JP6007557B2 - 支持具、及びプロジェクションシステム - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のプロジェクションシステムでは、複数のプロジェクターから投射された各画像をスクリーン上で重ね合わせることで、スクリーン上に投射画像を表示するスタック投射方式が採用されている。
そして、このようなスタック投射方式を採用することで、1つのプロジェクターのみを用いた場合と比較して、スクリーン上に明るさを向上させた投射画像を表示させることや、立体画像や2種類の画像の観察が可能な投射画像を表示させることができる。
このため、プロジェクションシステムを構築する際には、複数のプロジェクター間の相対的な位置関係が重要となる。
例えば、第1,第2プロジェクターの2台を用いた場合には、スクリーン上で第1,第2プロジェクターから投射された各画像が重なり合うように、第1,第2プロジェクターの姿勢を適宜、変更する必要がある。
すなわち、第1,第2プロジェクターの姿勢を適宜、変更する作業が必要であるため、プロジェクションシステムを構築することが難しい、という問題がある。
このことにより、第1,第2プロジェクターを第1,第2固定部に固定し、第1,第2接続部同士を取付ネジにて取り付ければ、取付ネジの頭部と第1接続部とで第2接続部を挟持し、第1,第2プロジェクター間の相対的な位置関係を容易に規定できる。
したがって、第1,第2プロジェクターを備えたプロジェクションシステムを構築する際に、上述した支持具を用いれば、プロジェクションシステムを容易に構築することができる。
このことにより、第1,第2プロジェクターが第1,第2支持部材に固定された状態で、以下に示すように、第2支持部材に対して第1支持部材を取り付けることができる。
先ず、利用者は、取付用孔に対して取付ネジを緩めた状態で螺合しておく(第1工程)。
次に、利用者は、第1支持部材(第1プロジェクター)を手で持ち、第2支持部材に第1支持部材を近付け、取付ネジの軸部を第2接続部の外縁におけるスリットの形成位置に合わせる(第2工程)。
そして、利用者は、取付用孔に対して取付ネジを締め付けることで、挿通用孔の内縁上でテーパー部を摺動させ、挿通用孔内における所望の位置(挿通用孔の中心位置と取付ネジの中心線とが合致する位置)に取付ネジを位置付けることができる。そして、軸部が螺合した第1接続部と取付ネジの頭部との間で第2接続部が挟持される(第4工程)。すなわち、第2支持部材に対して第1支持部材が取り付けられる。
以上のような第1〜第4工程により、取付用孔に対して取付ネジを予め取り付けた状態で、第2支持部材に対して第1支持部材を取り付けることができるので、支持具を容易に組み立てることができる。
そして、第2支持部材に対する所望の位置に第1支持部材を位置付けることができ、第1,第2プロジェクター間の相対的な位置関係を良好に規定することができる。
本発明では、取付ネジは、上述した嵌合部を備える。
すなわち、上述した第4工程により、取付用孔に対して取付ネジをさらに締め付けることで、挿通用孔に嵌合部を嵌合させることができる。
そして、挿通用孔に嵌合部が嵌合した状態で、第2支持部材に対して第1支持部材が取り付けられるので、第2支持部材に対して第1支持部材ががたつくことがなく、第2支持部材に対する第1支持部材の取付状態を安定化させることができる。
本発明では、挿通用孔は、当該挿通用孔及びスリットを平面的に見た場合に、上述した仮想領域の外側に一部がはみ出た形状を有する。
このため、上述した第3工程により軸部を挿通用孔内に位置付けた場合には、挿通用孔における上述した仮想領域の外側にはみ出た部分により、挿通用孔内からスリット内への軸部(第1支持部材)の移動を規制することができる。
したがって、第2支持部材が種々の姿勢で設置されている状態であっても、上述した第3工程により取付ネジを一旦、挿通用孔内に位置付ければ第1支持部材の移動を規制できるので、利用者は、取付ネジが挿通用孔内に位置した状態を維持するように力を加える必要がない。すなわち、支持具をさらに容易に組み立てることができる。
