JP6011471B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

本発明は、染料前駆体と顕色剤の反応を利用し、サーマルヘッドや熱スタンプ等からの熱エネルギーにより発色した部分が、黄色系の発色色調を示し、未記録部の地肌かぶりがなく、発色濃度が高く、発色像の保存性が高い感熱記録体に関するものである。
染料前駆体と顕色剤との反応を利用し、熱エネルギーによって両物質を反応させて記録像を得るようにした感熱記録体は良く知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトでその保守も容易であるため、ファクシミリやプリンター用の記録媒体としてのみならず幅広い分野において使用されている。
しかしながら、用途の拡大に伴って要求される性能、品質も多様化しており、黄色系の発色色調を示し、未記録部の地肌かぶりがなく、発色濃度が高く、発色像の保存性が高い感熱記録体が求められている。
黄色系の発色色調を示す感熱記録体としては、特定の感熱記録材料を用いた感熱記録体、低温記録領域及び高温記録領域で異なる色相を持つ2色感熱記録体等(特許文献1〜6参照)が提案されているが、未記録部の地肌かぶり、発色濃度、発色像の保存性と耐光性に関して、必ずしも満足すべき結果が得られていないのが現状である。
特開平5−169830号公報 特開平5−193254号公報 特開平6−255251号公報 特開2001−219657号公報 特開2001−219659号公報 特開2004−142173号公報
本発明は、黄色系の発色色調を示し、発色濃度が高く、発色像の保存性と耐光性に優れる感熱記録体を提供することを主な目的とする。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、感熱記録層に下記一般式(1)で表される分子構造にピリジン骨格を有する染料前駆体を用いることにより、上記問題点を解決するに至った。即ち、本発明は、下記の感熱記録体に係る。
項1:支持体上に染料前駆体と顕色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、前記染料前駆体として下記一般式(1)で表される、分子構造にピリジン骨格を有する染料前駆体を含有し、前記顕色剤が4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシカルボニルフェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)ウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする感熱記録体。
Figure 0006011471
(式中、R及びRは水素原子もしくは炭素数1〜8のアルコキシ基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。R及びRは同一であっても、異なっていてもよい。)
項2:前記ピリジン骨格を有する染料前駆体が4−[2−(2−ブトキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−(2−ペンチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−(2−ヘキシルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−(2−オクチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−(2,6−ジフェニル−4−ピリジニル)−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2,6−ビス(2−ブトキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2,6−ビス(2−ペンチルオキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2,6−ビス(2−ヘキシルオキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、及び4−[2,6−ビス(2−オクチルオキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記感熱記録層が増感剤として、2−ナフチルベンジルエーテル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン及びジフェニルスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、項1または2に記載の感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、黄色系の発色色調を示し、発色濃度が高く、発色像の保存性と耐光性に優れる。
本発明は、支持体上に染料前駆体と顕色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、黄色系の色調に発色する染料前駆体として下記一般式(1)で表される分子構造にピリジン骨格を有する染料前駆体を含有することを特徴とする。
Figure 0006011471
(式中、R及びRは水素原子もしくは炭素数1〜8のアルコキシ基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。R及びRは同一であっても、異なっていてもよい。)
前記一般式(1)中、R及びRは水素原子もしくは炭素数1〜8の分岐してもよいアルコキシ基を表し、Rは炭素数1〜4の分岐してもよいアルキル基を表し、R及びRは同一であっても、異なっていてもよいが、少なくともR及びRは直鎖状の飽和炭化水素基が工業的にも容易に導入できることから好ましい。
前記ピリジン骨格を有する染料前駆体は、4−[2−(2−ブトキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−(2−ペンチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−(2−ヘキシルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−(2−オクチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−(2,6−ジフェニル−4−ピリジニル)−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2,6−ビス(2−ブトキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2,6−ビス(2−ペンチルオキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2,6−ビス(2−ヘキシルオキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、及び4−[2,6−ビス(2−オクチルオキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明では、発色像の耐光性をより一層高める観点から、前記一般式(1)中、RとRは、同時に水素原子である場合を除くことが好ましい。また、発色濃度を高めて、発色像の保存性と耐光性を向上する観点から、前記一般式(1)中、R及びRのいずれか一方が炭素数4〜8のアルコキシ基を表すことが好ましい。更に、発色濃度をより一層高める観点から、R及びRのいずれか一方が水素原子を表すことが好ましい。
