JP6007768B2 - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関及び第一回転電機に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、入力部材と出力部材とを結ぶ動力伝達経路に設けられる変速機構と、変速機構を介して出力部材に駆動連結される第二回転電機と、入力部材と変速機構とを選択的に駆動連結するクラッチと、を備える車両用駆動装置に関する。
上記のような車両用駆動装置として、特開平6−328950号公報(特許文献1)に記載された装置が知られている。特許文献1の装置は、クラッチ〔クラッチ7〕を備えるとともに、変速機構〔シングルプラネタリギヤユニット25からなる自動変速機9〕がダイレクトクラッチC及びブレーキBを備えている。そして、これらの係合の状態を制御することで、減速段からなる1速段と直結段(同速段)からなる2速段とを有するシリーズモードと、パラレルモードとを切替可能に構成されている。
ところで、車両駆動用の回転電機〔電気モータ9〕を用いる場合、回転電機を小型化しつつ必要とされる駆動力を確保するためには、回転電機の回転を減速させて車輪〔49a,49b〕に伝達させることが一般に行われる。特許文献1の装置でも、シリーズモードの1速段で、回転電機の回転が減速されるとともにそのトルクが増幅されて車輪に伝達される。これにより、小型の回転電機を用いつつ、シリーズモードでの発進時や加速時等に大きな負荷トルクが作用する場合にも、必要な駆動力を適切に満足させることができる。
しかし、特許文献1の装置では、クラッチの係合状態で実現されるパラレルモードの実行時には、内燃機関と駆動用回転電機〔電気モータ9〕とが直結状態となり、これらは同速で回転することになる。このため、パラレルモードの実現時に、内燃機関の回転を燃料消費効率の高い比較的低回転に維持させて車両を走行させる場合には、小型の駆動用回転電機では十分な駆動力を得にくいという課題があった。
特開平6−328950号公報
そこで、駆動用回転電機を小型化しつつ、低燃費化と十分な駆動力の確保とを共に図ることが可能な車両用駆動装置の実現が望まれる。
本発明に係る、内燃機関及び第一回転電機に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、前記入力部材と前記出力部材とを結ぶ動力伝達経路に設けられる変速機構と、前記変速機構を介して前記出力部材に駆動連結される第二回転電機と、前記入力部材と前記変速機構とを選択的に駆動連結するクラッチと、を備える車両用駆動装置の特徴構成は、前記第一回転電機は、前記入力部材と一体的に回転するように前記入力部材に駆動連結され、前記変速機構は、速度線図における配置順に第一回転要素、第二回転要素、第三回転要素、及び第四回転要素を有し、前記第一回転要素が第一ブレーキにより非回転部材に選択的に固定され、前記第二回転要素が前記クラッチを介して前記入力部材に選択的に駆動連結されるとともに第二ブレーキにより非回転部材に選択的に固定され、前記第三回転要素が前記出力部材に駆動連結され、前記第四回転要素が前記第二回転電機に駆動連結される点にある。
本願において、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を意味する。この概念には、2つの回転要素が一体回転するように連結された状態や、1つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態が含まれる。このような伝動部材には、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(軸、歯車機構、ベルト等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等)が含まれても良い。
また、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
また、「速度線図における配置順」とは、速度線図(共線図とも言う)における各回転要素に対応する軸が、当該軸に直交する方向に沿って配置される順番のことである。速度線図における各回転要素に対応する軸の配置方向は、速度線図の描き方によって異なるが、その配置順は変速機構の構造によって定まるものであるため一定となる。「各回転要素の速度線図における配置順」は、各回転要素の回転状態における回転速度の順を表している。各回転要素の回転速度の順とは、各回転要素の回転状態における回転速度の順番のことである。各回転要素の回転速度は、変速機構の回転状態によって変化するが、各回転要素の回転速度の高低の並び順は、変速機構の構造によって定まるものであるため一定となる。
この特徴構成によれば、クラッチの係合の状態を制御することにより、内燃機関及び第一回転電機と車輪との間で駆動力が伝達されない状態と、両者間で駆動力が伝達される状態とを切り替えることができる。そして、クラッチの解放状態で、第二回転電機のトルクのみを利用して車両を走行させることができる。また、クラッチの係合状態で、内燃機関、第一回転電機、及び第二回転電機のトルクを利用して車両を走行させることができる。
ここで、後者の際には、さらに第一ブレーキを係合状態とすることで、内燃機関及び第一回転電機、並びに第二回転電機の回転を、それぞれ予め定められた変速比で変速して出力部材に伝達させることができる。このとき、本特徴構成では、第一ブレーキで固定される第一回転要素、入力部材に駆動連結される第二回転要素、出力部材に駆動連結される第三回転要素、及び第二回転電機に駆動連結される第四回転要素は、速度線図での配置順が記載の順である。このため、第一ブレーキによる第一回転要素の固定状態で、入力部材に駆動連結される内燃機関及び第一回転電機の回転を、増速して出力部材に伝達することができる。また、第二回転電機の回転を減速して出力部材に伝達することができる。すなわち、出力部材に対して、内燃機関及び第一回転電機の回転を増速させつつ第二回転電機の回転を減速させて伝達することができる。
よって、内燃機関の回転を比較的低回転に維持させて低燃費化を図りつつ、小型の第二回転電機を用いた場合でも十分な駆動力を確保することが可能な車両用駆動装置を実現することができる。
前記変速機構は、第三ブレーキにより非回転部材に選択的に固定される第五回転要素をさらに有し、前記第五回転要素は、速度線図における配置順が前記第一回転要素と前記第二回転要素との間、又は前記第二回転要素と前記第三回転要素との間であると好適である。
この構成によれば、クラッチの解放状態で第二回転電機のトルクのみを利用して車両を走行させる場合において、3つのブレーキの係合の状態を制御することで、第二回転電機の回転速度を3段階に減速して出力部材に伝達させることができる。よって、そのような場合において、必要とされる駆動力に応じて、3つのモード(変速段)のうちの適切なモードを選択して車両を走行させることができる。
また、内燃機関及び第一回転電機に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、前記入力部材と前記出力部材とを結ぶ動力伝達経路に設けられる変速機構と、前記変速機構を介して前記出力部材に駆動連結される第二回転電機と、前記入力部材と前記変速機構とを選択的に駆動連結するクラッチと、を備える車両用駆動装置であって、前記変速機構は、速度線図における配置順に第一回転要素、第二回転要素、第三回転要素、及び第四回転要素を有し、前記第一回転要素が第一ブレーキにより非回転部材に選択的に固定され、前記第二回転要素が前記クラッチを介して前記入力部材に選択的に駆動連結されるとともに第二ブレーキにより非回転部材に選択的に固定され、前記第三回転要素が前記出力部材に駆動連結され、前記第四回転要素が前記第二回転電機に駆動連結され、前記変速機構は、第三ブレーキにより非回転部材に選択的に固定される第五回転要素をさらに有し、前記第五回転要素は、速度線図における配置順が前記第一回転要素と前記第二回転要素との間、又は前記第二回転要素と前記第三回転要素との間であると好適である。
この特徴構成によれば、クラッチの係合の状態を制御することにより、内燃機関及び第一回転電機と車輪との間で駆動力が伝達されない状態と、両者間で駆動力が伝達される状態とを切り替えることができる。そして、クラッチの解放状態で、第二回転電機のトルクのみを利用して車両を走行させることができる。また、クラッチの係合状態で、内燃機関、第一回転電機、及び第二回転電機のトルクを利用して車両を走行させることができる。