ところで、円孔で構成された挿通用孔において、当該挿通用孔及びスリットを平面的に見た場合に、上述した仮想領域の外側に一部がはみ出た形状としては、例えば、以下の形状が考えられる。
すなわち、第1の形状としては、当該挿通用孔及びスリットを平面的に見た場合に、上述した仮想領域を挟む両側にそれぞれはみ出た部分を有する形状が考えられる。
また、第2の形状としては、当該挿通用孔及びスリットを平面的に見た場合に、上述した仮想領域を挟む両側のうち片側のみにはみ出た部分を有する形状が考えられる。
この場合、第1の形状を有する挿通用孔と、第2の形状を有する挿通用孔とで内径寸法が同一であれば、第2の形状を有する挿通用孔の方が上述したはみ出た部分の領域が大きいものとなる。
このことにより、第2の形状を有するように形成された挿通用孔は、第1の形状を有するように挿通用孔を形成した場合と比較して、上述したはみ出た部分の領域を大きく設定できる。
したがって、上述した第3工程により軸部を挿通用孔内に位置付けた際に、挿通用孔における上述したはみ出た部分により、挿通用孔内からスリット内への軸部(第1支持部材)の移動をより確実に規制することができる。
ここで、正置き設置の場合には、支持具に固定された第1,第2プロジェクターは、天面が底面に対して上方側に位置する姿勢となる。
一方、天吊り設置の場合には、支持具に固定された第1,第2プロジェクターは、正置き設置の場合とは逆に、天面が底面に対して下方側に位置する姿勢となる。
このため、正置き設置の場合には、上述した第2,第3工程を以下に示すように実施することができる。
すなわち、利用者は、第2工程において、第1支持部材(第1プロジェクター)を手で持ち、床等に設置された第2支持部材(第2プロジェクター)の上方側から第1支持部材
を第2支持部材に近付ける。そして、利用者は、取付ネジの軸部を第2接続部の外縁におけるスリットの形成位置に合わせる。
また、利用者は、第3工程において、挿通用孔に対して取付用孔が対向するまで、スリットの傾斜方向に沿って上方側から下方側に向けて第1支持部材(軸部)を移動させ、軸部を挿通用孔内に位置付ける。
そして、上述した第3工程により軸部を挿通用孔内に位置付けた場合には、スリットが第2接続部の外縁から挿通用孔に向うにしたがって下方側に傾斜しているので、第1支持部材及びプロジェクターの自重により、挿通用孔内からスリット内への軸部(第1支持部材)の移動を規制することが可能となる。
すなわち、利用者は、第2工程において、第1支持部材(第1プロジェクター)を手で持ち、天井等に吊下げられた第2支持部材(第2プロジェクター)の下方側から第1支持部材を第2支持部材に近付ける。そして、利用者は、取付ネジの軸部を第2接続部の外縁におけるスリットの形成位置に合わせる。
また、利用者は、第3工程において、挿通用孔に対して取付用孔が対向するまで、スリットの傾斜方向に沿って下方側から上方側に向けて第1支持部材(軸部)を移動させ、軸部を挿通用孔内に位置付ける。
そして、挿通用孔は、正置き設置において、仮想領域の上方側にはみ出た形状を有している。つまり、挿通用孔は、天吊り設置において、仮想領域の下方側にはみ出た形状を有することとなるので、軸部を挿通用孔内に位置付けた場合には、第1支持部材及びプロジェクターの自重により、挿通用孔内からスリット内への軸部(第1支持部材)の移動を規制することが可能となる。
本発明では、プロジェクションシステムは、上述した支持具を備えるので、上述した支持具と同様の作用及び効果を享受できる。
〔プロジェクションシステムの構成〕
図1は、本実施形態におけるプロジェクションシステム1の使用形態を示す斜視図である。
本実施形態では、プロジェクションシステム1は、反射型のスクリーンSc(図1)上に投射画像PF(図1)を表示するとともに、観察者に投射画像PFを立体視させる3Dプロジェクションシステムで構成されている。
