まず、本実施形態の遊技機の概要について説明する。
第1実施形態の遊技機は、遊技者が操作可能な位置に第1操作手段及び第2操作手段を設けた遊技機であって、所定の条件が成立した場合に、前記操作手段を検査する検査モードを開始させる検査モード開始手段と、遊技の進行に応じて発光する装飾用発光体と、前記装飾用発光体を制御する発光制御手段と、を備え、前記発光制御手段は、前記検査モードにおいて、前記第1操作手段が操作された場合に、第1報知態様となるように前記装飾用発光体を制御し、前記第1操作手段の操作中に前記第2操作手段が操作された場合に、前記第1報知態様とは異なる第2報知態様となるように前記装飾用発光体を制御する。
本実施形態では、遊技者が操作可能な位置に演出ボタンや方向キー等の操作手段が設けられており、これらについて検査する検査モードがある。検査モードは、例えば、電源投入時に検査モード開始手段によって開始される。
装飾発光体は、検査モードにおいて、操作された操作手段に応じて異なる態様になる。これにより、検査者は、操作した操作手段の数に相当する種類の態様をチェックすることで、各操作手段が正常に動作しているか否かを簡単かつ確実に確認することができる。
発光制御手段は、例えば、装飾発光体の制御基板や制御プログラムであり、装飾発光体の点灯、点滅やこれらを組合せた発光パターンを制御する。
検査モードにおいて、発光制御手段が装飾発光体を制御することにより、操作された操作手段に応じた態様が出力される。これにより、操作手段が複数ある場合にも、既存の部品を利用して、簡単かつ確実にその動作確認を行うことができる。
そして、操作手段(第1操作手段)の操作中に、その操作手段とは別の操作手段(第2操作手段)が操作される場合があるが、発光制御手段は、装飾発光体を、第1操作手段が操作された場合とは異なる態様に切替える。これにより、検査者は、次々に操作手段を操作しても、各操作手段に応じた態様を確認することができ、迅速な検査が可能となる。
第2実施形態の遊技機は、遊技者が操作可能な位置に操作手段が複数設けられた遊技機であって、所定の条件が成立した場合に、前記操作手段を検査する検査モードを開始させる検査モード開始手段と、遊技の進行に応じて発光する装飾用発光体と、前記装飾用発光体を制御する発光制御手段と、を備え、前記発光制御手段は、前記検査モードにおいて、操作された操作手段に応じた報知態様となるように前記装飾用発光体を制御すると共に、前記操作手段の操作時間に関わらず、該報知態様による報知を所定時間継続させる。
本実施形態では、発光制御手段は、操作手段の操作時間に関わらず、装飾用発光体を所定時間(例えば、2秒間)継続させる。操作手段を一瞬しか操作しなかった場合にも、装飾用発光体が所定時間は発光するので、検査者は確実に発光態様を確認することができる。
例えば、操作手段の操作中に、別の操作手段が操作された場合には、発光制御手段は、現在の発光の報知時間が終了した後、又はその後に僅かに間隔を空けて、発光態様を切替える。これにより、検査者は、より確実に各操作手段の動作確認を行える。
次に、図1を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の構成について説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3及び前扉5を備えている。
前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
前扉5の上部左右両側にはスピーカ7が設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。
また、前扉5の左右両側及び上部には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、遊技の演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。なお、枠装飾LED8は、本発明の「発光部」に相当する。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
また、上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が可能となる左演出ボタン13と、中央演出ボタン14が設けられている。演出ボタン13、14は、操作が有効となったとき、遊技者がボタンを押下することにより演出を変化させることができる。演出ボタン13、14は、本発明の「操作手段」に相当する。
さらに、上貯留皿11の表面部分には、方向キー部15が設けられている。方向キー部15の詳細は後述するが、遊技の中で演出等を選択するときに用いられる。方向キー部15を構成する方向キー15a〜15eも、本発明の「操作手段」に相当する。
図2は、本実施形態のパチンコ遊技機1の背面側の斜視図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。
この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホールにある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられており、この裏カバー23内に、演出制御基板25を収納した透明の演出制御基板ケース25aと、液晶制御基板26を収納した透明の液晶制御基板ケース26aとが設けられている。
演出制御基板25と液晶制御基板26の中間部には、ボリュームスイッチ31が設けられている。つまみ部分を回転させることで10段階の音量設定が可能である。
液晶制御基板ケース26aの下方には、主制御基板24を収納した透明な主制御基板ケース24aが設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する。また、主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検出信号を受信して各種処理を行う。
また、主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。RAMクリアスイッチ27を押下しながら、電源を投入することによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36による演出を制御する。
