以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態においては、インターネットを介して商品を販売するネットショッピングサービスにおいて、商品の選択結果を保存して共有可能なシステムについて説明する。
図1は、本実施形態に係るネットショッピングシステムの運用形態を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るシステムは、ショップサーバ1及びPC(Personal Computer)2がネットワークを介して通信可能に接続されて構成されている。ショップサーバ1とPC2とは、インターネットなどの公衆回線を介して接続されている。
本実施形態に係るショップサーバ1は、ショッピングサービスとしての一般的な機能を提供する提供者側のサーバである。また、ショップサーバ1は、本実施形態の特徴的な機能である商品の選択結果を保存して共有する機能を提供する。しかしながらこれは一例であり、一般的なショッピングサービスの機能と商品の選択結果を保存して共有する機能とを異なるサーバによって実現しても良い。
ここで、本実施形態に係るショップサーバ1及びPC2等の情報処理装置のハードウェア構成について図2を参照して説明する。図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置は、一般的なサーバやPC等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係る情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス80を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60及び操作部70が接続されている。
CPU10は演算手段であり、情報処理装置全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが情報処理装置の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザが情報処理装置に情報を入力するためのユーザインタフェースである。尚、本実施形態に係るショップサーバ1は、ユーザが直接操作することの無いサーバとして運用されるため、LCD60や操作部70等のユーザインタフェースは省略可能である。
このようなハードウェア構成において、ROM30に格納されたプログラムや、HDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体からRAM20にロードされたプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係るショップサーバ1及びPC2の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、本実施形態に係るショップサーバ1の機能構成について図3のブロック図を参照して説明する。図3に示すように、本実施形態に係るショップサーバ1は、ショッピングサイトコントローラ100及びネットワークI/F110を含む。また、ショッピングサイトコントローラ100は、リクエスト受付部101、ピックアップ管理部102、リクエスト応答部103、顧客DB104、購入履歴DB105、商品DB106及びピックアップDB107を含む。
リクエスト受付部101は、PC2からのブラウジング要求をネットワークI/F110を介して受け付ける。商品ページの閲覧や、商品の購入要求等の一般的なブラウジング要求であれば、受け付けられたブラウジング要求に応じてリクエスト応答部103が応答を行う。他方、本実施形態の要旨に係るピックアップ情報の登録要求の場合、リクエスト受付部101は、受け付けたブラウジング要求をピックアップ管理部102に入力する。
ピックアップ管理部102は、本実施形態の要旨に係る機能を担うモジュールであり、ショップサーバ1によって提供されるショッピングサービスのウェブサイト上でユーザによってピックアップされた商品のリスト(以降、「ピックアップデータ」とする)を管理する。ピックアップ管理部102は、リクエスト受付部101からピックアップデータの登録要求を受け付けると、その情報をピックアップDB107に記憶させる。
リクエスト応答部103は、リクエスト受付部101が受け付けたブラウジング要求に応じた情報をネットワークI/F110を介してPC2に送信する。ブラウジング要求に応じた情報とは、例えばウェブサイトにおいて要求された画面の情報、即ちウェブページの情報である。
顧客DB104は、本実施形態に係るショッピングサービスを利用する顧客であるユーザの情報を管理しているデータベースである。図4に示すように、本実施形態に係る顧客DB104は、サービスを利用する法人の情報を管理している法人情報DB及び、夫々の法人に属しているユーザの情報を管理しているユーザ情報DBを含む。
