以下、本発明の実施形態として、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)を詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図5は中間ユニット13の正面図である。なお、図3及び図5では便宜上パチンコ機10の遊技領域23a内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図3に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12と、を有する。外枠11は、木製の板材を上辺および下辺とし、アルミ製の板材を左右の辺とした四辺を固定した枠状に形成される。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、外枠11又は外枠11と同一の内形を有し、外枠11の遊技機本体12支持構造および施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、図3に示すように、中間ユニット13と、その中間ユニット13の前方に配置される前扉枠14と、中間ユニット13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち中間ユニット13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
中間ユニット13には、図3に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし、右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、中間ユニット13には、図4に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし、右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
中間ユニット13には、図3に示すように、その回動先端部に施錠機構16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能と、前扉枠14を中間ユニット13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、図1に示すようにパチンコ機10前面にて露出させて設けられた施錠機構16のキーシリンダに対して、解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。この施錠機構16の構成については、後に詳細に説明する。
中間ユニット13は、図3に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす枠状の枠ユニット21を主体に構成されている。枠ユニット21には、前面側より遊技盤23が着脱可能に取り付けられる内枠としての機能を有し、この遊技盤23に形成される遊技領域23aが中間ユニット13の前面側に露出可能に取り付けられる。遊技領域23a内の様子は、図3に示すように、前扉枠14の背面側に設けられた窓パネルユニット30を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっている。
前扉枠14は、中間ユニット13の前面側に回動可能に取り付けられている。前扉枠14の回動基端側には、図2に示すように、前扉取付金具57,58が設けられ、この前扉取付金具57,58が中間ユニット13に係合することにより、中間ユニット13に対して前扉枠14が回動可能に支持される。
前扉枠14は、図3に示すように、中間ユニット13と外形がほぼ同一の長方形状に形成されている。前扉枠14には、窓パネルユニット30の外周縁が正面視で露出しないように窓パネルユニット30より小さく開口形成された窓部14aが設けられる(図1参照)。この窓部14aが窓パネルユニット30によって背面側から覆われることで、窓パネルユニット30を取り付けた前扉枠14によって中間ユニット13の前面側のほぼ全域が覆われる。
窓パネルユニット30は、図3に示すように、窓部14aより大きな外形で透明性を有する前後一対の透明ガラス31,32と、これら透明ガラス31,32を一体化する固定枠33とを備えている。固定枠33は、合成樹脂により透明ガラス31,32より一回り大きな環状に形成され、透明ガラス31,32の外周縁が固定枠33に接着されることで窓パネルユニット30は一体化された複層ガラスとされている。
なお、窓パネルユニット30は、透明ガラス31,32によって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネルユニット30を通じて遊技領域23aを視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていてもよい。
前扉枠14において窓部14aの周囲には、図1に示すように、LED等の発光手段を内蔵した電飾部24が複数設けられている。これら電飾部24では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部14aの上側の電飾部24には、払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。また、窓部14aの右上側および左上側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ装置を覆うスピーカカバー27が設けられている。
前扉枠14における窓部14aの下方には、図2に示すように、手前側へ膨出した上側膨出部28と下側膨出部29とが上下に並設されている。上側膨出部28には上方に開口した上皿28aが設けられており、下側膨出部29には同じく上方に開口した下皿29aが設けられている。上皿28aは、後述する払出装置224より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構110側へ導く機能を有している。また、下皿29aは、上皿28a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
上側膨出部28における上皿28a(遊技球の貯留領域)の手前側には、遊技者らにより手動操作される操作スイッチ40が設けられている。操作スイッチ40は、図柄表示装置94の表示画面94a等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。
前扉枠14における下側膨出部29の右側には、図2に示すように、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル45が設けられている。遊技球発射ハンドル45は、遊技領域23aに遊技球を発射すべく操作される発射操作装置であり、図2に示すように、操作ベース46に対して、環状の操作ハンドル47が回転可能に軸支されてなり、遊技球の発射操作に際して操作ハンドル47が遊技者により回転操作されるものである。この場合、操作ハンドル47の回転操作量は、操作ベース46に内蔵された操作量検出手段としての可変抵抗器により検出される。また、遊技球発射ハンドル45には、操作ハンドル47を遊技者が触れていることを検知するためのタッチセンサが操作ベース46に内蔵されるとともに、操作ハンドル47を回転操作した状態において遊技球の発射を停止させるために操作される発射止めスイッチ48が設けられている。
前扉枠14の背面側には、図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿28aに通じる前扉側上皿通路部51と、下皿29aに通じる前扉側下皿通路部52と、ファール球通路部55を有している。通路形成ユニット50の上側隅部には後方に突出し上方に開放された払出球受口部53が形成されており、当該受口部53が仕切壁54によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部51の通路入口と前扉側下皿通路部52の通路入口とがそれぞれ形成されている。
ファール球通路部55は、遊技球発射機構110から発射された遊技球のうち遊技領域23aまで至らなかった遊技球をファール球として下皿29aに排出する通路を形成する部位である。ファール球通路部55には、図3に示すように、上方に開放されたファール球受口部56が設けられる。このファール球受口部56よりファール球が受け入れられ、前扉側下皿通路部52にファール球が案内されることにより、ファール球通路部55に入った遊技球は下皿29aに排出される。
遊技球発射機構110は、図3に示すように、前扉枠14を開放した場合に前面側に露出される部品であり、中間ユニット13の前面側右下部分に設けられている。この遊技球発射機構110は、図5に示すように、発射駆動部として設けられた電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り装置113とを備えている。球送り装置113は、上皿28aに貯留された遊技球を発射レール112上に1個ずつ供給する。この場合、この供給される遊技球はソレノイド111において打出し部として設けられたプランジャ114の突出経路上に配置される。そして、ソレノイド111への電気的な信号の入力により、プランジャ114が発射レール112上の遊技球に向けて移動し、当該遊技球は遊技領域23aに向けて打出される。なお、遊技球発射機構110の電動アクチュエータは、ソレノイド111に限定されることはなく、発射モータなどを用いてもよい。
中間ユニット13の左側であって発射レール112の左方には、図3に示すように、通路形成部材121が配設されている。枠ユニット21には、通路形成部材121が設けられる部位を前後方向に貫通する貫通孔が設けられ、この貫通孔を前面側から覆うようにして通路形成部材121は、枠ユニット21にネジ止めされている。
通路形成部材121は、図5に示すように、本体側上皿通路部122と本体側下皿通路部123とを有している。前扉枠14が閉鎖状態とされた場合には、通路形成部材121の下側部分に前扉枠14に設けられる通路形成ユニット50の払出球受口部53(図3参照)が入り込む。そして、本体側上皿通路部122の下方には前扉側上皿通路部51が配置され、本体側下皿通路部123の下方には前扉側下皿通路部52が配置される。
通路形成部材121の下側部分には、図5に示すように、本体側上皿通路部122及び本体側下皿通路部123からの遊技球の流出を規制するシャッタ124が設けられている。シャッタ124は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられる。また、枠ユニット21には、シャッタ124を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられ、前扉枠14を中間ユニット13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ124が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路部122又は本体側下皿通路部123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた払出球受口部53の外周部分により上記付勢力に抗してシャッタ124が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路部122及び前扉側上皿通路部51が連通し、本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路部52が連通して、遊技球の流下が許容される。
次に、遊技領域23aを形成する遊技盤23の構成を、図6に基づいて説明する。図6は遊技盤23の正面図である。
遊技盤23は、木製の合板で形成した板材と同板材の前側の板面を覆うシート材とを有する遊技板23bを備えており、その全面が枠ユニット21の前面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤23の前面には、遊技球が流下する遊技領域23aが形成されている。上記したように遊技領域23aは透明ガラス31,32によって前面側が覆われているため、後側の透明ガラス32によって遊技領域23aの前面側が区画される。また、遊技領域23aの背面側は遊技板23bの前面によって区画される。なお、遊技板23bを構成する板材は、合板に限らず一枚板で形成しても良いし、木製に限らず例えば透明な合成樹脂製の板材または成形品で形成しても良い。
遊技領域23aは、正面視において遊技盤23の全域に渡る上下及び左右方向の寸法に設定され、右下部分のみが右下側に突出した略円形状に形成されている。遊技領域23aは、その外周が誘導レール100および区画部材107により区画されている。誘導レール100は、遊技盤23の左側全域に及ぶ大きさの円弧状の内レール101と外レール102とからなり、これら内レール101と外レール102とにより遊技領域23aの左側に円弧状の誘導通路103を形成する。
