JP6011803B2 - 銀粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
この導電性ペーストは、プリント基板、LED、太陽電池等の導体形成用材料として用いられている。また、導電性樹脂は、半導体用素材、防塵シート、帯電防止フィルム、除電マット、帯電防止床材等の導電性シート、電子写真式プリンターや複写機の導電性ロール(帯電ロール、現像ロール、転写ロール等)、磁気記録媒体用基材等として用いられている。
そのため、導電性粒子としては、現在、金属粉末が用いられている。金属粉末のうち銀粒子は導電性が高く耐酸化性に優れており、導電性粒子として多用されている。
この方法によれば、微細な粒子が減少あるいは消失し、結晶成長が進んだ銀結晶微粒子が表れるため、粒径調整を容易に行うことができるとされている。しかしながら、湿式還元処理法等で得られた銀粒子を、再度、粒子径調整処理するための工程が必要であり実用的ではない。
この方法によれば、短時間で還元反応が終了するため、凝集が防止され、分散性の優れた銀粉が得られるとされている。しかしながら、凝集の抑制については検討され、銀粒子が凝集した粉末の粒径については制御されているものの、銀粒子そのものの粒径の制御に関しては開示されていない。
即ち、本発明者らは銀アンミン錯体を還元反応により銀粒子を得る際に、還元剤溶液の添加速度、すなわち、添加する還元剤溶液の時間当たり当量を少なくすることで、得られる銀粒子の粒径は小さくなり、時間当たり当量を多くすると、得られる粒子の粒径は大きくなるとの知見を得た。
一方、添加する時間当たり当量が少ない場合は、核が成長する前に核生成に消費される還元剤が多くなるため、核生成が優勢となって粒径が小さくなると推察される。
還元剤溶液の時間当たり当量を0.005当量/秒未満としても、核生成と核成長に消費される還元剤の割合が変わらなくなるため、核生成数が増えず、得られる粒子の粒径も小さくならない。一方、1.5当量/秒を超えて添加しても、核の成長速度に限度があり、得られる粒子の粒径が大きくならないばかりか、銀アンミン錯体溶液と還元剤溶液を均一に混合することが困難となり、粒径が不均一になることがある。
なお、平均粒子径が0.1μm未満になると、粒子の凝集が多くなり、銀粉としての均一性が低下することがある。また、粒子が微細すぎて取り扱い性も低下する。一方、平均粒子径が1.5μmを超えると、微細配線用としては不向きであり、好ましくない。
この銀アンミン錯体は、他に硝酸銀をアンモニア水に溶解することでも得られるが、塩化銀を用いた場合には、アンモニア水に溶解したときに亜硝酸ガスが発生しないため、処理コストが安く、環境リスクが低くなるという利点を有している。さらに、塩化銀は危険物にも劇物にも該当せず、遮光の必要はあるものの、比較的取り扱いが容易な銀化合物であるという利点も有している。
その溶解時の温度が、10℃未満では溶解度が低くなり、得られる銀アンミン錯体溶液の濃度が低くなるため、実用的ではない。一方、温度が高いほど溶解度が増し、高濃度の銀アンミン錯体溶液が得られるが、温度が50℃を超えると、アンモニア揮発量が多くなり、組成を一定に保つことが難しくなる。
銀アンミン錯体は、比較的簡単に還元されて銀粒子を析出するため、還元力の強いヒドラジン等では急激に還元反応が起こり粒子径の制御が難しくなる。
一方、アスコルビン酸は比較的還元力が弱いため、還元反応は緩やかに進み、そのために容易に粒子径を制御することが可能である。
添加する分散剤としては、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート形成剤および保護コロイドからなる群から選ばれる1種類以上の分散剤が好ましい。
これらの分散剤は、銀粒子表面に吸着しやすく、分散性の改善に効果的であり、好ましい。
0.5質量%未満では、分散性効果が十分に得られず、10質量%を超えると、導電材として用いられた場合に得られる配線や電極の電気抵抗が高くなり過ぎることがある。
なお、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
還元剤溶液として、還元剤のアスコルビン酸102.5g(銀アンミン錯体溶液中の銀に対して0.9当量)、分散剤のPVA12.1g、界面活性剤(SS5602、信越化学工業株式会社製)1.56gを、水655gに溶解した還元剤溶液を作製した。
次に、得られた銀粒子を純水3.5Lに投入して攪拌後、濾過する洗浄を4回繰り返した。その後、40℃で真空乾燥して乾燥した銀粒子を得た。
得られた銀粒子の平均粒子径は1.14μmであった。
得られた銀粒子の平均粒子径は0.73μmであった。
得られた銀粒子の平均粒子径は0.58μmであった。
得られた銀粒子の平均粒子径は0.45μmであった。
得られた銀粒子の平均粒子径は0.38μmであった。
還元剤添加速度と平均粒子径の関係から、添加速度を大きくすれば平均粒子径は大きくなり、逆に添加速度を小さくすれば平均粒子径は小さくなることがわかる。また、この関係は連続的に変化していることが分かる。
したがって、この関係を用いることで、必要な平均粒子径の銀粒子を得るためには、添加速度、すなわち、銀アンミン錯体に対する還元剤の時間当たりの添加当量を、この図1の関係から求めて制御すればよいことになり、任意の平均粒子径の銀粒子を簡便に得ることができる。
Claims (7)
- 銀アンミン錯体溶液に還元剤溶液を添加して、前記銀アンミン錯体溶液に含まれる銀アンミン錯体を還元することにより銀粒子を生成する銀粒子の湿式還元製造方法において、
前記銀アンミン錯体溶液に添加する還元剤溶液の添加速度を、前記銀アンミン錯体溶液に含まれる銀アンミン錯体中の銀に対する還元剤の時間当たり当量で0.005〜1.5当量/秒の範囲に制御することにより前記生成する銀粒子の平均粒子径を制御することを特徴とする銀粒子の製造方法。 - 銀アンミン錯体溶液に還元剤溶液を添加して、前記銀アンミン錯体溶液に含まれる銀アンミン錯体を還元することにより銀粒子を生成する銀粒子の湿式還元製造方法において、
前記還元剤溶液が、還元剤のアスコルビン酸と分散剤の脂肪酸と界面活性剤を含み、
前記還元剤溶液の添加速度が、前記銀アンミン錯体溶液に含まれる銀アンミン錯体中の銀に対する還元剤の時間当たり当量で0.005〜1.5当量/秒の範囲に制御することを特徴とする銀粒子の製造方法。 - 前記銀アンミン錯体溶液が、アンモニア水に塩化銀を溶解して生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の銀粒子の製造方法。
- 前記還元剤が、アスコルビン酸であることを特徴とする請求項1に記載の銀粒子の製造方法。
- 前記還元剤溶液が、分散剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の銀粒子の製造方法。
- 前記分散剤が、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート形成剤および保護コロイドからなる群から選ばれる1種類以上であることを特徴とする請求項5に記載の銀粒子の製造方法。
- 得られる銀粒子の走査型電子顕微鏡測定による平均粒子径が、0.1〜1.5μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の銀粒子の製造方法。
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