ここで、後者の際には、さらに第一ブレーキを係合状態とすることで、内燃機関及び第一回転電機、並びに第二回転電機の回転を、それぞれ予め定められた変速比で変速して出力部材に伝達させることができる。このとき、本特徴構成では、第一ブレーキで固定される第一回転要素、入力部材に駆動連結される第二回転要素、出力部材に駆動連結される第三回転要素、及び第二回転電機に駆動連結される第四回転要素は、速度線図での配置順が記載の順である。このため、第一ブレーキによる第一回転要素の固定状態で、入力部材に駆動連結される内燃機関及び第一回転電機の回転を、増速して出力部材に伝達することができる。また、第二回転電機の回転を減速して出力部材に伝達することができる。すなわち、出力部材に対して、内燃機関及び第一回転電機の回転を増速させつつ第二回転電機の回転を減速させて伝達することができる。
よって、内燃機関の回転を比較的低回転に維持させて低燃費化を図りつつ、小型の第二回転電機を用いた場合でも十分な駆動力を確保することが可能な車両用駆動装置を実現することができる。
更に、この構成によれば、クラッチの解放状態で第二回転電機のトルクのみを利用して車両を走行させる場合において、3つのブレーキの係合の状態を制御することで、第二回転電機の回転速度を3段階に減速して出力部材に伝達させることができる。よって、そのような場合において、必要とされる駆動力に応じて、3つのモード(変速段)のうちの適切なモードを選択して車両を走行させることができる。
また、前記クラッチ及び前記第一ブレーキの係合状態かつ前記第二ブレーキ及び前記第三ブレーキの解放状態で実現され、前記入力部材の回転速度を増速して前記出力部材に伝達させるとともに前記第二回転電機の回転速度を減速して前記出力部材に伝達させるパラレル第一変速モードと、前記クラッチ及び前記第三ブレーキの係合状態かつ前記第一ブレーキ及び前記第二ブレーキの解放状態で実現され、前記入力部材の回転速度を前記パラレル第一変速モードの変速比よりも小さな変速比で増速して前記出力部材に伝達させるとともに前記第二回転電機の回転速度を前記パラレル第一変速モードの変速比よりも大きな変速比で減速して前記出力部材に伝達させるパラレル第二変速モードと、を切替可能に備えると好適である。
なお、「変速比」とは、出力部材の回転速度に対する、注目する駆動力源の回転速度の比(減速比)である。変速比が「1」よりも大きい状態では、注目する駆動力源の回転速度が減速されて出力部材に伝達される。この場合において、変速比が大きくなるに従って、注目する駆動力源の回転速度はより大きく減速されて出力部材に伝達される。また、変速比が「1」よりも小さい状態では、注目する駆動力源の回転速度が増速されて出力部材に伝達される。この場合において、変速比が小さくなるに従って、注目する駆動力源の回転速度はより大きく増速されて出力部材に伝達される。なお、変速比が「1」の状態では、注目する駆動力源の回転速度はそのままの回転速度で出力部材に伝達される。
この構成によれば、必要とされる駆動力に応じて、パラレル第一変速モード及びパラレル第二変速モードのうちの適切な方を選択して車両を走行させることができる。特に、パラレル第二変速モードでは、パラレル第一変速モードの変速比と比較して、入力部材の回転の増速に関しては小さく、かつ、第二回転電機の回転の減速に関しては大きな変速比が設定されている。よって、小型の第二回転電機を用いつつ、高速走行時にも、低燃費化と十分な駆動力の確保とを共に図ることができる。
また、前記クラッチの解放状態かつ第一ブレーキ及び第二ブレーキのいずれか一方の係合状態で実現され、前記入力部材及び前記第一回転電機が前記出力部材から切り離された状態で前記内燃機関のトルクにより前記第一回転電機が発電し、前記第二回転電機のトルクが前記出力部材に伝達されるシリーズモードを備えると好適である。
また、前記クラッチ及び前記第一ブレーキの係合状態かつ前記第二ブレーキの解放状態で実現され、前記入力部材の回転速度を増速して前記出力部材に伝達させるとともに前記第二回転電機の回転速度を減速して前記出力部材に伝達させるパラレルモードを備えると好適である。
この構成によれば、パラレルモードを実現することで、小型の第二回転電機を用いつつ、低燃費化と十分な駆動力の確保とを共に図ることができる。
また、前記クラッチの係合状態かつ前記第一ブレーキ及び前記第二ブレーキの解放状態で実現され、前記内燃機関及び前記第一回転電機から前記入力部材に伝達されるトルクと前記第二回転電機のトルクとを合成して前記出力部材に伝達させるトルクコンバータモードを備えると好適である。
この構成によれば、トルクコンバータモードを実現することで、内燃機関及び第一回転電機から入力部材に伝達されるトルクと第二回転電機のトルクとの合成トルクを出力部材に伝達して車両を走行させることができる。よって、十分な駆動力を確保することができる。また、入力部材に伝達されるトルクと第二回転電機のトルクとのバランスを制御することで、入力部材の回転速度を無段階に変速して出力部材に伝達させつつ車両を走行させることができる。
また、前記第一ブレーキの係合状態かつ前記クラッチ及び前記第二ブレーキの解放状態で実現され、前記第二回転電機の回転速度を減速して当該第二回転電機のトルクを前記出力部材に伝達させるモータ第一減速モードと、前記第二ブレーキの係合状態かつ前記クラッチ及び前記第一ブレーキの解放状態で実現され、前記第二回転電機の回転速度を前記モータ第一減速モードの変速比よりも大きな変速比で減速して当該第二回転電機のトルクを前記出力部材に伝達させるモータ第二減速モードと、を切替可能に備えると好適である。
この構成によれば、必要とされる駆動力に応じて、モータ第一減速モード及びモータ第二減速モードのうちの適切な方を選択して車両を走行させることができる。特に、モータ第一減速モードの変速比よりも大きな変速比が設定されたモータ第二減速モードを備えるので、大きな負荷トルクが作用する場合にも必要な駆動力を適切に満足させることができる。
なお、クラッチの解放状態で内燃機関がトルクを出力しつつ第一回転電機が発電する場合には、当該発電した電力を第二回転電機に供給することができるので、蓄電装置の蓄電量によらずに継続的に車両を走行させることができる。その際、比較的低回転域で内燃機関を駆動させることで、燃料消費効率を高めて、低燃費化を図ることができる。
また、前記変速機構は、前記第一回転要素としての第一サンギヤ、前記第二回転要素としての共通キャリヤ、前記第三回転要素としての共通リングギヤ、及び前記第四回転要素としての第二サンギヤを有するラビニヨ型遊星歯車装置により構成され、前記入力部材の回転軸心に平行な方向である軸方向に沿って、前記第一回転電機、前記第二回転電機、及び前記変速機構の順に配置され、前記入力部材が、前記第一サンギヤ及び前記第二サンギヤの内径側を通って、これらに対して前記軸方向における前記第一回転電機側とは反対側まで延出するように形成されていると好適である。
この構成によれば、ラビニヨ型遊星歯車装置を用いることで、3要素の遊星歯車装置を2組組み合わせて用いる場合と比較して、変速機構を簡素化及び小型化することができる。また、軸方向に沿って第一回転電機、第二回転電機、及び変速機構の順に配置することで、内燃機関及び第一回転電機の双方が入力部材に駆動連結されるとともに、第二回転電機が変速機構の第四回転要素に駆動連結される構成をコンパクトに実現できる。さらに、第一サンギヤ及び第二サンギヤに対して軸方向における第一回転電機側とは反対側まで入力部材を延出させることで、当該位置において、入力部材と第二回転要素とを選択的に駆動連結するクラッチを、空間的な制約が少ない状態で配置できる。
第一の実施形態の車両用駆動装置のスケルトン図 車両用駆動装置のシステム構成を示す模式図 各走行モードでの係合装置の係合の状態を示す作動表 シリーズモードでの速度線図 パラレルモードでの速度線図 トルクコンバータモードでの速度線図 第二の実施形態の車両用駆動装置のスケルトン図 各走行モードでの係合装置の係合の状態を示す作動表 シリーズモードでの速度線図 パラレルモードでの速度線図 第三の実施形態の車両用駆動装置のスケルトン図 各走行モードでの係合装置の係合の状態を示す作動表 シリーズモードでの速度線図
1.第一の実施形態
本発明に係る車両用駆動装置の第一の実施形態について、図面を参照して説明する。この車両用駆動装置1は、車輪Wの駆動力源として内燃機関EG及び回転電機MG1,MG2の双方を備えた車両(ハイブリッド車両)を駆動するための駆動装置(ハイブリッド車両用駆動装置)である。具体的には、車両用駆動装置1は、シリーズ・パラレル方式のハイブリッド車両用の駆動装置として構成されている。
1−1.車両用駆動装置の概略構成