誘導通路103の下側端部には、誘導通路103の入口部104が形成され、この入口部104と発射レール112とは離間して設けられる(図5参照)。誘導通路103の上側端部には、誘導通路103の出口部105が形成され、その出口部105の右上側には遊技領域23aに到達した遊技球の誘導通路103内への戻りを防止する戻り防止部材106が取り付けられている。
遊技球発射ハンドル45(図1参照)が遊技者により手動操作された場合、中間ユニット13の右下部分に設けられた遊技球発射機構110(図5参照)から発射された遊技球は、誘導通路103を経由し、誘導通路103の出口部105において戻り防止部材106により閉鎖された遊技領域23aの入口を押し広げて遊技領域23a内に進入する。遊技球の発射力が弱すぎる場合には、遊技球が遊技領域23aまで至らず誘導通路103内で落下し始め、誘導通路103の入口部104と発射レール112との間に落下する。前扉枠14の閉鎖状態においては、この入口部104と発射レール112との間にファール球受口部56が配置され、遊技領域23aまで至らなかった遊技球はファール球通路部55を経由して下皿29aへ排出される。
区画部材107は、遊技領域23aの右側を区画するものであり、合成樹脂を成形して縦長に形成され、遊技板23bの前面にネジ止めされている。この区画部材107は、外レール102の上側における右側端部を起点とし、内レール101の下側における右側端部より下側まで延在している。
なお、区画部材107の上端部には、機種名が印字された証紙107aが貼り付けられ、区画部材107の下端部には、メーカー名や製造番号などが印字された証紙107bを貼り付けた台座部品が固定されている。これら証紙107a,107bは、透明ガラス31,32を介してパチンコ機10前方から視認可能な位置に配置される。
遊技板23bには、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口81、可変入賞装置82、上作動口83a、下作動口83b、スルーゲート84、可変表示ユニット85、主表示装置96等が設けられている。
一般入賞口81、可変入賞装置82、上作動口83a及び下作動口83bへの入球が発生すると、それが遊技盤23の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口83aへの入球が発生した場合及び下作動口83bへの入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口81への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置82への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口83aに係る賞球個数よりも下作動口83bに係る賞球個数が多いといったように、両作動口83a,83bの賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置82に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口81に係る賞球個数と同一の構成としても、少ない構成としてもよい。
遊技盤23の最下部には、アウト口86が設けられ、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域23aから排出される。また、遊技盤23には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘87が植設され、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域23aから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域23aから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口86への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、上作動口83a、下作動口83b又はスルーゲート84への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口83a及び下作動口83bは、作動口装置としてユニット化されて遊技盤23に設置されている。上作動口83a及び下作動口83bは共に上向きに開放されている。また、上作動口83aが上方となるようにして両作動口83a,83bは鉛直方向に並んでいる。下作動口83bには、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物83cが設けられている。
電動役物83cは遊技盤23の背面側に搭載された電動役物駆動部に連結されており、当該電動役物駆動部により駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物83cの閉鎖状態では遊技球が下作動口83bに入賞できず、電動役物83cが開放状態となることで下作動口83bへの入賞が可能となる。電動役物83cは、遊技領域23aの下側部分で左右両側に開放可能とされ、遊技領域23aの右側部分を流下した遊技球も左側部分を流下した遊技球も入賞可能とされている。
スルーゲート84は、遊技領域23aの右側部分に設けられ、遊技領域23aの入口から遠い側へ届く一定以上の強い発射力で発射された遊技球が入球可能に構成されている。スルーゲート84の下側には、可変入賞装置82が設けられ、可変入賞装置82も遊技領域23aの右側部分に設けられている。
可変入賞装置82は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり当選といった開閉実行モード(特別遊技状態)への移行当選となった際に、遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置82の開放態様として具体的には、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置82が繰り返し開放される。
可変表示ユニット85には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置94が設けられているとともに、正面視で図柄表示装置94の表示画面94aを囲むようにしてセンターフレーム95が配設されている。図柄表示装置94の前面側であってセンターフレーム95の後側には、ポリカーボネート等の透明な合成樹脂材料により形成された透明保護板300が設けられ、図柄表示装置94の表示画面94aは、その透明保護板300を介して前面側から視認可能とされている。この透明保護板300を介して後側が視認可能とされる視認可能領域300aは、センターフレーム95およびセンターフレーム95の内側に設けられる装飾部材301,302により区画されている。
図柄表示装置94は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置142により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置94は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置94では、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。図柄表示装置94における変動表示は、正面視で視認可能な視認可能領域300aにおいて行われ、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、開閉実行モードが発生することとなる。この図柄表示装置94における変動表示は、主表示装置96のメイン表示部において行われる変動表示に合わせて行われる。
可変表示ユニット85に対して右上側には、遊技の状態を表示する主表示装置96が設けられる。主表示装置96は、複数の発光部が並んで配列されてなる表示器によって構成され、区画部材107の上端部に設けられ、その前面側には、例えば、左上側からメイン表示部、役物用表示部、状態表示部、保留表示部、補助表示部等が順に設けられる。
メイン表示部では、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口83aへの入賞と下作動口83bへの入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部にて明示される。そして、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、主表示装置96のメイン表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、メイン表示部及び図柄表示装置94にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
役物用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた電動役物83cが所定の態様で開放状態となる。
補助表示部は、メイン表示部と同一の態様とされた発光部が設けられ、本実施形態におけるパチンコ機10においては、消灯されたままとされている。この補助表示部は、本実施形態におけるパチンコ機10とは別の他機種において上作動口83aへの入賞に対する内部抽選と下作動口83bへの入賞に対する内部抽選とが区別される場合に点灯するものであり、メイン表示部を複数必要とする機種において使用される。
状態表示部は、メイン表示部にて所定の停止結果が表示されることで遊技状態が開閉実行モードへ移行し、その所定の停止結果の表示後における遊技回が所定回数に到達する等して遊技状態が開閉実行モード前の通常状態に移行する場合に、その遊技状態の変化が表示によって明示される。また、状態表示部では、開閉実行モードの移行当選となった場合に可変表示装置82の開放態様として複数種類のラウンド数が設定されている機種において移行当選となったラウンド数が表示によって明示される。
保留表示部は、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞した個数および遊技球がスルーゲート84を通過した回数のうち未だ遊技が実行されていない保留状態の遊技回数を表示によってそれぞれ明示する。遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞した個数および遊技球がスルーゲート84を通過した回数はそれぞれ最大4個まで保留され、保留表示部によって各保留数がそれぞれ表示される。保留表示部の保留数に対応した情報は、図柄表示装置94の表示画面にも表示され、保留数が数字又はキャラクタの個数などにより表示される。
なお、メイン表示部、役物用表示部、補助表示部、状態表示部および保留表示部は、複数の発光部が所定の態様で配列されてなる表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、いずれか一方または両方の表示部を液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、セグメント表示器又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成してもよい。また、メイン表示部および役物用表示部にて変動表示される態様として、絵柄としての複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成としても良い。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について、図4に加え、図7から図9を参照しながら説明する。図7は中間ユニット13の背面図、図8は裏パックユニット15の背面図、図9はパチンコ機10の背面図である。
中間ユニット13には、図7に示すように、枠ユニット21によって開口形成される前後に貫通した遊技盤収容部21aが設けられ、この遊技盤収容部21aを通じて中間ユニット13の背面側には遊技盤23の背面側に搭載される各種部品が露出されている。
中間ユニット13の背面側には、図4に示すように、合成樹脂により形成された箱状の盤裏カバー141が設けられている。盤裏カバー141は、遊技盤23の背面のほぼ全域にわたって設けられ、遊技盤23の背面側に設けられる各種部品を遊技球や搬送時において保護すると共に、遊技球の入賞を検知する検知センサ等を狙った不正を防止する機能を有している。
中間ユニット13の背面側中央部には、図4に示すように、表示制御装置142と音声発光制御装置143とが前後に並んで設けられ、その下側には、遊技の主たる制御を司る主制御装置160が設けられている。表示制御装置142は、図柄表示装置94の表示制御を司るものであり、音声発光制御装置143は、主制御装置160からの指示に従って音声やLED、ランプ等の表示制御及び表示制御装置142の制御を司るものである。
