JP6009980B2 - ホルダー、荷電粒子線装置、および真空装置 - Google Patents

ホルダー、荷電粒子線装置、および真空装置 Download PDF

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本発明は、ホルダー、荷電粒子線装置、および真空装置に関する。
電子顕微鏡等で試料を原子レベルの高い観察倍率で観察する際や試料を高い精度で分析する場合に、試料のドリフトが問題となる場合がある。
試料のドリフトの原因としては、例えば、試料ホルダーやゴニオメーターなどの熱的、機械的不安定性に起因するもの、電子レンズの熱的不安定性に起因するもの、試料の変形や試料のチャージアップに起因するものなどが挙げられる。例えば特許文献1には、試料ホルダーに装着されるOリングの弾性変形が、試料をドリフトさせる原因の一つとなると記載されている。
ここで、透過電子顕微鏡では、試料の支持は、一般的に先端に試料保持部を有する試料ホルダーによって行われる。このような試料ホルダーとして、多数の試料を保持できる多試料装填台を備えた試料ホルダーが知られている。
図13は、多試料装填台を備えた、従来の試料ホルダー1000を上方から見た模式図である。図14は、図13のXIV−XIV線断面図である。図15は、試料ホルダー1000の試料切替多段カム1005を模式的に示す斜視図である。
試料ホルダー1000は、例えば、図13〜図15に示すように、多試料装填台1001と、試料切替ノブ1002と、Oリング1003と、スライド動力伝達シャフト1004と、試料切替多段カム1005と、多段カム位置決めベアリング1006と、筒体1007と、を含んで構成されている。
多試料装填台1001には、複数(図示の例では4個)の試料が装填できる。透過電子顕微鏡の試料室に試料ホルダー1000を挿入した状態で、多試料装填台1001に装填された試料を切り替える場合には、試料切替ノブ1002を回し、試料切替多段カム1005を回転させる。このとき、多段カム位置決めベアリング1006が試料切替多段カム1005の斜面を転動し(図15参照)、回転動力伝達シャフト1004とOリング1003とが試料ホルダー1000の軸方向に動作する。これにより、試料を切り替えることができる。試料ホルダー1000の軸方向における試料の位置決めは、多段カム位置決めベアリング1006が試料切替多段カム1005の切欠きに落ち込むことでなされる。
試料ホルダー1000では、多試料装填台1001に装填した試料を切り替える機構にOリング1003を用いているため、試料を切り替える際に、Oリング1003がスライド摺動(試料ホルダー1000の軸方向への摺動)し、筒体1007との間に発生する摩擦力によって変形する。変形したOリング1003には、応力が発生する。Oリング1003に生じた応力は、時間経過とともに徐々に緩和される。このOリング1003に生じる応力緩和により、Oリング1003に加わる力のバランスが崩れ、試料を切り替えた後も、試料ホルダーが移動しつづけるドリフト(アフタードリフト)が発生する。
このような応力緩和によるドリフトは、透過電子顕微鏡の試料ホルダーに限らず、荷電粒子線装置や真空装置のホルダーでも問題となる。
特開昭62−98545号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、ドリフトを抑制できるホルダー、荷電粒子線装置、および真空装置を提供することができる。
(1)本発明に係るホルダーは、
第1開口と第2開口とを有する筒体と
前記第1開口側に配置され、前記筒体内を直線運動可能な第1シャフト部と、
前記第2開口側に配置され、前記筒体内を回転運動可能な第2シャフト部と、
前記第2シャフト部の回転運動を、直線運動に変換して前記第1シャフト部に伝達する変換部と、
前記第1シャフト部に設けられ、対象物を保持可能な保持部と、
前記第2シャフト部と前記筒体との間を気密に封止するシール部と、
を含む。
このようなホルダーによれば、保持部に保持された対象物を移動させる際に、シール部を、スライド摺動ではなく、回転摺動させることができる。これにより、シール部の応力緩和によるドリフト(アフタードリフト)を生じさせないことができる。したがって、このようなホルダーによれば、ドリフトを抑制することができる。
(2)本発明に係るホルダーにおいて、
前記保持部は、前記第1シャフト部の軸方向に複数設けられていてもよい。
(3)本発明に係るホルダーにおいて、
前記保持部は、前記第1シャフト部の軸方向に配列された複数の貫通孔を有する絞り板を保持していてもよい。
(4)本発明に係るホルダーにおいて、
前記第2シャフト部を回転させるための把持部を含んでいてもよい。
(5)本発明に係るホルダーにおいて、
前記第2シャフト部を回転駆動する駆動部を含んでいてもよい。
(6)本発明に係るホルダーにおいて、
前記変換部は、前記第2シャフト部の回転に伴って回転可能に設けられている立体カムであってもよい。
(7)本発明に係るホルダーにおいて、
前記第2シャフト部には、前記立体カムの開口部に挿入され、前記第2シャフト部の回転運動を前記立体カムに伝達する突出部が設けられ、
前記第2シャフト部の軸方向において、前記立体カムの開口部の大きさは、前記突出部の大きさよりも大きくてもよい。
(8)本発明に係るホルダーにおいて、
前記立体カムは、第1カム面および第2カム面を有し、
前記第1シャフト部には、前記第1カム面を転動する第1ベアリング、および前記第2カム面を転動する第2ベアリングが設けられていてもよい。
(9)本発明に係るホルダーにおいて、
