JP6011004B2 - 樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、脂肪族ポリアミド樹脂とオレフィン系樹脂とを含む耐衝撃性に優れた樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法に関する。
従来より、異種の樹脂を混合して各々の樹脂が単独で発揮できる特性を超える混合樹脂を得ようとする工夫がなされている。なかでも、耐衝撃性を向上させる技術としては、ABS樹脂などのように、母相に対してゴム成分を微分散させる技術が知られている。ABSは汎用性が高く優れた樹脂であるが、植物原料を用いることが困難であり、生分解性を付与することも困難であることから、対環境性という観点においては不十分な側面がある。昨今の環境保全の見地から対環境性に優れた原料を利用しようとする社会的な要求に対応できる樹脂組成物が求められている。このような観点において、下記特許文献1〜2及び非特許文献1〜2が知られている。
特開2009−203458号公報 特開2006−143772号公報
2007年自動車技術会 学術講演会前刷集No.121−07 プラスチックエージ 2007年4月号「異種高分子をナノ分散・混合する技術 −高せん断成形加工による非相溶性高分子ブレンドの高性能化−」
上記特許文献1には、脂肪族ポリエステル樹脂と、脂肪族ポリアミド樹脂と、反応性基を有する有機化合物と、を含む樹脂組成物が開示されている。この組成物は対環境性に優れた原料選択をできる点において優れているものの、脂肪族ポリエステル樹脂と脂肪族ポリアミド樹脂とを反応性基を有する有機化合物という相溶化剤(特許文献1[0014]参照)を用いて混合するものであるうえに、耐衝撃性は脂肪族ポリアミド樹脂での耐衝撃性に対して低下する結果となっている。
特許文献2には、膨潤性層状珪酸塩を含むポリアミド樹脂と、生分解性ポリエステル樹脂と、を含む樹脂組成物が開示されている。この組成物でも対環境性に優れた原料選択をできる点において優れているものの、膨潤性層状珪酸塩を含むポリアミド樹脂は、膨潤性層状珪酸塩とカプロラクタムとを混合分散させた原料を縮重合して得る必要があり、汎用のポリアミド樹脂を利用することができず、また、対環境性に優れたポリアミド樹脂を選択することもできない。
また、上記非特許文献1には、相溶化剤としてエチレン/アクリル酸/グリシジルメタクリレートコポリマーを同時に混入し、ポリアミド11を微分散させることでポリ乳酸の耐衝撃強度を向上させる技術が開示されている。この組成物は、上記特許文献1と同様に、対環境性に優れた原料選択をできる点において優れているものの、相溶化剤を用いて混合するものであり、環境性に優れた相溶化剤を選択できないという点において問題がある。
更に、上記非特許文献2には、特殊な高剪断成形加工機を用いて、ポリアミド11をポリフッ化ビニリデン中に微分散させることで、ポリフッ化ビニリデンの伸びを向上させる技術が開示されている。しかし、この技術では特殊な高剪断成形加工機を用いる必要あるという点において実際に利用する観点からは困難である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、汎用性を維持しつつ簡便に衝撃強度を向上させることができる樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の樹脂組成物は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)と、オレフィン系樹脂(B)と、を含有するとともに、該脂肪族ポリアミド樹脂(A)と該オレフィン系樹脂(B)とを相溶化させるための相溶化成分を含まず、該脂肪族ポリアミド樹脂(A)と該オレフィン系樹脂(B)との合計を100質量%とした場合に、該オレフィン系樹脂(B)が1質量%以上30質量%未満であり、
前記オレフィン系樹脂(B)は、全構成単位数のうちオレフィン以外の単量体に由来する構成単位が1%以下であり、
前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が連続相をなし、
前記オレフィン系樹脂(B)が前記連続相に分散された分散相をなし、
前記連続相と前記分散相との相間に空隙を有し、
前記連続相と前記分散相とが、柱状部によって接続されていることを要旨とする。
請求項に記載の樹脂組成物は、請求項1に記載の樹脂組成物において、前記オレフィン系樹脂(B)は、全構成単位数のうち80%以上がエチレンに由来する構成単位であるエチレン系重合体であることを要旨とする。
請求項に記載の樹脂組成物は、請求項1又は2において、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、炭素原子数が11であるアミド結合含有単位を主鎖に含む脂肪族ポリアミド樹脂であることを要旨とする。
請求項に記載の樹脂組成物は、請求項1乃至のうちのいずれかにおいて、前記オレフィン系樹脂(B)が、高密度ポリエチレンであることを要旨とする。
請求項に記載の樹脂組成物は、請求項1乃至のうちのいずれかにおいて、前記オレフィン系樹脂(B)は、平均分散粒径が10μm以下であることを要旨とする。
請求項に記載の樹脂組成物は、請求項1乃至のうちのいずれかにおいて、耐衝撃性樹脂組成物であることを要旨とする。
請求項に記載の樹脂組成物の製造方法は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)と、オレフィン系樹脂(B)と、を含有するとともに、該脂肪族ポリアミド樹脂(A)と該オレフィン系樹脂(B)との合計を100質量%とした場合に、該オレフィン系樹脂(B)が1質量%以上30質量%未満であり、
前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が連続相をなし、
前記オレフィン系樹脂(B)が前記連続相に分散された分散相をなし、
前記連続相と前記分散相との相間に空隙を有する樹脂組成物の製造方法であって、前記連続相を構成する樹脂と、前記分散相を構成する樹脂と、を含む溶融混合樹脂を冷却する冷却工程を備え、
前記冷却工程は、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度をTとし、前記オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度をTとした場合に、T<Tであり、前記T以下且つ前記Tを超える温度まで40℃/分以上の降温速度で冷却する第1冷却工程と、
第1冷却工程に引き続いて、前記T未満の温度まで、前記第1冷却工程における降温速度よりも小さい降温速度で、冷却する第2冷却工程と、を備えることを要旨とする。
請求項に記載の樹脂組成物の製造方法は、請求項において、前記第1冷却工程の冷却を温度Tよりも5℃以上高い温度で停止するとともに、前記第2冷却工程における降温速度を10℃/分以下にすることを要旨とする。