主制御装置160は、図7に示すように、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板と、基板を収容するために設けられた透明性を有する樹脂製の基板ボックス163を備えている。また、主制御装置160には、基板ボックス163の開放に際して痕跡を残す痕跡手段としての開放封印部164が設けられている。当該開放封印部164は解除操作を一度行うと再結合を不可とするものであり、結果的に主制御装置160の基板ボックス163は一度開放操作を行うと、再度封印状態とすることが不可となっている。
主制御装置160の背面視右側端部には、図7に示すように、取付封印部165が設けられている。取付封印部165は、遊技盤23側に設けられる支持部材と主制御装置160とを固定し、主制御装置160の取り外しに際して痕跡を残す痕跡手段として機能する。取付封印部165は、最初に主制御装置160を取り付けるための固定部品以外に、予備用の固定部品が3組設けられ、主制御装置160の点検作業における一時的な取り外しや主制御装置160の交換が可能とされている。
主制御装置160の背面視左部には、RAM消去スイッチ166が設けられている。本パチンコ機10は、各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持され、RAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
枠ユニット21の背面における回動基端側(図7の右側)には、上下に離間して支持金具132が設けられ、各支持金具132の上端部に形成される軸受け部133によって中間ユニット13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられる。また、枠ユニット21の背面には、裏パックユニット15を中間ユニット13に固定するための固定レバー134が回動先端側(図7の左側)に複数設けられている。
次に、裏パックユニット15について説明する。裏パックユニット15は、図8に示すように、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック201と、払出ユニット202と、外部端子板203とを備えている。
裏パック201は、図8に示すように、裏パック201の周縁部を構成する裏ベース部211と、裏ベース部211から後方へ張り出すようにして形成された保護カバー部212とを有している。保護カバー部212は、左右側面と上面の全部が閉鎖され、背面下部から下面につながる一部分が開放された形状をなし、保護カバー部212の下側部分に前後方向に貫通した開口部212aが形成されている。
外部端子板203は、図8に示すように、後方から見た裏パックユニット15の右上側端部に設けられている。外部端子板203は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。外部端子板203には、出力端子として、開閉実行モード中に信号出力するための出力端子、下作動口83bの電動役物83cが高頻度で開放状態となる電役開放状態中に信号出力するための出力端子、払出ユニット202において遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、外枠11に対する中間ユニット13の開放時に信号出力するための出力端子、中間ユニット13に対する前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子などが設けられている。
裏パックユニット15における背面視右側端部には、図8に示すように、上下一対の掛止ピン204が取り付けられている。この掛止ピン204を中間ユニット13側の軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が掛止ピン204を中心にして中間ユニット13に対して回動可能に支持される。裏ベース部211における掛止ピン204が配置されていない反対側の端部には、中間ユニット13に設けられた固定レバー134が挿通される挿通部211aが上下に形成されている。固定レバー134が挿通部211aに挿通されて90度回転させた状態にすることで、固定レバー134の一部がベース部211に後方から当接し、中間ユニット13に裏パックユニット15が固定される。
裏パックユニット15は、上記したとおり、中間ユニット13の背面に対して回動可能に軸支されている。裏パックユニット15を中間ユニット13に対して背面側から重ね合わせた状態では、図9に示すように、主制御装置160の大半は開口部212aを介して背面側に露出し、主制御装置160の上端部及び開放封印部164の一部は保護カバー部212により覆われている。主制御装置160の上端部には他の制御装置と電気的に接続するためのコネクタおよび配線が設けられ、この配線に関する部位や開放封印部164の一部が保護カバー部212に覆われることで、主制御装置160の視認性を高めつつ、不正行為の抑制および遊技球の衝突による破損防止等を実現している。主制御装置160の上側に配置される音声発光制御装置143等は、保護カバー部212により全体が覆われている。
裏パックユニット15は、図8に示すように、保護カバー部212を迂回するようにして裏ベース部211に取り付けられている払出ユニット202を備えている。払出ユニット202は、裏パック201の最上部に設けられて遊技球を貯留可能に上方に開口したタンク221と、タンク内221の遊技球を下流側に向けて案内可能に緩やかに傾斜するタンクレール222と、タンクレール222の下流側にて上下方向に遊技球を案内するケースレール223と、ケースレール223の最下流部に設けられる払出装置224とを有し、これらが連結することでタンク221に補給された遊技球を必要数分だけ払出装置224の下流側に払い出し可能とされている。払出装置224によって払い出された遊技球は、払出装置224の下流側に設けられた裏側通路部225に供給される(図4参照)。
裏側通路部225には、払出装置224より払い出された遊技球を上皿28a、下皿29a又は排出通路の何れかに振り分けるための3つの通路が形成されている。これら通路のうち、裏パック201の中央側に位置する通路が上記した本体側上皿通路部122及び前扉側上皿通路部51を介して上皿28aに通じ、その外側の通路が本体側下皿通路部123及び前扉側下皿通路部52を介して下皿29aに通じ、更に外側の通路が排出通路とされている。払出装置224によって払い出された遊技球は、上皿28aの通路に優先して案内され、その通路が遊技球で満たされると、その通路から分岐した下皿29aに通じる通路に遊技球が案内される。排出通路は、ケースレール223に対して排出操作を行うことにより、タンク221からケースレール223の途中までの間に貯留された遊技球が払出装置224を経由せずに裏パックユニット15の下端に設けられる排出口から排出される。
裏ベース部211の背面側下端部には、図8に示すように、各種制御装置等で要する所定の電力を生成して出力する電源装置241と、払出制御装置242とが前後に重ねて取り付けられている。電源装置241は、裏ベース部211の横幅全域にわたって設けられている。裏ベース部211の背面視右下側端部には、電源スイッチ247が設けられている。パチンコ機10へは電圧変換器を介して例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ247の切換操作によりパチンコ機10の電源がON又はOFFとされる。
払出制御装置242は、払出ユニット202を通じた遊技球の払い出しを制御するための装置である。払出制御装置242は、基板を収容するために設けられた透明性を有する基板ボックス243に払出制御基板を収容して構成されており、その開放に際しては痕跡を残す痕跡手段として開放封印部244が設けられている。開放封印部244は解除操作を一度行うと再結合を不可とするものであり、結果的に払出制御装置242の基板ボックス243は一度開放操作を行うと、再度封印状態とすることが不可となっている。
裏ベース部211の前面側すなわち中間ユニット13側の下部には、図4に示すように、上方に開口した横長の球入口213と、側方に開口した球入口214とを上流側端部とする発射球排出通路が設けられている。遊技領域23aを流下しいずれかの開口を介して遊技盤23の背面へと導かれた遊技球は、2つの球入口213,214のいずれかを経由して発射球排出通路内へ進入する。発射球排出通路の出口部分は裏パックユニット15の下端面に遊技球1個分の幅で開口して形成され、遊技領域23a内に発射された遊技球は全て発射球排出通路を経由して遊技ホールの島設備に排出される。発射球排出通路の途中には、遊技球を検知する検知センサが設けられ、遊技領域23a内に発射された遊技球数に対応した信号が外部端子板203を介して出力される。
次に、センターフレーム95付近の部品構成について、図10から図12を主に参照して説明する。図10は、前方から見たセンターフレーム95、透明保護板300および装飾部材301,302等の斜視図であり、図10(a)は前方の左上側から見た斜視図、図10(b)は前方の左下側から見た斜視図である。図11は、センターフレーム95および装飾部材301,302の正面図であり、透明保護板300が無い状態を示している。図12は、前方から見たセンターフレーム95、透明保護板300および装飾部材301,302の分解斜視図である。
センターフレーム95は、図12に示すように、合成樹脂により形成された部品を複数組み合わせて枠状に形成されている。センターフレーム95は、外形に対して略一定幅で中央部が前後に貫通するように形成され、センターフレーム95の周辺部分は、機種のイメージを表現する装飾が前後に起伏した形状によって施されている。センターフレーム95の装飾は、遊技盤23の裏面側に設けられるLED等の発光装置によって発光し、図柄表示装置94によって表示される図柄等の周りの色や明るさを変化させる演出の一部として利用される。
センターフレーム95の外周部分には、図10(a)に示すように、前後方向に厚みを有して外方に突出する板状の取付部311が設けられ、この取付部311に形成される円孔にネジを挿通して遊技板23bの前面側よりセンターフレーム95が遊技板23bに取り付けられる。遊技板23bには、センターフレーム95の外形より小さく枠内の外縁より大きな開口が設けられ、センターフレーム95の取付部311より後側部分は、遊技板23bの開口内に入り込んで取り付けられる。詳しくは、センターフレーム95の左側および下側部分は、取付部311より後側に延出する形状に形成され、開口内にほとんどが入り込んだ状態で遊技板23bに取り付けられる。センターフレーム95の上側および右側部分は、取付部311に対して後側に延出すると共に遊技領域23aに相当する前面側にも突出した形状に形成されている。この前面側への突出部分によって、センターフレーム95の上側に当接した遊技球が左右に振り分けられ、センターフレーム95の枠内を遊技球が落下しない構成とされている。
センターフレーム95の下側には、図10(a)に示すように、上方を向いた主転動面312が形成されている。この主転動面312は、前後幅が遊技球1個分より広く設定され、中央部が高く、その左右両側が低く凹んだ左右方向に延在する形状に形成されている。主転動面312の中央部の後側には、遊技球が落下可能な奥側通路入口313aが設けられ、奥側通路入口313aに入った遊技球は、主転動面312の下側を通って奥側通路出口313bより前面側に排出される。奥側通路出口313bの下側には、図6に示すように、上作動口83aが上方に開口し、奥側通路に入った遊技球は、主転動面312から前側に落下するよりも高確率で上作動口83aに入球する。
センターフレーム95の左側には、図10(a)に示すように、遊技領域23aの左側を流下する遊技球が入球可能なように左側に開口形成された左側通路入口314aが設けられている。左側通路出口314bは、主転動面312の左側に設けられ、左側通路によって遊技領域23aの左側を流下する遊技球が主転動面312上に案内される。左側通路は、センターフレーム95の左側を形成する部位の内部空間が上下方向に下方に延びるように前後の部品を重ね合わせることで形成されている。
センターフレーム95の主転動面312の後側には、図12に示すように、主転動面312の後端部より遊技球1個分程度の高さで上方に延出する後側縦壁315が設けられ、更に後側縦壁315の上端部から後側に遊技球の半径より狭い幅で延出することで主転動面312に対して上奥側に一段上がった位置に奥側転動面316が設けられている。奥側転動面316は、左右方向に延在し、左右両側より中央部が低い円弧状に形成され、左右方向における全域が前側に傾斜して形成されている。
センターフレーム95の取付部311および取付部311から前面側に延びて遊技球が当接する外周部分は、金属メッキにより着色され、その内側で前方に突出する装飾部分は、青色等の有色で透光性を有する樹脂色により構成されている。センターフレーム95の主転動面312および奥側転動面316は、透明な合成樹脂により形成され、取付部311を構成する部品に対して後側からネジにより固定されている。