図5は、法人情報DBの内容を示す図である。図5に示すように法人情報DBは、“法人ID”、“法人名”、“請求先情報”、“配送先情報”の情報が互いに関連付けられた情報である。“法人ID”は、夫々の法人を一意に識別する識別子であり、“法人名”は、夫々の法人の名称である。“請求先情報”は、夫々の法人に属するユーザ商品を購入した場合の代金の請求先を示す情報である。“配送先情報”は、夫々の法人に属するユーザ商品を購入した場合の商品の配送先である。
図6は、ユーザ情報DBの内容を示す図である。図6に示すように、ユーザ情報DBは、“ユーザID”、“ログインパスワード”、“メールアドレス”、“所属ID”の情報が互いに関連付けられた情報である。“ユーザID”は、夫々のユーザを一意に識別する識別子である。
“ログインパスワード”は、夫々のユーザがショッピングサービスにログインする際に本人認証を行うための認証情報である。“メールアドレス”は、夫々のユーザに対して情報を通知するための通知先となるメールアドレスである。“所属ID”は、夫々のユーザが属している法人を識別する識別子であり、図5の“法人ID”に対応している。
商品DB106は、図7に示すように、ショッピングサイトにおいて販売されている商品の情報を管理しているデータベースである。図7に示すように、商品DB106は、各商品を識別する商品識別情報である“商品ID”、各商品の販売名称を示す“商品名”、各商品の種別を識別する“分類ID”、各商品の“価格”、各商品の“在庫数”及び各商品の画像が格納されている記憶領域を示す“商品画像ファイルパス”の情報を含む。
購入履歴DB105は、図8に示すように、ショッピングサイトにおける商品の販売履歴の情報を管理しているデータベースである。図8に示すように、購入履歴DB105は、各購入履歴を識別する“購入履歴ID”、各購入履歴の日時を示す“購入日時”、購入された商品を識別する“商品ID”、購入された商品の“価格”、購入された商品の“数量”、購入したユーザを識別する“顧客ID”の情報を含む。
尚、本実施形態に係る購入履歴DB105においては、商品ID毎にレコードが生成される。従って、1回の購入手続きにおいて複数種類の商品が購入された場合には、同一の“購入履歴ID”について複数のレコードが生成される。
図8に示す購入履歴DB105の各レコードの情報は、リクエスト受付部101がPC2からの購入要求の情報を受け付けることにより、リクエスト応答部103によって生成されて保存される。そのため、購入要求の情報には、少なくとも“商品ID”、“数量”、“顧客ID”が含まれる。そして、“購入日時”は、購入確認情報の受信タイミングに基づいて判断され、“価格”は、通知された“商品ID”に基づいて商品DB106を参照することにより取得される。
ピックアップDB107は、図8に示す購入履歴DB105に情報が登録される前段階の、商品をピックアップした結果の情報が登録されるデータベースである。システムにおいてアカウントを有する会員のユーザのみならず、ログインせずにショッピングサイトを閲覧する非会員のユーザであってもピックアップデータを登録可能であると共に、ピックアップデータを共有可能なことが本実施形態に係る要旨の1つである。換言すると、ショップサーバ1は、ピックアップDB107へのピックアップデータの登録に際して、システムにおいて登録されたユーザを識別するためのユーザ識別情報を求めない。
図9に示すように、ピックアップDB107は、ピックアップデータを識別するための“ピックアップID”、ピックアップデータにネットワークアクセスするための情報である“アクセスキー”に加えて、ピックアップされた商品の情報を含む。ピックアップされた商品の情報は、商品の種類毎に“商品ID”、“数量”、“金額”の情報を含む。
次に、本実施形態に係るシステムの大まかな動作について図10を参照して説明する。図10に示すように、システムの典型的な動作においては、システムの非会員であるユーザが操作するPC2a及びシステムの会員であるユーザが操作するPC2bの2つのPCが機能することとなる。
図10の(1)に示すように、まずは非会員であるユーザがPC2aを介してショップサーバ1によって提供されるショッピングサイトを閲覧し、購入を希望する商品を選択してピックアップデータを登録する。この処理は、典型的には、オフィスにおいて業務に必要な備品をピックアップする処理である。従来は製本されたカタログを閲覧して商品番号などを書き出すことによりピックアップを行っていたが、本実施形態においてはショッピングサイトにおいてそのような機能が提供される。
(1)の処理によりピックアップデータが登録されると、図9に示すようにピックアップデータに対してアクセスキーが発行される。非会員ユーザは、このアクセスキーを伝えることにより、図10の(2)に示すように、会員のユーザに対してピックアップデータを共有する。