主制御基板ケース24aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
次に、図3を参照して、パチンコ遊技機1の遊技盤4について説明する。
図3に示すように遊技盤4は、略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、複数の盤面装飾LED35が配置されている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示にともない発光色や発光態様を変化させ、演出を盛り上げる発光装飾部である。なお、盤面装飾LED35は、本発明の「発光部」に相当する。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置される。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。
センター飾り体34aの右側には、人形の腕の形状をした可動役物37aが配置されている。また、液晶表示装置36の前面下方には下駄の形状の可動役物37b配置されている。可動役物37a、37bは、いずれも遊技における演出や大当り期待度に応じて動作する。
液晶表示装置36の下方には、第1特別図柄始動口38a及び第2特別図柄始動口38bからなる始動入賞装置38が配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて変動表示がなされる。また、液晶表示装置36でも、特別図柄の抽選に対応した変動表示が行われる。
第2特別図柄始動口38bは開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合、遊技球が入賞し易い状態となる。上記開閉部材は、後述する普通図柄の抽選に当選した場合に、所定回数、所定時間開放するようになっている。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物と称することがある。
始動入賞装置38の下方には、第1大入賞装置39aが配置されている。また、始動入賞装置38の右側には、第2大入賞装置39bが配置されている。大入賞装置39a、39bは、共に特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りとなったときに所定時間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39a、39bの内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となっている。
遊技領域4aの右側下方には、特別図柄表示装置43a及び普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a、38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。なお、残り1個の7セグメントLED(右)は、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短状態であることを表示するために設けられている。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40aへの入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
遊技領域4aの左側には、普通図柄用始動ゲート40aや遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。普通図柄用始動ゲート40aは、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40aを通過することにより抽選が行われ、普通図柄表示装置43bにて、普通図柄の変動表示がなされる。
また、第2大入賞装置39bの上方には、右普通図柄用始動ゲート40bが配置されている。これは、右打ちをする遊技状態の場合の普通図柄用の始動ゲートであり、遊技者が右打ちをしているか否かを検知する役割も有する。
遊技領域4aの左側下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球の払出しが行われる。
また、遊技領域4aの最も左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a、44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44a及び44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
次に、図4を参照して、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。なお、図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンド受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板24は、その内部に、主制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243を備えている。主制御基板側CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンド作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27、始動入賞口センサ38c、大入賞口センサ39c、始動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42c、磁気センサ50、電波センサ51、振動センサ52が接続され、各センサの検出信号を受信可能となっている。
磁気センサ50は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、磁気を検出するセンサである。また、電波センサ51は、パチンコ遊技機1に対し発せられた強い電波を検出するセンサであり、振動センサ52は、パチンコ遊技機1に対し与えられた強い振動を検出するセンサである。
また、主制御基板24には、特別図柄表示装置43a、普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板側CPU241が抽選処理により取得した乱数情報は、各表示装置43a、43bに送信される。