本実施形態に係る車両用駆動装置1の概略構成について説明する。図1に示すように、車両用駆動装置1は、内燃機関EGに駆動連結される入力軸Iと、車輪W(図2を参照)に駆動連結される出力ギヤOと、第一回転電機MG1と、第二回転電機MG2と、変速機構TMとを備えている。なお、図1では、中心軸に対称な下半分の構成を省略して示している。第一回転電機MG1は、入力軸Iに駆動連結されている。変速機構TMは、入力軸Iと出力ギヤOとを結ぶ動力伝達経路に設けられている。第二回転電機MG2は、変速機構TMを介して出力ギヤOに駆動連結されている。これらは、ケース(駆動装置ケース)3内に収容されている。本実施形態では、入力軸Iが本発明における「入力部材」に相当し、出力ギヤOが「出力部材」に相当する。
入力軸I、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、変速機構TM、及び出力ギヤOは、互いに同軸状に配置されている。本実施形態では、これらに共通の回転軸心に平行な方向を「軸方向L」と定義する。第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、出力ギヤO、及び変速機構TMは、軸方向Lに沿って、内燃機関EGの側から記載の順に配置されている。
入力軸Iは内燃機関EGに駆動連結される。内燃機関EGは、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等)である。本例では、内燃機関EGの出力軸(クランクシャフト等)と一体回転するように入力軸Iが駆動連結される。なお、入力軸Iと内燃機関の出力軸とは、ダンパ等の他の部材を介して駆動連結されても良い。
第一回転電機MG1は、ケース3に固定された第一ステータSt1と、この第一ステータSt1の径方向内側に回転自在に支持された第一ロータRo1とを有する。第一ロータRo1は、入力軸Iと一体回転するように駆動連結されている。また、第二回転電機MG2は、ケース3に固定された第二ステータSt2と、この第二ステータSt2の径方向内側に回転自在に支持された第二ロータRo2とを有する。第二ロータRo2は、円筒状の第一連結軸M1と一体回転するように駆動連結されている。第二ロータRo2は、第一連結軸M1を介して、変速機構TM(遊星歯車装置P1)の第四回転要素E4(第二サンギヤS2)と一体回転するように駆動連結されている。
図2に示すように、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2は、それぞれ第一インバータ22及び第二インバータ23を介して蓄電装置21(バッテリやキャパシタ等)に電気的に接続されている。回転電機MG1,MG2は、それぞれ、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを果たすことが可能である。回転電機MG1,MG2は、ジェネレータとして機能する場合には、内燃機関EGのトルクや車両の慣性力により発電を行い、蓄電装置21を充電し、或いはモータとして機能する他方の回転電機MG2,MG1を駆動するための電力を供給する。一方、回転電機MG1,MG2は、モータとして機能する場合には、蓄電装置21に充電され、或いはジェネレータとして機能する他方の回転電機MG2,MG1により発電された電力の供給を受けて力行する。
図1に示すように、変速機構TMは、4つの回転要素を有する。本実施形態では、変速機構TMは、ラビニヨ型の遊星歯車装置P1により構成されている。ラビニヨ型の遊星歯車装置P1とは、一組のシングルピニオン型の遊星歯車機構と一組のダブルピニオン型の遊星歯車機構とが、キャリヤとリングギヤとを共用して構成される装置である。具体的には、この遊星歯車装置P1は、第一サンギヤS1及び第二サンギヤS2の2つのサンギヤと、共通リングギヤRと、共通キャリヤCAとの4つの回転要素を有する。共通キャリヤCAは、第一サンギヤS1及び共通リングギヤRに噛み合う第一ピニオンギヤを支持するとともに、第一ピニオンギヤ及び第二サンギヤS2に噛み合う第二ピニオンギヤを支持している。本例では、第一サンギヤS1は第二サンギヤS2に対して軸方向Lにおける回転電機MG1,MG2側に配置されている。
遊星歯車装置P1のこれら4つの回転要素を、図4〜図6に示す速度線図(共線図とも言う)における配置順に第一回転要素E1、第二回転要素E2、第三回転要素E3、及び第四回転要素E4と定義する。なお、速度線図における配置順は、各回転要素E1〜E4の回転速度の順に等しい。本実施形態では、第一サンギヤS1が「第一回転要素E1」に相当し、共通キャリヤCAが「第二回転要素E2」に相当し、共通リングギヤRが「第三回転要素E3」に相当し、第二サンギヤS2が「第四回転要素E4」に相当する。
遊星歯車装置P1の第一回転要素E1である第一サンギヤS1は、円筒状の第二連結軸M2と一体回転するように駆動連結されている。第二連結軸M2と一体回転する第一サンギヤS1は、第一ブレーキB1により、非回転部材としてのケース3に選択的に固定される。第二回転要素E2である共通キャリヤCAは、クラッチCを介して、内燃機関EG及び第一回転電機MG1と一体回転する入力軸Iに選択的に駆動連結される。また、共通キャリヤCAは、第二ブレーキB2により、ケース3に選択的に固定される。
第三回転要素E3である共通リングギヤRは、ドラム状の動力伝達部材Tと一体回転するように駆動連結されている。共通リングギヤRは、動力伝達部材Tを介して、当該動力伝達部材Tの外周部に形成された出力ギヤOと一体回転するように構成されている。第四回転要素E4である第二サンギヤS2は、第一連結軸M1と一体回転するように駆動連結されている。第二サンギヤS2は、第一連結軸M1を介して、第二回転電機MG2(第二ロータRo2)と一体回転するように駆動連結されている。
入力軸Iと共通キャリヤCAとを選択的に駆動連結するクラッチC、第一サンギヤS1をケース3に選択的に固定する第一ブレーキB1、及び共通キャリヤCAをケース3に選択的に固定する第二ブレーキB2は、油圧駆動式の摩擦係合装置として構成されている。これらは、供給される油圧に応じて係合の状態(係合状態/解放状態)が制御される。なお、これらは電磁駆動式又は機械駆動式等の摩擦係合装置であっても良い。第一ブレーキB1は、軸方向Lにおける第一回転電機MG1と変速機構TMとの間(本例ではさらに第二回転電機MG2と変速機構TMとの間)に配置されている。クラッチCは、2つのサンギヤS1,S2に対して軸方向Lにおける第一回転電機MG1側とは反対側に配置されている。第二ブレーキB2も、クラッチCと同様である。
本実施形態では、入力軸I、第一連結軸M1、第二連結軸M2、及び動力伝達部材Tは、互いに同軸状に、かつ軸方向Lの位置に関して(径方向に見て)オーバーラップする状態で配置されている。本例では、入力軸I、第一連結軸M1、及び第二連結軸M2は、これらが内径側から記載の順に配置された三重管構造となっている。この三重管構造を取り囲むように、その外径側に動力伝達部材Tが配置されている。
動力伝達部材T、第二連結軸M2、第一連結軸M1、及び入力軸Iは、軸方向Lの長さが記載の順に長くなるように形成されている。出力ギヤOに対して軸方向Lの両側に分かれて、第二連結軸M2に駆動連結される第一サンギヤS1と、第二連結軸M2を選択的に固定する第一ブレーキB1とが配置されている。また、第二連結軸M2に対して軸方向Lの両側に分かれて、第一連結軸M1に駆動連結される第二サンギヤS2と、同じく第一連結軸M1に駆動連結される第二回転電機MG2とが配置されている。
入力軸Iは、第一サンギヤS1及び第二連結軸M2、並びに、第二サンギヤS2及び第一連結軸M1の内径側を通って、2つのサンギヤS1,S2に対して軸方向Lにおける第一回転電機MG1側とは反対側まで延出するように形成されている。そして、軸方向Lにおける入力軸Iの延出端部Ieの近傍に、クラッチC及び第二ブレーキB2が配置されている。また、第一連結軸M1に対して軸方向Lの両側に分かれて、入力軸Iと共通キャリヤCAとを選択的に駆動連結するクラッチCと、入力軸Iに駆動連結される第一回転電機MG1とが配置されている。
このように、出力ギヤOを中心に、第二連結軸M2に係る第一サンギヤS1及び第一ブレーキB1の組、第一連結軸M1に係る第二サンギヤS2及び第二回転電機MG2の組、入力軸Iに係るクラッチC及び第一回転電機MG1の組が入れ子状に配置されている。また、第二連結軸M2、第一連結軸M1、及び入力軸Iは、軸方向Lの長さが記載の順に長くなる三重管構造を形成している。これにより、車両用駆動装置1を構成する各部品を、無駄なくコンパクトに配置することが可能となっている。また、ラビニヨ型の遊星歯車装置P1を用いることで、変速機構TM自体の簡素化及び小型化も図られている。これらが相俟って、車両用駆動装置1の全体が有効に小型化されている。