前記変換部は、前記第1シャフト部および前記第2シャフト部の一方に設けられたナット部、および前記第1シャフト部および前記第2シャフト部の他方に設けられたねじ軸部を有する滑りねじ装置であってもよい。
(10)本発明に係る荷電粒子線装置は、
本発明に係るホルダーを含む。
このような荷電粒子線装置によれば、本発明に係るホルダーを含むため、ドリフトを抑制することができる。
(11)本発明に係る真空装置は、
本発明に係るホルダーを含む。
このような真空装置によれば、本発明に係るホルダーを含むため、ドリフトを抑制することができる。
第1実施形態に係るホルダーを上方から見た模式図。 第1実施形態に係るホルダーを模式的に示す断面図。 第1実施形態に係るホルダーの一部を模式的に示す断面図。 第1実施形態に係るホルダーの変換部を模式的に示す斜視図。 第1実施形態の第1変形例に係るホルダーの一部を模式的に示す断面図。 第1実施形態の第2変形例に係るホルダーを上方から見た模式図。 第1実施形態の第2変形例に係るホルダーの一部を模式的に示す断面図。 第2実施形態に係るホルダーを模式的に示す断面図。 第2実施形態に係るホルダーの一部を模式的に示す断面図。 第2実施形態の変形例に係るホルダーの一部を模式的に示す断面図。 第3実施形態に係る荷電粒子線装置の構成を説明するための図。 第3実施形態の変形例に係る荷電粒子線装置の試料位置決め装置を模式的に示す断面図。 従来の試料ホルダーを上方から見た模式図。 従来の試料ホルダーを模式的に示す断面図。 従来の試料ホルダーの試料切替多段カムを模式的に示す斜視図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. ホルダーの構成
まず、第1実施形態に係るホルダーの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係るホルダー100を上方から見た模式図である。図2は、ホルダー100を模式的に示す断面図である。なお、図2は、図1のII−II線断面図である。図3は、ホルダー100の一部を模式的に示す断面図であり、図2の一部拡大図である。
ホルダー100は、図1〜図3に示すように、筒体10と、第1シャフト部20と、第2シャフト部30と、変換部40と、保持部50と、シール部60と、を含む。ホルダー100は、さらに、把持部70と、Oリング80と、を含むことができる。
本実施形態では、ホルダー100が、透過電子顕微鏡の試料ホルダーである場合について説明する。ホルダー100は、複数(図示の例では4つ)の試料を保持(装填)することができる試料ホルダーである。ホルダー100では、透過電子顕微鏡の試料室に挿入された状態で、試料の切り替えを行うことができる。具体的には、ホルダー100では、透過電子顕微鏡の試料室に挿入された状態で、透過電子顕微鏡の光軸上に位置している試料を移動させて、他の試料を当該光軸上に位置させることができる。
筒体10は、図2に示すように、第1開口12と第2開口14とを有している。第1開口12は、筒体10の一方の端に位置し、第2開口14は、筒体10の他方の端に位置している。図示の例では、第1開口12には、第1シャフト部20の先端部が位置しており、第2開口14には、第2シャフト部30および把持部70が位置している。筒体10内(筒体10の孔)には、第1シャフト部20、および第2シャフト部30が挿入されている。図示の例では、筒体10の中心軸に沿って、第1シャフト部20と第2シャフト部30とが並んで配置されている。筒体10には、透過電子顕微鏡の試料室を気密に保つためのOリング80が装着されている。図示の例では、筒体10には、2つのOリング80が装着されている。Oリング80は、筒体10の外周面に周設された溝に装着されている。
第1シャフト部20は、筒体10の第1開口12側に配置されている。第1シャフト部20は、第2シャフト部30よりも第1開口12側に位置している。第1シャフト部20は、筒体10内を直線運動可能である。ここで、直線運動とは、軌跡が直線的な運動をいう。第1シャフト部20は、例えば、第1シャフト部20の軸S20に沿って直線運動することができる。第1シャフト部20の軸S20は、例えば、筒体10の中心軸、すなわち、ホルダー100の軸と重なっている。第1シャフト部20の先端部には、保持部50が設けられている。図示の例では、第1シャフト部20の先端部に装填台52が接続され、この装填台52に複数の保持部50が設けられている。ホルダー100には、図示はしないが、第1シャフト部20の回転を規制し、第1シャフト部20を円滑に直線運動させるためのボールスプラインが設けられていてもよい。
第2シャフト部30は、筒体10の第2開口14側に配置されている。第2シャフト部30は、第1シャフト部20よりも第2開口14側に位置している。第2シャフト部30は、筒体10内を回転運動可能である。ここで、回転運動という文言は、正方向に回転運動する場合と、逆方向に回転運動する場合とを含むものとして用いている。また、回転運動という文言は、軌跡が円である場合と、軌跡が円の一部(円弧)である場合と、を含むものとして用いている。第2シャフト部30は、例えば、第2シャフト部30の軸S30を回転軸として回転運動することができる。第2シャフト部30の軸S30は、例えば、筒体10の中心軸と重なっている。第2シャフト部30には、図3に示すように、第2シャフト部30の他の部分よりも径が大きい太軸部32が設けられており、この太軸部32が筒体10の内面に設けられた突出部16に当接することにより、第2シャフト部30が直線運動することを抑制している。
変換部40は、第2シャフト部30の回転運動を、直線運動に変換して第1シャフト部20に伝達する。変換部40は、例えば、第2シャフト部30の回転に伴って回転可能に設けられている立体カムである。