請求項に記載の樹脂組成物の製造方法は、請求項又はにおいて、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、炭素原子数が11であるアミド結合含有単位を主鎖に含む脂肪族ポリアミド樹脂であることを要旨とする。
請求項10に記載の樹脂組成物の製造方法は、請求項乃至のうちのいずれかにおいて、前記オレフィン系樹脂(B)が、高密度ポリエチレンであることを要旨とする。
請求項11に記載の樹脂組成物の製造方法は、請求項乃至10のうちのいずれかにおいて、前記オレフィン系樹脂(B)は、平均分散粒径が10μm以下であることを要旨とする。
請求項12に記載の成形体の製造方法は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)と、オレフィン系樹脂(B)と、を含有するとともに、該脂肪族ポリアミド樹脂(A)と該オレフィン系樹脂(B)との合計を100質量%とした場合に、該オレフィン系樹脂(B)が1質量%以上30質量%未満であり、
前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が連続相をなし、
前記オレフィン系樹脂(B)が前記連続相に分散された分散相をなし、
前記連続相と前記分散相との相間に空隙を有する樹脂組成物を用いた成形体の製造方法であって、溶融状態の前記樹脂組成物を冷却する冷却工程を備え、
前記冷却工程は、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度をTとし、前記オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度をTとした場合に、T<Tであり、前記T以下且つ前記Tを超える温度まで40℃/分以上の降温速度で冷却する第1冷却工程と、
第1冷却工程に引き続いて、前記T未満の温度まで、前記第1冷却工程における降温速度よりも小さい降温速度で、冷却する第2冷却工程と、を備えることを要旨とする。
請求項13に記載の成形体の製造方法は、請求項12において、前記第1冷却工程の冷却を温度Tよりも5℃以上高い温度で停止するとともに、前記第2冷却工程における降温速度を10℃/分以下にすることを要旨とする。
請求項14に記載の成形体の製造方法は、請求項12又は13において、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、炭素原子数が11であるアミド結合含有単位を主鎖に含む脂肪族ポリアミド樹脂であることを要旨とする。
請求項15に記載の成形体の製造方法は、請求項12乃至14のうちのいずれかにおいて、前記オレフィン系樹脂(B)が、高密度ポリエチレンであることを要旨とする。
請求項16に記載の成形体の製造方法は、請求項12乃至15のうちのいずれかにおいて、前記オレフィン系樹脂(B)は、平均分散粒径が10μm以下であることを要旨とする。
本発明の樹脂組成物によれば、衝撃強度が高い成形体を得ることができる。特に、樹脂種の選択範囲及び製造方法等における汎用性を維持しつつ、高い耐衝撃性を得ることができる。
オレフィン系樹脂(B)が、高密度ポリエチレンである場合は、とりわけ衝撃強度が高い成形体を得ることができる。
脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、炭素原子数が11であるアミド結合含有単位を主鎖に含む脂肪族ポリアミド樹脂である場合は、環境負荷を抑制しつつ、衝撃強度が高い成形体を得ることができる。
オレフィン系樹脂(B)の平均分散粒径が10μm以下である場合は、特に高い衝撃強度を有する成形体を得ることができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法によれば、汎用性(特に、樹脂種の選択範囲及び製造方法等における汎用性)を維持しつつ簡便に衝撃強度に優れた樹脂組成物を得ることができる。即ち、脂肪族ポリアミド樹脂(A)を連続相とし、オレフィン系樹脂(B)を分散相とするとともに、これらの連続相と分散相との相間に空隙を有する樹脂組成物を得ることができる。
第1冷却工程の冷却を、オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度Tよりも5℃以上高い温度で停止するとともに、第2冷却工程における降温速度を10℃/分以下にした場合は、より優れた耐衝撃性を得ることができる。
本発明の成形体の製造方法によれば、汎用性(特に、樹脂種の選択範囲及び製造方法等における汎用性)を維持しつつ簡便に衝撃強度に優れた成形体を得ることができる。即ち、脂肪族ポリアミド樹脂(A)を連続相とし、オレフィン系樹脂(B)を分散相とするとともに、これらの連続相と分散相との相間に空隙を有した樹脂組成物からなる成形体を得ることができる。
第1冷却工程の冷却を、オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度Tよりも5℃以上高い温度で停止するとともに、第2冷却工程における降温速度を10℃/分以下にした場合は、より優れた耐衝撃性を得ることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部位を示す。
ポリアミド11及び高密度ポリエチレンの配合比とシャルピー衝撃強度との相関を示すグラフである。 冷却方法とシャルピー衝撃強度の相関を示すグラフである。 実験例3の樹脂組成物の断面を3万倍に拡大した画像である。 実験例3の樹脂組成物の断面を3000倍に拡大した画像である。 実験例4の樹脂組成物の断面を3000倍に拡大した画像である。 実験例5の樹脂組成物の断面を3000倍に拡大した画像である。 実験例6の樹脂組成物の断面を3000倍に拡大した画像である。 実験例7の樹脂組成物の断面を3000倍に拡大した画像である。 実験例8の樹脂組成物の断面を3000倍に拡大した画像である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
〈1〉樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)と、オレフィン系樹脂(B)と、を含有するとともに、脂肪族ポリアミド樹脂(A)とオレフィン系樹脂(B)とを相溶化させるための相溶化成分を含まず、脂肪族ポリアミド樹脂(A)とオレフィン系樹脂(B)との合計を100質量%とした場合に、オレフィン系樹脂(B)が1質量%以上30質量%未満であり、オレフィン系樹脂(B)は、全構成単位数のうちオレフィン以外の単量体に由来する構成単位が1%以下であり、更に、脂肪族ポリアミド樹脂(A)が連続相をなし、オレフィン系樹脂(B)が連続相に分散された分散相をなし、これらの連続相と分散相との相間に空隙を有し、連続相と前記分散相とが、柱状部によって接続されていることを特徴とする。
上記「脂肪族ポリアミド樹脂(A)」は、アミド結合(−NH−CO−)を介して複数の単量体が重合されてなる鎖状骨格を有する重合体である。また、本発明の樹脂組成物内において、後述するオレフィン系樹脂(B)に対して連続相をなす樹脂である。
