JP6009916B2 - 管理支援装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、イタレーション開発の管理支援装置に関する。
ソフトウェア開発では、ウォーターフォールモデル(water fall model)での開発に加え、アジャイル(agile)等でイタレーション開発が増加している。イタレーション開発は、イタレーション(iteration)という小さな期間を区切って開発を繰り返し行うため、ウォーターフォール開発と大きく異なる部分がある。このため、従来の開発管理手法ではイタレーション開発を十分に管理できていない。
従来、ウォーターフォール開発の進捗や遅れの把握には、実施予定のタスクの残件を時系列に沿って表現し、プロジェクトの進捗を表現するバーンダウンチャートが用いられてきた。イタレーション開発でも、各イタレーション内の管理にはバーンダウンチャート(burn down chart)が積極的に用いられている。
しかし、イタレーション開発では、各イタレーションの実施前にタスクを登録し、タスクが消化されるかによって管理するので、プロジェクト全体の管理はバーンダウンチャートでは行えず、イタレーション開発に適した管理手法が求められている。
特開2010−224889号公報 特開2012−146126号公報 特開2011−204098号公報 特開2005−301841号公報
本発明が解決しようとする課題は、イタレーション開発管理に適しており、プロジェクト全体の状況把握、イタレーション毎の計画の良し悪しの判断が可能な管理支援装置を提供することである。
実施形態の管理支援装置は、実施予定の個々の作業であるタスクに関する情報及びイタレーションの情報に基づいて、前記タスクにおいて実施予定であった前記イタレーションの実施予定をずらして変更するスリップに関する情報を管理するためのスリップ情報データベースと、前記実施予定のイタレーションがスリップした回数を表すスリップ回数に基づいて、前記イタレーション毎にイタレーションの開始時におけるスリップしたことのあるタスク数の割合を表すスリップ率を算出する開始時スリップ率算出部と、前記スリップ回数に基づいて、前記イタレーション毎にイタレーションの終了時におけるスリップしたことのあるタスク数の割合を表すスリップ率を算出する終了時スリップ率算出部と、前記イタレーション終了時に未完了のタスクの前記スリップ回数の多さの度合いを示すスリップ回数過多度を算出するスリップ回数過多度算出部と、前記開始時スリップ率と前記終了時スリップ率を2つの軸として、各イタレーションごとに前記スリップ回数過多度の大小に応じた図形を配置する計画信頼性可視化チャートを描画する計画信頼性可視化部とを、備える。
イタレーション開発の一例を説明する図である。 プロジェクト管理システムの一例を説明する図である。 スリップ回数のカウント方法を説明する図である。 本実施形態に係る管理支援装置の概略構成を示すブロック図である。 タスク情報テーブルの一例を示す図である。 実施予定履歴テーブルの一例を示す図である。 ステータス履歴テーブルの一例を示す図である。 イタレーションテーブルの一例を示す図である。 スリップ回数履歴テーブルの一例を示す図である。 開始時スリップ率と終了時スリップ率の定義を補足説明する図である。 スリップ回数過多度の定義を補足説明する図である。 計画信頼性可視化チャートの一例を示した図である。 スリップタスク推移可視化チャートの一例を示した図である。 管理支援装置におけるスリップ回数の把握及び可視化処理の流れを示すフローチャートである。 プロットの位置による計画信頼性可視化チャートの解釈例を説明する図である。 プロットの位置による計画信頼性可視化チャートの解釈例を説明する図である。 スリップタスク推移可視化チャートの解釈例を説明する図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
まず、本実施形態で用いる主要な用語について説明する。
「タスク」とは、ソフトウェア開発プロジェクト(以下、プロジェクトという。)で実施予定の個々の作業をいう。