図4は、変換部(立体カム)40を模式的に示す斜視図である。図3および図4に示す
ように、変換部40は、立体カムの一種であって、円筒の端面にカム面42a,42bが形成された端面カムである。すなわち、変換部(立体カム)40は、端面にカム面42a,42bが形成され円筒形状の部材である。変換部(立体カム)40には、2つの開口部43a,43bが設けられている。開口部43aには、第2シャフト部30の側面に設けられているベアリング(突出部)44aが挿入される。また、開口部43bには、第2シャフト部30の側面に設けられているベアリング(突出部)44bが挿入される。ベアリング44a,44bは、第2シャフト部30から軸S30と直交する方向に突出している。ベアリング44a,44bによって、第2シャフト部30の回転運動が、変換部(立体カム)40に伝達される。
ここで、図3に示すように、第2シャフト部30の軸S30方向において、開口部43aの大きさ(幅)W1は、ベアリング44aの大きさ(幅)よりも大きい。また、同様に、第2シャフト部30の軸S30方向において、開口部43bの大きさは、ベアリング44bの大きさよりも大きい。これにより、変換部(立体カム)40に対して第2シャフト部30の回転運動のみを伝達し、第2シャフト部30の軸S30方向の運動(直線運動)を、ベアリング44a,44bが開口部43a,43bの内面を軸S30方向に転動することで逃がすことができる。したがって、変換部(立体カム)40に、第2シャフト部30の回転運動のみを伝え、第2シャフト部30の軸S30方向の運動を伝えないことができる。
変換部(立体カム)40のカム面42a,42bは、第1シャフト部20の軸S20に直交する面に対して傾斜している面を有している。第1カム面42aには、第1シャフト部20に設けられているベアリング46aが接しており、変換部(立体カム)40が回転することにより、ベアリング46aが第1カム面42aを転動する。第1カム面42aには、ベアリング46aを落とし込むための複数の切欠きがある。また、第2カム面42bには、第1シャフト部20に設けられているベアリング46bが接しており、変換部(立体カム)40が回転することにより、ベアリング46bが第2カム面42bを転動する。第2カム面42bには、第1カム面42aと同様に、ベアリング46bを落とし込むための複数の切欠きがある。例えば、把持部70を回転させて、把持部70に記載された1〜4(保持部50が4つの場合)の数字を所定の位置に合わせることで、ベアリング46a,46bを各切欠きに導くことができる。なお、把持部70をモーター等の駆動部に置き換えて、第2シャフト部30に回転動力を伝える構成でもよい。この場合の変換部(立体カム)40の位置合わせは、ポテンショメーターやエンコーダー等の検出器を使用し、角度(回転角度)を検出することで、変換部(立体カム)40の位置を知ることができる。
変換部(立体カム)40では、第2シャフト部30が回転することにより、2つのベアリング46a,46bが、それぞれカム面42a,42bを転動して、第1シャフト部20が直線運動する。そして、2つのベアリング46a,46bが、それぞれカム面42a,42bの切欠きに落ち込みことで、第1シャフト部20(保持部50)を位置決めすることができる。このとき、第1シャフト部20は、2つのベアリング46a,46bで変換部(立体カム)40と接触している。すなわち、第1シャフト部20は、2点支持されている。そのため、第1シャフト部20が1点支持されている片持ち構造の場合と比べて、第1シャフト部20には1点の支持点を起点として発生するモーメントによる応力が加わらず、第1シャフト部20の撓みに起因するドリフト(メカニカルドリフト)を抑制することができる。
保持部50は、試料を保持することができる。保持部50は、図示はしないが、試料をネジの締め付けによって固定してもよいし、試料をばねにより押し付けて固定してもよい。図示の例では、保持部50は、第1シャフト部20の軸S20方向に複数(4つ)設けられている。ホルダー100では、第1シャフト部20の直線運動により、保持部50の
位置を変えることができる。これにより、ホルダー100は、透過電子顕微鏡の試料室において、試料を切り替えることができる。
シール部60は、第2シャフト部30と筒体10との間を気密に封止する。シール部60は、図示の例では、Oリングである。シール部(Oリング)60は、第2シャフト部30の外周面に周設された溝に装着されている。シール部(Oリング)60は、筒体10の内面と接して、第2シャフト部30と筒体10との間を気密に封止している。シール部(Oリング)60は、第2シャフト部30の回転に伴って回転する。すなわち、シール部(Oリング)60は、第2シャフト部30を回転させると、筒体10の内面を回転摺動する。ここで、第2シャフト部30は、軸S30方向に直線運動しないため、シール部(Oリング)60は軸S30方向に摺動(スライド摺動)しない。
把持部70は、第2シャフト部30に接続されている。把持部70を回転させることで第2シャフト部30が回転する。このように把持部70を用いて、第2シャフト部30を回転運動させることができる。把持部70は、図2に示すように、ボールスプライン72を介して、第2シャフト部30に接続されている。これにより、把持部70の回転を第2シャフト部30に伝達しつつ、第2シャフト部30が熱等により変形して軸S30方向に伸縮した場合に、その伸縮を逃がすことができる。
1.2. ホルダーの動作
次に、ホルダー100の動作について、図1〜図4を参照しながら説明する。
