以下、本発明の実施形態として、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)を詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図5は中間ユニット13の正面図である。なお、図3及び図5では便宜上パチンコ機10の遊技領域23a内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図3に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12と、を有する。外枠11は、木製の板材を上辺及び下辺とし、アルミ製の板材を左右の辺とした四辺を固定した枠状に形成される。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、外枠11又は外枠11と同一の内形を有し、外枠11の遊技機本体12支持構造及び施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、図3に示すように、中間ユニット13と、その中間ユニット13の前方に配置される前扉枠14と、中間ユニット13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち中間ユニット13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
中間ユニット13には、図3に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし、右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、中間ユニット13には、図4に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし、右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
中間ユニット13には、図3に示すように、その回動先端部に施錠機構16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能と、前扉枠14を中間ユニット13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、図1に示すようにパチンコ機10前面にて露出させて設けられた施錠機構16のキーシリンダに対して、解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
中間ユニット13は、図3に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす枠状の枠ユニット21を主体に構成されている。枠ユニット21は、前面側より遊技盤23が着脱可能に取り付けられる内枠としての機能を有し、この遊技盤23に形成される遊技領域23aが中間ユニット13の前面側に露出可能に取り付けられる。遊技領域23a内の様子は、図3に示すように、前扉枠14の背面側に設けられた窓パネルユニット30を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっている。
前扉枠14は、中間ユニット13の前面側に回動可能に取り付けられている。前扉枠14の回動基端側には、図2に示すように、前扉取付金具57,58が設けられ、この前扉取付金具57,58が中間ユニット13に係合することにより、中間ユニット13に対して前扉枠14が回動可能に支持される。
前扉枠14は、図3に示すように、中間ユニット13と外形がほぼ同一の長方形状に形成されている。前扉枠14には、窓パネルユニット30の外周縁が正面視で露出しないように窓パネルユニット30より小さく開口形成された窓部14aが設けられる(図1参照)。この窓部14aが窓パネルユニット30によって背面側から覆われることで、窓パネルユニット30を取り付けた前扉枠14によって中間ユニット13の前面側のほぼ全域が覆われる。
窓パネルユニット30は、図3に示すように、窓部14aより大きな外形で透明性を有する前後一対の透明ガラス31,32と、これら透明ガラス31,32を一体化する固定枠33とを備えている。固定枠33は、合成樹脂により透明ガラス31,32より一回り大きな環状に形成され、透明ガラス31,32の外周縁が固定枠33に接着されることで窓パネルユニット30は一体化された複層ガラスとされている。
なお、窓パネルユニット30は、透明ガラス31,32によって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネルユニット30を通じて遊技領域23aを視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていてもよい。
前扉枠14において窓部14aの周囲には、図1に示すように、LED等の発光手段を内蔵した電飾部24が複数設けられている。これら電飾部24では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部14aの上側の電飾部24には、払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。また、窓部14aの右上側及び左上側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ装置を覆うスピーカカバー27が設けられている。
前扉枠14における窓部14aの下方には、図2に示すように、手前側へ膨出した上側膨出部28と下側膨出部29とが上下に並設されている。上側膨出部28には上方に開口した上皿28aが設けられており、下側膨出部29には同じく上方に開口した下皿29aが設けられている。上皿28aは、払出装置224より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構110側へ導く機能を有している。また、下皿29aは、上皿28a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。なお、上皿28aと下皿29aとに分けて複数箇所に遊技球を貯留する部位を設ける必要はなく、下皿29aを廃止して上皿28aのみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良い。
上側膨出部28における上皿28a(遊技球の貯留領域)の手前側には、遊技者らにより手動操作される操作スイッチ40が設けられている。操作スイッチ40は、図柄表示装置94の表示画面94a等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。この操作スイッチ40は、上皿28a以外に下皿29a周辺等の別の部位に設けられても良いし、複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成としても良い。
前扉枠14における下側膨出部29の右側には、図2に示すように、手前側へ突出するようにして発射操作装置45が設けられている。発射操作装置45は、遊技領域23aに遊技球を発射すべく操作される装置であり、図2に示すように、操作ベース46に対して、環状の操作ハンドル47が回転可能に軸支されてなり、遊技球の発射操作に際して操作ハンドル47が遊技者により回転操作されるものである。この場合、操作ハンドル47の回転操作量は、操作ベース46に内蔵された操作量検出手段としての可変抵抗器により検出される。また、発射操作装置45には、操作ハンドル47を遊技者が触れていることを検知するためのタッチセンサが操作ベース46に内蔵されるとともに、操作ハンドル47を回転操作した状態において遊技球の発射を停止させるために操作される停止操作レバー48が設けられている。
前扉枠14の背面側には、図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿28aに通じる前扉側上皿通路部51と、下皿29aに通じる前扉側下皿通路部52と、ファール球通路部55を有している。通路形成ユニット50の上側隅部には後方に突出し上方に開放された払出球受口部53が形成されており、当該受口部53が仕切壁54によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部51の通路入口と前扉側下皿通路部52の通路入口とがそれぞれ形成されている。
ファール球通路部55は、遊技球発射機構110から発射された遊技球のうち遊技領域23aまで至らなかった遊技球をファール球として下皿29aに排出する通路を形成する部位である。ファール球通路部55には、図3に示すように、上方に開放されたファール球受口部56が設けられる。このファール球受口部56よりファール球が受け入れられ、前扉側下皿通路部52にファール球が案内されることにより、ファール球通路部55に入った遊技球は下皿29aに排出される。なお、ファール球通路部55は、下皿29aでなく、上皿28aに接続され、ファール球が上皿28aに排出される構成としても良い。
遊技球発射機構110は、図3に示すように、前扉枠14を開放した場合に前面側に露出される部品であり、中間ユニット13の前面側右下部分に設けられている。この遊技球発射機構110は、図5に示すように、発射装置として設けられた電磁式の発射用ソレノイド111と、発射レール112と、球送り装置113とを備えている。球送り装置113は、上皿28aに貯留された遊技球を発射レール112上に1個ずつ供給する。この場合、この供給される遊技球は発射用ソレノイド111において打出し部として設けられたプランジャ114の突出経路上に配置される。そして、発射用ソレノイド111への電気的な信号の入力により、プランジャ114が発射レール112上の遊技球に向けて移動し、当該遊技球は遊技領域23aに向けて打出される。なお、遊技球発射機構110の電動アクチュエータは、発射用ソレノイド111に限定されることはなく、発射モータなどを用いてもよい。
中間ユニット13の左側であって発射レール112の左方には、図5に示すように、通路形成部材121が配設されている。枠ユニット21には、通路形成部材121が設けられる部位を前後方向に貫通する貫通孔が設けられ、この貫通孔を前面側から覆うようにして通路形成部材121は、枠ユニット21にネジ止めされている。
通路形成部材121は、図5に示すように、本体側上皿通路部122と本体側下皿通路部123とを有している。前扉枠14が閉鎖状態とされた場合には、通路形成部材121の下側部分に前扉枠14に設けられる通路形成ユニット50の払出球受口部53(図3参照)が入り込む。そして、本体側上皿通路部122の下方には前扉側上皿通路部51が配置され、本体側下皿通路部123の下方には前扉側下皿通路部52が配置される。
通路形成部材121の下側部分には、図5に示すように、本体側上皿通路部122及び本体側下皿通路部123からの遊技球の流出を規制するシャッタ124が設けられている。シャッタ124は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられる。また、枠ユニット21には、シャッタ124を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられ、前扉枠14を中間ユニット13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ124が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路部122又は本体側下皿通路部123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた払出球受口部53の外周部分により上記付勢力に抗してシャッタ124が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路部122及び前扉側上皿通路部51が連通し、本体側下皿通路部123及び前扉側下皿通路部52が連通して、遊技球の流下が許容される。
次に、遊技領域23aを形成する遊技盤23の構成を、図6に基づいて説明する。図6は遊技盤23の正面図である。
遊技盤23は、木製の合板で形成した板材と同板材の前側の板面を覆うシート材とを有する遊技板23bを備えており、その全面が枠ユニット21の前面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤23の前面には、遊技球が流下する遊技領域23aが形成されている。上記したように遊技領域23aは透明ガラス31,32によって前面側が覆われているため、後側の透明ガラス32によって遊技領域23aの前面側が区画される。また、遊技領域23aの背面側は遊技板23bの前面によって区画される。なお、遊技板23bを構成する板材は、合板に限らず一枚板で形成しても良いし、木製に限らず例えば透明な合成樹脂製の板材または成形品で形成しても良い。
遊技領域23aは、正面視において遊技盤23のほぼ全域に渡る上下及び左右方向の寸法に設定され、右下部分のみが右下側に突出した略円形状に形成されている。遊技領域23aは、その外周が誘導レール100及び区画部材107により区画されている。誘導レール100は、遊技盤23の前面左側部分に設けられる円弧状の内レール101と外レール102とからなり、これら内レール101と外レール102とにより遊技領域23aの左側に円弧状の誘導通路103を形成する。
誘導通路103の下側端部には、誘導通路103の入口部104が形成され、この入口部104と発射レール112とは離間して設けられる(図5参照)。誘導通路103の上側端部には、誘導通路103の出口部105が形成され、その出口部105の右上側には遊技領域23aに到達した遊技球の誘導通路103内への戻りを防止する戻り防止部材106が取り付けられている。
発射操作装置45(図1参照)の操作ハンドル47が遊技者により手動操作された場合、中間ユニット13の右下部分に設けられた遊技球発射機構110(図5参照)から発射された遊技球は、誘導通路103を経由し、誘導通路103の出口部105において戻り防止部材106により閉鎖された遊技領域23aの入口を押し広げて遊技領域23a内に進入する。遊技球の発射力が弱すぎる場合には、遊技球が遊技領域23aまで至らず誘導通路103内で落下し始め、誘導通路103の入口部104と発射レール112との間に落下する。前扉枠14の閉鎖状態においては、この入口部104と発射レール112との間にファール球受口部56が配置され、遊技領域23aまで至らなかった遊技球はファール球通路部55を経由して下皿29aへ排出される。
区画部材107は、遊技領域23aの右側を区画するものであり、合成樹脂を成形して縦長に形成され、遊技板23bの前面にネジ止めされている。この区画部材107は、外レール102の上側における右側端部を起点とし、内レール101の下側における右側端部まで延在する大きさとされている。
なお、区画部材107の上端部には、機種名等が印字された証紙107aが貼り付けられ、区画部材107の下端部には、メーカー名や製造番号などが印字された証紙107bを貼り付けた台座部品が固定されている。これら証紙107a,107bは、透明ガラス31,32を介してパチンコ機10前方から視認可能な位置に配置される。
遊技板23bには、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口81、可変入賞装置82、上作動口83a、下作動口83b、スルーゲート84、可変表示ユニット85、主表示装置96等が設けられている。
一般入賞口81、可変入賞装置82、上作動口83a及び下作動口83bへの入球が発生すると、それが遊技盤23の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口83aへの入球が発生した場合及び下作動口83bへの入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口81への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置82への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口83aに係る賞球個数よりも下作動口83bに係る賞球個数が多いといったように、両作動口83a,83bの賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置82に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口81に係る賞球個数と同一の構成としても良く、少ない構成としても良い。
遊技領域23aの中央部には、可変表示ユニット85が設けられ、可変表示ユニット85の構成部品として、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置94が遊技板23bの背面側に設けられ、正面視で図柄表示装置94の表示画面94aを囲むように設けられるセンターフレーム95が遊技板23bの前面側より取り付けられている。図柄表示装置94の前面側であってセンターフレーム95の後側には、ポリカーボネート等の透明な合成樹脂材料により形成された透明保護板が設けられ、図柄表示装置94の表示画面94aは、その透明保護板を介して前面側から視認可能とされている。
遊技領域23aは、その中央部にセンターフレーム95が設けられることで、センターフレーム95の左右両側に位置する左側領域PE1と右側領域PE2とに区画され、遊技領域23aに発射された遊技球は、左側領域PE1または右側領域PE2のいずれか一方を流下することとなる。左側領域PE1及び右側領域PE2の下側には、両領域から流下した遊技球が合流して流下する下側領域PE3が遊技領域23aの一部として設けられている。
遊技領域23aへ遊技球が到達する回動量に操作ハンドル47が操作されると、左側領域PE1または右側領域PE2のいずれか一方を遊技球が流下する。操作ハンドル47の操作量が少なく、センターフレーム95の一番上側の部位を超えない発射力となる回動操作量で遊技球が発射されると、遊技球は遊技領域23aの入口に近い左側領域PE1を流下する。その操作量より操作ハンドル47の操作量が多く、センターフレーム95の一番上側の部位を確実に超える発射力となる回動操作量で遊技球が発射されると、遊技球は右側領域PE2を流下する。それらの間部分に相当する回動操作量の場合には、遊技球は、左側領域PE1と右側領域PE2との両方に分散して流下する。遊技者は、操作ハンドル47の回動操作量を調整することで、左側領域PE1と右側領域PE2とのいずれの領域を遊技球が流下するかを選択して遊技を行うことができる。
遊技盤23の最下部には、アウト口86が設けられ、左側領域PE1または右側領域PE2を流下して最終的に各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域23aから排出される。遊技領域23aには、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘87が植設され、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域23aから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域23aから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口86への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、上作動口83a、下作動口83b又はスルーゲート84への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口83a及び下作動口83bは共に上向きに開放されている。また、上作動口83aが上方となるようにして両作動口83a,83bは鉛直方向に並んでいる。下作動口83bには、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物83cが設けられている。
上作動口83a及び下作動口83bは、遊技領域23aの下側領域PE3に設けられている。上作動口83aは、センターフレーム95の下部に設けられて遊技球が上面を転動するステージの直下に配置され、センターフレーム95で形成された誘導通路(図示略)を介してステージ上に誘導され、誘導通路を経由しない遊技球より上作動口83aへ入賞しやすい構成とされている。この誘導通路の入口は、センターフレーム95において左側領域PE1に面する左側部分に設けられ、また、ステージの下側から飛び込む遊技球として、左側領域PE1からの方がステージに飛び込み易い釘87の配置とされている。すなわち、左側領域PE1を遊技球が流下した場合の方が、右側領域PE2を遊技球が流下する場合に比べて上作動口83aへの入賞が発生しやすい設定とされている。
電動役物83cは遊技板23bの背面側に搭載された電動役物駆動部に連結されており、当該電動役物駆動部により駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物83cの閉鎖状態では遊技球が下作動口83bに入賞できず、電動役物83cが開放状態となることで下作動口83bへの入賞が可能となる。電動役物83cは、下側領域PE3で左右両側に開放可能とされ、左側領域PE1を流下した遊技球及び右側領域PE2を流下した遊技球のいずれも入賞可能とされている。
スルーゲート84は、右側領域PE2に設けられ、遊技領域23aの入口から遠い側へ届く一定以上の強い発射力で発射された遊技球が入球可能に構成されている。スルーゲート84の下側には、可変入賞装置82が設けられ、可変入賞装置82も右側領域PE2に設けられている。
可変入賞装置82は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり当選といった開閉実行モード(特別遊技状態)への移行当選となった際に、遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置82の開放態様として具体的には、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置82が繰り返し開放される。
スルーゲート84及び可変入賞装置82は、遊技領域23aの右側領域PE2に設けられ、右側領域PE2を遊技球が流下するように一定以上に強い発射力で遊技球が発射された場合にスルーゲート84及び可変入賞装置82に遊技球が入賞する。スルーゲート84に遊技球を入球させた場合に電動役物83cが遊技者にとって有利な開放状態とされ易い遊技状態(いわゆる時短遊技状態)や、可変入賞装置82が開閉実行モードとされる特別遊技状態等、遊技領域23aの右側領域PE2に遊技球を流下させた場合に遊技者にとって有利となる遊技状態においては、遊技者は、右側領域PE2を数多く遊技球が流下するように操作ハンドル47を操作する。これに対し、上作動口83aに遊技球を多く入賞させて内部抽選の当選を期待する通常の遊技状態においては、遊技者は、左側領域PE1を数多く遊技球が流下するように操作ハンドル47を操作して遊技を実行することとなる。
遊技者にとって有利となる回動操作量は図柄表示装置94やスピーカの音声によって遊技者に報知され、遊技状態が切り替わるときに、例えば、「右打ちをしてください。」または、「左打ちをしてください。」と遊技者に表示または音声によって報知し、或いは、遊技者によって不利となる側に遊技球が発射されていることが、スルーゲート84の通過や一般入賞口81の入賞によって遊技機が認識した場合に、上記した報知が実行されて遊技者に有利となる操作ハンドル47の回動操作量が遊技者に示唆される。
図柄表示装置94は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置142により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置94は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置94では、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。図柄表示装置94における変動表示は、正面視で視認可能な視認可能領域において行われ、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、開閉実行モードが発生することとなる。この図柄表示装置94における変動表示は、主表示装置96のメイン表示部において行われる変動表示に合わせて行われる。
