以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[1.為替システムの構成]
まず、図1を参照して本発明の実施形態に係る組戻処理システムを含む為替システムの構成について説明を行う。図1は、本発明の実施形態に係る組戻処理システムを含む為替システムの構成を説明する説明図である。以下の本発明の実施形態においては、為替処理の一例として振込を挙げるが、本発明は係る例示に限定されず、他の為替処理についても適用可能である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る為替システムは、組戻処理システム1と、振込元金融機関ホストコンピュータ20と、振込先金融機関ホストコンピュータ30と、振込依頼顧客40が有する電話/FAX400と、営業店50内の為替端末500と、行内ネットワーク60と、全銀ネットワーク70と、公衆網80と、を含む。
組戻処理システム1は、振込先金融機関ホストコンピュータ30より入金不能とされた振込について、組戻された資金の後処理を行うシステムであって、管理サーバ10と、承認者端末14と、オペレータ端末16と、電話/FAXサーバ18と、を備える。組戻処理システム1の構成については、以下で簡単に説明するが、特に本発明の実施形態に係る特徴的な内部構成については、図2を参照して後述する。
管理サーバ10は、組戻の後処理を制御する情報処理サーバであり、行内ネットワーク60と接続されている。また、管理サーバ10は、振込処理および振込エラー等で生じる振込電文(回答電文および付替電文に対して原電文ともいう)、回答電文、付替電文等を記憶する。オペレータ端末16は、オペレータが組戻された資金の後処理内容を入力するための情報処理装置であり、承認者端末14は、承認権限を有する上位者が後処理内容を確認、承認するための情報処理装置である。オペレータがオペレータ端末16を用いて入力した組戻の後処理内容は、上位者が承認者端末14にて承認することで、管理サーバ10により実行される。承認者端末14およびオペレータ端末16は、それぞれ管理サーバ10と接続されている。
また、電話/FAXサーバ18は、電話発信またはFAX(ファクシミリ)発信が行える情報処理装置であって、オペレータが振込依頼顧客40との連絡を取る際に使用される。電話/FAXサーバ18は、管理サーバ10および公衆網80と接続され、公衆網80を介して振込依頼顧客40が所有する電話/FAX400と管理サーバ10間でデータ送受信を仲介する。
電話/FAX400は、振込依頼顧客40が所有する通信装置である。組戻処理システム1は、電話/FAX400を介して、振込依頼顧客40に対して問い合わせやデータ送受信を行う。電話/FAX400は、公衆網80に接続可能で電話通信またはFAX通信ができるものであれば、市販の様々な通信装置が使用可能である。
公衆網80は、電話通信またはFAX通信が可能なネットワークである。例えば、公衆網80は、アナログ回線やISDN(Integrated Services Digital Network)回線等であってもよい。
為替端末500は、営業店50内に設置された為替処理を行うための情報処理装置である。為替端末500は、振込依頼顧客40からの依頼を受けたオペレータによって操作され、振込電文を作成し、振込元金融機関ホストコンピュータ20に送信する。
行内ネットワーク60は、振込元金融機関が有する専用ネットワークである。営業店50内の為替端末500、組戻処理システム1の管理サーバ10および振込元金融機関ホストコンピュータ20は、行内ネットワーク60によってそれぞれ接続されている。行内ネットワーク60は、例えば、IP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)などによって構築される。
振込元金融機関ホストコンピュータ20は、振込を行う金融機関が有する情報処理サーバである。振込元金融機関ホストコンピュータ20は、全銀ネットワーク70を介して振込先金融機関ホストコンピュータ30へ振込電文を送信する。また、振込電文の不備等により振込が不能である場合、振込不能である旨の照会電文を振込先金融機関ホストコンピュータ30より受信する。さらに、振込元金融機関ホストコンピュータ20は、該照会電文に対して組戻処理を依頼する回答電文を振込先金融機関ホストコンピュータ30に送信し、組戻処理に伴う付替電文を受信する。
なお、図1において、振込元金融機関ホストコンピュータ20は、組戻処理システム1とは別個の情報処理サーバとして説明したが、本発明は係る例示に限定されない。振込元金融機関ホストコンピュータ20は、組戻処理システム1と一体の情報処理サーバであってもよい。
全銀ネットワーク70は、異なる金融機関の間の為替処理をオンラインで行うためのネットワークである。全銀ネットワーク70に接続している金融機関同士であれば、振込電文を送受信することにより、オンラインで振込処理を行うことができる。例えば、図1では、振込元金融機関ホストコンピュータ20および振込先金融機関ホストコンピュータ30が全銀ネットワーク70に接続している。図示していないが全銀ネットワーク70には、振込元金融機関ホストコンピュータ20および振込先金融機関ホストコンピュータ30以外の多数の金融機関ホストコンピュータが接続していることは言うまでもない。
振込先金融機関ホストコンピュータ30は、振込先の金融機関が有する情報処理サーバである。振込先金融機関ホストコンピュータ30は、全銀ネットワーク70を介して振込元金融機関ホストコンピュータ20から振込電文を受信し、該振込電文に基づいて振込先口座に入金処理を行う。また、振込電文の不備により振込が不能である場合、振込不能である旨を照会電文にて、振込元金融機関ホストコンピュータ20に送信する。さらに、振込先金融機関ホストコンピュータ30は、振込元金融機関ホストコンピュータ20より送信された回答電文に基づいて、組戻処理を行う付替電文を送信する。
以上にて、本発明の実施形態に係る組戻処理システム1を含む為替システムの構成について、詳細に説明を行った。
上記の為替システムにおいて振込エラー時の組戻処理は、以下のように行われる。まず、振込依頼顧客40からの振込依頼により営業店50の為替端末500から振込電文が振込元金融機関ホストコンピュータ20を経由して振込先金融機関ホストコンピュータ30に送信される。振込電文に不備があった場合は、入金ができず振込エラーとして照会電文が振込先金融機関ホストコンピュータ30から振込元金融機関ホストコンピュータ20へ送信される。振込元金融機関ホストコンピュータ20を介して該照会電文を受信した組戻処理システム1は、振込依頼顧客40に後処理内容を確認し、該後処理内容に基づいた回答電文を振込先金融機関ホストコンピュータ30へ送信する。回答電文を受信した振込先金融機関ホストコンピュータ30は、付替電文を振込元金融機関ホストコンピュータ20に送信し、振込資金を返却する。