変速機構TMは、車輪Wの駆動力源の回転及びトルクを、当該変速機構TMの状態に応じて決まる変速比に基づいて変速するとともにトルク変換して、出力ギヤOに伝達する。「変速比」は、変速機構TMの出力回転要素(共通リングギヤR)と一体回転する出力ギヤOの回転速度に対する、注目する入力回転要素(共通キャリヤCA又は第二サンギヤS2)と一体回転する部材(入力軸I又は第二回転電機MG2)の回転速度の比である。出力ギヤOは、任意のギヤ機構(図示せず)や、出力用差動歯車装置DF(図2を参照)を介して、左右2つの車輪Wに駆動連結されている。これにより、内燃機関EG、第一回転電機MG1、及び第二回転電機MG2のうちの少なくとも1つのトルクが車輪Wに伝達されて、車両を走行させることができる。
1−2.制御システムの構成
図2に示すように、車両用駆動装置1は、装置の各部を制御するための主制御ユニット31を備えている。なお、図2では、実線の矢印は各種情報の伝達経路を示し、破線は電力の伝達経路を示し、白抜きの矢印は作動油の流れを示している。主制御ユニット31は、内燃機関制御ユニット32、第一回転電機制御ユニット33、第二回転電機制御ユニット34、及び油圧制御装置35と、情報伝達可能に接続されている。内燃機関制御ユニット32は、内燃機関EGが所望の回転速度やトルクを出力するように当該内燃機関EGを制御する。第一回転電機制御ユニット33は、第一インバータ22を制御することにより、第一回転電機MG1が所望の回転速度やトルクを出力するように当該第一回転電機MG1制御する。第二回転電機制御ユニット34は、第二インバータ23を制御することにより、第二回転電機MG2が所望の回転速度やトルクを出力するように当該第二回転電機MG2を制御する。
また、主制御ユニット31は、車両の各部に設けられた各種センサからの情報を取得可能に構成されている。本実施形態では、主制御ユニット31は、蓄電状態センサSe1、車速センサSe2、及びアクセル操作センサSe3からの情報を取得可能に構成されている。蓄電状態センサSe1は、蓄電装置21の充電量等の状態を検出するためのセンサであり、例えば電圧センサや電流センサ等により構成される。車速センサSe2は、車速を検出するためのセンサである。図2には、車速センサSe2が、車軸の回転速度を検出するように設けられる例を示している。しかし、このような構成に限られず、車速に比例する回転速度で回転する部材であれば、任意の部材を車速センサSe2による検出対象として良い。アクセル操作センサSe3は、アクセルペダル26の操作量を検出するためのセンサである。
主制御ユニット31は、各センサSe1〜Se3で取得される情報を用いて、後述する複数の走行モードの選択を行う。そして、主制御ユニット31は、油圧制御装置35によって各係合装置(クラッチC、第一ブレーキB1、及び第二ブレーキB2)の状態を切り替えることにより、走行モードの切り替えを行う。また、主制御ユニット31は、選択された走行モードに応じて適切に車両が走行されるように、内燃機関EG、第一回転電機MG1、及び第二回転電機MG2の動作状態を協調制御する。
本実施形態では、主制御ユニット31は、蓄電状態推定部41、モード選択部42、切替制御部43を備えている。これらの各機能部は、CPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための処理部がハードウエア又はソフトウエア(プログラム)或いはその両方により構成されている。また、主制御ユニット31は記憶部44を備えており、この記憶部44には、走行モードを決定するための制御マップ45が格納されている。
蓄電状態推定部41は、蓄電状態センサSe1によって取得される電圧値や電流値等の情報に基づいて、蓄電装置21の蓄電状態(具体的には、蓄電量)を推定する。蓄電装置21の蓄電量は、一般にSOC(state of charge)と呼ばれる指標であり、例えば蓄電
装置21の充電容量に対する充電残量の比率として求められる。
モード選択部42は、制御マップ45に従い、車両の各部の状態に応じた適切な走行モードの選択を行う。本実施形態では、モード選択部42は、車速、要求駆動力、及び蓄電量に応じて、後述する複数の走行モードの中から適切な1つの走行モードを選択する。車速は、車速センサSe2により検出される。要求駆動力は、ドライバの意思に応じて車両を適切に駆動するために要求される駆動力であり、アクセル操作センサSe3で取得される情報に基づいて算出される。蓄電量は、蓄電状態推定部41により推定される。なお、これら以外に、冷却水温度や油温等にも基づいて走行モードが選択されても良い。
切替制御部43は、モード選択部42により選択された走行モードに応じて油圧制御装置35の動作を制御することにより、各係合装置の係合の状態を切り替える。「係合の状態」とは、注目している係合装置により互いに係合される2つの係合部材間の係合に関する状態を表す概念である。本実施形態では、この概念には、係合状態(係合している状態)と解放状態(係合することなく解放されている状態)とが含まれる。切替制御部43は、各係合装置をそれぞれ独立して係合状態又は解放状態とするように制御することにより、走行モードを切り替える。
1−3.各走行モードの詳細
次に、本実施形態に係る車両用駆動装置1により実現可能な走行モードについて説明する。図3に示すように、本実施形態では、車両用駆動装置1は、シリーズモード、パラレルモード、及びトルクコンバータモードを切替可能に備えている。また、シリーズモードは、第1速段及び第2速段の2つの変速段(それぞれ走行モードの一種と考えることも可能;以下同様)を切替可能に備えている。従って、本実施形態では、車両用駆動装置1は、狭義には、シリーズモード、パラレルモード、及びトルクコンバータモードの3つの走行モードを切替可能に備えている。また、広義には、シリーズモードの第1速段、シリーズモードの第2速段、パラレルモード、及びトルクコンバータモードの4つの走行モードを切替可能に備えている。なお、図3の作動表では、各走行モードにおける各係合装置の係合の状態を記号で示している。「○」は係合状態とされることを表し、空欄は解放状態とされることを表している。
図4〜図6は、各走行モードにおける変速機構TM(遊星歯車装置P1)の速度線図を示している。これらの速度線図において、縦軸は、各回転要素E1〜E4の回転速度(上側が正)に対応している。並列配置された複数本の縦線のそれぞれは、各回転要素E1〜E4に対応している。各回転要素E1〜E4に対応する縦線間の間隔は、ラビニヨ型の遊星歯車装置P1を構成する2つの遊星歯車機構のそれぞれの歯数比に応じて定められる。なお、各遊星歯車機構の歯数比は、共通リングギヤRの歯数に対する各サンギヤS1,S2の歯数の比(=〔サンギヤの歯数〕/〔共通リングギヤの歯数〕)である。太実線で示される直線は、遊星歯車装置P1の動作状態を示している。また、入力軸I、出力ギヤO、及び第二回転電機MG2の回転速度を表す各記号に隣接して表示された矢印は、それぞれのトルクの向き(上向きが正)を示している。
シリーズモード(第1速段及び第2速段を含む)は、内燃機関EGのトルクにより第一回転電機MG1が発電した電力により第二回転電機MG2がトルクを出力し、当該第二回転電機MG2のトルクを出力ギヤOに伝達させて車両を走行させる走行モードである。図3に示すように、シリーズモードは、クラッチCの解放状態かつ第一ブレーキB1及び第二ブレーキB2のいずれか一方の係合状態で実現される。このシリーズモードでは、クラッチCの解放状態で、入力軸Iと共通キャリヤCAとの駆動連結が解除され、内燃機関EG及び第一回転電機MG1と出力ギヤOとが切り離される。そして、内燃機関EGは効率が高く排ガスの少ない状態(最適燃費特性に沿った状態)で駆動されてトルクを出力し、当該内燃機関EGのトルクにより第一回転電機MG1が発電する。第一回転電機MG1が発電した電力を利用して、第二回転電機MG2は車両駆動用のトルクを出力する。