脂肪族ポリアミド樹脂(A)を構成する単量体としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ウンデカンラクタム、ω−ラウリルラクタムなどのラクタムなどが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、脂肪族ポリアミド樹脂(A)は、ジアミンとジカルボン酸との共重合により得ることもできる。この場合、単量体としてのジアミンには、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン等の脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン等の脂環式ジアミン、キシリレンジアミン(p−フェニレンジアミン及びm−フェニレンジアミンなど)等の芳香族ジアミンなどが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、単量体としてのジカルボン酸には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
本樹脂組成物では、脂肪族ポリアミド樹脂(A)は、炭素原子数が11であるアミド結合含有単位を主鎖に含む脂肪族ポリアミド樹脂であることが好ましい。即ち、炭素原子数が11である単量体に由来する構成単位を含む脂肪族ポリアミド樹脂であることが好ましく、特に11−アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタムを単量体として用いた重合体(以下、この重合体を「PA11系樹脂」ともいう)であることが好ましい。とりわけ11−アミノウンデカン酸は、ヒマシ油から得られる単量体であるため、環境保護の観点(特にカーボンユートラルの観点)から望ましい。これらの炭素原子数が11である単量体に由来する構成単位は、PA11系樹脂内において全構成単位のうちの50%以上であることが好ましい。即ち、炭素原子数が11未満である単量体に由来する構成単位、及び/又は、炭素原子数が12以上である単量体に由来する構成単位、をPA11系樹脂内において全構成単位のうちの50%未満含むことができる。更に、このPA11系樹脂は、その全構成単位が、炭素原子数11である単量体に由来する構成単位であってもよい。即ち、脂肪族ポリアミド樹脂(A)は、ポリアミド11(PA11)であってもよい。
また、脂肪族ポリアミド樹脂(A)は、ポリアミド11系樹脂のみからなってもよいが、その他のポリアミドを含んでもよい。その他のポリアミドとしては、前述の各種単量体を用いて得られるポリアミドのうち、炭素原子数が11である単量体に由来する構成単位が、全構成単位のうちの50%未満であるポリアミドである。
即ち、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド12、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミドM5T等が挙げられる。これらの他のポリアミドは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。但し、他のポリアミドが含有される場合、脂肪族ポリアミド樹脂(A)全体100質量%に対して、他のポリアミドは40質量%未満である。
尚、上記脂肪族ポリアミド樹脂(A)は、主鎖を構成する炭素原子のうちの半数以上(50%以上)の炭素原子が鎖状骨格を構成する。即ち、脂肪族ポリアミド樹脂(A)は、芳香族骨格を含んでもよいが、芳香族骨格を構成する炭素原子は、主鎖を構成する炭素原子のうちの半数未満(50%未満)である。
上記「オレフィン系樹脂(B)」は、オレフィンの単独重合体、及び/又は、オレフィンを単量体として用いた共重合体である。また、本発明の樹脂組成物内において、脂肪族ポリアミド樹脂(A)を連続相として、この樹脂内に分散されて存在する分散相をなす樹脂である。
オレフィン系樹脂を構成するオレフィン(オレフィン単量体)としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。
従って、オレフィン系樹脂(B)としては、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、1−ブテン系重合体、1−ヘキセン系重合体、4−メチル−1−ペンテン系重合体等が挙げられる。これら重合体は1種のみで用いてもよく、2種以上を併用してもよい。即ち、オレフィン系樹脂は各種の重合体の混合物であっても良い。
上記のうち、エチレン系重合体としては、エチレン単独重合体(ポチエチレン)、及び、エチレンと他の単量体との共重合体(エチレン共重合体)が挙げられる。エチレン共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ペンテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体等が挙げられる。
尚、エチレン共重合体に含まれるエチレン単位(エチレンに由来する構成単位)は、全構成単位数のうち50%以上(通常99.999%以下)であればよいが、例えば、全構成単位数のうち80〜99.999%とすることができ、また90〜99.995%とすることができ、更には99.0〜99.990%とすることができる。但し、エチレン単位と下記プロピレン単位とが1:1で含まれた共重合体は、本明細書ではエチレン・プロピレン共重合体というものとする。
また、上記のうち、プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体(ポリプロピレン)、及び、プロピレンと他の単量体との共重合体(プロピレン共重合体)が挙げられる。プロピレン共重合体としては、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ペンテン共重合体、プロピレン・1−オクテン共重合体等が挙げられる。
尚、プロピレン共重合体に含まれるプロピレン単位(プロピレンに由来する構成単位)は、全構成単位数のうち50%以上(通常99.999%以下)であればよいが、例えば、全構成単位数のうち80〜99.99%とすることができ、また90〜99.995%とすることができ、更には99.0〜99.990%とすることができる。但し、エチレン単位と下記プロピレン単位とが1:1で含まれた共重合体は、本明細書ではエチレン・プロピレン共重合体というものとする。
更に上記のうち、1−ブテン重合体としては1−ブテン単独重合体(ポリ1−ブテン)、1−ヘキセン重合体としては1−ヘキセン単独重合体(ポリ1−ヘキセン)、4−メチル−1−ペンテン重合体としては4−メチル−1−ペンテン単独重合体(ポリ4−メチル−1−ペンテン)などが挙げられる。