可変表示ユニット85に対して左下側には、遊技の状態を表示する主表示装置96が設けられる。主表示装置96は、複数の発光部が並んで配列されてなる表示器を有する構成とされ、遊技領域23aの外側に相当する外レール102の外側に設けられ、その前面側には、例えば、左上側からメイン表示部、役物用表示部、状態表示部、保留表示部、補助表示部等が順に設けられる。
メイン表示部では、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口83aへの入賞と下作動口83bへの入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部にて明示される。そして、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、主表示装置96のメイン表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、メイン表示部及び図柄表示装置94にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
役物用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた電動役物83cが所定の態様で開放状態となる。
補助表示部は、メイン表示部と同一の態様とされた発光部が設けられ、本実施形態におけるパチンコ機10においては、消灯されたままとされている。この補助表示部は、本実施形態におけるパチンコ機10とは別の他機種において上作動口83aへの入賞に対する内部抽選と下作動口83bへの入賞に対する内部抽選とが区別される場合に点灯するものであり、メイン表示部を複数必要とする機種において使用される。
状態表示部は、メイン表示部にて所定の停止結果が表示されることで遊技状態が開閉実行モードへ移行し、その所定の停止結果の表示後における遊技回が所定回数に到達する等して遊技状態が開閉実行モード前の通常状態に移行する場合に、その遊技状態の変化が表示によって明示される。また、状態表示部では、開閉実行モードの移行当選となった場合に可変入賞装置82の開放態様として複数種類のラウンド数が設定されている機種において移行当選となったラウンド数が表示によって明示される。
保留表示部は、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞した個数及び遊技球がスルーゲート84を通過した回数のうち未だ遊技が実行されていない保留状態の遊技回数を表示によってそれぞれ明示する。遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞した個数及び遊技球がスルーゲート84を通過した回数はそれぞれ最大4個まで保留され、保留表示部によって各保留数がそれぞれ表示される。保留表示部の保留数に対応した情報は、図柄表示装置94の表示画面にも表示され、保留数が数字又はキャラクタの個数などにより表示される。
なお、メイン表示部、役物用表示部、補助表示部、状態表示部及び保留表示部は、複数の発光部が所定の態様で配列されてなる表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、いずれか一方または両方の表示部を液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、セグメント表示器又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成してもよい。また、メイン表示部及び役物用表示部にて変動表示される態様として、絵柄としての複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成としても良い。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について、図4に加え、図7から図9を参照しながら説明する。図7は中間ユニット13の背面図、図8は裏パックユニット15の背面図、図9はパチンコ機10の背面図である。
中間ユニット13には、図7に示すように、枠ユニット21によって開口形成される前後に貫通した遊技盤収容部21aが設けられ、この遊技盤収容部21aを通じて中間ユニット13の背面側には遊技盤23の背面側に搭載される各種部品が露出されている。
中間ユニット13の背面側には、図4に示すように、合成樹脂により形成された箱状の盤裏カバー141が設けられている。盤裏カバー141は、遊技盤23の背面のほぼ全域にわたって設けられ、遊技盤23の背面側に設けられる各種部品を、埃の進入、遊技球の衝突、或いは遊技盤23の搬送時における周辺部分との衝突から保護すると共に、遊技球の入賞を検知する検知センサ等を狙った不正を防止する機能を有している。
中間ユニット13の背面側中央部には、図4に示すように、表示制御装置142と音声発光制御装置143とが左右に並んで設けられ、その下側には、遊技の主たる制御を司る主制御装置160が設けられている。表示制御装置142は、図柄表示装置94の表示制御を司るものであり、音声発光制御装置143は、主制御装置160からの指示に従って音声やLED、ランプ等の表示制御及び表示制御装置142の制御を司るものである。
主制御装置160は、図7に示すように、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板と、基板を収容するために設けられた透明性を有する樹脂製の基板ボックス163を備えている。また、主制御装置160には、基板ボックス163の開放に際して痕跡を残す痕跡手段としての開放封印部164が設けられている。当該開放封印部164は解除操作を一度行うと再結合を不可とするものであり、結果的に主制御装置160の基板ボックス163は一度開放操作を行うと、再度封印状態とすることが不可となっている。
主制御装置160の背面視左側端部には、図7に示すように、取付封印部165が設けられている。取付封印部165は、遊技盤23側に設けられる支持部材と主制御装置160とを固定し、主制御装置160の取り外しに際して痕跡を残す痕跡手段として機能する。取付封印部165には、最初に主制御装置160を取り付けるための固定部品以外に、予備用の固定部品が3組設けられ、主制御装置160の点検作業における一時的な取り外しや主制御装置160の交換が可能とされている。
主制御装置160の背面視左部には、RAM消去スイッチ166が設けられている。本パチンコ機10は、各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技場の営業終了時に通常手順で電源を遮断した場合には遮断前の状態が記憶保持され、RAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
枠ユニット21の背面における回動基端側(図7の右側)には、上下に離間して支持金具132が設けられ、各支持金具132の上端部において貫通穴が設けられた軸受け部133によって中間ユニット13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられる。また、枠ユニット21の背面には、裏パックユニット15を中間ユニット13に固定するための固定レバー134が回動先端側(図7の左側)に複数設けられている。
次に、裏パックユニット15について説明する。裏パックユニット15は、図8に示すように、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック201と、払出ユニット202と、外部端子板ユニット203とを備えている。
裏パック201は、図8に示すように、裏パック201の周縁部を構成する裏ベース部211と、裏ベース部211の後側に開口する部分を覆うようにして形成された保護カバー部212とを有している。裏ベース部211と保護カバー部212とにより、裏パック201は、左右側面と上面の全部、背面の上部が閉鎖されて前方側が開放した収容空間を形成し、この収容空間内に遊技盤23の背面側に搭載される各種部品として、図柄表示装置94や制御装置142,143等を収容する。保護カバー部212の下側部分には、前後方向に貫通した開口部212aが形成されている。なお、裏パック201における収容空間は、上面および背面の上部が閉塞されていることが島設備からの遊技球の当接や収容空間内への遊技球の進入を抑止することができるために好ましく、左右側面等の一部或いは全部が開放される構成とされていても良い。また、必ずしも裏パックは、枠ユニット21と別部品で構成される必要はなく、枠ユニット21と一体的に、例えば、樹脂により枠ユニット21と一体成形されて前側が開口した部品の一部として裏パック201に相当する部分を構成しても良い。
外部端子板ユニット203は、図8に示すように、後方から見た裏パックユニット15の右上側端部に設けられている。外部端子板ユニット203は、パチンコ機10の状態を管理装置等の外部機器に認識させるために所定の信号出力を行う装置である。この外部端子板ユニット203の構成詳細については、図10以降を参照して後述する。
裏パックユニット15における背面視右側端部には、図8に示すように、上下一対の掛止ピン204が取り付けられている。この掛止ピン204を中間ユニット13側の軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が掛止ピン204を中心にして中間ユニット13に対して回動可能に支持される。裏ベース部211における掛止ピン204が配置されていない反対側の端部には、中間ユニット13に設けられた固定レバー134が挿通される挿通部211aが上下に形成されている。固定レバー134が挿通部211aに挿通されて90度回転させた状態にすることで、固定レバー134の一部が裏ベース部211に後方から当接し、中間ユニット13に裏パックユニット15が固定される。
裏パックユニット15は、上記したとおり、中間ユニット13の背面に対して回動可能に軸支されている。裏パックユニット15を中間ユニット13に対して背面側から重ね合わせた状態では、図9に示すように、主制御装置160の大半は開口部212aを介して背面側に露出し、主制御装置160の一部は保護カバー部212により覆われている。主制御装置160の上端部には他の制御装置と電気的に接続するためのコネクタ及び配線が設けられ、この配線に関する部位や開放封印部164及び取付封印部165が保護カバー部212に覆われる。このため、主制御装置160の視認性を高めつつ、不正行為の抑制及び遊技球の衝突による破損防止等を実現している。主制御装置160の上側に配置される音声発光制御装置143等は、保護カバー部212により全体が覆われている。
裏パックユニット15は、図8に示すように、保護カバー部212を迂回するようにして裏ベース部211に取り付けられている払出ユニット202を備えている。払出ユニット202は、裏パック201の最上部に設けられて遊技球を貯留可能に上方に開口したタンク221と、タンク221内の遊技球を下流側に向けて案内可能に緩やかに傾斜するタンクレール222と、タンクレール222の下流側にて上下方向に遊技球を案内するケースレール223と、ケースレール223の最下流部に設けられる払出装置224とを有し、これらが連結することでタンク221に補給された遊技球を必要数分だけ払出装置224の下流側に払い出し可能とされている。払出装置224によって払い出された遊技球は、払出装置224の下流側に設けられた裏側通路部225に供給される(図4参照)。
裏側通路部225には、払出装置224より払い出された遊技球を上皿28a、下皿29a又は排出通路の何れかに振り分けるための3つの通路が形成されている。これら通路のうち、裏パック201の中央側に位置する通路が上記した本体側上皿通路部122及び前扉側上皿通路部51を介して上皿28aに通じ、その外側の通路が本体側下皿通路部123及び前扉側下皿通路部52を介して下皿29aに通じ、更に外側の通路が排出通路とされている。払出装置224によって払い出された遊技球は、上皿28aの通路に優先して案内され、その通路が遊技球で満たされると、その通路から分岐した下皿29aに通じる通路に遊技球が案内される。排出通路は、ケースレール223の操作部223aに対して排出操作を行うことにより、タンク221からケースレール223の途中までの間に貯留された遊技球が払出装置224を経由せずに裏パックユニット15の下端に設けられる排出口から排出される。
裏ベース部211の背面側下端部には、図8に示すように、各種制御装置等で要する所定の電力を生成して出力する電源装置241と、払出制御装置242とが前後に重ねて取り付けられている。電源装置241は、裏ベース部211の横幅全域にわたって設けられている。裏ベース部211の背面視右下側端部には、電源スイッチ245が設けられている。パチンコ機10へは電圧変換器を介して例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ245の切換操作によりパチンコ機10の電源がON又はOFFとされる。
払出制御装置242は、払出ユニット202を通じた遊技球の払い出しを制御するための装置である。払出制御装置242は、基板を収容するために設けられた透明性を有する基板ボックス243に払出制御基板を収容して構成されており、その開放に際しては痕跡を残す痕跡手段として開放封印部244が設けられている。開放封印部244は解除操作を一度行うと再結合を不可とするものであり、結果的に払出制御装置242の基板ボックス243は一度開放操作を行うと、再度封印状態とすることが不可となっている。
裏ベース部211の前面側すなわち中間ユニット13側の下部には、図4に示すように、上方に開口した横長の球入口213と、側方に開口した球入口214とを上流側端部とする発射球排出通路が設けられている。遊技領域23aを流下しいずれかの開口を介して遊技盤23の背面へと導かれた遊技球は、2つの球入口213,214のいずれかを経由して発射球排出通路内へ進入する。発射球排出通路の出口部分は裏パックユニット15の下端面に遊技球1個分の幅で開口して形成され、遊技領域23a内に発射された遊技球は全て発射球排出通路を経由して遊技場の島設備に排出される。発射球排出通路の途中には、遊技球を検知する検知センサが設けられ、遊技領域23a内に発射された遊技球数に対応した信号が外部端子板ユニット203を介して出力される。
次に、本発明の特徴部分である外部端子板ユニット203に関する構成について図10以降を参照して説明する。図10から図12は、後方から見た裏パックユニット15の右上側部分の背面図および斜視図であり、図10(a)から図12(a)は、ケースカバー301の閉鎖状態を示し、図10(b)から図12(b)は、ケースカバー301の開放状態を示している。図13(a)及び図13(b)は、裏パックユニット15から外部端子板ユニット203を取り外した状態を示した斜視図である。図14は、図9のA−A線におけるパチンコ機10の部分断面図であり、図15(a)は、図14の一部分を拡大視した図であり、図15(b)は、図15(a)に対してケースカバー301を開放した状態を示した図である。なお、図10から図15においては、外部端子板ユニット203に接続される遊技機本体12側のコネクタ及び配線を省略して示し、図14においては、前扉枠14を省略すると共に、遊技盤23の構成を簡略化して示している。また、以下の説明においては、基本的に遊技機本体12における前後方向を基準として説明し、遊技機本体12を基準とした方向に一致する方向については、方向のみを記載する場合があるものとする。例えば、裏パック201において遊技機本体12の背面側から視認した場合における右側端部について、裏パック201の背面視右側端部と記載する場合がある。
パチンコ機10は、図4に示すように、外枠11に対して前方側に開閉可能に支持される遊技機本体12を備え、遊技機本体12における裏パックユニット15の背面側に外部端子板ユニット203が設けられている。外部端子板ユニット203は、外部機器としての管理装置等にパチンコ機10に関する情報を出力するための装置である。
外部端子板ユニット203には、図10(b)から図12(b)に示すように、上方側へ開放可能なケースカバー301が設けられている。このケースカバー301を開放することにより、図11(b)に示すように、配線を差し込み可能な複数の差込部302が裏パックユニット15(遊技機本体12)の背面側に露出される。この差込部302に管理装置等の配線を接続することにより、パチンコ機10に関する情報がパチンコ機10の外部に出力可能とされている。
外部端子板ユニット203からパチンコ機10の外部に出力されるパチンコ機10に関する情報としては、例えば、図柄の変動に関する情報(主表示装置96によって制御される図柄変動が停止する毎に出力される信号)、遊技の状態に関する情報(可変入賞装置82の開閉実行モード中に出力される信号、下作動口83bの電動役物83cが高頻度で開放状態となる電役開放状態中に出力される信号)、遊技球の入賞に関する情報(上作動口83aへ遊技球が入賞する毎に出力される信号、可変入賞装置82に遊技球が入賞する毎に出力される信号)、遊技球の払い出しに関する情報(払出ユニット202において遊技球が不足した場合に出力される信号、賞球を10個払い出す毎に出力される信号、遊技球を25個貸し出す毎に出力される信号)、遊技領域23a内に発射された遊技球数に関する情報(パチンコ機10から10個の遊技球が排出される毎に出力される信号)、遊技機本体12の開放に関する情報(外枠11に対する中間ユニット13の開放時に出力される信号)、遊技領域23aの開放に関する情報(中間ユニット13に対する前扉枠14の開放時に出力される信号)などが例示される。複数の差込部302は、横並びの2つで1組に設定され、1組の差込部302毎に対応した情報が配線を通じて外部端子板ユニット203から外部機器に出力される。
外部端子板ユニット203は、遊技機本体12を構成する裏パックユニット15の背面視右上側端部に配設される装置である。裏パックユニット15の背面視右側は、遊技機本体12の回動基端側に対応し、遊技機本体12を開閉しても外部端子板ユニット203の移動量が少なく、その分、外部機器の配線の長さが不足したり、接続部分が引っ張られたりする事態が回避されている。また、遊技機本体12の背面側に対する作業においても、外部機器の配線が遊技機本体12の背面側に重なって邪魔することがなく作業性の良い設定とされている。
裏パック201の背面視右上側端部には、図13(b)に示すように、外部端子板ユニット203の取付位置に対応して端子板取付部311が設けられている。端子板取付部311は、裏パック201の上面の一部を形成する部位であり、裏パック201の上面前側部分において前後方向に略同一高さで連続する前側上面部312に対して端子板取付部311が後側において斜め下側に連続して形成され、その後側には前側上面部312に対して後側に一段下がった段差の下段を形成する後側上面部313が形成されている。
裏パック201における後側上面部313の後側には、図14に示すように、タンクレール取付部314が設けられている。タンクレール取付部314は、タンクレール222の外形に沿った形状とされ、端子板取付部311に対して後側に一段下がった段差形状をなしている。具体的には、タンクレール取付部314は、タンクレール222の前面側の形状に沿って上下方向に連続した板状部と、その板状部の下端部分よりタンクレール222の下面に沿って後側に連続した板状部により構成されている。タンクレール取付部314の後端部は、裏パック201の最背面を形成する保護カバー部212の上端部に連続する形状とされている。なお、本実施形態における裏パック201は、裏ベース部211と保護カバー部212とを別々の樹脂成形部品によって構成するものとしているが、一体成形により裏パック201を形成しても良い。
端子板取付部311は、図13及び図14に示すように、板状の取付基部321と、取付基部321の左右両側に設けられて外部端子板ユニット203の一部に係わって外部端子板ユニット203が取り付けられる貫通穴を形成する被取付部322,323と、取付基部321の上側部分にて上下2列に並んで背面側に突出して設けられる上側突条部324および下側突条部325を有している。
取付基部321は、前側部分が上側に位置し、後側に行くに従って次第に下側に連続する、すなわち後方に下り傾斜して連続する形状とされた横長板状の部位であり、この取付基部321に対して後方斜め上側に重なるようにして外部端子板ユニット203が取り付けられる。外部端子板ユニット203は、裏パック201に対して手操作により取り外し可能に構成されており、外部端子板ユニット203が裏パックユニット15から取り外された状態においても裏パック201により覆われた収容空間が形成される。なお、取付基部321は、必ずしも板状に構成する必要はなく、外部端子板ユニット203を取り付け可能とされていれば良い。すなわち、取付基部321の中央側に相当する一部分に貫通穴が設けられ、外部端子板ユニット203が裏パック201から取り外された状態においては裏パック201の背面右上側部分にて収容空間が上方に開口した状態とされ、裏パック201に外部端子板ユニット203が取り付けられることにより裏パック201の背面右上側部分が覆われる構成としても良い。
取付基部321は、裏パック201の前側上面部312における後端部と、裏パック201の背面側端部において上下方向に連続するタンクレール取付部314から保護カバー部212に連なる部分との間に設けられている。裏パック201の前側上面部312から端子板取付部311の取付基部321等を経由して保護カバー部212に連続する部位は、図14に示すように、遊技盤23の背面側に位置する盤裏カバー141及び制御装置142,143に対して上側から後側に連続し、盤裏カバー141等の上側から背面側に連続する部分を覆う区間を構成する。この盤裏カバー141を覆う区間の一部として、端子板取付部311の一部(取付基部321)は、上下方向でも前後方向でもなく、斜め方向に連続しているため、側面視した断面形状における実質的な長さを長く設定しつつ、上下方向(高さ方向)に必要な長さは短く形成することができる。
ここで、外部端子板ユニット203は側面視した状態において一定の長さが必要であるため、端子板取付部311もその長さ分に対応した長さが必要となる。例えば、外部端子板ユニット203を構成するプリント基板341は、必要な部品を搭載するために一定以上の面積を必要とし、このプリント基板341の面積に対応した長さが必要となる。この場合に、取付基部321を斜め方向に連続する傾斜面形状とし、その傾斜面上に外部端子板ユニット203を配置することにより、必要な上下幅を少なくして外部端子板ユニット203を配置することができる。すなわち、遊技機本体12の背面側視において外部端子板ユニット203の取り付けに必要な占有面積を上下方向において縮小し、外部端子板ユニット203の下側に位置する部品をより高い位置に配置することができる。
外部端子板ユニット203の背面側には、図11等に示すように、外部端子板ユニット203の下端位置をほぼ最上部として遊技球を横方向に案内する案内通路を形成するタンクレール222が設けられている。外部端子板ユニット203の後側にタンクレール222を重なるように設置すると、外部端子板ユニット203に対する配線接続作業がし難くなるため、上下に位置をずらして設置している。この状況において、取付基部321を傾斜面とすることによって、タンクレール222は、より高い位置に配置可能とされ、その分、裏パック201により形成される収容空間の前後幅を、より高い位置まで広く形成可能とされている。よって、収容空間内に配置されることとなる遊技盤23の背面側に搭載される各種部品の配置スペースを広く確保することができる。すなわち、盤裏カバー141の外形形状の最上部を高い位置に設定し、遊技盤23の背面側に設けられる図柄表示装置94を大型化したり、制御装置142,143等を配置したりするための収容空間の前後幅を広く形成することができる。
端子板取付部311は、図13(b)に示すように、背面視左側部分より右側部分の方の表面長さが長く形成されて、外部端子板ユニット203として必要な表面積が確保されている。端子板取付部311(取付基部321)において背面側を向く後面における下端を形成する下側端縁326は、背面視において僅かに右下がりに傾斜した形状とされ、この傾斜方向は、タンクレール222において遊技球の流下する方向側、すなわちタンクレール222において遊技球を支持する底面の下り傾斜方向に一致した背面視右下がりとされている。このため、端子板取付部311の下端に対してタンクレール222の上端が左右方向における広範囲に渡って僅かに下側に位置し、タンクレール222全体が高い位置に配置されている。