シリーズモードの第1速段は、第二ブレーキB2の係合状態で実現される。図4に示すように、第1速段では、変速機構TMを構成する遊星歯車装置P1は、4つの回転要素のうちの3つのみが実質的に機能する三要素状態となる。ここでは、第二回転要素E2である共通キャリヤCA、第三回転要素E3である共通リングギヤR、及び第四回転要素E4である第二サンギヤS2が実質的に機能する。第1速段では、回転速度の順で低速側となる共通キャリヤCAが第二ブレーキB2によりケース3に固定され、高速側となる第二サンギヤS2に第二回転電機MG2の回転及びトルクが伝達される。これにより、回転速度の順で中間となる共通リングギヤRを介して、第二回転電機MG2の回転及びトルクが、変速比λ1(>1)に基づき、減速及びトルク増幅されて出力ギヤOに伝達される。具体的には、第二回転電機MG2の回転速度が(1/λ1)倍に減速されるとともに、そのトルクが(λ1)倍に増幅されて出力ギヤOに伝達される。
シリーズモードの第2速段は、第一ブレーキB1の係合状態で実現される。図4に示すように、第2速段でも、変速機構TMを構成する遊星歯車装置P1は三要素状態となる。ここでは、第一回転要素E1である第一サンギヤS1、第三回転要素E3である共通リングギヤR、及び第四回転要素E4である第二サンギヤS2が実質的に機能する。第2速段では、回転速度の順で低速側となる第一サンギヤS1が第一ブレーキB1によりケース3に固定され、高速側となる第二サンギヤS2に第二回転電機MG2の回転及びトルクが伝達される。これにより、回転速度の順で中間となる共通リングギヤRを介して、第二回転電機MG2の回転及びトルクが、第1速段の変速比λ1とは異なる変速比λ2(>1)に基づき、減速及びトルク増幅されて出力ギヤOに伝達される。具体的には、第二回転電機MG2の回転速度が(1/λ2)倍に減速されるとともに、そのトルクが(λ2)倍に増幅されて出力ギヤOに伝達される。
このように、シリーズモードでは、第二回転電機MG2の回転及びトルクは、変速比λ1,λ2に基づき、2段階に減速及びトルク増幅されて出力ギヤOに伝達される。本実施形態では、第1速段の変速比λ1は第2速段の変速比λ2よりも大きい値に設定されている(λ1>λ2)。これにより、第1速段は、第二回転電機MG2の回転速度を第2速段の変速比λ2よりも大きな変速比λ1で減速して、第二回転電機MG2のトルクを出力ギヤOに伝達させるモードとなる。この意味で、本実施形態では、シリーズモードの第2速段が本発明における「モータ第一減速モード」に相当し、第1速段が「モータ第二減速モード」に相当する。
シリーズモードでは、第二回転電機MG2の回転が減速されるとともにトルクが増幅されて出力ギヤOに伝達される。よって、第二回転電機MG2の小型化を図りつつ、シリーズモードで十分な駆動力を確保することができる。このとき、第二回転電機MG2の回転及びトルクは、2段階に減速及びトルク増幅されて出力ギヤOに伝達される。よって、シリーズモードの実現時において、要求駆動力に応じて、第1速段及び第2速段のうちの適切な方を選択して車両を走行させることができる。また、内燃機関EGのトルクにより常に第一回転電機MG1が発電するので、蓄電装置21の蓄電量によらずに継続的に車両を走行させることができる。
パラレルモードは、入力軸Iに伝達されるトルク(内燃機関EG及び第一回転電機MG1のトルク)及び第二回転電機MG2のトルクを出力ギヤOに伝達させて車両を走行させる走行モードである。図3に示すように、パラレルモードは、クラッチC及び第一ブレーキB1の係合状態かつ第二ブレーキB2の解放状態で実現される。このパラレルモードでは、クラッチCの係合状態で、入力軸Iと共通キャリヤCAとが一体回転するように駆動連結され、内燃機関EG及び第一回転電機MG1と出力ギヤOとの間で駆動力が伝達される。本実施形態では、内燃機関EGがトルクを出力し、第一回転電機MG1は内燃機関EGのトルクを部分的に利用して発電を行う。そして、内燃機関EGのトルクのうち、第一回転電機MG1による発電分を差し引いた余剰トルクだけでは要求駆動力に対して不足する分を、第二回転電機MG2のトルクによってアシストする。
図5に示すように、パラレルモードでは、変速機構TMを構成する遊星歯車装置P1は、4つの回転要素の全てが実質的に機能する四要素状態となる。回転速度の順で最も低速側となる第一サンギヤS1が第一ブレーキB1によりケース3に固定され、第一サンギヤS1よりも高速側となる共通キャリヤCAに入力軸I(内燃機関EG及び第一回転電機MG1)の回転及びトルクが伝達される。また、共通キャリヤCAよりも高速側となる共通リングギヤRと一体回転するように出力ギヤOが駆動連結され、最も高速側となる第二サンギヤS2に第二回転電機MG2の回転及びトルクが伝達される。
これにより、入力軸I(内燃機関EG及び第一回転電機MG1)と出力ギヤOとの関係では、入力軸Iの回転及びトルクが、変速比λ3(<1)に基づき、増速及びトルク減衰されて出力ギヤOに伝達される。具体的には、入力軸Iの回転速度が(1/λ3)倍に増速されるとともに、そのトルクが(λ3)倍に減衰されて出力ギヤOに伝達される。また、第二回転電機MG2と出力ギヤOとの関係では、第二回転電機MG2の回転及びトルクが、上述した変速比λ2(>1)に基づき、減速及びトルク増幅されて出力ギヤOに伝達される。具体的には、第二回転電機MG2の回転速度が(1/λ2)倍に減速されるとともに、そのトルクが(λ2)倍に増幅されて出力ギヤOに伝達される。
このように、パラレルモードでは、入力軸Iの回転は増速されて出力ギヤOに伝達されるとともに、第二回転電機MG2の回転は減速されて出力ギヤOに伝達される。このため、パラレルモードで、内燃機関EGの回転を比較的低回転に維持させて低燃費化を図ることができる。また、第二回転電機MG2の小型化を図りつつ、パラレルモードでも十分な駆動力を確保することができる。従って、小型の第二回転電機MG2を用いつつ、低燃費化と十分な駆動力の確保とを共に図ることができる。
トルクコンバータモードは、入力軸Iに伝達されるトルク(内燃機関EG及び第一回転電機MG1のトルク)と第二回転電機MG2のトルクとの合成トルクを出力ギヤOに伝達させて車両を走行させる走行モードである。図3に示すように、トルクコンバータモードは、クラッチCの係合状態かつ第一ブレーキB1及び第二ブレーキB2の解放状態で実現される。図6に示すように、トルクコンバータモードでは、変速機構TMを構成する遊星歯車装置P1は、4つの回転要素のうちの3つのみが実質的に機能する三要素状態となる。ここでは、第二回転要素E2である共通キャリヤCA、第三回転要素E3である共通リングギヤR、及び第四回転要素E4である第二サンギヤS2が実質的に機能する。
トルクコンバータモードでは、クラッチCの係合状態で共通キャリヤCAと入力軸Iとが一体回転するように駆動連結される。そして、回転速度の順で低速側となる共通キャリヤCAに入力軸Iの回転及びトルクが伝達され、高速側となる第二サンギヤS2に第二回転電機MG2の回転及びトルクが伝達される。その際、第二回転電機MG2は正方向のトルクを出力して入力軸Iのトルクの反力を支持する。これにより、回転速度の順で中間となる共通リングギヤRを介して、入力軸Iに伝達されるトルクと第二回転電機MG2のトルクとの合成トルクが、入力軸Iのトルクに対して増幅されたトルクとして出力ギヤOに伝達される。このとき、両者のトルクバランスを制御することで、入力軸Iの回転を無段階に変速して出力ギヤOに伝達させつつ車両を走行させることができる。この意味で、トルクコンバータモードは、“無段変速モード”と称することもできる。
本実施形態では、シリーズモードの第1速段と第2速段との間の切り替えは、クラッチツークラッチのつなぎ替え変速により行われる。シリーズモード(ここでは第2速段)とパラレルモードとの間の切り替えは、クラッチCの係合の状態を制御することにより行われる。パラレルモードとトルクコンバータモードとの間の切り替えは、第一ブレーキB1の係合の状態を制御することにより行われる。パラレルモードとシリーズモード又はトルクコンバータモードとの間の切り替えは、対象となる係合装置(クラッチC又は第一ブレーキB1)において互いに係合される2つの係合部材の回転速度が略等しい状態で行われる同期切替とすることができる。
2.第二の実施形態
本発明の第二の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に係る車両用駆動装置1は、上記第一の実施形態の構成と比較して、変速機構TMの構成が一部相違している。また、変速機構TMの構成が異なることに伴い、車両用駆動装置1が切替可能に備える走行モードが増加している。以下では、本実施形態に係る車両用駆動装置1について、上記第一の実施形態との相違点を詳細に説明する。なお、特に明記しない点については、上記第一の実施形態と同様とする。
2−1.車両用駆動装置の概略構成
