JP6007677B2 - 安全制御システム、及び安全制御システムのプロセッサ - Google Patents
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Description
非特許文献2には非特許文献1の17種類の安全機能のうち、STO,SS1,SS2,SOS,SLS,SDI,SLT,SLPの8種類の処理シーケンスと通信インタフェースなどが記載されている。
従来、1つのプロセッサ(CPU)上にモータ制御部とセーフティモジュール(二重化)が全て搭載された構成とする場合、例えばモータ制御部の動作に異常が生じた場合に、セーフティモジュールの動作に悪影響を及ぼす場合があった。これは、モータを制御する安全装置に限るものではない。
更に、前記安全制御部は二重化されており、該二重化された安全制御部それぞれに対して前記所定の記憶領域が割り当てられており、前記メモリ保護情報記憶手段に登録される情報は、前記駆動制御部は前記二重化された各安全制御部に割り当てられた各記憶領域のどちらにもアクセス不可であるが、前記二重化された各安全制御部はどちらも前記駆動制御部に割り当てられた記憶領域にはアクセス可能である。
本発明は、何らかの駆動制御対象の駆動制御機能と、その安全関連制御を行う安全機能(セーフティモジュール)とを、1つのプロセッサ(CPU)上に搭載しても問題なく動作させるものである。そして、本例では、駆動制御対象がモータである例を用いるものとするが、この例に限らない。
以下、図1の各構成について詳細に説明する。
尚、図示の安全モータ制御システムは、本発明の安全制御システムの一例であり、制御対象がモータである場合の例であるが、この例に限らない。制御対象は、モータ以外であってもよい(例えばカッター、プレスなど)。
図には、まず、駆動制御対象の一例であるモータ4を示してある。モータ4は、“モータ制御兼セーフティ回路”1からモータ4へ給電する制御出力により、その回転数が制御される。また、モータ4は、ブレーキ制御部5により制動制御されるブレーキ装置(不図示)を含むものである。
“モータ制御兼セーフティ回路”1は、“モータ制御兼セーフティ回路CPU”2、安全関連デバイス18等で構成される。上記の通り、本手法では、モータ制御機能及び安全機能(安全制御機能、安全監視機能、診断機能)は、“モータ制御兼セーフティ回路”1に搭載した1個のCPU(“モータ制御兼セーフティ回路CPU”2)で実現する。
モータ制御処理部11は、割込入力処理部7によって起動され、上記制御指令に対応し制御出力処理部12へ制御出力の指示を出す。尚、制御方式は、PG6からの入力により制御するVf制御方式でもよいし、センサレスベクトル制御方式でも良い。但し、センサレスベルトル制御方式の場合には、PG6の代わりに電流計を設置し、制御電圧と入力電流から演算により制御する。また、モータ制御処理部11は、例えば安全監視制御機能部14からの減速指令などに対応した制御を行う。あるいは、安全入出力処理部17へSTO診断処理に必要とする制御出力状態を送る。
また、上記セーフティ部としての各種機能のなかで基本的な機能は、従来と略同様であって構わない。すなわち、セーフティ部としての基本的な機能は、安全指令入力処理部13、安全監視制御機能部14、CPU診断機能部16、安全入出力処理部17などであり、これら自体は従来と略同様であって構わない。
安全指令入力処理部13には、図1に示すように、不図示の外部の構成からのSTO入力や“STO以外の安全入力”が入力されており、且つ、これらの入力は二重化されている。尚、STO入力は、単に、2重化されたSTO入力の両方が正常状態である(断線等していない)ことをCPU2がチェックする為に、CPU2に入力しているものである。尚、特に図示しないが、STO入力は、例えば作業員等が外部の不図示の非常停止ボタンを押すことで、(正常であれば)2重化されたSTO入力の両方ともONとなるように構成している。また、“STO以外の安全入力”とは、例えばSS1等である。
すなわち、“モータ制御兼セーフティ回路CPU”2は、メモリ保護機能部8(MMU;Memory Management Unitの機能の1つ)を備え、基本的には、非セーフティ部は、セーフティ部のデータ記憶領域へのアクセス(特に書き込み)を行えないようにする。
