JP6007815B2 - 過給機 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に好適に用いられ得る過給機に関する。
従来から、内燃機関(以下、単に「機関」とも称呼する。)の燃焼室からクランクケース内に漏出したブローバイガスを吸気通路に還流させることにより、クランクケース内の換気を行うシステムが知られている。係るシステムは、「ブローバイガス還流装置」、又は「PCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション)」とも称呼される。
ところで、クランクケース内ではクランクシャフトが高速で回転するため、オイルパンに貯留されているオイルが飛散する。その結果、クランクケース内にオイルミスト(潤滑油の液体状微粒子)が形成される。このオイルミストがブローバイガス通路によりブローバイガスとともに吸気通路に還流されると、吸気通路を構成している部材(以下、「吸気通路構成部材」とも称呼する。)に付着する。付着したオイルミストは、その油分が蒸発すると残った煤成分が凝固しデポジットと称呼される堆積物となる。即ち、吸気通路構成部材にデポジットが堆積することになる。
このデポジットは機関の特性上好ましくない。特に、吸気通路構成部材として過給機のコンプレッサが設けられている場合、コンプレッサ内のディフューザ部では、空気が圧縮され温度が上昇するため、煤を含んだオイルミスト(以下、「オイルミスト粒子」と称呼する。)の油分が蒸発し粘着性を有するオイルミスト粒子に変化し易くなる。従って、ディフューザ部にデポジットが堆積し易くなり、その結果、デポジットが空気の流れの妨げとなるので、過給機の効率が低下する虞がある。
そのため、従来装置の一つは、ブローバイガス還流通路に「ブローバイガス中のオイルミスト粒子を効率的に分離することができる気液分離室」を設けている。これによれば、吸気通路へと還流されるオイルミスト粒子の量を低減することができるので、吸気通路構成部材(例えば、過給機のディフューザ壁面)のデポジットの量を低減することができる(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2007−187033号公報
しかしながら、上記従来装置は、内燃機関に「特殊な構造の気液分離室」を新たに設ける必要があるので、内燃機関の構造が複雑化する。更に、上記従来装置は、気液分離室で分離したオイル成分を別途回収・処理するための構造を備える必要があり、内燃機関の構造が一層複雑化する虞がある。
そこで、発明者は、ブローバイガスの還流によりコンプレッサ内のディフューザ部にデポジットが堆積する現象につき検討した。その検討結果は次の通りである。
オイルミスト粒子を含む空気が、過給機のコンプレッサ部内のインペラ翼と、インペラハブと、シュラウド部の壁面と、に囲まれた圧縮部を通過してディフューザ部に流入して来る時点において、前記空気は圧縮されて高温になっている。そのため、すでに高温の空気中ではオイルミスト粒子の油分が蒸発をしている。即ち、オイルミスト粒子は空気とともにディフューザ部に流入して来る時点において、すでに粘着性のオイルミスト粒子へと変化を始めており、ディフューザ部の壁面に付着・堆積し易い状態になっている。
この検討結果に基づき、発明者は、「過給機のコンプレッサにおいて、ディフューザ部よりも上流に位置して空気が過給機に流入する部分(即ち、圧縮部)を効率的に冷却することができれば、ディフューザ部のデポジット堆積量を低減できる。」との知見を得た。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その目的の一つは、過給機の構造を僅かに変更して「オイルミスト粒子を含む空気の温度を、その空気がディフューザ部に流入する前の段階(即ち、圧縮部)で効果的に低下させる。」ことにより、ディフューザ部に堆積するデポジットの量を低減することが可能な過給機を提供することにある。
本発明による過給機は、コンプレッサのインペラハブに形成されたインペラ翼の径方向外側に位置し且つ同インペラ翼に沿う形状を有するシュラウド部の壁面、前記インペラ翼及び前記インペラハブによって形成される圧縮部と、前記圧縮部に連通するとともに前記インペラ翼の軸線周りに環状に形成されるディフューザ部と、前記ディフューザ部の外周部と連通するとともに前記インペラ翼の軸線周りに環状に形成されるスクロール部と、を有する遠心式コンプレッサを備える。
更に、本発明による過給機においては、前記シュラウド部の前記壁面が第1部材により構成され、少なくとも前記スクロール部の外周側内壁面が前記第1部材と分離した第2部材により構成され、前記第1部材と前記第2部材とは同第1部材及び同第2部材のいずれよりも熱伝導率の低い断熱部を介して連接され、前記断熱部材により前記第2部材の熱が前記シュラウド部の前記壁面へと伝わり難くするように構成されている。

この過給機によれば、前記第1部材と前記第2部材との間に前記断熱部が備えられているから、圧縮により高温となった空気により加熱される「スクロール部の外周側内壁面」からの熱を「シュラウド部の壁面」へと伝わり難くすることができる。