図7に示すように、本実施形態に係る変速機構TMは、第五回転要素E5をさらに有しており、計5つの回転要素を備える遊星歯車装置P2により構成されている。この遊星歯車装置P2は、上記第一の実施形態におけるラビニヨ型の遊星歯車装置P1に対して、第二ピニオンギヤに噛み合うもう1つのリングギヤが追加された構成を有する。ここでは、上記第一の実施形態における共通リングギヤRに対応する第1のリングギヤを“第一リングギヤR1”と称し、本実施形態において追加された第2のリングギヤを“第二リングギヤR2”と称する。本実施形態では、第一リングギヤR1が「第三回転要素E3」に相当し、第二リングギヤR2が「第五回転要素E5」に相当する。
図9及び図10に示すように、第五回転要素E5である第二リングギヤR2は、速度線図における配置順が、第一回転要素E1である第一サンギヤS1と第二回転要素E2である共通キャリヤCAとの間とされている。これにより、本実施形態では、遊星歯車装置P2の5つの回転要素は、速度線図における配置順(回転速度の順)に第一回転要素E1、第五回転要素E5、第二回転要素E2、第三回転要素E3、及び第四回転要素E4となっている。
第二リングギヤR2は、第三ブレーキB3により、非回転部材としてのケース3に選択的に固定される。第二リングギヤR2をケース3に選択的に固定する第三ブレーキB3は、油圧駆動式の摩擦係合装置として構成されている。第三ブレーキB3も、供給される油圧に応じて係合の状態(係合状態/解放状態)が制御される。第三ブレーキB3は、第一サンギヤS1に対して軸方向Lにおける第一回転電機MG1側とは反対側に配置されている。また、第三ブレーキB3は、軸方向Lにおける第二ブレーキB2と第一リングギヤR1との間に配置されている。
2−2.各走行モードの詳細
図8に示すように、本実施形態でも、車両用駆動装置1は、シリーズモード、パラレルモード、及びトルクコンバータモードを切替可能に備えている。但し、本実施形態では、シリーズモードは、第1速段、第2速段、及び第3速段の3つの変速段を切替可能に備えている。また、パラレルモードは、第1速段及び第2速段の2つの変速段を切替可能に備えている。従って、本実施形態では、車両用駆動装置1は、広義には、シリーズモードの第1速段、シリーズモードの第2速段、シリーズモードの第3速段、パラレルモードの第1速段、パラレルモードの第2速段、及びトルクコンバータモードの6つの走行モードを切替可能に備えている。
本実施形態におけるシリーズモードの第3速段は、上記第一の実施形態におけるシリーズモードの第2速段に相当する。そして、本実施形態では、上記第一の実施形態におけるシリーズモードの第1速段と第2速段との間に、もう1つの変速段が追加された構成となっている。シリーズモードの各変速段の詳細については、上記第一の実施形態と同様に考えることができる。このため、図9にシリーズモードの速度線図を示して、その詳細な説明は一部省略する。
本実施形態では、シリーズモードの第1速段では、第二ブレーキB2の係合状態で、第二回転電機MG2の回転速度が(1/λ4)倍に減速されるとともに、そのトルクが(λ4)倍に増幅されて出力ギヤOに伝達される。第2速段では、第三ブレーキB3の係合状態で、第二回転電機MG2の回転速度が(1/λ5)倍に減速されるとともに、そのトルクが(λ5)倍に増幅されて出力ギヤOに伝達される。第3速段では、第一ブレーキB1の係合状態で、第二回転電機MG2の回転速度が(1/λ6)倍に減速されるとともに、そのトルクが(λ6)倍に増幅されて出力ギヤOに伝達される。なお、第1速段の変速比λ4は第2速段の変速比λ5よりも大きい値に設定され、第2速段の変速比λ5は第3速段の変速比λ6よりも大きい値に設定されている(λ4>λ5>λ6)。
本実施形態では、シリーズモードの第3速段が本発明における「モータ第一減速モード」に相当し、第1速段が「モータ第二減速モード」に相当する。また、第2速段は、第二回転電機MG2の回転速度を第3速段の変速比λ6よりも大きくかつ第1速段の変速比λ4よりも小さい変速比λ5で減速して、第二回転電機MG2のトルクを出力ギヤOに伝達させるモード(モータ第三減速モード)となる。本実施形態では、第二回転電機MG2の回転及びトルクは、3段階に減速及びトルク増幅されて出力ギヤOに伝達される。よって、シリーズモードの実現時において、要求駆動力に応じて、より適切な変速段を選択して車両を走行させることができる。
本実施形態におけるパラレルモードの第1速段は、上記第一の実施形態におけるパラレルモードに相当する。そして、本実施形態では、上記第一の実施形態における単一のパラレルモードに加えて、変速段が1つ追加された構成となっている。パラレルモードの各変速段の詳細については、上記第一の実施形態と同様に考えることができる。このため、図10にパラレルモードの速度線図を示して、その詳細な説明は一部省略する。
本実施形態では、パラレルモードの第1速段は、クラッチC及び第一ブレーキB1の係合状態で実現される。第1速段では、入力軸I(内燃機関EG及び第一回転電機MG1)と出力ギヤOとの関係では、入力軸Iの回転及びトルクが、変速比λ7(<1)に基づき、増速及びトルク減衰されて出力ギヤOに伝達される。具体的には、入力軸Iの回転速度が(1/λ7)倍に増速されるとともに、そのトルクが(λ7)倍に減衰されて出力ギヤOに伝達される。また、第二回転電機MG2と出力ギヤOとの関係では、第二回転電機MG2の回転及びトルクが、上述した変速比λ6(>1)に基づき、減速及びトルク増幅されて出力ギヤOに伝達される。具体的には、第二回転電機MG2の回転速度が(1/λ6)倍に減速されるとともに、そのトルクが(λ6)倍に増幅されて出力ギヤOに伝達される。
パラレルモードの第2速段は、クラッチC及び第三ブレーキB3の係合状態で実現される。第2速段では、入力軸I(内燃機関EG及び第一回転電機MG1)と出力ギヤOとの関係では、入力軸Iの回転及びトルクが、変速比λ7とは異なる変速比λ8(<1)に基づき、増速及びトルク減衰されて出力ギヤOに伝達される。具体的には、入力軸Iの回転速度が(1/λ8)倍に増速されるとともに、そのトルクが(λ8)倍に減衰されて出力ギヤOに伝達される。また、第二回転電機MG2と出力ギヤOとの関係では、第二回転電機MG2の回転及びトルクが、上述した変速比λ5(>1)に基づき、減速及びトルク増幅されて出力ギヤOに伝達される。具体的には、第二回転電機MG2の回転速度が(1/λ5)倍に減速されるとともに、そのトルクが(λ5)倍に増幅されて出力ギヤOに伝達される。
このように、本実施形態のパラレルモードでは、入力軸I(内燃機関EG及び第一回転電機MG1)の回転及びトルクは、変速比λ7,λ8に基づき、2段階に増速及びトルク減衰されて出力ギヤOに伝達される。また、第二回転電機MG2の回転及びトルクは、変速比λ5,λ6に基づき、2段階に減速及びトルク増幅されて出力ギヤOに伝達される。本実施形態では、入力軸Iの回転に関する第2速段の変速比λ8は、第1速段の変速比λ7よりも小さい値に設定されている(λ8<λ7)。これにより、第2速段は、入力軸Iの回転速度を第1速段の変速比λ7よりも小さな変速比λ8で増速して出力ギヤOに伝達させるとともに、第二回転電機MG2の回転速度を第1速段の変速比λ6よりも大きな変速比λ5で減速して出力ギヤOに伝達させるモードとなる。この意味で、本実施形態では、パラレルモードの第1速段が本発明における「パラレル第一変速モード」に相当し、第2速段が「パラレル第二変速モード」に相当する。
本実施形態でも、パラレルモードでは、入力軸Iの回転は増速されて出力ギヤOに伝達されるとともに、第二回転電機MG2の回転は減速されて出力ギヤOに伝達される。このため、パラレルモードで、内燃機関EGの回転を比較的低回転に維持させて低燃費化を図ることができる。また、第二回転電機MG2の小型化を図りつつ、パラレルモードでも十分な駆動力を確保することができる。このとき、入力軸Iの回転及びトルクは2段階に増速及びトルク減衰されて出力ギヤOに伝達されるとともに、第二回転電機MG2の回転及びトルクは2段階に減速及びトルク増幅されて出力ギヤOに伝達される。よって、パラレルモードの実現時において、要求駆動力に応じて、第1速段及び第2速段のうちの適切な方を選択して車両を走行させることができる。これにより、小型の第二回転電機を用いつつ、高速走行時にも、低燃費化と十分な駆動力の確保とを共に図ることができる。
3.第三の実施形態
本発明の第三の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に係る車両用駆動装置1は、上記第二の実施形態の構成と比較して、変速機構TMの構成が一部相違している。また、変速機構TMの構成が異なることに伴い、車両用駆動装置1が切替可能に備える走行モードも異なっている。以下では、本実施形態に係る車両用駆動装置1について、上記第二の実施形態との相違点(適切な場合には上記第一の実施形態との相違点)を詳細に説明する。なお、特に明記しない点については、上記第一又は第二の実施形態と同様とする。