また、オレフィン系重合体には、本発明の目的を害しない範囲で、オレフィンを除く単量体に由来する構成単位を含んでもよい。オレフィン以外の単量体としては、不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸等)、不飽和カルボン酸エステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等)、ビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、フマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル等)などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
尚、オレフィン系重合体に含まれるオレフィン以外の単量体に由来する構成単位は、含まれるとしても全構成単位数のうち1%以下(通常0.001%以上)である。例えば、全構成単位数のうち0.001〜0.8%とすることができ、また0.005〜0.5%とすることができ、更には0.01〜0.1%とすることができる。
上記各種オレフィン系重合体のなかでも、連続相を構成する脂肪族ポリアミド樹脂(A)との成形収縮率の差が大きく上記空隙を形成し易いという観点から、エチレン系重合体及びプロピレン系重合体が好ましい。これらのエチレン系重合体及びプロピレン系重合体は、通常、1.0%以上(特に1.5%以上)の成形収縮率を有する。加えて、プロピレン系重合体は2.5%以下の成形収縮率を有し、エチレン系重合体は6.0%以下の成形収縮率を有することができる。従って、これらのなかでも特にエチレン系重合体が好ましく、とりわけ収縮率が大きいことから高密度ポリエチレンが好ましい。
また、上記脂肪族ポリアミド樹脂(A)とオレフィン系樹脂(B)との合計を100質量%とした場合に、オレフィン系樹脂(B)は1質量%以上30質量%未満含有される。この範囲では、連続相をなす脂肪族ポリアミド(A)単独で得られるよりも高い衝撃強度を得ることができる。1質量%未満では、オレフィン系樹脂(B)を配合することによる衝撃強度向上効果が十分に得られ難くなる傾向にある。また、30質量%以上であると、分散相の分散粒径が大きくなるために、空隙が形成されたとしても耐衝撃性を向上させるに十分な量(割合)の空隙を得ることが困難となるものと考えられる。このオレフィン系樹脂(B)の割合は、1〜29質量%が好ましく、2〜27質量%がより好ましく、3〜25質量%が特に好ましく、5〜20質量%がとりわけ好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)を連続相(図3の符号11参照)とし、オレフィン系樹脂(B)を分散相(図3の符号12参照)とし、これらの連続相と分散相との相間に空隙(図3の符号13参照)を有する。この空隙13を有することで、脂肪族ポリアミド樹脂(A)単独での耐衝撃性、及び、オレフィン系樹脂(B)単独での耐衝撃性、を超える高い耐衝撃性を得ることができると考えられる。
この分散相12は、連続相11内において略球状をなして分散されていることが好ましい。更に、この分散相12の周囲を覆うように空隙13が形成されることが好ましい。また、分散相12は空隙13によって連続相11から完全に分離されて配置されてもよいが、分散相12の一部が連続相11と繋がって配置されていることが好ましく、特に柱状部14(図3の符号14参照)によって連続相11と分散相12とが接続された形態であることが好ましく、本発明の樹脂組成物は、柱状部14によって連続相11と分散相12とが接続された形態である。即ち、脂肪族ポリアミド樹脂(A)が連続相(図3の符号11参照)をなし、オレフィン系樹脂(B)が連続相に分散された分散相(図3の符号12参照)をなし、これらの連続相11と分散相12との相間に空隙(図3の符号13参照)を有するとともに、連続相12と分散相12とが柱状部(図3の符号14参照)によって接続された形態の樹脂組成物である。
更に、上記空隙13は、全ての個々の分散相12の周囲に形成されている必要はないが、通常、分散相12(個数換算)のうちの60%以上の分散相12が空隙13を伴っていることが好ましい(100%であってもよい)。この範囲では、特に優れた耐衝撃性向上の効果が得られる。また、この空隙13を伴う分散相12の割合は、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが特に好ましい。
尚、空隙13を伴った分散相12の割合は、電子顕微鏡により1万倍に拡大した樹脂組成物の切断面において、無作為に抽出した3ヶ所の各12.78μm×8.66μmの範囲に含まれる分散相の個数FT1、FT2、及びFT3を数え、更に、同じ各12.78μm×8.66μmの範囲に含まれる空隙を伴った分散相の個数FE1、FE2、及びFE3を数え、これらの数値から、〔{(FE1/FT1)+(FE2/FT2)+(FE3/FT3)}/3〕×100(%)により算出される。但し、内部に分散相12が認められない連続相11の凹部(図4及び図5の符号15参照)は、空隙13が存在したために切断時に分散相が脱落して形成された凹部と考えられる。このため、切断前の状態においては、これらの凹部はいずれも、空隙を伴った分散相であったと考えられる。従って、連続相に形成された凹部の個数を分散相の個数として換算するとともに、これらの連続相に形成された凹部はいずれも空隙を有したものとして換算する。
本発明の樹脂組成物は、上記空隙を効果的に得るために連続相を構成する脂肪族ポリアミド樹脂(A)と、分散相を構成するオレフィン系樹脂(B)と、を相溶化させるための相溶化成分を含まない。これらの樹脂同士を相溶化させる相溶化成分が含有されると、上記空隙が形成され難くなり、耐衝撃性を向上させる効果が得られ難くなるためである。このような相溶化成分としては、酸変性ポリオレフィンなどの各種相溶化剤、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、無水マレイン酸誘導体等が挙げられる。
また、分散相の粒径は特に限定されないが、その平均分散粒径が10μm以下であることが好ましい(通常、平均分散粒径0.1μm以上)。この範囲では、優れた耐衝撃性向上の効果が得られる。この平均分散粒径は、0.2μm以上9μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上6μm以下であることが更に好ましく、0.7μm以上4μm以下であることが特に好ましい。
尚、分散平均粒径は、電子顕微鏡により1万倍に拡大した樹脂組成物の切断面において、無作為に抽出した3ヶ所の各12.78μm×8.66μmの範囲に含まれる全分散相の粒径(最大長)を実測し、これらの3ヶ所における各々平均値D、D及びDを得た後、更に、これらD〜Dの平均した値を平均分散粒径とする。