そして、プロジェクションシステム1は、図1に示すように、第1プロジェクター2Uと、第2プロジェクター2Dと、偏光眼鏡3と、支持具4(図2,図3参照)とを備える。
第1プロジェクター2Uは、左目用画像を形成して、当該左目用画像を所定の直線偏光(以下、第1直線偏光)でスクリーンSc上に投射する。
第2プロジェクター2Dは、右目用画像を形成して、当該右目用画像を第1直線偏光に対して偏光方向が直交する第2直線偏光でスクリーンSc上に投射する。
そして、スクリーンSc上には、左目用画像と右目用画像とが互いに重ね合わされた投射画像PFが表示される。
このため、以下では、第1プロジェクター2Uの構成を主に説明し、第2プロジェクター2Dについては、第1プロジェクター2Uと同一の符号を付して説明を省略する。
第1プロジェクター2Uは、図1に示すように、外装を構成する外装筐体21と、外装筐体21内部に収納される光学ユニット22(図2参照)等を備える。
外装筐体21は、図1に示すように、床や机上等に設置される正置き設置の場合に上方側に位置する天面21A、及び下方側に位置する底面21Bと、投射側に位置する前面21Cと、投射側とは反対側に位置する背面21Dと、側方に位置する各側面21E,21Fとを有する略直方体形状を有する。
光学ユニット22は、光源装置と、液晶パネル等の光変調装置と、投射レンズ221(図2参照)とを備える。そして、光源装置から出射された光束は、光変調装置にて変調され、投射レンズ221からスクリーンScに投射される。
偏光眼鏡3は、観察者が装着するものであり、図1に示すように、左目用透過部31と、右目用透過部32とを備える。
左目用透過部31は、透過軸が第1直線偏光の偏光方向と同一方向となる偏光レンズで構成されている。
右目用透過部32は、透過軸が第2直線偏光の偏光方向と同一方向となる偏光レンズで構成されている。
このため、観察者は、スクリーンSc上の投射画像PFを視差により立体視する。
図2及び図3は、支持具4の構成を示す図である。具体的に、図2は、第1,第2プロジェクター2U,2Dが支持具4に支持された状態を前方側(投射側)から見た斜視図である。図3は、分解された支持具4を側方から見た図である。
支持具4は、第1,第2プロジェクター2U,2Dを積層配置するように支持する。
具体的に、支持具4は、図2に示すように、第2プロジェクター2Dの天面21A側に第1プロジェクター2Uが配置され、第1,第2プロジェクター2U,2Dの投射レンズ221が同一側を向くように第1,第2プロジェクター2U,2Dを支持する。
支持具4は、床や机上等に設置される正置き設置(第1,第2プロジェクター2U,2Dの天面21Aが底面21Bに対して上方側に位置し、第1プロジェクター2Uが第2プロジェクター2Dの上方側に位置する姿勢)、及び正置き設置に対して上下が反転され、天井等に設置される天吊り設置が可能に構成されている。なお、図2及び図3は、正置き姿勢の場合を図示したものである。
また、以下では、説明の便宜上、第2プロジェクター2Dからの画像の投射方向をZ軸(投射方向を+、投射方向の逆方向を−)、当該Z軸に直交する水平軸をX軸、当該Z軸に直交する鉛直軸をY軸(上方側を+、下方側を−)とする(図2,図3)。
なお、図3では、説明の便宜上、一対の取付ネジ7及び一対の位置決め用ネジ8の図示を省略している。
第1支持部材5は、第1プロジェクター2Uを支持する部材である。
この第1支持部材5は、図2または図3に示すように、第1固定部51と、一対の第1接続部52A,52Bとを備える。
第1固定部51は、第1プロジェクター2Uの底面21Bと略同一のサイズを有する矩形状の板体で構成されている。
そして、第1プロジェクター2U(底面21B)は、第1固定部51の板面(図2または図3中の上面)にネジ(図示略)により固定される。