尚、メモリ保護機能部8は、CPU2のメモリ保護をするCPU内蔵装置である。メモリ保護機能部8は、例えばMMU(Memory Management Unit)の機能の1つとして実装されている。尚、後述する図3の各テーブルは、メモリ保護設定処理部9によって、例えばユーザにより任意に設定される。
以下、図2、図3、図4、図5、図6を参照して、上記割込入力処理部7、メモリ保護機能部8、メモリ保護設定処理部9等について、更に詳細に説明する。
尚、上述したように、セーフティ部としての基本的な機能は、安全指令入力処理部13、安全監視制御機能部14、CPU診断機能部16、安全入出力処理部17などであり、これら自体は従来と略同様であって構わない。また、上記セーフティ部αとセーフティ部βは、セーフティ部としての基本的な機能部分であるものと見做してもよい。
すなわち、まず、セーフティ部αは、自己のデータ格納領域である‘5000’番地台に関しては、当然、読書可(リードライト可能)となっているが、非セーフティ部のデータ格納領域である‘7000’番地台に関しても、読書可(リードライト可能)となっている。これは、非セーフティ部に対して安全の為の何らかの指令を出す為には、非セーフティ部のデータ格納領域への所定の書込みを行う必要があるからである。その一方で、セーフティ部αは、セーフティ部βのデータ格納領域である‘6000’番地台に関しては、アクセス不可となっている。
図3(a)に示すように、アドレス変換テーブル30は、論理アドレス31と物理アドレス32とが対応付けられると共に、これらアドレスに対してメモリ保護33の情報が設定されている。メモリ保護33は、図示の例では‘0’が“読込可(リードオンリー)”、‘1’が“読書可(リードライト可)”を意味する。論理アドレス31と物理アドレス32は、例えば16進数の1000番地単位で設定される。つまり、図示の例では、例えば論理アドレス31が‘2000’番地台は‘0’(リードオンリー)、‘5000’番地台は‘1’(リードライト可)となっている。
図4の処理は、任意のプロセスが任意のメモリアクセスを試みる際に起動される。
図4において、まず、メモリアクセスを行うプロセス(非セーフティ部、セーフティ部α、セーフティ部βの何れか)を識別すると共に(ステップS11)アクセス先の論理アドレスを取得する(ステップS12)。そして、アクセス不可テーブル40を参照することで、上記ステップS11で識別したプロセスが、当該アクセス先の論理アドレスに対応する記憶領域にアクセス可能であるか否かを判別する(ステップS13、S14)。
一方、もしアクセス可能であるならば(ステップS14,NO)、上記アドレス変換テーブル30から上記ステップS12で取得した倫理アドレスに対応する物理アドレス32とメモリ保護33の情報を取得して(ステップS15)、これら取得した情報をMMUにセットする(LDTLB)。
図5は、割込入力処理部7の制御による各プロセスの実行シーケンス図である。
図6は、割込入力処理部7によって定周期で実行される時間監視処理の処理フローチャート図である。
図5の例では、セーフティ部(セーフティ部α、セーフティ部β)の処理を、CPU診断処理と、“CPU診断処理以外の処理”とに分けている。尚、CPU診断処理は、上記CPU診断機能部16によって実現される。また、“CPU診断処理以外の処理”は、上記安全指令入力処理部13、安全監視制御機能部14、安全入出力処理部17によって実現される。これら処理の詳細については特に説明しない(既存技術であるので)。
図示の例の時間監視処理では、まず、定周期内の全ての処理(“CPU診断処理以外の処理”、非セーフティ部処理A、CPU診断処理、非セーフティ部処理B)が完了しているか否かを確認・判定する(ステップS21,S22)。これは例えば、正常状態であれば定周期内に全ての処理が完了するように予め設定されているものである。但し、ステップS21の処理は、単に現在実行中の処理があるか否かをチェックするだけであってもよい(現在実行中の処理があれば、ステップS22の判定はNO)。
図7(a)に示すように、従来でも給電遮断部の二重化やセーフティモジュールの二重化は行われていた。しかし、モータ制御部、セーフティモジュール(安全制御部)それぞれの機能を専用プロセッサ(CPU)により実現していた。つまり、複数のプロセッサ(CPU)が必要であった。
