明制御部5は、電源回路10から供給される電圧をCPU(Central Processing Unit)11に供給するために調整する制御電源供給回路14と、照明装置100全体を制御するためのCPU11と、PWM(Pulse Width Modulation)制御回路13と、メモリ12とを含む。一例としてCPU11とメモリ12とPWM制御回路13とはマイコン(マイクロコンピュータ)によって構成される。
CPU11は、各部と接続されるとともに、照明装置100全体を制御するために必要な動作を指示する。
PWM制御回路13は、CPU11からの指示に従ってLED素子6A,6Bを駆動するために必要なPWMパルスを生成する。
CPU11は、図示しないスイッチと無線または有線にて接続されて、入力部15にて当該スイッチの操作に応答した指示入力を受け付ける。
メモリ12は、照明装置100を制御するための各種プログラムおよび初期値等が格納されるとともに、CPU11のワーキングメモリとしても用いられる。
光源基板2には、色温度の異なるLED素子6A,6Bが配されると共に、LED素子6A,6Bを駆動するために用いられるFET(Field Effect Transistor)スイッチ21,22が配される。
なお、図3においては、説明の簡便のため、LED素子6A,6Bがそれぞれ1つずつ設けられている場合が示されているが、上述のようにLED素子6A,6Bはそれぞれ複数設けられるものとする。また、FET21,22はPWM制御回路13にあってもよい。
図4は、本発明の実施の形態に従うLED素子6A,6B駆動機構の構成を説明する図である。
図4を参照して、CPU11は、PWM制御回路13に指示してLED素子6A,6Bの少なくとも一方を駆動するためのPWMパルスS1,S2を生成して出力する。
LED素子6A,6Bは、電源回路10から必要な電圧の供給を受ける。LED素子6A,6Bと接地電圧GNDとの間には、FET21,22がそれぞれ設けられている。
そして、PWMパルスS1,S2に応答してFET21,22が導通/非導通となることによりLED素子6A,6Bに電流が供給/遮断される。LED素子6A,6Bに電流が供給されることによりLED素子6A,6Bはそれぞれ発光する。なお、ここでは、LED素子6A,6Bを駆動する構成について説明したが、他のLED素子がさらに複数個設けられている場合についても同様である。
照明装置100には、以降に説明する照明色を照射させる照明モードが備えられており、CPU11は、入力部15で入力された操作信号に従ってプログラムを実行することで、上記照明モードとなるタイミングを判断する。これは、たとえば、上記照明モードとするためのスイッチ(不図示)が押下されたことで判断されてもよいし、図示しないタイマ等によって予め設定された時刻になったことや、予め設定された時間が経過したことが検出されたことで判断されてもよい。そして、そのタイミングに達したと判断されると、CPU11は、LED素子6A,6Bを後述する照明色となるよう調色するために予め規定された強度で照明させるよう、PWM制御回路13に指示してPWMパルスS1,S2を生成して出力させる。
また、上記開始タイミングから、所定の時間を経過する、または所定の時刻に達するなどでそのモードを終える。
<照明色を決定するための実験>
発明者らは、第1の実験として、照明装置100の色温度を変化させてその主観評価を得る実験を行なった。
第1の実験は、20代〜40代の女性4人および男性10人に対して行なわれた。詳しくは、2グループに分けて、同じ部屋で、色温度を7000〜1500[K]で変化させ、さらに、各色温度において黒体輻射軌跡からのずれである偏差を0〜−0.02で変化させた照明条件にて照明を行なった。そして、照射後に、快適(5)・不快(1)、眠気を催す(5)・眠気がない(1)、およびくつろげる(5)・くつろげない(1)の各項目を点数評価させた。各項目の点数を統計することで、これら被験者による主観的評価を得た。
図5〜図7は、第1の実験での結果を表わした図であり、図5は色温度および偏差ごとの眠気に関する評価結果、図6は不快感に関する評価結果、および図7はくつろぎに関する評価結果を表わしている。これら各項目において、評価結果として、得られた点数の平均点を算出して示している。
特に図5の結果より、基準を3.5以上とすると、色温度2250〜1750[K]であり、かつ、偏差が−0.01〜−0.02の照明条件において眠気を催すとの主観評価が高いことが分かった。また、図6および図7の結果より、その照明条件では、不快感も低く、かつ、くつろぎ度合いも低くはないことが分かった。すなわち、上記色温度、偏差による照明が、眠気に関して効果があると考察される。
さらに、発明者らは、第2の実験として、就寝時の照明条件を2種類の条件として、照明下での睡眠評価を得る実験を行なった。
第2の実験は、睡眠の質を評価するための18項目から構成される自記式質問票であるピッツバーグ睡眠質問票(PSQI:Pittsburgh Sleep Quality Index)にて睡眠障害の基準である5点以上を示す、20歳以上65歳以下の男性11名に対して行なわれた。詳しくは、1室ごとに被験者を待機させてすべての被験者の環境状態を同じとして、就寝前1時間から就寝時まで2種類の照明条件で照射し、その後の睡眠状態を測定した。
睡眠状態の測定にはパラマウントベッド株式会社製の睡眠測定システム「眠りSCAN(登録商標)」を用い、「眠りSCAN(登録商標)」をベッドの下に敷いて就寝中の各被験者の活動量を測定した。そして、その活動量より各被験者の入眠潜時、睡眠効率、および総睡眠時間を算出した。