3−1.車両用駆動装置の概略構成
図11に示すように、本実施形態に係る変速機構TMは、計5つの回転要素を備える遊星歯車装置P3により構成されている。この遊星歯車装置P3は、上記第二の実施形態における遊星歯車装置P2と同様に、第一リングギヤR1及び第二リングギヤR2の2つのリングギヤを有する。但し、本実施形態では、遊星歯車装置P3の各回転要素に対する各駆動力源及び各係合装置の連結関係は、上記第二の実施形態の構成とは異なっている。
具体的には、遊星歯車装置P3の第一サンギヤS1は、第一ブレーキB1により、非回転部材としてのケース3に選択的に固定される。第二リングギヤR2は、クラッチCを介して、内燃機関EG及び第一回転電機MG1と一体回転する入力軸Iに選択的に駆動連結される。また、第二リングギヤR2は、第二ブレーキB2により、ケース3に選択的に固定される。第一リングギヤRは、出力ギヤOと一体回転するように駆動連結されている。第二サンギヤS2は、第二回転電機MG2と一体回転するように駆動連結されている。共通キャリヤCAは、第三ブレーキB3により、ケース3に選択的に固定される。本実施形態では、第一サンギヤS1が「第一回転要素E1」に相当し、第二リングギヤR2が「第二回転要素E2」に相当し、第一リングギヤR1が「第三回転要素E3」に相当し、第二サンギヤS2が「第四回転要素E4」に相当する。また、共通キャリヤCAが「第五回転要素E5」に相当する。
本実施形態では、遊星歯車装置P3の5つの回転要素は、速度線図における配置順(回転速度の順)が、第一サンギヤS1、第二リングギヤR2、共通キャリヤCA、第一リングギヤR1、及び第二サンギヤS2となっている。これにより、第五回転要素E5である共通キャリヤCAは、速度線図における配置順が、第二回転要素E2である第二リングギヤR2と第三回転要素E3である第一リングギヤRとの間とされている。すなわち、本実施形態では、遊星歯車装置P3の5つの回転要素は、速度線図における配置順(回転速度の順)に第一回転要素E1、第二回転要素E2、第五回転要素E5、第三回転要素E3、及び第四回転要素E4となっている。
なお、第三ブレーキB3は、第一サンギヤS1に対して軸方向Lにおける第一回転電機MG1側に配置されている。また、第三ブレーキB3は、軸方向Lにおける出力ギヤOと第一ブレーキB1との間に配置されている。
3−2.各走行モードの詳細
図12に示すように、本実施形態でも、車両用駆動装置1は、シリーズモード、パラレルモード、及びトルクコンバータモードを切替可能に備えている。また、シリーズモードは、第1速段、第2速段、及び第3速段の3つの変速段を切替可能に備えている。但し、本実施形態では、パラレルモードに関しては、上記第一の実施形態と同様に単一のパラレルモードのみを備えている。従って、本実施形態では、車両用駆動装置1は、広義には、シリーズモードの第1速段、シリーズモードの第2速段、シリーズモードの第3速段、パラレルモード、及びトルクコンバータモードの5つの走行モードを切替可能に備えている。
本実施形態におけるシリーズモードの第2速段は、上記第一の実施形態におけるシリーズモードの第1速段に相当し、第3速段は上記第一の実施形態におけるシリーズモードの第2速段に相当する。そして、本実施形態では、上記第一の実施形態におけるシリーズモードの第1速段よりもさらに低速段側に、もう1つの変速段が追加された構成となっている。シリーズモードの各変速段の詳細については、上記第一及び第二の実施形態と同様に考えることができる。このため、図13にシリーズモードの速度線図を示して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、シリーズモードの第3速段が本発明における「モータ第一減速モード」に相当し、第2速段が「モータ第二減速モード」に相当する。また、第1速段は、第二回転電機MG2の回転速度を第2速段の変速比(図示省略)よりもさらに大きい変速比(図示省略)で減速して、第二回転電機MG2のトルクを出力ギヤOに伝達させるモード(モータ第四減速モード)となる。本実施形態でも、第二回転電機MG2の回転及びトルクは、3段階に減速及びトルク増幅されて出力ギヤOに伝達される。よって、シリーズモードの実現時において、要求駆動力に応じて、より適切な変速段を選択して車両を走行させることができる。
4.その他の実施形態
最後に、本発明に係る車両用駆動装置の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施形態では、シリーズモード、パラレルモード、及びトルクコンバータモードが切替可能に備えられる構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。これらのうちの1つのみが備えられ、或いは2つのみが切替可能に備えられる構成であっても良い。この場合において、小型の第二回転電機MG2を用いつつ、低燃費化と十分な駆動力の確保とを共に図ることを可能とする観点からは、少なくともパラレルモードが備えられていることが好ましい。よって、上記の各走行モードのうち、パラレルモードを含む1つ以上が切替可能に備えられる構成が好ましい。また、停車状態で内燃機関EGのトルクにより第一回転電機MG1に発電させるモード等のその他のモードがさらに切替可能に備えられても良い。
(2)上記の各実施形態では、切替可能に備えられる複数の走行モードのうちの1つが、第一回転電機MG1が発電した電力で駆動される第二回転電機MG2のトルクによって車両を走行させるシリーズモードである例について説明した。そして、このシリーズモードが複数の変速段を切替可能に備える構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、このシリーズモードに代えて、第一回転電機MG1が発電することなく、蓄電装置21に蓄電された電力のみによって駆動される第二回転電機MG2のトルクによって車両を走行させる電動走行モードが切替可能に備えられても良い。このような電動走行モードは、クラッチCの解放状態で、内燃機関EG及び第一回転電機MG1が停止した状態で実現可能である。電動走行モードの速度線図は、上記の各実施形態におけるシリーズモードの速度線図(図4,図9,図13)と同一である。この場合、電動走行モードの各変速段のいずれかが、本発明における「モータ第一減速モード」及び「モータ第二減速モード」に相当することになる。なお、シリーズモードと電動走行モードとの両方が切替可能に備えられても良い。
(3)上記の各実施形態では、パラレルモードにおいて、第一回転電機MG1が発電を行う構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、パラレルモードにおいて、第一回転電機MG1が、車両駆動用のトルクを出力して内燃機関EGのトルクをアシストし、或いは、発電もトルクアシストもすることなく空転する構成であっても良い。すなわち、本発明において入力軸Iに伝達される第一回転電機MG1のトルクには、発電のための負トルク、トルクアシストのための正トルク、及び空転時のゼロトルク、のいずれもが含まれる。この点に関しては、トルクコンバータモードに関しても同様である。
(4)上記の各実施形態では、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、及び変速機構TMが、軸方向Lに沿って記載の順に配置された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。これらの軸方向Lの並び順は任意に設定することができる。例えば、第一回転電機MG1、変速機構TM、及び第二回転電機MG2が、軸方向Lに沿って記載の順に配置されても良い。このような並び順では、入力軸Iが、変速機構TMに対して軸方向Lにおける第一回転電機MG1側で駆動連結されても良い。
(5)上記の各実施形態における第一ブレーキB1、第二ブレーキB2、第三ブレーキB3、及びクラッチCの配置に関する説明は、あくまで概略的なものである(全体的な傾向について記述しているに過ぎない)ことに留意すべきである。各係合装置の軸方向Lの位置関係についての言及は、比較対象物に対して完全に異なる軸方向Lの位置に配置されていることを意図するわけではない。つまり、各係合装置と比較対象物とが、軸方向Lの位置に関して(径方向に見て)一部オーバーラップすることも許容される。