会員のユーザとは、図6に示すようにシステムにおいて“ユーザID”を取得しているユーザである。この会員ユーザは、典型的には、オフィスにおいて備品の購買等を担当しているユーザや、備品購入の決済権限を有しているユーザである。ピックアップデータの共有を受けた会員ユーザは、(3)に示すように、通知されたアクセスキーを用いてショップサーバ1にアクセスすることによりピックアップデータを閲覧し、ピックアップされた商品の購入処理を行う。即ち、アクセスキーの情報が、商品の選択状態を示すピックアップデータに対してネットワークを介してアクセスするためのアクセス情報として用いられる。
このように、本実施形態に係るシステムにおいては、購入対象の商品を選択するユーザと、その商品の購入を決定するユーザとが異なる場合を対象としている。そして、(1)商品の選択、(2)購入の依頼、(3)購入の許可及び購入、という夫々のステップの処理をシステム上で手助けすることにより、ユーザの利便性を向上している。以下、システムの具体的な動作について説明する。
本実施形態に係るシステムの具体的な動作として、まずは図10の(1)に示すピックアップデータの登録動作について説明する。図11に示すように、まずはPC2が非会員ユーザのブラウジング操作に従ってショップサーバ1に対してブラウジングを要求する(S1101)。
S1101のブラウジング要求は、ショップサーバ1が提供しているショッピングサイトのトップページの表示要求や、特定の商品ページの表示要求等の一般的なブラウジング行為の他、商品の検索や、指定した商品を比較した比較ページの表示要求等、ショッピングサイト特有のブラウジング行為が含まれる。ショッピングサイトのブラウジング行為は、最初にPC2にインストールされたソフトウェア・プログラムであるウェブブラウザの機能によりショップサーバ1が提供しているネットショッピングのウェブサイトのトップページURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすることにより開始され、以降は、トップページのHTML(HyperText Markup Language)によって記述されたネットワークアドレスへのアクセスによって行われる。
PC2からのブラウジング要求を受けたショップサーバ1においては、リクエスト受付部101がブラウジングの内容に応じてリクエスト応答部103に対して応答要求を行い(S1102)、リクエスト応答部103が要求に応じた応答を行う(S1103)。これにより、PC2においては、要求したブラウジングに応じてウェブブラウザの表示が更新される(S1104)。S1101〜S1104の処理が繰り返されることにより、ユーザは様々な商品を閲覧する。
図12は、非会員ユーザによって閲覧される商品ページの例を示す図である。一般的なショッピングサイトにおける商品ページには、その商品を購入対象とする“カートに入れる”といったボタンが表示される。これに対して、本実施形態に係るシステムにおいては、閲覧しているのが非会員のユーザの場合、図12に示すようにピックアップボタン12aが表示されている。
ピックアップボタン12aは、非会員ユーザが、対象の商品を選択してピックアップデータとして登録するために保存するためのボタンである。非会員ユーザがPC2を操作してピックアップボタン12aを操作すると、PC2においてピックアップ処理が行われる(S1105)。
S1105のピックアップ処理は、ショッピングサービスのウェブサイトを表示しているウェブブラウザの機能によって実現される。具体的には、ウェブブラウザによって表示されたウェブサイトに対するブラウジング操作に応じて、ピックアップ対象の商品IDや数量等の情報が、ウェブサイトに関連した情報としてPC2に保存される。図13は、ピックアップ処理により保存された商品のリスト画面(以降、「ピックアップリスト画面」とする)を示す図である。
図13に示すように、ピックアップリスト画面には、ユーザによってピックアップされてCookieに保存された商品の情報がリスト化されて表示されると共に、指定された数量に基づいて合計金額や税込金額が計算されて表示される。また、図13に示すように、ピックアップリスト画面には、ピックアップ登録ボタン13aが表示されている。
ピックアップ登録ボタン13aは、PC2においてCookieに保存されている商品の選択状態、即ち図13に示すリストの情報を、ピックアップデータとしてショップサーバ1に登録することを要求するボタンである。ユーザがピックアップ登録ボタン13aを操作することにより、PC2は、ショップサーバ1に対してピックアップ登録要求を送信する(S1106)。
S1106において送信される情報には、ピックアップ登録要求であることを示す識別子に加えて、選択された商品ID、数量、金額の情報が含まれる。S1106において送信される要求が、PC2におけるウェブブラウジングによって選択された商品の選択状態をショップサーバ1側に保存することを要求する商品選択保存要求である。