「イタレーション開発」とは、プロジェクトをイタレーションと呼ばれる1〜4週間程度の短い期間(イタレーション)に区切り、1つのイタレーション毎に小さな機能を開発し、リリースするというサイクルを回すことで開発を完成させるものである。イタレーション開発の計画は、イタレーションが進む毎に順次立てられる。図1は、イタレーション開発の一例を説明する図である。図1に示す例では、イタレーション1の開始時には、イタレーション1〜イタレーション3についてタスクA〜タスクIを割付けて計画されている。イタレーション1の終了時には、イタレーション4についてタスクG〜タスクIを割付けて計画されている。
「プロジェクト管理システム」とは、タスクを登録して、タスクの集合としてプロジェクトを管理するものである。プロジェクトの途中で、タスクの内容や期限に変更があった場合は、タスクの情報を変更する。図2は、プロジェクト管理システムの一例を説明する図である。タスクの登録では、例えば、タスク名、担当者、タスクの詳細、実施予定イタレーション、ステータス等について登録する。図2に示す例では、タスクを登録した以降に、実施予定のイタレーション及びイタレーションのステータス(状況)に変更があったことがわかる。ステータスには、例えば、実行中、完了、未着手等がある。
「スリップ」とは、当該タスクが期限に間に合わない場合等に、当該タスクにおいて実施予定であったイタレーションの実施予定をずらして変更することをいう。
「スリップ回数」とは、各タスクにおいて実施予定のイタレーションがスリップした回数をいう。図3は、スリップ回数のカウント方法を説明する図である。図3に示す例では、イタレーション1の開始時には、イタレーション1においてタスクA〜タスクCが登録され、イタレーション2においてタスクD〜タスクFが登録されている。イタレーション1の終了時には、イタレーション1に割り付けられていたタスクCが完了できなかったことを反映して、イタレーション2に割り付けられている。したがって、イタレーション1の終了時のタスクCのスリップ回数は“1”である。同様にして、イタレーション2の終了時には、イタレーション2に割り付けられていたタスクC,Dが完了できなかったことを反映して、タスクDはイタレーション3に、タスクCはイタレーション4にそれぞれ割り付けられている。したがって、イタレーション2の終了時のタスクCのスリップ回数は“2”であり、タスクDのスリップ回数は“1”である。
本実施形態においては、イタレーションのスリップ回数に注目し、イタレーション毎のスリップ率を表示することにより、プロジェクトの状況を可視化するものである。
図4は、本発明の実施形態に係る管理支援装置の概略構成を示すブロック図である。この装置は汎用のコンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ(PC)等)と、同コンピュータ上で動作するソフトウェアとを用いて実現される。コンピュータとしては、CAD(Computer Aided Design)やCAE(Computer Aided Engineering)に好適なエンジニアリングワークステーション(EWS)等も含む。本実施形態はこのようなコンピュータに、スリップ回数の把握及びプロジェクトの状況の可視化に係る一連の手続きを実行させるプログラムとして実施することもできる。
図4に示すように、本実施形態に係る管理支援装置は、主として、入力部11、スリップ情報データベース12、開始時スリップ率算出部13、終了時スリップ率算出部14、スリップ回数過多度算出部15、計画信頼性可視化部16、スリップタスク推移可視化部17より構成されている。
入力部11は、タスクの情報及びイタレーションの情報を入力するものである。例えば、タスク情報は図2に示したようなタスクの内容であり、イタレーション情報はイタレーションの開始日,終了日である。入力したタスク情報は、スリップ情報データベース12に送られる。
スリップ情報データベース12は、スリップに関する情報(データ)を統一的に管理するためのファイルシステムである。
スリップ情報データベース12は、主として、タスク情報テーブル121と、実施予定履歴テーブル122と、ステータス履歴テーブル123と、イタレーションテーブル124と、スリップ回数履歴テーブル125から構成されている。
タスク情報テーブル121は、現時点のタスク情報をマトリックスで表現して格納するものである。図5は、タスク情報テーブルの一例を示す図である。タスク情報テーブル121は、例えば、“タスク名”、タスク毎の“実施予定イタレーション”、各タスクの“ステータス”の列から成り立っている。実施予定イタレーションは、各タスクにおいて実施する予定のイタレーションを特定する。ステータスには、“実行中”、“完了”、“未着手”がある。タスク情報テーブル121は、例えば入力部11を介して、毎日の始業時あるいは終業時に更新する。
