JP6009934B2 - 腹足類害虫の忌避方法及び腹足類害虫用忌避組成物 - Google Patents

腹足類害虫の忌避方法及び腹足類害虫用忌避組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ナメクジやカタツムリなどの腹足類害虫の忌避方法に関する。
ナメクジやカタツムリなどの腹足類害虫は、植物の新芽や花芽を食害したり、病原原虫を媒介することがあり、従来より駆除や忌避の対象とされていた。そのため腹足類害虫を駆除する方法や忌避する方法が種々検討されている。
例えば、腹足類害虫を駆除する方法としては、メタアルデヒドを有効成分とした誘引性の毒餌剤を腹足類害虫が生息しそうな場所に設置する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、腹足類害虫がその毒餌を食べないと効果は得られず、すぐには効果が得られないという欠点があった。
そのため速効性を期待して、駆除剤を腹足類害虫に直接処理するエアゾール剤やスプレー剤について検討がされている(例えば、特許文献2参照)。しかし駆除剤を腹足類害虫に直接処理する際に、近隣の植物に薬害などの悪影響を及ぼす恐れがある。また腹足類害虫は粘液に覆われているため、駆除剤に暴露されても効果の発現までに時間がかかり、苦悶して動きまわる間に周囲が粘液だらけになり不衛生であり、不快感をともなうものとなる。
一方、腹足類害虫を忌避する方法についても提案がなされており、例えば、腹足類害虫に対して忌避効果のある銅化合物、ゼオライトなどを担持または含有させた成型品やシートを、植木鉢の底や植木鉢台の上面、家屋の外壁の下部および厨房などに設置し、腹足類害虫を忌避する方法が開示されている(例えば、特許文献3、4参照)。
特開平8−175906号公報 特開2003−26507号公報 特開平8−59417号公報 特開2001−226212号公報
これらの忌避方法は、忌避成分を担持させた成型品を設置して使用する方法であるため、成形品により美観が損なわれたり、成形品が風で飛ばされ散乱したりすることがある。さらに銅化合物を用いると、雨で銅イオンが流れ出し環境に悪影響を及ぼす場合がある。
また腹足類害虫が忌避成分を嫌がると言っても、その通過を十分に阻止できるものではなく、一度ナメクジなどが通過すると体表面を覆っている粘液が忌避剤の表面に付着し、この通過部分の忌避効果が低下して、次第に忌避効果が失われるという欠点があった。
そこで本発明は、ナメクジやカタツムリなどの腹足類害虫を忌避するための方法であって、植木鉢やプランターなどの植物栽培容器や窓枠等に簡単に直接処理することができ、しかも長期間忌避効力の持続する忌避方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、HLB値が10以上のノニオン系界面活性剤が腹足類害虫に対して優れた忌避効果を有し、このノニオン系界面活性剤を対象物に直接塗布して塗膜を形成し、この塗膜と腹足類害虫とが接触することで長期間の忌避効力が維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(3)によって達成されるものである。
(1)有効成分としてHLB値が10以上のノニオン系界面活性剤を30質量%以上含有する粘稠状、ペースト状又は固形糊状の腹足類害虫用忌避組成物を、対象物の表面に塗布し、前記ノニオン系界面活性剤を含む塗膜を形成し、前記塗膜と腹足類害虫を接触させて忌避することを特徴とする腹足類害虫の忌避方法。
(2)前記腹足類害虫用忌避組成物が、HLB値が10以上のノニオン系界面活性剤からなることを特徴とする前記(1)に記載の腹足類害虫の忌避方法。
(3)前記腹足類害虫用忌避組成物が、スティックタイプの固形糊状の剤型として形成されてなることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の腹足類害虫の忌避方法。