センターフレーム95の後側には、図10(a)に示すように、ポリカーボネート等の透明な合成樹脂により形成された透明保護板300が設けられている。透明保護板300は、図12に示すように、厚みが遊技盤23の前後方向と一致するようにして略矩形状に形成され、センターフレーム95の枠内のほぼ全域を後側から覆うことが可能な大きさに形成されている。透明保護板300の厚さは、前後方向へ力が加えられた場合に前後に撓みやすいように厚みが0.8mmから1mm程度の薄板によって構成されている。透明保護板300の前面は、センターフレーム95の下側に設けられる奥側転動面316の後端部に当接して配置される。このため、センターフレーム95の下側から遊技球が跳ねたり、主転動面312上の遊技球同士が衝突したりして遊技球が跳び乗る場合があっても、これら遊技球は、透明保護板300によって後側への移動が制限され、奥側転動面316上から主転動面312側へと戻される。
透明保護板300の上側および右側には、図10(b)に示すように、上側装飾部材301および右側装飾部材302が設けられている。これら2つの装飾部材301,302は、前面側が透光性のある樹脂により形成され、内部にはLED等の発光手段が配置された基板が設けられている。この発光手段によって装飾部材301,302は、図柄表示装置94の変動表示等に合わせて前面側が発光することで演出の一部を構成する。2つの装飾部材301,302は、センターフレーム95の枠内に設けられ、透明保護板300と前後方向において重なる位置に設けられている。透明保護板300を介して裏面側の図柄表示装置94等が視認可能となる視認可能領域300aは、左側および下側がセンターフレーム95の内側によって区画され、右側が右側装飾部材302によって区画され、上側(詳しくは右上側)が上側装飾部材301の底板321によって区画されることとなる。
2つの装飾部材301,302は、遊技盤23の裏面側に取り付けられる盤裏カバー141(図4参照)に図柄表示装置94等と共に一体化された後に、遊技板23bの裏面にネジにより取り付けられる。透明保護板300は、2つの装飾部材301,302によって上側および右側部分が支持され、遊技板23bの裏面に当接する程度に近接して配置される。
上側装飾部材301の下側には、図10(b)に示すように、下側の面が下方を向いた底板321が設けられる。底板321には、図12に示すように、左右方向に延びる底溝322が3カ所に離間して設けられている。この底溝322の離間距離と一致して透明保護板300の上端縁には、左右方向に延びる水平な縁部から上方に延出し、その延出した上端部から右側に突出する上側係合突部331が左右方向における3カ所に離間して設けられ、上側係合突部331の下側には左側に延びて凹んだ係合溝部332が設けられている。この上側係合突部331が上側装飾部材301の底溝322に下側から入り込み、上側係合突部331の右側への突出量分右側に移動することで、底板321の上下面を係合溝部332が挟み込む状態となり、上側装飾部材301に対して上側係合突部331が吊られた状態となって透明保護板300が支持される。
右側装飾部材302は、図11に示すように、正面視において「一発」の文字が上側に横書きで配置され、その下側に「逆転」の文字が縦書きに配置されている。これらの文字が設けられた右側装飾部材302の前面は、遊技盤23の正面に対して視認可能領域300a側となる左側に傾斜した向きに配置され、視認可能領域300aの奥側に配置される図柄表示装置94を視認する遊技者に右側装飾部材302の文字を幅広く表示し、文字を認識し易いように構成されている。
「一発」および「逆転」の文字は、図10(a)に示すように、前方から見た場合に右側部分のみが透明保護板300の手前側に配置され、左側部分は不足した状態とされて透明保護板300を介した後側に配置されている。透明保護板300は透明であるので、実際には、図11に示すように、左側部分の文字も正面側から視認可能とされており、「一発」および「逆転」の文字は、その全体が正面視で視認可能となっている。
ここで、図13から図15を主に参照して、右側装飾部材302の構成詳細について説明する。図13は、右側装飾部材302を分解して示した斜視図であり、図14(a)は、2つの文字形成部材511,521の正面図であり、図14(b)は、2つの文字形成部材511,521の背面図である。図15(a)は、2つの文字形成部材511,521を左前側から見た図であり、図15(b)は、2つの文字形成部材511,521の端部を重ね合わせた図である。なお、図14以降の図面においては、図13以前の図面に比べて、2つの文字形成部材511,521の形状を詳細に表示し、図13以前の図面では簡略化して示している。
右側装飾部材302は、図13に示すように、複数の部材を前後に重ね合わせて構成されており、奥側から、文字の周辺を金色に装飾する装飾部が「一発」および「逆転」の文字の後側にて放射状に稜線が広がるように前後に起伏して設けられ、LED等が搭載された基板が内蔵された装飾取付ベース351と、装飾取付ベース351の前側に配置され、LED等の光を拡散する透明樹脂製で表面に凹凸が施された拡散部材352と、拡散された光によって文字部分が発光するように文字部分が前方に突出して形成された2つの文字形成部材511,521が設けられている。以下においては、2つの文字形成部材511,521のうち、文字の右側部分を形成する部材を文字右側形成部材511と称し、右側部分において不足した文字の残り部分である左側部分を形成する部材を文字左側形成部材521と称す。
2つの文字形成部材511,521は、図14(a)に示すように、「一発」の「一」の文字の途中部分および「逆転」の文字の左右方向における隙間部分を上下に分断するようにして左右に分割されることで右側部分を構成する文字右側形成部材511と、左側部分を構成する文字左側形成部材521とにより構成される。2つの文字形成部材511,521は、透光性を有するポリカーボネート等の樹脂に対し、文字部分の先端側部分を治具により覆った状態で表面側からメッキ又は塗装を施し、例えば銀色、金色の順に着色をすることで、文字形成部材511,521の裏面側の光は内部で反射することで文字部分がより明るく発光し、文字の周りは金色に着色される。
文字右側形成部材511の前面には、図14(a)に示すように、上側部分に「一」の文字の右側部分と「発」の文字とが形成され、その下側部分に「逆」の文字の右側部分が形成され、更に下側に「転」の文字の右側部分が形成されている。これら文字の右側部分が、左手前側を向いた基準となる平面で構成される右側文字基準面512に対して左手前側に突出することで文字右側形成部材511の前面が形成されている。この文字部分の突出は根元側が太幅で先端側が細幅の2段に突出し、更に先端側は文字幅の中心部分が頂点となって尖った形状となるように次第に細幅に形成されている。この文字右側形成部材511の前面は、図10に示すように、遊技盤23の正面に対して左斜めに傾斜し、具体的には45度傾斜して配置され、文字右側形成部材511の前面に形成される文字は、遊技盤23の正面に対して45度左側に傾いて手前側に突出して形成されている。
文字左側形成部材521は、図14(a)に示すように、上側部分に「一」の文字の左側部分が形成され、その下側に「逆」の文字の左側部分が形成され、更に下側に「転」の文字の左側部分が形成されている。これら文字の左側部分が、基準となる平面で構成される左側文字基準面522に対して左手前側に突出することで文字左側形成部材521の前面が形成されている。この文字部分の突出も、文字右側形成部材511と同様、根元側が太幅で先端側が細幅の2段に突出し、更に先端側は文字幅の中心部分が頂点となって尖った形状となるように次第に細幅に形成されている。左側文字基準面522は、右側文字基準面512と同様、遊技盤23の正面に対して左斜めに傾斜し、具体的には45度傾斜して配置され、文字左側形成部材521の前面に形成される文字は、遊技盤23の正面に対して45度左側に傾いて手前側に突出して形成されている。
文字右側形成部材511の上下および背面視左側の外周部分は、図14(b)に示すように、右側文字基準面512の外周形状に沿った形状で後方に延出するようにして後側壁部514が形成され、文字左側形成部材521の上下および背面視右側の外周部分も、同様に左側文字基準面522に対して後方に延出するようにして後側壁部524が形成されている。2つの文字形成部材511,521における後側壁部514,524の後側端部には、図15(a)に示すように、文字の後側で放射状に稜線が広がるように前後に起伏した装飾部が設けられ、文字周辺に前後に立体的な装飾が施されている。
2つの文字形成部材511,521は、図15(b)に示すように、左右方向内側の端部を近づけると文字が一体的に見えるものであり、2つの文字形成部材511,521の左右方向内側の端面を押し当てると2つの文字形成部材511,521によって文字が左右に連続した状態で形成され、後方は中央部が開口した箱状の部材となる。設計段階においては、1つの文字形成部材として前面側に文字を形成し、後側を開口した箱状に設計した後に、左右の2つに分断することで2つの文字形成部材511,521が形成することができ、設計コストを低減し、且つ、見栄えの良い文字装飾とすることができる。
2つの文字形成部材511,521の裏面側には、図14(b)に示すように、後方に突出する取付軸部513,523が設けられ、この取付軸部513,523に対して装飾取付ベース351の後側からネジが挿入されることにより、2つの文字形成部材511,521が装飾取付ベース351に取り付けられる。2つの文字形成部材511,521が装飾取付ベース351に取り付けられた状態においては、2つの文字形成部材511,521は、文字右側形成部材511の文字表示面が前側(詳細には遊技盤23正面に対して左斜め前側)に位置し、文字左側形成部材521の文字表示面が後側となるように取り付けられ、文字右側形成部材511の文字表示面が文字左側形成部材521の文字表示面より前側に突出するように段差が設けられる(図16(b)参照)。
文字左側形成部材521の右側端面には、図14(a)に示すように、前側に突出する円柱状の後側突部525が設けられている。この後側突部525は、文字右側形成部材511の「逆」の文字の部首である「しんにょう」の下側部分を構成する左右方向に延びて前側に突出する形状部分の裏側に位置し、その「しんにょう」の裏側部分には、図14(b)に示すように、左右方向に延びる溝状に形成された裏側溝部515が形成されている。装飾取付ベース351に2つの文字形成部材511,521が取り付けられた状態においては、文字右側形成部材511の裏側溝部515の端部に文字左側形成部材521の後側突部525の先端が入り込んで配置される(図17(b)参照)。
透明保護板300の右側端部には、図12に示すように、文字左側形成部材521の後側突部525が入り込み可能なように、後側突部525より上下に幅広で右側端縁から左側に凹んで形成された右側溝部333が設けられている。透明保護板300の右側溝部333の底に相当する左端は、後側突部525の左側に近接し、透明保護板300の右側溝部333の上下両側が後側突部525の上下に若干の隙間を隔てて近接して透明保護板300が右側装飾部材302に対して配置される(図17(d)参照)。透明保護板300の右側溝部333は、図10に示すように、文字右側形成部材511によって前側が完全に覆われるように位置し、正面側からは視認できない位置に配置される。
「一発」および「逆転」の文字は、図10に示すように、透明保護板300が表面側から視認可能で裏側を透視可能な視認可能領域300aに対して右側にて、視認可能領域300a側に傾斜するように設けられる。すなわち、「一発」および「逆転」の文字は、透明保護板300における視認可能領域300aを形成する部位の表面に対して鈍角(例えば、135度)となる面を文字基準面512,522とするように配置され、透明保護板300の表面に対して45度傾斜した面によって左手前側を向くように配置されている。これら「一発」と「逆転」の文字は、透明保護板300が間に介在することによって前後に分断され、文字の右側部分のみが透明保護板300の前側に位置し、視認可能領域300aによって前面側が覆われる左側部分が不足した文字が文字右側形成部材511によって形成されることとなる。この不足した視認可能領域300a側の部位は、文字左側形成部材521の前面によって形成され、文字左側形成部材521は、透明保護板300の後側に位置している。
文字右側形成部材511の前面における視認可能領域300a側に相当する左側で後側に位置する後側端縁516は、図14(a)に示すように、左側に起伏して凹凸を有する形状に形成されている。詳細には、左右に文字を分断している透明保護板300に対して文字形成部材511,521の前面が45度の角度で交差して配置されるため、文字を形成する突出部が突出量に対応した大きさで左側に突出し、文字の突出する先端部に対して右側文字基準面512に相当する低い部位は、視認可能領域300aとは反対側となる右側に凹んで形成される。