従来の組戻処理システム1では、振込先金融機関ホストコンピュータ30から送信された付替電文の処理、さらに返却された資金の後処理については行っておらず、営業店50にてオペレータが個別に処理していた。そのため、従来の組戻処理システム1は、組戻処理の自動化および集中化に効率化改善の余地があった。
そこで、本発明者らは上記課題等について鋭意、検討することにより、本発明を想到するに至った。本発明の実施形態に係る組戻処理システム1は、振込先金融機関からの資金返却後の処理についても取り扱うことができ、振込エラー後の組戻処理についてさらなる自動化および効率化を可能とするものである。以下において、本発明の実施形態に係る組戻処理システム1の特徴的な構成について詳述する。
[2.組戻処理システムの内部構成]
まず、図2を参照して、本発明の実施形態に係る組戻処理システム1の内部構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る組戻処理システム1の内部構成を示したブロック図である。図2に示すように、本発明の実施形態に係る組戻処理システム1は、管理サーバ10と、承認者端末14と、オペレータ端末16と、電話/FAXサーバ18と、を備える。
(2.1.管理サーバの内部構成)
また、図2に示すように、本発明の実施形態に係る管理サーバ10は、電文紐付部100と、画面生成部102と、電文作成部104と、指示書作成部106と、管理サーバ通信部108と、端末通信部116と、回答電文検索部110と、顧客情報検索部112と、原電文検索部114と、原電文記憶部121、指示書記憶部123、回答電文記憶部125、付替電文記憶部127、および顧客情報記憶部129を含むデータベース記憶部120と、を備える。
管理サーバ通信部108は、行内ネットワーク60と接続し、振込元金融機関ホストコンピュータ20を経由して、振込先金融機関ホストコンピュータ30と各種電文を送受信する。具体的には、振込先金融機関ホストコンピュータ30から送信された照会電文および付替電文を受信し、また振込先金融機関ホストコンピュータ30へ回答電文を送信する。
指示書作成部106は、振込依頼顧客40へ送信する訂正/組戻指示書を作成する。具体的には、指示書作成部106は、オペレータが振込依頼顧客40に電話等で連絡を取り確認し、オペレータ端末16により入力した内容を反映した訂正/組戻指示書を作成する。指示書作成部106が作成した訂正/組戻指示書は、電話・FAXサーバ18にデータ送信され、さらに電話・FAXサーバ18により振込依頼顧客40へFAX送信される。
ここで、図3は、指示書作成部106が作成する訂正/組戻指示書の具体例である振込変更・組戻依頼書を示した説明図である。図3に示すように、訂正/組戻指示書である振込変更・組戻依頼書には、当初振込内容として振込依頼日または振込指定日、金額、振込先金融機関、受取人名が記載されている。また、振込エラーに対する対応内容として、依頼内容欄に、同一金融機関へ内容を修正して振込を行う「変更」、資金を返却する「組戻」が記載されている。さらに、「組戻」の場合は、別の金融機関への「再振込」、「当社(私)名義口座へ入金」、「現金で受取」を選択する欄が設けられている。振込依頼顧客40は、上記の中から希望する後処理を選択することができる。本発明の実施形態に係る組戻処理システム1が処理するのは、上記のうち、「組戻」が行われる「再振込」、「当社(私)名義口座へ入金」、「現金で受取」が選択された場合である。さらに、振込変更・組戻依頼書には、該振込変更・組戻依頼に掛かる手数料の支払先および振込変更・組戻依頼書を確認したことを示す署名・捺印欄が設けられている。
なお、振込変更・組戻依頼書は、あらかじめ電話等でオペレータが振込依頼顧客40に処理内容の希望を確認し、依頼内容、手数料の支払先等を記入した上で、振込依頼顧客40にFAX送信することが望ましい。係る場合、振込依頼顧客40は振込変更・組戻依頼書の内容を確認、署名・捺印をして返信する。また、振込変更・組戻依頼書は、白紙で振込依頼顧客40にFAX送信してもよい。係る場合、振込依頼顧客40は希望する処理内容を記入し、署名・捺印をして返信する。
電文紐付部100は、振込元金融機関ホストコンピュータ20より送信した回答電文と、振込先金融機関ホストコンピュータ30から受信した付替電文とを対応させ、自動的に紐付けを行う。具体的には、電文紐付部100は、回答電文中の発信番号と付替電文中の照会番号とを照らし合わせて検索し、回答電文が有する発信番号と付替電文が有する照会番号が一致した場合に、該回答電文と付替電文が対応するとして紐付けをする。
ここで、回答電文の発信番号は、回答電文が作成され、発信される際に振込元金融機関ホストコンピュータ20が自動的に付与する番号であり、各回答電文で固有の番号である。また、付替電文の照会番号は、該付替電文の基となった回答電文の発信番号であり、付替電文作成時に振込先金融機関のオペレータが記入する。
画面生成部102は、オペレータ端末16および承認者端末14が表示する画面を生成する。具体的には、画面生成部102は、照会電文の確認画面、訂正/組戻指示書の作成画面、回答電文の作成画面、資金返却後の後処理確認画面等を生成し、オペレータ端末16に表示させる。また、画面生成部102は、オペレータ端末16によりオペレータが入力を完了した上記画面の内容を承認者端末14に表示し、承認を求める画面を生成する。
特に、画面生成部102は、資金返却後の後処理確認画面において回答電文と付替電文が紐付けされた場合、資金返却を通知する付替電文に加えて、紐付けされた回答電文、該回答電文作成の基となった訂正/組戻指示書に基づく後処理内容、および振込エラーとなった振込電文(原電文)を含む画面を生成する。また、画面生成部102は、電文紐付部100によって回答電文と付替電文が紐付けできなかった場合、回答電文を含まず、付替電文を含む画面を生成する。
電文作成部104は、振込先金融機関ホストコンピュータ30に送信する回答電文等を作成する。具体的には、電文作成部104は、画面生成部102が生成した画面にオペレータが入力した内容に基づいて、所定の形式の回答電文を作成し、管理サーバ通信部108により振込先金融機関ホストコンピュータ30に該回答電文を送信する。