更に、前記第1部材は、シュラウド部の壁面を構成しているから、圧縮前であって比較的低温の空気に曝されることによって冷却される。従って、シュラウド部の壁面は高温となり難い。
よって、この過給機は、そのコンプレッサが「ブローバイガス通路と吸気通路との接続部」よりも下流側に配設された場合であっても、空気と共に圧縮部に流入してくるオイルミスト粒子を圧縮部において加熱しないか又は加熱し難い。その結果、オイルミスト粒子は、比較的低温を保った状態にてディフューザ部に流入するから、オイルミスト粒子がディフューザ部に流入して来る時点において粘着性のオイルミスト粒子に変化している可能性を低下させることができる。従って、オイルミスト粒子は、ディフューザ部の壁面に付着・堆積し難いので、ディフューザ部のデポジット堆積量を低減することができる。
本発明の一態様において、前記第2部材は、前記スクロール部の外周側内壁面に加えて、前記スクロール部の内周側内壁面と、前記スクロール部の内周側内壁面から前記シュラウド部の前記壁面まで延在する前記ディフューザ部の壁面の一部と、を構成している。
この過給機によれば、前記シュラウド部の前記壁面を含む第1部材と、前記スクロール部の内壁面及び前記ディフューザ部の壁面の一部を含む前記第2部材との間に前記断熱部が備えられているから、圧縮により高温となった空気により加熱される「スクロール部の内壁面」及び「ディフューザ部の壁面」からの熱を「シュラウド部の壁面」へと伝わり難くすることができる。
更に、前記第1部材は、常温の空気に曝されている。その結果、そのコンプレッサが「ブローバイガス通路と吸気通路との接続部」よりも下流側に配設された場合であっても、空気に混ざって流入してくるオイルミスト粒子は、前記第1部材により加熱され難く、比較的低温を保つことができる。従って、オイルミスト粒子の油分は蒸発し難い状態で前記ディフューザ部まで到達することになる。
従って、オイルミスト粒子は、ディフューザ部の壁面に付着・堆積し難くなり、ディフューザ部のデポジット堆積量を低減することができる。
本発明の他の態様において、前記第1部材は、前記シュラウド部の前記壁面に加えて、前記スクロール部の内周側内壁面の一部と、前記スクロール部の内周側内壁面の一部から前記シュラウド部の壁面まで延設する前記ディフューザ部の壁面の一部と、を構成している。
この過給機によれば、前記シュラウド部の前記壁面と前記ディフューザ部の壁面の一部と前記スクロール部の内周側内壁面の一部を含む第1部材と、前記スクロール部の外周側内壁面を含む第2部材と、の間に前記断熱部が備えられているから、圧縮により高温となった空気により加熱される「スクロール部の外周側内壁面」からの熱を「シュラウド部の壁面」へと伝わり難くすることができる。
更に、前記第1部材は、ディフューザ部の壁面の一部を含むため、ディフューザ部の壁面の一部もシュラウド部の壁面と同時に冷却することができる。よって、そのコンプレッサが「ブローバイガス通路と吸気通路との接続部」よりも下流側に配設された場合であっても、空気に混ざって流入してくるオイルミスト粒子は、前記第1部材により加熱され難く、比較的低温を保つことができる。従って、ディフューザ部へのデポジット堆積量を低減することができる。
この場合、前記第1部材が前記インペラ翼の軸線と平行な線と交わる長さ(即ち、第1部材の厚み)が、前記ディフューザ部の範囲において、前記インペラ翼の軸線に近いほど長くなることが好ましい。
前記態様の第1部材は、ディフューザ部にてディフューザ部を通過する空気から熱を受ける一方、圧縮部(及び圧縮部よりも上流の吸気導入部)にて吸入空気によって冷却される。従って、第1部材の放熱経路は、第1部材のディフューザ部の壁面の最外周部からシュラウド部の壁面(更に、吸気導入部の壁面)に向かう経路である。
このため、前記第1部材のディフューザ部の壁面の厚み(即ち、前記第1部材が前記インペラ翼の軸線と平行な線と交わる長さ)が一定であると、放熱経路上の断面積はコンプレッサの軸線の中心に近づくほど小さくなる。即ち、コンプレッサの軸線の中心に向かうに連れ、第1部材の伝熱抵抗が増加する。
これに対し、前記第1部材の厚みを、前記ディフューザ部の範囲において、前記インペラ翼の軸線に近いほど大きくすれば、第1部材の伝熱抵抗はコンプレッサの中心軸からの距離に関らず略一定に維持することができる。より具体的には、例えば、第1部材の厚みをコンプレッサの中心軸からの距離に反比例する厚みとすることにより、放熱経路の断面積を一定とすることができる。
その結果、ディフューザ部を効果的に冷却できるから、ディフューザ部においてもオイルミスト粒子が加熱され難くなる。従って、オイルミスト粒子は、ディフューザ部の壁面に付着・堆積し難くなるので、ディフューザ部のデポジット堆積量を低減することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る過給機及びその過給機が適用される内燃機関の概略図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る過給機のコンプレッサ部の断面図である。 図3は、コンプレッサ部の内部でオイルミスト粒子がデポジットとして堆積する原理を示した図である。 図4は、図2に示した過給機のコンプレッサ部の断面図であり、熱の伝達経路を模式的に示した図である。 図5は、本発明の第2実施形態に係る過給機のコンプレッサ部の断面図である。 図6は、図5に示した過給機のコンプレッサ部の断面図であり、熱の伝達経路を模式的に示した図である。 図7は、本発明の第3実施形態に係る過給機のコンプレッサ部の断面図である。 図8は、本発明の第1変形例に係る過給機のコンプレッサ部の断面図である。 図9は、本発明の第2変形例に係る過給機のコンプレッサ部の断面図である。 図10は、本発明の第3変形例に係る過給機のコンプレッサ部の断面図である。