文字左側形成部材521の前面は、図14(a)に示すように、文字右側形成部材511において不足した「一発」と「逆転」の文字の左側部分を形成している。文字左側形成部材521の前面において視認可能領域300aの縁側に相当する右側で前側に位置する前側端縁526は、文字右側形成部材511の不足分を完全に補うように、正面視において、文字右側形成部材511の視認可能領域300a側の端縁と略一致した形状に形成される。文字左側形成部材521の前側端縁526は、図11に示すように、文字右側形成部材511の後側端縁516と前後において略一致するように重なる向きに配置されている。この位置は、必ずしも一致させる必要はないが、文字左側形成部材521の前側端縁526が、文字右側形成部材511の後側端縁516と一致するか、僅かに右側に配置されることにより、正面視における見栄えを良好とすることができる。
文字左側形成部材521の前側端縁526と、文字右側形成部材511の後側端縁516とは、前後方向において透明保護板300の厚みより若干広い隙間を隔てて配置され、それら端縁516,526の間には、透明保護板300の右側端部が入り込んだ状態となるように延出して形成されている(図16(d)参照)。このため、図10に示すように、透明保護板300の右側の端面が文字形成部材511,521の前側に位置せず、透明保護板300が遊技者の視認性を妨げることもなく、文字形成部材511,521の見栄えを良好とすることができる。
次に、「一発」と「逆転」の文字の分断位置について説明する。「一発」と「逆転」の文字は左右方向において上下に真っすぐでなく、上側部分が右側に位置し、下側部分が左側に位置するように左右にずれて配置されている。
「一発」の文字は、図14(a)に示すように、左側の「一」の漢字を縦に分断して形成されている。このため、文字左側形成部材521の前側端縁526から左側に略水平に文字が延びて「一」の文字の左側部分が形成され、文字右側形成部材511の後側端縁516から右側にも略水平に文字が延びて「一」の文字の右側部分が形成される。右側装飾部材302は、カタログ等に写真撮影する場合などで正面から視認される場合と、パチンコ機10の正面に着座した遊技者から見て左手前側から視認される場合との両方がある。文字の分断部分には透明保護板300が介在するため前後に離間し、この部位に斜めに交差するようにして文字が配置されると、その文字が見る方向によってずれを生じてしまい、直線的に見せることが難しい。これに対して、2つの文字形成部材511,521の分断位置に対して分断方向となる縦方向に対して両側に相当する左右方向に延びる形状、例えば、上記したように「一」の文字を分断位置とすることにより、正面側および左手前側のいずれの方向側から「一発」の文字を視認しても前後に離間して配置される「一」の文字にずれが生じず、見栄えを良好とすることができる。
「逆」の文字は、図14(a)に示すように、上側部分は、「逆」の文字の部首である「しんにょう」の左側と、「しんにょう」以外の部位を構成する右側の部位とが離間している間部分を縦に分断して形成されている。この間部分を利用することにより、2つの文字形成部材511,521の両前面にまたがって連続する部位を少なくすることができ、連続部分に生じるずれによって見栄えが損なわれることを抑制することができる。「転」の文字も、同様に、左右の隙間部分を縦に分断することで同様の効果を有するものとしている。特に、「逆」および「転」の文字における文字右側形成部材511の後側端縁516は、右側部分の文字の左端と一致させるように設定され、文字の分断によって形成される溝部分と文字を形成する線とが一致することで見栄えを一層向上することができる。
「逆」の文字の下側部分は、図14(a)に示すように、文字の部首である「しんにょう」の下側部分によって構成され、この部位は、「一発」を構成する「一」の文字と同様、2つの文字形成部材511,521の両前面にまたがって左右方向に延びる形状の部位である。この部位を、積極的に水平に近い方向に延びる形状にして文字を構成することにより、連続部分に生じるずれによって見栄えが損なわれることを抑制することができる。また、分断部分より左側に位置する「しんにょう」の下側の左側部分は、右側部分よりも細幅に形成されている(図16(a)参照)。2つの文字形成部材511,521の両前面にまたがって連続する部分は後側の方を細幅にすることで、連続部分にずれが生じても、遊技者などが気づきにくく見栄えの低下を抑制することができる。更に、文字の太さに応じて突出量を変化させ、文字の太い部分が高く突出し、細い部分が低く突出するように先端部分の突出量が設定されており、連続部分のずれを一層気づきにくくして見栄えを良好とすることができる。
「逆」の文字と「転」の文字とは、上記したように、2つの文字形成部材511,521に対して隙間部分を基準として分断位置が決定され、これら2つの文字の隙間部分は、左右方向においてずれがあるため、上側の「逆」の文字の方が下側の「転」の文字より右側に位置することとなる。この上側が右側に位置する文字の配置は、「逆」の文字の上側に位置する「一発」の文字を「逆」の文字より更に右側に位置させることによって、見た目上も自然な配置となる。このため、透明保護板300の右側端面を文字形成部材511,521の前側に位置させないようにしつつ、全体として見栄えが良好な装飾を施すことができる。
次に、透明保護板300の左側および下側部分の構成について説明する。透明保護板300の上端縁には、図12に示すように、右側部分に3つの上側係合突部331が左右に離間して設けられ、3つの上側係合突部331とは逆側となる左上側部分および左端の上側部分は、外方に突出した部位が設けられ、その突出部位にそれぞれ2つの円孔334が設けられている。2つずつ設けられる円孔334の片方、具体的には、透明保護板300の左上側の2つの円孔334の左側および透明保護板300の左端上側の2つの円孔の上側には、図10(a)に示すように、透明保護板300の後側に配置される取付部材303から前側に突出する細軸の突部が入り込み、この取付部材303が盤裏カバー141に固定されることにより透明保護板300の少なくとも左右方向における移動が制限される。他方の円孔334にも細軸の突部が入り込み、この先端側には、円形の金属板の中央部分が細軸の突部より僅かに小さく開口し、透明保護板300の円孔334内に細軸の突部を位置させた後に、その軸の先端部分に金属板で形成された金具を取り付けることで、透明保護板300の前側への移動が阻止される。
透明保護板300の左側における上下方向の中央部には、図12に示すように、左側に突出し、その突出部の高さ方向における中央部分が右側に凹んだ左側溝部335が設けられている。また、透明保護板300の下側には、左右方向に離間して上方に凹んだ下側溝部336が複数設けられると共に、左右方向における中央部分には、下側溝部336より上方に深く、横幅も広い下側中央溝部337が設けられている。透明保護板300の右下側部分には縦長の長円孔338が設けられている。これら左側溝部335、下側溝部336および長円孔338にも透明保護板300の後側から取付部材303の突部が入り込み、透明保護板300の移動が制限されている。
下側中央溝部337には、図10(b)に示すように、主転動面312の後側から主転動面312の下側を経由して前側に通じる奥側通路を形成する奥側通路形成部313cが位置し、下側中央溝部337の上端に奥側通路形成部313cの上側に僅かに隙間を隔てて近接して配置されている。長円孔338に入り込んだ突部と長円孔338の下側端縁との間には隙間が設けられ、その突部に対する隙間分は透明保護板300が上側へ移動可能に設定されている。すなわち、透明保護板300の左右および上側部分の溝部335,336,337および長円孔338は、各部位に入り込む突状部分に対して透明保護板300の外縁側に空間が設けられることとなり、透明保護板300の左側辺、右側辺および下側辺は、視認可能領域300a側に相当する方向に移動可能に構成される。具体的には、透明保護板300の左側辺に対しての右側、右側辺に対しての左側、下側辺に対しての上側に透明保護板300の各端側が移動可能とされている。このため、透明保護板300の視認可能領域300aが前後方向に押されて撓んだ場合には、透明保護板300は、上側に吊り下げられた状態で左側辺、右側辺および下側辺が視認可能領域300a側に相当する内側に移動し易いものとなる。
次に、透明保護板300と、2つの装飾部材301,302との組み付け作業について説明する。まず、上側装飾部材301と右側装飾部材302とを、図11に示すように、右上側にて連続するように配置する。この状態は、盤裏カバー141に対して図柄表示装置94等、遊技板23bの裏面側に取り付けられる部品を組み付けた後に、盤裏カバー141の最も前側に位置する部品として、上側装飾部材301と右側装飾部材302とを規定位置に取り付ける作業により行われる。
次に、透明保護板300の上側係合突部331を上側装飾部材301の底板321に設けられる底溝322に入れてから右側にスライド移動させる(図10(b)参照)。透明保護板300において上側係合突部331の下側に形成される右側が開口した係合溝部332内に上側装飾部材301の底板321の一部が位置することとなり、上側装飾部材301の底板321に対して上側係合突部331が引っかかった状態となり、透明保護板300が上側装飾部材301に吊られた状態で支持される。
この透明保護板300の上側係合突部331を上側装飾部材301の底溝322に下側から差し込んだ状態とする際には、2つの文字形成部材511,521の前後の隙間(後述する縦長の前後溝部531)の間に透明保護板300の右側端部を位置させ、透明保護板300の右側へのスライド移動によって隙間の中へ、透明保護板300の右側部分を差し込んでいく。
右側装飾部材302によって形成される文字右側形成部材511と文字左側形成部材521との隙間内に透明保護板300が差し込まれた状態については、図16および図17を参照して説明する。図16(a)および図16(b)は、図6のAーA線における右側装飾部材302の斜視図および断面図であり、図16(c)および図16(d)は、図16(a)および図16(b)に対して透明保護板300を加えた斜視図および断面図である。図17(a)および図17(b)は、図6のBーB線における右側装飾部材302の斜視図および断面図であり、図17(c)および図17(d)は、図17(a)および(b)に対して透明保護板300を加えた斜視図および断面図である。なお、図16および図17においては、透明保護板300に関する主要な部位のみを示し、他は省略して示している。
右側装飾部材302には、図16(a)および(b)に示すように、2つの文字形成部材511,521の前後の隙間によって縦長の前後溝部531が形成されている。この前後溝部531の間には、図16(c)および(d)に示すように、透明保護板300が配置され、透明保護板300の右側端部は、拡散部材352の前面に近接する位置まで延出するように入り込んで配置される。詳細には、透明保護板300の前側に位置する文字右側形成部材511の後側端縁516は透明保護板300の前面に位置し、図16(c)に示すように、後側端縁516から透明保護板300の前面に沿って文字右側形成部材511の後側面が透明保護板300の前面に対面して設けられている。また、透明保護板300の後側に位置する文字左側形成部材521の前側端縁526から透明保護板300の裏面に沿って文字左側形成部材521の前側面が透明保護板300の裏面に対面して設けられている。この文字左側形成部材521の前側端面と、文字右側形成部材511の後側端面との隙間によって縦長の前後溝部531が前後方向に一定幅で左右方向に延びるように形成されている。これら前側端面および後側端面は、透明保護板300と前後面と対面するように、即ち平行に設けることが好ましく、これにより透明保護板300の組み付け及び取り外し時、または、透明保護板300が前後に撓んだ場合に、透明保護板300を面で支持する構成となって、透明保護板300が傷付きにくいものとすることができる。
右側装飾部材302の「逆」の文字の下側に相当する高さ位置においては、図17(a)および(b)に示すように、文字左側形成部材521の前側端面(前側端縁526より右側に延びる面)より、左手前側(図17(b)における左下側)に突出する後側突部525が、文字右側形成部材511の後側端面(後側端縁516より右側に延びる面)において左手前側に凹んで形成される裏側溝部515内に位置している。文字左側形成部材521の後側突部525の配置される高さ位置においては、透明保護板300の右側溝部333が設けられ(図12参照)、この溝側溝部333は、文字右側形成部材511の後側端面が形成される範囲内に位置している。このように、上側装飾部材301に対して透明保護板300の上側部分が吊られた状態とされ、右側装飾部材302の前後溝部531内に透明保護板300の右側端部が入り込むことにより、透明保護板300は、盤裏カバー141に対して完成状態の位置である規定位置に配置される。