さらに、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12c及び扉開放センサ32が接続されているため、これらのセンサが異常を検出すると、検出信号は払出制御基板29から主制御基板24に送信される。なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。
次に、演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板側CPU251と、ROM252と、RAM253を備えている。演出制御基板側CPU251はいわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM253は、演出制御基板側CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8、盤面装飾LED35が接続されている。演出制御基板25は、スピーカ7の効果音や各LED等の発光動作を制御し、演出効果を高めている。
演出制御基板25は、左演出ボタン13、中央演出ボタン14、方向キー(上)15a、方向キー(下)15b、方向キー(右)15c、方向キー(左)15d、方向キー(中)15eが接続されている。
演出ボタン13、14は、有効期間に遊技者がこれらを押下げることで、検出信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示された演出等が変化する。また、方向キー15a〜15eも、操作によって検出信号が演出制御基板25に送信される。なお、演出制御基板25は、本発明の「検査モード開始手段」、「発光制御手段」に相当する。
演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266を備えている。
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
次に、図5を参照して、方向キー部15の詳細を説明する。方向キー部15は、方向キー(上)15a、方向キー(下)15b、方向キー(右)15c、方向キー(左)15d、方向キー(中)15eの合計5種類のキーから構成され、上貯留皿11の右側に設けられている。
方向キー15a〜15dは略扇形、方向キー(中)15eは円形のボタンであり、それぞれ上貯留皿11の表面より少し浮き上がっているので、押下げることにより操作することができる。
方向キー15a〜15eは、それぞれ分離されたスイッチであるので、同時に複数の方向キーを操作することが可能である。操作スイッチを検査する「検査モード」においては、それぞれの方向キー特有の検査音が出力される。一方、通常の「遊技モード」においては、方向キー15a〜15eの操作によって共通の操作音が出力されるため、不自然な演出とはならない。
方向キー部15は、遊技の中でリーチ等の演出や特別遊技中に流れる楽曲を選択する際に用いられる。方向キー15a〜15dを操作して、選択可能な演出等を順に表示させ、エンターキーの役割を担う方向キー(中)15eにより、何れかの演出を決定することができる。
[実施例1]
次に、図6を参照して、本発明の実施例1について説明する。
図6(a)は、検査モードのタイミングチャートを示している。例えば、中央演出ボタン14が操作された場合には、信号がオン(ONエッジ)となり、枠装飾LED8が「黄」点灯し、スピーカ7から検査音2が出力される。なお、各操作スイッチに対応する発光と検査音(併せて、報知態様という)は、図6(b)に示す通りである。
実施例1では、操作スイッチの操作中には、発光及び検査音の出力が続いているが、このときに他の操作スイッチが操作される場合がある。例えば、中央演出ボタン14の操作中に、次に検査する方向キー(上)15aが操作された場合には、直ちに方向キー(上)15aの報知態様に切替わるようになっている。
具体的には、図6(a)に示すように方向キー(上)15aの信号がオンされると、枠装飾LED8が「赤」点灯となり、スピーカ7は検査音3の出力に切替わる。なお、この状態は、方向キー(上)15aの操作が終了し、信号がオフ(OFFエッジ)となるまで継続する。
図6(a)では、方向キー(上)15aの操作中に中央演出ボタン14の操作が終了しているが、仮に操作が継続していた場合にも、新たなONエッジデータが作成されない限り、中央演出ボタン14の報知態様に戻ることはない。
なお、予め設定された検査音が出力されない場合には、操作スイッチではなく、スピーカ7やその回路等に不具合がある場合が考えられる。このような不具合についても、検査モードで検査することができる。
盤面上には複数の盤面装飾LED35があるので、これらを枠装飾LED8の代わりに操作スイッチの検査に用いてもよい。また、方向キー15a〜15eの検査に枠装飾LED8を用い、演出用ボタン13、14の検査に盤面装飾LED35を用いる等、操作スイッチに応じて、異なる発光部を発光させるようにしてもよい。
実施例1では、検査モードにおいて一の操作スイッチの操作中に他の操作スイッチが操作されると、報知態様を直ちに切替える。これにより、次々に操作スイッチが操作される迅速な検査においても、操作スイッチに応じた発光及び検査音を出力され、検査者は、各操作スイッチが正常に動作していることを簡単かつ確実に確認することができる。
次に、図7A、7Bを参照して、パチンコ遊技機1の主制御側で行われる電源投入処理について説明する。この電源投入処理は、主制御基板24(以下、主制御手段という)の電源投入時(起動時)に行われる。
まず、主制御手段は、割込みを禁止とする(ステップS01)。すなわち、電源投入処理においては、タイマ割込み等の割込処理が実行されないように禁止の設定をする。その後、ステップS02に進む。
ステップS02では、主制御手段は、各種初期設定を行う。具体的には、割込みモード、スタックポインタ、内蔵WDT(ウォッチドッグタイマ。以下、WDTという)、入出力ポートの初期設定を行う。その後、ステップS03に進む。
ステップS03では、主制御手段は、RAMクリアスイッチ信号の読込みを行う。電源投入時にRAMクリアスイッチ27が操作された場合には、RAMクリアスイッチ信号がオンとなり、これが操作されたことが分かるようになっている。その後、ステップS04に進む。