後側上面部313は、端子板取付部311の下端に相当する高さ位置にて後側に連続した上下方向に厚みを有する形状をなし、タンクレール222の上端に対して、前側においてほぼ一致するか、又は上側に位置する高さに設定されている。タンクレール222には、上方側に開口したレール開口部222aが設けられており、タンク221から溢れ出たりした遊技球が端子板取付部311及び後側上面部313に乗り上げた場合に、その遊技球を手で押してレール開口部222aに容易に押し込み可能とされている。なお、端子板取付部311の下側端縁326及び後側上面部313は、レール開口部222aの上端に一致するか、その上端より上側に位置する形状とする必要はなく、レール開口部222aより下側であっても遊技球の半径より少ない高さ分であれば下側に位置させても良い。この場合においても、後側上面部313の上を滑らせつつ遊技球をレール開口部222aに押し込み可能とすることができる。
端子板取付部311は、図14に示すように、外枠11に対して遊技機本体12が閉鎖された状態において外枠11の枠状部分の後端面11aより後側に設けられ、端子板取付部311に取り付けられる外部端子板ユニット203はパチンコ機10の上面の一部を形成するように配置されている。このため、遊技場へ設置する前や、遊技場から取り外した後といったパチンコ機10単体の状態においては、外部端子板ユニット203に対して上方側から後方側に及ぶ広範囲に空間が形成されることとなり、その広範囲の空間を利用して外部端子板ユニット203に対しての作業を容易に実行可能とされている。また、外部端子板ユニット203がパチンコ機10の上面の一部を形成するので、パチンコ機10を床面に立てた状態とすることで、斜め上側から見下ろした視認性の良い状態で外部端子板ユニット203に対する作業を行うことができる。
また、端子板取付部311は、図14に示すように、遊技機本体12における上端部分に設けられ、端子板取付部311に取り付けられる外部端子板ユニット203が遊技機本体12の上面の一部を形成する。このため、外枠11に対して遊技機本体12を開放した状態において、外部端子板ユニット203に対して上方側から後方側に及ぶ広範囲に空間が形成されることとなり、その広範囲の空間を利用して外部端子板ユニット203に対しての作業が容易に実行可能とされている。
被取付部322,323は、図13(b)に示すように、取付基部321の左右両側に設けられて裏パック201の裏面側と前面側とを貫通する穴形状とされ、外部端子板ユニット203の一部に係わって外部端子板ユニット203が取り付けられる部位である。外部端子板ユニット203における左右両端部分には、背面視左側の被取付部322に対応して横方向に突出する係合突部303と、背面視右側の被取付部323に対応して前方斜め下側に突出する係合爪部304が設けられている。係合突部303を背面視左側の被取付部322に差し込んで裏パック201の前側に位置した状態にしてから、係合爪部304側を背面視右側の被取付部323に押し込み操作をすることで、外部端子板ユニット203が固定される。すなわち、係合爪部304が弾性変形しつつ被取付部323内に入り込み、係合爪部304の先端の一部が被取付部323の斜め前側に位置した状態となることにより、裏パック201に外部端子板ユニット203が固定されて、外部端子板ユニット203の抜け出し方向に相当する後側への移動が制限される。
上側突条部324は、取付基部321の前方上側の端部より上方側に連続する壁状部分より背面側に突出した形状とされている。裏パック201の前側上面部312と、外部端子板ユニット203との間には隙間が設けられ、図15(a)に示すように、この隙間部分に位置して隙間を埋めるように上側突条部324が設けられている。上側突条部324は、上下方向に厚みを有する横長の板状部分が背面側に突出することで形成される上面と、その上面の下側に配置される多数の板状部とにより構成される。各板状部は、前方上側が直角をなす側面視三角形状をなし、左右方向に間隔を隔てて上側突条部324の上面の下側に配置されて当該上面を支持する構造とされている。上側突条部324の下面の形状は、三角形状をした板状部における後方斜め下側を向く面形状とされ、上側突条部324と下側突条部325との間部分は、側面視において前側に相当する奥底側が次第に幅狭に形成されて前側に凹んだ溝状に形成されている。
下側突条部325は、取付基部321に対して後側に突出した上下方向に厚みを有する横長の板状に形成されている。この下側突条部325は、外部端子板ユニット203の上部における一部の下側に位置し、外部機器の配線の重みにより下側に移動しようとする外部端子板ユニット203を下側から支持する支持部として機能する。
下側突条部325の後端部分は、上側突条部324の後端より後側に突出して形成されている。このため、外部端子板ユニット203の一部を下側突条部325の後端部分に上方側から位置合わせして支持された状態とし、この支持状態にしてから、外部端子板ユニット203を、前側に移動して取付位置(図14に示す位置)に取り付け可能とされている。この取り付けに際して外部端子板ユニット203が取付位置に対して上側に移動しようとした場合、その上側への移動は下側突条部325に対して前側に凹んだ溝状の部位を隔てて上側に位置する上側突条部324により制限され、その溝形状に従って予め定めた取付位置側に外部端子板ユニット203が案内される。このように、上下の突条部324,325が設けられることによって、外部端子板ユニット203の取り付け作業は容易に実施可能とされている。
次に、図16から図18を主に参照して外部端子板ユニット203について説明する。ここで、外部端子板ユニット203単体としての説明においては、外部出力基板331において端子台343等が搭載された部品搭載面を表面とし、その表面側から外部出力基板331を視認する方向側を正面側として説明する。
図16は、外部端子板ユニット203を上下方向に分解した斜視図である。図17は端子台343の内部構成を示す説明図であり、図17(a)は接続状態を示しており、図17(b)は操作状態を示している。図18は、外部出力基板331の裏面側から見た外部端子板ユニット203の分解斜視図である。なお、図17(a)においては、外部機器の配線の先端部分の折れ曲がり状態を一点鎖線で示し、図17(b)においては、差込部302内に外部機器の配線が挿入された状態を実線で示している。また、図17(a)においては、操作レバー353(差込操作部372U,372L)の操作状態を一点鎖線で示し、図17(b)においては操作状態として下側の差込操作部372Lに対応した操作レバー353を押下操作した状態を示している。
外部端子板ユニット203は、図16に示すように、複数の端子台343が搭載された外部出力基板331と、外部出力基板331が固定される合成樹脂製の基板ベース332と、基板ベース332に回動可能に支持されるケースカバー301とを備えている。以下、外部出力基板331について説明をした後に、基板ベース332とケースカバー301について説明する。
外部出力基板331は、横長略矩形状のプリント基板341を主体とし、プリント基板341上に、入力側のコネクタ342と、複数の端子台343と、複数のフォトモスリレー344とを備えている。端子台343は、外部に出力される情報の数に対応した数分設けられ、本実施形態においては例えば13種類の情報出力が可能なように13個設けられている。
入力側のコネクタ342は、複数の端子が一列に並んで設けられ、その端子に接続される配線を介して主制御基板に電気的に接続され、パチンコ機10に関する情報に対応した各種信号が外部出力基板331に入力される。コネクタ342に対して端子台343とフォトモスリレー344とは、外部出力基板331に入力された信号を、フォトモスリレー344を介して端子台343に内蔵される出力端子351を通じて信号出力可能に接続される。フォトモスリレー344は、端子台343のそれぞれに対応して1つずつ設けられており、入力側のコネクタ342に入力される信号に対応して入力側の発光ダイオードが発光し、端子台343の出力端子351に接続される出力側のMOSFETの導通状態が入力信号に対応して開閉する。これにより、主制御基板と、端子台343の差込部302を通じて接続される外部機器とは、電気的に絶縁された状態にして情報を出力可能とされている。なお、外部出力基板331は上記した電気的構成に限らず、他の構成としても良く、フォトモスリレー344に代えてフォトカプラ等の他の電気部品を利用した回路を通じて外部機器に対してパチンコ機10に関する情報を出力しても良い。
外部出力基板331は、横長矩形形状に対して正面視左下側の角部分がL字状に切り欠かれることにより、上側の辺が直線状をなし、下側の辺がクランク状に折れ曲がった形状をなしている。すなわち、外部出力基板331は、上側部分の左右方向における長さが長く、下側部分の左右方向における長さが短い形状をなし、外部出力基板331の上側部分に、上下幅の狭い領域側から広い領域側に渡って横並びに複数の端子台343が搭載されている。
端子台343は、2つの差込部302が設けられる本体部352と、2つの操作レバー353とが一纏めに一体化された部品を一部品とし、2つの差込部302に接続される配線の導通状態がフォトモスリレー344によって各情報に対応して開閉されることにより外部機器に情報が出力される。
2つの操作レバー353は、合成樹脂製の本体部352に対して回動軸371を中心として回動可能に支持される。2つの操作レバー353の回動軸371は一直線上に設けられ、側面視において同一の支持構造(図示せず)により2つの操作レバー353が本体部352内において支持されている。
本体部352には、プリント基板341から離れた位置にてプリント基板341において端子台343が搭載された面と同一方向を向く天面部361と、天面部361から操作レバー353が突出して設けられる一方側を除く三方側の端縁からプリント基板341側に連続する側面部362とが設けられる。本体部352は、天面部361と側面部362とに囲われて中空箱状をなしている。天面部361には、外部機器の配線を差し込むために本体部352の内外を貫通するようにして差込部302が設けられている。
本体部352により形成される内部空間には、図17(a)に示すように、金属製の出力端子351が2つの操作レバー353のそれぞれに対応して設置固定されている(固定構造は図示省略)。出力端子351は、操作レバー353の一部分が差込部302に対する内部空間側において出力端子351側に移動し、操作レバー353と出力端子351との間に配線を挟み込み可能に設けられている。また、操作レバー353を基準として出力端子351が位置する側とは反対側には付勢手段としてのコイルバネ354が圧縮状態にして設けられ、このコイルバネ354が本体部352のバネ支持部363と操作レバー353との間に挟まれた状態で配置されている。このコイルバネ354によって、操作レバー353は、出力端子351が位置する側に常には付勢され、差込部302内に挿入された配線の先端部分を操作レバー353の一部と出力端子351とで挟み込んで支持する接続状態とされている。なお、接続状態は、操作レバー353に対して作業者による操作が行われていない非操作状態である。
操作レバー353は、回動軸371から離間した位置において本体部352により形成される開口部から外方に突出し、作業者によって操作可能とされる差込操作部372を有している。差込操作部372は、1つの端子台343について2つずつ設けられている。
各差込操作部372は、回動軸371を中心としてプリント基板341から離間する方向側(図17の上側)にコイルバネ354によって付勢され、作業者がコイルバネ354の付勢力に抗して差込操作部372をプリント基板341に近づく側に押し込むことにより、操作レバー353の本体部352が出力端子351から離間し、また、差込部302の貫通穴が開放される方向側に移動して、差込部302に対しての配線の抜き差しが可能な操作状態とされる(図17(b)の状態)。このように、差込操作部372を通じて操作レバー353の回動操作が可能とされ、外部機器の配線が外部出力基板331に接続された接続状態(非操作状態)と、配線を抜き差し可能な操作状態とを切り替えるための移動操作が差込操作部372によって行われる。
1つの端子台343に設けられる2つの差込操作部372は、プリント基板341からの距離に相当する高さ位置を異ならせて設定されている。このため、複数の差込操作部372が横方向に並んで配置される状況において隣り合う差込操作部372の間隔を、プリント基板341の向く方向において離間させることができるので、たとえ、操作レバー353の幅を狭く形成し、また、操作レバー353の間隔を狭く設定したとしても、操作レバー353の操作はし易いものにして端子台343を小型に形成することができる。よって、外部端子板ユニット203全体としての大きさも小型に設定可能とし、他の部品の設置スペースを広く確保可能とされている。
2つの差込操作部372の移動可能な範囲は、差込操作部372の回動軸方向視においてずれた位置に設定されている。すなわち、プリント基板341から遠く離間した差込操作部372(上側の差込操作部372U)を押し込み操作した限界位置(図17(a)の二点鎖線)より、下側に他方の差込操作部372(下側の差込操作部372L)における非操作状態に対応した初期位置が設定されている。このため、上側の差込操作部372Uを操作した場合に隣に位置する下側の差込操作部372Lを押し下げる可能性は低く、また、下側の差込操作部372Lを操作する際にも隣に位置する上側の差込操作部372Uを押し下げてしまうことも生じ難くして、配線作業を行い易くすることができる。
複数の端子台343は、図16に示すように、外部出力基板331における上側の辺に平行に並べて配置されている。端子台343の向きとしては、外部出力基板331における上側の辺に近い位置にて、当該上側の辺に平行に差込部302が横並びに配置され、その差込部302の下側に差込操作部372が横並びに配置されている。
複数の端子台343について、全ての端子台343の本体部352は、例えば黒色等の合成樹脂により共通の色に着色される。各端子台343に設けられる2つの操作レバー353は共通の色に設定され、他の端子台343に設けられる操作レバー353とは異なる色に設定されている。すなわち、プリント基板341からの距離が異なる2つで一組の操作レバー353は一組として同一色に設定され、その一組の操作レバー353の横には異なる色の操作レバー353が2つ並んで位置する構成とされている。例えば、複数の端子台343についてコネクタ342から遠い側から、黄緑色、茶色、黒色、灰色、桃色、黄色、赤色、青色、橙色、水色、白色、緑色、紫色、といった設定とされている。この場合において、隣り合う操作レバー353の色相は、色相の違いが目立つように補色に近い色設定とすることが好ましく、例えば、緑色の横に紫色や、青色の横に赤色といった配置とすることが好ましい。また、本体部352の色と同一の黒色や、本体部352の色に近い茶色や灰色の操作レバー353は、外枠11に対して遊技機本体12を開放した場合に開放先端側となる背面視左側に配置し、開放基端側に相当する背面視右側には白色や水色といった明るい色相の操作レバー353を配置することが、暗くなりがちな開放基端側における操作レバー353の色の確認を容易にすることができて好ましい。
複数の端子台343が横並びに並んだ一方の先側に相当する正面視右側には、端子台343の並び方向に交差し、縦長となるようにして、コネクタ342が配置されている。プリント基板341において複数の端子台343の設置領域の下側には、コネクタ342に近い側においてフォトモスリレー344が複数横並びにして配置されている。フォトモスリレー344の並んだ方向に沿ってコネクタ342から離間した先側部分は、端子台343側のみにおいてプリント基板341が連続し、プリント基板341の下側部分が切り欠かれることによりプリント基板341が縮小されている。
次に、外部出力基板331が端子板取付部311に取り付けられた取付状態における外部出力基板331の構成について説明する。
外部出力基板331は、図14に示すように、基板ベース332を介して端子板取付部311に取り付けられ、この取付状態において遊技機本体12の後方斜め上側(図14の右上側)を表面が向くように配置される。これにより、一定の面積を必要とするプリント基板341の設置に必要な上下幅を少なくして外部端子板ユニット203を配置することができ、外部端子板ユニット203の下側に設置する部品の高さ位置を高く設定することができる。なお、以下の説明においては、外部出力基板331におけるプリント基板341の表面側は、遊技機本体12に取り付けられた状態において後側を向く面とされるため、外部出力基板331の後面とも称す。
外部出力基板331におけるプリント基板341の裏面に相当する裏パック201の収容空間側を向く面は、図14に示すように、取付基部321に対向し、且つ、取付基部321と一定の隙間を隔てて平行となるようにして、取付基部321の後方斜め上側に配置されている。プリント基板341の裏面側には、端子台343等を固定するための端子の先端部分および半田が突出し、それらの突出部分に対応してプリント基板341と取付基部321との間に隙間が設けられている。プリント基板341の裏面に対して僅かな隙間を隔ててプリント基板341と平行となるように取付基部321を形成することにより、裏パック201により形成される収容空間は広く確保されている。
プリント基板341上に搭載される端子台343の差込部302は、図11(b)等に示すように、外部出力基板331の後面側に設けられ、遊技機本体12の後方斜め上側に開口する向きにして配置されている。このため、作業者は、遊技機本体12の背面側に位置した状態で、差込部302に開口位置を容易に確認しながら作業を進めることができる。
プリント基板341上に搭載される端子台343は、図15(a)に示すように、プリント基板341に対して端子台343の本体部352が前側に配置され、その後側に操作レバー353が突出するようにして配置されている。本体部352に設けられる差込部302に対しても、操作レバー353が遊技機本体12の後側に突出して設けられることとなり、遊技機本体12の背面側からの作業において操作レバー353は操作し易くされている。
ここで、端子台343は、差込部302がプリント基板341から離間する方向側に開口し、差込操作部372が差込部302の一方側に位置してプリント基板341の表面に近づく方向側に移動操作可能な構成であり、遊技機において従来から利用されている汎用品の端子台の構成と同様の構成とされている。このため、差込部302と差込操作部372とが2列に並ぶようにして汎用品の端子台をプリント基板に搭載することによって、低コストで、外部端子板ユニット203を構成することができる。
プリント基板341上に搭載されるフォトモスリレー344は、図15(a)に示すように、プリント基板341の表面側への突出高さが端子台343に比べて低く、また、操作レバー353の高さ位置に比べても低い高さの電子部品である。このフォトモスリレー344は、操作レバー353に対して後側に配置され、外部出力基板331の後面が後方斜め上側に向けられて傾斜して配置される傾斜角度は、フォトモスリレー344やフォトモスリレー344をカバーする基板ベース332の一部分が操作レバー353に対して後側に位置しない角度に設定されている。このため、遊技機本体12の背面側からの作業における操作レバー353の視認性や操作性を向上しつつ、外部出力基板331に必要な電子部品を遊技機本体12の背面側から確認し易い位置に搭載可能とされている。よって、端子台343以外の電子部品を別の不正部品に交換するような不正行為は困難とされている。
操作レバー353は、プリント基板341に対して表面側に離間して2種類の高さ位置に設けられ、図10に示すように、操作レバー353の差込操作部372が1つずつ上下方向に高さ位置がずれた状態で遊技機本体12の背面側に突出している。このため、遊技機本体12を背面側から見た場合に、2種類の差込操作部372の高さ位置を容易に認識することができる。従来においては、遊技機本体12の背面側を外部出力基板331の表面が向くようにして外部出力基板331が設置され、この場合には、端子台343において差込操作部372の高さ位置が視線方向に沿ってずれた状態で配置されることとなり、差込操作部372において高さ位置の異なる差込操作部372の間に指先を入れるような操作が困難な場合があった。これに対し、本実施形態における外部出力基板331のように、遊技機本体12の後方斜め上側に外部出力基板331の後面が向く配置とすることにより、端子台343における操作レバー353の差込操作部372の位置を確認し易く、高さ位置の異なる差込操作部372の間に指先を入れるような操作も簡易に行うことができる。なお、操作レバー353は、必ずしも高さ位置を異ならせて複数種類設ける必要はなく、全ての操作レバー353を共通の形状とし、一定の高さ位置に操作レバー353の差込操作部372を配置しても良い。
2種類の操作レバー353は、自身の回動軸371の中心位置(図15(a)における回動中心軸J1として示した位置)に対して、後方における上側に一方の差込操作部372(上側の差込操作部372U)の上面が配置され、下側に他方の差込操作部372(下側の差込操作部372L)の上面が配置されている。このため、2種類の操作レバー353は、上側から下側への押し込み操作により差込操作部372が容易に回動操作可能とされ、遊技機本体12の背面側から行われる差込操作部372の操作性が向上されている。また、2種類の操作レバー353における差込操作部372は、その上面がいずれも後方斜め下側に連続する向きに配置され、後方斜め上側から差込操作部372が容易に操作可能とされている。
また、従来においては、遊技機本体12の背面側を外部出力基板331の後面が向くようにして外部出力基板331が設置され、遊技機本体12の前方側へ向かって差込操作部372を押し込むようにして操作レバー353を操作する構成であった。このため、差込操作部372に対する操作方向と、外枠11に対する遊技機本体12の回動方向が一致しており、配線作業中において遊技機本体12が回動しないように注意する必要があった。これに対し、本実施形態における操作レバー353は、下方側に差込操作部372を操作する設定とされ、この方向は、遊技機本体12の開閉方向に交差し、ほぼ直交する方向側に設定されている。このため、操作レバー353の操作時における遊技機本体12の開閉方向側への移動を抑制することができ、配線接続作業性を向上することができる。
端子台343は、図11等に示すように、遊技機本体12の背面側右上隅部にて全ての操作レバー353が後側に突出するようにして左右方向に複数並んで設けられ、差込操作部372と差込部302の組合せが、同一方向を向くようにして複数並んで設けられている。このため、図14に示すように、裏パック201の上面と背面とが連続するコーナー部分に多数の差込部302と差込操作部372との組合せを側面視においてコンパクトに配置することができる。なお、必ずしも端子台343を横一列に配置する必要はなく、プリント基板341の表面に、横二列以上に並べて端子台343を設置しても良い。この場合においても、各端子台343の列においては、差込部302に対して、その差込部302の配線の抜き差しに対応する操作レバー353が遊技機本体12の後側に位置する向きにしてプリント基板341に端子台343を搭載することが好ましい。
ここで、操作レバー353は、プリント基板341に対して表面側に離間した2種類の高さ位置に設けられ、その表面側に大きく離間した上側の差込操作部372に対応した操作レバー353は、図15(a)に示すように、端子台343の本体部352においてプリント基板341から最も離間した天面部361よりもプリント基板341から離間した位置まで連続している。このため、端子台343に対して操作レバー353が後側に位置し、プリント基板341の前側が高く位置するようにして傾斜させて外部出力基板331を遊技機本体12の背面側に配置すると、端子台343の本体部352の上端と操作レバー353の差込操作部372の上端位置の高さ位置が近づいて配置される。かかる配置とすることにより、端子台343の前側部分を、より上側に位置するように配置しても、端子台343の前側部分だけが上方に突出することもないので、側面視において限られた配置スペース内に端子台343の本体部352と操作レバー353とを効率良く配置することができる。これにより、上限の高さ位置が限られた配置スペースにおいて、プリント基板341の前側部分を高い位置に配置可能にし、その配置位置に対応して裏パック201の内側における収容空間として前側部分が高く、後側に向かって徐々に下降する収容空間を形成し、収容空間の容積を大きく設定することができる。