次に、透明保護板300を2つの装飾部材301,302から取り外す場合について説明する。透明保護板300の左側端部に位置する盤裏カバー141の壁部分には、図10(a)に示すように、中央部が大きく、その上下側が少ない量で後方に凹んだ裏カバー凹部141aが設けられている。透明保護板300が汚れた場合や割れなどが生じて交換が必要な場合、中間ユニット13から遊技盤23を取り外し、遊技板23bと裏カバー凹部141aとの間を通じて透明保護板300を左側へ引き出すことで、透明保護板300が取り外される。詳しくは、透明保護板300の固定は、透明保護板300の左上側端部の2つの円孔334の前面側に設けられる金具によって行われている。このため、裏カバー凹部141aを通じて透明保護板300の左側から工具等によって金具を取り外すことにより、透明保護板300は、前側に移動可能となる。取付部材303の突部の先端と遊技板23bとの間には、透明保護板300が挿通可能なように透明保護板300の厚みより大きな隙間が設けられ、この隙間を通じて透明保護板300は左側へ移動可能とされている。透明保護板300が左側へ移動すると、上側装飾部材301の底溝322から透明保護板300の上側係合突部331が外れ、右側装飾部材302の縦長の前後溝部531から透明保護板300の右側端部が抜け出して、透明保護板300が裏カバー凹部141aを通じて取り外される。
ここで、遊技領域23aにおけるセンターフレーム95の左側には、図6に示すように、誘導レール100と一般入賞口81が配置されているものの、誘導レール100は遊技板23bの裏面側には突出しないようにして取り付けられている。また、一般入賞口81に対する遊技板23bの裏面側には球を検知する検知センサは配置せず、更に下側の一般入賞口81と共通で検知センサが配置される。したがって、透明保護板300の左側における遊技板23bの裏面に沿った部分は、他の部品が介在せず、遊技盤23の状態から裏カバー凹部141aを利用して透明保護板300は取り外すことができる。なお、必ずしも遊技盤23の状態から裏カバー凹部141aを利用して透明保護板300を取り外す必要はなく、遊技板23bから盤裏カバー141と共に透明保護板300および2つの装飾部材301,302を取り外し、その後に、透明保護板300を上記した場合と同様に取り外しても良い。
次に、センターフレーム95と透明保護板300および右側装飾部材302との関係について説明する。図18(a)は、図6のAーA線における遊技盤23の断面図であり、図18(b)は、図6のBーB線における遊技盤23の断面図である。なお、図18においては、センターフレーム95、透明保護板300、右側装飾部材302および図柄表示装置94の一部を示し、後は省略している。
透明保護板300の前側には、図18(a)に示すように、センターフレーム95の主転動面312と奥側転動面316とが前後に並んで設けられている。透明保護板300の右側端部は、文字右側形成部材511の後側面と、文字左側形成部材521の前側面との間に挟まれた状態とされ、透明保護板300は、その挟まれた部分より更に右側に突出した状態とされている。
センターフレーム95の主転動面312側から奥側転動面316に遊技球が跳ね上がり、透明保護板300に勢いよく遊技球が当接した場合、透明保護板300は、上側装飾部材301により支持された上側部分を軸として後側へ撓んだ状態(図18(a)の透明保護板300上側の二点鎖線で示すような状態)となる。この場合には、透明保護板300の右側端面は、拡散部材352に近接した状態に対して透明保護板300の撓んだ分だけ左側へ移動し、拡散部材352から離間することとなる。透明保護板300の撓みがなくなると、透明保護板300の右側端面は元の状態である拡散部材352に接近する。透明保護板300の右側端面は、単に右側装飾部材302に差し込まれた状態であるため、透明保護板300に力が加えられて撓む場合に、その撓みを制限することがなく、透明保護板300の変形自由度を高めて破損が防止されている。
文字左側形成部材521の後側突部525が文字右側形成部材511の右側溝部333内に位置する高さ位置においても、遊技球が透明保護板300に勢いよく当接すると、透明保護板300は、上側装飾部材301により支持された上側部分を軸として後側へ撓んだ状態(図18(b)の透明保護板300上側の二点鎖線で示すような状態)となる。上記したように透明保護板300において後側突部525が入り込んだ右側溝部333(図12参照)の底に相当する左端は、後側突部525の左側に位置しているため、透明保護板300が後側に撓むと、その右側溝部333の底が後側突部525から離れるように左側へ移動する。透明保護板300の撓みがなくなると、右側溝部333の底が後側突部525に接近する。従って、文字左側形成部材521の後側突部525が透明保護板300の後側への変形を制限することがなく、透明保護板300の変形による部品の破損防止を実現している。
透明保護板300の右側溝部333は、出口部分に相当する右側が幅広に設定されている。このため、透明保護板300の組み付け時における差し込み作業を容易にすると共に、透明保護板300の変形時における後側突部525と右側溝部333との擦れなども少なくすることで後側突部525等の破損を防止することができ、且つ、右側溝部333の底に相当する左側部分は細幅であるため、文字右側形成部材511の後側端縁516より左側に露出して見栄えを損なうこともない。透明保護板300の下側および左側に設けられる各溝部335,336も、透明保護板300の外側に開口して形成され、透明保護板300の変形を容易にしている。また、透明保護板300の長円孔338においても、上記したように長円孔338内に入り込む突部と長円孔338の下側との間に隙間が設けられるため、透明保護板300の変形が制限されないものとなっている。
以上説明したパチンコ機10によれば、以下の優れた効果を奏する。
右側装飾部材302においては、透明保護板300の前側に設けられる文字右側形成部材511の前面には、「一発」と「逆転」の文字の右側部分のみが形成され、不足した左側部分が文字左側形成部材521によって透明保護板300の後側に加えられた状態で「一発」と「逆転」の文字が表示される。このため、透明保護板300の前側または後側だけを利用して文字を表示する場合に比べて文字を前後に拡大することができ、透明保護板300を利用しつつ奥行きのある大型の文字とすることができる。
透明保護板300は、視認可能領域300aの外縁の右側を形成する文字右側形成部材511の後側端縁516に対して視認可能領域300aとは逆側となる側に延出した形状に形成され、透明保護板300の端面が文字右側形成部材511の前面とは逆側となる裏側に配置される。このため、透明保護板300の端面が2つの文字形成部材511,521における文字表示面の向く側に重ならない。従って、2つの文字形成部材511,521によって形成される「一発」と「逆転」の文字の視認性を高めて右側装飾部材302の見栄えを向上することができる。特に、透明度の高い透明保護板300を採用することにより、透明保護板300が全く存在しないような見栄えとなり、遊技者にとって視認する必要のない部品の存在を解りにくくして、パチンコ機10としての見栄えを向上することができる。
文字右側形成部材511の前面(文字が表示される左斜め前側を向く面)においては、文字左側形成部材521の前面(文字が表示される左斜め前側を向く面)を前側端縁526が位置する右側へ延長した位置より文字表示面の向く左斜め手前側に突出した位置に文字が形成されている。すなわち、透明保護板300を介して視認することとなる文字左側形成部材521の前側端縁526近傍が文字右側形成部材511の後側端縁516近傍より文字が表示される面の向く左斜め前側とは反対の右斜め後側に位置している。透明保護板300を右側装飾部材302の前面側となる左斜め前側から視認した場合、光の屈折は文字左側形成部材521の前面を手前側に位置するようにすることとなるが、文字左側形成部材521における文字表示面文字右側形成部材511の前面より後側に位置するので、2つの文字形成部材511,521の文字表示面のずれが少なく見えるものとなり、2つの文字形成部材511,521による一体的な文字表示を一層見栄えの良いものとすることができる。
透明保護板300は、上側装飾部材301および右側装飾部材302の組み付け後に、透明保護板300の板面に沿った右側への移動によって組み付け可能とされている。このため、上側装飾部材301および右側装飾部材302を組み付けた部品ユニットとした後に、透明保護板300を組み付けすることができる。従って、例えば、文字左側形成部材521の前面側に透明保護板300を組み付けてから、更に前面側に文字右側形成部材511を組み付ける場合に比べて透明保護板300の組み付け行程を後にすることができるので、組み付け時における透明保護板300が汚れる可能性を低減することができる。
透明保護板300は、上側装飾部材301の底板321および底溝322によって上側が吊られた状態で支持されているので、主転動面312および奥側転動面316側から透明保護板300に遊技球が衝突した場合、周縁をネジ等で固着した場合より上側を基準に前後に撓みやすく、衝撃を逃がし易い構造とすることができる。よって、遊技球が繰り返し当接することにより透明保護板300が破損することを低減することができる。
上側装飾部材301の底板321および底溝322は、水平方向に離間した3箇所に設けられ、3つの上側係合突部331が水平方向に沿った略同一の直線上に配置されている。このため、上側が吊られた状態の透明保護板300を同軸上の上側係合突部331付近を中心として左右方向における広範囲にわたって前後へ撓みやすくすることができ、遊技球の当接による透明保護板300の破損を一層低減することができる。また、上側装飾部材301の底板321は、透明保護板300の上側端面に対面する下側を向いた面として形成されると共に、透明保護板300の組み付け方向に沿った水平な面によって形成されるため、透明保護板300の端面と上側装飾部材301の底板321とが密着した状態となり、透明保護板300の存在を遊技者に判りにくくして、見栄えを向上することができる。
センターフレーム95の主転動面312に対して透明保護板300側に設けられ、主転動面312上の遊技球を主転動面312の後側から下方へ遊技球を案内する通路を形成する奥側通路形成部313cが設けられ、透明保護板300の下側には、奥側通路形成部313cの後側部分が入り込み可能に上方に延びる溝状の下側中央溝部337が設けられている。このため、奥側通路形成部313cの上側および左右両側に下側中央溝部337が位置し、上側装飾部材301によって上側が吊られた透明保護板300が後側に撓んでも、通路形成部にその撓み方向への移動が制限されることがない。一方、長期の使用によって上側装飾部材301の底板321や透明保護板300の上側係合突部331が破損した場合には、奥側通路形成部313cによって透明保護板300の下側が支持されることとなり、透明保護板300を落下させず遊技に支障が出ることを低減することができる。
透明保護板300は、上端部における正面視右側に上側係合突部331が3つ設けられ、左側における上側係合突部331より上側に少なくとも透明保護板300の左右方向における移動を制限するための円孔334が設けられている。円孔334によって透明保護板300の左右方向における移動が制限されるので、組み付け作業時には透明保護板300の円孔334付近を操作して作業を進めることができ、2つの装飾部材301,302付近を汚す可能性を低減することができる。また、位置決め用の円孔334に近接して更に円孔334が設けられ、この部位の前面側に金具を取り付けて前側への外れを阻止する構成とされているので、作業の対象となる部位を少なくして作業性を一層高めることができ、また、透明保護板300の正面視左側からの操作によって透明保護板300の交換を可能とすることができる。
透明保護板300は、視認可能領域300a側となる右側の端縁に対して左側に向かって延びる溝状の右側溝部333を有し、右側装飾部材302は、前後溝部531が上側と下側とに位置する途中部分に、透明保護板300の前後方向に延びる形状であって右側溝部333内に配置される後側突部525が設けられている。このため、上側装飾部材301と右側装飾部材302とを組み付けた部品ユニットに対して透明保護板300をその板面に沿った右側へ移動して組み付けることで、右側溝部333内に後側突部525が配置される。よって、透明保護板300を上側だけでなく、右側においても支持可能とすることができる。この支持位置は透明保護板300の上側に位置しているので、遊技球が当接し易い透明保護板300の下側が前後に移動し易く、透明保護板300の破損を抑制することができる。
また、透明保護板300に遊技球が衝突する等して透明保護板300が前後方向に撓んだ場合、後側突部525に対して右側溝部333が抜け出す方向に透明保護板300が撓むこととなるので、その撓みを制限することが少なく、遊技球の衝突等による透明保護板300の破損を抑制することができる。また、上側装飾部材301と右側装飾部材302とは別部品として構成されているので、右側装飾部材302と透明保護板300とが一体化した組み付け状態を維持しつつ、上側装飾部材301を取り外しても透明保護板300は後側突部525と右側溝部333との組み合わせにより支持させることもでき、上側装飾部材301の交換作業性を向上することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