ステップS04では、主制御手段は、演出制御基板起動待ち時間をセットする。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25が完全に起動する前に制御コマンドを送信することがないように、演出制御基板25の起動(初期化処理)が完了するまで一定時間待機する。実際には、この待機時間は3秒程度である。その後、ステップS05に進む。
ステップS05では、主制御手段は、演出制御基板起動待ち時間を減算する。この処理及び以降のステップS06、S07は、演出制御基板25の起動待ち時間が経過するまで繰り返される処理である。その後、ステップS06に進む。
ステップS06では、主制御手段は、内蔵WDTをクリアする。これは、演出制御基板25の起動待ち時間が経過するまでのループ処理の間に、WDTをクリアすることで、WDTによるリセットがかからないようにしている。その後、ステップS07に進む。
次に、主制御手段は、演出制御基板起動待ち時間となったか否かを判定する(ステップS07)。演出制御基板起動待ち時間となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS08に進む。一方、まだ起動待ち時間となっていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS05〜S07の処理を繰り返す。
ステップS07の判定が「YES」である場合、主制御手段は、電源異常信号を2回読込む(ステップS08)。電源異常信号とは、電源スイッチがオフとなった際に、電源基板28から送信される信号である。ノイズ等の影響で、読込んだ信号が本来の状態とは異なっている場合があるので、確認のため、この信号を2回読込むようにしている。その後、ステップS09に進む。
次に、主制御手段は、電源異常信号が一致したか否かを判定する(ステップS09)。これは、電源異常信号の一致を確認することにより、信号の正確性を保持する処理である。電源異常信号が一致した場合には、「YES」の判定となり、ステップS10に進む。一方、電源異常信号が一致しない場合には、「NO」の判定となり、ステップS08、S09の処理を繰り返す。
ステップS09の判定が「YES」である場合、主制御手段は、電源異常信号がオンしているか否かを判定する(ステップS10)。電源異常信号がオンしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS08〜S10の処理を繰り返す。一方、電源異常信号がオンしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS11に進む。
ステップS10の判定が「NO」である場合、主制御手段は、内蔵RAMのライト許可をする(ステップS11)。この処理によって、RAM243への書込み動作が可能となる。その後、ステップS12に進む。
ステップS12では、主制御手段は、待機画面表示コマンドの送信を行う。主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「待機画面表示コマンド」を送信するので、これを受信した演出制御基板25は、液晶表示装置36に待機画面を表示させる。その後、ステップS13(図7B参照)に進む。
ステップS13では、主制御手段は、内蔵WDTをクリアする。ステップS13、S14は、払出制御基板29の起動確認のためのループ処理であるが、ここでも、WDTをクリアすることで、WDTによるリセットがかからないようにしている。その後、ステップS14に進む。
次に、主制御手段は、払出制御基板の電源投入信号がオンしているか否かを判定する(ステップS14)。これは、払出制御基板29の電源が投入されたことの確認処理である。払出制御基板29の電源投入信号がオンしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS15に進む。一方、電源投入信号がオンしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS13、S14の処理を繰り返す。
ステップS14の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、RAMクリアスイッチ信号がオンしているか否かを判定する(ステップS15)。RAMクリアスイッチ信号がオンしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS19に進む。一方、RAMクリアスイッチ信号がオンしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS16に進む。
ステップS15の判定が「NO」である場合、主制御手段は、バックアップフラグがオンしているか否かを判定する(ステップS16)。ステップS15、S16では、主制御基板24の電源投入時に行われる処理がRAMクリア時処理か、又はバックアップ復帰時処理かを判定していることになる。
バックアップフラグがオンしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS17に進む。一方、バックアップフラグがオンしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS19に進む。
ステップS16の判定が「YES」である場合、主制御手段は、チェックサムが一致するか否かを判定する(ステップS17)。ここで、チェックサムが一致しない場合とは、RAM243に異常があり、正常なバックアップ復帰時処理が行えない場合である。
チェックサムが一致する場合には、「YES」の判定となり、ステップS18に進む。一方、チェックサムが一致していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS19に進む。
ステップS17の判定が「YES」である場合、主制御手段は、バックアップ復帰時処理を行う(ステップS18)。バックアップ復帰時処理は、電源断のときのRAM243の状態を保持して、主制御基板24を起動する処理である。その後、ステップS20に進む。
次に、ステップS15の判定が「YES」である場合、ステップS16、S17の判定が「NO」である場合、主制御手段は、RAMクリア時処理を行う(ステップS19)。RAMクリア時処理は、RAM243に記憶された情報をクリアして、初期状態として主制御基板24を起動する処理である。以下、図8を参照して、RAMクリア時処理の詳細を説明する。