実施予定履歴テーブル122は、タスク情報テーブル121内のタスク情報に基づいて、各タスクにおける実施予定のイタレーション情報をマトリックスで表現して毎日格納するものである。図6は、実施予定履歴テーブル122の一例を示す図である。実施予定履歴テーブル122は、例えば、“タスク名”、毎日の“日付”の列から成り立っている。図6に示す例では、タスクAについては、8月1日時点ではIter1で実施予定であり、8月2日〜8月4日時点ではIter2で実施予定であったことがわかる。実施予定履歴テーブル122によって、全タスクの履歴がわかる。
ステータス履歴テーブル123は、タスク情報テーブル121内のタスク情報に基づいて、各タスクのステータス情報をマトリックスで表現して毎日格納するものである。図7は、ステータス履歴テーブル123の一例を示す図である。ステータス履歴テーブル123は、例えば、“タスク名”、毎日の“日付”の列から成り立っている。図7に示す例では、例えば、タスクBについては、8月1日〜8月3日までは未着手、8月4日,5日は実行中、8月6日には完了していることがわかる。ステータス履歴テーブル123によって、タスクの変化の状況がわかる。
イタレーションテーブル124は、各イタレーションに紐付けられたタスクをマトリックスで表現して格納するものである。各イタレーションで実施予定になったことのあるタスクは全て格納する。すなわち、各タスクは、1日でも(1回でも)タスクの実施予定イタレーションになったイタレーションのそれぞれに格納され、過去からのイタレーションとタスクとの関係がわかる。図8は、イタレーションテーブルの一例を示す図である。イタレーションテーブル124は、例えば、“イタレーション名”、イタレーションの“開始日”、イタレーションの“終了日”、各イタレーションに“紐付けられたタスク” の列から成り立っている。図8に示す例では、タスクBはIter1、Iter2で実施予定になったことがあるので、イタレーションテーブルのIter1、Iter2のそれぞれの“紐付けられたタスク”に格納される。
スリップ回数履歴テーブル125は、各タスクについて実施予定のイタレーションが変更されたスリップ回数をマトリックスで表現して格納するものである。図9は、スリップ回数履歴テーブルの一例を示す図である。スリップ回数履歴テーブル125は、例えば、“タスク名”、毎日の“日付”の列から成り立っている。図9に示す例では、タスクAについては、8月2日に一回スリップし、8月5日に2回目のスリップが起き、8月8日に3回目のスリップが起きたことがわかる。
次に、開始時スリップ率、終了時スリップ率について説明する。図10は、開始時スリップ率と終了時スリップ率の定義を補足説明する図である。
開始時スリップ率算出部13は、イタレーション毎に、イタレーションの開始時のスリップ率を算出するものである。本実施形態では、開始時スリップ率は、次式で定義する。
Figure 0006009916
開始時スリップ率は、各イタレーションについて算出するので、Iter1における“新規タスク数”は、イタレーションテーブルのIter1行の「紐付けられたタスク」に含まれるタスクのうち、イタレーション開始日のスリップ回数が0でスリップが起きたことのないタスクの数である。“開始時スリップタスク数”は、イタレーションテーブルのIter1行の「紐付けられたタスク」に含まれるタスクのうち、イタレーション開始日のスリップ回数が1以上のタスク数である。
終了時スリップ率算出部14は、イタレーション毎に、イタレーションの終了時のスリップ率を算出するものである。本実施形態では、終了時スリップ率は、次式で定義する。
Figure 0006009916
終了時スリップ率は、各イタレーションについて算出するので、Iter1における“完了タスク数”は、イタレーションテーブルのIter1行の「紐付けられたタスク」に含まれるタスクのうち、イタレーション終了日のタスクステータスが「完了」のタスク数である。“未完了タスク数”は、イタレーションテーブルのIter1行の「紐付けられたタスク」に含まれるタスクのうち、イタレーション終了日のタスクステータスが「完了」以外で、次イタレーション以降にスリップしたタスク数である。