更に、上記空隙がより形成され易いという観点から、脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度は、オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度に比べて高温であることが好ましい。これらの結晶化温度の温度差は特に限定されないものの、30℃以上の差異を有することが好ましい。即ち、脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度Tは、オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度Tに比べて30℃以上高いことが好ましい。これらの温度が30℃以上の差異を有することで上記空隙はより形成し易くなるものと考えられるからである。この温度(T−T)は、35℃≦(T−T)≦90℃であることがより好ましく、40℃以上80℃以下であることが特に好ましく、とりわけ45℃≦(T−T)≦70℃であることが好ましい。
更に、脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度Tは特に限定されないが、120℃以上であることが好ましく、140℃≦T≦250℃であることが好ましく、155℃≦T≦200℃であることがより好ましい。一方、オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度Tも特に限定されないが、上記脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度Tとの上記差異を有したうえで、90℃≦T≦150℃であることが好ましく、100℃≦T≦140℃であることが好ましく、105℃≦T≦130℃であることがより好ましい。
尚、ここでいう結晶化温度は、JIS K7121(プラスチックの転移温度測定方法)に定められた結晶化ピーク温度(Tpc)を意味する。
また、脂肪族ポリアミド樹脂(A)の成形収縮率S及びオレフィン系樹脂(B)の成形収縮率Sは、各々限定されないが、S>Sであることが好ましい。特に成形収縮率の比S/Sは0.02≦S/S≦0.90であることがより好ましく、0.05≦S/S≦0.75であることが更に好ましく、0.08≦S/S≦0.55であることが特に好ましい。より具体的には、上記S/Sの範囲においてSは0.1%≦S≦1.3%が好ましく、0.2%≦S≦1.2%がより好ましく、0.3%≦S≦1.0%が特に好ましい。一方、上記S/Sの範囲においてSは1.5%≦S≦6.0%が好ましく、1.6%≦S≦5.5%がより好ましく、1.8%≦S≦4.0%が特に好ましい。
尚、ここでいう成形収縮率は、JIS K7152−4(プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片−第4部:成形収縮率の求め方)に規定された成形収縮率のうち、流動方向に平行な成形収縮率(Smp)を意味する。
本発明の樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、脂肪族ポリアミド樹脂(A)及びオレフィン系樹脂(B)以外の他の成分を含有できる。他の成分としては、他の熱可塑性樹脂、難燃剤、難燃助剤、充填剤、着色剤、抗菌剤、帯電防止剤等を配合できる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記他の熱可塑性樹脂としては、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂(ポリブチレンサクシネートなど)、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなど)等が挙げられる。
上記難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤(ハロゲン化芳香族化合物)、リン系難燃剤(窒素含有リン酸塩化合物、リン酸エステル等)、窒素系難燃剤(グアニジン、トリアジン、メラミン、及びこれらの誘導体等)、無機系難燃剤(金属水酸化物等)、ホウ素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、硫黄系難燃剤、赤リン系難燃剤などが挙げられる。
上記難燃助剤としては、各種アンチモン化合物、亜鉛を含む金属化合物、ビスマスを含む金属化合物、水酸化マグネシウム、粘土質珪酸塩等が挙げられる。
上記充填剤としては、ガラス成分(ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク等)、シリカ、無機繊維(ガラス繊維、アルミナ繊維、カーボン繊維)、黒鉛、珪酸化合物(珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー等)、金属酸化物(酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、アルミナ等)、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の金属の炭酸塩及び硫酸塩、有機繊維(芳香族ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、フッ素樹脂繊維、ポリイミド繊維、植物性繊維等)
上記着色剤としては、顔料及び染料等が挙げられる。
〈2〉樹脂組成物の製造方法
上記樹脂組成物はどのようにして製造してもよく、その方法は特に限定されない。即ち、混練後の樹脂組成物の冷却方法に関係無く、優れた耐衝撃性を有する樹脂組成物を得ることができる。しかし、後述する製造方法を用いることで、この耐衝撃を向上させることができる。
即ち、本発明の樹脂組成物の製造方法は、連続相を構成する樹脂と、分散相を構成する樹脂と、を含む溶融混合樹脂を冷却する冷却工程を備えるとともに、下記第1冷却工程及び下記第2冷却工程を備えることを特徴とするものである。より具体的には、脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度をTとし、オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度をTとした場合に、T<Tであり、上記冷却工程において、先ず第1冷却工程において、T以下且つTを超える温度まで40℃/分以上の降温速度で冷却した後、第2冷却工程において、T未満の温度まで第1冷却工程における降温速度よりも小さい降温速度で冷却するものである。
通常、脂肪族ポリアミド樹脂(A)及びオレフィン系樹脂(B)を含む上記樹脂組成物は、まずこれらの樹脂を溶融混練して樹脂を混合した後、得られた溶融状態の樹脂組成物を冷却工程を経て冷却することで得る。この際に、上記のように第1冷却工程と第2冷却工程を与えることにより、このような工程を与えない樹脂組成物に対して、より高い耐衝撃性を付与することができる。
この冷却方法により耐衝撃性が向上される理由は定かではないものの、連続相と分散相との相間に空隙が形成されることで耐衝撃性が向上される結果から、以下の如く考えることができる。即ち、脂肪族ポリアミド樹脂(A)は結晶化温度近傍で急速に冷却されることで結晶化され難いのに対して、オレフィン系樹脂(B)は結晶化温度近傍で徐冷されることで結晶化され易い。このために、連続相は結晶化に伴う成形収縮が抑制され、分散相は結晶化に伴う成形収縮が促進される。その結果、連続相と分散相との相間において空隙がより形成され易くなるというものである。