(6)上記の各実施形態では、変速機構TMが、ラビニヨ型の遊星歯車装置P1、或いは、それに1つの回転要素を付加したラビニヨ型に類似する遊星歯車装置P2、P3によって構成された例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。変速機構TMの具体的構成は任意である。例えば、3要素の遊星歯車機構を2組組み合わせて変速機構TMが構成されても良い。この場合において、上記第一の実施形態のように4つの回転要素のみを有する構成とする場合には、各遊星歯車機構の2つの回転要素どうしを、これらがそれぞれ一体回転するように駆動連結すれば良い。上記第二及び第三の実施形態のように5つの回転要素を有する構成とする場合には、各遊星歯車機構の1つの回転要素どうしを、これらが一体回転するように駆動連結すれば良い。
(7)上記の各実施形態で説明した各変速比λ1〜λ8は、車両用駆動装置1に対する要求仕様等に応じて適宜設定することが可能である。この場合において、各変速比λ1〜λ8は、変速機構TMを構成する各遊星歯車機構のそれぞれの歯数比を調整することによって設定変更することが可能である。
(8)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、本願の特許請求の範囲に記載されていない構成に関しては、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、例えばシリーズ・パラレル方式のハイブリッド車両用の駆動装置に利用することができる。
1 :車両用駆動装置
3 :ケース(非回転部材)
I :入力軸(入力部材)
O :出力ギヤ(出力部材)
EG :内燃機関
MG1 :第一回転電機
MG2 :第二回転電機
TM :変速機構
P1 :ラビニヨ型遊星歯車装置
S1 :第一サンギヤ
S2 :第二サンギヤ
CA :共通キャリヤ
R :共通リングギヤ
R1 :第一リングギヤ
R2 :第二リングギヤ
E1 :第一回転要素
E2 :第二回転要素
E3 :第三回転要素
E4 :第四回転要素
E5 :第五回転要素
W :車輪
C :クラッチ
B1 :第一ブレーキ
B2 :第二ブレーキ
B3 :第三ブレーキ
L :軸方向

Claims (9)

  1. 内燃機関及び第一回転電機に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、前記入力部材と前記出力部材とを結ぶ動力伝達経路に設けられる変速機構と、前記変速機構を介して前記出力部材に駆動連結される第二回転電機と、前記入力部材と前記変速機構とを選択的に駆動連結するクラッチと、を備える車両用駆動装置であって、
    前記第一回転電機は、前記入力部材と一体的に回転するように前記入力部材に駆動連結され、
    前記変速機構は、速度線図における配置順に第一回転要素、第二回転要素、第三回転要素、及び第四回転要素を有し、
    前記第一回転要素が第一ブレーキにより非回転部材に選択的に固定され、前記第二回転要素が前記クラッチを介して前記入力部材に選択的に駆動連結されるとともに第二ブレーキにより非回転部材に選択的に固定され、前記第三回転要素が前記出力部材に駆動連結され、前記第四回転要素が前記第二回転電機に駆動連結されている車両用駆動装置。
  2. 前記変速機構は、第三ブレーキにより非回転部材に選択的に固定される第五回転要素をさらに有し、
    前記第五回転要素は、速度線図における配置順が前記第一回転要素と前記第二回転要素との間、又は前記第二回転要素と前記第三回転要素との間である請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 内燃機関及び第一回転電機に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、前記入力部材と前記出力部材とを結ぶ動力伝達経路に設けられる変速機構と、前記変速機構を介して前記出力部材に駆動連結される第二回転電機と、前記入力部材と前記変速機構とを選択的に駆動連結するクラッチと、を備える車両用駆動装置であって、
    前記変速機構は、速度線図における配置順に第一回転要素、第二回転要素、第三回転要素、及び第四回転要素を有し、
    前記第一回転要素が第一ブレーキにより非回転部材に選択的に固定され、前記第二回転要素が前記クラッチを介して前記入力部材に選択的に駆動連結されるとともに第二ブレーキにより非回転部材に選択的に固定され、前記第三回転要素が前記出力部材に駆動連結され、前記第四回転要素が前記第二回転電機に駆動連結され、
    前記変速機構は、第三ブレーキにより非回転部材に選択的に固定される第五回転要素をさらに有し、
    前記第五回転要素は、速度線図における配置順が前記第一回転要素と前記第二回転要素との間、又は前記第二回転要素と前記第三回転要素との間である車両用駆動装置。
  4. 前記クラッチ及び前記第一ブレーキの係合状態かつ前記第二ブレーキ及び前記第三ブレーキの解放状態で実現され、前記入力部材の回転速度を増速して前記出力部材に伝達させるとともに前記第二回転電機の回転速度を減速して前記出力部材に伝達させるパラレル第一変速モードと、
    前記クラッチ及び前記第三ブレーキの係合状態かつ前記第一ブレーキ及び前記第二ブレーキの解放状態で実現され、前記入力部材の回転速度を前記パラレル第一変速モードの変速比よりも小さな変速比で増速して前記出力部材に伝達させるとともに前記第二回転電機の回転速度を前記パラレル第一変速モードの変速比よりも大きな変速比で減速して前記出力部材に伝達させるパラレル第二変速モードと、
    を切替可能に備える請求項2又は3に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記クラッチの解放状態かつ第一ブレーキ及び第二ブレーキのいずれか一方の係合状態で実現され、前記入力部材及び前記第一回転電機が前記出力部材から切り離された状態で前記内燃機関のトルクにより前記第一回転電機が発電し、前記第二回転電機のトルクが前記出力部材に伝達されるシリーズモードを備える請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  6. 前記クラッチ及び前記第一ブレーキの係合状態かつ前記第二ブレーキの解放状態で実現され、前記入力部材の回転速度を増速して前記出力部材に伝達させるとともに前記第二回転電機の回転速度を減速して前記出力部材に伝達させるパラレルモードを備える請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  7. 前記クラッチの係合状態かつ前記第一ブレーキ及び前記第二ブレーキの解放状態で実現され、前記内燃機関及び前記第一回転電機から前記入力部材に伝達されるトルクと前記第二回転電機のトルクとを合成して前記出力部材に伝達させるトルクコンバータモードを備える請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  8. 前記第一ブレーキの係合状態かつ前記クラッチ及び前記第二ブレーキの解放状態で実現され、前記第二回転電機の回転速度を減速して当該第二回転電機のトルクを前記出力部材に伝達させるモータ第一減速モードと、
    前記第二ブレーキの係合状態かつ前記クラッチ及び前記第一ブレーキの解放状態で実現され、前記第二回転電機の回転速度を前記モータ第一減速モードの変速比よりも大きな変速比で減速して当該第二回転電機のトルクを前記出力部材に伝達させるモータ第二減速モードと、
    を切替可能に備える請求項1からのいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  9. 前記変速機構は、前記第一回転要素としての第一サンギヤ、前記第二回転要素としての共通キャリヤ、前記第三回転要素としての共通リングギヤ、及び前記第四回転要素としての第二サンギヤを有するラビニヨ型遊星歯車装置により構成され、
    前記入力部材の回転軸心に平行な方向である軸方向に沿って、前記第一回転電機、前記第二回転電機、及び前記変速機構の順に配置され、
    前記入力部材が、前記第一サンギヤ及び前記第二サンギヤの内径側を通って、これらに対して前記軸方向における前記第一回転電機側とは反対側まで延出するように形成されている請求項1からのいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
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