端末通信部116は、承認者端末14、オペレータ端末16、および電話/FAXサーバ18とデータの送受信を行う。端末通信部116は、外部機器と接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)、RS−232Cポート、または光オーディオ端子等のような外部機器を接続するための接続ポートで構成された接続インターフェースであってもよい。
データベース記憶部120は、原電文記憶部121、指示書記憶部123、回答電文記憶部125、付替電文記憶部127、および顧客情報記憶部129を含む記憶媒体である。例えば、データベース記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)装置、SSD(Solid State Drive)装置などの記録媒体で実現されてもよい。
原電文記憶部121は、為替端末500が送信した振込電文を記憶する。例えば、原電文記憶部121は、振込電文の内容および発信元、振込電文の発信番号を合せて記憶する。また、指示書記憶部123は、振込依頼顧客40から受信した訂正/組戻指示書を記憶する。例えば、指示書記憶部123は、訂正/組戻指示書を画像データとして記憶してもよいし、OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)技術を用いて、記載内容を文字データとして読み取って記憶してもよい。
回答電文記憶部125は、管理サーバ10が振込先金融機関ホストコンピュータ30に送信した回答電文を記憶する。例えば、回答電文記憶部125は、回答電文の内容、回答電文の発信番号、および対応する照会電文の発信番号を照会番号として記憶する。また、付替電文記憶部127は、振込先金融機関ホストコンピュータ30から管理サーバ10が受信した付替電文を記憶する。例えば、付替電文記憶部127は、付替電文の内容、付替電文の発信番号、および対応する回答電文の発信番号を照会番号として記憶する。
顧客情報記憶部129は、振込依頼顧客40の顧客情報を記憶する。例えば、顧客情報記憶部129は、振込依頼顧客40の口座科目、口座番号、口座名義人名等の口座特定情報を記憶する。また、顧客情報記憶部129は、顧客が個人か法人か、営業店での資金の店頭受取が可か不可かといった顧客属性情報を記憶してもよい。
なお、以上で説明したデータベース記憶部120は、上記実施形態においては、管理サーバ10が備える構成としたが、データベース記憶部120は、振込元金融機関ホストコンピュータ20が備えていてもよい。係る場合、管理サーバ10は、行内ネットワーク60を介して、データベース記憶部120に接続し、記憶された情報を取得する。
回答電文検索部110は、オペレータが入力した情報に基づいて回答電文記憶部125が記憶する回答電文のうち、付替電文が紐付けされていない回答電文より、検索条件に該当する回答電文を検索する。回答電文検索部110は、オペレータが自身の判断により、手動で条件を入力し回答電文を検索する場合に用いられる。例えば、回答電文検索部110が用いられる場合とは、回答電文と付替電文が電文紐付部100により紐付けされたものの、電文内容を確認すると回答電文と付替電文が対応しておらず、紐付けが間違っていると判断される場合、および照会番号の打ち間違い等により、対応する回答電文が付替電文と自動で紐付けされなかった場合などである。
顧客情報検索部112は、振込依頼顧客40の氏名等から顧客情報記憶部129が記憶する顧客情報より該当する顧客の顧客情報を検索する。具体的には、顧客情報検索部112は、回答電文と付替電文が紐付けされず、組戻により資金が返却された後の処理について振込依頼顧客40の訂正/組戻指示書による指示がない場合に、オペレータが資金返却後の処理を判断する際に用いられる。顧客情報検索部112により検索される振込依頼顧客40の顧客情報は、振込依頼顧客40の有する口座の店名、科目および口座番号ならびに顧客属性を含む。顧客情報検索部112により、該振込依頼顧客40の口座番号等が判明すれば、オペレータは返却された資金を該振込依頼顧客40が名義人である口座に入金する後処理を選択することができる。また、該振込依頼顧客40の顧客情報に口座に関する情報がなければ、オペレータは返却資金を営業店50で店頭受取とすることができる。
原電文検索部114は、付替電文の照会番号を基に、原電文に該当する振込電文を原電文記憶部121より検索する。具体的には、原電文検索部114は、回答電文と付替電文が紐付けされず、組戻により資金が返却された後の処理について振込依頼顧客40より訂正/組戻指示書による指示がない場合に、オペレータが資金返却後の処理を判断する際に用いられる。原電文検索部114は、付替電文の照会番号を基に付替電文の元となった振込電文を検索する。回答電文と付替電文が紐付けできなかった場合、付替電文の照会番号が原電文の発信番号となる。原電文検索部114により該付替電文の元となった振込電文が見つかれば、オペレータは原電文である振込電文の内容から資金返却後の処理を判断することができる。
ここで、上記にて説明した電文紐付部100、画面生成部102、電文作成部104、指示書作成部106、管理サーバ通信部108、端末通信部116、回答電文検索部110、顧客情報検索部112、および原電文検索部114は、CPU(Central Proccesing Unit)等によって実現される。また、図示していないが、管理サーバ10は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ならびにHDD装置およびSSD装置などの記録媒体のハードウェア構成を備える。また、HDD装置およびSSDなどの記録媒体には、CPUを電文紐付部100、画面生成部102、電文作成部104、指示書作成部106、管理サーバ通信部108、回答電文検索部110、顧客情報検索部112、および原電文検索部114として機能させるためのプログラムが記憶されており、CPUは、HDD装置およびSSD装置などの記録媒体に記憶されたプログラムを読みだして実行する。
(2.2.オペレータ端末の内部構成)
続いて、オペレータ端末16の内部構成について、説明を行う。図2に示すように、オペレータ端末16は、オペレータ端末通信部160と、オペレータ端末表示部162と、オペレータ端末入力部164と、を備える。