ピリジン骨格を有するこれらの染料前駆体の中でも、4−[2−(2−ブトキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−(2−ペンチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、及び4−[2−(2−ヘキシルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が本発明の効果を遺憾なく発揮できるため好ましい。
本発明において、感熱記録層に含有される染料前駆体の形態については特に限定されるものではなく、固体分散微粒子の形態で感熱記録層中に含有されていてもよいし、染料前駆体と疎水性樹脂等の高分子化合物とを含む複合微粒子を形成した形態で感熱記録層中に含有されていてもよい。
染料前駆体を固体分散微粒子の形態で使用する場合、例えば水を分散媒体として、サンドミル、アトライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によって粉砕し、分散液とする。また、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれらの誘導体等の水溶性高分子化合物のほか、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等の存在下で分散媒体中に分散させて分散液とすることもできる。この分散液を用いて感熱記録層を形成するための塗液を調製すればよい。また、染料前駆体を有機溶剤に溶解した後、この溶液を水中で上記水溶性高分子化合物を安定化剤として乳化分散後、この乳化液から有機溶剤を蒸発させ染料前駆体を固体分散微粒子化して使用することもできる。いずれの場合も固体分散微粒子の形態で使用する染料前駆体の固体分散微粒子の体積平均粒子径は、適切な記録感度を得るために0.2〜3.0μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μm程度である。
染料前駆体と疎水性樹脂とを含む複合微粒子を形成した形態としては、
(1)1種以上の染料前駆体を壁膜としての疎水性樹脂を用いてマイクロカプセル化した形態、
(2)1種以上の染料前駆体を多価イソシアネート等により得られた疎水性樹脂からなる母材中に含有せしめた形態、
(3)1種以上の染料前駆体の微粒子表面に不飽和炭素結合を有する化合物を重合せしめた形態、
等が挙げられる。例えば、(1)の形態の粒子の作製方法としては、特開昭60−244594号公報に記載された方法が挙げられる。(2)の形態の粒子の作製方法としては、特開平9−263057号公報に記載された方法が挙げられる。(3)の形態の粒子の作製方法としては、特開2000−158822号公報に記載された方法が挙げられる。
複合微粒子を形成する疎水性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ウレア系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア−ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、ウレア系樹脂、ウレア−ウレタン系樹脂は耐熱地肌かぶり性に優れるため好ましい。
前記複合微粒子は、染料前駆体のほかに、必要に応じて後述する紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤の他、感熱記録体で知られているような増感剤等が添加されていてもよい。
染料前駆体の含有割合は、各感熱記録層の全固形量のうち5〜30質量%程度が好ましく、より好ましくは7〜30質量%程度、更に好ましくは7〜25質量%程度である。5質量%以上とすることにより発色濃度を向上できる。30質量%以下とすることにより、耐熱性を向上できる。
本発明における感熱記録層に含有される顕色剤とは、温度の上昇によって液化、または溶解する性質を有し、染料前駆体と接触してこれを発色させる性質を有するものから選ばれ、代表的なものとしては、フェノール化合物、芳香族カルボン酸、或いはこれらの化合物の多価金属塩等の有機酸性物質等を挙げることができる。
顕色剤は通常、複合微粒子中やマイクロカプセル中に存在していてもよいし、また、固体分散微粒子の状態で存在していてもよい。顕色剤の含有量としては、各感熱記録層において染料前駆体の合計100質量部に対し、30〜1500質量部程度が好ましく、より好ましくは50〜1000質量部程度、更に好ましくは100〜600質量部程度、特に好ましくは140〜600質量部程度、最も好ましくは200〜500質量部程度である。なお、複合微粒子は、染料前駆体を含有する複合微粒子を調製する方法と同様の方法で調製することができる。
本発明における顕色剤は、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシカルボニルフェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)ウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタンから選ばれる少なくとも1種である。これにより、黄色系の発色像が保存性と耐光性に優れた感熱記録体を得ることができる。これらの中でも、発色濃度を高める観点から、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)ウレア、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニルウレア、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシカルボニルフェニルウレアから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明では、感熱記録層中に、主に発色像の保存性をより一層高めるために、保存性改良剤を更に含有させることができる。このような保存性改良剤としては、例えば1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、及び4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール等のフェノール化合物、4−ベンジルオキシフェニル−4’−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホン、4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、及び4−(2−エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン等のエポキシ化合物、並びに1,3,5−トリス(2,6−ジメチルベンジル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチル)イソシアヌル酸等のイソシアヌル酸化合物から選ばれる少なくとも1種以上を用いることができる。勿論、保存性改良剤はこれらに限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上の化合物を併用することもできる。