以下、本発明の各実施形態に係る過給機(ターボチャージャ)について図面を参照しながら説明する。本発明の過給機が適用される内燃機関は、ピストン往復動型・直列・多気筒(4気筒)・ディーゼル機関である。但し、本発明は他の形式の機関にも適用することができる。
<第1実施形態>
図1に示したように、本発明の第1実施形態に係るターボチャージャ60は内燃機関(機関)10に適用される。機関10は、機関本体部20、吸気通路部30、排気通路部40及びブローバイガス還流装置50を備えている。
機関本体部20は、クランクケース21、オイルパン22、シリンダブロック23及びシリンダヘッド部24を含んでいる。
クランクケース21は、クランクシャフト21aを回転可能に支持している。
オイルパン22は、クランクケース21の下方においてクランクケース21に固定されている。オイルパン22は、クランクケース21とともに、クランクシャフト21a及び潤滑油(オイル)OLを収容する空間(以下、「クランクケース室」とも称呼する。)を形成している。
シリンダブロック23は、クランクケース21の上方においてクランクケース21に固定されている。シリンダブロック23は、アルミニウム製であって、中空円筒状のシリンダ(シリンダボア)23aを複数個(4気筒分)備えている。シリンダ23aの内周には鋳鉄製のシリンダライナ23bが嵌入されている。
シリンダ23aにはピストン23cが収容されている。
ピストン23cは略円筒形であり、側面に複数のピストンリングを備えている。複数のピストンリングのうちの最も下方(クランクケース21側)のリングは、所謂「オイルリングOR」である。オイルリングORは、シリンダ23aの内壁(即ち、シリンダライナ23bの内壁)を摺動しながら同内壁の潤滑油(油膜)をクランクケース21側に掻き落とすようになっている。ピストン23cは、コネクティングロッド23dによってクランクシャフト21aに連結されている。ピストン23cの上面(頂面)はシリンダライナ23bの内壁面及びシリンダヘッド部24の下面と共に燃焼室CCを形成している。
シリンダヘッド部24は、シリンダブロック23の上方においてシリンダブロック23に固定されている。シリンダヘッド部24には、燃焼室CCに連通する吸気ポート、及び、燃焼室CCに連通する排気ポートが形成されている。吸気ポートは吸気弁により開閉される。吸気弁は、シリンダヘッド部24に収容された「図示しないインテークカムシャフトのカム」により駆動される。排気ポートは排気弁により開閉される。排気弁は、シリンダヘッド部24に収容された「図示しないエグゾーストカムシャフトのカム」により駆動される。シリンダヘッド部24は、シリンダヘッドカバー24aにより覆われている。更に、シリンダヘッド部24内には図示しない燃料噴射弁が備えられている。
吸気通路部30は、吸気管31、インタークーラ32及びターボチャージャ60のコンプレッサ61を含んでいる。吸気管31は吸気ポートと接続されている。従って、吸気管31及び吸気ポートは吸気通路を構成している。
コンプレッサ61は所謂「遠心式コンプレッサ」である。コンプレッサ61は、吸気管31に介装されていて、吸入空気を圧縮するようになっている。インタークーラ32は、吸気管31であってコンプレッサ61よりも下流の位置に介装されていて、吸入空気を冷却するようになっている。なお、コンプレッサ61については後に詳述する。
排気通路部40は、排気管41及びターボチャージャ60のタービン62を含んでいる。排気管41は排気ポートと接続されている。従って、排気管41及び排気ポートは排気通路を構成している。
タービン62は排気管41に介装されていて、排ガスによりタービン62のインペラ翼が回転されるようになっている。この結果、タービン62のインペラ翼に連結されたコンプレッサ61のコンプレッサインペラ翼が回転し、それによりターボチャージャ60は過給を行うようになっている。
ブローバイガス還流装置50は、第1ガス通路部51と、第2ガス通路部52と、第3ガス通路部53と、を含む。
第1ガス通路部51はシリンダブロック23内に形成されている。第1ガス通路部51はクランクケース室をシリンダヘッド部24内の第2ガス通路部52に接続するようになっている。第2ガス通路部52は、シリンダヘッド部24内の所定の経路を通り、第3ガス通路部53の一端に接続されている。第3ガス通路部53は機関10本体の外部に設けられたガス管53aにより構成されている。第3ガス通路部53の他端は吸気管31であってコンプレッサ61よりも上流位置に接続されている。
以上の構成により、燃焼室CCからクランクケース室に漏出したブローバイガスは、第1ガス通路部51、第2ガス通路部52及び第3ガス通路部53を通って吸気通路部30へと還流(流入)させられる。なお、第3ガス通路部53には図示しない周知のPCVバルブが備えられてもよい。