まず、主制御手段は、RAMを初期化する(ステップS191)。この処理により、電源断の際にRAM243に記憶されていた各種情報は消去される。その後、ステップS192に進む。
ステップS192では、主制御手段は、RAMクリア表示コマンドを送信する。具体的には、主制御基板24が演出制御基板25に向けて「RAMクリア表示コマンド」を送信するので、これを受信した演出制御基板25は、液晶表示装置36にRAMクリア表示を実行させる。その後、ステップS193に進む。
ステップS193では、主制御手段は、客待ちデモコマンドを送信する。ここでは、主制御基板24が演出制御基板25に向けて「客待ちデモコマンド」を送信するので、これを受信した演出制御基板25は、液晶表示装置36にデモンストレーション画面を表示させる。その後、ステップS194に進む。
最後に、主制御手段は、RAMクリア報知タイマを設定する(ステップS194)。RAMクリアの処理が行われた場合、その報知ために枠装飾LED8を点灯させ、スピーカ7から警告音(RAMクリア報知音)を発生させる。例えば、この報知を30秒間継続させる場合には、タイマに30秒をセットする。その後、RAMクリア時処理を終了する。
図7Bに戻り、その後、主制御手段は、CTCの設定を行う(ステップS20)。具体的には、タイマ/カウンタ回路(CTC:Counter Timer Circuit)によって、タイマ割込処理が4ms周期ごとに実行されるように設定する。その後、ステップS21に進む。
ステップS21〜S23は、主制御基板24のメインループ処理となる。ステップS21では、主制御手段は、割込みを禁止とする。具体的には、タイマ割込み等の処理が行われないように禁止の設定をする。その後、ステップS22に進む。
ステップS22では、主制御手段は、各種乱数を更新する。具体的には、普通図柄用乱数及び特別図柄用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新する処理となる。その後、ステップS23に進む。
最後に、主制御手段は、割込みを許可する(ステップS23)。この処理により、メインループ処理の期間に4ms周期のタイマ割込みが呼び出される。1回のタイマ割込みが終了すると、メインループ処理を繰り返し、また4msが経過した時点で、タイマ割込処理が実行される。
次に、図9を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。遊技管理処理は、電源投入処理(図7A、7B参照)が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込処理である。
まず、主制御手段は、タイマ管理処理を行う(ステップS30)。パチンコ遊技機1には、普通図柄及び特別図柄役物動作タイマ等の多くのタイマが用意されており、それぞれ遊技に関する時間を計時している。主制御手段は、処理状態に応じて各種タイマを更新(タイマを減算)していくことで、タイマを管理する。その後、ステップS40に進む。
ステップS40では、主制御手段は、賞球管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38aや一般入賞口42に入賞した場合に行われる処理である。例えば、一般入賞口42に遊技球が入賞し、内部にある一般入賞口センサ42cが検知したとき、球検知信号が主制御手段に送信される。
主制御手段は、上記信号を受信すると、払出制御基板29(更には、遊技球払出装置19)に所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する。遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信すると、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。その後、ステップS50に進む。
ステップS50では、主制御手段は、普通図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、普通図柄用始動ゲート40aを通過した場合に行われる処理である。具体的には、普通図柄用始動ゲート40aの内部にある始動ゲート通過センサ40cが遊技球を検知すると、球検知信号が主制御手段に送信される。
主制御手段は、上記信号を受信すると、普通図柄の抽選乱数を取得する。この抽選乱数は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記抽選乱数の当否を抽選する。
また、主制御手段は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bでは、LEDの点滅による普通図柄の変動が行われ、普通図柄は、所定時間の経過後、抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。その後、ステップS60に進む。
ステップS60では、主制御手段は、普通電動役物管理処理を行う。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS50)にて、普通図柄が当り態様で停止した場合には、主制御手段は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
主制御手段は、上記所定時間が経過した場合、又は所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球が入賞した場合に、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。その後、ステップS70に進む。
なお、普通図柄管理処理(ステップS50)にて、普通図柄が外れ態様で停止した場合には、上記開閉部材を開放することはなく、普通電動役物遊技処理を終了する。
ステップS70では、主制御手段は、特別図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。始動入賞口センサ38cが遊技球を検知すると、始動入賞口センサ38cが球検知信号を主制御手段に送信し、主制御手段では特別図柄の抽選が行われる。