より具体的に、一対の第1接続部52A,52Bは、図2または図3に示すように、YZ平面に平行となる板体で構成されている。
なお、一対の第1接続部52A,52Bは、同様の機能(後述する取付用孔521及び位置決め用ネジ孔522A〜522D)を有するものであるため、以下では、図2中、右側に位置する第1接続部52Aを主に説明する。
なお、一対の第1接続部52A,52Bに形成された各取付用孔521は、具体的な図示は省略したが、X軸方向に沿って互いに対向する位置に形成されている。
また、第1接続部52Aには、図3に示すように、X軸方向に沿って貫通し、位置決め用ネジ8が螺合される4つの位置決め用ネジ孔522A〜522Dが形成されている。
なお、4つの位置決め用ネジ孔522A〜522Dの機能については、後述する。
第2支持部材6は、第2プロジェクター2Dを支持する部材である。
この第2支持部材6は、図2または図3に示すように、第1支持部材5と略同様に、第2固定部61と、一対の第2接続部62A,62B(図2,図9参照)とを備える。
第2固定部61は、第2プロジェクター2Dの底面21Bに対して、X軸方向の寸法が若干大きく形成された矩形状の板体で構成されている。
そして、第2プロジェクター2D(底面21B)は、第2固定部61の板面(図2または図3中の上面)にネジ(図示略)により固定される。なお、詳細な説明は省略するが、第2固定部61には、正置き設置される際に、床や机等の設置面に当接する複数の脚部611(図3)が設けられている。
より具体的に、一対の第2接続部62A,62Bは、図2または図3に示すように、一対の第1接続部52A,52Bと同様に、YZ平面に平行となる板体で構成されている。
そして、支持具4を組み立てた状態では、一対の第2接続部62A,62Bは、一対の第1接続部52A,52BをX軸方向の両側から挟む位置に位置付けられる。
第2接続部62Aは、図3に示すように、平面視で略矩形形状を有する。
この第2接続部62Aには、スリット621と、挿通用孔622と、4つの位置決め用挿通孔623A〜623Dとが形成されている。
スリット621は、図3または図4に示すように、第2接続部62Aにおける−Z軸側の端縁624(第2接続部62Aの外縁)から、支持具4を組み立てた状態で、取付用孔521に対向する位置に向けて延びるように形成されている。
より具体的に、スリット621は、正置き設置の場合に、第2接続部62Aにおける−Z軸側の端縁624から取付用孔521に対向する位置に向うにしたがって下方側に傾斜して直線状に延びるように形成されている。
また、端縁624は、正置き設置におけるスリット621の下方側が上方側より−Z軸側に突出する段付き形状を有する。
より具体的に、挿通用孔622は、以下に示す形状を有する。
ここで、挿通用孔622及びスリット621を平面的に見た場合に、下縁621A及び上縁621Bをスリット621の延びる方向に沿って仮想的に延長した仮想線を仮想線VL1,VL2(図4)とする。また、各仮想線VL1,VL2で挟まれる領域を仮想領域VAr(図4)とする。
また、本実施形態では、挿通用孔622は、挿通用孔622及びスリット621を平面的に見た場合に、円孔で構成された挿通用孔622の接線が下縁621Aに一致するように形成されている。
なお、一対の第2接続部62A,62Bに形成された各スリット621は、具体的な図示は省略したが、X軸方向に沿って互いに対向する位置に形成されている。一対の第2接続部62A,62Bに形成された各挿通用孔622も同様である。
なお、4つの位置決め用挿通孔623A〜623Dの機能については、後述する。
図5は、取付ネジ7の構成を示す図である。
一対の取付ネジ7は、第1接続部52A,52Bのそれぞれの取付用孔521に螺合され、締められることによって、第1接続部52A,52Bとで第2接続部62A,62Bをそれぞれ挟持可能に構成されている。
なお、一対の取付ネジ7は、同一の形状を有するため、以下では、1つの取付ネジ7のみを説明する。