クランクシャフト21aは、実際には、クランクケースに回転可能に支持されたクランクジャーナルと、クランクピン、クランクアーム及びバランスウエイトと、を含んでいる。クランクピン、クランクアーム及びバランスウエイトは機関10が運転されているとき、高速で回転・運動する。更に、コネクティングロッド23dも機関10が運転されているとき、高速で運動する。従って、オイルリングORによりクランクケース室へと掻き落とされる潤滑油は、高速で回転・運動している部材(クランクピン、クランクアーム、バランスウエイト及びコネクティングロッド23d等)に落下しながら衝突して飛散する。加えて、ピストンリングとシリンダライナ23bの内壁面との間から燃焼室CC内のガスが噴出することによっても潤滑油が飛散する。よって、クランクケース室内に多量のオイルミスト(潤滑油の飛沫)が発生する。
一方、ブローバイガスには煤(soot)等の微粒子(パティキュレートマター、PM)が含まれている。パティキュレートマターPMの径は例えば0.1μm程度未満である。これに対し、クランクケース内において発生しているオイルミストの粒径の平均は1μm〜5μm程度である。従って、複数のパティキュレートマターPMがオイルミスト内に取り込まれ、オイルミスト粒子となる。このオイルミスト粒子は第1〜第3ブローバイガス通路部51〜53を通してターボチャージャ60のコンプレッサ61に流入する。
次に、ターボチャージャ60について、図2を参照しながら説明する。図2は、コンプレッサ61のインペラ65の回転軸Cを通る片側断面図である。コンプレッサ61は、コンプレッサハウジング63と、図示しないベアリングハウジングの端部に設けられたシールプレート64と、コンプレッサハウジング63内に収容され、タービンシャフト66の端部に配設されるインペラ65と、を備える。インペラ65は、インペラ翼651と、インペラ翼651の土台となるハブ面を形成するインペラハブ652と、で構成される。
コンプレッサハウジング63は、以下の(1)〜(5)に示す5つの部位、即ち、吸気導入部IA、圧縮部CP、シュラウド部SD、ディフューザ部DF及びスクロール部SRを含む。なお、係る部位は、従来の及び本発明の他の実施形態に係るコンプレッサが共通して有する部位である。以下の説明において、コンプレッサ61に空気が導入される側(図2の左側)を吸気上流側と称呼し、吸気上流側と反対側(図2の右側)を吸気下流側と称呼する。
(1)吸気導入部IAは、コンプレッサ61の吸気上流側の端部(コンプレッサ61の吸気導入口の端部)からインペラ65先端部(図2のインペラ65の吸気上流側端部)までの壁面63aによって囲まれる中空円筒状の空間である。
(2)圧縮部CPは、インペラ翼651の径方向外側に位置し且つインペラ翼651の径方向外側の形状に沿う形状を有するシュラウド壁面63bと、インペラ翼651と、インペラハブ652と、の間に形成される空間である。吸気導入部IAから圧縮部CPに流入した空気はインペラ65の回転によりディフューザ部DFへと圧送される。
(3)シュラウド部SDは、コンプレッサハウジング63の一部分であって、シュラウド壁面63bを構成する部分である。
(4)ディフューザ部DFは、シュラウド部SDからの空気が流入するように圧縮部CPに連通するとともに、インペラ65の軸線(回転軸C)の周りに環状(薄いリング状)に形成された空間である。ディフューザ部DFは、シールプレート64の吸気上流側の壁面64aと、その壁面64aと対向するように形成されたコンプレッサハウジング63の一部の壁面(吸気下流側の壁面)63cと、により挟まれた空間である。このディフューザ部DFにおいて圧縮部CPを通過した空気の運動エネルギーの一部が圧力によるエネルギーに変換される。なお、ディフューザ部DFを構成する壁面63cは、便宜上、ディフューザ壁面63cとも称呼される。
(5)スクロール部SRは、ディフューザ部DFの外周部と連通するとともにインペラ65の軸線(回転軸C)の周りに環状(ドーナツ状)に形成された空間である。スクロール部SRは、シールプレート64の吸気上流側の壁面64aと、コンプレッサハウジング63によって形成される「外周側内壁面63d、シールプレート64の吸気上流側の壁面64aと対向する吸気上流側内壁面63e、及び、内周側内壁面63f」とにより確定される。スクロール部SRは、ディフューザ部DFから送出される空気を損失を小さくしながらインタークーラ32に接続された吸気管31へ導く機能を有する。
コンプレッサハウジング63は、実際には、第1部材631、第2部材632及び断熱部材633を含んでいる。
第1部材631は、吸気導入壁面63a及びシュラウド壁面63bを構成する部材である。即ち、第1部材631は、所定の厚さを有する略円筒形の部材であって一方の端部(吸気下流側端部)がインペラ翼651の径方向外側の形状に沿うように次第に厚さが小さくなっている。第1部材631の吸気上流側端部には径方向外側に突出した鍔部(庇部)631aが設けられている。第1部材631は第1熱伝導率を有する金属(例えば、アルミニウム)から構成されている。