次に、スリップ回数過多度について説明する。図11は、スリップ回数過多度の定義を補足説明する図である。
スリップ回数過多度算出部15は、イタレーション毎にスリップ回数過多度を算出するものである。スリップ回数過多度は、イタレーション終了時の未完了タスクのスリップ回数の多さの度合いを示すものである。本実施形態では、スリップ回数過多度は、次式で定義する。
Figure 0006009916
スリップ回数過多度は、各イタレーションの終了時について算出するので、Iter1における“スリップ回数 i回の未完了タスク数”は、イタレーションテーブルのIter1行の「紐付けられたタスク」に含まれるタスク数のうち、イタレーション終了日のイタレーションステータスが「完了」以外で、イタレーション終了日のスリップ回数がi回のタスク数である。i=スリップ回数としたとき、αiは1以上でスリップ回数の多さに応じた係数である。このような重み付けをすることにより、スリップ回数の多いイタレーション程、過多度が大きく表されるので、プロジェクト進行が予定通りいかなかったイタレーションが浮かび上がってくる。
計画信頼性可視化部16は、計画信頼性可視化チャートを描画するものである。図12は、計画信頼性可視化チャートの一例を示した図である。計画信頼性可視化チャートは、開始時スリップ率を縦軸に終了時スリップ率を横軸とするグラフに、各イタレーションの値をプロットし、プロットの大小がスリップ回数過多度を表している。横軸方向は、ある特定のイタレーションがどれ位スリップしたかを示し、縦軸方向は、過去のスリップの状況を示している。
図12に示した例では、Iter1は開始時スリップ率、終了時スリップ率、スリップ回数過多度のいずれも小さい。一方、Iter4は開始時スリップ率、終了時スリップ率、スリップ回数過多度のいずれも大きい。計画信頼性可視化チャートによるプロジェクト評価については、後述する。
スリップタスク推移可視化部17は、スリップタスク推移可視化チャートを描画するものである。図13は、スリップタスク推移可視化チャートの一例を示した図である。スリップタスク推移可視化チャートは、イタレーション毎にいずれかの状況にあるタスク数の推移を時系列で描画するもので、イタレーションの進行に伴いイタレーションの中身がどのようになっているかがわかる。スリップタスク推移可視化チャートは、Iternにおけるタスクの状況を、“新規タスク”、“過去イタレーションからのスリップタスク”、“完了タスク”、“次以降のイタレーションへのスリップタスク”について、イタレーションの開始日から終了日まで時系列で描画する。スリップタスク推移可視化チャートでは、イタレーションの開始日には、完了しているタスクは無い、との前提で描いている。
例えば、Iter1における8月6日の“新規タスク”は、イタレーションテーブルのIter1行の「紐付けられたタスク」に含まれるタスクのうち、8/6時点のスリップ回数が0のタスクで、ステータスが「未着手」または「実行中」のタスクである。
同様に、Iter1における8月6日の“過去イタレーションからのスリップタスク”は、イタレーションテーブルのIter1行の「紐付けられたタスク」に含まれるタスクのうち、8/6時点でスリップ回数が1以上のタスクで、ステータスが「未着手」または「実行中」のタスクである。
同様に、Iter1における8月6日の“完了タスク”は、イタレーションテーブルのIter1行の「紐付けられたタスク」に含まれるタスクのうち、8/6のイタレーションステータスが「完了」のタスクである。
同様に、Iter1における8月6日の“次以降のイタレーションへのスリップタスク”は、イタレーションテーブルのIter1行の「紐付けられたタスク」に含まれるタスクのうち、新規タスク、過去イタレーションからのスリップタスク、完了タスク、次以降のイタレーションへのスリップタスク以外のタスクである。
次に、以上のように構成された管理支援装置100によるスリップ回数の把握及び可視化処理について説明する。
図14は、実施形態に係る管理支援装置におけるスリップ回数の把握及び可視化処理の流れを示すフローチャートである。尚、図14に示すフローチャートにおいて、「実行日」とは、データベースの更新を実行した日である。
まず、入力部11を介して、タスクの情報及びイタレーションの情報を入力する(ステップS1401)。タスク情報はタスクの内容であり、イタレーション情報はイタレーションの開始日,終了日である。