次に、基板ベース332とケースカバー301について説明する。
基板ベース332は、外部端子板ユニット203として、外部出力基板331とケースカバー301とを基板ベース332に一体化する部材であり、図16及び図18に示すように、外部出力基板331を取り付けるための基板取付部381と、外部出力基板331及びケースカバー301と一体化された外部端子板ユニット203を裏パック201に固定するためのユニット固定手段としての構成と、ケースカバー301を回動可能に支持するカバー回動支持手段としての構成とを備えている。外部端子板ユニット203は、基板ベース332によってケースカバー301と外部出力基板331とが一体化された状態で裏パック201に取付可能とされ、外部出力基板331の取り扱いが容易化されている。なお、外部出力基板331は、必ずしも基板ベース332を介して裏パック201に固定する必要はなく、裏パック201に基板取付部を設けて裏パック201に直接外部出力基板331を取り付けても良い。
基板ベース332は、基板取付部381として、外部出力基板331におけるプリント基板341の外周縁を囲う横長枠状の周縁部382と、周縁部382よりプリント基板341の表面に重なるように突出する複数の表面側支持部383と、周縁部382よりプリント基板341の裏面に重なるように突出する複数の裏面側支持部384及び複数の基板係止爪385とを備えている。基板ベース332の周縁部382は、外部出力基板331の裏面側に相当する一端側が開口した枠形状をなし、その裏面側より外部出力基板331が取り付けられる。表面側支持部383と裏面側支持部384は、周縁部382に対して変位不能に一体形成されている。
基板係止爪385は、図18に示すように、その先端部分が周縁部382に対して外側に変位可能に一体形成されている。具体的には、プリント基板341の後側に向かって細長く形成された支持腕部386の先端部分にプリント基板341の裏面側に重なる係止部387が設けられている。プリント基板341の押し込み操作により支持腕部386が弾性変形して係止部387が外側に変位し、係止部387が元の位置に復帰することでプリント基板341の裏面側に基板係止爪385が係合可能とされている。
外部出力基板331の基板ベース332への取付操作は、外部出力基板331の表面側に基板ベース332を位置させてから、基板取付部381に対して表面側支持部383と裏面側支持部384の間にプリント基板341の一端側を差し込み、プリント基板341の他端側を基板係止爪385に対して押し込み操作する。これにより、基板ベース332の基板取付部381に外部出力基板331が取り付けられて固定された状態となる。なお、基板取付部381への外部出力基板331の取付構造は、上記構造に限らず、ネジ止めにより固定する等、他の取付構造としても良い。
基板ベース332の周縁部382における外部出力基板331の裏面側に対応する端面は、図18に示すように、端子板取付部311の取付基部321に対して後方斜め上側に当接する当接支持部388とされ、係合爪部304および基板係止爪385を除いた大部分が同一平面上に位置する形状とされている。端子板取付部311の取付基部321は、後方斜め上側を向く面が平面状に形成され、基板ベース332における当接支持部388が取付基部321に対して広範囲で当接し、端子板取付部311に安定的に支持された状態で外部端子板ユニット203が固定可能とされている。
基板ベース332の周縁部382としては、図15(a)、図16及び図18に示すように、プリント基板341の前側の縁部分に対向し、プリント基板341の外縁に沿って設けられる板状の前側壁部391と、前側壁部391に対してプリント基板341を挟んだ後側であってプリント基板341の後側の縁部分に対向し、プリント基板341の外縁に沿って設けられる後側壁部392とが設けられている。また、周縁部382として、前側壁部391の左右両端部から後側に連続して後側壁部392の左右両端部に接続される板状の側壁部393,394が設けられている。板状の側壁部393,394としては、背面視左側にて端子台343の側面部362に対向する側壁部を構成する左側壁部393と、コネクタ342の側端面に対向して背面視右側の側壁部を構成する右側壁部394とが設けられている。後側壁部392は、プリント基板341の下側部分において切り欠かれた形状に対応して折れ曲がって形成されている。
基板ベース332には、ユニット固定手段として、係合突部303と、係合爪部304とが設けられている。係合突部303は、基板ベース332の長手方向に沿った一方側に相当する左側壁部393より外側に突出して形成されている。係合爪部304は、基板ベースにおいて係合突部303が設けられる側とは逆側に相当する右側壁部394に形成され、プリント基板341の裏面が向く方向側に突出して形成されている。これら係合突部303と係合爪部304とが裏パック201の被取付部322,323に係合して、上記したように、裏パック201へ外部端子板ユニット203が固定される。
基板ベース332には、ケースカバー301を回動可能に支持するカバー回動支持手段として、一対の回動軸部395が左右の側壁部393,394より外方側に突出して設けられている。すなわち、左側壁部393は、端子台343の側方を覆うように端子台343の本体部352の外形より側面視で大きな外形となるようにしてプリント基板341の表面側に大きく突出した板状に形成され、その左側壁部393における前上側の隅部分にて、回動軸部395が外方側に略円筒状に突出して設けられている。また、右側壁部394は、コネクタ342の側方を覆うようにコネクタ342の外形より側面視で大きく突出する外形となるようにしてプリント基板341の表面側に突出した板状に形成され、その右側壁部394における前上側の隅部分にて、回動軸部395が外方側に略円筒状に突出して設けられている。この一対の回動軸部395は、左右方向に延びる同一直線上に配置され、ケースカバー301が回動軸部395を中心として回動可能に支持される。
ケースカバー301は、基板ベース332の上側を覆う板状の上板部401と、上板部401の両端側より下側に突出する板状に形成された左右の支持板部402,403とを有している。左右の支持板部402,403は、基板ベース332における左右の側壁部393,394の両外面を内側にして両外側に重なるように、左右の側壁部393,394の外面より僅かに大きく離間して設けられている。また、左右の支持板部402,403には基板ベース332の回動軸部395に対応して回動孔部404が設けられている。
左右の支持板部402,403の間隔は、基板ベース332において左右方向に突出した回動軸部395の先端位置の間隔よりも狭く設定されており、ケースカバー301を弾性変形させて左右の支持板部402,403を横方向に広げつつ回動軸部395が間に挟まれるようにしてケースカバー301を基板ベース332に対して相対的に移動し、回動軸部395と回動孔部404とを位置合わせすることでケースカバー301が基板ベース332に取り付けられる。ケースカバー301が基板ベース332に取り付けられると、基板ベース332に対してケースカバー301が回動軸部395を中心として回動可能に支持される。
回動孔部404は、ケースカバー301の上板部401に対して、上板部401の長手方向に直交する短手方向に沿った前側に設けられ、上板部401が回動孔部404を中心として上側に回動動作可能とされている。
ケースカバー301の背面視左側の支持板部402には、図16に示すように、回動孔部404の後側にて回動孔部404を中心とした同心円状に2つのストッパ孔405が設けられている。ストッパ孔405は、ケースカバー301を開放状態および閉鎖状態に位置決めするストッパ機能を構成する部位である。ストッパ孔405に対応して基板ベース332の左側壁部393には、ストッパ孔405に先端部分が入り込み可能に半球状に突出したストッパ突部396が設けられている。ストッパ突部396がストッパ孔405に入り込んで位置した状態に対して、ケースカバー301を回動移動するためには、ストッパ突部396がストッパ孔405を乗り越える程度に大きな操作力が必要とされ、これにより、ケースカバー301の回動移動が制限されたストッパ機能が構成される。ストッパ孔405の位置は、図15(a)に示すように、ケースカバー301を閉鎖状態にした位置と、図15(b)に示すように、ケースカバー301を開放状態にした位置とのそれぞれに対応し、ケースカバー301を各状態に保持可能とされている。
基板ベース332及びケースカバー301の組合せは、外部出力基板331を保護する保護部材としての機能を有し、透明な合成樹脂により構成されている。裏パック201に外部端子板ユニット203が取り付けられた取付状態においては、図15(a)に示すように、外部出力基板331の表面側の大部分が基板ベース332及びケースカバー301によって覆われた状態とされ、外部出力基板331の裏面側が裏パック201の取付基部321に覆われた状態とされている。なお、外部出力基板331の裏面側を必ずしも裏パック201により覆う必要はなく、外部端子板ユニット203の構成の一部として外部出力基板331の裏面側を覆う蓋部材を設け、外部出力基板331が裏面側を含めて箱体により収容されるボックス構造としても良い。また、ケースカバー301は、必ずしも設ける必要はなく、ケースカバー301を省略しても良い。
基板ベース332における外部出力基板331の表面側には、図15(a)及び図16に示すように、外部機器の配線を挿通させるための2つの配線用開口411,412と、操作レバー353を操作するためのレバー操作用開口413と、コネクタを後側に露出させるためのコネクタ用開口414とが設けられている。外部端子板ユニット203が裏パック201に取り付けられた状態においては、これら開口411〜414を介して、基板ベース332の周縁部382に囲われた空間と、基板ベース332の後方斜め上側の空間とが連続する。
基板ベース332には、プリント基板341の表面側にて配線用開口411,412とレバー操作用開口413とコネクタ用開口414とを形成するように周縁部382の内側空間を区画する部位として、図16に示すように、区画壁415と配線支持部416とが設けられている。
区画壁415は、左右方向に厚みを有する板状に形成され、コネクタ用開口414と、レバー操作用開口413及び配線用開口412の間部分に位置して、それらを左右方向に区画する。この区画壁415は、プリント基板341の表面側にてプリント基板341の前後に位置する前側壁部391と後側壁部392とを連結する大きさに形成されている。
配線支持部416は、外部機器の配線に当接して配線の下側を支持する部位であり、また、レバー操作用開口413と配線用開口411,412との間部分に位置して、それらを前後方向に区画する部位である。この配線支持部416は、端子台343に対してプリント基板341から離間する側にて周縁部382の間部分を掛け渡すようにして設けられ、一端が左側壁部393に接続され、他端が区画壁415に接続されている。また、配線支持部416は、プリント基板341の表面に平行に前後方向に連続した部分により下側部分が形成され、その後端部がプリント基板341の表面から離間する方向側に突出するように連続する略L字形の断面形状とされている。
配線支持部416は、図15(a)に示すように、端子台343の差込部302に対して差込部302の開放方向側を遮らないように、差込部302の後端位置より後側において、天面部361に対して僅かに隙間を隔てて後方斜め上側に重なる位置より後方斜め上側に連続する形状とされている。配線支持部416の上面は、前側部分の方が後側より下方に位置する形状とされ、後方斜め上側から差込部302が容易に視認可能とされ、また、配線支持部416の上側に配置される配線が大きな曲率半径にて後側に引き回されるように構成されている。また、天面部361の後端より後側にまで連続する大きさに配線支持部416が形成されており、差込操作部372の上側に配線支持部416の一部が対面する設定とされている。
配線支持部416における後側面は、図15(a)に示すように、後方斜め下側に位置する差込操作部372側を向くように形成され、その後側面に対して後方斜め下側に重なりつつ、その面が向く方向側に差込操作部372(上側の差込操作部372U)が突出して設けられている。このため、配線支持部416は、前後方向において、前側に差込部302が位置し、後側に差込操作部372の一部が位置する間部分に設けられ、側面視において端子台343の本体部352と操作レバー353との間において下側に凹んだ空間部分に上側から入り込むようにして配置されている。よって、配線支持部416が上側に突出する突出量を少なくして外部端子板ユニット203の上下幅を小型に構成しつつ、外部機器の配線の支持に必要な強度は十分に確保した形状とすることができる。
配線支持部416の上面に対して差込操作部372の上端は、下側に位置する配置とされ、配線支持部416に支持された配線の後側部分が差込操作部372に当接しても差込操作部372に配線の重みが伝わり難く構成されている。このため、外部機器の配線が差込操作部372に上側から当接しても差込操作部372が押し下げられることは生じ難く、外部機器の配線が外れてしまうといった事態が生じ難くされている。
配線支持部416における左右方向の中央部分には、左右方向に厚みを有して前側壁部391側に連続する板状の連結部417が設けられている。配線支持部416の上面には、外部機器の配線が当接し、配線の重みを受けても変形や破損が生じないように、横長の配線支持部416の途中部分において前側壁部391と連結する連結部417が設けられている。なお、連結部417は、必ずしも前側壁部391にのみ連結するように設ける必要はなく、連結部417に代えて、又は連結部417に加えて、後側壁部392と配線支持部416とを連結するように配線支持部416の後方斜め下側に連結部を設けても良く、連結部の数についても、1つに限らず、2以上設けても良い。
配線用開口411,412は、基板ベース332の上端部において上方側に開口した横長略矩形状に形成され、2つの配線用開口411,412が一直線上に横並びに配置されている。配線用開口411,412は、7台を一組とした端子台343の差込部302を背面視左側の配線用開口411より後方斜め上側に露出し、背面視右側の配線用開口412において6台一組の端子台343の差込部302を背面視右側の開口より後方斜め上側に露出する。
レバー操作用開口413は、配線用開口411,412の後側に設けられ、端子台343から突出するすべての差込操作部372を1つの開口によって後方斜め上側に露出する大きさに形成されている。
配線用開口411,412に対して上側には、図15(a)に示すように、ケースカバー301の上板部401において背面視右側の一部を除く大部分が外部出力カバー部406として配置可能とされている。ケースカバー301の上板部401は、図16に示すように、配線用開口411,412の横幅および前後幅より大きく形成された横長矩形状の外部出力カバー部406を有する板状をなし、配線用開口411,412の上側にて厚み方向を上下方向に一致させ、前後方向に板面が連続する向きに配置されることによって配線用開口411,412の上側を閉鎖する閉鎖状態を形成可能とされている。
ケースカバー301の閉鎖状態における外部出力カバー部406と配線支持部416の上面との間には、図15(a)に示すように、隙間が設けられており、この隙間幅は、外部機器の配線の太さに対応し、その太さと同一か又は僅かに大きく設定されている。この隙間を通じて外部機器の配線(図15(a)の一点鎖線)は、ケースカバー301の閉鎖状態において遊技機本体12の後側に引き出される。
ケースカバー301の閉鎖状態においては、図15(a)に示すように、外部出力カバー部406は、差込部302に対して後方斜め上側に位置して差込部302の開口する方向側を閉塞する位置に配置され、外部機器の配線の配置空間として後方側に曲がった隙間空間を形成する。外部機器の配線は、差込部302の向く後方斜め上側に対してケースカバー301の外部出力カバー部406に当接することで後側に曲げられた状態とされて遊技機本体12の背面側に引き出される。配線用開口411,412を基準とした場合には、差込部302付近においては、上方に開口形成された配線用開口411,412を通過することにより上下方向に外部機器の配線が連続し、その後側で前後方向に形成される隙間により前後方向に配線が連続する。このため、外部機器の配線が抜き出される後方側への引張力が配線に作用した場合に、配線が配線支持部416の前面部分に当接し、その引張力の一部が配線支持部416に支持される。また、配線と、ケースカバー301の外部出力カバー部406及び配線支持部416との間には、当接による摩擦抵抗力が発生し、引張力の作用により配線が曲げられる点を変化させながら後側に移動することで抵抗力が増大し、その分、差込部302側に伝達される引張力が軽減される。これにより、外部機器の配線がパチンコ機10に接続された状況において配線に不用意に引張力が作用しても配線が差込部302から外れてしまう事態を回避することができる。
ケースカバー301の外部出力カバー部406の下側面には、図15(a)に示すように、配線支持部416の上側に対向する部位を含む一部分において上方側に段差を設けて薄幅に形成された凹み面部407が設けられている。この凹み面部407は、外部機器の配線が前後に通過する配線の経路部分を形成する天面が前後方向において段差を有する形状とし、その下側に位置する配線支持部416によって配線が凹み面部407内に押し込まれて上下に屈曲された状態となり易い。この屈曲部分が形成される分、ケースカバー301が閉鎖状態とされた場合において、配線が抜き出される方向側への引張力が発生した場合における抵抗力が増大され易く、差込部302に伝達される引張力を軽減することができる。なお、凹み面部407に代えて、又は凹み面部407において、配線の接触する外部出力カバー部406の下面を前後方向に起伏が連続した形状とし、その起伏の先端側に相当する下端を尖らせて形成しても良く、これにより、外部機器の配線に対しての引張力に対する抵抗力を一層高めることができる。
ケースカバー301には、図15(a)に示すように、閉鎖状態において外部出力カバー部406の下面より下方に突出するカバー下突条部408が設けられている。カバー下突条部408は、基板ベース332における区画壁415及び連結部417の上面に当接することで外部出力カバー部406の下側への移動を制限する部位である。このカバー下突条部408は、図18に示すように、左右方向に連続した形状をなし、左右方向において端子台343が配置される領域の全域に及ぶ長さに形成されている。
カバー下突条部408は、図15(a)に示すように、横長矩形の断面形状にて前方斜め下側に突出した形状をなし、前後方向における途中部分を最下端として前側及び後側において上り傾斜した傾斜面を有する断面形状に形成されている。基板ベース332における区画壁415及び連結部417の上面には、図15(a)及び図16に示すように、外部出力カバー部406の内面に対して一定距離離間した下側に位置する平面部分に対し、カバー下突条部408に対応した部分が下方に凹んだカバー受け部418が形成されている。カバー受け部418は、カバー下突条部408を形成する傾斜面に対面するように、前後方向における途中部分を最下端として前側及び後側に上り傾斜した断面形状に形成され、カバー下突条部408の前方斜め下側と後方斜め下側との両方に対面する2つの傾斜面を組み合わせた形状とされている。このため、ケースカバー301の閉鎖状態において外部出力カバー部406の上面に遊技球が当接したり、工具等が衝突したりした場合に、外部出力カバー部406における下側への移動が制限されることはもちろん、外部出力カバー部406の前後方向における移動についても基板ベース332の区画壁415及び連結部417により制限され、基板ベース332に対するケースカバー301の相対位置ずれが生じ難くされている。これにより、ケースカバー301がパチンコ機10及び遊技機本体12の最上面を形成することで物が当接し易く、強い衝撃力がケースカバー301の上面に作用し易くなっても、基板ベース332からケースカバー301が外れたり、破損したりすることが防止されている。
カバー下突条部408の前方斜め下側を向く先端面は、図15(a)に示すように、ケースカバー301の閉鎖状態において端子台343の天面部361に対向して近接する高さ位置に設けられている。基板ベース332の区画壁415及び連結部417の間部分において外部出力カバー部406の上面に負荷が加えられた場合には、カバー下突条部408が端子台343の天面部361に当接し、外部出力カバー部406の沈み込みが制限される。このため、基板ベース332によって直接的に支持されない領域においても基板ベース332とケースカバー301との間の隙間が一定以上に確保され、外部機器の配線に対してケースカバー301を通じた過負荷の入力による断線の発生が防止されている。
ケースカバー301の外部出力カバー部406は、図15(a)に示すように、閉鎖状態において差込部302に対し、差込部302の開口する後方斜め上側に位置し、操作レバー353における差込操作部372に対してもその全体の上側を覆う位置まで連続している。これにより、差込部302及び差込操作部372に遊技球等が上方から当接せず、また、操作レバー353にも遊技球が当接し難くなるので、端子台343が破損したり、不容易に差込操作部372が操作状態側へ押下されて外部機器の配線が外れてしまうといった事態を回避することができる。
差込操作部372の後端とケースカバー301の後端とは、図15(a)に示すように、ケースカバー301の閉鎖状態において前後方向における後側位置において略一致する長さに設定されている。ケースカバー301の閉鎖状態においては、ケースカバー301と基板ベース332との組合せによって、レバー操作用開口413が後方側に開口して形成され、操作レバー353の差込操作部372等が遊技機本体12の後側に露出する。このため、ケースカバー301を閉鎖状態としたままでも、作業者が差込操作部372を後方側より操作可能とされている。よって、配線の取り外し操作はケースカバー301を閉鎖したままでも実施でき、且つ、ケースカバー301の前後寸法を小型にして外部端子板ユニット203としても小型に構成することができる。なお、差込操作部372の後端より後側に突出するようにケースカバー301を形成しても良い。
ケースカバー301の回動中心となる回動中心軸J2は、図15(a)に黒点を付して示すように、差込部302が設けられる端子台343の天面部361より遊技機本体12の前側に位置し、遊技機本体12の左右方向(図15(a)の紙面垂直方向側)に連続する設定とされている。このため、ケースカバー301の外部出力カバー部406は、閉鎖状態において差込部302の上側に位置し、その閉鎖状態から開放状態への遷移に際して前方斜め上側へ回動移動可能とされている(図15(b)参照)。ケースカバー301を開放状態とすると、差込部302の後方斜め上側が開放され、その開放された空間の前側にケースカバー301の外部出力カバー部406が配置される。よって、遊技機本体12の背面側に位置して差込部302に対して配線作業を実行する場合において、ケースカバー301が作業の邪魔になったり、視認性を阻害することもない。
コネクタ用開口414は、図16に示すように、レバー操作用開口413及び配線用開口411,412に対して背面視右側に開口形成され、コネクタ342を後方斜め上側に露出する大きさに形成されている。コネクタ用開口414の周辺部分は、プリント基板341から僅かに隙間を隔ててプリント基板341に重なる板状に形成され、コネクタ用開口414よりコネクタ342の先端側部分が突出している。
ケースカバー301における背面視右側部分には、図16に示すように、コネクタ用開口414に対応した側にコネクタカバー部409が設けられている。コネクタカバー部409は、端子台343よりコネクタ342が前後に長く形成される分、上板部401(外部出力カバー部406)と比べて後側に長く形成されている。