取付ネジ7は、図5に示すように、軸部71と、頭部72と、テーパー部73と、嵌合部74とを備える。
そして、軸部71は、取付用孔521に螺合する。
なお、軸部71の外径寸法は、スリット621の幅寸法(下縁621A及び上縁621Bの離間寸法)よりも小さくなるように設定されている。また、軸部71の先端には、止め輪(図示略)が組み込まれる溝71Bが形成されており、取付ネジ7は、取付用孔521に螺合された後、溝71Bに止め輪が組み込まれ、第1接続部52A,52Bからの脱落防止が図られている。
頭部72は、軸部71の一端側に形成され、略円柱形状を有する。
なお、頭部72の外径寸法は、軸部71の外径寸法よりも大きく、挿通用孔622の内径寸法よりも大きくなるように設定されている。
なお、嵌合部74の外径寸法は、軸部71の外径寸法よりも大きく、頭部72の外径寸法よりも小さくなるように設定されている。また、嵌合部74の外径寸法は、挿通用孔622の内径寸法と略同一となるように設定されている。
テーパー部73は、軸部71の外周と、嵌合部74の外周とを接続する部分であり、軸部71側から嵌合部74側に向うにしたがって断面積が次第に大きくなる円錐台形状を有する。
なお、上述した軸部71、頭部72、嵌合部74、及びテーパー部73は、各中心線CL(図5)が一致するように一体形成されている。
次に、第1支持部材5に第1プロジェクター2Uが固定され、第2支持部材6に第2プロジェクター2Dが固定された状態で、第2支持部材6に対して第1支持部材5を取り付ける支持具4の組立方法について説明する。
図6は、支持具4の組立方法を説明するフローチャートである。
なお、以下では、支持具4の組立方法として、正置き設置の場合、及び天吊り設置の場合を順に説明する。
図7ないし図9は、正置き設置の場合での支持具4の組立方法を説明する図である。具体的に、図7は、ステップS1,S2を説明するための図であり、第1プロジェクター2Uが固定された第1支持部材5と、第2プロジェクター2Dが固定された第2支持部材6とを分解した状態を側方から見た図である。図8は、ステップS2〜S4を説明するための図であり、第2接続部62A及び取付ネジ7を拡大した斜視図である。図9は、ステップS4が実施された後の状態を示す斜視図である。図10は、ステップS5を説明するための図であり、支持具4が組み立てられた後の状態を側方から見た図である。
なお、第1,第2接続部52A,62Aと取付ネジ7との関係と、第1,第2接続部52B,62Bと取付ネジ7との関係とが同様の関係となるため、以下では、図7ないし図9を参照しつつ、第1,第2接続部52A,62Aと取付ネジ7との関係を主に説明する。
ステップS1の後、利用者は、以下に示すように、取付ネジ7の軸部71を第2接続部62A,62Bにおけるスリット621の形成位置に合わせる(ステップS2)。
すなわち、利用者は、図7に示すように、第1プロジェクター2Uの天面21Aが底面21Bに対して上方側に位置するように第1支持部材5を手で持つ。そして、利用者は、床等に設置された第2支持部材6(第2プロジェクター2D)の上方側から第1支持部材5を第2支持部材6に近付ける。
そして、利用者は、取付ネジ7の軸部71を第2接続部62A,62Bにおける−Z軸側の端縁624の段付き部分に当接させる。すなわち、軸部71を−Z軸側の端縁624の段付き部分に当接させることで、軸部71は、図8(A)に示すように、−Z軸側の端縁624におけるスリット621の形成位置に位置付けられることとなる。
ステップS3の後、利用者は、図8(C)に示すように、取付用孔521に対して取付ネジ7をさらに締め付ける(ステップS4)。
ステップS4において、取付用孔521に対して取付ネジ7をさらに締め付けると、挿通用孔622の内縁上でテーパー部73が摺動しながら、取付用孔521に向けて取付ネジ7が移動し、結果として、挿通用孔622に嵌合部74が嵌合し、第2接続部62A,62Bは、頭部72と第1接続部52A,52Bとにそれぞれ挟持される。