主制御手段は、特別図柄表示装置43aに制御信号を送信する。特別図柄表示装置43aでは、7セグメントLEDによる特別図柄の変動が行われ、特別図柄が所定時間の経過後に抽選結果に応じて当り又は外れの態様で停止する。また、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS80に進む。
最後に、ステップS80では、主制御手段は、特別電動役物管理処理を行う。これは、特別図柄の抽選結果により特別電動役物(大入賞装置39a、39b)の動作を制御する処理である。
特別図柄が当り態様で停止した場合には、大当りとなり、所定のラウンド数の特別遊技が遊技者に付与される。その後、遊技管理処理を終了する。
次に、図10を参照して、演出制御側のメイン処理について説明する。このメイン処理には、演出制御基板25(以下、副制御手段という)の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
まず、副制御手段は、初期化処理を行う(ステップS101)。これは、主に、副制御手段の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS102に進む。
次に、副制御手段は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS102)。メインループとは、後述するステップS104〜S111の処理であるが、その更新周期は16msとなっている。
ステップS102に進んでから更新周期の16msが経過すると、「YES」の判定となり、ステップS104に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合、ステップS103に進む。
ステップS102の判定が「NO」である場合、副制御手段は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS103)。その後、ステップS102の判定が「YES」となるまでステップS102、S103の処理を繰り返す。このループの期間には、1ms周期のタイマ割込処理(図示省略)が実行され、副制御手段は、この割込処理の回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
ステップS102の判定が「YES」である場合、副制御手段は、入力管理処理を行う(ステップS104)。以下、図11を参照して、入力管理処理の詳細を説明する。
まず、副制御手段は、各操作スイッチの入力を確認する(ステップS121)。操作スイッチとは、左演出ボタン13、中央演出ボタン14、及び方向キー15a〜15eである。その後、ステップS122に進む。
ステップS122では、副制御手段は、各操作スイッチの入力に基づき、ONエッジデータとOFFエッジデータを作成する。ONエッジデータは、操作スイッチが入力された場合に立ち上る信号データである(図6(a)参照)。同様に、OFFエッジデータは、入力が解除された場合に立ち下がる信号データである。その後、入力管理処理を終了する。
図10に戻り、その後、ステップS105に進む。ここでは、副制御手段は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS105)。具体的には、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS106に進む。
次に、副制御手段は、受信コマンド解析処理を行う(ステップS106)。受信コマンド解析処理とは、受信した制御コマンドを解析し、制御コマンドに応じた各種設定を行う処理である。以下、図12を参照して、受信コマンド解析処理の詳細を説明する。
まず、副制御手段は、受信コマンドが正常であるか否かを判定する(ステップS131)。受信コマンドが正常である場合には、「YES」の判定となり、ステップS132に進む。一方、受信コマンドが正常でない場合には、「NO」の判定となり、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップS131の判定が「YES」である場合、受信コマンドがRAMクリア表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS132)。「RAMクリア表示コマンド」は、RAMクリア時処理(図8参照)において、主制御基板24から送信される制御コマンドである。
受信コマンドが「RAMクリア表示コマンド」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS133に進む。一方、「RAMクリア表示コマンド」でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS136に進む。
ステップS132の判定が「YES」である場合を説明する。この場合、副制御手段は、RAMクリア表示処理を行う(ステップS133)。これにより、液晶表示装置36で「RAMクリア中」等の文字表示が開始される。
RAMクリア表示は、例えば、表示の開始から30秒経過した時点で終了する。同時にスピーカ7からRAMクリア報知音を出力してもよい。その後、ステップS134に進む。
ステップS134では、副制御手段は、「検査モード中」にセットする。具体的には、パチンコ遊技機1が「検査モード」の状態に設定される。その後、ステップS135に進む。
ステップS135では、副制御手段は、検査モードタイマを設定する。このとき検査モードタイマに設定した時間(例えば、30秒)は、後述する検査処理(図13B参照)の中でカウントダウンされ、時間が経過すると検査モードが終了する。その後、受信コマンド解析処理を終了する。
次に、ステップS132の判定が「NO」である場合を説明する。この場合、副制御手段は、受信コマンドが客待ちデモコマンドであるか否かを判定する(ステップS136)。「客待ちデモコマンド」も、RAMクリア時処理(図8参照)において、主制御基板24から演出制御基板25に送信される制御コマンドである。
受信コマンドが「客待ちデモコマンド」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS137に進む。一方、「客待ちデモコマンド」でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS138に進む。