上記実施形態においては、右側装飾部材302をパチンコ機10のセンターフレーム95の枠内を装飾する部品として使用したが、必ずしもセンターフレーム95の枠内における装飾に右側装飾部材302を用いる必要はなく、前扉枠14の窓部14aの右側に右側装飾部材302を配置し、2枚の透明ガラス31,32のいずれか一方の端部を右側装飾部材302の前後溝部531に入り込むようにしても良いし、スロットマシンにおいて図柄を表示する図柄リールの前側を覆う透明板の横側に右側装飾部材302を配置しても良いし、スロットマシンの下側において機種名などを表示するパネルを透明なパネルで形成し、そのパネルの横側に右側装飾部材302を配置しても良い。
上記実施形態においては、透明保護板300を透明な合成樹脂により形成したが、合成樹脂に限らずガラス等の他の透光性材料により形成しても良いし、無色透明に限らず、わずかに着色された有色透明としても良いし、一面側にアルミのハーフ蒸着を施した透光性部材により透明保護板を形成し、奥面側が発光した場合に視認可能領域が形成されるものとしても良い。
上記実施形態においては、右側装飾部材302によって「一発」と「逆転」の文字を表示対象として表示したが、右側装飾部材302によって他の文字を表示対象としても良いし、漢字に限らず、仮名、アルファベット、数字、又は、記号であっても良く、機種イメージを表現するキャラクタ等の象形物を表示しても良い。この場合に、透明保護板300によって前後に分断される部位としては、複数の文字(例えば、左右に並ぶ「激熱」の文字)の文字間にて分断したり、文字の一部が独立して配置されている部位(例えば、「海」)の隙間部分(左側の「さんずい」の部首の右側の隙間)にて分断したり、或いは、左右に連続する部分が分断方向としての縦方向に対して垂直な方向に延びるような文字(例えば、「三」)の文字などが好ましい。
上記実施形態においては、透明保護板300により形成される視認可能領域300aの右側に「一発」と「逆転」の文字を配置したが、必ずしも視認可能領域300aの右側に文字を配置する必要はなく、左側、上側、下側など、他の側に配置しても良いし、右斜め上側等鉛直方向または水平方向以外の他の側に配置しても良いし、一方向側だけでなく、複数の方向側に配置しても良い。例えば、上側装飾部材301に文字を配置する場合には、視認可能領域300a側となる斜め下向きに文字を表示する表示面を形成し、その文字の下側部分が透明保護板300の後側に、文字の上側部分が透明保護板300の前側に位置するようにし、前側部分と後側部分との間に透明保護板300の上側端部が入り込むようにしても良い。
右側装飾部材302によって形成される文字は、単一の方向を向く文字として構成したが、必ずしも単一の方向を向く文字で構成する必要はなく、曲面あるいは、複数の方向を向く面の組み合わせなど、複数の方向を向く文字で構成しても良い。例えば、上下方向を軸として文字を表示する表示面の向く側へ凸となる円弧面上に表示した文字を前後に分断し、その間部分に透明保護板300の端部が入り込む構成としても良い。
上記実施形態においては、右側装飾部材302によって形成される文字は、正面側を向く視認可能領域300aに対して視認可能領域300a側に45度傾けて文字表示面を形成したが、視認可能領域300a側にわずかに、例えば5度傾けて文字表示面を形成しても良いし、90度傾けて文字表示面を形成しても良い。
上記実施形態においては、上側装飾部材301によって透明保護板300の上側が吊られた状態で支持され、透明保護板300の左右および下側は視認可能領域300a側へ移動可能な構成としたが、必ずしも上記構成とする必要はなく、透明保護板300の左右および下側のいずれか又は全てにおいて透明保護板300の前後方向における移動のみを制限し、下側への移動は制限しない構成としても良いし、透明保護板300の前後方向における移動についても上記実施形態よりも移動制限をしないように、例えば、縦長の前後溝部513は、透明保護板300の規定位置において後側に隙間が設けられ、前側からの遊技球の当接によって透明保護板300が後側へ移動し易い構成としても良い。
上記実施形態においては、透明保護板300は、平板によって単一の平面を形成する構成としたが、必ずしも透明保護板300を平面によって形成する必要はなく、例えば、上部および下部に対して中央部分が後側に位置するように、すなわち、後側に凸となる曲面を形成するように透明保護板を歪曲させて配置し、その透明保護板の右側に右側装飾部材を配置しても良く、この場合には、右側装飾部材の前後溝部は、曲面によって文字表示面が分断されるように、後側に凸となる曲線の入口部分を形成する溝としても良い。また、透明保護板300は、必ずしも平板によって形成する必要はなく、射出成形等により、視認可能領域の中央部分に半球状に突出する部位を設けて演出に使用する等、平面の一部に曲面を組み合わせても良いし、複数の平面または曲面の組み合わせとしても良い。この場合であっても右側装飾部材の文字表示面と透明保護板の面との交差部分で交差した視認可能領域の縁形状に沿って右側装飾部材を前後に分断し、前後に隙間を設けて文字右側形成部材と文字左側形成部材を配置すれば、見栄えの良い文字表示とすることができる。
上記実施形態においては、透明保護板300の取り外し方向における移動の制限を円孔334によって実施したが、必ずしも円孔334によって実施する必要はなく、円孔334より更に上側が上端縁まで切り欠かれた形状の下方に凹む溝であっても良いし、上方に突出する凸部を透明保護板に設け、取付部材に凸部と同幅の溝を形成して、その溝内に凸部が嵌まって透明保護板300の取り外し方向における移動を制限しても良い。
上記実施形態においては、文字右側形成部材511と文字左側形成部材521とを同一の樹脂により構成し、同一の着色を施すこととしたが、これに限らず、透明保護板300を介して視認することとなる文字左側形成部材521の文字表示を明るく発光させるように、LED等の制御を文字右側部分と左側部分とで異なるものとしたり、2つの文字形成部材の樹脂材料を異ならせて透明度を異ならせたり、透光性を有する塗装を施したりフィルムを表面または裏面に取り付けても良く、これにより、透明保護板300を介して視認する場合の輝度が低下しても、その輝度低下分を補足して文字の見栄えを良いものとすることができる。透明保護板300を例えば紫外線吸収が可能な灰色または黒色等、有色の成分を有する透光性材料を用いた場合、透明保護板300を介して視認することとなる文字部分と、透明保護板300を介さずに視認することとなる文字部分との見た目に差が生じるため、その見栄えを近づけるように、例えば、透明保護板300を介さずに視認することとなる文字部分の表面側または裏面側であってLED等の発光手段の前側に透明保護板300と同一色の層を塗装やフィルムの取り付けにより構成し、または、発光色を透明保護板300の前後の文字部分で変化させることが好ましい。
上記実施形態においては、透明保護板300の下側中央溝部337の上端縁と奥側通路形成部313cの上部との隙間をわずかに設定し、透明保護板300の上側の支持部分がすべて破損した場合でも奥側通路形成部313cによって支持される構成としたが、下側中央溝部337の上端縁と奥側通路形成部313cの上部との隙間を透明保護板300の上側係合突部331が透明保護板300の上側に突出した量分と同じかそれ以上の大きさとしても良い。この場合には、透明保護板300の上部の支持部分が破損した場合にその破損したことをパチンコ機10の正面側からすぐに認識することができる。この場合においては、奥側通路形成部313cに対して透明保護板300が落下しないように透明保護板300の後側面が奥側通路形成部313cの上方を向いた面の後端部とを一致させるか、それより前側に位置させて十分な係り代を確保することが好ましい。ただし、透明保護板300を奥側通路形成部313cに対して前側に位置するほど盤裏カバー141の裏カバー凹部141aからの透明保護板300の交換の際に透明保護板300の下側部分が破損しやすくなるため、この作業性向上と破損防止とを重視する場合には、透明保護板300の後側面が奥側通路形成部313cの上方を向いた面の後端部とを一致させるか、透明保護板300の厚み未満の係り代としても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり等の抽選機能のないいわゆる普通機として採用されても良い。球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしても良いし、スロットマシンとして実施しても良い。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
<特徴A群>
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。パチンコ機は、例えば、遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技盤を備え、遊技盤の中央部に変動表示が行われる図柄の表示装置が設けられる。表示装置の下側には、遊技球が左右方向等に転動可能なステージが設けられ、ステージで転動した遊技球がステージ下側に位置する始動口へ遊技球が入球すると始動入賞となり、図柄の変動表示が開始される。ステージの後側には、遊技球が表示装置側へ飛び込むことがないように、表示装置とステージとの間に透明な板を配置したものがある。(例えば特開2007−029420号公報参照)。
しかしながら、透明板を配置することで透明板周辺の部品に制約が生じる場合があるという問題点がある。
<特徴A1>
所定の表示を行う表示手段(図柄表示装置94)と、該表示手段の表示面側に設けられ、該表示手段による表示内容を含む後側の視認可能領域を前側から視認可能とする透光性を有する板状の透明部材(透明保護板300)と、前記視認可能領域における周縁部の少なくとも一部に設けられ、少なくとも1の文字、記号若しくは象形物によって構成される表示対象が視認可能領域側に向けて表示される対象表示面を有する周縁表示手段(右側装飾部材302)とを備えた遊技機であって、
前記対象表示面は、
前記透明部材の前側に位置し、前記表示対象のうち少なくとも前記視認可能領域側の一部が不足した表示面を形成する前側表示面(文字右側形成部材511の前面)と、
前記透明部材の後側に位置し、前記前側表示面において不足した前記視認可能領域側の一部を前記視認可能領域内に視認可能に形成する後側表示面(文字左側形成部材521の前面)とを有し、
前記周縁表示手段は、
前記前側表示面における前記視認可能領域側の端縁を形成する部位であって前記透明部材の表面に対して当接または近接する前側縁部(文字右側形成部材511の後側端縁516)と、
前記後側表示面における前記視認可能領域の縁側の端縁を形成する部位であって前記透明部材の裏面に対して当接または近接し、前記前側縁部に対して前記透明部材が介在可能な隙間を隔てて前記透明部材の後側に離間して設けられる後側縁部(文字左側形成部材521の前側端縁526)とを有し、
前記透明部材は、前記前側縁部と前記後側縁部との隙間を通じて前記視認可能領域とは逆側に延出した形状に形成され、前記透明部材の端面が前記前側表示面の裏側に配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1記載の遊技機によれば、透明部材を配置することで生じる透明部材周辺の部品における制約を好適に解消可能な遊技機を提供することができる。すなわち、周縁表示手段によって、透明部材の前側に設けられる前側表示面において不足した表示対象の一部が後側表示面によって透明部材の後側に加えられた状態で表示対象が表示されるので、透明部材の前側または後側だけを利用して表示対象を表示する場合に比べて表示対象を前後に拡大することができ、透明部材を利用しつつ奥行きのある大型の表示対象とすることができる。
また、一般的に、透過性を有する透明部材であっても端面は光が集光するなどして、その後側に設けられる表示面が視認し難くなり易い。これに対し、上記特徴A1記載の遊技機によれば、透明部材が視認可能領域の外縁の少なくとも一部を形成する前側縁部に対して視認可能領域とは逆側となる側に延出した形状に形成され、透明部材の端面が前側表示面の裏側に配置されるので、透明部材の端面が対象表示面の向く側に重ならない。このため、前側表示面および後側表示面によって形成される大型の表示対象の前には透明部材の端面が介在することがなく、大型の表示対象の視認性を高めて周縁表示手段の見栄えを向上することができる。特に、透明度の高い透明部材を採用することにより、透明部材が全く存在しないような見栄えとなり、遊技者にとって視認する必要のない部品の存在を解りにくくして、遊技機としての見栄えを向上することができる。
なお、特徴A1における「表示対象が視認可能領域側に向けて表示される対象表示面」とは、対象表示面が視認可能領域を形成する少なくとも一部に対して鈍角となるように、表示対象が視認可能領域側に傾いて表示される対象表示面であっても良く、対象表示面が視認可能領域を形成する少なくとも一部に対して垂直となるように、表示対象が視認可能領域側を向く対象表示面であっても良い。
<特徴A2>
前記前側表示面における少なくとも前記前側縁部近傍は、前記後側表示面を前記後側縁部側へ延長した位置より前記対象表示面の向く方向側に突出した位置に前記表示対象を形成するものであることを特徴とする特徴A1記載の遊技機。