そして、挿通用孔622に嵌合部74が嵌合した状態では、挿通用孔622が円孔で構成され、嵌合部74が円柱形状を有しているため、図9に示すように、一対の取付ネジ7をX軸に平行となる回転軸として、第2支持部材6に対して第1支持部材5が回転可能な状態となる。
例えば、利用者は、図10に示すように、位置決め用挿通孔623A(図9)に位置決め用ネジ8を挿通し、位置決め用ネジ孔522A(図7)に位置決め用ネジ8を螺合する。
このように、位置決め用ネジ8を螺合することで、第2支持部材6に対する第1支持部材5の回転が規制される。
すなわち、位置決め用ネジ孔522A、位置決め用挿通孔623Aを利用して位置決め用ネジ8を螺合した場合に、第1支持部材5が第1の回転位置に規定される。
同様に、位置決め用ネジ孔522B、位置決め用挿通孔623Bを利用した場合、位置決め用ネジ孔522C、位置決め用挿通孔623Cを利用した場合、及び位置決め用ネジ孔522D、位置決め用挿通孔623Dを利用した場合に、第1支持部材5は、第2〜第4の回転位置にそれぞれ規定される。
すなわち、位置決め用ネジ孔522A〜522D及び位置決め用挿通孔623A〜623Dは、第2支持部材6に対する第1支持部材5の回転位置(第1プロジェクター2Uの投射位置)を調整する機能を有する。
そして、第2支持部材6に対する第1支持部材5の回転位置は、第2プロジェクター2DからスクリーンSc(図1)までの投射距離に対応した回転位置が選択されることで、スクリーンSc上に投射される左目用画像と右目用画像とが重ね合わせ易いように設定されている。
図11及び図12は、天吊り設置の場合での支持具4の組立方法を説明する図である。具体的に、図11は、ステップS1,S2を説明するための図であり、第1プロジェクター2Uが固定された第1支持部材5と、第2プロジェクター2Dが固定された第2支持部材6とを分解した状態を側方から見た図である。図12は、ステップS2〜S4を説明するための図であり、第2接続部62A及び取付ネジ7を拡大した斜視図である。
なお、天吊り設置の場合での支持具4の組立方法は、正置き設置の場合での支持具4の組立方法と略同様であるため、以下では、異なる点のみを説明する。
すなわち、利用者は、図11に示すように、第1プロジェクター2Uの天面21Aが底面21Bに対して下方側に位置するように第1支持部材5を手で持つ。
また、利用者は、天井等に吊下げられた第2支持部材6(第2プロジェクター2D)の下方側から第1支持部材5を第2支持部材6に近付け、一対の第2接続部62A,62B間に一対の第1接続部52A,52Bを位置付ける。
そして、利用者は、図12(A)に示すように、正置き設置の場合と同様に、取付ネジ7の軸部71を第2接続部62A,62Bにおける−Z軸側の端縁624の段付き部分に当接させる。
すなわち、利用者は、挿通用孔622に対して取付用孔521が対向するまで、スリット621の傾斜方向に沿って下方側から上方側に向けて第1支持部材5(軸部71)を移動させる。そして、利用者は、図12(B)に示すように、軸部71を挿通用孔622内に位置付ける。
そして、利用者は、ステップS4において、図12(C)に示すように、取付用孔521に対して取付ネジ7をさらに締め付けることで、正置き設置の場合と同様に、挿通用孔622に嵌合部74が嵌合し、第2接続部62A,62Bは、頭部72と第1接続部52A,52Bとにそれぞれ挟持されることとなる。
本実施形態では、支持具4は、第1,第2支持部材5,6及び取付ネジ7を備える。
このことにより、第1,第2プロジェクター2U,2Dを第1,第2固定部51,61に固定し、第1,第2接続部52A,62A同士(第1,第2接続部52B,62B同士)を取付ネジ7にて固定すれば、取付ネジ7の頭部72と第1接続部52A,52Bとで第2接続部62A,62Bを挟持し、第1,第2プロジェクター2U,2D間の相対的な位置関係を容易に規定できる。