2 モータ制御兼セーフティ回路CPU
3 給電遮断部
4 モータ
5 ブレーキ制御部
6 PG
7 割込入力処理部
8 メモリ保護機能部
9 メモリ保護設定処理部
10 制御指令入力処理部
11 モータ制御処理部
12 制御出力処理部
13 安全指令入力処理部
14 安全監視制御機能部
16CPU診断機能部
17 安全入出力処理部
18 安全関連デバイス
19 阻止SW(スイッチ)
20 PHC(フォトカップラ)
21 OR回路
30 アドレス変換テーブル
31 論理アドレス
32 物理アドレス
40 アクセス不可テーブル
41 論理アドレス
42 セーフティ部α
43 セーフティ部β
44非セーフティ部
Claims (6)
- 制御対象装置の駆動制御を行う駆動制御部と前記駆動制御に係る安全制御を行う安全制御部とが1つのプロセッサ上に備えられる安全制御システムであって、
予め前記駆動制御部、安全制御部それぞれに係るデータ格納領域として所定の記憶領域が割り当てられており、
前記駆動制御部がアクセス不可の記憶領域として、前記安全制御部に割り当てられた記憶領域が登録されるメモリ保護情報記憶手段と、
前記駆動制御部によるメモリアクセス実行の際、当該アクセス先と前記メモリ保護情報記憶手段に登録された登録情報を参照し、当該アクセス先が前記アクセス不可の記憶領域であった場合、前記駆動制御部による前記安全制御部に割り当てられた記憶領域へのメモリアクセスを阻止するメモリ保護手段とを有し、
前記安全制御部は二重化されており、
該二重化された安全制御部それぞれに対して前記所定の記憶領域が割り当てられており、
前記メモリ保護情報記憶手段に登録される情報は、前記駆動制御部は前記二重化された各安全制御部に割り当てられた各記憶領域のどちらにもアクセス不可であるが、前記二重化された各安全制御部はどちらも前記駆動制御部に割り当てられた記憶領域にはアクセス可能であることを特徴とする安全制御システム。 - 前記駆動制御部の各処理と前記安全制御部の各処理をそのタスクレベルに応じて実行させると共に、タスクレベルが最も高い時間監視処理を定周期で実行させる割込制御手段を更に有し、
前記時間監視処理は、その時点で未だ実行中の処理があった場合には該処理を強制終了させることを特徴とする請求項1記載の安全制御システム。 - 前記駆動制御部の前記タスクレベルは、前記安全制御部の前記タスクレベルよりも低位であることを特徴とする請求項2記載の安全制御システム。
- 前記時間監視処理は、その時点で未だ実行中の処理が無い場合または前記強制終了に成功した場合にはウォッチドッグタイマをリセット&再起動し、前記強制終了に失敗した場合には前記ウォッチドッグタイマのタイムオーバーによる所定処理を実行させることを特徴とする請求項2記載の安全制御システム。
- 前記メモリ保護情報記憶手段に登録される情報は、更に、前記二重化された各安全制御部の一方は他方の記憶領域にはアクセス不可であることを特徴とする請求項1記載の安全制御システム。
- 制御対象装置の駆動制御を行う駆動制御部と前記駆動制御に係る安全制御を行う安全制御部とが1つのプロセッサ上に備えられる安全制御システムにおける該プロセッサであって、
前記駆動制御部がアクセス不可の記憶領域として、前記安全制御部に割り当てられた記憶領域が登録されるメモリ保護情報記憶手段と、
前記駆動制御部によるメモリアクセス実行の際、当該アクセス先と前記メモリ保護情報記憶手段に登録された登録情報を参照し、当該アクセス先が前記アクセス不可の記憶領域であった場合、前記駆動制御部による前記安全制御部に割り当てられた記憶領域へのメモリアクセスを阻止するメモリ保護手段とを有し、
前記安全制御部は二重化されており、
該二重化された安全制御部それぞれに対して前記所定の記憶領域が割り当てられており、
前記メモリ保護情報記憶手段に登録される情報は、前記駆動制御部は前記二重化された各安全制御部に割り当てられた各記憶領域のどちらにもアクセス不可であるが、前記二重化された各安全制御部はどちらも前記駆動制御部に割り当てられた記憶領域にはアクセス可能であることを特徴とする安全制御システムのプロセッサ。
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