ピックアップ登録要求を受け付けたリクエスト受付部101は、ピックアップ管理部102に対して情報を転送し、ピックアップデータのレコード生成を要求する(S1107)。これにより、ピックアップ管理部102は、図9に示すようなピックアップデータのレコードを生成して取得した商品ID、数量、金額の情報を登録する(S1108)。即ち、S1107においてピックアップ管理部102が保存要求受付部として機能する。
更に、ピックアップ管理部102は、図9に示すアクセスキーの情報を生成して、S1108において生成したレコードに登録する(S1109)。これにより、ショップサーバ1において、新たなピックアップデータのレコードが記憶される。即ち、S1108、S1109においてピックアップ管理部102が情報記憶処理部として機能する。
このように、ピックアップデータの登録に際して、PC2を操作するユーザにはログインは求められず、誰でもピックアップデータを登録することが可能である。従って、記憶されたピックアップデータは、法人IDやユーザIDに関連付けられた情報ではなく、図9に示すように、商品の選択結果が夫々のピックアップデータを識別するための識別子やアクセスキーに対してのみ関連付けられた情報である。
そして、このように記憶されたピックアップデータは、ウェブサーバを介して特にアクセス制限が設けられることなくURLアクセスによってアクセス可能に公開される。従って、アクセスキーに応じたURLさえ知っていれば、誰でも夫々のピックアップデータにアクセスすることが出来る。
そして、ピックアップ管理部102は、生成したレコードのピックアップID及びアクセスキーを通知して、リクエスト応答部103に応答要求を行う(S1110)。これにより、リクエスト応答部103は、ピックアップ登録の応答画面を生成してPC2に対してブラウジングの応答を行う(S1111)。
PC2においては、ピックアップ登録に対する応答画面として、図14に示すピックアップ登録保存完了画面が表示される(S1112)。これにより、ピックアップデータの登録動作が完了する。図14に示すように、ピックアップ登録保存完了画面においては、ショップサーバ1に保存されたピックアップデータにアクセスするためのアクセスURL、即ちアドレス情報がテキストボックス14aにおいて文字情報により表示されている。
図14に示す画面は、S1111においてリクエスト応答部103により生成される画面の表示情報に基づいてPC2のウェブブラウザによって表示される。即ち、S1111において、リクエスト応答部103が、保存確認画面情報生成部として機能する。
図15は、本実施形態に係るアクセスURLの形式を示す図である。図15に示すように、本実施形態に係るピックアップデータへのアクセスURLは、“サーバ識別子”、“サービス識別子”及び“アクセスキー”の部分を含む。
“サーバ識別子”は、アクセス先のサーバ、即ち、ショップサーバ1のアドレスを示す識別子である。“サービス識別子”は、ショップサーバ1において提供されているサービス、即ち、ショッピングサービスにおけるピックアップデータの機能を示す識別子である。“アクセスキー”は、図9に示すように、夫々のピックアップデータのレコードに付与されるアクセスキーである。
非会員ユーザは、テキストボックス14aに表示されているアクセスURLのテキスト情報をコピーしてメール等により送信することにより、図10の(2)において説明したように、会員ユーザに対してピックアップデータを共有することが出来る。また、アクセスURLにアクセスした場合や、ユーザが内容表示ボタン14bを操作した場合には、ピックアップデータに対するアクセスが実行され、図13に示す画面と同様のピックアップリストが表示される。この動作については後に詳述する。
また、ユーザが印刷画面表示ボタン14cを操作した場合には、図16に示すようなピックアップデータの印刷画面が表示される。図16に示すように、ピックアップデータの印刷画面には、押印欄16a及びアクセスコード16bが表示される。押印欄16aが表示されることにより、印刷されたピックアップデータは、オフィスにおける備品の購入申請書として利用することが可能となり、ユーザの利便性を向上することが出来る。
アクセスコード16bは、そのピックアップデータにアクセスするためのアクセスURLを符号化した画像であり、例えばQRコード(登録商標)が用いられる。アクセスURLが紙で回覧される場合、ピックアップデータへのアクセスに際してはURLを手入力する必要がある。これに対して、アクセスコード16bを表示することにより、アクセスコードを読み取ることでアクセスが実現されるため、ユーザの利便性を向上することが出来る。
図16に示すような画面は、通常のウェブブラウジングの操作により、ショップサーバ1のリクエスト応答部103が生成する画面の表示情報に基づいてPC2において表示される。即ち、リクエスト応答部103が、図形情報生成部として機能する。