オペレータ端末通信部160は、管理サーバ10が備える端末通信部116との間でデータの送受信を行う。オペレータ端末通信部160は、端末通信部116と接続可能な外部接続用の通信インターフェースであれば、例えば、USBポート、IEEE1394ポート、SCSI、RS−232Cポート、または光オーディオ端子等の多様なインターフェースが使用可能である。
オペレータ端末表示部162は、画面生成部102が生成した画面を表示する。オペレータは、オペレータ端末表示部162の表示する画面に従って、組戻された資金の後処理内容等を入力したり、データベース記憶部120に記憶された各種電文の内容を確認したりすることができる。オペレータ端末表示部162は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置などの表示装置であってもよい。
オペレータ端末入力部164は、オペレータが情報を入力するために使用される入力装置であり、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバー等であってもよい。オペレータ端末入力部164によって、オペレータは、画面生成部102が生成した画面に処理内容等を入力することができる。
また、上記のオペレータ端末16は、CPU、ROM、RAM、HDD装置およびSSD装置等の記憶媒体、ならびに各種外部メモリ等のハードウェア構成を備える。また、オペレータ端末16のHDD装置およびSSD装置等の記憶媒体には、オペレータ端末16の機能を実現させるためのプログラムが記憶されており、CPUは、該HDD装置およびSSD装置等の記憶媒体に記憶されたプログラムを読みだして実行する。
(2.3.承認者端末の内部構成)
次に、承認者端末14の内部構成について、説明を行う。図2に示すように、承認者端末14は、承認者端末通信部140と、承認者端末表示部142と、承認者端末入力部144と、を備える。
承認者端末通信部140は、管理サーバ10が備える端末通信部116との間でデータの送受信を行う。承認者端末通信部140は、端末通信部116と接続可能な外部接続用の通信インターフェースであれば、例えば、USBポート、IEEE1394ポート、SCSI、RS−232Cポート、または光オーディオ端子等の多様なインターフェースが使用可能である。
承認者端末表示部142は、画面生成部102が生成した画面を表示する。承認権限を有する上位者は、オペレータが入力した組戻資金の処理内容等を承認者端末表示部142によって確認し、承認する。上位者が承認を行うことにより、オペレータが入力した組戻資金の後処理内容が実行される。承認者端末表示部142は、例えば、液晶ディスプレイ装置、OLED装置およびCRTディスプレイ装置などの表示装置であってもよい。
承認者端末入力部144は、上位者が承認を行ったり、情報を入力したりするために使用される入力装置であり、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバー等であってもよい。
また、上記の承認者端末14は、CPU、ROM、RAM、HDD装置およびSSD装置等の記憶媒体、ならびに各種外部メモリ等のハードウェア構成を備える。また、承認者端末14のHDD装置およびSSD装置等の記憶媒体には、承認者端末14の機能を実現させるためのプログラムが記憶されており、CPUは、該HDD装置およびSSD装置等の記憶媒体に記憶されたプログラムを読みだして実行する。
(2.4.電話/FAXサーバの内部構成)
さらに、電話/FAXサーバ18の内部構成について、説明を行う。図2に示すように、電話/FAXサーバ18は、電話/FAXサーバ通信部180と、電話/FAX発信部182と、を備える。
電話/FAXサーバ通信部180は、管理サーバ10が備える端末通信部116と接続し、データの送受信を行う。電話/FAXサーバ通信部180は、端末通信部116と接続可能な外部接続用の通信インターフェースであれば、例えば、USBポート、IEEE1394ポート、SCSI、RS−232Cポート、または光オーディオ端子等の多様なインターフェースが使用可能である。
電話/FAX発信部182は、公衆網80に接続し、振込依頼顧客40に対して電話およびFAX発信を行う。電話/FAX発信部182は、例えば、アナログ回線やISDN回線に接続し、発信可能な通信装置である。
以上において、本発明の実施形態に係る組戻処理システム1の内部構成について詳細に説明を行った。上記実施形態においては、オペレータ端末16、承認者端末14、および電話/FAXサーバ18がそれぞれ一つずつとしたが、本発明は係る例示に限定されない。オペレータ端末16、承認者端末14、および電話/FAXサーバ18は、それぞれ複数台あってもよく、オペレータや上位者の人数に応じて適切な数を設置し、管理サーバ10に接続することができる。
[3.組戻処理システムの動作]
引き続き、以下では、本発明の実施形態に係る組戻処理システム1の動作について、図4〜図16Cを参照して説明を行う。具体的には、電文紐付部100によって、回答電文(特に組戻を依頼する場合において、組戻依頼電文という)と付替電文が紐付けすることができた場合と紐付けできなかった場合とに分けて、組戻処理システム1の動作を説明する。
(3.1.回答電文と付替電文が紐付けすることができた場合の動作)
まず、図4〜図10Bを参照して、回答電文と付替電文が紐付けすることができた場合における組戻処理システム1の動作を説明する。図4〜図6は、回答電文と付替電文が紐付けすることができた場合における組戻処理システム1の動作を説明するシーケンス図である。ただし、図4〜図6では、S130以降の組戻処理の処理内容がそれぞれ異なる。
S130までの動作は図4〜図6で共通であるので、以下では、図4〜図6において共通の組戻処理システム1の動作について、図4を参照して説明を行う。
まず、振込依頼顧客40より営業店50へ振込依頼がされる(S100)。振込依頼を受けた営業店50は、オペレータが為替端末500を操作し、振込電文(原電文)を作成し、行内ネットワーク60により振込元金融機関ホストコンピュータ20に送信する(S102)。振込元金融機関ホストコンピュータ20は、受信した振込電文を振込先金融機関ホストコンピュータ30Aに送信する(S104)。ここで、振込先金融機関ホストコンピュータ30Aに送信された振込電文に口座番号相違等で記載不備があった場合、振込先金融機関において、振込先口座への入金が不能となる(S106)。そこで、振込先金融機関ホストコンピュータ30Aは、振込元金融機関ホストコンピュータ20に振込不能であった旨と記載不備の内容を記載した照会電文を送信し、後処理内容について問合わせを行う(S108)。