本発明によれば、腹足類害虫に対して十分な忌避効果を発現し、長期間にわたって効率よく腹足類害虫を忌避することができる。また、良好な塗布性を有するので、栽培施設の入り口や住居、窓枠、栽培棚、栽培容器に簡単に処理することができ、使用が容易である。さらにノニオン系界面活性剤を用いるので、人体に対して刺激がなく環境にも悪影響を与えないため安全性も高い。
本発明の忌避方法に用いる腹足類害虫用忌避剤の一実施形態を示す斜視図である。 ナメクジに対する忌避試験方法を説明する図である。 ナメクジの忌避行動パターンを説明する図であり、(a)は忌避効果があるときのナメクジの行動パターンを説明する図、(b)は忌避効果がないときのナメクジの行動パターンを説明する図である。 ナメクジに対する忌避試験方法を説明する図である。 ナメクジに対する忌避試験方法を説明する図である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(腹足類害虫用忌避組成物)
本発明に用いる腹足類害虫用忌避組成物は、有効成分として、HLB値が10以上のノニオン系界面活性剤を該組成物全量に対して30質量%以上含有するものである。HLB値が10以上のノニオン系界面活性剤は親水性が高いため、ナメクジなどの体から水分を奪いやすく、ナメクジなどが触れたときに体の水分を吸い取られる感覚を感じて忌避するものと推測される。
本発明の有効成分である、HLB値が10以上のノニオン系界面活性剤としては、例えば、モノオレイン酸ポリエチレングリコールなどのPEG脂肪酸エステル型、イソステアリン酸POEグリセリル、トリイソステアリン酸POEグリセリルなどのグリセリンエステル型、テトラオレイン酸POEソルビットのようなPOEソルビット脂肪酸エステル型、モノラウリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタンなどのPOEソルビタン脂肪酸エステル型、POEラウリルエーテル(5E.O.以上)、POEトリデシルエーテル(5E.O.以上)、POEセチルエーテル(10E.O.以上)、POEステアリルエーテル(7E.O.以上)、POEオレイルエーテル(7E.O.以上)などのPOEアルキルエーテル型、POEノニルフェニルエーテル(10E.O.以上)、POEオクチルフェニルエーテル(5.5E.O.以上)などのPOEアルキルフェニルエーテル型、POEソルビタンモノラウレート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノオレートなどのPOEソルビタンエステル型、カプリン酸ポリグリセリル、カプリル酸ポリグリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル、オレイン酸ポリグリセリル、ジオレイン酸ポリグリセリル、ミリスチン酸ポリグリセリル、ジミリスチン酸ポリグリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル、ジステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル型などが挙げられる。
具体的には、オレイン酸オクタエチレングリコール(HLB11.5)、ヘプタオキシエチレンセチルエーテル(HLB10.7)、ラウリン酸ペンタグリセリル(HLB10.9)、ミリスチン酸ペンタグリセリル(HLB12.2)、ステアリン酸ペンタグリセリル(HLB12.9)、ポリオキシエチレン(13)セチルエーテル(HLB14.2)、オレイン酸ペンタグリセリル(HLB14.9)、オレイン酸デカグリセリル(HLB15.9)、ミリスチン酸デカグリセリル(HLB16.7)、カプリン酸デカグリセリル(HLB17.3)、ステアリン酸デカグリセリル(HLB17.5)、カプリル酸ヘキサグリセリル(HLB13)などが挙げられる。
これらの有効成分は、忌避効果や処理のしやすさを勘案して、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、粘稠状、ペースト状又は固形糊状の剤形とするために、ミリスチン酸ペンタグリセリル、ステアリン酸ペンタグリセリル、ポリオキシエチレン(13)セチルエーテル、オレイン酸ペンタグリセリル、ミリスチン酸デカグリセリル、ステアリン酸デカグリセリル、カプリル酸ヘキサグリセリルを用いるのがよい。