上記2種類の照明条件として、条件Aは、通常の照明状態である、色温度約4000[K]の白色光のみでベッドの枕位置の照度を35W相当(約85[lx])とする照明であり、条件Bは、上記第1の実験で眠気を催すとの高い主観評価が得られた色温度2250〜1750[K]、かつ、偏差が−0.01〜−0.02に含まれる、色座標(x、y)=(0.499、0.382)の色であり、ベッドの枕位置の照度を35W相当(約45[lx])とする照明状態である。照明条件Bの照明色は、日本工業規格(JIS規格)で規定される光源色の系統色名(JIS Z 8110)のうちの「オレンジピンク」と規定される色に相当する。
図8〜図10は第2の実験での結果を表わした図であり、図8は照明条件A,Bそれぞれでの就寝から入眠までの入眠時間の評価結果、図9はベッドに入っている時間に対して実際に眠っている時間の割合である睡眠効率の評価結果、および図10は総睡眠時間の評価結果を表わしている。
図8〜図10に示された結果より、通常の照明状態である照明条件Aと比較して、上記第1の実験で眠気に関して効果があると考察された照明条件Bの方が、入眠潜時が短く、睡眠効率が高く、かつ、総睡眠時間が長いことが分かる。すなわち、第2の実験の結果から、色座標(x、y)=(0.499、0.382)の照明色とする照明条件が、睡眠に関して優位な効果があると考察される。
そこで、発明者らは、照明装置100でこれらの実験結果に基づいた照明条件とすることで、ユーザに不快感なく快い眠気を催させることができるものと考察した。
<照明装置での照明条件>
「Journal of the OPTICAL SOCIETY of AMERCA (Volume 32, NUMBER 5)」(1942年5月発行)掲載の、DAVID L. MACADAMによる論文「Visual Sensitivities to Color Differenced in Daylight」中において、視覚の等色実験から導き出された、色度図上のある一点を選んだ時にその色と区別できない範囲が発表されている。この範囲は、特定の中心色に対する識別変動の標準偏差をxy色度図に表わすと楕円となることが発表されており、この範囲は、マクアダム楕円1−Stepとも呼ばれている。
マクアダム楕円1−Stepに対して、工業的には、IEC(国際電機標準会議)の5−Stepや、ANSI(米国標準協会)の7−Stepが規格として「等色」として認められ、商品とすることが許されている。マクアダム楕円5−Stepは、その楕円の短辺および長辺それぞれの長さが、マクアダム楕円1−Stepにおけるそれぞれに対して5倍となる関係を有している。
なお、「IECの5−Step」のマクアダムについては、ウェブサイト(http://www.lrc.rpi.edu/programs/nlpip/lightinganswers/lightsources/whatisColorConsistency.asp)の中盤に、「The International Electrotechnical Commission (IEC) standard (IEC 2002) specifies six, 5-step MacAdam ellipses as color consistency criteria for double-capped fluorescent lamps.」とあり、国際電気標準会議(IEC)標準(IEC 2002)で認められていることが記載されている。
また、「ANSIの7−Step」マクアダムについては、米国標準協会による「ANSI_NEMA_ANSLG C78.377−2008」(American National Standard for electric lamps−Specifications for the Chromaticity of Solid State Lighting Products)の14ページに表わされたSSL製品の仕様のグラフ図である図A1で示されている。
発明者らは、上記実験で得られた照明条件に対してマクアダム楕円5−Stepで表わされる範囲を適用させて、照明装置100からの照射光とした。
図11は、上記第1の実験で得られた照明条件である、色温度2250〜1750[K]、かつ、偏差が−0.01〜−0.02の照明色の等色範囲を得るために、色温度1750[K]かつ偏差−0.01の色の色座標系上の点を点A、色温度1750[K]かつ偏差−0.02の色の色座標系上の点を点B、色温度2250[K]かつ偏差−0.02の色の色座標系上の点を点C、および色温度2250[K]かつ偏差−0.01の色の色座標系上の点を点Dとして、それぞれの点のマクアダム楕円5−Stepで表わされる等色範囲を表わした図である。
さらに、図11において、点線で、これら点A〜点Dを表わす楕円の外接する包絡線が表わされている。この曲線内の領域が、上記第1の実験で睡眠に優位な効果があると得られた照明条件を指すといえる。
従って、図11において点線で表わされた範囲の照明色を照明装置100からの照射光の照明色とする。なお、図11において点線で表わされた範囲の照明色は、桃橙色に相当する。つまり、照明装置100では、照明制御部5は、LED6A,6Bを同時に点灯させることで桃橙色に調色する。