振込元金融機関ホストコンピュータ20は、受信した照会電文を組戻処理システム1の管理サーバ10へ送信する(S110)。管理サーバ10は、受信した照会電文と、該照会電文の照会先である原電文とを、オペレータ端末16に表示させ、オペレータに互いの内容を照会させる(S112)。オペレータは、受信した照会電文と該照会電文の照会先である原電文の内容を確認し、必要であれば、振込依頼顧客40に内容確認を行って、訂正/組戻指示書を作成し、振込依頼顧客40へ電話/FAXサーバ18を用いて、該訂正/組戻指示書をFAX送信する(S114)。
振込依頼顧客40は、FAX送信された該訂正/組戻指示書を確認し、署名・捺印の上で電話/FAXサーバ18に返信する(S116)。電話/FAXサーバ18は、署名・捺印された訂正/組戻指示書を管理サーバ10へ送信し、管理サーバ10は、該訂正/組戻指示書を指示書記憶部123に記憶する(S118)。署名・捺印され返信された訂正/組戻指示書に基づいてオペレータは、オペレータ端末16により管理サーバ10に資金返却を依頼する回答電文を作成させ、振込元金融機関ホストコンピュータ20に送信させる(S120)。振込元金融機関ホストコンピュータ20は、回答電文を振込先金融機関ホストコンピュータ30Aへ送信する(S122)。
振込先金融機関ホストコンピュータ30Aは、受信した回答電文に従って、資金返却するための付替電文を作成し、振込元金融機関ホストコンピュータ20に送信する(S124)。振込元金融機関ホストコンピュータ20は、該付替電文を組戻処理システム1の管理サーバ10へ送信する(S126)。
該付替電文を受信した管理サーバ10は、データベース記憶部120に記憶された回答電文から、受信した該付替電文の照会番号と対応する発信番号の回答電文を自動で検索し、該回答電文と該付替電文を対応するとして紐付けする(S128)。次に、管理サーバ10は、該付替電文、紐付けした対応する回答電文、該回答電文の基になった振込依頼顧客40からの訂正・組戻指示書の内容、および振込当初の振込電文(原電文)を、資金返却データ確認画面としてオペレータ端末16に表示させる。オペレータが表示された内容をオペレータ端末16で確認し、承認依頼を行うことにより、該内容が承認者端末14に送信される。承認者は、承認者端末14で該内容を確認した上で、必要であれば修正を行い、承認を行う(S130)。以上により訂正・組戻指示書の内容に基づいた組戻処理の後処理が行われる。
ここで、図7は、S130にて管理サーバ10がオペレータ端末16に表示させる資金返却データ確認画面200Aの具体例を示した説明図である。図7に示すように、資金返却データ確認画面200Aは、付替電文情報202と、原電文情報204と、顧客情報206と、組戻依頼電文情報208と、組戻金処理画面210と、組戻依頼電文照会ボタン212と、紐付けキャンセルボタン214と、承認依頼ボタン216と、戻るボタン218を含む。
付替電文情報202は、受信した付替電文の内容が表示されており、組戻依頼電文情報208には、付替電文に対応する回答電文の内容が表示されている。また、組戻依頼電文情報208の発信番号と付替電文情報202の照会番号が同じであるので、両者は電文紐付部100により紐付けされたことがわかる。
さらに、原電文情報204には、振込エラーとなった振込電文の内容が表示されており、組戻金処理画面210には、振込依頼顧客40より受信した訂正・組戻指示書に記載された後処理の内容が自動的に表示されている。顧客情報206には、振込依頼顧客40について、重要顧客である旨など特筆すべき事項がある場合に、その旨を表示してもよい。
資金返却データ確認画面200Aに表示された内容を確認したオペレータは、承認依頼ボタン216を押すことで、上位者に承認を依頼することができる。承認者が承認者端末14で当該内容を確認し承認することにより組戻の後処理が行われる。また、オペレータが他の作業を行う場合は、オペレータは戻るボタン218を押すことで、資金返却データ確認画面200Aを抜けることができる。
ここで、資金返却データ確認画面200Aを確認したオペレータが、付替電文情報202と電文紐付部100により自動的に紐付けされた組戻依頼電文情報208の内容が対応していないと判断した場合、オペレータは紐付けキャンセルボタン214を押すことで、回答電文と付替電文の紐付けを取り消すことができる。例えば、付替電文の照会番号が間違っており、誤った回答電文と紐付けされている場合に、オペレータは紐付けキャンセルボタン214を用いて、誤った紐付けを取り消すことができる。
上記でオペレータが紐付けを取り消した場合、オペレータは、組戻依頼電文照会ボタン212を押して、回答電文検索部110の機能を使用することにより、手動で対応する回答電文を検索することができる。組戻依頼電文照会ボタン212を押した場合に表示される画面および動作については、図16A〜図16Cを参照して後述する。
続いて、図4、図8Aおよび図8Bを参照して、管理サーバ10が返却された資金を別の金融機関に再振込する場合の組戻処理システム1の動作を説明する。図4は、管理サーバ10が返却された資金を別の金融機関に再振込する場合のシーケンス図であり、図8Aは、管理サーバ10が返却された資金を別の金融機関に再振込する場合の組戻金処理画面210Aの表示の具体例を示した説明図である。また、図8Bは、図8Aの表示の内容を説明する説明図である。
図8Aに示すように、管理サーバ10が返却された資金を別の金融機関に再振込する場合、組戻金処理画面210Aには正しい振込先が表示されている。具体的には、受信銀行名が「シバウラ」であり、受信店名が「ホンテン」となっている。図7の原電文情報204に表示されていた受信銀行名は「オキ」、受信店名は「ワラビ」であるので、図8Aの組戻金処理画面210Aでは受信銀行名と店名が正しく訂正されていることがわかる。
図8Bに示す項目が、図8Aの組戻金処理画面210Aで表示される。初期表示において、種目は「フリコミ」固定で表示され、受信銀行、受信店、受取人、および番号はS116で受信した訂正・組戻指示書にて指定された訂正時指定内容が表示される。また、初期表示において、発信店、金額、依頼人、備考1および備考2は原電文の情報が表示される。以上の項目のうち、変更可能な項目は備考1および備考2のみである。