さらに植物に対して影響の少ない、ミリスチン酸ペンタグリセリル、ステアリン酸ペンタグリセリル、オレイン酸ペンタグリセリル、ミリスチン酸デカグリセリル、ステアリン酸デカグリセリル、カプリル酸ヘキサグリセリルがさらによい。
本発明の腹足類害虫用忌避組成物は、対象物の表面に塗布して十分量の有効成分を含む塗膜を形成させ、さらに腹足類害虫が前記塗膜と接触した際に、有効量の有効成分が体に接触させるため粘稠状、ペースト状又は固形糊状の製剤とするのがよい。
また対象物への塗布のしやすさや、所期の効果を付与するために上記有効成分のほかに、各種成分を適宜選択して用いることができる。
例えば、グリセリン、ポリグリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体等のポリオール類及びその重合体などの湿潤剤;BHA、BHT、アスコルビン酸などの酸化防止剤;フェニルサリチレート、モノグリコリコールサリチレート、ベンゾフェノンなどの光安定剤;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カラギーナン、キサンタンガム、デンプン、グアガムなどの増粘剤;水、エタノールなどの溶剤;無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、各種色素や顔料、香料などが挙げられる。
さらに必要に応じて、腹足類害虫用忌避組成物に寄ってくるアリなどの害虫を忌避、駆除するために、例えば、ポリフェノール、テルペン化合物、ディート、ピレスロイド系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、ネオニコチノイド系殺虫剤などの殺虫剤や忌避剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。
本発明の腹足類害虫用忌避組成物は、公知の方法により製造することができ、例えば、加温下で各成分を順次撹拌混合するなどの方法を挙げることができる。
その際に有効成分であるHLB値が10以上のノニオン系界面活性剤は、組成物全量に対して30質量%以上含有するように調整する必要があり、それより少ないと、対象物の表面に塗布した際に、十分量の有効成分を塗膜に含ませることができなかったり、該塗膜と腹足類害虫が接触した際に忌避効果が十分に発揮されない恐れがある。
本発明の腹足類害虫用忌避組成物では、有効成分の含有量は30質量%以上であることが好ましく、60質量%以上がより好ましい。またHLB値が10以上のノニオン系界面活性剤だけからなってもよい。
さらに本発明の腹足類害虫用忌避組成物は、前記有効成分により十分な忌避効果を奏することから、腹足類害虫を対象とした他の忌避剤を併用する必要はない。
本発明の腹足類害虫用忌避組成物では、有効成分のほかにも、粘稠状、ペースト状又は固形糊状の製剤とするために、界面活性剤やポリエチレングリコールを基材として用いることができる。
このような界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウムなどのアニオン系界面活性剤、ポリエチレングリコールなどの1種又は2種以上が挙げられる。
(忌避方法)
本発明の忌避方法においては、上記した腹足類害虫用忌避組成物を所期の対象物の表面に塗布して塗膜を形成する。前記対象物の表面に前記組成物を塗布する方法としては、有効成分であるHLB値が10以上であるノニオン系界面活性剤が塗布面に塗膜を形成して存在すればよく、具体的には、粘稠状、ペースト状又は固形糊状などの剤型にして対象物の表面に塗布する方法が挙げられる。
塗布量の調節が容易であり、塗りムラや塗り残しを防ぐことができるため、図1に示すように、本発明の腹足類害虫用忌避組成物1をスティックタイプの固形糊状の剤型とした腹足類害虫用忌避剤2として用いることが好ましい。ここで、本発明において固形糊状とは、組成物が固形状に形成され、水分が低く流動性がない状態や粘性が強く流動性に乏しい状態を指す。