まず、ホルダー100の保持部50に試料が固定される。図示の例では、4つの保持部50にそれぞれ試料が固定される。そして、ホルダー100は、透過電子顕微鏡の試料室に挿入される。これにより、ホルダー100に保持されている試料が、試料室に導入される。なお、試料室は、真空状態である。
このホルダー100が試料室に導入された状態で、保持部50の試料を切り替える場合には、例えば、ユーザーが把持部70を回し、第2シャフト部30と第2シャフト部30に固定されたベアリング44a,44bとを一緒に回転させて、ベアリング44a,44bと接触している変換部(立体カム)40を回転させる。
これにより、ベアリング46a,46bが変換部(立体カム)40のカム面42a,42bを転動し、第1シャフト部20がホルダー100の軸方向(軸S20方向)に移動する。第1シャフト部20が軸S20方向に移動することにより、保持部50が移動し、試料を切り替えることができる。ホルダー100の軸方向における試料(保持部50)の位置決めは、変換部(立体カム)40のカム面42a,42bの切欠きにベアリング46a,46bが落ち込むことでなされる。
ホルダー100において、試料を切り替える際のシール部(Oリング)60の動作は、第2シャフト部30の軸S30方向の摺動(スライド摺動)ではなく、軸S30を回転軸とする回転摺動のみである。したがって、シール部(Oリング)60自体の形状は変形せず、応力緩和によるドリフト(アフタードリフト)の発生を抑制することができる。
本実施形態に係るホルダー100は、例えば、以下の特徴を有する。
ホルダー100によれば、筒体10内を直線運動可能な第1シャフト部20と、筒体10内を回転運動可能な第2シャフト部30と、第2シャフト部30の回転運動を、直線運動に変換して第1シャフト部20に伝達する変換部40と、第1シャフト部20に設けられ、対象物(試料)を保持可能な保持部50と、第2シャフト部30と筒体10との間を
気密に封止するシール部60と、を含むため、試料を切り替える際に、シール部60を、スライド摺動ではなく、回転摺動させることができる。これにより、シール部60に応力緩和によるドリフト(アフタードリフト)を生じさせないことができる。したがって、試料のドリフトを抑制することができ、試料を、原子レベルの高い観察倍率で観察したり、高い精度で分析したりすることができる。
ホルダー100によれば、保持部50は、第1シャフト部20の軸S20方向に複数設けられている。したがって、第1シャフト部20の直線運動により、保持部50の位置を変えることができ、ホルダー100が透過電子顕微鏡の試料室に挿入された状態で、試料を切り替えることができる。
ホルダー100によれば、第2シャフト部30に接続され、第2シャフト部30を回転運動させるための把持部70を含むため、ホルダー100が透過電子顕微鏡の試料室に挿入された状態で、容易に試料を切り替えることができる。
ホルダー100によれば、変換部40は、第2シャフト部30の回転に伴って回転可能に設けられている立体カムであるため、簡易な構成で、第2シャフト部30の回転運動を、直線運動に変換して第1シャフト部20に伝達することができる。
ホルダー100によれば、第2シャフト部30には、変換部40の開口部43a,43bに挿入され、第2シャフト部30の回転運動を変換部40に伝達するベアリング(突出部)44a,44bが設けられ、第2シャフト部30の軸S30方向において、変換部40の開口部43a,43bの大きさW1は、ベアリング(突出部)44a,44bの大きさW2よりも大きい。そのため、変換部40に第2シャフト部30の回転運動のみを伝え、第2シャフト部30の軸S30方向の運動(直線運動)を伝えないことができる。
例えば、第2シャフト部30が軸S30方向に長いシャフトである場合、第2シャフト部30が熱等により変形して軸S30方向に伸縮する場合がある。第2シャフト部30の伸縮が変換部(立体カム)40に伝わると、試料にドリフトが生じる場合がある。ホルダー100では、第2シャフト部30の軸S30方向において、開口部43a,43bの大きさW1が、ベアリング44a,44bの大きさW2よりも大きいため、この第2シャフト部30の伸縮、すなわち、軸S30方向の運動を伝えないことができる。したがって、ホルダー100によれば、ドリフトを抑制することができる。
ホルダー100では、第1シャフト部20には、第1カム面42aを転動する第1ベアリング46a、および第2カム面42bを転動する第2ベアリング46bが設けられている。すなわち、第1シャフト部20は、2点支持されている。そのため、第1シャフト部20が1点支持されている片持ち構造の場合と比べて、第1シャフト部20には1点の支持点を起点として発生するモーメントによる応力が加わらず、第1シャフト部20の撓みに起因するドリフト(メカニカルドリフト)を抑制することができる。
1.3. 変形例
次に、第1実施形態に係るホルダー100の変形例について説明する。以下に示す各変形例に係るホルダーにおいて、上述したホルダー100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
(1)第1変形例
まず、第1変形例について説明する。図5は、第1変形例に係るホルダー200の一部を模式的に示す断面図である。なお、図5は、図3に対応している。
上述したホルダー100では、図2および図3に示すように、第2シャフト部30と筒体10との間を気密に封止するシール部60は、Oリングであった。
これに対して、ホルダー200では、図5に示すように、シール部60は、磁性流体シールである。