図8Aに示す組戻金処理画面210Aを含む資金返却データ確認画面200AがS130にて承認された場合、図4に示すように、管理サーバ10は、S116で指定された訂正後の振込先金融機関向けの振込電文を作成し、振込元金融機関ホストコンピュータ20に送信する(S140)。振込元金融機関ホストコンピュータ20は、受信した振込電文を訂正後振込先金融機関ホストコンピュータ30Bに送信し(S142)、振込電文を受信した訂正後振込先金融機関ホストコンピュータ30Bにおいて、訂正後の振込先口座に入金がなされる(S144)。
次に、図5、図9Aおよび図9Bを参照して、管理サーバ10が返却された資金を振込依頼顧客40の口座に入金する場合の組戻処理システム1の動作を説明する。図5は、管理サーバ10が返却された資金を振込依頼顧客40の口座に入金する場合のシーケンス図であり、図9Aは、管理サーバ10が返却された資金を振込依頼顧客40の口座に入金する場合の組戻金処理画面210Bの表示の具体例を示した説明図である。また、図9Bは、図9Aの表示の内容を説明する説明図である。
図9Aに示すように、管理サーバ10が返却された資金を振込依頼顧客40の口座に入金する場合、組戻金処理画面210Bには、振込依頼顧客40の口座が表示されている。具体的には、受信銀行名が「オキ」であり、受信店名が「ホンテン」であり、受取人が「イライタロウ」となっている。図7の原電文情報204に表示されている依頼人は「イライタロウ」であり、図9Aの組戻金処理画面210Bでは振込依頼顧客40の口座への入金に変更されていることがわかる。
図9Bに示す項目が、図9Aの組戻金処理画面210Bで表示される。初期表示において、種目は「フリコミ」固定、依頼人は「フリコミシキンヘンレイ」固定で表示され、受信銀行、受信店、受取人、および番号はS116で受信した訂正・組戻指示書にて指定された組戻時指定内容が表示される。また、初期表示において、発信店および金額は原電文の情報が表示される。以上の項目のうち、変更可能な項目は依頼人、備考1および備考2のみである。また、当然ながら受信銀行は振込元金融機関である自行のみが指定可能である。
図9Aに示す組戻金処理画面210Bを含む資金返却データ確認画面200AがS130にて承認された場合、図5に示すように、管理サーバ10は、振込先金融機関より振込を行った資金の返却を受ける(S150)。次に、管理サーバ10は、S116で指定された振込依頼顧客40の口座へ返却された資金の振込入金を振込元金融機関ホストコンピュータ20に指示する(S152)。指示を受けた振込元金融機関ホストコンピュータ20は、S116で指定された振込依頼顧客40の口座へ返却された資金を入金する(S154)。
次に、図6、図10Aおよび図10Bを参照して、管理サーバ10が返却された資金を営業店50に送金し、振込依頼顧客40が店頭受け取りとする場合の組戻処理システム1の動作を説明する。図6は、管理サーバ10が返却された資金を営業店50に送金し、店頭受け取りとする場合のシーケンス図であり、図10Aは、管理サーバ10が返却された資金を営業店50に送金し、店頭受け取りとする場合の組戻金処理画面210Cの表示の具体例を示した説明図である。また、図10Bは、図10Aの表示の内容を説明する説明図である。
図10Aに示すように、管理サーバ10が返却された資金を営業店50に送金し、店頭受け取りとする場合、組戻金処理画面210Cには、振込依頼顧客40が返却された資金を受け取る受信銀行名、店名および金額のみが表示されている。具体的には、受信銀行は「オキ」であり、店名は「ワラビ」であり、金額は「¥150,000」と表示されている。店頭で振込依頼顧客40に資金を返却するため、依頼人および受取人の表示はされていない。
図10Bに示す項目が、図10Aの組戻金処理画面210Cで表示される。初期表示において、銀行名は自行固定、店名はS116で受信した訂正・組戻指示書にて指定された訂正時指定内容が表示される。また、付替金額は、付替電文に記載された金額が表示される。受取人、依頼人、備考1および備考2の初期表示は「なし」と表示される。以上の項目のうち、変更可能な項目は受取人、依頼人、備考1および備考2のみである。また、当然ながら受信銀行は振込元金融機関である自行のみが指定可能である。
図10Aに示す組戻金処理画面210Cを含む資金返却データ確認画面200AがS130にて承認された場合、図6に示すように、管理サーバ10は、S116で指定された営業店50に資金を転送させるための付替電文を作成し、振込元金融機関ホストコンピュータ20に送信する(S160)。該付替電文を受信した振込元金融機関ホストコンピュータ20は、該営業店50に付替電文を送信し、返却された資金を該営業店50に転送する(S162)。
(3.2.回答電文と付替電文が紐付けできなかった場合の動作)
続いて、図11〜図16Cを参照して、回答電文と付替電文が紐付けできなかった場合における組戻処理システム1の動作を説明する。図11および図12は、回答電文と付替電文が紐付けできなかった場合における組戻処理システム1の動作を説明するシーケンス図である。ただし、図11および図12では、S200以降の組戻処理の後処理がそれぞれ異なる。
ここで、S200までの動作は図11および図12で共通であるので、以下では、図11および図12において共通の組戻処理システム1の動作について、図11を参照して説明を行う。
まず、振込依頼顧客40より営業店50へ振込依頼がされる(S100)。振込依頼を受けた営業店50は、オペレータが為替端末500を操作し、振込電文(原電文)を作成し、行内ネットワーク60により振込元金融機関ホストコンピュータ20に送信する(S102)。振込元金融機関ホストコンピュータ20は、受信した振込電文を振込先金融機関ホストコンピュータ30Aに送信する(S104)。ここで、振込先金融機関ホストコンピュータ30Aに送信された振込電文に記載不備があった場合、振込先金融機関において、振込先口座への入金が不能となる(S106)。振込先金融機関ホストコンピュータ30Aは、資金返却するための付替電文を作成し、振込元金融機関ホストコンピュータ20に送信する(S124)。付替電文を受信した振込元金融機関ホストコンピュータ20は、該付替電文を組戻処理システム1の管理サーバ10へ送信する(S126)。該付替電文に対して、オペレータは、振込依頼顧客40の顧客情報および原電文情報を手動にて検索し、検索された顧客情報および該原電文情報によって、返却された資金の後処理を判断し、入力する。オペレータは入力した後処理内容にて承認依頼を行い、上位者が承認者端末14で該内容を承認することにより組戻処理の後処理内容が行われる(S200)。