第2部材632は、ディフューザ壁面63cと、スクロール部SRの「外周側内壁面63d、吸気上流側内壁面63e及び内周側内壁面63f」と、を構成する部材である。第2部材632は環状である。第2部材632は、その吸気上流側端面63gの回転軸Cに近い側の端部が、第1部材631の鍔部631aの吸気下流側端面と対向するようになっている。更に、第2部材632は、その吸気下流側端面63hがシールプレート64の吸気上流側端面の一部と当接するようになっている。第2部材632は第2熱伝導率を有する金属(例えば、第1熱伝導率と同じアルミニウム)から構成されている。
断熱部材633は、第1部材631と第2部材632との間に介装され、両者を断熱するための部材である。より具体的に述べると、断熱部材633は、薄い環状部材であって、第1部材631の鍔部631aの吸気下流側端面と、第2部材632の吸気上流側端面63gの回転軸Cに近い側の端部と、の間に介装されている。断熱部材633は第3熱伝導率を有する非金属のシート(例えば、ゴム)から構成されている。第3熱伝導率は、第1熱伝導率及び第2熱伝導率の何れよりも極めて小さい(例えば、第1熱伝導率及び第2熱伝導率のそれぞれの百分の一以下程度である。)。
シールプレート64は、略円板状の部材であって、第2熱伝導率を有する金属(例えば、アルミニウム)から構成されている。前述したように、シールプレート64の吸気上流側の壁面64aは、ディフューザ壁面63cと対向し、ディフューザ部DFを構成している。
このように、第1部材631、第2部材632及び断熱部材633は、略環状となるように形成されていて、それぞれがインペラ65の回転軸Cと略同軸となるように設置される。第1部材631は、断熱部材633及び第2部材632に対して図2の左側から右側に向けて挿入され、図示しないネジにより断熱部材633とともに第2部材632に固定されている。このとき、第1部材631の径方向外側と第2部材632の径方向外側との間にはエアギャップAGが形成される。なお、空気の熱伝導率は、第1及び第2熱伝達率よりも著しく小さい。従って、「断熱部材633及びエアギャップAG」は「断熱部」と総称される。
(作用)
次に、上述したように構成されたターボチャージャ60の作用について説明する。先ず、従来のターボチャージャにおいてデポジットが堆積する際のメカニズムについて、図3を参照しながら説明する。
第1〜第3ブローバイガス通路部51〜53を通ったオイルミスト粒子OMを含むブローバイガスは、コンプレッサ61の上流にて、吸気通路部30の吸気管31を通る空気と合流し、コンプレッサ61に流入する(図3の(A)を参照。)。流入した空気は、吸気導入部IAを通過し、インペラ翼651と、インペラハブ652と、シュラウド部SDの壁面と、に挟まれた空間(圧縮部CP)で、インペラ翼651の回転力により圧縮されるので、温度が上昇する。このとき、オイルミスト粒子OM中の油分の一部が周囲の熱で蒸発する。その結果、オイルミスト粒子OMが高粘度化する(図3の(B)を参照。)。高粘度化したオイルミスト粒子OMは壁面に付着し易い状態となる。ディフューザ部DFでは、高粘度化したオイルミスト粒子OMの一部がその壁面に付着し、他部は付着せずに下流へ流れる。ディフューザ部DF内の温度は圧縮部CPよりも更に高くなるため、ディフューザ部DFに付着したオイルミスト粒子OMの油分が更に蒸発する(図3の(C)を参照。)。従って、図3の(C)〜(D)にかけて、ディフューザ部DFの壁面に付着したオイルミスト粒子OMは、その油分が蒸発してディフューザ部DFの壁面に固着・堆積する。この状態をデポジットが堆積すると言う。
以上から明らかなように、ディフューザ部DFを冷却したとしても、オイルミスト粒子OMはディフューザ部DFに流入する時点において既に粘着性を有しているので、ディフューザ壁面63cに付着するデポジットの堆積量を十分に低減することができない。むしろ、このデポジットの堆積量を低減するためには、シュラウド壁面63b(特に、インペラ翼651近傍の壁面)を十分に冷却する必要がある。
係る知見に基づき、ターボチャージャ60のコンプレッサ61は、上述したようにコンプレッサハウジング63を、吸気導入壁面63a及びシュラウド壁面63bを含む第1部材631と、ディフューザ壁面63c及びスクロール部SRの「内周側内壁面63f、吸気上流側内壁面63e及び外周側内壁面63d」を含む第2部材632とに分割し、両者の間に断熱部材633を備えることにより、断熱部材633が、第2部材632の熱が第1部材631に伝達するのを妨げるようになっている。以下、この点について図4を参照しながら詳述する。
インペラ65の回転で吸気が圧縮されることにより、インペラ翼651周囲で熱が発生する。この熱は、図4において矢印H1に示すように、シュラウド壁面63bの壁面を介して第1部材631へと伝達される。
一方、第2部材632は、図4の矢印H2、H3及びH4に示すように、ディフューザ部DFで発生する熱(H2)及びスクロール部SRの内周側で発生する熱(H3)及びスクロール部SRの外周側で発生する熱(H4)を受け高温になる。矢印H5は前記熱(H4)がスクロール部SRの外周側から内周側に伝達してきた熱である。矢印H6で表す熱は上記熱(H2)、熱(H3)及び熱(H5)の和と略同一である。しかしながら、第2部材632から第1部材631への熱伝達経路上には、第3熱伝導率を有する断熱部材633が配設されている。第3熱伝導率は第1熱伝導率及び第2熱伝導率の概ね百分の一以下と低いので、第2部材632から第1部材631へ伝達される熱量は著しく減少する。図中、矢印H6及び矢印H7の矢印の大きさがその変化を模式的に表している。