ここで、磁性流体シールとは、磁性流体を使用した回転シールの一種である。磁性流体シールは、磁石により磁性流体を第2シャフト部30周りに固定して気密性を保つことができる。第2シャフト部30は、直線運動せずに回転運動のみを行うため、第2シャフト部30と筒体10との間を気密に封止するためのシール部60として、磁性流体シールを用いることができる。シール部(磁性流体シール)60は、第2シャフト部30と筒体10との間に設けられる。
ホルダー200によれば、シール部60が磁性流体シールであるため、シール部60と第2シャフト部30との間で固体同士の接触がなく(非接触式シール)、シール部60に応力緩和を生じさせないことができる。したがって、ホルダー200によれば、アフタードリフトを抑制することができる。
なお、シール部60は、図示はしないが、ベローズ(金属ベローズ)であってもよい。第2シャフト部30は、直線運動せずに回転運動のみを行うため、第2シャフト部30と筒体10との間を気密に封止するためのシール部60として、ベローズを用いることができる。シール部60がベローズであっても、同様に、アフタードリフトを抑制することができる。
(2)第2変形例
次に、第2変形例について説明する。図6は、第2変形例に係るホルダー300を上方から見た模式図である。図7は、ホルダー300の一部を拡大して模式的に示す断面図である。なお、図7は、図6のVII−VII線の一部断面図である。
上述したホルダー100は、図1に示すように、透過電子顕微鏡の試料ホルダーであった。
これに対して、ホルダー300は、透過電子顕微鏡の絞り板のホルダーである。すなわち、保持部50は、第1シャフト部20の軸S20方向に配列された複数(図示の例では4つ)の貫通孔312を有する絞り板310を保持している。図示の例では、貫通孔312の径は互いに異なっており、把持部70を回すことで、貫通孔(絞り)310の径を切り替えることができる。なお、把持部70は、ホルダー100の場合と同様に、モーター等の駆動部に置き換えた構成でもよい。
ここで、絞り板310は、例えば、電子線の開き角、照射量を調整するためのコンデンサー絞り、制限視野回折を行う際に回折図形を得る試料の領域を制限する制限視野絞り、明視野像や暗視野像を得るために透過波や回折波を取り込むための対物絞り等である。
絞り板310がコンデンサー絞りである場合、ホルダー300は、透過電子顕微鏡のコンデンサーレンズ(照射レンズ)内に挿入される。また、絞り板310が制限視野絞りである場合、ホルダー300は、透過電子顕微鏡の対物レンズの像面に挿入される。また、絞り板310が対物絞りである場合、ホルダー300は、透過電子顕微鏡の対物レンズの後焦点面に挿入される。
ホルダー300では、ホルダー300が透過電子顕微鏡内の所定の位置に挿入された状
態で、貫通孔312の径を切り替えることができる。なお、ホルダー300において、貫通孔312の径は同じであってもよい。このとき、ホルダー300では、例えば貫通孔312の1つが汚れ等で使用できなくなった場合に、ホルダー300が透過電子顕微鏡内の所定の位置に挿入された状態で、別の貫通孔312に切り替えることができる。
なお、図示はしないが、ホルダー300において、保持部50が、EDS(エネルギー分散型X線分光)等の検出器と、電子線の電流量を測定するための電流検出用の素子と、を保持してもよい。これにより、ホルダー300が電子顕微鏡内の所定の位置に挿入された状態で、まず、電流検出用の素子で電子線の電流量を測定し、電子線の電流量を調整した後で、検出器に切り替えることができる。したがって、検出器がダメージを受けることを抑制することができる。なお、保持部50は、例えば、EDSの検出器、STEM検出器、電子線バイプリズム、および電流検出用の素子等の少なくとも1つを保持していてもよい。
2. 第2実施形態
2.1. ホルダーの構成
次に、第2実施形態に係るホルダーの構成について、図面を参照しながら説明する。図8は、第2実施形態に係るホルダー400を模式的に示す断面図である。図9は、ホルダー400の一部を拡大して模式的に示す断面図である。以下、第2実施形態に係るホルダー400において、上述したホルダー100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
上述したホルダー100は、図1〜図3に示すように、複数の試料を保持(装填)することができ、ホルダー100が試料室に挿入された状態で、試料の切り替えを行うことができる試料ホルダーであった。
これに対して、ホルダー400は、図8および図9に示すように、試料室に挿入された状態で、ホルダー400の軸方向に試料を移動させることが可能な試料ホルダーである。
また、上述したホルダー100では、図1および図2に示すように、第2シャフト部30を回転運動させるための把持部70を含んで構成されていた。さらに、ホルダー100では、変換部40が、図4に示すように、立体カム(立体カム)であった。
これに対して、ホルダー400は、図8および図9に示すように、第2シャフト部30を回転駆動する駆動部410を含んで構成されている。さらに、ホルダー400では、変換部40が、滑りねじ装置である。
駆動部410は、図8に示すように、モーターである。駆動部(モーター)410の回転は、ギヤ412によって、第2シャフト部30に伝達される。これにより、第2シャフト部30は、軸S30を回転軸として回転する。第2シャフト部30は、筒体10との間に配置されたベアリング414およびベアリング416によって、回転運動可能に支持されている。駆動部(モーター)410は、図示の例では、把持部70内に設けられている。
ホルダー400は、軸S30方向における保持部50(試料)の位置を検出するための位置検出用ポテンショメーター420を含んで構成されている。ポテンショメーター420によって駆動部(モーター)の角度(回転角度)を検出し、保持部50の位置を知ることができる。