次いで、タスク情報に基づいてタスク情報テーブル121を更新する(ステップS1402)。
次に、イタレーション情報に基づいてイタレーションテーブル124の“開始日”、“終了日”を更新する(ステップS1403)。尚、ステップS1402とステップS1403は、順不同である。
次に、タスク情報テーブル121からタスクi の情報として、“タスク名”、“実施予定イタレーション”、“ステータス”を読み込む(ステップS1404)。
次に、実施予定履歴テーブル122に実行日のタスクiの“実施予定イタレーション”を格納する(ステップS1405)。
次いで、ステータス履歴テーブル123に実行日のタスクiの“ステータス”を格納する(ステップS1406)。
次に、タスクiの現在の実施予定イタレーションkに対し、イタレーションテーブル124のイタレーションkの行の“紐付けられたタスク”にタスクiが格納されているかを判定する(ステップS1407)。
格納されていなければ(ステップS1407でNo)、イタレーションテーブル124のイタレーションkの“紐付けられたタスク”にタスクiを追加する(ステップS1408)。
格納されていれば(ステップS1407でYes)、ステップS1409に移行する。
ステップS1409では、実施予定履歴テーブル122において、タスクiの“実施予定イタレーション”が実行日とその前日の“実施予定イタレーション”とで異なるかを判定する。
異なれば(ステップS1409でYes)、スリップ回数履歴テーブル125の実行日のタスクiのスリップ回数を前日の値に+1して格納する(ステップS1410)。
同じであれば(ステップS1409でNo)、スリップ回数履歴テーブル125の実行日のタスクiのスリップ回数を前日と同じ値で格納する(ステップS1411)。
上記ステップS1404からステップS1410,ステップS1411までは、全てのタスクについて実行する。
<計画信頼性可視化チャートの解釈>
図12に示した計画信頼性可視化チャートでは、プロットの大きさとプロットの位置が重要な意味を有する。プロットが大きい程、何度もイタレーションの変更が繰り返されてきたタスクが多いことを示している。計画信頼性可視化チャートを活用することにより、ユーザは各タスクの優先度や、タスクの切り分けの見直しをすることが可能となる。
プロットの位置は、イタレーション計画の信頼性やタスクの増減について判断する際の資料となる。図15,図16は、プロットの位置による計画信頼性可視化チャートの解釈例を説明する図である。図15に示すように、計画信頼性可視化チャートの右上部にプロットされるほど、イタレーション計画の信頼性が低いと判断できる。また、計画信頼性可視化チャートの右下部ほど、次以降のイタレーションにタスクがスリップしていることがわかる。
さらに、プロットの位置は、イタレーションごとの推移を見ることで、今後の状況を予想できる。図16において、左上の領域はタスクが減少していることを表しており、右下の領域はタスクが増加していることを表している。また、左下の領域は計画の信頼性が高いことを表しており、右上の領域は計画の信頼性が低いことを表している。プロットの位置によって、プロジェクト全体の未完了タスクの増減がわかるので、プロットが左上の領域にある場合には、今後、計画が改善される見込みを表し、プロットの位置が右下の領域にある場合には、今後、計画が悪化する見込みを表している。また、プロットの位置が左下の領域にある場合には、計画が改善されていることを表し、右上の領域にある場合には、計画が悪化していることを表す。
<スリップタスク推移可視化チャートの解釈>
スリップタスク推移可視化チャートによれば、スリップしたタスク量の把握が容易となる。例えば、毎日、リアルタイムのデータを見ることで、イタレーションの状況を把握することが容易となる。図17は、スリップタスク推移可視化チャートの解釈例を説明する図である。図17に示す例では、イタレーション開始日には20の過去イタレーションからのスリップタスクがあるが、イタレーション終了日には35の次以降のイタレーションへのスリップタスクがある。このイタレーションでは差分の15だけスリップタスクが増加したことがわかる。
本実施形態によれば、イタレーション開発管理に適しており、プロジェクト全体の状況把握、イタレーションごとの計画の良し悪しの判断が可能となる。スリップタスクが多い場合はタスクの優先度見直しや、タスクの切り分けるなどの次のアクションにつながる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100・・・管理支援装置