コネクタカバー部409は、図16及び図18に示すように、コネクタ用開口414に対して後方斜め後側に収容空間を形成する箱状に形成されている。コネクタカバー部409は、上板部401の一部によって外部出力カバー部406と同一平面上に上面壁421が形成され、その後側端部より、コネクタ用開口414より広幅で後方斜め下側に連続する背面壁422と、背面壁422の左右両側及び後側の端縁に沿ってプリント基板341の表面に近づく側に突出する板状の側面壁423および下面壁424とを有している。これら背面壁422、側面壁423及び下面壁424によって、コネクタ用開口414より後方斜め後側に突出したコネクタ342の先端側部分を収容する収容空間が形成されている。なお、コネクタカバー部409は省略して構成しても良く、ケースカバー301を閉鎖状態としてもコネクタ342の後方斜め後側部分は開放された状態が維持される構成としても良い。
下面壁424は、図15(a)に示すように、基板ベース332の後側壁部392に対して後方斜め下側に重なる板状に形成され、その下側の端部には、小さな円形状に貫通形成されたストッパ孔425が設けられている(図18参照)。基板ベース332の後側壁部392には、後方斜め下側に向けて僅かに柱状に突出したストッパ突部419が設けられ(図16参照)、ケースカバー301の閉鎖状態においてストッパ突部419が入り込み可能な位置にストッパ孔425が設けられている。これにより、ケースカバー301の閉鎖状態においてコネクタカバー部409側における回動移動が制限され、ケースカバー301の背面視左側に設けられるストッパ突部396及びストッパ孔405の組合せと共にストッパ機能を構成し、このストッパ機能によりケースカバー301の閉鎖状態が維持され易く、開放方向への移動が制限されている。
基板ベース332における下面壁424に対して後方斜め下側には、図15(a)に示すように、コネクタカバー部409に対して後側に突出する横長板状のカバー操作部426が一体形成されている。カバー操作部426は、ケースカバー301の開閉操作を行う際に作業者が操作する部位であり、上板部401に対してケースカバー301の回動中心軸J2から離間した位置であってケースカバー301の回動中心軸J2から最も離間した箇所に設けられている。このため、ケースカバー301の回動操作に大きな回動力が必要な場合であっても、コネクタカバー部409の長さ分を回動操作のためのレバーの一部分として利用して、その回動力を容易に出力可能とされている。また、上板部401(外部出力カバー部406)がコネクタカバー部409に比べて回動中心軸J2に近い側に設けられることにより、差込部302の上側部分に対してはテコの原理により大きな力を出力可能とされ、外部機器の配線が差込部302から上方側へ突出して配線された状態においても外部出力カバー部406に対して必要な押し込み力を容易に発生させることができる。なお、カバー操作部426は、必ずしもコネクタカバー部409の先側部分に設ける必要はなく、外部出力カバー部406の後側部分の一部を後方に突出させて形成する等、他の部位に設けても良い。
基板ベース332及びケースカバー301における背面右側部分には、図11(a)に示すように、ケースカバー301の閉鎖状態においてコネクタ342に接続される配線が左右方向に連続した状態で通過可能とする本体側配線通過口305が左右方向に貫通して設けられている。本体側配線通過口305は、図18に示すように、ケースカバー301においてコネクタカバー部409を構成する側面壁423の背面視右側部分によって一部が形成され(図18における左側の側面壁423)、側面壁423における前後方向中央部分を含む一部には、後方斜め上側に凹んだ後側凹部427が設けられている。また、基板ベース332における右側壁部394によって本体側配線通過口305の前側部分が形成され、右側壁部394には、前後方向中央部分を含む一部において前方斜め下側に凹んだ前側凹部431が設けられている。
コネクタ342への配線の接続に際しては、まず、基板ベース332に対してケースカバー301を開放状態にし(図11(b)参照)、コネクタ342に対応して配線側に設けられる相手側のコネクタを後側から接続する。その後、コネクタ342に対して背面右側に配線を引き出した状態にし、本体側配線通過口305を構成する後側凹部427と前側凹部431との間に配線が位置するようにしてケースカバー301を閉鎖状態にする。これにより、コネクタカバー部409によって後側部分が覆われる収容空間から背面視右側より配線が引き出された状態とされ(図21(a)参照)、外部出力基板331が遊技機本体12(主制御基板)と電気的に接続される。
本体側配線通過口305は、図11に示すように、ユニット固定手段としての係合爪部304に対して遊技機本体12の後方斜め上側に位置して設けられている。コネクタ342に配線が接続され、ケースカバー301が閉鎖状態とされた状況においては、本体側配線通過口305を通過する配線により係合爪部304が覆われた状態とされ、コネクタカバー部409を開放してコネクタ342の接続状態を解除しない限り係合爪部304を操作することが困難とされている。すなわち、外部端子板ユニット203の取り外し操作が配線によって阻害されている。この外部端子板ユニット203の取り外し操作が阻害される構成については、後述する。
本体側配線通過口305は、コネクタカバー部409に対して、外部出力カバー部406の位置する側とは反対側に設けられている。このため、外部機器の配線の接続作業において、コネクタ342に接続される配線452は邪魔になり難く、外部機器の配線接続作業を容易に行うことができる。
基板ベース332の前側壁部391は、図15(a)に示すように、外部端子板ユニット203の取付状態において端子台343(本体部352)の上端に相当する高さ位置までプリント基板341の表面が向く方向側(以下、プリント基板341の表面側と称す。)に連続した形状とされ、端子台343の前方斜め上側の全域を覆う大きさに設定されている。左側壁部393は、内側に対面して設けられる端子台343の側面側の全域を覆う大きさに設定され、右側壁部394は、内側に対面して設けられるコネクタ342の側面側の全域を覆う大きさに設定されている。
基板ベース332の後側には、図15(a)及び図18に示すように、フォトモスリレー344に対して上方斜め前側に対面し、前方側に下降傾斜する向きに設定された板状のリレー前側カバー部432と、リレー前側カバー部432の後端部であって上端部より後方側に下降傾斜した板状のリレー後側カバー部433とが周縁部382に一体的に設けられている。基板ベース332の後側壁部392は、リレー後側カバー部433の後端が位置する高さまでプリント基板341の表面側に連続し、その上端がリレー後側カバー部433に接続されている。リレー前側カバー部432およびリレー後側カバー部433の背面視右側は、区画壁415に接続され、背面視左側は後側壁部392に接続されて閉塞されている。フォトモスリレー344は、リレー前側カバー部432とリレー後側カバー部433とにより上方側が覆われて配置され、上方側からの遊技球の衝突や背面側からの不正行為が防止されている。
リレー後側カバー部433における背面視右下側には、図16に示すように、横長略矩形状で僅かに奥側に凹んで形成されたシール貼付部434が設けられている。シール貼付部434には、外部端子板ユニット203が外部機器の接続用の装置であることを示す情報として例えば「外部端子」の文字が付されたシールが接着により貼付される。
リレー後側カバー部433に対して背面視左側には、図16に示すように、上下方向に厚みを有し、上面が僅かに後側に下り傾斜するようにして設けられた横長矩形状の蓋板部435が周縁部382に対して後側に一体形成されている。蓋板部435は、外部端子板ユニット203の背面視左側部分において操作レバー353の後部下側にて後方側に連続する上面を形成し、その部分に落下した遊技球やゴミ等を上面で支えて後側に案内し、又は作業者が遊技球等を後側に押し出して除去し易く構成されている。
ここで、蓋板部435と、リレー後側カバー部433と、コネクタカバー部409の背面壁422は、図11等に示すように、いずれの上面についても後端部分が最も下側に位置し、遊技機本体12の後側に下り傾斜した傾斜面部を構成する。そして、蓋板部435、リレー後側カバー部433及びコネクタカバー部409の背面壁422において最下端に相当する後側の端縁422a,433aは、タンクレール222のレール開口部222aにおける前側の端縁222bに対して遊技機本体12の前側において高い位置に設定されている。このため、蓋板部435、リレー後側カバー部433及びコネクタカバー部409の背面壁422の上に遊技球が乗り上げた場合、その遊技球を、レール開口部222aより上側に位置した状態で捕らえて、レール開口部222a内へ遊技球を持ち上げることなく容易に流し込むことができる。
リレー後側カバー部433の後側の端縁433aは、図12に示すように、その下側に、前方斜め下側に向けて基板ベース332の一部(後側壁部392)が連続する形状とされ、リレー後側カバー部433の後側の端縁433aが後方側に突出した形状とされている。また、コネクタカバー部409の背面壁422における後側の端縁422aについても、その下側に、前方斜め下側に向けて基板ベース332の一部(下面壁424)が連続し、コネクタカバー部409の背面壁422における後側の端縁422aが後方側に突出した形状とされている。このため、リレー後側カバー部433と、コネクタカバー部409の背面壁422の上側に遊技球が乗り上げた場合に、それら部位の後側の端縁422a,433aに対して後側に手を位置させることで、その乗り上げた遊技球を容易に受け止めることができ、レール開口部222aへ簡単に流し込むことができる。
タンクレール222に対して基板ベース332は、図10から図12に示すように、レール開口部222aにおける前側の端縁222bに対して、遊技機本体12の前側であって高い位置から低い位置まで連続する大きさに設定されている。詳細には、後側壁部392およびコネクタカバー部409の下面壁424の一部(図16参照)がレール開口部222aにおける前側の端縁222bより下側に位置している。これらレール開口部222aより下側に位置する部分は、外部端子板ユニット203の上面を形成する部位でなく、基板ベース332において後方側に突出する後側の端縁422a,433aより下側において他の部位の下側に位置する部分により構成され、その下側に位置する部分の上面に遊技球が乗り上げることはない。よって、タンクレール222を基板ベース332に対して高い位置に配置して遊技盤23の背面側に搭載される各種部品の配置スペースを広く確保し、且つ、外部端子板ユニット203に乗り上げた遊技球は持ち上げることなく容易にレール開口部222aへ流し込み可能とすることができる。
次に、本実施形態におけるパチンコ機10の外部端子板ユニット203に外部機器の配線を接続する作業について、パチンコ機10の遊技場への設置作業と共に説明する。
パチンコ機10を遊技場に設置する際には、パチンコ機10の外枠11を島設備に釘等を用いて固定し、その後に、管理装置等の外部機器の配線を外部端子板ユニット203に接続する。この接続作業は、外枠11に対して前側に遊技機本体12を開放した状態で行われる(図3等参照)。
作業者は、遊技機本体12を大きく、例えば90度以上開放し、遊技機本体12の背面側に立ち、その背面右上側部分に位置する外部端子板ユニット203を操作する。外部端子板ユニット203は、遊技機本体12の上面の一部及び後面の一部を構成する位置に設けられているので、作業者は、外部端子板ユニット203に対して後方斜め上側に視点が位置するようにし、外部端子板ユニット203を見下ろした状態で作業をする。これにより、外部端子板ユニット203を視点位置から容易に確認可能とし、また、外部端子板ユニット203の上側から後側に連続する空間を配線接続のための作業スペースとすることができる。
外部端子板ユニット203に対しては、図11(a)等に示すように、閉鎖状態となっているケースカバー301のカバー操作部426を上方に引き上げて、ケースカバー301を開放状態とする(図11(b)の状態)。ケースカバー301が開放されると、ケースカバー301に覆われていた複数の差込部302が遊技機本体12の後方斜め上側に開口する。作業者は、差込部302が向く方向側に視点が位置した状態で、差込部302の開口位置を容易に確認しながら作業を進めることができる。
ケースカバー301の開放後には、遊技場側に予め設置されている複数の外部機器の配線の中から、各差込部302に対応した配線を選び出し、その配線の先端部分を、差込部302内に差し込む。作業者は、配線を差し込む差込部302に対して遊技機本体12の後側に位置する差込操作部372を下方へ押下し、差込部302内に配線を差し込んでから差込操作部372から手を離して押下状態を解除する。これにより、一本の配線の接続が完了し、この接続作業を複数回繰り返して行い、全ての配線の接続を完了させる。
この差込操作部372の押下操作に際し、複数の差込部302に対して差込操作部372が遊技機本体12の後側に設けられ、差込操作部372を操作する手は差込部302の手前側に位置することとなるので、その手が視点と差込部302の間に介在して差込部302の視認性を阻害することが抑制される。また、ケースカバー301が開放されると、図15(b)に示すように、差込部302の上方側まで開放されるようにケースカバー301の上板部401が前側に移動する。このため、遊技機本体12を上側から覗き込むようにして差込部302周りの配線の状態を確認することができる。よって、配線作業中における差込部302の視認性について良好なものとすることができる。
また、差込操作部372は、手の重みを利用して下側に押下操作するだけで簡易に動作させることができる。差込操作部372の移動方向は、遊技機本体12の開放する前後方向に交差する方向であって、遊技機本体12の回動中心軸の方向に一致する上下方向に沿った方向側に設定されているので、作業中に遊技機本体12が前後に揺動されることも少ないし、遊技機本体12がストッパとなる部位に当接する全開状態にしなくても、作業し易い途中の開放状態にして配線作業を行うこともできる。
外部機器の配線を差込部302に位置合わせする際には、配線支持部416に外部機器の配線を載置した状態にしてから、配線の左右方向の位置を調整して配線の接続作業を行うことができる。これにより、差込部302への配線を差し込む際の位置合わせ作業を容易に行うことができる。そして、配線接続完了後には、配線支持部416の上面が差込操作部372より上方側に位置するので、外部機器の配線が接続された後には、配線が差込操作部372より上方側を経由して開閉体の後側に引き回される。よって、配線の重みが差込操作部372に直接的に負荷されることが防止され、遊技機本体12の開閉操作等において不必要に配線が外れてしまう事態を回避することができ、また、差込部302の出口付近において小さな曲率半径で配線が引き回される状況を回避して断線を防止することができる。
配線の接続完了後には、カバー操作部426を押し下げてケースカバー301を閉鎖する。このケースカバー301の閉鎖により、図15(a)に示すように、ケースカバー301の上板部401(外部出力カバー部406)と配線支持部416との間に配線が挟まれた状態となり、差込部302から遊技機本体12の後側に配線が屈曲した状態で引き出される。その後、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖することで、遊技場へのパチンコ機10の設置作業が完了する。
このように、本実施形態におけるパチンコ機10によれば、パチンコ機10が遊技場へ設置される際における外部端子板ユニット203に対しての外部機器の配線接続作業の作業性を向上することができる。具体的には以下の効果を奏する。
遊技機本体12を開放した状態においては外部端子板ユニット203の上側から後側に連続する空間を作業スペースとすることができるので、外部端子板ユニット203を、斜め上側における作業に適した視点位置から容易に確認可能とし、外部機器の配線の接続や取り外し作業についても広い空間を利用して容易に行うことができる。
複数の差込部302は遊技機本体12の後方斜め上側に開口するので、作業者は、遊技機本体12の背面側に位置した状態で、差込部302の開口位置を容易に確認しながら作業を進めることができる。
複数の差込部302に対して差込操作部372が遊技機本体12の後側に設けられ、差込操作部372を操作する手は差込部302の手前側に位置することとなるので、その手が視点と差込部302との間に介在して差込部302の視認性を阻害することが抑制される。よって、配線作業中における差込部302の視認性についても良好なものとすることができる。更に、差込操作部372が下側に移動操作可能に設けられるので、差込操作部372に対する操作は手の重みを利用して簡易に行うことができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10によれば、遊技装置として図柄表示装置94や制御装置142,143の設置スペースを前後方向に幅広く確保することができ、具体的には以下の効果を奏する。
外部端子板ユニット203が裏パックユニット15の上端部であって遊技機本体12の上面の一部を構成する位置に設けられるので、外部端子板ユニット203を高い位置に設置し、その分、図柄表示装置94等が配置される収容空間の前後幅を収容空間の上端部まで広く形成することができる。
複数の差込部302及び複数の差込操作部372の組合せが遊技機本体12の左右方向に並んで設けられるので、裏パック201の上面と背面とが連続するコーナー部分に多数の差込部302と差込操作部372との組合せを横並びにしてコンパクトに配置することができる。よって、外部機器へ出力される情報の種類を増やしつつ、配線作業の作業性は高く維持し、且つ、図柄表示装置94等の設置スペースを広く確保することができる。
外部出力基板331は、遊技機本体12の後方斜め上側を後面が向く配置とされているので、外部出力基板331の後面を遊技機本体12の後方に真っ直ぐに向く配置とするよりも遊技機本体12背面視における外部出力基板331の占有面積を縮小し、外部出力基板331の下端を高い位置に設定することができる。このため、外部出力基板331の下側に設けられる部品を高い位置に配置可能とし、図柄表示装置94等が配置される収容空間の前後幅を好適に広く形成することができる。
端子台343に対して接続される配線は、端子台343に対して遊技機本体12の後方斜め上側を経由して他の部位へと引き回される。この部分は、外部出力基板331の後端より鉛直上方に向かう仮想線と外部出力基板331の上端より遊技機本体12の後方に向かう仮想線とで囲われる側面視三角形状の領域部分に相当し、その領域を配置スペースとして複数の配線を束ねた状態または一纏めにして配線を配置することで、裏パック201に対して後側及び上方側に大きく突出させることなく多数の配線を配置することができる。よって、遊技機本体12の後側上部における角部分を配線の配置スペースとして有効的に利用することができ、前後及び上下における使用可能寸法が限られたパチンコ機10において、遊技機本体12の後側及び上側に突出させることなく多数の配線を容易に配置することができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10によれば、外部機器の配線が作業者の意図に反して外れてしまう事態を抑制し、必要な場合に限定して配線の抜き差しを容易化することができ、具体的には以下の効果を奏する。
差込操作部372の操作により差込部302に差し込まれた外部機器の配線は、回動軸部395の支持により閉鎖状態とされたケースカバー301の外部出力カバー部406により曲げられた状態とされ、外部出力カバー部406と配線支持部416との間に設けられる隙間空間を経由して差込部302に接続される。このため、外部機器の配線に対して配線が抜き出される方向側への引張力が発生した場合に、その引張力の一部が外部出力カバー部406又は配線支持部416により支持される状況が生じ易く、この場合には差込部302に負荷される引張力を軽減することができる。よって、外部機器の配線が遊技機に接続された状況において配線に不用意に負荷が加えられても配線が差込部から外れてしまう事態を抑制することができる。
ケースカバー301の開放状態においては差込部302の開口する方向側に外部出力カバー部406が位置しないので、差込部302を作業者が視認し易く、またケースカバー301の閉鎖状態に比べて配線を差込部302の開口に向けて差し込む際に外部出力カバー部406が邪魔になり難いので、配線を容易に差込部に差し込むことができる。よって、必要な場合に限定して外部機器の配線の抜き差しを容易化することができ、配線接続の作業性を良好なものとすることができる。
外部機器の配線は全ての遊技場において一致したものが使用されるものでなく、複数種類の配線が使用され、配線の太さについても異なる場合が想定される。この場合において、閉鎖状態としたケースカバー301の外部出力カバー部406と配線支持部416とにより配線の配置空間として曲がった隙間空間が形成されるので、配線の太さに多少のバラツキがあっても配線が曲げられた状態となることで配線支持部416と外部出力カバー部406との双方に当接して配線が挟まれた状態となり易い。よって、外部機器の配線という太さにバラツキが想定される配線に対して効果的な配線外れ防止構造とすることができる。
次に、配線の取り外し作業について説明する。配線の取り外し作業は、配線接続作業と同様の作業となる。すなわち、外枠11に対して遊技機本体12を開放し、ケースカバー301(外部出力カバー部406)を開放する(図11(b)参照)。その後、差込操作部372を押下操作し、差込部302から配線を抜き出す。この場合において、外部出力カバー部406を開放状態とすることにより外部出力カバー部406は、閉鎖状態より差込部302から離間する方向側へ回動し、配線の配置空間として差込部302の開口する方向側が開放された状態となる。この状態においては、外部機器の配線に対して配線が抜き出される方向側への引張力が直接的に差込部に伝達されるので、配線を取り外す操作は容易に行うことができる。ただし、ケースカバー301は、必ずしも開放する必要はなく、ケースカバー301が閉鎖状態であっても(図11(a)参照)、差込操作部372は、遊技機本体12の後側に露出されているので、差込操作部372に対して押下操作し、配線を引っ張り出しても良い。なお、配線の太さや曲げ剛性によっては、ケースカバー301の上板部401と配線支持部416との間に挟まれることで配線の引き出しが困難な場合があり、その場合においてはケースカバー301を開放してから配線を引き出すことが好ましい。
次に、遊技球が外部端子板ユニット203の上側に乗り上げた状況に対応した構成について説明する。外部端子板ユニット203は、遊技機本体12の背面最上部に設けられ、その外部端子板ユニット203の側方には、遊技球を貯留可能に上方に開口したタンク221が設けられている(図9参照)。タンク221には、島設備から遊技球が供給されるので、タンク221に向けて供給された遊技球同士が衝突したり、遊技機本体12の開閉操作によって貯留された遊技球が揺らされたりして、外部端子板ユニット203の上側に乗り上げる状況が起こり得る。この遊技球が、外部端子板ユニット203に対しての配線接続や配線の取り外し作業中において邪魔になる場合が想定される。
これに対し、外部端子板ユニット203の最上面は、図11(a)に示すように、ケースカバー301の上板部401によって上向きの平面状に形成されている。このため、外部端子板ユニット203の最上面に乗り上げた遊技球は、前側又は後側に転動し易く、手で軽く押すだけで容易に除去することができる。また、ケースカバー301を開放状態とすることにより、図15(b)に示すように、ケースカバー301の上板部401は、前側に下り傾斜した状態とされるので、カバー操作部426を操作して遊技球を除去することもできる。この場合において、ケースカバー301の上板部401に対して前側には、裏パック201の前側上面部312が連続し、この前側上面部312に対して側方にタンク221が上方に開口して設けられる(図4参照)。このため、作業者は、ケースカバー301の上板部401より前側に遊技球を移動し、タンク221側へ遊技球を押していくことでタンク221内に遊技球を押し戻すことができる。
ケースカバー301の上板部401より後側に遊技球が乗り上げた場合、ケースカバー301により上側が覆われた差込操作部372の後端より後側か、又は、コネクタカバー部409における背面壁422の上に遊技球が位置することとなる。すなわち、蓋板部435、リレー後側カバー部433、コネクタカバー部409の背面壁422のいずれかの上面に遊技球が乗り上げることとなる。この状況においては、遊技球が後側に案内されて下方へ流下するか、又は、上記したように、作業者によって遊技球がレール開口部222a内へと押し込まれる。