本発明における感熱記録層中には増感剤を含有させることもできる。これにより、記録感度を高めることができる。増感剤としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミルド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、ジフェニルスルホン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が挙げられる。これらは支障のない範囲で併用できる。増感剤の含有割合は、増感のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量のうち、2〜40質量%程度が好ましく、5〜25質量%程度がより好ましい。
本発明では、感熱記録層が増感剤として、2−ナフチルベンジルエーテル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン及びジフェニルスルホンから選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。これらの増感剤は、本発明における特定の顕色剤に対する増感効果に優れ、更に耐熱地肌カブリ性にも優れているため、前記一般式(1)で表される分子構造にピリジン骨格を有する染料前駆体によって白紙部が黄変することを抑え、長期保存性を向上することができる。
感熱記録層において使用する顕色剤、保存性改良剤及び増感剤等の助剤は、染料前駆体を固体分散微粒子の形態で使用するときと同じ方法で水中に分散させ、感熱記録層用塗液の調製の際にこれに混合すればよい。また、これらの助剤を溶剤に溶解し、水溶性高分子化合物を乳化剤として用いて水中に乳化して使用することもできる。また保存性改良剤及び増感剤は、染料前駆体を含有する複合微粒子中に含有させてもよい。
感熱記録層の白色度向上、及び画像の均一性向上のため、白色度が高く、平均粒子径が10μm以下の微粒子顔料を感熱記録層に含有させることができる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、珪藻土、合成珪酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並びに、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料が使用できる。
感熱記録層を構成する他の成分材料としてはバインダーを用い、更に必要により、架橋剤、ワックス類、金属石鹸、有色染料、有色顔料、及び蛍光染料等を用いることができる。バインダーとしては、例えばポリビニルアルコール及びその誘導体、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼラチン及びそれらの誘導体等の水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等の水不溶性重合体のラテックス等を挙げることができる。
架橋剤としては、例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、グリオキシル酸塩、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、並びに過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、及び塩化マグネシウム、四硼酸ソーダ、四硼酸カリウム等の無機化合物、又は硼酸、硼酸トリエステル、硼素系ポリマー、ヒドラジド化合物、グリオキシル酸塩等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。架橋剤の使用量は、感熱記録層の全固形量100質量部に対し、1〜10質量部程度の範囲が好ましい。これにより、感熱記録層の耐水性を向上することができる。
ワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、及びポリエチレンワックス等のワックス類、並びに例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、及びその誘導体等を挙げることができる。
金属石鹸としては、高級脂肪酸多価金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、及びオレイン酸亜鉛等を挙げることができる。また、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、感熱記録層中に、更に撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等の各種助剤を添加することができる。
更に感熱記録層中に、紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルまたは紫外線吸収剤の固体分散微粒子を含有させて、耐光性を大幅に向上することもできる。
紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤を挙げることができる。
更には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2”−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコール(分子量約300)とメチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとの縮合物等のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系の紫外線吸収剤等を挙げることができる。勿論、これらに限られるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用することもできる。
これらの紫外線吸収剤の中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましく、特に2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2”−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコール(分子量約300)とメチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとの縮合物は、とりわけ顕著な耐光性改良効果を発揮するためより好ましい。
紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセル、または紫外線吸収剤の固体分散微粒子の含有割合については特に限定するものではないが、感熱記録層の全固形量のうち、5〜70質量%程度が好ましい。特に好ましくは15〜50質量%程度の範囲に調節する。5質量%以上とすることにより耐光性を向上できる。70質量%を超えると耐光性は飽和するので、記録感度を向上する点からも70質量%以下程度とすることが好ましい。なお、紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセル、または紫外線吸収剤の固体分散微粒子は感熱記録層中に含有させるより後述する保護層中に含有させたほうが、より効果的に耐光性を改善することができる。
紫外線吸収剤を内包するマイクロカプセルは、各種公知の方法で調製することができ、一般には上記の常温で固体乃至液体の紫外線吸収剤を必要に応じて有機溶剤に溶解して得た芯物質(油性液)を水性媒体中に乳化分散し、油性液滴の周りに高分子物質からなる壁膜を形成する方法によって調製される。マイクロカプセルの壁膜となる高分子物質の具体例としては、例えばポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アミノアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−メタクリレート共重合体樹脂、スチレン−アクリレート樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
本発明における感熱記録層は、例えば水を分散媒体とし、特定の染料前駆体及び顕色剤、必要により保存性改良剤、増感剤等を共に、或いは別々に分散した分散液を用いて、必要により顔料、バインダー、架橋剤、その他助剤等を混合することにより調製された感熱記録層用塗液を、塗布量が乾燥重量で好ましくは2〜12g/m程度、より好ましくは2〜8g/m程度、更に好ましくは2〜7g/m程度となるように、支持体上に塗布及び乾燥して形成される。
本発明における支持体は、種類、形状、寸法等に格別の限定はなく、例えば上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フィルム等の他、各種透明支持体等の中から適宜選択して使用することができる。
本発明では、必要に応じて、支持体と感熱記録層との間に、下塗り層を設けることもできる。これにより、記録感度をより高めることができる。下塗り層は、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料、有機中空粒子及び熱膨張性粒子の少なくとも1種、並びにバインダーを含有する下塗り層用塗液を支持体上に塗布及び乾燥して形成される。ここで、吸油量はJIS K 5101に記載の方法に従い、求められる値である。下塗り層に、シリカ、焼成カオリン等の空隙率の高い顔料を使用することにより、感熱記録層の記録感度を上げることができる。また下塗り層中にプラスチックピグメント、中空粒子、発泡体等を含有させることもその上に形成される感熱記録層の記録感度向上に効果がある。下塗り層用塗液の塗布量は、乾燥重量で3〜20g/m程度が好ましく、4〜12g/m程度がより好ましい。
下塗り層中のバインダーとしては、感熱記録層に使用できるものの中から適宜選択することができる。これらのバインダーの中でも、バリア性を向上する観点から、澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が好ましい。
本発明においては、感熱記録層の上に従来より公知の感熱記録体に使用されているような水溶性高分子材料と顔料を含有する保護層を設けることが望ましい。水溶性高分子材料及び顔料としては、前述の感熱記録層で例示したような材料を使用することができる。このとき架橋剤を添加して、保護層に耐水性を付与することがより望ましい。
本発明においては、紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルまたは紫外線吸収剤の固体分散微粒子を保護層に含有させることで、耐光性を大幅に向上することもできる。特に、ポリウレタン−ポリウレア樹脂、或いはアミノアルデヒド樹脂からなる壁膜を有するマイクロカプセルは、耐熱性に優れるため、サーマルヘッドへのスティッキングを防止する目的で感熱記録層中、或いは保護層中に添加される無機顔料の機能をも果たすという優れた付随効果を発揮し、しかも、他の壁膜からなるマイクロカプセルや通常の顔料に比較して屈折率が低く、且つ形状が球形であるため、保護層中に多量に含有させても光の乱反射に起因する濃度低下を招く恐れがないので好ましく用いられる。
更に、顔料を含有させることにより、サーマルヘッドに対するカス付着、及びスティッキング防止することができる。顔料の吸油量としては、50ml/100g以上の顔料を使用することが好ましい。顔料の含有割合は、発色濃度を低下させない程度の量、即ち、保護層の全固形量のうち50質量%以下であることが好ましい。
保護層は、例えば水を分散媒体として、バインダー、必要により架橋剤、顔料、その他助剤等を混合することにより調製された保護層用塗液を、塗布量が乾燥重量で好ましくは0.1〜15g/m程度、より好ましくは0.5〜8g/m程度となるように、感熱記録層上に塗布及び乾燥して形成される。
本発明では、電子線や紫外線で硬化された樹脂層を感熱記録層上、或いは保護層上に設けることもできる。電子線で硬化され得る樹脂の例としては、特開昭58−177392号公報、特開昭58−177392号公報等に記載がある。このような樹脂中に、非電子線硬化樹脂、顔料、消泡剤、レベリング剤、滑剤、界面活性剤、及び可塑剤等の助剤を適宜添加することもできる。特に、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の顔料や、ワックス類、シリコン等の滑剤を添加することは、サーマルヘッドに対するスティッキング防止に役立つため好ましい。
本発明では、感熱記録体の付加価値を高めるために、これに更に加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録体とすることができる。例えば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等による塗布加工を施すことにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙とすることができる。特に、本発明の偽造防止用記録体に粘着加工を施したものは感熱ラベルとして有用である。また、裏面を利用して、これに熱転写用紙、インクジェット記録用紙、ノーカーボン用紙、静電記録用紙、ゼオグラフィー用紙としての機能を付与し、両面記録が可能な記録紙とすることもできる。勿論、両面感熱記録体とすることもできる。また、感熱記録体裏面からの油や可塑剤の浸透を抑制したり、カールコントロールや帯電防止のためにバック層を設けることもできる。