変換部40は、図9に示すように、第2シャフト部30の回転運動を、直線運動に変換
して第1シャフト部20に伝達する滑りねじ装置である。変換部(滑りねじ装置)40は、第1シャフト部20に設けられたねじ軸部440、および第2シャフト部30に設けられたナット部442を有する。なお、図示はしないが、第1シャフト部20にナット部を設け、第2シャフト部30にねじ軸部を設けてもよい。ナット部442は、ねじ軸部440に対して軸S20方向に相対移動することができる。変換部(滑りねじ装置)40では、ナット部442が、第2シャフト部30の回転に伴って回転し、ナット部442の回転によって、ねじ軸部440が軸S20方向に移動する。
ホルダー400は、さらに、ボールスプライン430を含んで構成されている。ボールスプライン430は、外筒432と、スプライン軸434と、を含んで構成されている。図示の例では、外筒432は第2シャフト部30に接続されている。外筒432には、剛球433が組み込まれている。スプライン軸434は第1シャフト部20に設けられている。スプライン軸434には、軸S20方向に延在している転送溝が設けられている。外筒432に組み込まれた剛球433は、この転送溝に沿って転動することができる。ボールスプライン430では、外筒432とスプライン軸434との間に剛球433を介在させることで、第1シャフト部20の回転を規制しつつ、第1シャフト部20を軸S20方向に円滑に直線運動させることができる。
2.2. ホルダーの動作
次に、ホルダー400の動作について、図8および図9を参照しながら説明する。
まず、ホルダー400の保持部50に試料が固定される。そして、ホルダー400は、透過電子顕微鏡の試料室に挿入される。これにより、ホルダー400に保持されている試料が、試料室に導入される。なお、試料室は、真空状態である。
ホルダー400では、ホルダー400の軸方向(軸S20方向)における試料の移動は、駆動部(モーター)410を駆動させることで行う。具体的には、駆動部(モーター)410の動力を、第2シャフト部30に回転力として伝え、変換部(滑りねじ装置)40で、回転力をホルダー400の軸方向の推進力に変換している。これにより、試料をホルダー400の軸方向に移動させて、例えば観察視野を変えることができる。
したがって、試料をホルダー400の軸方向に移動させる際には、Oリング80は、スライド摺動も回転摺動もしないで、停止した状態を保つ。そのため、Oリング80の自体の形状は変化せず、応力緩和によるドリフト(アフタードリフト)の発生を抑制することができる。
また、シール部(Oリング)60は、スライド摺動せずに、回転摺動のみであるため、シール部(Oリング)60自体の形状は変化せず、応力緩和によるドリフト(アフタードリフト)の発生を抑制することができる。
ホルダー400は、例えば、以下の特徴を有する。
ホルダー400によれば、上述のように、試料のドリフトを抑制しつつ、透過電子顕微鏡の試料室に挿入された状態で、ホルダー400の軸方向に試料を移動させることができる。
ホルダー400によれば、第2シャフト部30を回転駆動する駆動部410を含むため、容易に、試料のドリフトを抑制しつつ、ホルダー400の軸方向に試料を移動させることができる。
ホルダー400では、変換部40は、第1シャフト部20および第2シャフト部30の一方に設けられたナット部442、および第1シャフト部20および第2シャフト部30の他方に設けられたねじ軸部440を有する滑りねじ装置である。これにより、簡易な構成で、第2シャフト部30の回転運動を、直線運動に変換して第1シャフト部20に伝達することができる。
2.3. 変形例
次に、第2実施形態に係るホルダーの変形例について説明する。図10は、本変形例に係るホルダー500の一部を模式的に示す断面図である。なお、図10は、図9に対応している。以下、本変形例に係るホルダー500において、上述したホルダー400の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
上述したホルダー400では、図8および図9に示すように、第2シャフト部30と筒体10との間を気密に封止するシール部60は、Oリングであった。
これに対して、ホルダー500では、図10に示すように、シール部60は、磁性流体シールである。第2シャフト部30は、直線運動せずに回転運動のみを行うため、第2シャフト部30と筒体10との間を気密に封止するためのシール部60として、磁性流体シールを用いることができる。シール部(磁性流体シール)60は、第2シャフト部30と筒体10との間に設けられる。
ホルダー500によれば、シール部60が磁性流体シールであるため、シール部60と第2シャフト部30との間で固体同士の接触がなく(非接触式シール)、応力緩和を生じさせないことができる。したがって、ホルダー500によれば、アフタードリフトを抑制することができる。
なお、シール部60は、図示はしないが、ベローズ(金属ベローズ)であってもよい。第2シャフト部30は、直線運動せずに回転運動のみを行うため、第2シャフト部30と筒体10との間を気密に封止するためのシール部60として、ベローズを用いることができる。シール部60がベローズであっても、同様に、アフタードリフトを抑制することができる。
3. 第3実施形態
3.1. 荷電粒子線装置
次に、第3実施形態に係る荷電粒子線装置について、図面を参照しながら説明する。図11は、第3実施形態に係る荷電粒子線装置の構成を説明するための図である。