したがって、第1,第2プロジェクター2U,2Dを備えたプロジェクションシステム1を構築する際に、支持具4を用いることで、プロジェクションシステム1を容易に構築することができる。
このことにより、ステップS1〜S5により、取付用孔521に対して取付ネジ7を予め取り付けた状態で、第2支持部材6に対して第1支持部材5を取り付けることができるので、支持具4を容易に組み立てることができる。
そして、テーパー部73により、第2支持部材6に対する所望の位置に第1支持部材5を位置付けることができ、第1,第2プロジェクター2U,2D間の相対的な位置関係を良好に規定することができる。
すなわち、ステップS4により、取付用孔521に対して取付ネジ7をさらに締め付けることで、挿通用孔622に嵌合部74を嵌合させることができる。
そして、挿通用孔622に嵌合部74が嵌合した状態で、第2支持部材6に対して第1支持部材5が取り付けられるので、第2支持部材6に対して第1支持部材5ががたつくことがなく、第2支持部材6に対する第1支持部材5の取付状態を安定化させることができる。
また、第1,第2接続部52A,52B,62A,62Bは、それぞれ一対設けられているので、第1,第2固定部51,61の両側で第2支持部材6に対して第1支持部材5を取り付けることができる。このため、第2支持部材6に対する第1支持部材5の取付状態をさらに安定化させることができる。
このことにより、正置き設置の場合には、ステップS3により軸部71を挿通用孔622内に位置付けると、スリット621が第2接続部62A,62Bの端縁64から取付用孔521に対向する位置に向うにしたがって下方側に傾斜しているので、第1支持部材5及び第1プロジェクター2Uの自重により、挿通用孔622内からスリット621内への軸部71(第1支持部材5)の移動を規制することができる。
一方、天吊り設置の場合には、挿通用孔622は、正置き設置の場合とは逆に、仮想領域VArの下方側に一部がはみ出た形状を有することとなるので、ステップS3により軸部71を挿通用孔622内に位置付けると、第1支持部材5及び第1プロジェクター2Uの自重により、挿通用孔622内からスリット621内への軸部71(第1支持部材5)の移動を規制することができる。
したがって、正置き設置及び天吊り設置の双方の場合において、ステップS3により軸部71(取付ネジ7)を一旦、挿通用孔622内に位置付ければ第1支持部材5の移動を規制できるので、利用者は、軸部71が挿通用孔622内に位置した状態を維持するように力を加える必要がない。すなわち、支持具4をさらに容易に組み立てることができる。
すなわち、正置き設置の場合には、第2支持部材6は、床等の下方側に設置されている。
そして、スリット621の傾斜方向が上述したように設定されているので、利用者は、ステップS3において、下方側に位置する第2支持部材6に向けて、スリット621に沿って上方側から下方側に向けて第1支持部材5を移動させることができる。
また、天吊り設置の場合には、第2支持部材6は、天井等の上方側に設置されている。
そして、スリット621の傾斜方向が上述したように設定されているので、利用者は、ステップS3において、上方側に位置する第2支持部材6に向けて、スリット621に沿って下方側から上方側に向けて第1支持部材5を移動させることができる。
したがって、正置き設置及び天吊り設置の双方において、第2支持部材6に対する第1支持部材5の組み込み(ステップS3)を容易に実施できる。
このことにより、上述したように形成された挿通用孔622は、仮想領域VArを挟む両側にそれぞれはみ出た部分を有するように挿通用孔622を形成した場合と比較して、仮想領域VArの外側にはみ出た部分の領域を大きく設定できる。
したがって、天吊り設置の場合において、ステップS3により軸部71を挿通用孔622内に位置付けた際に、挿通用孔622における仮想領域VArの外側にはみ出た部分により、挿通用孔622内からスリット621内への軸部71の移動をより確実に規制することができる。