なお、S200において、例えば、オペレータは、顧客情報の検索により、該振込依頼顧客40の口座番号等が判明すれば、返却された資金を該振込依頼顧客40が名義人である口座に入金する後処理を選択することができる。また、該振込依頼顧客40の顧客情報に口座情報がなければ、オペレータは返却資金を営業店50で店頭受取とすることができる。なお、上記の後処理判断は、管理サーバ10が該振込依頼顧客40の顧客情報に口座特定情報があるか否かに基づいて、自動で行ってもよい。
ここで、上述したS100〜S106、S124およびS126の動作については、図4を参照して説明した動作と実質的に同様である。図11および図12で示す回答電文と付替電文が紐付けできなかった場合とは、上記で説明したように、例えば、S106において振込先金融機関ホストコンピュータ30Aにおいて振込先口座への入金が不能となった際に、振込先金融機関ホストコンピュータ30Aが、S108の照会電文の送信を行わず、S124の付替電文の送信を行った場合等である。係る場合、振込先金融機関ホストコンピュータ30Aより照会電文が送信されていないので、当然ながら電文紐付部100は、付替電文に対応する照会電文を見つけることができず、回答電文と付替電文を紐付けできない。
以下では、図13を参照して、S200にて管理サーバ10がオペレータ端末16に表示させる資金返却データ確認画面200Bを説明する。図13は、S200にて管理サーバ10がオペレータ端末16に表示させる資金返却データ確認画面200Bの具体例を示した説明図である。特に、資金返却データ確認画面200Bにおいて特徴的である原電文照会ボタン220、顧客検索ボタン222、および組戻依頼電文照会ボタン212を中心に説明を行う。また、組戻依頼電文照会ボタン212の説明においては、図16A〜図16Cを参照して説明を行う。
図13に示すように、資金返却データ確認画面200Bは、付替電文情報202と、原電文情報204と、顧客情報206と、組戻金処理画面211と、原電文照会ボタン220と、顧客検索ボタン222と、組戻依頼電文照会ボタン212と、紐付けキャンセルボタン214と、承認依頼ボタン216と、戻るボタン218を含む。このうち、付替電文情報202、紐付けキャンセルボタン214、承認依頼ボタン216、および戻るボタン218については、図7を参照して説明した内容と実質的に同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
図13に示す資金返却データ確認画面200Bは、回答電文および付替電文が紐付けされた場合の資金返却データ確認画面200Aと異なり、原電文照会ボタン220および顧客検索ボタン222が表示されている。また、付替電文と対応する回答電文が紐付けされていないため、組戻依頼電文情報208が表示されていない。さらに、回答電文がないため、付替電文の原電文に該当する振込電文が自動的に見つけられず、原電文情報204は、空欄となっている。また、振込依頼顧客40からの訂正・組戻指示書を受信していないため、組戻金処理画面211には、自動で後処理内容が表示されない。組戻金処理画面211には、オペレータが「処理選択」で後処理内容を選ぶことで該当する処理内容および項目が表示される。組戻金処理画面211の初期表示は、例えば、「組戻金入金」であってもよいし、空欄としてもよい。
ここで、原電文照会ボタン220を押すことにより、オペレータは原電文検索部114の機能を使用して、付替電文の元となった原電文(振込電文)を照会することができる。具体的には、付替電文の照会番号を基に、原電文記憶部121より、該照会番号と一致する発信番号を有する原電文を検索し照会する。照会された原電文は、空欄であった原電文情報204に表示される。一致する発信番号を有する原電文が存在しない場合は、「該当する原電文はありません」等の表示がされる。
また、顧客検索ボタン222を押すことにより、オペレータは顧客情報検索部112の機能を使用して、振込依頼顧客40の口座番号等を含む顧客情報を検索することができる。具体的には、付替電文に記載された依頼人名を基に、該依頼人名である顧客の口座番号含む顧客情報を顧客情報記憶部129より検索する。検索された顧客情報は、空欄であった顧客情報206に表示される。一致する依頼人名である顧客が存在しない場合は、「該当する顧客情報はありません」等の表示がされる。
さらに、組戻依頼電文照会ボタン212を押すことにより、オペレータは回答電文検索部110の機能を使用して、手動で組戻依頼電文(回答電文)を検索することができる。
回答電文と付替電文が紐付けできなかった場合としては、図11および図12で示したように回答電文が送信されず、振込電文に対して振込先金融機関ホストコンピュータ30Aから付替電文が送信された場合が考えられる。また、回答電文と付替電文が紐付けできなかった場合として、図4〜図6で示したように回答電文は送信されたが、照会番号の入力ミス等で回答電文と付替電文が紐付けできなかった場合も考えられる。したがって、オペレータは、組戻依頼電文照会ボタン212を用いて、付替電文に対して紐付けされるべき回答電文が存在しないことを確認する必要がある。
ここで、図16Aは、組戻依頼電文照会ボタン212を押した際に表示される組戻依頼電文照会画面の一例を示した説明図である。また、図16Bは、組戻依頼電文照会画面の検索方法を示した説明図であり、図16Cは、組戻依頼電文照会画面の検索結果として表示される内容を示した説明図である。
図16Aに示すように、組戻依頼電文照会ボタン212により表示される組戻依頼電文照会画面は、上段に検索条件、下段に検索結果を含む。オペレータは、検索条件欄に付替電文の内容等を入力し、「照会」ボタンを押すことで回答電文検索部110により該当する組戻依頼電文(回答電文)が検索され、表示される。検索条件は、すべて入力してもよいし、一部を入力してもよいし、全く入力しなくてもよい。複数の条件が入力された場合、各条件のすべてに該当する組戻依頼電文(回答電文)が検索され、表示される。また、条件を入力しなかった場合、付替電文が紐付けされていない回答電文すべてが検索され、表示される。
検索された回答電文の中より、付替電文に対応する回答電文が発見されれば、「選択」ボタンを押すことで、該付替電文と発見した回答電文とを紐付けすることができる。係る場合の以降の処理は、(3.1.回答電文と付替電文が紐付けすることができた場合の動作)で説明した組戻処理システム1の動作に従う。検索された回答電文の中より、付替電文に対応する回答電文が発見されない場合は、上記で説明したように、原電文照会ボタン220および顧客検索ボタン222を用いて、組戻処理の後処理内容を判断する。