また、ユーザがメール送信ボタン14eを操作した場合には、一般的なメール送信フォームの画面が表示され、本文にはピックアップデータの内容やアクセスURLが自動的に挿入される。このようなフォームにおいてユーザは、ピックアップデータを回覧したいユーザのメールアドレスを入力することにより、容易にメールによる回覧を行うことが出来る。
次に、図10の(3)に示す会員ユーザによるピックアップデータへのアクセス動作について図17を参照して説明する。図17に示すように、S1701〜S1704の処理は、図14と同様に実行される。ショッピングサービスのウェブサイトが表示されると、会員ユーザによってユーザIDやパスワードが入力された上でログイン操作が行われ、PC2がログイン要求を行う(S1705)。
リクエスト受付部101は、受信したログイン要求に基づいてリクエスト応答部103に認証要求を行う(S1706)。リクエスト応答部103は、ログイン要求に含まれるユーザIDやパスワードに基づいてユーザ情報DBを参照し、認証処理を行った上で応答を行う(S1707)。これにより、PC2においてはログイン後の画面が表示される(S1708)。
ログインが完了すると、会員ユーザは非会員ユーザから共有されたピックアップデータのアクセスURLを入力してブラウジング操作を行う。これにより、PC2は、指定されたURLへのアクセスを行う(S1709)。尚、S1709のアクセスに際しては、ログインしているユーザIDが含まれる。ピックアップデータへのURLアクセスは、ショップサーバ1においてピックアップ管理部102に通知される。
ピックアップ管理部102は、アクセス先のURLに含まれるアクセスキーの部分に基づいてアクセス先のピックアップデータを認識し、ピックアップDB107から対象となるピックアップデータを抽出する(S1710)。即ち、S1710においては、ピックアップ管理部102が情報抽出部として機能する。そして、ピックアップデータに含まれる商品の価格を再計算する(S1711)。
S1711において、ピックアップ管理部102は、対象の商品IDに基づいて商品DB106を検索し、図7に示す“価格”を抽出する。そして、ピックアップデータに含まれる“数量”に基づいて価格を再計算する。これにより、商品の価格が変更されている場合にも正式な価格が表示されることとなる。このようにして最新の価格が反映されたピックアップデータを生成すると、ピックアップ管理部102は、生成したデータに基づいてリクエスト応答部103に対して応答要求を行う(S1712)。
リクエスト応答部103は、ピックアップ管理部102からピックアップデータを取得し、ピックアップリストを表示するための画面を生成してブラウジング応答を行う(S1713)。即ち、S1713において、リクエスト応答部103が表示情報生成部として機能する。これにより、PC2において、図18に示すようなピックアップリストの画面が表示される(S1714)。
図18に示すように、アクセスキーを指定したウェブアクセスによってピックアップデータが抽出されると、PC2のウェブブラウザにおいては、ピックアップデータを登録した他のユーザによるウェブブラウジングによって選択された商品の選択状態が復元される。即ち、アクセスキーは、図18に示すように商品の選択状態が復元された画面を生成するための情報として用いられる。
図18に示すように、会員としてログインしたユーザによってピックアップリストが表示された場合、画面上には購入ボタン18aが表示される。ユーザは購入ボタン18aを操作することにより、ピックアップリストに含まれる商品の購入を行うことが可能となる。その結果、通常の購入処理と同様に、ピックアップリストに含まれる商品の購入処理が行われ、図8に示す購入履歴DB105に情報が登録される。
尚、図17においては、会員ユーザによるピックアップデータの閲覧及び商品の購入決定を例として説明するため、会員ユーザがログインを行った上でピックアップデータにアクセスする場合を例としている。しかしながら、S1710〜S1714の処理においては、ログイン状態の有無はピックアップデータの閲覧に対する条件とはなっていない。
即ち、システムにログインしたユーザでなくとも、ピックアップデータのアクセスキーが指定されたURLアクセスを行うことにより、ピックアップDB107に登録されたピックアップデータへのアクセスが可能である。非会員のユーザがピックアップデータにアクセスした場合、図18に示す購入ボタン18aは表示されず、替わりにログインした上で商品を購入するための操作部が表示されることとなる。
同様に、図17においては、会員ユーザによる操作の態様として、ログインした上でピックアップデータにアクセスする場合を例としていている。しかしながら、会員ユーザであっても、上記と同様にログイン前にピックアップデータを閲覧した上で、その画面に表示された操作部を操作することによりログインした上で商品を購入しても良い。