特徴A2記載のによれば、透明部材を介して視認することとなる後側表示面の後側縁部近傍が前側表示面の前側縁部近傍より後側に位置することとなる。透明部材による光の屈折は後側表示面を手前側に位置するようにすることとなるが、後側縁部近傍が前側縁部近傍より後側に位置することにより、前側表示面と後側表示面との一体的な表示対象の表示を一層見栄えの良いものとすることができる。
<特徴A3>
前記周縁表示手段によって形成される表示対象として、少なくとも左右又は上下における一方側に文字の一部を構成する部位として反対側の部位とは離間した独立部を有する文字で形成される第1表示対象(右側装飾部材302の「逆」および「転」の文字表示)が少なくとも設けられ、
前記前側表示面と前記後側表示面とは、前記第1表示対象における前記独立部と前記反対側とが並んだ方向側に沿った左右又は上下に並んで設けられ 前記独立部と前記反対側の部位との間部分に前記前側縁部および前記後側縁部が設けられていることを特徴とする特徴A1又はA2記載の遊技機。
特徴A3に記載の遊技機によれば、第1表示対象において文字が形成されずに離間した箇所を利用して前側縁部と後側縁部とが形成されるので、独立部における表示対象の一体感を損なうことがない。このため、透明部材が介在しても見栄えの良い表示対象とすることができ、透光性の高い透明部材を用いた場合には、透明部材の機能を有しつつ、あたかも透明部材が存在しないかのような上質な装飾を遊技者に視認させることができる。
<特徴A4>
前記周縁表示手段によって形成される表示対象として、少なくとも左右又は上下における一方側から他方側に連続する部位であって、前記前側縁部近傍と前記後側縁部近傍とにおいて両縁部の形成方向に略垂直な方向に連続する部位を有する文字で形成される第2表示対象(右側装飾部材302の「一」および「逆」の文字表示)が少なくとも設けられていることを特徴とする特徴A1からA3に記載の遊技機。
特徴A4記載の遊技機によれば、第2表示対象は前側縁部近傍と後側縁部近傍とにおいて両縁部の形成方向に略垂直な方向に連続する部位を有する文字で形成されるので、透明部材の介在によって前側表示面と後側表示面とに隙間や段差が設けられても、縁部の形成方向に表示対象がずれてしまうことがなく、表示対象の見栄えの低下を抑制することができる。
<特徴A5>
前記第2表示対象は、前記一方側から他方側に連続する部位として、前記前側表示面における前側縁部近傍の線幅が前記後側表示面における後側縁部近傍の線幅より太い部位を有する文字(右側装飾部材302の「逆」の文字表示)で形成されていることを特徴とする特徴A4記載の遊技機。
特徴A5記載の遊技機によれば、前側縁部近傍の部位を後側縁部近傍より目立つものとすることができ、透明部材によって視認性が低下し易い後側表示面において特に見栄えが低下し易い後側縁部近傍を目立ちにくいものとすることができる。
<特徴A6>
前記前側表示面および前記後側表示面は、前記対象表示面の向く方向側に突出した部位により前記表示対象の外形が形成され、
前記前側縁部および前記後側縁部は、前記視認可能領域側に起伏を持った略同一の形状に形成され、前後において略一致するように重なる向きに配置されていることを特徴とする特徴A1からA5に記載の遊技機。
特徴A6記載の遊技機によれば、透明部材が介在した状態でも、前側表示面と後側表示面とによる表示対象の表示の一体感を高めて、見栄えの良い装飾を遊技者に視認させることができる。
なお、特徴A5に従属する特徴A6記載の遊技機においては、前記第2表示対象における前記一方側から他方側に連続した部位のうち少なくとも前記前側縁部近傍の裏面側には、前記一方側から他方側に延びた形状の溝部が設けられ、
前記後側縁部近傍には、前記溝部内に突出する突部が設けられ、
前記透明部材は、前記周縁表示手段側の端縁に前記突部が入り込み可能に形成された端縁溝を有することを特徴とすることとしても良い。
上記構成によれば、第2表示対象を形成する前側表示面と後側表示面とにおける前側縁部および後側縁部の形成方向に沿った位置ずれを抑制することができる。また、前側表示面を構成する部材と後側表示面を構成する部材とを組み付けることで溝部に突部が入り込んだ状態にした後に、透明部材の端縁溝に突部を入り込ませて透明部材を組み付けることができる。よって、前側表示面および後側表示面を予め部品ユニットとした後に透明部材の組み付けを可能とし、逆に前側表示面および後側表示面との部品ユニットに透明部材が組み付けられた状態から部品ユニットを分解せずに透明部材を取り外すことができる。従って、透明部材の組み付けや交換作業性を向上することができる。
<特徴B群>
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。パチンコ機は、例えば、遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技盤を備え、遊技盤の中央部に変動表示が行われる図柄の表示装置が設けられる。表示装置の下側には、遊技球が左右方向等に転動可能なステージが設けられ、ステージで転動した遊技球がステージ下側に位置する始動口へ遊技球が入球すると始動入賞となり、図柄の変動表示が開始される。ステージの後側には、遊技球が表示装置側へ飛び込むことがないように、表示装置とステージとの間に透明な板を配置したものがある。(例えば特開2007−029420号公報参照)。
しかしながら、透明板は汚れが目立ちやすく、また、遊技球が繰り返し当接することにより破損する可能性もあるという問題点がある。
<特徴B1>
所定の表示を行う表示手段と、該表示手段の表示面側に設けられ、該表示手段による表示内容を含む後側の視認可能領域を前側から視認可能とする透光性を有する板状の透明部材と、前記視認可能領域の左右方向における一方側および上側において前記透明部材の前後にわたる大きさに形成される周縁表示手段と、前記視認可能領域の前側下部に設けられ、遊技球の下側を支持する転動面(主転動面312、奥側転動面316)を形成する転動部材(センターフレーム95)と、を備えた遊技機において、
前記透明部材には、前記視認可能領域の左右方向における前記一方側に開口する溝部(係合溝部332)が上側の縁部に少なくとも1つ形成されることにより、当該溝部の上側に前記一方側に突出する係合部(上側係合突部331)が設けられ、
前記周縁表示手段は、
前記透明部材の溝部が入り込み可能であって前記係合部の下側および前記透明部材の前後に位置して前記透明部材の下側および前後への移動を制限する上側支持部(上側装飾部材301の底板321および底溝322)と、
前記透明部材の係合部が前記上側支持部によって支持された状態において、前記視認可能領域の前記一方側にて前記透明部材の前後に対面し、少なくとも前記透明部材の後側への移動を制限する側方支持部(右側装飾部材302の前後溝部531)とを有し、
前記透明部材は、前記上側および前記一方側の周縁表示手段に対して、前記透明部材の板面に沿った前記一方側への移動によって組み付け可能であって、前記上側支持部に上側が吊られた状態で支持されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1記載の遊技機によれば、透明部材の汚れ及び遊技球が繰り返し当接することによる透明部材の破損を低減することができる。すなわち、上側および左右方向における一方側の周縁表示手段を組み付けた部品ユニットとした後に、透明部材をその板面に沿った一方側への移動によって組み付けすることができる。このため、周縁表示手段の前側または後側に対して透明部材を組み付けてから、もう一方側の周縁表示手段を組み付ける場合に比べて透明部材の組み付け行程を後にすることができるので、組み付け時における透明部材が汚れる可能性を低減することができる。
また、透明部材は、上側支持部によって上側が吊られた状態で支持されているので、転動面側から透明部材に遊技球が衝突した場合、周縁をネジ等で固着した場合より上側を基準に前後に撓みやすく、衝撃を逃がし易い構造とすることができる。よって、遊技球が繰り返し当接することにより透明部材が破損することを低減することができる。
また、透明部材の破損を低減できるために透明部材は薄い厚さで形成すれば良いので、特徴B1記載の遊技機に、特徴A1の構成が付加された遊技機においては、前側表示面と後側表示面との間の隙間を少なくすることができるので、特徴A1およびB1それぞれの効果に加え、一層見栄えの良い装飾を施すことができる。
なお、特徴B1における 「板状の透明部材」は、必ずしも平面のみによって形成される板状に限らず、複数の平面または曲面を組み合わせたものであっても良い。また、「板状の透明部材」に代えて、板状の透明部を少なくとも周縁表示手段の一部を構成する端部側に有する透明部材としても良く、当該端部側以外の部分において厚みが異なる部位があるなど、一定肉厚でない透明部材であっても良い。上記特徴A1における「板状の透明部材」も上記構成を同様に適用しても良い。
また、「透明部材の板面に沿った前記一方側への移動によって組み付け可能」は、「視認可能領域に対する側方支持部側への移動によって組み付け可能」としても良い。
<特徴B2>
前記上側支持部は、水平方向に離間した複数箇所に設けられ、複数の前記係合部が水平方向に沿った略同一の直線上に配置されていることを特徴とする特徴B1記載の遊技機。
特徴B2記載の遊技機によれば、複数の係合部が水平方向に沿った同一直線上に配置されているので、上側支持部によって上側が吊られた状態の透明部材を左右方向における広範囲にわたって前後へ撓みやすくすることができ、遊技球の当接による透明部材の破損を一層低減することができる。
<特徴B3>
前記転動部材の転動面に対して前記透明部材側に設けられ、前記転動面上の遊技球を転動面の後側から下方へ遊技球を案内する通路を形成する通路形成部(奥側通路形成部313c)を有し、
前記透明部材の下側には、前記通路形成部の一部が入り込み可能に上方に延びる溝状の通路溝部(下側中央溝部337)が設けられていることを特徴とする特徴B1又はB2記載の遊技機。
特徴B3記載の遊技機によれば、通路形成部の上側および左右両側に通路溝部が位置し、上側支持部によって上側が吊られた透明部材が撓んでも、通路形成部にその撓み方向への移動が制限されることがない。一方、長期の使用によって上側支持部や透明部材の係合部が破損した場合には、通路形成部によって透明部材の下側を支持することができ、透明部材の落下による遊技への影響を抑制することができる。
<特徴B4>
前記透明部材は、前記左右方向における前記一方側に前記上側支持部の係合部が少なくとも1以上設けられ、前記一方側とは逆側となる他方側における前記係合部より上側に少なくとも左右方向における移動を制限するための上側制限部(円孔334)が設けられていることを特徴とする特徴B1からB3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、透明部材の組み付け作業における透明部材の移動方向後端側に孔部が設けられ、この制限部によって左右方向における移動が制限されることとなるので、組み付け作業及び取り外し作業時には、透明部材の移動方向後端側を操作して作業をすることができる。このため、上側および左右方向における一方側の周縁表示手段を組み付けた部品ユニット側が汚れる可能性を低減し、また、同部品ユニット側に位置決め箇所を設ける必要がないため、作業性を高めることができる。
<特徴B5>
前記透明部材は、前記視認可能領域の前記一方側の端縁に、該一方側の反対側に向かって延びる溝状の端縁溝(右側溝部333)を有し、
前記周縁表示手段は、前記側方支持部が上側と下側とに位置する途中部分に、前記透明部材の前後方向に延びる形状であって前記端縁溝内に配置される突部(後側突部525)が設けられていることを特徴とする特徴B1からB4記載の遊技機。
特徴B5記載の遊技機によれば、透明部材の端縁溝は、視認可能領域の一方側から反対側に向かって延びて形成されるので、上側および左右方向における一方側の周縁表示手段を組み付けた部品ユニットに対して透明部材をその板面に沿った一方側へ移動して組み付けることで、端縁溝内に突部が配置される。よって、透明部材を上側だけでなく、周縁表示手段の左右方向における一方側においても支持可能とすることができる。この支持位置は透明部材の上側に設けることが好ましく、これにより、遊技球が当接し易い透明部材の下側が前後に移動し易くなり、透明部材の破損を抑制することができる。
また、透明部材に遊技球が衝突する等して透明部材が前後方向に撓んだ場合、突部に対して端縁溝が抜け出す方向に透明部材が撓むこととなるので、その撓みを制限することが少なく、遊技球の衝突等による透明部材の破損を抑制することができる。また、上側および左右方向における一方側の周縁表示手段が別部品によって構成される場合には、周縁表示手段の左右方向における一方側の部品と透明部材とを一体化しつつ、上側の周縁表示手段を構成する部品を取り外しても透明部材は突部と端縁溝との組み合わせにより支持させることもでき、当該上側の部品の交換作業性を向上することができる。
なお、特徴A1〜A6および特徴B1〜B5に記載のいずれか1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。