塗布する対象物の表面に本発明の腹足類害虫用忌避組成物を塗布して塗膜を形成することで、腹足類害虫がこの塗膜部分に接触すると、腹足類害虫は本発明の腹足類害虫用忌避組成物の有効成分の作用により体の水分を奪われるような感覚を覚え、嫌がって逃げ去ると考えられる。
本発明の腹足類害虫の忌避方法によれば、有効成分を適用面に塗膜を形成して付着させるので、例えば降雨により適用面が水で濡れたとしても溶出しにくく、長時間忌避効果を持続させることができる。
本発明の忌避方法は、本発明の腹足類害虫用忌避組成物を、例えば、農作物自体やそれが栽培されている畑、果樹園、花卉などの生育している花壇、植木鉢、プランター及びその周囲、一般家庭や食堂などの厨房、洗面所、ベランダ、網戸、サッシ、物置などの表面に直接塗布するなどして適用すればよい。
本発明の対象となる腹足類害虫としては、陸棲の腹足類害虫であり、例えば、コウラナメクジ、チャコウラナメクジ、ノナメクジ、ナメクジ、ヤマナメクジ、ニワコウラナメクジ、オカモノアラガイ、アフリカマイマイ、ウスカワマイマイなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
<試験例1:有効成分の検討>
有効成分として種々のHLB値を有するノニオン系界面活性剤について、それぞれの忌避効果を確認した。
試験検体として下記表1に示すポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン系界面活性剤1−1〜1−17(松本油脂株式会社製、商品名:ブラウノンN503〜N530)を使用した。図2に示すように、上方開口の透明なプラスチックカップ12(直径11cm、容量860mL)の内側壁面に、底部から5cmの位置に約1cmの幅で試験検体11を塗布した(重量約70mg)。その後、プラスチックカップ12内に供試虫16としてナメクジ1頭を放虫し、その忌避行動を観察した。試験は3回行なった。
図3(a)に示すように、供試虫16が試験検体の塗布領域に触れると試験検体の帯に沿って横方向に移動したものを忌避ありとして「○」と判断し、試験反復3回のうち1回でも図3(b)に示すように、試験検体の塗布領域を超えてプラスチックカップの上方に移動したものを忌避なしとして「×」と判断した。結果を同じく表1に示す。
Figure 0006009934
表1の結果より、HLB値が10以上であると(検体1−3〜1−17)、ナメクジに対して忌避効果を発現することがわかった。
<試験例2:忌避試験>
ノニオン系界面活性剤を用いた各処方における活性剤全体のHLB値による忌避効果を確認した。
下記表2〜4に示す処方により各試験検体(検体2−1〜2−17、3−1〜3−4、4−1〜4−4)を作製した。室温で固化している成分は湯煎にて溶解させ各成分を混合した後常温に戻すことにより固化した。
試験例1と同様の方法で忌避試験を行い、ナメクジの忌避行動を観察した。結果を同じく表2〜4に示す。
Figure 0006009934
Figure 0006009934
Figure 0006009934
表2〜4の結果より、組成物全体において、HLB値が10以上のノニオン系界面活性剤を約30質量%以上配合すると、ナメクジに対して確実に忌避効果を発現することがわかった。
さらに表3の結果より、プロピレングリコール、グリセリンのような溶剤を加えた場合、溶剤の配合割合に関わらず忌避は確認できた。また表4の結果より、無機粉体である無水ケイ酸を混合した場合においても確実な忌避が確認できた。
<試験例3:忌避試験>
試験例2で作製した検体3−1〜3−3を用いてカタツムリに対する忌避試験を行った。
試験例1と同様の方法で忌避試験を行い、カタツムリの忌避行動を観察した。結果を表5に示す。
Figure 0006009934
表5の結果より、検体3−1〜3−3は、カタツムリに対しても確実に忌避効果を発現することがわかった。
<試験例4:効力試験>
試験例2で作製した検体3−3を用いて、食害被害に対する忌避効力試験を行った。