このように、本実施形態に係るシステムにおいては、システムに対するログインを求めることなく、Cookieに保存された商品の選択結果を受信してピックアップデータの登録を受け付けている。そして、そのようにして受け付けたピックアップデータの登録に際して、一意なアクセスキーを発行し、そのアクセスキーに応じたURLアクセスにより誰にでもピックアップデータの閲覧を許可している。
このような機能により、システムに対してアカウントを有する会員でなくともピックアップデータを生成して登録し、他のユーザと共有することが可能である。従って、例えばオフィスにおいて商品の購入を決定するユーザのみがログインアカウントを有している場合であっても、その他のユーザが必要な備品の選択を行い、且つ非会員のユーザが回覧することが可能である。
そして、決済のみをログインアカウントを有する会員ユーザに行わせることが可能である。そして、そのような場合において、会員ユーザは改めて商品の選択操作を行うことなく、共有されたピックアップデータに基づいてそのまま購入処理を行うことが可能であり、ユーザの利便性を向上することが出来る。
図19は、図5において説明した法人情報DBの変形例を示す図である。図19に示すように、夫々の法人に対して固有の“割引率”が設定されている場合がある。このような場合、図17のS1711において、ピックアップ管理部102は、ログインしているユーザが属する法人に応じた割引率で価格を再計算する。
具体的に、S1711において、ピックアップ管理部102は、S1709のアクセスに際して含まれているログインIDに基づいて図6の“所属ID”を参照し、その“所属ID”に基づいて更に図19の“割引率”を取得する。そして、取得した割引率に基づいてピックアップデータに含まれる夫々の商品の金額を再計算する。
また、上記実施形態においては、ピックアップデータにアクセスするための方法として、ピックアップデータに付与されたアクセスキーを含むURLへのアクセスを例として説明した。しかしながらこれは一例であり、ピックアップ管理部102に対してアクセスキーを指定した要求が入力されれば、アクセスキーに基づいてピックアップデータを指定してピックアップデータを表示することが可能である。
従って、図20に示すように、アクセスキーの入力欄が表示されたピックアップデータアクセス画面を、ショップサーバ1によって提供されるショッピングサイトの1つのウェブページとして提供し、アクセスキーの入力を受け付けても良い。図20に示す画面においてテキストボックス20aにアクセスキーが入力された上で、決定ボタン20bが操作されることにより、PC2からピックアップ管理部102に対してアクセスキーと共にピックアップリストの表示要求が送信される。これにより、S1710〜S1714と同様の処理によってPC2にピックアップリストが表示される。
また、上記実施形態においては、テキスト情報として16桁の文字列をアクセスキーとして用いている。このように桁数の多い文字列の入力を求める場合には、桁数を分割して入力を求めた方がユーザにとって入力が楽となる。そのような場合、図11のS1112において、図14において説明したピックアップ登録保存完了画面に替えて、図21に示すように、4桁ごとに分割されたアクセスキーが表示されるピックアップ登録保存完了画面を表示する。
そして、ピックアップデータアクセス画面においては、図20に示す単純なテキストボックス20aに替えて、図22に示すように、分割されたテキストボックス22aを表示させることにより、ユーザによるアクセスキーの入力を補助することが出来る。図22に示すテキストボックスの分割数は、図21に示すアクセスキーの分割数に等しい。この際、生成される複数桁のアクセスキーの最初の所定数の文字を固定の文字列としておき、図22に示すように、分割されたテキストボックス22aの最初に、その固定の文字列を表示させることにより、ユーザの利便性を更に高めることが出来る。
図22の例においては、16桁のうち最初の4文字である“abcd”が固定の文字列とされている。そして、図22に示すように、分割されたテキストボックス22aの最初に“abcd”が表示されている。これにより、ユーザは、どこに何を入力すれば良いかを容易に理解することが出来る。
図20や図22に示すピックアップデータへのアクセス画面は、通常のウェブブラウジングの操作により、ショップサーバ1のリクエスト応答部103が生成する画面の表示情報に基づいてPC2において表示される。即ち、リクエスト応答部103が、アクセス画面情報生成部として機能する。
また、上記実施形態においては、ピックアップデータに含まれる情報の例として、図9に示すように、選択された商品のID、数量、金額が主となる場合を例として説明した。しかしながらこれは一例であり、例えば、図23に示すように、商品の選択結果を示す情報に加えて、選択された商品の用途や、回覧に際して伝えたい事項などを示す文字列を“コメント”として含めても良い。