ステップS136の判定が「YES」である場合、副制御手段は、客待ちデモ表示処理を行う(ステップS137)。具体的には、機種特有のキャラクタや企業ロゴ表示から構成されるデモンストレーション画面が液晶表示装置36に表示される。この表示は、遊技者が何れかの操作スイッチを操作するか、遊技球が始動入賞するまで継続する。その後、受信コマンド解析処理を終了する。
最後に、ステップS136の判定が「NO」である場合、副制御手段は、受信コマンドに応じた処理を実行する(ステップS138)。例えば、受信コマンドが「演出表示コマンド」である場合には、演出表示処理が行われる。その後、受信コマンド解析処理を終了する。
図10に戻り、その後、ステップS107に進む。ここでは、副制御手段は、メインシナリオ更新処理を行う(ステップS107)。具体的には、受信した制御コマンドの演出シナリオに基づいて液晶制御コマンド、サウンド出力、LEDの出力設定等の概要を設定する。その後、ステップS108に進む。
ステップS108では、副制御手段は、サウンド出力処理を行う。具体的には、前ステップで更新した設定により、スピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS109に進む。
ステップS109では、副制御手段は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、ソレノイドにより動作する可動役物の詳細な動作を設定する。その後、ステップS110に進む。
ステップS110では、副制御手段は、ノイズ対策用処理を行う(ステップS110)。具体的には、音声用等の周辺LSIについてノイズの影響を受けていないかチェックする。その後、ステップS111に進む。
最後に、副制御手段は、検査処理を行う(ステップS111)。検査処理とは、各操作スイッチが正常に動作するか否かを検査する処理であり、本発明の「検査モード」に相当する。以下、図13を参照して、検査処理の詳細を説明する。
まず、副制御手段は、「検査モード中」であるか否かを判定する(ステップS141)。検査モードは、例えば、演出制御基板25がRAMクリア表示コマンドを受信してから、30秒間とする。
現在、検査モード中である場合には、「YES」の判定となり、ステップS142に進む。一方、検査モード中でない場合には、「NO」の判定となり、検査処理を終了する(図13B参照)。
ステップS141の判定が「YES」である場合、副制御手段は、各操作スイッチのONエッジデータがあるか否かを判定する(ステップS142)。ONエッジデータがある場合には、「YES」の判定となり、ステップS143に進む。一方、何れのONエッジデータもない場合には、「NO」の判定となり、ステップS145に進む(図13B参照)。
ステップS142の判定が「YES」である場合、副制御手段は、操作されたスイッチに対応する発光態様で枠装飾LEDを発光させる(ステップS143)。例えば、左演出ボタン13が操作された場合には、枠装飾LED8を「紫」点灯させる。本ステップのように、枠装飾LED8を発光させるための制御プログラムは、本発明の「発光制御手段」に相当する。その後、ステップS144に進む。
ステップS144では、副制御手段は、操作されたスイッチに対応する検査音を出力する。例えば、左演出ボタン13が操作された場合には、スピーカ7から検査音1を出力する。
操作スイッチが操作されると、光と音の両方が出力されるため、検査者は確実に操作スイッチの動作を確認することができる。その後、ステップS145に進む(図13B参照)。
次に、副制御手段は、各操作スイッチのOFFエッジデータがあるか否かを判定する(ステップS145)。OFFエッジデータがある場合には、「YES」の判定となり、ステップS146に進む。
一方、何れのOFFエッジデータもない場合には、「NO」の判定となり、ステップS148に進む。例えば、操作スイッチが操作中の場合には、OFFエッジデータは作成されないので、ここでは「NO」の判定となる。
ステップS145の判定が「YES」である場合、副制御手段は、枠装飾LEDを消灯する(ステップS146)。例えば、左演出ボタン13の操作が終了した場合には、OFFエッジデータが作成されるので、枠装飾LED8の「紫」点灯が中止される。その後、ステップS147に進む。
ステップS147では、副制御手段は、検査音の出力を停止する。例えば、左演出ボタン13の操作が終了した場合には、スピーカ7による検査音1の出力が停止する。その後、ステップS148に進む。
ステップS148では、副制御手段は、検査モードタイマを減算する。具体的には、受信コマンド解析処理(図12)の中で設定した検査モードタイマをカウントダウンする。その後、ステップS149に進む。
次に、副制御手段は、検査モードタイマが0となったか否かを判定する(ステップS149)。検査モードタイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS150に進む。一方、まだ0となっていない場合には、「NO」の判定となり、検査処理を終了する。
最後に、ステップS149の判定が「YES」である場合、副制御手段は、「検査モード中」をクリアする(ステップS150)。これは、検査モードタイマがタイムアップした場合に、通常遊技モードの状態に戻すことを意味する。その後、検査処理を終了する。
なお、操作スイッチの操作が継続している期間に他の操作スイッチが操作された場合には、ONエッジデータが上書きされ、後から操作されたスイッチに対応した報知態様に切替わる(ステップS143、S144)。
図10に戻るが、副制御手段は、検査処理が終了するとステップS102の処理に戻り、これ以降の処理を実行する。以上、実施例1のパチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
上記のように実施例1では、所定の条件が成立した場合に、各操作スイッチを検査する検査モードが開始される。この検査モードにおいては、操作された操作スイッチに応じて、発光部を異なる態様で発光させる。操作スイッチの操作中に別の操作スイッチが操作された場合には、発光部を別の操作スイッチに対応する発光態様に切替えるので、検査者は、簡単かつ確実に複数の操作スイッチの動作を確認することができる。
[実施例2]
次に、図14を参照して、本発明の実施例2について説明する。以下では、実施例1と異なる部分について説明する。