組戻依頼電文照会画面の検索条件は、例えば、図16Bに示すように、組戻依頼電文発信番号、振込電文発信番号、金額、依頼人名、受取人名、科目、および口座番号等である。このうち、依頼人名および受取人名は、部分一致検索で検索され、組戻依頼電文発信番号、振込電文発信番号、金額、科目、および口座番号は完全一致で検索される。ただし、検索方法は上記に限定されず、最適となるように調整してもよい。
また、組戻依頼電文照会画面の検索結果は、例えば、図16Cに示すように、組戻依頼電文発信番号、振込電文発信番号、口座番号、金額、種目、受信銀行・店、発信店、指定日、受取人名、および依頼人名が表示される。このうち、組戻依頼電文発信番号は組戻依頼電文(回答電文)に記載された情報であり、振込電文発信番号、口座番号、金額、種目、受信銀行・店、発信店、指定日、受取人名、および依頼人名は、検索した組戻依頼電文(回答電文)に対応する原電文に記載された情報が表示される。
続いて、図11、図14Aおよび図14Bを参照して、管理サーバ10が返却された資金を振込依頼顧客40の口座に入金する場合の組戻処理システム1の動作を説明する。図11は管理サーバ10が返却された資金を振込依頼顧客40の口座に入金する場合のシーケンス図であり、図14Aは、管理サーバ10が返却された資金を振込依頼顧客40の口座に入金する場合の組戻金処理画面211Aの表示の具体例を示した説明図である。また、図14Bは、図14Aの表示の内容を説明する説明図である。
図14Aに示すように、管理サーバ10が返却された資金を振込依頼顧客40の口座に入金する場合は、組戻金処理画面211Aには、受信銀行、金額および受取人のみが表示されている。具体的には、受信銀行が「オキ」であり、金額が「¥150,000」であり、受取人が「イライタロウ」であることが表示されている。ここで、受取人は付替電文の振込依頼顧客40と同一である。また、空欄である店名、番号(口座番号)はオペレータが原電文照会ボタン220および顧客検索ボタン222等を用いて判断し、入力する。
図14Bに示す項目が、図14Aの組戻金処理画面211Aで表示される。初期表示において、種目は「フリコミ」固定、依頼人は「フリコミシキンヘンレイ」固定で表示され、発信店、金額、受取人は付替電文に記載された原電文(振込電文)の情報が表示される。また、当然ながら受信銀行は振込元金融機関である自行のみが指定可能である。以上の項目のうち、受信店、番号(口座番号)はオペレータが入力するため変更可能であり、依頼人、備考1および備考2も変更可能である。
図14Aに示す組戻金処理画面211Aを含む資金返却データ確認画面200BがS200にて承認された場合、図11に示すように、管理サーバ10は、振込先金融機関より振込を行った資金の返却を受ける(S202)。次に、管理サーバ10は、S200で入力された振込依頼顧客40の口座へ返却された資金の振込入金を振込元金融機関ホストコンピュータ20に指示する(S204)。指示を受けた振込元金融機関ホストコンピュータ20は、S200で入力された振込依頼顧客40の口座へ返却された資金を入金する(S206)。
次に、図12、図15Aおよび図15Bを参照して、管理サーバ10が返却された資金を営業店50に送金し、店頭受け取りとする場合の組戻処理システム1の動作を説明する。図12は、管理サーバ10が返却された資金を営業店50に送金し、店頭受け取りとする場合のシーケンス図であり、図15Aは、管理サーバ10が返却された資金を営業店50に送金し、店頭受け取りとする場合の組戻金処理画面211Bの表示の具体例を示した説明図である。また、図15Bは、図15Aの表示の内容を説明する説明図である。
図15Aに示すように、管理サーバ10が返却された資金を営業店50に送金し、店頭受け取りとする場合は、組戻金処理画面211Bには、受信銀行名および金額のみが表示されている。具体的には、受信銀行は「オキ」であり、金額は「¥150,000」と表示されている。また、空欄である店名および受取人はオペレータが原電文照会ボタン220および顧客検索ボタン222等を用いて判断し、入力する。
図15Bに示す項目が、図15Aの組戻金処理画面211Bで表示される。初期表示において、銀行名は自行固定、付替金額は、付替電文に記載された金額が表示される。また、店名、受取人、依頼人、備考1および備考2の初期表示は「なし」である。以上の項目のうち、変更可能な項目は店名、受取人、依頼人、備考1および備考2のみである。当然ながら受信銀行は振込元金融機関である自行のみが指定可能である。
図15Aに示す組戻金処理画面211Bを含む資金返却データ確認画面200BがS200にて承認された場合、図12に示すように、管理サーバ10は、S200で入力された営業店50に資金を転送させるための付替電文を作成し、振込元金融機関ホストコンピュータ20に送信する(S210)。該付替電文を受信した振込元金融機関ホストコンピュータ20は、該営業店50に付替電文を送信し、返却された資金を該営業店50に転送する(S212)。
[4.まとめ]
以上にて説明したように、本発明の実施形態に係る組戻処理システム1は、振込エラー後の資金返却を行う組戻について、付替電文と対応する回答電文を紐付けすることにより、後処理を効率的に処理することが可能である。
また、付替電文と対応する回答電文を紐付けすることができない場合においても、付替電文の内容から原電文および顧客情報を検索することで、振込依頼顧客40へ資金返却を行うための入力補助を行うことが可能である。したがって、本発明の実施形態に係る組戻処理システム1によれば、組戻による資金返却後の処理の負荷を削減できる。また、組戻依頼内容を手動で照らし合わせ、確認する作業も削減することができる。
さらに、本発明の実施形態に係る組戻処理システム1によれば、照会電文が送信されず、資金返却が行われ、付替電文と照会電文が紐付けされない場合でも、顧客情報記憶部129より振込依頼顧客40の口座番号等の情報を検索し、返却された資金を該振込依頼顧客40の口座へ入金することが可能である。また、組戻処理システム1は、検索した結果、振込依頼顧客40の口座が確認できない場合においても、営業店50にて処理ができるように資金を営業店50へ転送することが可能であり、異例処理にも対応できる。
以上では添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。