そのような態様は、ピックアップリストの登録を要求するためのピックアップリスト画面として、図13に示す態様に替えて、図24に示すように、コメント入力欄24bを含む画面を用いることにより、可能である。図24に示すような画面においてピックアップ登録ボタン24aが操作されると、商品の選択内容に加えてコメント入力欄24bに入力された文字列がショップサーバ1に対して送信され、S1108、S1109の処理により、図23に示すピックアップデータのレコードが生成されて登録される。
また、上記実施形態においては、ピックアップDB107に登録されたピックアップデータは、アクセスキーが指定されたURLアクセスによって制限なく誰でもアクセス可能な場合を例として説明した。しかしながら、特に図23、図24に示すようなコメントデータを含める場合、無制限な閲覧を許可するべきではない可能性もある。
他方、ピックアップデータを作成するユーザには、ログインするためのIDを有していない非会員ユーザが想定されているため、ピックアップデータを作成したユーザを識別した上で、ピックアップデータを閲覧可能なユーザを制限することは困難である。これに対して、S1106の要求の送信元であるPC2がネットワークに接続する際のドメイン名によって制限を行う態様が考えられる。
この場合、図11のS1106におけるピックアップ登録要求において、PC2は、ネットワークに接続する際のドメイン名を合わせてショップサーバ1に通知する。これにより、図25に示すように、ドメイン名を含むピックアップデータが登録される。そして、PC2は、ピックアップデータにアクセスする際には、図17のS1709においても、ネットワークに接続する際のドメイン名を合わせてショップサーバ1に通知する。
この場合、URLアクセスを受け付けたピックアップ管理部102は、指定されたアクセスキーに基づいてS1710においてピックアップデータを抽出した上で、抽出したピックアップデータに含まれるドメイン名を確認する。そして、確認したドメイン名が、URLアクセスに際して通知されたドメイン名と一致している場合にのみ、S1711以降の処理に進む。換言すると、ピックアップデータに登録されているドメイン名と、ピックアップデータへのURLアクセスのアクセス元のドメイン名との比較結果に基づき、一致している場合にのみ表示を許可する。これにより、ドメイン名に基づくアクセス制限を行うことが可能となり、ピックアップデータに個人情報や社外秘等のコンフィデンシャルな情報を含めることが可能となる。この場合、ピックアップ管理部102が表示制限部として機能する。
また、S1710〜S1712の処理は、ドメイン名の確認を行うことなく上記と同様に処理を実行し、S1713においてドメイン名を確認しても良い。この場合、リクエスト応答部103は、ピックアップデータに含まれるドメイン名が、URLアクセスに際して通知されたドメイン名を一致している場合にのみ、通知されたピックアップデータに基づいて画面の表示情報を生成する。即ち、リクエスト応答部103が表示制限部として機能する。
また、上記実施形態においては、オフィスにおいて備品の購入を決済可能な担当者が制限されているという実情を考慮し、図6に示すユーザ情報DBに登録されているユーザ以外は非会員である場合を例として説明した。しかしながら、商品の購入処理は不可能であっても、図6に示すように“所属ID”に関連付けられたユーザIDを有する会員(以降、「準会員」とする)を設定することにより、システムの利便性をより向上することが可能である。
例えば、非会員のユーザであれば、商品の価格は図7の“価格”に登録されている標準の価格でしか閲覧することは出来ない。従って、図19において説明したように、法人毎の割引率を設定する場合であっても、ピックアップデータの登録や閲覧に際して、非会員のユーザは実際の価格を知ることが出来ない。
これに対して、上述した準会員という会員登録の態様を設けることにより、備品の購入を決済可能な担当者を制限するという制約を満たしつつ、備品の購入の決済権を有さないユーザであっても、自身が属する法人の割引率に応じた価格を閲覧することが可能となる。このような態様は、図6に示すようなユーザ情報DBに替えて、図26に示すように、“準会員”のフラグ情報を有するユーザ情報DBを用いることにより可能となる。
“準会員”のフラグ情報は、商品の購入決済に関する画面の表示に際して参照されて判断される。例えば、図18に示すようなピックアップリストの画面を生成する際、リクエスト応答部103は、ログイン状態のユーザのレコードにおける“準会員”のフラグ情報を参照し、“NO”であれば正会員であるため、図18に示すように購入ボタン18aが表示された画面を生成する。他方、“YES”であれば、準会員であるため、購入ボタン18aが表示されない画面を生成する。
このような準会員の登録は、例えば商品の購入決済権を有する正会員の承認を経ることでセキュリティを高めることが出来る。そして、本実施形態の要旨に係るピックアップデータに準会員としての登録申請に関する情報を含めることにより、ユーザの利便性を向上することが出来る。図13に示すピックアップリスト画面に替えて、図27に示すように、準会員の登録申請に関する情報を入力するための入力欄を含むピックアップリスト画面を用いることにより、ピックアップデータの登録要求時に準会員としての登録申請を行うことが可能となる。