支持体上に上記各層を形成する方法としては、エアナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、カーテン法、スロットダイ法、スライドダイ法及びエクストルージョン法等の既知の塗布方法のいずれを利用してもよい。
本発明では、支持体上に形成された少なくとも1層がカーテン塗布法により形成された層であることが好ましい。これにより、均一な厚みを有する層を形成することができ、記録感度を高めたり、油、可塑剤、アルコール等に対するバリア性を高めたりすることができる。カーテン塗布法は、塗液を流下して自由落下させ、支持体に非接触で塗布する方法であり、スライドカーテン法、カップルカーテン法、ツインカーテン法等の公知のものを採用することができ、特に制限されるものではない。カーテン塗布法では、同時多層塗布することにより、より均一な厚みを有する層を形成することができる。同時多層塗布では、各塗液を積層した後、塗布し、その後、乾燥させて各層を形成してもよいし、下層を形成する塗液を塗布した後、乾燥することなく下層塗布面が湿潤状態のうちに、下層塗布面上に上層を形成する塗液を塗布し、その後、乾燥させて各層を形成してもよい。本発明では、感熱記録層と保護層を同時多層塗布する態様がバリア性を向上する観点から好ましい。
感熱記録面をスーパーカレンダーやソフトカレンダー等の既知の平滑化方法を用いて平滑化処理することは、その記録感度を高める効果がある。感熱記録面を、カレンダーの金属ロール及び弾性ロールのいずれに当てて処理してもよい。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。また、顕色剤、染料前駆体、及び保護層に配合する顔料の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2200(島津製作所製)を用いて測定した。
実施例1
・染料前駆体分散液(A液)の調製
黄色系の色調に発色する染料前駆体として、4−[2−(2−オクチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、縦型サンドミル(アイメックス社製)を用いて、平均粒子径が0.7μmとなるように粉砕して染料前駆体分散液(以下、A液ともいう)を得た。
・顕色剤分散液(B液)の調製
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、縦型サンドミル(アイメックス社製)を用いて体積平均粒子径が1.5μmとなるまで粉砕して顕色剤分散液(以下、B液ともいう)を得た。
・増感剤分散液(C液)の調製
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、縦型サンドミル(アイメックス社製)を用いて、平均粒子径が1.0μmとなるように粉砕して増感剤分散液(以下、C液ともいう)を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液19部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L1571、旭化成社製、固形分濃度48%)5部、10%ポリビニルアルコール水溶液(商品名:ポバール(登録商標)PVA−110、クラレ社製)25部、B液25部、C液11部、5%界面活性剤水溶液(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ社製)2部、及び水17部からなる組成物を混合して感熱記録層用塗液を得た。
・カオリン分散液(D液)の調製
カオリン(商品名:UW−90(登録商標)、BASF社製)80部、ポリアクリル酸ナトリウムの40%水溶液(商品名:アロンT−50、東亞合成社製)1部、及び水53部を混合し、サンドミルを用いて体積平均粒子径が1.6μmとなるまで粉砕してカオリン分散液(以下、D液ともいう)を得た。
・保護層用塗液の調製
D液25部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマー(登録商標)Z−200、日本合成化学工業社製、重合度:約1000、鹸化度:約98モル%)の15%水溶液50部、パラフィンワックス(商品名:ハイドリンP−7、中京油脂社製、固形分濃度30%)7.5部、5%界面活性剤水溶液(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ社製)5部、グリオキザール(日本合成化学工業社製、固形分濃度40%)0.3部、及び水12.5部からなる組成物を混合して保護層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
合成紙(商品名:FPG−80、ユポ・コーポレーション社製、厚さ80μm)の片面上に、感熱記録層用塗液、保護層用塗液をそれぞれ乾燥後の塗布量が5g/m、3g/mとなるようにメイヤーバーにて塗布及び乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1のA液の調製において、黄色系の色調に発色する染料前駆体として4−[2−(2−オクチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンに代えて、4−[2−(2−ブトキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1のB液の調製において、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンに代えて、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1のA液の調製において、黄色系の色調に発色する染料前駆体として4−[2−(2−オクチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンに代えて、4−[2−(2−ヘキシルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1のA液の調製において、黄色系の色調に発色する染料前駆体として4−[2−(2−オクチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンに代えて、4−[2−(2−ペンチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6
実施例1のA液の調製において、黄色系の色調に発色する染料前駆体として4−[2−(2−オクチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンに代えて、4−[2,6−ビス(2−ブトシキフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例7
実施例1のB液の調製において、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンに代えて、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)ウレアを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例8