第1部材631の吸気導入壁面63aは常温の吸気に曝されているため、第1部材631の熱は図4の矢印H8に示すように、インペラ65の上流側である吸気導入部IAに放出される。第1部材631は第1熱伝導率を有しており、吸収した熱量を直ちに第1部材631中に拡散するので、第1部材631が吸収した熱量は、効率よく吸気経路中に放熱され得る。
以上、説明したように、遠心式コンプレッサ61を備えるターボチャージャ60は、
シュラウド部SDの壁面(シュラウド壁面63b)が第1部材631により構成され、 少なくともスクロール部SRの外周側内壁面63d(実際には、更に、吸気上流側内壁面63e、及び、内周側内壁面63f)が「第1部材631と分離した第2部材632」により構成され、
第1部材631と第2部材632とは「第1部材及び第2部材のいずれよりも熱伝導率の低い断熱部(断熱部材633及びエアーギャップAG)を介して連接されている。
従って、圧縮により高温となった空気により加熱される「少なくともスクロール部SRの外周側内壁面(及び、スクロール部SRの他の内壁面)」からの熱を「断熱部」によって「シュラウド部の壁面63b」へと伝わり難くすることができる。よって、シュラウド壁面63b(及び圧縮部CP)の温度上昇が抑制される。従って、圧縮部CPを通過するオイルミスト粒子OMの油分の蒸発が抑制され、オイルミスト粒子OMがディフューザ部DFを通過する時点で粘着性を有するオイルミスト粒子OMへと変化し難くなる。その結果、ディフューザ壁面63c及びシールプレート64の吸気上流側の壁面64aに堆積するデポジットの量を低減することができる。
<第2実施形態>
次に、図5を参照しながら本発明の第2実施形態に係る遠心式コンプレッサ71を備えるターボチャージャについて説明する。コンプレッサ71は第1実施形態に係るコンプレッサ61と同様の「内燃機関10の吸気通路の部位」に配設される。コンプレッサ71は、第1実施形態に係る第1部材631と同一材料からなるが形状が相違する第1部材731と、第1実施形態に係る第2部材632と同一材料からなるが形状が相違する第2部材732と、第1実施形態に係る断熱部材633と同一部材からなるが形状及び配設位置が相違する断熱部材733と、を有する点において、コンプレッサ61と相違している。
より具体的に述べると、第1部材731は、略一定の肉厚を有する略円筒状の部材である。従って、第1部材731は、第1実施形態に係る第1部材631が有するような鍔部を有しておらず、その断面形状は略L字状である。第1部材731は、「第1部材631のシュラウド壁面63bとディフューザ壁面63cとからなる壁面と同じ形状を有する壁面(即ち、シュラウド壁面63b及びディフューザ壁面63c)」及び「スクロール部SRの内周側内壁面63fの一部(吸気下流側端部)」を構成している。
第2部材732は、第1実施形態に係る第2部材632と略同一の形状を備える。但し、第2部材732は、第2部材732の吸気上流側端面63gの回転軸Cに近い側の端部から吸気上流側方向に突出した環状部732aを有する。
第2部材732の径方向内側の形状は、第1部材731の径方向外側の形状と略同一であり、第2部材732の径方向内側と第1部材731の径方向外側との間には所定幅のエアギャッップAGが形成されている。従って、第2部材732の二ヶ所の吸気下流側端部のうち回転軸Cに近い側の端部が構成する面は、第1部材731の径方向外側に屈曲した部分の吸気上流側端部が構成する面と所定幅を隔てて対向し、係る部分に断熱部材733が配設されている。
このように構成されたコンプレッサ71においては、インペラ65の回転で吸気が圧縮されることにより、インペラ翼651周囲で熱が発生する。この熱は、図6の矢印H1に示すように、シュラウド壁面63bを介して第1部材731へと伝達される。第1部材は第1熱伝導率を有するので、シュラウド壁面63bで受けた熱H1は直ちに第1部材731内に拡散する。
圧縮部CPで圧縮された空気はディフューザ部DFに流入して高温となり、熱が発生する。その熱は図6の矢印H2に示すように、ディフューザ壁面63cを通って第1部材731へと伝達される。第1部材731は第1熱伝導率を有するので、ディフューザ部DFで受けた熱H2は直ちに第1部材731内に拡散する。
第2部材732は、図6の矢印H3及び矢印H4等に示すように、スクロール部SRで発生する熱を受け高温になる。しかしながら、第2部材732から第1部材731への熱伝達経路上には、第3熱伝導率を有する断熱部材733が配設されている。第3熱伝導率は第1熱伝導率及び第2熱伝導率の概ね百分の一以下と低いので、第2部材732から第1部材731へ伝達される熱量は著しく低下する(矢印H5及び矢印H6を参照。)。
更に、第1部材731の吸気導入壁面63aは常温の空気に曝されているため、第1部材731の熱は図6の矢印H7に示すように吸気経路中(インペラ65の吸気上流側の空間)に放出される。第1部材731は第1熱伝導率を有しているので、第1部材731が吸収した熱量は直ちに拡散して、効率よく吸気経路中に放熱され得る。