11・・・入力部
12・・・スリップ情報データベース
13・・・開始時スリップ率算出部
14・・・終了時スリップ率算出部
15・・・スリップ回数過多度算出部
16・・・計画信頼性可視化部
17・・・スリップタスク推移可視化部

Claims (9)

  1. 実施予定の個々の作業であるタスクに関する情報及びイタレーションの情報に基づいて、前記タスクにおいて実施予定であった前記イタレーションの実施予定をずらして変更するスリップに関する情報を管理するためのスリップ情報データベースと、
    前記実施予定のイタレーションがスリップした回数を表すスリップ回数に基づいて、前記イタレーション毎にイタレーションの開始時におけるスリップしたことのあるタスク数の割合を表すスリップ率を算出する開始時スリップ率算出部と、
    前記スリップ回数に基づいて、前記イタレーション毎にイタレーションの終了時におけるスリップしたことのあるタスク数の割合を表すスリップ率を算出する終了時スリップ率算出部と、
    前記イタレーション終了時に未完了のタスクの前記スリップ回数の多さの度合いを示すスリップ回数過多度を算出するスリップ回数過多度算出部と、
    前記開始時スリップ率と前記終了時スリップ率を2つの軸として、各イタレーションごとに前記スリップ回数過多度の大小に応じた図形を配置する計画信頼性可視化チャートを描画する計画信頼性可視化部とを、
    備える管理支援装置。
  2. 前記タスクに関する情報及び前記イタレーションの情報を入力する入力部を備え、
    入力した前記タスク情報及びイタレーション情報は前記スリップ情報データベースに送られる請求項1記載の管理支援装置。
  3. 前記開始時スリップ率は、
    Figure 0006009916
    である請求項1又は請求項2記載の管理支援装置。
  4. 前記終了時スリップ率は、
    Figure 0006009916
    である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の管理支援装置。
  5. 前記スリップ情報データベースは、
    現時点の前記タスク情報をマトリックスで表現して格納するタスク情報テーブルと、
    前記タスク情報テーブル内のタスク情報に基づいて、各タスクにおける実施予定のイタレーション情報をマトリックスで表現して格納する実施予定履歴テーブルと、
    前記タスク情報テーブル内のタスク情報に基づいて、各タスクのステータス情報をマトリックスで表現して格納するステータス履歴テーブルと、
    前記各イタレーションの開始日、イタレーションの終了日及びイタレーションに紐付けられたタスクをマトリックスで表現して格納するイタレーションテーブルと、
    前記各タスクについて実施予定のイタレーションが変更されたスリップ回数をマトリックスで表現して格納するスリップ回数履歴テーブルと、
    から構成される請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の管理支援装置。
  6. 前記イタレーションテーブルは、各イタレーションで実施予定になったことのあるタスクは全て格納する請求項5記載の管理支援装置。
  7. 前記実施予定履歴テーブルは、各タスクにおける実施予定のイタレーション情報を毎日格納し、前記ステータス履歴テーブルは、各タスクのステータス情報を毎日格納する請求項5記載の管理支援装置。
  8. さらに、
    前記イタレーション毎にいずれかの状況にある前記タスク数の推移を時系列としたスリップタスク推移可視化チャートを描画するスリップタスク推移可視化部を備える請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の管理支援装置。
  9. 前記スリップタスク推移可視化チャートは、前記タスクの状況を、前記スリップ回数がゼロで未着手または実行中であるタスク、前記スリップ回数が1以上で未着手または実行中であるタスク、完了タスク、それら以外のタスクに分けて描画する請求項8記載の管理支援装置。
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