上記第1冷却工程における降温速度(冷却速度)は40℃/分以上であればよい。この降温速度未満であってもよいが、全冷却工程を通して徐冷する場合に比べて十分に耐衝撃性を向上させる効果を得難い。この降温速度は、50℃/分以上800℃/分以下が好ましく、50℃/分以上700℃/分以下がより好ましく、60℃/分以上600℃/分以下が特に好ましい。
一方、第2冷却工程における降温速度(冷却速度)は、第1冷却工程における降温速度よりも小さい降温速度であればよい。この降温速度は、10℃/分以下が好ましく、0.1℃/分以上10℃/分以下がより好ましく、0.5℃/分以上9℃/分以下が更に好ましく、1℃/分以上8℃/分以下が特に好ましい。
また、第1冷却工程におけるT以下且つTを超える温度(以下、単に「温度T」ともいう)は、T<T<Tである。このTは、各々用いる樹脂のT及びTによって適宜の値にでき具体的には限定されない。例えば、TはTよりも5℃以上高い温度であること(即ち、T−T≧5℃)が好ましく、5℃≦(T−T)≦50℃がより好ましく、6℃≦(T−T)≦40℃が更に好ましく、7℃≦(T−T)≦30℃が特に好ましい。
一方、第2冷却工程におけるT未満の温度(以下、単に「温度T」ともいう)は、T<Tである。このTは具体的には限定されないものの、前述のごとく、90℃≦T≦150℃の場合には、例えば、10℃≦T<90℃とすることができ、更には、20℃≦T<80℃、特に30℃≦T<70℃とすることができる。
上記第1冷却工程における具体的な冷却方法は特に限定されず、40℃/分以上の降温速度を得ることができればよい。例えば、冷媒冷却(水冷等)、水冷プレスなどの方法が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
一方、上記第2冷却工程における具体的な冷却方法も特に限定されず、10℃/分以下の降温速度を得ることができればよい。例えば、放冷、風冷などの方法が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
〈3〉成形体の製造方法
上記樹脂組成物はどのように成形してもよく、その方法は特に限定されない。即ち、金型等の内部で成形された樹脂組成物を冷却する方法に関係無く、優れた耐衝撃性を有する成形体を得ることができる。しかし、後述する成形体の製造方法を用いることで、この成形体の耐衝撃を向上させることができる。
即ち、本発明の成形体の製造方法は、連続相を構成する樹脂と、分散相を構成する樹脂と、を含む成形された溶融混合樹脂を冷却する冷却工程を備えるとともに、下記第1冷却工程及び下記第2冷却工程を備えることを特徴とするものである。より具体的には、脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度をTとし、オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度をTとした場合に、T<Tであり、上記冷却工程において、先ず第1冷却工程において、T以下且つTを超える温度まで40℃/分以上の降温速度で冷却した後、第2冷却工程において、T未満の温度まで10℃/分以下の降温速度で冷却するものである。
通常、脂肪族ポリアミド樹脂(A)及びオレフィン系樹脂(B)を含む上記樹脂組成物は、まずこれらの樹脂を溶融混練して樹脂を混合した後、得られた溶融状態の樹脂組成物を成形した後、冷却工程を経て成形体として冷却することで得る。この際に、上記のように第1冷却工程と第2冷却工程を与えることにより、このような工程を与えずに得られる成形体に比して、より高い耐衝撃性を有する成形体とすることができる。尚、この冷却方法により耐衝撃性が向上される理由については、前述の通りである。
上記第1冷却工程における降温速度(冷却速度)は、前述の通り、40℃/分以上であればよく、第2冷却工程における降温速度(冷却速度)は、前述の通り、10℃/分以下であればよい。更に、各々の好ましい範囲についても上記樹脂組成物の製造方法における記載がそのまま適用される。また、温度T及び温度Tについても同様である。また、各工程における冷却方法についても同様である。
本発明の成形体の形状、大きさ及び厚さ等は特に限定されない。また、その用途も特に限定されない。この成形体としては、例えば、自動車、鉄道車両、船舶及び飛行機等の外装材、内装材及び構造材等として用いられる。このうち自動車用品としては、自動車用外装材、自動車用内装材等が挙げられる。具体的には、バンパー、スポイラー、カウリング、フロントグリル、ガーニッシュ、ボンネット、トランクリッド、フェンダーパネル、ドアパネル、ルーフパネル等の外装材、インストルメントパネル、ドアトリム、クオータートリム、ルーフライニング、ピラーガーニッシュ、デッキトリム、トノボード、パッケージトレイ、ダッシュボード、コンソールボックス、キッキングプレート、スイッチベース、シートバックボード、シートフレーム、アームレスト、サンバイザ等の内装材が挙げられる。更に、例えば、建築物及び家具等の内装材、外装材及び構造材が挙げられる。即ち、ドア表装材、ドア構造材、各種家具(机、椅子、棚、箪笥など)の表装材、構造材等が挙げられる。その他、包装体、収容体(トレイ等)、保護用部材及びパーティション部材等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
〈1〉樹脂組成物の製造(PA11−HDPE)
連続相を形成するための脂肪族ポリアミド樹脂(A)としてPA11(ナイロン11樹脂、アルケマ株式会社製、品名「RilsanB」、融点186℃、結晶化開始温度170℃、結晶化温度166℃)を用いた。
分散相を形成するためのオレフィン系樹脂(B)としてHDPE(高密度ポリエチレン、アルドリッチ社製、製品番号「427985」、密度0.952g/cm、融点128℃、結晶化開始温度120℃、結晶化温度115℃)を用いた。
上記各樹脂の各々の融点、結晶化開始温度及び結晶化温度(結晶化ピーク温度Tpc)は、示差走査熱量計(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、型式「DSC404F3」)を用い、JIS K7121(プラスチックの転移温度測定方法)に従って測定した(以下同様)。
これらの各樹脂をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所、型式「4C150」)を用い、相溶化剤を配合することなく、混練温度を210℃(PA11及びHDPEの温度が190℃以上)に設定し、スクリュー回転数を75回転/分として、4分間混練を行い、混合比の異なる6種類の樹脂組成物を得た。混合比の異なる7種類の樹脂組成物は、PA11:HDPEの質量割合(PA11+HDPEの合計100質量部)において、実験例2(95:5)、実験例3(90:10)、実験例4(80:20)、実験例5(70:30)、実験例6(60:40)、実験例7(50:50)、実験例8(25:75)、である。