以上、説明したように、第2実施形態に係るターボチャージャは、遠心式コンプレッサ71を備える。更に、第1部材731は、スクロール部SRの外周側内壁面63dに加えて、「スクロール部SRの内周側内壁面63f(実際には、更に吸気上流側内壁面63e)」と、「スクロール部SRの内周側内壁面63fの一部からシュラウド部SDの壁面63bまで延在するディフューザ部の壁面の一部63c」と、を構成している。
従って、第1実施形態と同様、「少なくともスクロール部SRの外周側内壁面(及び、スクロール部SRの他の内壁面)」からの熱を「断熱部(断熱部材733及びエアーギャップAG)」によって「シュラウド部の壁面63b」へと伝わり難くすることができる。よって、圧縮部CPの温度上昇が抑制されるから、ディフューザ壁面63c及びシールプレート64の吸気上流側の壁面64aに堆積するデポジットの量を低減することができる。
更に、第1部材731は、ディフューザ部の壁面の一部(63c)を含むため、ディフューザ部の壁面の一部(63c)もシュラウド部の壁面(63b)と同時に冷却することができる。よって、空気に混ざって流入してくるオイルミスト粒子OMは、シュラウド部SR及びディフューザ部DFにおいて(即ち、第1部材731により)加熱され難く、比較的低温を保つことができる。従って、ディフューザ部DFへのデポジット堆積量を一層低減することができる。
<第3実施形態>
次に、図7を参照しながら本発明の第3実施形態に係る遠心式コンプレッサ81を備えるターボチャージャについて説明する。遠心式コンプレッサ81は遠心式コンプレッサ71と同様の「内燃機関10の吸気通路の部位」に配設される。遠心式コンプレッサ81は、第1部材731と同一材料からなる第1部材831及び第2部材732と同一材料からなる第2部材832を有する。第1部材831及び第2部材832の形状は、スクロール部SRの内周側内壁面83fの近傍領域(ディフューザ部DFの吸気上流側に位置する領域、図7においてディフューザ部DFの左側領域、以下「ディフューザ部DFの範囲」と称呼する。)において、第1部材731及び第2部材732の形状とそれぞれ相違している。更に、遠心式コンプレッサ81は、断熱部材733と同一材料からなる断熱部材833を有する。断熱部材833は、断熱部材733と形状及び配設位置が相違している。
第1部材831は、ディフューザ部DFの範囲において、その厚み(第1部材831が、インペラ65の回転軸Cと平行な線と交わる長さ)がインペラ65の回転軸Cの中心に向かって厚くなっている。より具体的には、第1部材831の厚みは、回転軸Cからの距離に反比例する厚みとなるように設定されている。これにより、スクロール部SRからシュラウド壁面63bに向う放熱経路の断面積が略一定となる。
第2部材832は、その径方向内側の形状が、第1部材831の径方向外側の形状と略一致するように構成されている。
更に、第2部材832の径方向内側と第1部材831の径方向外側との間には所定幅のエアギャッップAGが形成されている
このように構成された遠心式コンプレッサ81において、
第1部材831の放熱経路は、第2実施形態と同様に第1部材831のディフューザ壁面63cの最外周部(即ち、スクロール部SRに露呈している第1部材831の部分)からシュラウド壁面63b、そして吸気導入壁63aに向かう経路である。
ところで、上記第2実施形態においては、第1部材731のディフューザ部DFの範囲の厚み(第1部材731が、インペラ65の回転軸Cと平行な線と交わる長さ)は一定である。従って、放熱経路としての断面積は、インペラ65の回転軸Cからの距離に比例して小さくなる。即ち、第1部材731の放熱経路としての断面積は、第1部材731が受けた熱を伝達する方向に向かって小さくなる。言い換えれば、第1部材731の伝熱抵抗は、第1部材731が受けた熱を伝達する方向に向かって増加している。
これに対し、第3実施形態においては、上述のように、スクロール部SRからシュラウド部SDに向う放熱経路の断面積が略一定となるので、第1部材831の伝熱抵抗は、第1部材831が受けた熱を伝達する方向に向かって略同一である。即ち、第1部材831の形状は、ディフューザ部DFから受けた熱をシュラウド部SDの方向へ、より伝達し易くしている。
以上、説明したように、第3実施形態に係るターボチャージャは、遠心式コンプレッサ81を備える。更に第1部材831がインペラ65の中心軸Cと平行な線と交わる長さ(第1部材831の厚み)が、ディフューザ部DFの範囲において、インペラ65の中心軸Cに近いほど長くなっている(厚みが厚くなっている)。より具体的には、第1部材831の厚みは、回転軸Cからの距離に反比例する厚みとなるように設定されている。
従って、ディフューザ壁面63cの一部からシュラウド壁面63bに向かう放熱経路の断面積は略一定(即ち、伝熱抵抗は略一定)となるので、前記厚みを略一定とした第2実施形態の第1部材731に比べて放熱性を高めることができる。その結果、ディフューザ壁面63c及びシュラウド壁面63bの温度をより下げることができ、ディフューザ部DFにおけるディフューザ壁面63c及びシールプレート64の吸気上流側壁面64aへのデポジット堆積量を一層低減することができる。