図4に示すように、上方開口の透明なプラスチックカップ13(直径6cm、容量60mL)の底部に底面が隠れる程度の土18を入れ、その中央にキャベツの葉17(1g)を設置した。プラスチックカップ13の外側壁面に、底部から1cmの位置に約2cmの幅で試験検体11を塗布して(重量約10mg)、これを処理区とした。
この処理区を一回り大きなプラスチックカップ14(直径12cm、容量650mL)に入れ、プラスチックカップ14の底部に供試虫16としてナメクジ1頭を放虫し、一日後の試供虫のキャベツの葉17への定着の有無を確認した。
コントロール(無処理区)として試験検体11を塗布しないもので同様の試験を行った。試験はそれぞれ10回行い、定着数を数えた。
また、降雨を想定し、試験検体11を塗布したプラスチックカップ13にトリガーポンプ(噴霧量:1g/1プッシュ)で水を4方向から10プッシュずつ処理した後、同様の試験を行った。試験は10回行った。
忌避率を以下の式より求め、結果を表6に示す。
忌避率(%)=(無処理区の定着数−処理区の定着数)/無処理区の定着数
Figure 0006009934
表6の結果より、検体3−3は、100%の忌避効果が得られ、水処理をした場合であっても100%の忌避効果が得られた。このことから、本発明の腹足類害虫用忌避組成物は水によって流されることなく効果を発現できることがわかった。
<試験例5:効力試験>
試験例2で作製した試験検体3−3を用いて、食害被害に対する忌避効力試験を行った。
図5に示すように、上方開口の透明なプラスチックカップ15(直径9cm、容量200mL)の底部に底面が隠れる程度の土18を入れ、その中央にキャベツの葉17(1g)を設置した。プラスチックカップ15の外側壁面に、底部から1cmの位置に約2cmの幅で試験検体11を塗布して(重量約40mg)、これを処理区とした。
この処理区を上方開口の透明なボックス19(縦30cm×横40cm×高さ15cm)に入れた。コントロール(無処理区)として試験検体11を塗布しないものを処理区から10cm離した位置に配置した。ボックス19の底部に供試虫16としてナメクジ10頭を放虫し、一日後の試供虫16のキャベツの葉17への定着数を数えた。
また、降雨を想定し、試験検体11を塗布したプラスチックカップ15にトリガーポンプ(噴霧量:1g/1プッシュ)で水を4方向から10プッシュずつ処理した後、同様の試験を行った。供試虫16としてナメクジ10頭を用いた。
忌避率を以下の式より求め、結果を表7に示す。
忌避率(%)=(無処理区の定着数−処理区の定着数)/無処理区の定着数
Figure 0006009934
表7の結果からわかるように、試験開始一日後には供試虫は全て無処理区に定着した。このことから本発明の腹足類害虫用忌避組成物は優れた忌避効果を有することがわかった。また、水処理をした場合であっても100%の忌避効果が得られ、本発明の腹足類害虫用忌避組成物が水によって流されることなく効果を発現できることがわかった。
1 腹足類害虫用忌避組成物
2 腹足類害虫用忌避剤
11 試験検体
12,13,14,15 プラスチックカップ
16 供試虫(ナメクジ)
17 キャベツの葉
18 土
19 ボックス

Claims (3)

  1. 腹足類害虫用忌避成分としてHLB値が10以上のノニオン系界面活性剤を60質量%以上含有する粘稠状、ペースト状又は固形糊状の腹足類害虫用忌避組成物を、対象物の表面に塗布し、前記ノニオン系界面活性剤を含む塗膜を形成し、前記塗膜と腹足類害虫を接触させて忌避することを特徴とする腹足類害虫の忌避方法。
  2. 前記腹足類害虫用忌避組成物が、HLB値が10以上のノニオン系界面活性剤からなることを特徴とする請求項1に記載の腹足類害虫の忌避方法。
  3. 腹足類害虫用忌避成分としてHLB値が10以上のノニオン系界面活性剤を60質量%以上含有し、粘稠状、ペースト状又は固形糊状を成し、
    対象物の表面に塗布して前記ノニオン系界面活性剤を含む塗膜を形成し、前記塗膜と腹足類害虫を接触させて忌避するために用いられることを特徴とする腹足類害虫用忌避組成物。
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