〈3〉シャルピー衝撃試験用の試験片の製造
(1)実験例1の試験片
脂肪族ポリアミド樹脂(A)であるPA11(ナイロン11樹脂、アルケマ株式会社製、品名「RilsanB」、融点186℃、結晶化開始温度170℃、結晶化温度166℃)を、金型を用いてJIS K7111−1に準拠したシャルピー衝撃試験用試験片に成形した。この成形に際しては、溶融プレスした後(水冷プレス前のPA11の温度は約200℃)、水冷プレスにて、200℃から125℃の間におけるPA11の降温速度が375℃/分であり、125℃から60℃の間におけるPA11の降温速度が約175℃/分となるように急冷した。尚、上記降温速度の測定は熱電対(データロガー)により直接溶融状態の樹脂を測定することで行った(以下同様)。
(2)実験例2〜8の試験片
上記〈1〉で得られた7種類の樹脂組成物(PA11−HDPE混合樹脂)の各々を、上記〈3〉(1)と同様に成形した後、(1)と同様に冷却を行った。
(3)実験例9の試験片
オレフィン系樹脂(B)であるHDPE(高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アルドリッチ社製、製品番号「427985」、密度0.952g/cm、融点128℃、結晶化開始温度120℃、結晶化温度115℃)を、上記〈3〉(1)と同様に成形した後、(1)と同様に冷却を行った。
(4)実験例10の試験片
上記〈1〉で得られたPA11:HDPEの質量割合(PA11+HDPEの合計100質量部)が90:10である実験例3の樹脂組成物(PA11−HDPE混合樹脂)を、金型を用いてJIS K7111−1に準拠したシャルピー衝撃試験用試験片に成形した。この成形に際しては、溶融プレスした後(水冷プレス前のPA11の温度は約200℃)、水冷プレスと放冷とを組み合わせて、200℃から125℃の間における樹脂組成物の降温速度が560℃/分となるように急冷した(第1冷却工程)。その後、引き続いて100℃から60℃の間における樹脂組成物の降温速度が約3.0℃/分となるように徐冷した(第2冷却工程)。この冷却方法(急冷→徐冷)を以下「冷却2」と標記する。
(5)実験例11の試験片
上記〈1〉で得られたPA11:HDPEの質量割合(PA11+HDPEの合計100質量部)が90:10である実験例3の樹脂組成物(PA11−HDPE混合樹脂)を、金型を用いてJIS K7111−1に準拠したシャルピー衝撃試験用試験片に成形した。この成形に際しては、溶融プレスした後(水冷プレス前のPA11の温度は約200℃)、水冷プレスと放冷とを組み合わせて、200℃から140℃の間における樹脂組成物の降温速度が4.2℃/分となるように徐冷した。その後、引き続いて140℃から60℃の間における樹脂組成物の降温速度が約68℃/分となるように急冷した。この冷却方法(徐冷→急冷)を以下「冷却3」と標記する。
〈4〉シャルピー衝撃試験
上記〈3〉で得られた実験例1〜11の各試験片を用いて、JIS K7111−1に準拠してシャルピー衝撃試験を行った。その結果を表1に併記した。
尚、表1中において、実験例2〜4及び実験例10〜11は発明品であり、実験例1及び実験例5〜9は参考品である。
〈5〉電子顕微鏡による空隙の観察
上記〈3〉で得られた実験例3〜実験例8の各試験片の断面を電子顕微鏡により3000倍に拡大し、無作為に選択した1ヶ所の12.78μm×8.66μmの範囲に含まれる空隙を伴った分散相の有無を観察した。そして、空隙を伴った分散相が、上記範囲に含まれる全分散相(個数)のうちの60%以上である実験例に「○」を表1の「空隙の有無」の欄に示した。また、空隙を伴った分散相の割合が60%未満である実験例に「×」を表1の「空隙の有無」の欄に示した。更に、図4の一部を3万倍に拡大したデジタル画像を取得し、図3として示した。また、各図内には、連続相12とそれを構成する樹脂の種類、分散相11とそれを構成する樹脂の種類、空隙13等を符号で示した。但し、分散相11又は連続相12の判別が困難なものには、樹脂の種類のみを示した。
〈6〉実施例の効果
表1のシャルピー衝撃強度の結果のうち、実験例1〜9を用いて、PA11とHDPEとの配合比と、シャルピー衝撃強度と、の相関をグラフに表して図1に示した。
図1の結果から、脂肪族ポリアミド樹脂(A)を連続相11とし、この脂肪族ポリアミド樹脂(A)内にオレフィン系樹脂(B)を分散相12として混合した樹脂組成物では、実験例2〜4の特定の範囲でのみ、実験例1(12.91kJ/m)を大幅に超えるシャルピー衝撃強度(41.61〜52.44kJ/m)が得られた。更に、その衝撃強度は、実験例1(PA11単独)が12.91kJ/mであるのに対して、実験例3(PA11:HDPE=90:10)では52.44kJ/mにも達しており、実験例1の値の4倍と極めて顕著な耐衝撃性の向上が認められた。
更に、耐衝撃性の向上は、図4〜図9から認められるように、空隙の有無に伴って変化していることが分かる。即ち、PA11を連続相11としてHDPEがこの連続相11内に分散相12として分散されるとともに、HDPEによる分散相12が空隙13を伴っている場合には、上記の特異的な耐衝撃性の向上が認められる。また、実験例2とともに、耐衝撃性が特に向上されている実験例3では、図3(図4の一部を3万倍に拡大した図)において連続相11と分散相12とが柱状部14により接続されていることが見てとれる。
尚、実験例5による図6では、連続相11をPA11がなし、分散相12をHDPEがなし、その間に間隙も認められるものの、PA11の配合量が多いために分散粒径が大きくなり、結果として空隙の形成量が減ったために十分な耐衝撃性の向上が認められないものと考えられる。
これらの結果から、本樹脂組成物では、脂肪族ポリアミド樹脂(A)に対して、オレフィン系樹脂(B)を配合して、分散相を形成するとともに、連続相と分散相と相間に有意に空隙が形成された場合には飛躍的な耐衝撃性向上が認められることが分かる。
尚、図4及び図5において、内部に分散相12が認められない連続相11の凹部15は、空隙13が存在したために切断時に分散相12が脱落して形成された凹部15と考えられ、切断前の状態においては、これらの凹部15はいずれも、空隙13を伴った分散相12であったと考えられる。
また、表1のシャルピー衝撃強度の結果のうち、実験例3、実験例10〜11を用いて、成形時の冷却操作にともなうシャルピー衝撃強度の差異をグラフに表して図2に示した。これら表1及び図2から明らかなように、冷却操作により、耐衝撃性を向上させられることが分かる。即ち、「冷却1」による試験片のシャルピー衝撃強度が52.44KJ/mであるのに対して、「冷却2」では55.60KJ/mと向上された。
この冷却操作による差異は、冷却1では急冷したのに対して、冷却2では、連続相を構成する樹脂(A)の結晶化温度Tと、分散相を構成する樹脂(B)の結晶化温度Tと、間の温度125℃までは急冷して、樹脂(A)の結晶化を抑制したうえで、温度T未満の温度60℃まで徐冷して、樹脂(B)の結晶化を促し、結晶化に伴う収縮を促進している。このため、冷却1による試験片に比べて、冷却2の試験片では空隙量が増えて耐衝撃性が向上されたと考えることができる。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