ここで、本実施形態におけるパチンコ機10に対して一部の構成を変更した変形例として、外部端子板ユニット203に対して遊技機本体12の後側に、遊技球をレール開口部222aへ案内する案内手段を設けても良い。この案内手段の構成について、図19を参照して説明する。図19は、外部端子板ユニット203の周りに案内手段が設けられた変形例を示す説明図である。なお、変形例の説明については、本実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分についてのみ説明し、同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
外部端子板ユニット203の周りには、案内手段として、遊技球をレール開口部222a側へ案内する後側案内板501、案内突部502及び側方案内板503が設けられている。後側案内板501は、リレー後側カバー部433における後側の端縁433aより下側において遊技機本体12の後側に連続する板状の合成樹脂製部材であり、裏パック201の後側上面部313の上にネジ等により固定されている。後側案内板501の上面は、レール開口部222a側に相当する背面視左側へ下降傾斜し、その上面には、左右方向に沿ってレール開口部222a側へ連続するようにして上側に線状に突出した突条部501aが複数並んで設けられる。
案内突部502は、蓋板部435の後側であって裏パック201の後側上面部313の上面に突出して複数並んで設けられる。案内突部502の上面は、蓋板部435の後側からレール開口部222aの前側の端縁222bに連続する下り傾斜面を形成し、案内突部502の上に位置した遊技球はレール開口部222aへと案内される。
側方案内板503は、外部端子板ユニット203の上面より僅かに下側に位置する上面を有する板状の合成樹脂製部材であり、その上面には、外部端子板ユニット203に対して背面視左側より後方側に連続し、外部端子板ユニット203の後側に位置するように背面視右側に曲がり、後端側部分がレール開口部222aの上側まで連続する突条部503aが複数並んで設けられている。突条部503aは、レール開口部222aに近い側ほど上面が低く形成され、側方案内板503の上に位置した遊技球はレール開口部222aへと案内される。側方案内板503の前側部分は、裏パック201の前側上面部312の後側に近接する位置まで連続し、ケースカバー301の上に乗り上げた遊技球は、裏パック201の前側上面部312を経由して容易に側方案内板503側に押し込み易くされている。
これら後側案内板501、案内突部502及び側方案内板503の少なくとも一つを設けることにより、外部端子板ユニット203に乗り上げた遊技球が、図19に付した矢印方向に沿ってレール開口部222aへ案内され易く、遊技球が遊技場内や遊技機本体12の背面側に散乱し難くすることができる。なお、必ずしも上方側に突出した形状により遊技球を案内する必要はなく、レール開口部222a側に遊技球を案内可能であれば、溝状に案内手段を構成する等、他の形状により構成しても良い。
次に、配線接続作業中において、外部端子板ユニット203の端子台343の上に遊技球が乗り上げた場合に対して遊技球を除去可能とする構成について、図20を参照して説明する。図20は、外部端子板ユニット203の端子台343の上に遊技球が滞留した状態を模式的に示した図である。
端子台343において差込部302が設けられる天面部361は、後方斜め上側を向き、その後側には配線支持部416が設けられているので、天面部361と配線支持部416とに下側が支えられて、それらの上に遊技球が滞留する場合が想定される。この滞留状態に対して本実施形態における外部端子板ユニット203は、ケースカバー301を閉鎖することにより遊技球が後側に押し出される構成とされ、具体的には、天面部361に対する配線支持部416の高さ位置及びケースカバー301の外部出力カバー部406の内面の移動方向が設定されている。
天面部361に対して配線支持部416は、天面部361の向く方向側に沿って遊技球の半径より低く、遊技球がケースカバー301の閉鎖操作によって押し出される高さ位置となるように設定されている。ケースカバー301の外部出力カバー部406は、その内面が天面部361と配線支持部416との上側に支持された遊技球に当接可能であって開放状態から閉鎖状態への切り替え動作により遊技球を遊技機本体12の後側に押し出す面となるように、ケースカバー301の回動中心軸J2の位置が設定されている。
詳細には、ケースカバー301の外部出力カバー部406の内面が側面視において天面部361と配線支持部416との上側に支持された遊技球に当接する接点P1と、遊技球の中心とを通る仮想直線L1に対し、配線支持部416の上端が下側に位置するようにケースカバー301の回動中心軸J2の位置と配線支持部416の高さ位置とが設定されている。これにより、天面部361と配線支持部416との上側に滞留した遊技球に対して遊技球の中央側へ向かう方向側への力が作用し、その力の合力によって遊技球がケースカバー301の閉鎖動作によって遊技機本体12の後方斜め上側に押し出されることとなって配線支持部416を乗り越えて後側に移動し、リレー後側カバー部433の上面等を経由して下方へ流下する。よって、配線接続作業中における遊技球の除去を容易に行うことができる。
次に、上記した手順とは別の手順によって外部端子板ユニット203へ外部機器の配線を接続する作業について、図21を参照して説明する。図21は、外部端子板ユニット203の取り外し手順を示す説明図である。上記した手順では、外部端子板ユニット203を遊技機本体12に取り付けた状態にしたままで、配線接続作業を行う説明をしたが、外部端子板ユニット203を遊技機本体12から取り外して外部機器の配線を接続し、外部機器の配線が接続された外部端子板ユニット203を遊技機本体12へ取り付けることにより外部機器の配線接続作業を行っても良い。
外部端子板ユニット203を遊技機本体12から取り外すのは、パチンコ機10が遊技場に設置される前の単体の状態でも良いし、パチンコ機10を遊技場に設置した後に、遊技機本体12を外枠11に対して開放して行っても良い。
遊技機本体12の背面右上側においては、図21(a)に示すように、外部端子板ユニット203からは背面右側の側面に開口する本体側配線通過口305から複数の配線が導出され、その配線が裏パック201の収容空間内へと連続している。裏パック201に外部端子板ユニット203を固定しているユニット固定手段としての係合爪部304は、本体側配線通過口305に対して遊技機本体12の前方斜め下側に位置している。このため、係合爪部304を操作することによる外部端子板ユニット203の取り外し操作が配線によって阻害されている。
作業者は、まず、ケースカバー301を開放状態にする。そして、外部端子板ユニット203のコネクタ342に接続される遊技機本体12側のコネクタ451と、外部端子板ユニット203のコネクタ342との接続を解除し、外部端子板ユニット203のコネクタ342に接続されていた配線452を本体側配線通過口305から離れた位置に移動する(図21(b)の状態)。これにより、係合爪部304が遊技機本体12の背面側から操作し易くなり、作業者は、係合爪部304の一部を外側から係合状態を解除する方向(図21(b)の矢印方向)へ押し込み操作することで係合爪部304と裏パック201の被取付部323との係合状態が解除され、外部端子板ユニット203が裏パック201から取り外される。
裏パック201から取り外した外部端子板ユニット203の単体に対して、作業者は、差込操作部372を操作しつつ差込部302に外部機器の配線を接続する操作を繰り返し行い、外部機器の配線接続を実行する。なお、必ずしも外部端子板ユニット203の単体に対して配線接続作業を実行する必要はなく、外部端子板ユニット203を固定するために、例えば、被取付部322,323と同一形状をした部位を遊技場の島設備に設けて、島設備に外部端子板ユニット203を固定した状態で配線接続が実行可能としても良いし、或いは、遊技機本体12の背面側における裏パック201の下側部分に被取付部322,323と同一形状をした部位を形成し、背の低い作業者が外部端子板ユニット203を遊技機本体12の背面側において低い位置に固定して配線接続作業を実行可能としても良い。
配線接続作業が完了した後には、ケースカバー301を閉鎖状態とし、その後に遊技機本体12の端子板取付部311に外部端子板ユニット203を固定する。この場合において、ケースカバー301を閉鎖状態とすることにより外部機器の配線が外れにくくなるので、配線接続が完了した外部端子板ユニット203の移動途中における配線の外れを防止することができる。そして、外部端子板ユニット203のユニット固定手段は、係合突部303と係合爪部304とによって構成され、ケースカバー301は閉鎖状態としたままで外部端子板ユニット203を端子板取付部311に取り付けることができ、外部端子板ユニット203の端子板取付部311への取り付け操作時における配線の外れも防止することができる。よって、外部端子板ユニット203を一旦取り外して配線接続を行った方が作業し易い作業者にも対応した外部端子板ユニット203とすることができ、配線接続の作業性を向上することができる。
また、コネクタカバー部409は配線が当接する外部出力カバー部406より回動中心軸J2から離間する方向側に連続している(図14参照)。このため、コネクタカバー部409に設けられるカバー操作部426を操作部として外部出力カバー部406を開閉操作することにより少ない力で大きな回動力を出力することができる。よって、複数の差込部302に多数の配線が接続された状態においても比較的容易に、外部出力カバー部406は閉鎖状態とすることができる。
このように、基板ベース332に設けられる係合爪部304によって、端子板取付部311に対して外部端子板ユニット203が取り付けられており、遊技機本体12の背面側から手操作により取付状態に対して係合爪部304による固定状態を解除して外部端子板ユニット203を移動することができる。このため、作業者は、外部端子板ユニット203を取付状態に対して移動させてから配線接続を行い、配線接続後に、取付状態に外部端子板ユニット203を復帰させることができる。このため、差込部302と差込操作部372との配置において配線接続がし難いと感じる作業者は、外部端子板ユニット203を移動して配線作業を行うことができる。
また、外部端子板ユニット203はケースカバー301を閉鎖状態にしたままで端子板取付部311に取付可能とされているので、外部端子板ユニット203を端子板取付部311から移動させた状態にして外部端子板ユニット203に配線を接続し、その後にケースカバー301を閉鎖状態にしてから、その閉鎖状態を維持したままで外部端子板ユニット203を取付状態に固定することができる。外部出力カバー部406はケースカバー301を閉鎖状態とすることによって配線の外れを防止することができるので、外部端子板ユニット203の取り付け操作時において一旦接続した配線が不用意に外れることを防止することができる。よって、外部端子板ユニット203を取り外して配線を接続する場合の作業性を向上することができる。
また、ケースカバー301(外部出力カバー部406)を閉鎖状態とした場合には、係合爪部304の外側面に対する解除操作が配線452によって阻害され、ケースカバー301を開放状態とすることにより配線を除去して阻害状態が解除可能とされている。このため、外部端子板ユニット203を取付状態に固定した状態の解除に際しては、ケースカバー301を閉鎖状態としたままに比べて開放状態とすることにより固定状態の解除を容易に実施することができる。一方、外部出力カバー部406は、閉鎖状態にしたままで外部端子板ユニット203を取付状態に固定可能である。よって、取付状態への外部端子板ユニット203の復帰作業は容易にしつつも、取付状態に対して移動する際の固定状態の解除には一定の困難性を付加し、不用意な外部端子板ユニット203の移動を抑制することができる。従って、作業者が誤って外部端子板ユニット203を変位させてしまうことを防止して作業効率の低下を抑制し、又、不正を目的として外部端子板ユニット203を変位させようとする作業の手間を増大して防犯性を高めることができる。
また、係合爪部304が設けられる背面右側の側面は、遊技機本体12の回動中心軸に近い回動基端側に相当し、遊技機本体12を開放させても容易には視認し得ない側面である。このため、外部端子板ユニット203の固定状態の解除は一層困難な設定とされ、作業者による誤った外部端子板ユニット203の移動を防止し、不正を目的とした外部端子板ユニット203の変位を困難にして防犯性を高めることができる。
なお、外部端子板ユニット203を端子板取付部311から取り外した後には、遊技機本体12側のコネクタ451と、外部端子板ユニット203のコネクタ342とを接続し直す必要がある。この接続操作は、外部端子板ユニット203を端子板取付部311から取り外した直後に行っても良いし、外部機器の配線接続後であって外部端子板ユニット203を取付状態とした後に、ケースカバー301を一旦開放状態にして行っても良い。また、外部端子板ユニット203を端子板取付部311から取り外す際に、外部端子板ユニット203のコネクタ342から遊技機本体12側のコネクタ451を取り外すことなく、ケースカバー301を開放状態とした後に配線452だけを移動させて外部端子板ユニット203を取り外しても良い。また、遊技機本体12側の配線452に対してコネクタ451とは逆側となる位置に設けられる別のコネクタを遊技機本体12から取り外して配線452を係合爪部304の外側から移動し、端子板取付部311から外部端子板ユニット203を取り外しても良い。
また、外部端子板ユニット203に接続される配線452によって外部端子板ユニット203の固定状態の解除操作が阻害される構成とする必要はなく、ケースカバー301の一部分によって解除操作が阻害される構成としても良い。例えば、ケースカバー301の閉鎖状態において係止爪部304の外側面に対応する解除操作部を覆う構成としても良く、側面壁423を延長して係止爪部304の外側部分を覆う部位を設けても良い。この場合であっても、ケースカバー301を閉鎖状態とすることにより、係止爪部304の操作が困難な阻害状態とし、ケースカバー301を開放状態とすることによって阻害状態を解除し、係止爪部304の操作が行い易い解除状態とすることができる。
次に、外部端子板ユニット203に設けられる間接表示手段について、図22及び図23を参照して説明する。図22(a)は、外部端子板ユニット203を側面側から見た断面図であり、図22(b)は、図22(a)の操作レバー353の一部分周辺を拡大視して示した図であり、図22(c)は、図22(b)に対して操作レバー353の接続状態を示した図である。図23は、外部端子板ユニット203を外部出力基板331の表面側から見た図である。なお、図22(a)及び図23には、作業者の指先を併せて図示すると共に、差込部302に接続される配線を図示している。
間接表示手段は、外部端子板ユニット203において作業者による配線接続の作業性を向上するために直接視認し得ない部分を間接的に表示する手段である。間接表示手段は、透光性材料により形成され、光の屈折を利用して間接的に表示する部材により構成しても良く、鏡面状に構成した反射面を利用して間接的に表示する部材により構成しても良い。
ここで、配線接続作業において操作される差込操作部372は、限られた大きさの外部端子板ユニット203において多数の配線を接続可能とするために幅狭で長さも短く形成されている。このため、端子台343に対して作業者が位置する遊技機本体12の後側に差込操作部372が突出する形状とした本実施形態における外部端子板ユニット203においては、配線作業を行う指に差込操作部372が隠れてしまって、出力される情報に対応して着色された差込操作部372の色の確認が困難となる場合が想定される。図22(a)及び図23に示すように、操作レバー353の差込操作部372に対して後方斜め上側に指が位置すると、配線作業中の操作レバー353が指に隠れてしまうのである。かかる場合には、接続する配線を誤って接続をやり直す状況が生じたり、色確認のために指先を操作レバー353から一旦離して再度操作を行う可能性が生じ得る。
これに対して、本実施形態における外部端子板ユニット203には、間接表示手段として配線支持部416が設けられている。配線支持部416は透光性材料(例えば、ポリカーボネート)により形成されて操作レバー353の上側に位置し、操作レバー353より高い位置において操作レバー353の一部分が配線支持部416に写されて後側より間接的に視認可能とされている。
図22(b)に示すように、後方斜め上側からの視線方向(図22(b)の矢印方向)に対して、配線支持部416における光の屈折により視認可能な方向が折れ曲がり、配線支持部416の上面に操作レバー353の一部が間接表示416cとして写された状態となる(図23参照)。このため、操作レバー353の色を指先の上側にて確認し、接続する対象となる配線と対比しながら作業を行うことができる。よって、配線の接続先を誤ったり、操作レバー353の再確認を行ったりする状況が低減し、簡易に配線接続作業を行うことができる。
また、配線支持部416は、差込部302に接続された配線の真下に位置して配線を支持する部位であるので、接続する対象となる配線と間接表示416cとして表示される操作レバー353の色とを上下に並べて確認しながら配線接続作業を行うことができる。よって、配線の接続ミスを一層低減することができ、また、間接表示手段を専用の部材により構成する場合に比べて低コストで作業性を向上することができる。
配線支持部416の上面は、図22(a)に示すように、後方斜め上側を向く面と、上方を向く面と、前方斜め上側を向く面とを組み合わせて構成され、また、前後方向における中央部分が下側に凹んだ形状をなして上方に突出する2つの突部416a,416bが前後に並んだ断面形状とされている。2つの突部416a,416bは、前側の突部416aが低い位置に設けられ、後側の突部416bが高い位置に設けられている。また、2つの突部416a,416bは、前側が側面視円弧状とされ、前側とは異なり、後側が3つの平面を組み合わせて側面視で折れ曲がった外形形状とされている。配線支持部416における下側部分の形状は、上方における突部の数とは異なり前後方向における略中央1カ所において下側に突出する形状とされている。配線支持部416の上面として、複数の方向側を向く面により構成し、また、高さ位置を異ならせた複数の突部を前後に位置を違えて断面形状も異ならせて形成し、さらには、上下の突部の数を異ならせることにより、遊技機本体12の背面側から配線支持部416を作業者が視認した場合において、作業者毎に異なる高さ位置から異なる角度で配線支持部416を視認したとしても、配線支持部416における光の屈折及び反射により操作レバー353の色が遊技機本体12の後側から確認可能とされている。
なお、配線支持部416の上面および下面形状は、上記実施形態における位置、数及び形状に限らず、上下の突部の数を異ならせても良いし、2つの突部416a,416bの形状を前後で入れ替えても良いし、2つの突部416a,416bの断面形状を同一形状としても良いし、2つの突部416a,416bの高さ位置を同一にし、又は後側の突部416bを低く配置しても良い。
また、ケースカバー301を間接表示手段として構成しても良く、例えば、ケースカバー301に反射機能を付加しても良い。例えば、図22(a)に示すように、ケースカバー301の外部出力カバー部406に光を反射可能とする反射部511をアルミ蒸着やメッキ処理により形成する。この反射部511は、透光性を有するハーフミラーにより鏡面状に構成しても良いし、透光性を有しない鏡面により構成しても良い。また、反射部511は、差込部302が形成されるケースカバー301の左右方向の全域に渡って形成することが好ましい。反射部511の形状及び大きさは、ケースカバー301の形状を異ならせて他の形状にしても良いし、必ずしもケースカバー301のみに設ける必要はなく、基板ベース332の一部分として反射部を設けても良い。
ケースカバー301を開放状態とすると、差込部302に対して上側において反射部511が後方斜め下側を向くように位置し、遊技機本体12の後方斜め上側からの視線方向(図22(a)における反射部511に向かう矢印方向)に対して、反射部511に差込部302が間接表示511aとして写された状態となる。この場合において、差込部302を挟んで一方側に相当する前方斜め上側(図22(a)の左上側)に反射部511が位置し、他方側に相当する後方斜め下側(図22(a)の右下側)に操作レバー353の一部が位置し、反射部511によって操作レバー353の色を確認することもできる。また、反射部511には、接続する対象となる配線の先端部分も写されることとなり、配線の先端部分を差込部302に近づけることによって差込部302の間接表示511aの周辺部分に、例えば間接表示511b(図23参照)として写された状態となる。
ここで、本実施形態における外部端子板ユニット203は、差込部302が作業者に対して奥側に位置するため、配線の先端を差込部302の開口に位置合わせし難い状況が起こり得る。特に、外部機器の配線は、遊技機の入れ替えにおいて同一の配線を繰り返して使用するために、先端部分が折れ曲がり易く、位置合わせが困難な状況が生じ易い。
これに対し、ケースカバー301の反射部511に差込部302及びその周辺部分が反射して写る構成とすることにより、図23に示すように、配線と差込部302との相対位置を、後方側から直接視認するだけでなく、ケースカバー301の外部出力カバー部406によって上方側、詳細には前方斜め上側から間接的に視認することができる。このため、遊技機本体12の前側から視認した場合における差込部302への配線の入り込み状況を複数の方向側から確認しつつ作業することができる。
加えて、差込部302に対して奥側であって端子台343の奥側に不正部品が設置されていないかの確認についても、反射部511が設けられることによって死角を少なくして実施できる。複数種類の色に着色された差込操作部372の色についても、差込部302を通じて、また透光性を有する配線支持部416を反射部511が反射することによって、確認することができる。
更に、ケースカバー301が前後に回動動作可能に構成されているので、ケースカバー301の角度を調整することで、視点位置を固定したままでも別の角度から差込部302の周辺部分を別方向から確認することができる。よって、外部端子板ユニット203に対しての外部機器の配線接続作業を一層簡易にして作業性を向上し、また、端子台343の奥側部分や差込操作部372の色についても確認し易いものとすることができる。
このように、差込操作部372より上側には間接表示手段として配線支持部416及び反射部511が設けられ、差込操作部372及び差込部302の一部が配線支持部416及び反射部511により遊技機本体12の背面側より間接的に視認可能とされている。このため、作業者は、配線支持部416及び反射部511を通じて差込操作部372または差込部302を別の方向側から確認した状態で配線作業を行うことができる。よって、外部機器の配線接続作業の作業性を向上したり、外部端子板ユニット203における周辺部分に対する不正部品を発見し易くして防犯性を高めることができる。
なお、図22(c)に示すように、操作レバー353の一部分に他の部分とは別の色であって複数の操作レバー353において共通する色を付した共通色部353a,353bを設けても良い。例えば、外部端子板ユニット203に複数並んで配置される異なる色が付された操作レバー353に対して、共通色部353a,353bは、印刷又は塗装により黒色に着色される。
操作レバー353には、差込部302を通じて作業者から視認される位置であって、差込部302内に臨む表面部分に設けられる差込部内着色部353aと、配線支持部416を通じて作業者に間接的に視認される配線支持部416に臨む表面部分に設けられる配線支持部側着色部353bとが設けられている。差込部内着色部353aに付された色は、作業者から反射部511と差込部302とを通じて間接的に視認される。
共通色部353a,353bが設けられる範囲は、操作レバー353の差込操作部372が操作されていない接続状態(非操作状態)において差込部302及び配線支持部416によって視認可能な一定の範囲に限定して設けられている。操作レバー353の差込操作部372が操作状態とされた場合には、差込部302及び配線支持部416に対して共通色部353a,353bが相対的に移動し、差込部302及び配線支持部416に臨む範囲が少なくなり、共通色部353a,353bが付されていない部位に相当する操作レバー353の樹脂色(すなわち、操作レバー353毎に付された専用色)が差込部302及び配線支持部416を通じて視認可能とされている。