まず、図14は、実施例2の検査モードのタイミングチャートを示している。中央演出ボタン14が操作された場合には、信号がオン(ONエッジ)となり、枠装飾LED8が「黄」点灯し、スピーカ7から検査音2が出力される。
ここでは、操作スイッチの操作時間に関わらず、発光及び検査音(報知態様)が2秒間出力される。また、この報知期間中に他の操作スイッチが操作される場合もあるが、報知期間の終了後に報知態様が切替わる。
具体的には、中央演出ボタン14による報知期間に方向キー(上)15aの信号がオンされると、直ちに枠装飾LED8が「赤」点灯とはならず、「黄」点灯(2秒間)が終了した後に「赤」点灯に切替わる。検査音についても中央演出ボタン14の操作による検査音2(2秒間)の終了後に、検査音3が出力される。
ここでは、中央演出ボタン14の操作が継続しているが、新たなONエッジデータが作成されない限り、中央演出ボタン14による報知態様に戻ることはない。
実施例2では、検査モードにおいて、操作スイッチの操作が一瞬であっても長時間であっても、所定時間だけ発光と検査音が出力されるので、検査者は、各操作スイッチに応じた発光態様や検査音を確実に認識することができる。
次に、図15を参照して、実施例2の受信コマンド解析処理の中で行われる検査処理について説明する。
まず、副制御手段は、「検査モード中」であるか否かを判定する(ステップS201)。検査モードは、例えば、演出制御基板25がRAMクリア表示コマンドを受信してから、30秒間とする。
現在、「検査モード中」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS202に進む。一方、「検査モード中」でない場合には、「NO」の判定となり、検査処理を終了する。
次に、副制御手段は、各操作スイッチのONエッジデータがあるか否かを判定する(ステップS202)。ONエッジデータがある場合には、「YES」の判定となり、ステップS203に進む。一方、何れのONエッジデータもない場合には、「NO」の判定となり、ステップS205に進む。
ステップS202の判定が「YES」である場合、副制御手段は、操作されたスイッチに対応する発光態様で枠装飾LEDを発光させる(ステップS203)。本ステップのように、枠装飾LED8を発光させるための制御プログラムは、本発明の「発光制御手段」に相当する。その後、ステップS204に進む。なお、この発光は2秒間継続する。
ステップS204では、副制御手段は、操作されたスイッチに対応する検査音を出力する。例えば、左演出ボタン13が操作された場合には、スピーカ7から検査音1を出力する。その後、ステップS205に進む。
なお、検査音の出力も2秒間継続する。すなわち、操作スイッチを操作すると、光と音の両方が出力されるため、検査者は確実に操作スイッチの動作を確認することができる。
ステップS205では、副制御手段は、検査モードタイマを減算する。具体的には、受信コマンド解析処理の中で設定した検査モードタイマをカウントダウンする。その後、ステップS206に進む。
次に、副制御手段は、検査モードタイマが0となったか否かを判定する(ステップS206)。検査モードタイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS207に進む。一方、まだ0となっていない場合には、「NO」の判定となり、検査処理を終了する。
最後に、ステップS206の判定が「YES」である場合、副制御手段は、「検査モード中」をクリアする(ステップS207)。これは、検査モードタイマがタイムアップした場合に、通常遊技モードの状態に戻すことを意味する。その後、検査処理を終了する。
上記のように実施例2では、操作された操作スイッチに応じて、発光部を異なる態様で所定時間発光させる。操作による発光中に別の操作スイッチが操作された場合には、その発光の終了後に別の操作スイッチに対応する発光態様に切替えるので、操作が一瞬であった場合にも、検査者は、確実に複数の操作スイッチの動作を確認することができる。
以上の実施例は、本発明の一例であり、これ以外にも種々の変形例が考えられる。
操作スイッチは、遊技機のうち、遊技者が操作可能な位置に設けられていればどの位置であってもよい。また、操作スイッチは複数であれば何個あってもよい。
操作スイッチは、演出選択用だけでなく、遊技データを確認する目的のスイッチも含まれる。方向キーは、ゲーム用コントローラ等でよく用いられる十字キーやジョイスティック型も含まれる。
盤面上には複数の発光部があるので、操作するスイッチに応じて、異なる発光部を発光させるようにしてもよい。これにより、操作スイッチがさらに増加しても、発光部の数と各発光部の発光態様(例えば、発光色)の数の組合せ分だけ、操作スイッチの検査が行える。
検査モードにおいて出力されるLEDの発光と検査音は、どのような組合せであってもよい。また、発光態様の変化だけで操作ボタンの検査をすることも可能である。検査モードの時間は、全ての操作スイッチの検査が終了するのに十分な時間であれば任意に設定できる。
検査モードの終了条件を主制御側で管理するようにしてもよい。例えば、主制御基板は、「RAMクリア表示コマンド」を送信してから所定時間経過後(例えば、30秒後)に、「RAMクリア表示解除コマンド」を送信する。そして、演出制御基板が「RAMクリア表示解除コマンド」を受信したときに検査モードを終了させることができる。
実施例では、演出制御基板が「RAMクリア表示コマンド」を受信したときに検査モードに移行するようにしたが、遊技機の電源投入時に必ず検査モードに移行するようにしてもよい。この場合、副制御側メイン処理(図10参照)の初期化処理の後に、検査モードの設定をし、検査モードタイマをセットする必要がある。
実施例2では、操作スイッチが操作された場合の発光及び検査音による報知時間を2秒間としたが、この時間に限られない。また、複数の操作ボタンが操作された場合、最初に操作した操作スイッチの報知時間が終了した後、僅かな間隔(例えば、0.5秒)を空けて、次に操作した操作スイッチの報知態様に切替えるようにしてもよい。
以上、本発明の実施例としてパチンコ遊技機について説明したが、本発明は、これに限らず、回胴式遊技機、パロット機、アレンジボール機、雀球式遊技機等の遊技機にも適用可能である。例えば、回胴式遊技機のBETボタンや停止ボタンの検査に用いてもよい。