実施例1のB液の調製において、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンに代えて、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシカルボニルフェニルウレアを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例9
実施例1のA液の調製において、黄色系の色調に発色する染料前駆体として4−[2−(2−オクチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンに代えて、4−(2,6−ジフェニル−4−ピリジニル)−N,N−ジメチルベンゼンアミンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1のA液の調製において、黄色系の色調に発色する染料前駆体として4−[2−(2−オクチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンに代えて、1−(4−n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−(2−キノリル)エチレンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1のB液の調製において、顕色剤として4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンに代えて、4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸の亜鉛塩を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価を行った。その結果は、表1に示す通りであった。
(発色濃度および未記録部濃度)
感熱記録用シミュレーター(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用い、未記録部の濃度と、印加エネルギー0.968mJ/dotの条件にて記録した記録部の発色濃度としてx−rite分光濃度計(商品名:x−rite528、エックスライト社製、色彩測定使用)でY濃度を測定した。
(発色像の保存性)
感熱記録用シミュレーター(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギー0.968mJ/dotの条件にて記録し、記録部を有する感熱記録体を、50℃、80%RHの環境下で24時間放置する処理を施した後、x−rite分光濃度計(商品名:x−rite528、エックスライト社製、色彩測定使用)で記録部のY濃度を測定し、下記式により記録部の発色濃度の残存率を求めた。発色濃度の残存率は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましく、90%以上が特に好ましい。
発色濃度の残存率(%)=[(処理後の発色濃度)/(処理前の発色濃度)]×100
(発色像の耐光性)
感熱記録用シミュレーター(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギー0.968mJ/dotの条件にて記録し、記録部を有する感熱記録体を、蛍光灯下で5000ルクス×100時間の照射処理を行った後、x−rite分光濃度計(商品名:x−rite528、エックスライト社製、色彩測定使用)で記録部のY濃度を測定し、上記の発色像の保存性と同様に記録部の発色濃度の残存率を求めた。発色濃度の残存率は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましく、90%以上が特に好ましい。
Figure 0006011471


本発明の感熱記録体は、発色濃度が高く、鮮やかな黄色系の発色色調を示し、発色像の保存性に優れるため、鮮明な黄色系の色相を活かした金券、チケット、切符、籤、ラベル、クーポン券などの用途に適するものである。

Claims (3)

  1. 支持体上に染料前駆体と顕色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、前記染料前駆体として下記一般式(1)で表される分子構造にピリジン骨格を有する染料前駆体を含有し、前記顕色剤が4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシカルボニルフェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)ウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする感熱記録体。
    Figure 0006011471

    (式中、R及びRは水素原子もしくは炭素数1〜8のアルコキシ基を表し、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表す。R及びRは同一であっても、異なっていてもよい。ただし、R 及びR のいずれか一方が炭素数4〜8のアルコキシ基を表す。
  2. 前記ピリジン骨格を有する染料前駆体が4−[2−(2−ブトキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−(2−ペンチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−(2−ヘキシルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2−(2−オクチルオキシフェニル)−6−フェニル−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2,6−ビス(2−ブトキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2,6−ビス(2−ペンチルオキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、4−[2,6−ビス(2−ヘキシルオキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、及び4−[2,6−ビス(2−オクチルオキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記感熱記録層が増感剤として、2−ナフチルベンジルエーテル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン及びジフェニルスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1または2に記載の感熱記録体。
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