以上、説明したように、本発明の各実施形態に係る過給機は少なくともシュラウド部にてオイルミストを加熱し難くなるので、ディフューザ部のデポジット堆積量を低減することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において以下に述べる種々の変形例を採用することができる。
(第1変形例)
第1変形例においては、図8に示すように、第1部材631と第2部材632の境界をすべて断熱部材633aで埋めている。例えば、断熱部材633aをポリフェニリンサルファイド(PPS)等の熱可塑性樹脂として、モールド成型で製作する。この部品を第2部材632に圧入固定した後、第1部材631を更に圧入固定する。この方法によれば、ネジ等の締結部材を用いることなく、第1部材631及び断熱部材633aを第2部材632に固定することができる。
更に、第2部材632に第1部材631を挿入し、断熱部材633aとして例えばエポキシ樹脂の熱硬化性樹脂を第2部材632と第1部材631の間に流し入れ、熱硬化性樹脂を固化させることにより、第1部材631を固定することができる。
(第2変形例)
第2変形例においては、図9に示すように、第1部材731と第2部材732の境界をすべて断熱部材733aで埋めている。第2変形例においても、上記の第1変形例のように、断熱部材733aを熱可塑性樹脂を用いてモールド成型する。この部品を第2部材732に圧入固定した後、第1部材731を更に圧入固定する。又は、第2部材732に第1部材731を挿入し、この間に断熱部材733aとして熱硬化性樹脂を流し入れ、熱硬化性樹脂を固化させることにより、第1部材731を固定することができる。
(第3変形例)
図10に示した第3変形例においては、第2部材632とシールプレート64とを一体化した第2部材634が使用されている。この形態によれば、部品点数を削減することができる。
10…内燃機関、20…機関本体部、30…吸気通路部、40…排気通路部、50…ブローバイガス還流装置、60…ターボチャージャ、61…コンプレッサ、62…タービン、63…コンプレッサハウジング、63a…吸気導入壁面、63b…シュラウド壁面、63c…ディフューザ壁面、63d…スクロール部の外周側内壁面、63e…スクロール部の吸気上流側内壁面、63f…スクロール部の内周側内壁面、63g…スクロール部の吸気上流側端面、63h…スクロール部の吸気下流側端面、631…第1部材、632…第2部材、633…断熱部材、64…シールプレート、64a…シールプレートの吸気上流側壁面、65…インペラ、651…インペラ翼、652…インペラハブ、AG…エアギャップ、IA…吸気導入部、SD…シュラウド部、DF…ディフューザ部、SR…スクロール部、C…インペラの回転軸。

Claims (5)

  1. コンプレッサのインペラハブに形成されたインペラ翼の径方向外側に位置し且つ同インペラ翼に沿う形状を有するシュラウド部の壁面、前記インペラ翼及び前記インペラハブによって形成される圧縮部と、
    前記圧縮部に連通するとともに前記インペラ翼の軸線周りに環状に形成されるディフューザ部と、
    前記ディフューザ部の外周部と連通するとともに前記インペラ翼の軸線周りに環状に形成されるスクロール部と、
    を有する遠心式コンプレッサを備えた過給機において、
    前記シュラウド部の前記壁面が第1部材により構成され、
    少なくとも前記スクロール部の外周側内壁面が前記第1部材と分離した第2部材により構成され、
    前記第1部材と前記第2部材とは同第1部材及び同第2部材のいずれよりも熱伝導率の低い断熱部を介して連接され、前記断熱部により前記第2部材の熱が前記シュラウド部の前記壁面へと伝わり難くするように構成されている、
    ことを特徴とする過給機。
  2. 請求項1に記載の過給機において、
    前記第2部材は、前記スクロール部の外周側内壁面に加えて、前記スクロール部の内周側内壁面と、前記内周側内壁面の一部から前記シュラウド部の前記壁面まで延在する前記ディフューザ部の壁面の一部と、を構成していることを特徴とする過給機。
  3. 請求項1に記載の過給機において、
    前記第1部材は、前記シュラウド部の前記壁面に加えて、前記スクロール部の内周側内壁面の一部と、前記内周側内壁面の一部から前記シュラウド部の前記壁面まで延在する前記ディフューザ部の壁面の一部と、を構成していることを特徴とする過給機。
  4. 請求項3に記載の過給機において、
    前記第1部材が前記インペラ翼の軸線と平行な線と交わる長さが、前記ディフューザ部の範囲において、前記インペラ翼の軸線に近いほど長くなることを特徴とする過給機。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の過給機であって、
    クランクケース内のブローバイガスを吸気通路に還流させるブローバイガス通路部を備える内燃機関に適用され、
    前記コンプレッサが、前記吸気通路であって前記ブローバイガス通路と前記吸気通路との接続部よりも下流側に配設されている、過給機。
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