参考のために、上記第2の実験で照明条件Bとして用いた色座標(x、y)=(0.499、0.382)の色についても、点Eとして、同様にマクアダム楕円5−Stepで表わされる等色範囲が図11に表わされている。図11を参照して、点Eを表わす楕円は点線の曲線内に含まれていることが分かり、このことより、上記第2の実験で照明条件Bとして用いられた照明色もまた、第1の実験の結果より、睡眠に優位な効果があることが分かる。
なお、上述のように、照明装置100に備えられる電球色LED6Aの色温度は2600〜3150[K]と600[K]程度の色温度のばらつきがあり、また、偏差も+0.02〜−0.02のばらつきがある。赤色LED6Bのドミナント波長も620〜645nmと範囲がある。
図12は、これらLEDを用いて色座標(x、y)=(0.499、0.382)の色の照射光とした場合のばらつきを、図11の点A〜点Eの等色範囲に重ねて太線で描画した図である。図12を参照して、色座標(x、y)=(0.499、0.382)の色の照射光とした場合のばらつきは、上記第2の実験で照明条件Bとして用いた色座標(x、y)=(0.499、0.382)の等色範囲にほぼ重なることが分かる。つまり、図12より、照明装置100のLED6A,6Bとして通常の電球色LEDおよび赤色LEDを用いても、図11において点線で表わされた範囲とする照明色が得られることが分かる。
また、各LED素子の色座標を事前に計測し、選別することにより、入手は困難になるものの、1−StepMA相当の範囲にばらつきを抑えることも不可能ではない。コストは非常に高価になるものの、より実験色座標(x、y)=(0.499、0.382)に近い商品を提供することで、重度の睡眠障害を抱えるユーザなど、厳格で確実な効果が必要なユーザに対応することも可能となる。
<実施の形態の効果>
本実施の形態にかかる照明装置においてかかる照明条件での照明が実現されることで、ユーザに、心地よい眠気を催させることができ、良質な睡眠を促すことができる。この効果は、発明者らによる上記第1の実験および第2の実験においても実証されたものである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 本体、2 光源基板、3 反射板、4 フレーム、5 照明制御部、6A,6B LED素子、10 電源回路、11 CPU、12 メモリ、13 制御回路、14 制御電源供給回路、21,22 FET、100 照明装置。

Claims (10)

  1. 各々発光色の異なる複数の光源と、
    前記複数の光源それぞれの点灯/消灯を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記複数の光源のうちの少なくとも2色の光源発光して、照明色を、色温度2250〜1750[K]、かつ、偏差が−0.01〜−0.02であるオレンジピンク色に調色る、照明装置。
  2. 光源と、
    前記光源からの出射光の波長を変換する蛍光体と、
    前記光源の点灯/消灯を制御する制御部とを備え、
    前記制御部によって点灯された前記光源からの出射光と前記蛍光体により波長を変換された光とにより、照明色が色温度2250〜1750[K]、かつ、偏差が−0.01〜−0.02であるオレンジピンク色に調色される、照明装置。
  3. 前記光源の発光色は青色であって、
    前記蛍光体は、青色発光波長を電球色発光波長に変換する蛍光体と、青色発光波長を赤色発光波長に変換する蛍光体とを含む、請求項2に記載の照明装置。
  4. 前記制御部は、色温度1750[K]かつ偏差−0.01の色の色座標系上の点を点A、色温度1750[K]かつ偏差−0.02の色の色座標系上の点を点B、色温度2250[K]かつ偏差−0.02の色の色座標系上の点を点C、および色温度2250[K]かつ偏差−0.01の色の色座標系上の点を点Dとして、前記点A〜点Dそれぞれのマクアダム楕円5−Stepで表わされる等色範囲である色座標系上の楕円のすべてに外接する包絡線内の座標で表わされる照明色に調色する、請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
  5. 前記制御部は、色座標(x、y)=(0.499、0.382)で表わされる照明色に調色する、請求項に記載の照明装置。
  6. 前記制御部は、色座標(x、y)=(0.499、0.382)の、マクアダム楕円5−Stepで表わされる等色範囲に調色する、請求項に記載の照明装置。
  7. 前記制御部は、色座標(x、y)=(0.499、0.382)の、マクアダム楕円1−Stepで表わされる等色範囲に調色する、請求項に記載の照明装置。
  8. 前記複数の光源は、電球色LED(Light Emitting Diode)素子と、赤色LED素子とを含む、請求項1に記載の照明装置。
  9. 電球色LEDは、色座標(x、y)=(0.445、0.408)の、マクアダム楕円5−Stepで表わされる等色範囲であり、かつ、赤色LEDは、ドミナント波長が620nm〜645nmである、請求項に記載の照明装置。
  10. 各々発光色の異なる複数の光源を有する照明装置を制御するコントローラであって、
    所定の照明モードに達したことを判断するステップと、
    前記所定の照明モードに達したと判断されると、前記複数の光源のうちの少なくとも2色の光源を発光させることで、照明色を色温度2250〜1750[K]、かつ、偏差が−0.01〜−0.02であるオレンジピンク色に調色して照明させるステップとを実行する、コントローラ。
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