第3実施形態に係る荷電粒子線装置600は、本発明に係るホルダーを含んで構成されている。ここでは、荷電粒子線装置600が、図11に示すように、ホルダー100を含んで構成されている場合について説明する。なお、図11では、ホルダー100を簡略化して図示している。
荷電粒子線装置600は、図11に示すように、電子線源601と、照射レンズ602と、試料位置決め装置603と、対物レンズ604と、中間レンズ605と、投影レンズ606と、撮像装置608と、鏡筒610と、を含んで構成されている。ここでは、荷電粒子線装置600が、透過電子顕微鏡(TEM)である場合について説明する。
電子線源601、照射レンズ602、対物レンズ604、中間レンズ605、投影レンズ606は、鏡筒610の内部に収容されている。鏡筒610の内部は、排気装置(図示省略)によって減圧排気されている。
電子線源601は、電子線EBを発生させる。電子線源601は、陰極から放出された電子を陽極で加速し電子線EBを放出する。電子線源601として、公知の電子銃を用いることができる。
照射レンズ602は、電子線源601の後段に配置されている。照射レンズ602は、電子線源601で発生した電子線EBを試料Sに照射するためのレンズである。照射レンズ602は、例えば、複数の集束レンズ(図示せず)を含んで構成されている。
荷電粒子線装置600において、ホルダー100によって保持された複数の試料は、鏡筒610内の試料室1に導入される。図11の例では、ホルダー100の4つの保持部50(図1参照)にそれぞれ試料S1,S2,S3,S4を保持させた状態を示している。試料室1では、試料S1〜S4のうちの1つ(例えば試料S1)に電子線EBが照射される。ホルダー100によれば、上述したように、ホルダー100を試料室1に挿入した状態で、アフタードリフトを抑制しつつ、試料を切り替えることができる。すなわち、ホルダー100を試料室1に挿入した状態で、試料S1から他の試料(例えば試料S2)に切り替えても、アフタードリフトを生じさせないことができる。
試料室1における試料S1の位置決めは、試料位置決め装置603によって行われる。
対物レンズ604は、照射レンズ602の後段に配置されている。対物レンズ604は、試料S1を透過した電子線EBで結像するための初段のレンズである。
中間レンズ605は、対物レンズ604の後段に配置されている。投影レンズ606は、中間レンズ605の後段に配置されている。中間レンズ605および投影レンズ606は、対物レンズ604によって結像された像をさらに拡大し、撮像装置608上に結像させる。
撮像装置608は、電子線EBを検出するための検出器を有している。検出器は、例えば、2次元的に配置された固体撮像素子を有するCCDカメラである。撮像装置608は、電子顕微鏡像を撮像し、この電子顕微鏡像の情報を出力する。
荷電粒子線装置600は、図示の例では、除振機611を介して架台612上に設置されている。
荷電粒子線装置600は、ホルダー100を含んで構成されているため、試料のドリフトを抑制することができる。
なお、ここでは、ホルダー100を、透過電子顕微鏡に適用した場合について説明したが、本発明に係るホルダーは、透過電子顕微鏡に限らず、その他の荷電粒子線装置に適用することができる。荷電粒子線装置としては、例えば、電子顕微鏡、集束イオンビーム装置、電子ビーム露光装置等が挙げられる。また、本発明に係るホルダーは、荷電粒子線装置に限らず、真空状態の持つ特性を利用したその他の真空装置にも適用することができる。このような真空装置としては、例えば、SEM、TEM等の荷電粒子線装置、SIMS、EPMA、XRD等の表面分析装置、STM、AFM等の操作プローブ顕微鏡、真空疲労試験機等の試験装置、スパッタリング装置、CVD装置等の真空蒸着装置等が挙げられる。
3.2. 荷電粒子線装置の変形例
次に、第3実施形態に係る荷電粒子線装置の変形例について、図面を参照しながら説明
する。図12は、本変形例に係る荷電粒子線装置700の試料位置決め装置603を模式的に示す断面図である。図12では、互いに直交する軸として、X軸およびY軸を記載している。なお、X軸およびY軸は、電子線の進行方向に対して直交する軸である。また、X軸は、ホルダー400の軸S400に沿う軸である。なお、荷電粒子線装置700において、図12で図示されていないその他の構成部材は、図11に示す荷電粒子線装置600の構成部材と同様である。以下、本変形例に係る荷電粒子線装置700において、上述した荷電粒子線装置600の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
上述した荷電粒子線装置600では、図11に示すように、複数の試料を保持することができるホルダー100を含んで構成されている場合について説明した。
これに対して、荷電粒子線装置700では、図12に示すように、ホルダーの軸方向に試料を移動させることができるホルダー400を含んで構成されている。
試料位置決め装置603は、図12に示すように、真空シールパイプ6031と、Y駆動モーター6032と、X傾斜モーター6034と、ゴニオメーター6036と、を含んで構成されている。なお、図12では、ホルダー400が試料室1に挿入されている状態を示している。
真空シールパイプ6031には、ホルダー400が挿入される。真空シールパイプ6031に挿入されることで、ホルダー400が保持している試料Sは、試料室1に導入される。
Y駆動モーター6032は、ホルダー400に保持された試料SをY方向に移動させるためのモーターである。試料SのY方向の移動は、Y駆動モーター6032とゴニオメーター6036とによって行われる。
X傾斜モーター6034は、ホルダー400に保持された試料SをX方向に傾斜させるためのモーターである。試料SのX方向の傾斜は、X傾斜モーター6034とゴニオメーター6036とによって行われる。