配線接続作業の対象となる操作レバー353を操作状態とした場合には、図23に示すように、配線支持部416のうち操作状態とした操作レバー353の上側部分に操作レバー353毎に付された専用色が間接表示416cとして表示される。一方、配線支持部416のうち非操作状態の操作レバー353の上側部分には、配線支持部側共通色部353bに付された黒色が間接表示416cとして多数並んで表示される。
また、配線接続作業の対象となる操作レバー353を操作状態とした場合、反射部511には、操作状態とした操作レバー353の位置に対応した差込部302の上側に操作レバー353毎に付された専用色が間接表示511aとして表示される。一方、反射部511のうち非操作状態の操作レバー353に対応した差込部302の上側部分には、差込部内共通色部353aに付された黒色が間接表示511aとして表示される。
すなわち、操作レバー353を操作状態とすることにより、操作レバー353に付された専用色が間接表示416c,511aとして作業者から確認可能に表示される。よって、作業者は、複数の中から適切な操作レバー353を操作状態としていることを容易に確認しながら配線接続作業を行うことができる。
また、共通色部353a,353bに付される色は、端子台343の本体部352と同一の黒色に設定されているので、配線支持部416及び反射部511の間接表示416c,511aとして、操作状態としていない部分の色として黒色部分の範囲が広くなる。よって、操作状態とした操作レバー353の専用色が目立ち易く、作業者が確認し易いものとすることができる。なお、共通色部353a,353bに付される色は、必ずしも黒色とする必要はないが、端子台343の本体部352と同一の色に設定することが好ましい。また、必ずしも、差込部内着色部353aと配線支持部側着色部353bとの両方を設定する必要なく、いずれか一方であっても良い。
また、差込操作部372が操作状態とされている場合には、非操作状態とされている場合に比べて、遊技機本体12の背面側における斜め上方向視において操作レバー353の専用色(樹脂色)と共通色部353a,353bとのうち操作レバー353の専用色が間接表示として表示される比率が高く設定されていれば良く、共通色部353a,353bが操作状態においては配線支持部416及び反射部511の間接表示416c,511aとして全く表示されない構成としても良いし、共通色部353a,353bの表示される比率が減少するものの間接表示416c,511aとして一部が表示される構成としても良い。操作レバー353の専用色(樹脂色)の部分については、操作状態においてのみ配線支持部416及び反射部511の間接表示416c,511aとして表示されることが好ましいものの、操作レバー353の専用色(樹脂色)が非操作状態においても遊技機本体12の背面側から間接表示416c,511aとして視認可能とされる場合でも、操作レバー353の専用色が操作状態とすることによって間接表示として表示される比率が高くなる構成であれば良い。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
上記実施形態における外部端子板ユニット203を遊技機本体12の背面側において他の位置に配置しても良く、遊技機本体12の背面上部であって遊技機本体12の回動中心軸から離間した側に配置しても良い。遊技機本体12の背面上部に外部端子板ユニット203が設けられることにより、外部機器の配線接続作業の作業性を向上しつつ、遊技盤23の背面側のスペースを前後方向に幅広く確保することができる。また、外部端子板ユニット203を取付状態から移動して配線接続を行うことにより配線接続の作業性を向上する点に着目した場合、および、間接表示手段によって配線接続の作業性を向上する点に着目した場合には、必ずしも外部端子板ユニット203が遊技機本体12の背面上部に配置されている必要はなく、遊技機本体12の背面における上端から離間した位置や、遊技機本体12の下側等の他の位置に外部端子板ユニット203を配置しても良い。
上記実施形態における外部端子板ユニット203に代えて、外部端子板ユニット203が遊技機本体12の後側において変位動作可能に支持される構成としても良い。例えば、外部端子板ユニット203が、裏パック201によって遊技機本体12の背面側において下側部分を中心として後方側へ起立するように揺動可能に支持される構成としても良く、又は外部端子板ユニット203が、裏パック201によって遊技機本体12の背面側にスライド移動可能に支持される構成としても良い。遊技機本体12の後側において外部端子板ユニット203が変位可能とされることにより、作業者によって作業し易い位置が異なる場合に作業者に適した位置に外部端子板ユニット203を移動して配線接続作業を行うことができ、その後に元の位置に外部端子板ユニット203を移動することができる。元の位置への移動の際には、ケースカバー301を閉鎖状態とすることにより、配線の外れを防止することができるので、外部端子板ユニット203の取り付け操作も容易に行うことができる。
上記実施形態におけるケースカバー301の外部出力カバー部406に外部機器の配線の途中部分を間に挟み込み可能な溝部521を設けても良い。図24は、変形例としてケースカバー301の外部出力カバー部406に溝部521が設けられた外部端子板ユニット203を示した図である。ケースカバー301の外部出力カバー部406における遊技機本体12の後側に相当する端部には、複数の差込部302のそれぞれに対して上方側に位置して、下側に開口した断面コ字状の溝部521が設けられている。外部機器の配線接続作業において、作業者は、ケースカバー301を開放状態としてから、溝部521に対して外部機器の配線の途中部分を挿入し、溝部521により配線を支持させた状態とする。その後、ケースカバー301を閉鎖状態とすると外部機器の配線の先端部分が差込部302に近い位置に移動する。このように、配線を差込部302の近い位置に移動させた後に配線と差込部302との位置合わせを行うことにより、位置合わせにおける移動量を少なくすることができる。よって、配線接続作業中においてもケースカバー301を利用して配線の接続作業の作業性を向上することができる。
上記実施形態における裏パック201の構成に加えて、外部端子板ユニット203の係合爪部304の側面部分に重なる板状部分を取付基部321より後方斜め上側に突出して設け、裏パックユニット15を開放し、裏パック201の内面側であって取付基部321の前方斜め下側より係合爪部304を操作することにより外部端子板ユニット203を取り外し可能としても良い。この場合においても、外部端子板ユニット203の取り付けは、ケースカバー301を閉鎖状態としたままで遊技機本体12の背面側から容易に実施できる一方、外部端子板ユニット203の取り外し操作が係合爪部304の側面部分に重なる板状部分によって阻害されて固定状態の解除に手間が生じて困難となる。よって、外部端子板ユニット203を誤って変位させることによる作業効率の低下を抑制し、又、不正に外部端子板ユニット203を変位する作業の手間を増大して防犯性を高めることができる。
上記実施形態における外部端子板ユニット203のユニット固定手段の構成に代えて、係合突部303を係合爪部によって形成し、複数の係合爪部によって外部端子板ユニット203を固定する等、他の構成によりユニット固定手段を構成しても良いし、回動操作可能な操作レバーを裏パック201側に設け、外部端子板ユニット203を取付状態にした後に操作レバーを回動操作することで外部端子板ユニット203が固定する構成しても良く、ネジ止めにより外部端子板ユニット203を取付状態に固定する構成としても良い。この場合において、ケースカバー301を閉鎖状態としたままで外部端子板ユニット203に固定可能な構成とすることが、外部端子板ユニット203を変位させて取付状態とする際に配線を外れ難くすることができるために好ましい。
上記実施形態において外部端子板ユニット203がパチンコ機10単体の状態で取り外し可能とした構成に代えて、外部端子板ユニット203を、外枠11に対して遊技機本体12を一定量以上開放した場合に限って取り外し可能としても良い。また、外枠11に対して遊技機本体12を一定量以上開放した場合に限ってケースカバー301を開放可能としても良い。図25は、上記実施形態にして、外枠11に制限部材530が設けられた変形例を示した図である。外枠11の上部内面には、図25に示すように、前端部がネジ等により固定され、外枠11の後端面より外部端子板ユニット203のケースカバー301の上側に重なるように後側に連続する金属板により形成される制限部材530が設けられている。遊技機本体12が閉鎖された状態および遊技機本体12を僅かに開放した状態においては、外部端子板ユニット203が制限部材530に当接するので上方側への取り外しが不能とされ、また、ケースカバー301が開放操作時に制限部材530に当接し、上方に移動不能なために外部出力カバー部406の開放が不能とされる。外部端子板ユニット203が外枠11より前側に位置する一定量分、遊技機本体12を開放することで、外部端子板ユニット203を取り外したり、外部出力カバー部406を開放状態とすることができる。これにより、遊技機本体12を僅かに開放して不正な工具等を挿入し、ケースカバー301を開放状態にして外部出力カバー部406を開放して不正な部材を外部出力基板331に設置する等の不正行為を防止することができる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり等の抽選機能のないいわゆる普通機として採用されても良い。球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンに本発明を適用しても良い。スロットマシンにおいては、例えば、支持体として、前方側が開口した箱状の筐体と、支持体に対して前方側に開閉可能な扉体とを備え、扉体の背面側における上側部分に上記実施形態と同様に外部端子板ユニットを設けても良い。
外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機に本発明を適用しても良い。スロットマシン等のスタートレバーの操作により回転するリールを有する遊技機における遊技領域としては、表示窓から視認可能な特定図柄の表示される領域が該当する。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
パチンコ機等の遊技機には、その背面側に、ホールコンピュータ(管理装置)等の外部機器に遊技機に関する情報に対応した信号を出力するための外部出力端子板が設けられている。外部機器に出力される信号としては、大当たりの発生を示す信号、遊技機に設けられる扉体(外枠に対して開放される遊技機本体や、透明ガラスが設けられる前扉枠)の開放を示す信号、エラー状態の発生を示す信号等がある。外部出力端子板には各信号別に個別に情報を出力する接続用の端子が設けられ、各端子に対しては、遊技場の島設備において各遊技機毎に準備された複数の配線が接続される。各信号は、管理装置に入力されて多数の遊技機の情報が一括して管理されたり、又は島設備において各遊技機に対応して設置された大当たり回数等を表示するデータカウンタ(遊技情報表示装置)の表示情報として利用されたりする(例えば、特開2011ー024683号公報参照)。
<特徴A群>
従来の遊技機においては、外部機器に出力される信号の種類を多く設定しようとすると、外部端子板ユニットも大きくなって遊技機背面側における部品の配置が困難になる場合が生じ得るという問題点があった。また、パチンコ機の背面側に遊技装置として大型の表示装置等を設置しようとする場合等、他の装置との位置関係において外部端子板ユニットの配置スペースの確保が困難になる場合が生じ得るという問題点があった。また、外部端子板ユニットの配置位置や大きさによっては、外部機器の配線接続作業の作業性が低下してしまう可能性があるという問題点があった。
<特徴A1>
支持体(外枠11)に対して前方側に開閉可能に支持される開閉体(遊技機本体12)と、該開閉体の背面側に設けられ、外部機器の配線を接続することにより遊技機に関する情報を遊技機外部に出力可能とする外部出力手段(外部端子板ユニット203)とを備えた遊技機(パチンコ機10)において、
前記開閉体は、該開閉体の背面側に設けられる遊技装置(図柄表示装置94、制御装置142,143)と、
該遊技装置が配置される収容空間を形成する部材であって、該収容空間の背面側であって上側部分を少なくとも覆う背面カバー手段(裏パック201)とを備え、
前記外部出力手段は、前記背面カバー手段の上端部であって前記開閉体の上面の一部及び背面の一部を構成する位置に設けられ、
前記外部出力手段には、
前記開閉体の後方斜め上側を向く後面を有する外部出力基板と、
該外部出力基板の後面側に設けられ、前記開閉体の後方斜め上側に開口し、前記外部機器の配線を差し込み可能な差込部と、
該差込部に対して前記開閉体の後側に位置し、前記配線が前記差込部内に差し込まれて前記外部出力手段と前記外部機器とが接続された接続状態と前記配線を抜き差し可能な操作状態とを切り替えるための移動操作が行われる差込操作部とが設けられ、
該差込操作部と前記差込部との組合せは、前記開閉体の左右方向に複数並んで設けられ、
前記差込操作部は、下側に移動操作可能な向きにして前記外部出力基板の前記後面側に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴A1記載の遊技機によれば、外部機器の配線接続作業の作業性を向上しつつ、遊技装置の設置スペースを前後方向に幅広く確保可能な遊技機を提供することができる。
すなわち、外部出力手段が背面カバー手段の上端部であって開閉体の上面の一部を構成する位置に設けられるので、外部出力手段を高い位置に設置し、その分、遊技装置が配置される収容空間の前後幅を収容空間の上端部まで広く形成することができる。
また、外部出力手段が開閉体の上面の一部及び背面の一部を構成する位置に設けられるので、開閉体を開放した状態においては外部出力手段の上側から後側に連続する空間を作業スペースとすることができる。よって、外部出力手段を、斜め上側における作業に適した視点位置から容易に確認可能とし、また、外部機器の配線の接続や取り外し作業についても広い空間を利用して容易に行うことができる。
更に、複数の差込部は開閉体の後方斜め上側に開口するので、作業者は、開閉体の背面側に位置した状態で、差込部の開口位置を容易に確認しながら作業を進めることができる。
また、複数の差込部に対して差込操作部が開閉体の後側に設けられ、差込操作部を操作する手は差込部の手前側に位置することとなるので、その手が視点と差込部との間に介在して差込部の視認性を阻害することが抑制される。よって、配線作業中における差込部の視認性についても良好なものとすることができる。更に、差込操作部が下側に移動操作可能に設けられるので、差込操作部に対する操作は手の重みを利用して簡易に行うことができる。
しかも、複数の差込部及び複数の差込操作部の組合せが開閉体の左右方向に並んで設けられるので、背面カバー手段の上面と背面とが連続するコーナー部分に多数の差込部と差込操作部との組合せを横並びにしてコンパクトに配置することができる。よって、外部機器へ出力される情報の種類を増やしつつ、配線作業の作業性は高く維持し、且つ、遊技装置の設置スペースを広く確保することができる。
また、外部出力基板は、開閉体の後方斜め上側を後面が向く配置とされているので、外部出力基板の後面を開閉体の後方に真っ直ぐに向く配置とするよりも開閉体背面視における外部出力基板の占有面積を縮小し、外部出力基板の下端を高い位置に設定することができる。このため、外部出力基板の下側に設けられる部品を高い位置に配置可能とし、遊技装置が配置される収容空間の前後幅を好適に広く形成することができる。また、外部出力基板が真上を向く場合に比べて、外部出力基板の後面や差込部、差込操作部といった各部位の視認性を良好にして作業性の良い外部出力手段とすることができる。
<特徴A2>
前記背面カバー手段の背面側には、前記開閉体の背面側における上部から遊技球を下側に案内する案内通路が設けられると共に、その案内通路の一部として前記開閉体の左右方向に連続し、少なくとも一部において上方側に開口した上側開口部(レール開口部222a)を有する横通路(タンクレール222により形成される通路)が設けられ、
前記外部出力手段は、前記外部出力基板の後面における少なくとも一部を覆いつつ前記開閉体の後側に下り傾斜した傾斜面部(リレー後側カバー部433、コネクタカバー部409の背面壁422)を有する基板ベース部材(基板ベース332)を備え、
該基板ベース部材は、前記上側開口部における少なくとも一部の前側に位置する所定の端縁(端縁222b)に対して前記開閉体の前側であって高い位置から低い位置まで連続する大きさに設定され、
該傾斜面部の下側の端縁(端縁422a,433a)は、前記所定の端縁に対して前記開閉体の前側における高い位置に設定されていることを特徴とする特徴A1記載の遊技機。
特徴A2記載の遊技機によれば、基板ベース部材によって外部出力基板の後面の少なくとも一部が覆われるので、その一部に設けられる電子部品や基板の一部を遊技球の当接から保護し、また、不正な部品の基板上への設置を困難にして防犯性を高めることができる。
また、横通路の上側開口部における所定の端縁に対して、基板ベース部材は、開閉体の前側において高い位置から低い位置まで連続する大きさに設定されている。このため、横通路を背面カバー手段における高い位置に配置することができ、遊技装置が配置される収容空間の前後幅を収容空間の上端部まで広く形成することができる。
また、基板ベースに設けられる傾斜面部の下側の端縁は、横通路の上側開口部における所定の端縁より高い位置に設定されているので、開閉体の背面側において傾斜面部上に乗り上げた遊技球を上側開口部内に進入させ易い構成とすることができる。すなわち、遊技機に供給される遊技球の一部が案内通路から外れて外部出力手段上に乗り上げたとしても、その遊技球を持ち上げることなく、上側開口部内に導入することができる。具体的には、外部出力手段上の遊技球を直接的に上側開口部に押し込んだり、他の部材の上面を経由して上側開口部に案内される構成としたり、或いは作業者が傾斜面部上を流下する遊技球を手で受け止めて上側開口部内に流し込むことができる。よって、外部出力基板の後面を開閉体の後方斜め上側に向けた構成であっても、遊技球が外部出力基板の後面上に滞留してしまう状況を抑制して配線作業の効率を高めつつ、且つ、適切な遊技球の流下経路である案内通路に遊技球を導入し易くして遊技場や開閉体の背面側に遊技球が散乱する事態を抑制することができる。
<特徴A3>
前記差込部および前記差込操作部の上側であって前記差込部より前記開閉体の前側から前記差込操作部における後側端部まで少なくとも連続する長さを有する外部出力カバー部と、
該外部出力カバー部を、前記差込部より前記開閉体の前側に位置し、前記開閉体の左右方向に連続する回動中心軸を中心として上側へ回動可能に支持するカバー回動支持手段(回動軸部395)とを備え、
前記外部出力カバー部は、前記カバー回動支持手段により、前記差込部に対して前記開閉体の後方斜め上側に位置した閉鎖状態と、前記差込部に対する前記開閉体の後方斜め上側に対して前記開閉体の前側に位置した開放状態とを切り替え動作可能に構成されていることを特徴とする特徴A1またはA2記載の遊技機。
特徴A3記載の遊技機によれば、遊技機を遊技場に設置する場合に外部出力カバー部により差込部及び差込操作部が覆われた状態とする。これにより、開閉体の背面側を流下する遊技球が外部出力手段上に乗り上げたとしても、差込操作部への上側からの遊技球の衝突を回避することができる。よって、差込操作部が不用意に押下されて外部機器の配線が外れてしまう事態を回避することができる。また、外部出力カバー部により差込部が覆われた状態とすることができるので、差込部へのゴミや埃等の進入を抑制することができ、差込部の上側に遊技球が滞留して配線作業を妨害するといった事態も回避することができる。
また、外部出力手段に対して外部機器の配線の接続作業をする場合に、作業者が外部出力カバー部を上側へ回動すると、外部出力カバー部は、差込部に対する開閉体の後方斜め上側に対して開閉体の前側に位置した状態となる。このため、作業者は、開閉体の背面側に位置することで、差込部及び差込操作部の視認性が良好で、且つ、作業スペースが広く確保された状態で配線作業を行うことができる。
<特徴A4>
前記差込操作部は、前記開閉体の後側に突出した形状とされ、
前記外部出力カバー部は、前記閉鎖状態において前記差込操作部に対して上側に隙間を隔てて離間した高さ位置に設けられ、前記差込操作部の突出方向先端側端部の上側に略一致した位置に後端部を有する前後長さに設定されていることを特徴とする特徴A3記載の遊技機。
特徴A4記載の遊技機によれば、外部出力カバー部が閉鎖された状態においても、差込操作部の上面を、開閉体の後方斜め上側より押下操作することができる。よって外部出力カバー部を開放しなくても、差込操作部を操作して外部機器との配線の接続状態を解除することができ、遊技機の取り外し作業における配線取り外しの作業性を向上することができる。
<特徴A5>
前記外部出力カバー部は、前記閉鎖状態において上下方向に厚みを有する板状に形成され、前記閉鎖状態における下向き面の向く方向側から該下向き面に照射される光を反射可能な鏡面状の反射部を有することを特徴とする特徴A3又はA4記載の遊技機。
特徴A5記載の遊技機によれば、外部出力カバー部を開放状態とし、開閉体の背面側から外部出力カバー部の反射部を視認することにより、反射部により反射した方向側の状況を確認することができる。よって、開閉体の前側から視認した場合における差込部への配線の入り込み状況の確認や、差込部周辺に不正部品が設置されていないかの確認等を容易に実施でき、また、外部出力カバー部の開放角度を変化させることにより視点位置を変えることなく確認可能な範囲を広げることができる。従って、配線の接続作業をより正確に実施可能とし、且つ、外部出力手段周辺に設置した不正部品の検出を容易にして不正行為を抑制することができる。
<特徴A6>
前記外部出力カバー部における前記開閉体の後側端部には、前記差込部に対応した位置に前記外部機器の配線の途中部分を間に挟み込み可能な溝部が設けられていることを特徴とする特徴A3からA5のいずれかに記載の遊技機。
特徴A6記載の遊技機によれば、外部機器の配線接続作業において、作業者は、外部出力カバー部を開放状態としてから、溝部に対して外部機器の配線の途中部分を挿入し、溝部により配線を支持させた状態とする。その後、外部出力カバー部を閉鎖状態にすることで外部機器の配線の先端部分を差込部に近い位置に移動して配線の接続作業を行うことができる。このため、配線接続作業中においても外部出力カバー部を利用することができ、配線の接続作業の作業性を向上することができる。
<特徴A7>
前記開閉体の前後方向における前記差込部と前記差込操作部との間部分であって、前記差込部及び前記差込操作部より上方側に位置し、前記開閉体の左右方向に連続する上面を有する配線支持部を備えていることを特徴とする特徴A1からA6のいずれかに記載の遊技機。
特徴A7記載の遊技機によれば、配線支持部が差込部と差込操作部との間部分において差込部より上方側に位置するので、配線支持部に外部機器の配線を載置した状態にしてから、配線の左右方向の位置を調整して配線の接続作業を行うことができる。よって、差込部への配線を差し込む際の位置合わせ作業を容易に行うことができる。
また、配線支持部の上面が差込操作部より上方側に位置するので、外部機器の配線が接続された後には、配線が差込操作部より上方側を経由して開閉体の後側に引き回されることとなる。よって、配線の重みが差込操作部に直接的に負荷されることを防止して開閉体の開閉操作等において不必要に配線が外れてしまう事態を回避することができ、また、差込部の出口付近において小さな曲率半径で配線が引き回される状況を回避して断線を防止することができる。
ここで、特徴A3に従属する特徴A7記載の遊技機においては、配線支持部の上面は、差込部に対して遊技球の半径より低い高さ位置に設定され、外部出力カバー部は、配線支持部と差込部との上側に支持された遊技球に当接可能であって、開放状態から閉鎖状態への切り替え動作により当該遊技球を開閉体の後側に押し出す押し出し面を有することとしても良い。この場合には、配線接続作業において、配線支持部と差込部との上側に遊技球が乗り上げた状況となっても、外部出力カバー部を開閉操作して容易に遊技球を取り除くことができる。
<特徴A8>