図27に示すピックアップリスト画面において“氏名”、“所属”、“メールアドレス”等が入力された上でピックアップ登録ボタン27aが操作されると、入力された夫々の情報を含む登録要求が図11のS1106においてショップサーバ1に送信される。これにより、図28に示すように、準会員登録申請に関する情報を含むピックアップデータがピックアップDB107に登録される。
そして、図17のS1714においては、図29に示すように準会員登録申請に関する情報と共に、申請を許可するための申請許可ボタン29bが表示されたピックアップリスト画面が表示される。この申請許可ボタン29bが操作されることにより、図28に示す準会員登録申請に関する情報が、図26に示すようにユーザ情報DBに登録されると共に、“準会員”フラグの情報が“YES”に設定される。また、“ユーザID”、“ログインパスワード”が自動的に生成され、入力された“メールアドレス”に対して送信される。
尚、図29に示す準会員登録申請に関する情報や申請許可ボタン29b(以降、「準会員登録申請表示」とする)は、正会員以外のユーザがピックアップデータを閲覧した際に表示されることは適切ではない。従って、図29に示す準会員登録申請表示は、正会員としてログインしたユーザがピックアップデータを閲覧した場合にのみ、表示されることが好ましい。
このような態様は、図17のS1713において、リクエスト応答部103が図29に示すピックアップリスト画面を生成する際に、リクエスト元が正会員としてログインしたユーザであるか否かを確認することにより可能となる。即ち、ピックアップデータの閲覧を要求したユーザのログイン状態を確認し、正会員としてログインしている場合にのみ、図29に示す準会員登録申請表示を含むピックアップリスト画面を生成する。
また、正会員であったとしても、異なる法人に属している正会員が他の法人に属しているユーザの準会員申請を許可することは適切ではない。従って、上述した正会員か否かの判断に加えて上述したドメイン名による判断を行い、ドメイン名が同一であった場合にのみ、準会員登録申請表示を含むピックアップリスト画面を生成することが好ましい。
また、このように正会員による許可を経て準会員の登録を行うことにより、正会員と準会員との親子関係を構築することが可能である。そのような態様は、例えば、図26に示すような“準会員”フラグの情報を含むユーザ情報DBに替えて、図30に示すように、“親会員”の情報を含むユーザ情報DBを用いることにより可能である。
即ち、ユーザが正会員であれば、“親会員”のフィールドはNull値となる。他方、準会員であれば、図26に示す“準会員”フラグの情報の“YES”の値に替えて、親会員である正会員のユーザIDを“親会員”の情報として登録する。これにより、そのユーザが準会員であることに加えて、親会員を識別する情報を登録することが可能である。
このように準会員と親会員との間に親子関係を設定した場合には、例えばピックアップデータが登録されたことの通知を行うことが可能となる。準会員がピックアップデータを新たに生成してピックアップDB107に登録した場合、そのピックアップデータは、親会員である正会員に対して購入を申請するためのデータであることが推測される。
従って、親会員のメールアドレスに対して、子会員である準会員によってピックアップデータが生成されて登録されたことや、生成されたピックアップデータのアクセスキー、若しくはアクセスURLを通知するための電子メールを自動的に送信することが出来る。これにより、ユーザの利便性を高めることが出来る。
このような態様は、ログインしたユーザがピックアップデータを生成した場合に、図31に示すように、ログインに係るユーザIDをピックアップデータに含めて登録することにより可能となる。この場合、図11のS1106においてPC2がピックアップ登録要求を行う際に、ログインしているユーザのユーザIDを含めて登録要求を送信する。そして、S1108、S1109の処理において、ピックアップ管理部102が、通知されたユーザIDを含めてピックアップデータのレコードを生成することにより可能となる。
そして、図31に示すようなピックアップデータが生成された場合、ピックアップ管理部102は、図30に示すユーザ情報DBを参照して、登録されたユーザIDの“親会員”を確認する。“親会員”が登録されていた場合、次にピックアップ管理部102は、その親会員のレコードを参照して“メールアドレス”を抽出する。
そのようにして抽出されたメールアドレスに対して、子会員である準会員によってピックアップデータが生成されて登録されたことや、生成されたピックアップデータのアクセスキー、若しくはアクセスURLを通知するための電子メールを送信する。このような態様により、ユーザの利便性を向上することが可能となる。