前記実施形態では、第1プロジェクター2Uから左目用画像を第1直線偏光で投射させ、第2プロジェクター2Dから右目用画像を第2直線偏光で投射させ、すなわち、第1,第2直線偏光を利用して、投射画像PFを立体視させていたが、これに限らない。
例えば、左回りの円偏光、及び右回りの円偏光を利用して投射画像を立体視させる構成を採用しても構わない。
このように構成した場合には、偏光眼鏡3も上記構成に対応させて、左目用透過部31が左回りの円偏光及び右回りの円偏光の一方のみを透過させ、右目用透過部32が他方のみを透過させる構成とする。
前記実施形態では、第1,第2固定部51,61は、第1,第2プロジェクター2U,2Dの各底面21Bが固定されるように構成されていたが、これに限らない。
例えば、本発明に係る第1,第2固定部としては、第1,第2プロジェクター2U,2Dの各天面21A、背面21D、あるいは、側面21E,21Fが固定されるように構成しても構わない。
前記実施形態では、支持具4により、正置き設置の場合に、第1プロジェクター2Uが第2プロジェクター2Dの上方側に位置するように構成されていたが、第1,第2プロジェクター2U,2Dの位置関係がその他の位置関係となるように支持具4を構成しても構わない。
Claims (6)
- 第1プロジェクター及び第2プロジェクターを積層配置するように支持する支持具であって、
前記第1プロジェクターが固定される第1固定部、及び前記第1固定部に接続される第1接続部を有する第1支持部材と、
前記第2プロジェクターが固定される第2固定部、及び前記第2固定部に接続される第2接続部を有する第2支持部材と、
外周にネジ溝が形成された軸部、及び前記軸部の一端側に設けられた頭部を有し、前記第1接続部と前記頭部とで前記第2接続部を挟持可能な取付ネジと、を備え、
前記第1接続部には、
前記取付ネジが螺合される取付用孔が形成され、
前記第2接続部には、
前記第1接続部と前記第2接続部とが前記取付ネジによって組み合わさった際に前記取付用孔に対向し、前記取付用孔に螺合する前記取付ネジが挿通する円孔状の挿通用孔と、
外縁から延出して前記挿通用孔と連通するスリットと、が形成され、
前記取付ネジは、
前記軸部及び前記頭部の間に設けられ、前記軸部から前記頭部に向うにしたがって断面積が大きく、前記挿通用孔の内縁上を摺動可能なテーパー部を備える
ことを特徴とする支持具。 - 請求項1に記載の支持具において、
前記取付ネジは、
前記テーパー部及び前記頭部の間に設けられ、前記挿通用孔に嵌合する嵌合部を備える
ことを特徴とする支持具。 - 請求項1または請求項2に記載の支持具において、
前記挿通用孔は、
前記挿通用孔及び前記スリットを平面的に見て、前記スリットを前記スリットの延びる方向に沿って仮想的に延長させた仮想領域の外側に一部がはみ出た形状を有する
ことを特徴とする支持具。 - 請求項3に記載の支持具において、
前記挿通用孔は、
前記挿通用孔を平面的に見た場合での前記挿通用孔の接線が前記スリットの各縁のうちいずれか一方に一致するように形成されている
ことを特徴とする支持具。 - 請求項3または請求項4に記載の支持具において、
前記第1接続部及び前記第2接続部は、
鉛直方向に沿って延びるように形成され、
前記スリットは、
前記第1固定部及び前記第2固定部に固定された前記第1プロジェクター及び前記第2プロジェクターの天面が底面に対して上方側に位置する姿勢で、前記第2接続部の外縁から前記挿通用孔に向うにしたがって下方側に傾斜した形状を有し、
前記挿通用孔は、前記姿勢において、前記仮想領域の上方側にはみ出た形状を有している
ことを特徴とする支持具。 - 第1プロジェクターと、第2プロジェクターと、請求項1から請求項5のいずれかに記載の支持具とを備える
ことを特徴とするプロジェクションシステム。
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