前記外部出力基板の後面において前記開閉体の左右方向に並べて設けられ、前記外部機器への情報出力数に対応した数分の差込部を有する複数の端子部材(端子台343)と、
前記外部出力基板の後面であって前記複数の端子部材に対して前記開閉体の後方斜め下側にて前記開閉体の左右方向に並べて設けられ、前記端子部材より前記外部出力基板からの高さが低い複数の電子部材(フォトモスリレー344)と、
前記複数の端子部材及び前記複数の電子部材に対して該端子部材及び該電子部材が並べられた方向に沿った一方側に設けられ、前記外部出力基板の後面に沿って前記開閉体の前側に相当する部分に対して前記開閉体の後側に相当する部分が斜め下側に連続する向きに複数の端子が並んだ状態にして前記外部出力基板の後面に設けられ、前記外部出力基板に情報を入力する配線が接続される接続部材(コネクタ342)とを備えていることを特徴とする特徴A1からA7のいずれかに記載の遊技機。
特徴A8記載の遊技機によれば、背面カバー手段の上面と背面とが連続するコーナー部分において上下高さ及び前後幅をコンパクトにして、複数の端子部材、複数の電子部材および接続部材を好適に配置することができる。よって、外部機器へ出力される情報の種類を増やしつつ、配線作業の作業性は高く維持し、且つ、遊技装置の設置スペースを広く確保することができる。
また、接続部材に対して接続される配線は、接続部材に対して開閉体の後方斜め上側を経由して他の部位へと引き回される。この部分は、外部出力基板の後端より鉛直上方に向かう仮想線と外部出力基板の上端より開閉体の後方に向かう仮想線とで囲われる側面視三角形状の領域部分又はその領域付近に相当し、その領域周辺を配置スペースとして複数の配線を束ねた状態または一纏めにして配線を配置することで、背面カバー手段に対して後側及び上方側に大きく突出させることなく多数の配線を配置することができる。よって、開閉体の後側上部における角部分を配線の配置スペースとして有効的に利用することができ、前後及び上下における使用可能寸法が限られた遊技機において、開閉体の後側及び上側に突出させることなく多数の配線を容易に配置することができる。
<特徴B群>
従来の遊技機においては、背面側に外部出力端子ユニットが搭載された遊技機本体の開閉を実施した場合に外部機器に出力される信号の配線に負荷がかかって、外部出力端子ユニットから配線が外れる可能性があるという問題点があった。この一方で、外部出力端子ユニットと外部機器の配線との接続を強固にしようとすると、配線接続作業の手間が増大したり、配線の抜き差しが困難になったりする可能性があるという問題点があった。
<特徴B1>
支持体(外枠11)に対して前方側に開閉可能に支持される開閉体(遊技機本体12)と、該開閉体の背面側に設けられ、外部機器の配線を接続することにより遊技機に関する情報を遊技機外部に出力可能とする外部出力手段(外部端子板ユニット203)とを備えた遊技機(パチンコ機10)において、
前記外部出力手段には、
外部出力基板と、
該外部出力基板に設けられ、前記外部機器の配線を差し込み可能な差込部と、
該差込部に前記配線が差し込まれて前記外部出力手段と前記外部機器とが接続された接続状態と前記配線を抜き差し可能な操作状態とを切り替えるための移動操作が行われる差込操作部と、
前記差込部に対して該差込部の開口する方向側に設けられる外部出力カバー部と、
該外部出力カバー部を、前記差込部の開口する方向側における所定位置に配置されて、前記配線の配置空間として曲がった隙間空間を形成する第1状態と、該第1状態より前記差込部から離間する方向側へ移動して前記配線の配置空間として前記差込部の開口する方向側が開放された第2状態との間を回動可能に支持するカバー回動支持手段(回動軸部395)と、
該カバー回動支持手段に支持される外部出力カバー部が前記第1状態とされた状況において、前記差込部側を向く内面に対向する位置に設けられ、該差込部より前記内面に近い位置にて前記配線の配置空間を形成する配線支持部とが設けられ、
前記外部機器の配線が前記外部出力手段に接続された状態において前記カバー回動支持手段に支持された前記外部出力カバー部を前記第1状態とすることにより、前記差込部に一端部が差し込まれた配線が前記外部出力カバー部に当接して曲げられた状態とされて前記開閉体の背面側に引き出されることを特徴とする遊技機。
特徴B1記載の遊技機によれば、外部機器の配線が作業者の意図に反して外れてしまう事態を抑制し、必要な場合に限定して配線の抜き差しを容易化することができる遊技機を提供することができる。
すなわち、差込操作部の操作により差込部に差し込まれた外部機器の配線は、カバー回動支持手段の支持により第1状態とされた外部出力カバー部により曲げられた状態とされ、外部出力カバー部と配線支持部との間に設けられる隙間空間を経由して差込部に接続される。このため、外部機器の配線に対して配線が抜き出される方向側への引張力が発生した場合に、その引張力の一部が外部出力カバー部又は配線支持部により支持される状況が生じ易く、この場合には差込部に負荷される引張力を軽減することができる。よって、外部機器の配線が遊技機に接続された状況において配線に不用意に負荷が加えられても配線が差込部から外れてしまう事態を抑制することができる。
一方、外部出力カバー部を第2状態とすることにより外部出力カバー部は、第1状態より差込部から離間する方向側へ回動し、配線の配置空間として差込部の開口する方向側が開放された状態となる。この状態においては、外部機器の配線に対して配線が抜き出される方向側への引張力が直接的に差込部に伝達されるので、配線を取り外す操作を容易に行うことができる。また、第2状態においては差込部の開口する方向側に外部出力カバー部が位置しないので、差込部を作業者が視認し易く、また第1状態に比べて配線を差込部の開口に向けて差し込む際に外部出力カバー部が邪魔になり難いので、配線を容易に差込部に差し込むことができる。よって、必要な場合に限定して外部機器の配線の抜き差しを容易化することができ、配線接続の作業性を良好なものとすることができる。
また、外部機器の配線は全ての遊技場において一致したものが使用されるものでなく、複数種類の配線が使用され、配線の太さについても異なる場合が想定される。この場合において、第1状態とした外部出力カバー部と配線支持部とにより配線の配置空間として曲がった隙間空間が形成されるので、配線の太さに多少のバラツキがあっても配線が曲げられた状態となることで配線支持部と外部出力カバー部との双方に当接して配線が挟まれた状態となり易い。よって、外部機器の配線という太さにバラツキが想定される配線に対して効果的な配線外れ防止構造とすることができる。
<特徴B2>
前記開閉体の背面側には、前記外部出力手段が所定の取付状態に固定される被固定部(端子板取付部311)が設けられ、
前記外部出力手段は、
前記差込部と前記差込操作部とが一方の面に設けられ、前記被固定部に前記外部出力手段が所定の取付状態に固定された状態において前記差込部に対して前記差込操作部が前記開閉体の後側に位置する向きに配置される外部出力基板と、
該外部出力基板が取り付けられる基板取付部と、前記カバー回動支持手段と、前記配線支持部とを有する基板ベース部材(基板ベース332)とを備え、
該基板ベース部材には、前記開閉体の背面側からの手操作により前記外部出力手段を前記所定の取付状態に対して変位可能に固定する手段であって、前記外部出力カバー部を前記第1状態にしたままで前記外部出力手段を前記所定の取付状態にして固定可能な固定手段(係合突部303、係合爪部304)が設けられていることを特徴とする特徴B1記載の遊技機。
特徴B2記載の遊技機によれば、被固定部に外部出力手段が取り付けられた状態において、外部出力基板は差込部に対して差込操作部が開閉体の後側に位置する向きとされるので、差込部と差込操作部とを前後方向に重なる分、開閉体背面視における差込部と差込操作部との占有面積を縮小することができる。このため、開閉体の背面側において限られた範囲に外部出力手段を配置し易くすることができ、他の部材の配置の自由度を高めることができる。
また、基板ベース部材には、外部出力基板が取り付けられる基板取付部と、外部出力カバー部を回動可能に支持するカバー回動支持手段と、配線支持部とが設けられるので、基板ベースに外部出力基板とカバー回動支持手段と配線支持部とを一体化することができる。
更に、基板ベース部材に設けられる固定手段によって、外部出力手段が被固定部に対して開閉体の背面側から手操作により所定の取付状態に対して変位可能に固定されるので、作業者は、外部出力手段を所定の取付状態に対して変位させてから配線作業を行い、その後に、所定の取付状態に外部出力手段を復帰させて固定することができる。このため、差込部と差込操作部との配置において配線作業がし難いと感じる作業者は、外部出力手段を変位させることにより配線作業を選択して行うことができる。
また、外部出力カバー部を第1状態にしたままで外部出力手段を所定の取付状態にして固定可能とされているので、外部出力手段を被固定部から変位させた状態にして外部出力手段に配線を接続し、その後に外部出力カバー部を第1状態にしてから、その第1状態を維持したままで外部出力手段を所定の取付状態にして固定することができる。外部出力カバー部は第1状態とすることにより配線の外れを防止することができるので、外部出力手段の取り付け操作時において一旦接続した配線が不用意に外れることを防止することができる。よって、外部出力手段を取り外して配線を接続する場合における作業性を向上することができる。
なお、固定手段における「所定の取付状態に対して変位可能」としては、被固定部に外部出力手段が着脱自在に取り付けられ、被固定部から外部出力手段が離間して移動することにより所定の取付状態に対して変位可能な場合、被固定部に対してスライド移動動作又は回動動作が可能に外部出力手段が固定されていることにより被固定部から外部出力手段が離間することなく変位することにより所定の取付状態に対して変位可能な場合が含まれる。
<特徴B3>
前記固定手段によって前記外部出力手段が前記所定の取付状態に固定された状態を解除するための解除操作部(係合爪部304の一部)と、
前記外部出力カバー部を前記第1状態とした場合に前記解除操作部に対する操作を阻害する阻害状態とし、前記外部出力カバー部を前記第2状態とすることにより該阻害状態を解除する阻害手段(コネクタ342に接続される配線)とを備えていることを特徴とする特徴B2記載の遊技機。
特徴B3記載の遊技機によれば、外部出力カバー部を第1状態とした場合に解除操作部に対する操作が阻害され、外部出力カバー部を第2状態とすることにより阻害状態が解除される。このため、所定の取付状態に固定した状態の解除に際して、外部出力カバー部を第1状態としたままに比べて第2状態とすることにより固定状態の解除を容易に実施することができる。ここで、外部出力カバー部は、第1状態にしたままで外部出力手段を所定の取付状態にして固定可能である。よって、所定の取付状態への外部出力手段の復帰作業は容易にしつつも、所定の取付状態に対して変位させる際の固定状態の解除には一定の困難性を付加し、不用意な外部出力手段の変位を抑制することができる。従って、作業者が誤って外部出力手段を変位させてしまうことを防止して作業効率の低下を抑制し、又、不正を目的として外部出力手段を変位させようとする作業の手間を増大して防犯性を高めることができる。
<特徴B4>
前記外部出力手段は、前記外部出力基板の一面側に複数並べて設けられ、前記外部機器へ出力可能な情報出力数に対応した数分の差込部を有する複数の端子部材(端子台343)と、
前記複数の端子部材に対して該端子部材が並べられた方向に沿った一方側における前記外部出力基板の前記一面側に設けられ、前記外部出力基板に情報を入力する配線が接続される接続部材(コネクタ342)とを備え、
前記外部出力カバー部は、前記複数の端子部材に設けられる複数の差込部に対して該差込部の開口する方向側において連続し、
前記カバー回動支持手段は、前記端子部材が並べられた方向と略平行であって、前記複数の差込部に対して前記外部出力基板の板面に沿った方向のうち前記端子部材が並べられた方向に交差する方向側に位置する回動中心軸を中心として、前記外部出力カバー部を、前記差込部から離間する方向側へ回動可能に支持し、
該外部出力カバー部に対して前記接続部材が設けられる側には、該外部出力カバー部と一体的に形成され、該外部出力カバー部より前記回動中心軸から離間する方向側に連続する接続部材カバー部(コネクタカバー部409)が設けられ、
該接続部材カバー部に対して前記外部出力カバー部の位置する側とは反対側に、前記接続部材に接続される配線を挿通する配線挿通部(本体側配線通過口305)が設けられると共に、該配線挿通部に対して前記外部出力基板が位置する側に前記固定手段の一部が設けられていることを特徴とする特徴B2又はB3記載の遊技機。
特徴B4記載の遊技機によれば、接続部材カバー部が外部出力カバー部より回動中心軸から離間する方向側に連続するので、接続部材カバー部を操作部として外部出力カバー部を開閉操作することにより少ない力で大きな回動力を出力することができる。このため、複数の差込部に多数の配線が接続された状態においても比較的容易に、外部出力カバー部を閉鎖状態とすることができる。
また、接続部材カバー部に対して配線挿通部は、外部出力カバー部の位置する側とは反対側に設けられているので、外部機器の配線の接続作業において、接続部材に接続される配線が邪魔になり難く、外部機器の配線接続作業を容易に行うことができる。
更に、配線挿通部に対して外部出力基板が位置する側に固定手段の一部が設けられている。このため、外部出力基板に対して接続部材に配線を接続し、その配線を配線挿通部に挿通させた状態においては固定手段の一部が配線によって隠れた状態となる。よって、固定手段の一部に対して固定状態の解除操作を実行し難く、また実行させるための手間を増大して防犯性を高めることができる。
<特徴B5>
前記カバー回動支持手段は、前記外部出力カバー部を、前記第1状態から前記第2状態へ遷移する場合に前記開閉体の開放動作における移動方向に略直交する方向に移動可能に支持し、
前記外部出力カバー部の一部、又は、該外部出力カバー部と一体的に形成される部位の一部は、前記開閉体の開放量が所定量以下である状況において前記外部出力カバー部に対して前記第1状態から前記第2状態へ回動する場合に前記支持体の一部に当接する構成とされ、
前記外部出力カバー部は、前記開閉体の開放量が所定量以下である場合に前記第2状態へ回動不能とされ、前記開閉体の開放量が所定量を超える場合に前記第2状態へ回動可能とされていることを特徴とする特徴B2からB4記載の遊技機。
特徴B5記載の遊技機によれば、外部出力カバー部は、所定量を超えて開閉体を開放することにより第2状態へ回動可能とされている。このため、開閉体が閉鎖された状態および開閉体を僅かに開放した状態において、外部出力カバー部を開放して不正な部材を外部出力基板に設置する等の不正行為を実行し難くすることができる。
<特徴C群>
従来の遊技機においては、パチンコ機の背面側に遊技装置として大型の表示装置等を設置しようとする場合等、他の装置との位置関係において外部端子板ユニットの配置スペースの確保が困難になる場合が生じ得るという問題点があった。また、外部端子板ユニットの配置位置や大きさによっては、外部機器の配線接続作業の作業性が低下してしまうという問題点があった。
<特徴C1>
支持体(外枠11)に対して前方側に開閉可能に支持される開閉体(遊技機本体12)と、該開閉体の背面側に設けられ、外部機器の配線を接続することにより遊技機に関する情報を遊技機外部に出力可能とする外部出力手段(外部端子板ユニット203)とを備えた遊技機(パチンコ機10)において、
前記外部出力手段には、
外部出力基板と、
該外部出力基板に設けられ、前記外部機器の配線を差し込み可能な差込部と、
該差込部に対して前記開閉体の後側に位置し、該開閉体の後側に突出して設けられ、該差込部に前記配線が差し込まれて前記外部出力手段と前記外部機器とが接続された接続状態と前記配線を抜き差し可能な操作状態とを切り替えるための移動操作が行われる差込操作部と、
該差込操作部より上側に設けられ、該差込操作部及び前記差込部のうち少なくとも一部を前記開閉体の背面側より間接的に視認可能とする間接表示手段とを有することを特徴とする遊技機。
特徴C1記載の遊技機によれば、外部機器の配線接続作業の作業性を向上しつつ、部品レイアウトの自由度を高めることができる。すなわち、外部出力手段には、差込部に対して差込操作部が開閉体の後側に設けられるので、差込操作部と差込部とが開閉体の前後方向に重なるようにして配置されることとなる。このため、開閉体の背面視における差込操作部及び差込部の組合せに必要な占有面積を限定し、開閉体の背面側における部品レイアウトの自由度を高めることができる。また、差込操作部は差込部に対して開閉体の後側に位置し、開閉体の後側に突出して設けられるので、差込操作部を開閉体の背面側から容易に操作することができる。
ここで、差込部は差込操作部に対して前側に位置し、差込操作部は開閉体の後側に突出した形状とされているので、開閉体の背面側から外部機器の配線接続作業を行う場合において差込部及び差込操作部の状態が視認し難い可能性がある。差込部が開閉体の背面側から見て奥側に位置することとなって視認性が低下したり、差込操作部に作業者が指を置くと、その指で差込操作部が視認し難くなったりする可能性がある。これに対し、差込操作部より上側には間接表示手段が設けられ、差込操作部及び差込部のうち少なくとも一部が間接表示手段により開閉体の背面側より間接的に視認可能とされている。このため、作業者は、間接表示手段を通じて差込操作部または差込部を必要に応じて確認しながら配線作業を行うことができる。よって、外部機器の配線接続作業の作業性を向上することができる。
<特徴C2>
前記差込操作部と前記差込部との組合せは、前記開閉体の左右方向に複数並んで設けられ、
複数の差込操作部を形成する複数の差込操作部材(操作レバー353)のうち少なくとも一部の差込操作部材は、他の差込操作部材とは異なる色に着色され、
前記間接表示手段は、前記開閉体の前後方向における前記差込部と前記差込操作部との間部分であって、前記差込部及び前記差込操作部より上方側に位置して前記開閉体の左右方向に連続する透光性材料で形成された配線支持部を備え、該配線支持部に前記差込操作部材の一部が写って表示されることにより前記差込操作部に着色された色が前記開閉体の背面側より確認可能とされていることを特徴とする特徴C1記載の遊技機。
特徴C2記載の遊技機によれば、配線支持部の傾斜面が差込部と差込操作部との間部分において差込部より上方側に位置するので、配線支持部に外部機器の配線を載置した状態にしてから、配線の左右方向の位置を調整して配線の接続作業を行うことができる。よって、差込部への配線を差し込む際の位置合わせ作業を容易に行うことができる。
また、配線支持部の傾斜面が差込操作部より上方側に位置するので、外部機器の配線が接続された後には、配線が差込操作部より上方側を経由して開閉体の後側に引き回されることとなる。よって、配線の重みが差込操作部に直接的に負荷されることを防止して開閉体の開閉操作等において不必要に配線が外れてしまう事態を回避することができ、また、差込部の出口付近において小さな曲率半径で配線が引き回される状況を回避して断線を防止することができる。
更に、配線支持部が透光性材料により形成され、配線支持部に差込操作部材の一部が写って表示されることにより差込操作部に着色された色が開閉体の背面側より確認可能とされている。このため、差込操作部が小型に形成される等して、配線作業中に差込操作部の色の確認が困難な状況においても配線支持部を利用して差込操作部の色を確認することができる。特に、外部機器の配線を載置可能な部位に差込操作部の色が表示されることとなるので、差込操作部の色と接続すべき配線とを上下に並べて確認することができる。よって、差込操作部を直視しての色確認が困難な状況下でも外部機器の配線接続作業を正確に行うことができる。
<特徴C3>
前記差込部および前記差込操作部の上側であって前記差込部より前記開閉体の前側から前記差込操作部における後側端部まで少なくとも連続する長さを有し、閉鎖状態において上下方向に厚みを有する板状に形成された外部出力カバー部と、
該外部出力カバー部を、前記差込部より前記開閉体の前側に位置し、前記開閉体の左右方向に連続する回動中心軸を中心として上側へ回動可能に支持するカバー回動支持手段(回動軸部395)とを備え、
前記外部出力カバー部は、前記カバー回動支持手段により、前記閉鎖状態として前記差込部に対して前記開閉体の後方斜め上側に位置した状態と、前記差込部に対する前記開閉体の後方斜め上側に対して前記開閉体の前側に位置した開放状態とを切り替え動作可能に構成され、さらに、前記閉鎖状態における下向き面の向く方向側から該下向き面に照射される光を反射可能な鏡面状の反射部を有し、
前記間接表示手段は、前記開放状態とした場合における前記外部出力カバー部の前記反射部により前記差込操作部及び前記差込部のうち少なくとも一部を前記開閉体の背面側に反射可能とされていることを特徴とする特徴C1又はC2記載の遊技機。
特徴C3記載の遊技機によれば、遊技機を遊技場に設置する場合に外部出力カバー部により差込部及び差込操作部が覆われた状態とすることができる。このため、差込操作部への上側からの遊技球の衝突を回避し、差込操作部が不用意に押下されて外部機器の配線が外れてしまう事態を回避することができる。また、外部出力カバー部により差込部が覆われた状態とすることができるので、差込部へのゴミや埃等の進入を抑制することができ、差込部の上側に遊技球が滞留して配線作業を妨害するといった事態も回避することができる。
また、外部出力手段に対して外部機器の配線の接続作業をする場合に、作業者が外部出力カバー部を上側へ回動すると、外部出力カバー部は、差込部に対する開閉体の後方斜め上側に対して開閉体の前側に位置した状態となる。このため、作業者は、開閉体の背面側に位置することで、差込部及び差込操作部の視認性が良好で、且つ、作業スペースが広く確保された状態で配線作業を行うことができる。
また、外部出力カバー部を開放状態とし、開閉体の背面側から外部出力カバー部の反射部を視認することにより、反射部により反射した方向側の状況を確認することができる。よって、開閉体の前側から視認した場合における差込部への配線の入り込み状況の確認や、差込部周辺に不正部品が設置されていないかの確認等を容易に実施できる。また、複数種類の色に差込操作部が着色された場合において差込操作部に着色された色についても反射部を通じて確認可能とすることができる。この場合には、差込操作部を直視しての色確認が困難な状況下でも外部機器の配線接続作業を正確に行うことができる。
更に、特徴C2に従属する特徴C3記載の遊技機においては、配線支持部を基準とした場合において上方における開閉体の前側に開放状態とした外部出力カバー部が位置し、この外部出力カバー部とは反対側に相当する下方における開閉体の後側に差込操作部が位置する。そして、配線支持部は透光性材料で形成されているので、開閉体の背面側から配線支持部を通じて外部出力カバー部の反射部により差込操作部の色等を確認することができる。よって、配線支持部だけでは、差込操作部の色等の確認が困難な状況であっても外部出力カバー部の反射部を利用して一層正確に差込操作部の状態を確認可能とし、配線作業をより正確に実施することができる。
<特徴C4>
前記差込操作部と前記差込部との組合せは、前記開閉体の左右方向に複数並んで設けられ、
複数の差込操作部を形成する複数の差込操作部材(操作レバー353)のうち少なくとも一部の差込操作部材は、他の差込操作部材とは異なる専用色に着色された専用色部(操作レバー353の樹脂色が付された部分)と、他の差込操作部材と共通の色に着色された共通色部とを有し、
前記間接表示手段は、前記差込操作部が操作状態とされている場合には、前記接続状態とされている場合に比べて、前記開閉体の背面側における所定の方向視において前記専用色部と前記共通色部とのうち前記専用色部が間接表示として表示される比率が高く設定されていることを特徴とする特徴C1からC3のいずれかに記載の遊技機。
特徴C4記載の遊技機によれば、差込操作部材を操作状態とすることにより、差込操作部材に付された専用色が間接表示として作業者から確認し易く表示される。よって、複数の中から適切な差込操作部材を操作状態としていることを容易に確認しながら配線接続作業を行うことができる。
なお、特徴A1〜A8、特徴B1〜B5及び特徴C1〜C4に記載のいずれか1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、そ の停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。