試料SのX方向の移動は、上述したように、ホルダー400によって行われる。ホルダー400によれば、試料Sのドリフトを抑制しつつ、X方向に試料Sを移動させることができる。
なお、図示はしないが、試料位置決め装置603は、Y傾斜モーターを含んで構成されていてもよい。これにより、試料SをY方向に傾斜させることができる。
荷電粒子線装置700によれば、ホルダー400を含んで構成されているため、試料のドリフトを抑制することができる。
なお、上述した実施形態および変形例は、一例であってこれらに限定されるわけではない。例えば、上述した各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
また、例えば、上述したホルダー100では、図1〜図4に示すように、変換部40が立体カムである場合について説明し、上述したホルダー400では、図8および図9に示すように、変換部40が滑りねじである場合について説明したが、変換部40は、第2シャフト部30の回転運動を直線運動に変換して第1シャフト部20に伝達することができれば、その構成は特に限定されない。変換部40は、図示はしないが、ボールねじ、平面
カム、直進カム、クランク機構等であってもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…試料室、10…筒体、12…第1開口、14…第2開口、16…突出部、20…第1シャフト部、30…第2シャフト部、32…太軸部、40…変換部、42a…第1カム面、42b…第2カム面、43a,43b…開口部、44a,44b…ベアリング、46a,46b…ベアリング、50…保持部、52…装填台、60…シール部、70…把持部、72…ボールスプライン、80…Oリング、100,200,300…ホルダー、310…絞り板、312…貫通孔、400…ホルダー、410…駆動部、412…ギヤ、414,416…ベアリング、420…ポテンショメーター、430…ボールスプライン、432…外筒、434…スプライン軸、433…剛球、440…ねじ軸部、442…ナット部、500…ホルダー、600…荷電粒子線装置、601…電子線源、602…照射レンズ、603…試料位置決め装置、6031…真空シールパイプ、6032…Y駆動モーター、6034…X傾斜モーター、6036…ゴニオメーター、604…対物レンズ、605…中間レンズ、606…投影レンズ、608…撮像装置、610…鏡筒、611…除振機、612…架台、700…荷電粒子線装置、1000…試料ホルダー、1001…多試料装填台、1002…試料切替ノブ、1003…Oリング、1004…スライド動力伝達シャフト、1005…試料切替多段カム、1006…多段カム位置決めベアリング、1007…筒体

Claims (11)

  1. 第1開口と第2開口とを有する筒体と
    前記第1開口側に配置され、前記筒体内を直線運動可能な第1シャフト部と、
    前記第2開口側に配置され、前記筒体内を回転運動可能な第2シャフト部と、
    前記第2シャフト部の回転運動を、直線運動に変換して前記第1シャフト部に伝達する変換部と、
    前記第1シャフト部に設けられ、対象物を保持可能な保持部と、
    前記第2シャフト部と前記筒体との間を気密に封止するシール部と、
    を含む、ホルダー。
  2. 請求項1において、
    前記保持部は、前記第1シャフト部の軸方向に複数設けられている、ホルダー。
  3. 請求項1において、
    前記保持部は、前記第1シャフト部の軸方向に配列された複数の貫通孔を有する絞り板を保持している、ホルダー。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記第2シャフト部を回転させるための把持部を含む、ホルダー。
  5. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記第2シャフト部を回転駆動する駆動部を含む、ホルダー。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記変換部は、前記第2シャフト部の回転に伴って回転可能に設けられている立体カムである、ホルダー。
  7. 請求項6において、
    前記第2シャフト部には、前記立体カムの開口部に挿入され、前記第2シャフト部の回転運動を前記立体カムに伝達する突出部が設けられ、
    前記第2シャフト部の軸方向において、前記立体カムの開口部の大きさは、前記突出部の大きさよりも大きい、ホルダー。
  8. 請求項6または7において、
    前記立体カムは、第1カム面および第2カム面を有し、
    前記第1シャフト部には、前記第1カム面を転動する第1ベアリング、および前記第2カム面を転動する第2ベアリングが設けられている、ホルダー。
  9. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記変換部は、前記第1シャフト部および前記第2シャフト部の一方に設けられたナット部、および前記第1シャフト部および前記第2シャフト部の他方に設けられたねじ軸部を有する滑りねじ装置である、ホルダー。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のホルダーを含む、荷電粒子線装置。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のホルダーを含む、真空装置。
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