11;連続相、12;分散相、13;空隙、14;柱状部、15;凹部(分散相を伴わない連続相の凹部)。

Claims (16)

  1. 脂肪族ポリアミド樹脂(A)と、オレフィン系樹脂(B)と、を含有するとともに、該脂肪族ポリアミド樹脂(A)と該オレフィン系樹脂(B)とを相溶化させるための相溶化成分を含まず、該脂肪族ポリアミド樹脂(A)と該オレフィン系樹脂(B)との合計を100質量%とした場合に、該オレフィン系樹脂(B)が1質量%以上30質量%未満であり、
    前記オレフィン系樹脂(B)は、全構成単位数のうちオレフィン以外の単量体に由来する構成単位が1%以下であり、
    前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が連続相をなし、
    前記オレフィン系樹脂(B)が前記連続相に分散された分散相をなし、
    前記連続相と前記分散相との相間に空隙を有し、
    前記連続相と前記分散相とが、柱状部によって接続されていることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記オレフィン系樹脂(B)は、全構成単位数のうち80%以上がエチレンに由来する構成単位であるエチレン系重合体である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、炭素原子数が11であるアミド結合含有単位を主鎖に含む脂肪族ポリアミド樹脂である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記オレフィン系樹脂(B)が、高密度ポリエチレンである請求項1乃至のうちのいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記オレフィン系樹脂(B)は、平均分散粒径が10μm以下である請求項1乃至のうちのいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 耐衝撃性樹脂組成物である請求項1乃至のうちのいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 脂肪族ポリアミド樹脂(A)と、オレフィン系樹脂(B)と、を含有するとともに、該脂肪族ポリアミド樹脂(A)と該オレフィン系樹脂(B)との合計を100質量%とした場合に、該オレフィン系樹脂(B)が1質量%以上30質量%未満であり、
    前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が連続相をなし、
    前記オレフィン系樹脂(B)が前記連続相に分散された分散相をなし、
    前記連続相と前記分散相との相間に空隙を有する樹脂組成物の製造方法であって、前記連続相を構成する樹脂と、前記分散相を構成する樹脂と、を含む溶融混合樹脂を冷却する冷却工程を備え、
    前記冷却工程は、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度をTとし、前記オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度をTとした場合に、T<Tであり、前記T以下且つ前記Tを超える温度まで40℃/分以上の降温速度で冷却する第1冷却工程と、
    第1冷却工程に引き続いて、前記T未満の温度まで、前記第1冷却工程における降温速度よりも小さい降温速度で、冷却する第2冷却工程と、を備えることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
  8. 前記第1冷却工程の冷却を温度Tより5℃以上高い温度で停止するとともに、前記第2冷却工程における降温速度を10℃/分以下にする請求項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  9. 前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、炭素原子数が11であるアミド結合含有単位を主鎖に含む脂肪族ポリアミド樹脂である請求項又はに記載の樹脂組成物の製造方法。
  10. 前記オレフィン系樹脂(B)が、高密度ポリエチレンである請求項乃至のうちのいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
  11. 前記オレフィン系樹脂(B)は、平均分散粒径が10μm以下である請求項乃至10のうちのいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
  12. 脂肪族ポリアミド樹脂(A)と、オレフィン系樹脂(B)と、を含有するとともに、該脂肪族ポリアミド樹脂(A)と該オレフィン系樹脂(B)との合計を100質量%とした場合に、該オレフィン系樹脂(B)が1質量%以上30質量%未満であり、
    前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が連続相をなし、
    前記オレフィン系樹脂(B)が前記連続相に分散された分散相をなし、
    前記連続相と前記分散相との相間に空隙を有する樹脂組成物を用いた成形体の製造方法であって、溶融状態の前記樹脂組成物を冷却する冷却工程を備え、
    前記冷却工程は、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度をTとし、前記オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度をTとした場合に、T<Tであり、前記T以下且つ前記Tを超える温度まで40℃/分以上の降温速度で冷却する第1冷却工程と、
    第1冷却工程に引き続いて、前記T未満の温度まで、前記第1冷却工程における降温速度よりも小さい降温速度で、冷却する第2冷却工程と、を備えることを特徴とする成形体の製造方法。
  13. 前記第1冷却工程の冷却を温度Tよりも5℃以上高い温度で停止するとともに、前記第2冷却工程における降温速度を10℃/分以下にする請求項12に記載の成形体の製造方法。
  14. 前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、炭素原子数が11であるアミド結合含有単位を主鎖に含む脂肪族ポリアミド樹脂である請求項12又は13に記載の成形体の製造方法。
  15. 前記オレフィン系樹脂(B)が、高密度ポリエチレンである請求項12乃至14のうちのいずれかに記載の成形体の製造方法。
  16. 前記オレフィン系樹脂(B)は、平均分散粒径が10μm以下である請求項12乃至15のうちのいずれかに記載の成形体の製造方法。
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